2008-09-28 21:53:36
遙か南方の海上で颱風が発生するともう私は一日何回も台風情報が気になって仕方がなくなる。いや、颱風になりそうな雲の渦を見つけたときからと云った方がいいかも知れない。その動きを追い続けるわけだ。
もちろん、颱風に直撃されると困る。ベランダに出してある食虫植物や朝顔を家の中に入れなければならないし、万一停電になったりしたら、もう何もできない。冷蔵庫は止まって食べ物や飲み物も腐ってくる。大変である。
中学生か高校生だった頃、颱風で大雨が降って家の周りに水が押し寄せてきたことがある。水門の開閉を間違えたとかで、うまく田の水を川へ排水できずに雨水がどんどん溜まってしまったらしい。そんなことは後になって解ったことで、そのときはただ水位の上昇を見つめるだけだった。
いや、見つめるだけではなく、一回の本の、本棚の下の方にあるものを二階に運んだ。全部はとても運べなかったのだ。床から一メートルくらいまでのものは全部運んだような気がする。結局、床下浸水直前で水は引いたのだが、それでも大変だった。
そういう心配がないときは、部屋の中で豪雨を鑑賞する。私は豪雨を眺めるのが好きだ。稲妻も。夜中でも激しい雷雨に気づくと起き上がって窓際でじっと外を眺める。その圧倒的な迫力をただ眺める。子供の頃の、颱風で学校が休みになるんじゃないかという不純な動機とは全く別のものである。
今日、台湾に上陸した颱風はずいぶん大きいようだ。910hPaだった。伊勢湾颱風とか室戸颱風くらい?
上陸前にくっきり見えていた目は、もう消えてしまった。
『台風学入門』なんて本があることを、今日初めて知った。欲しいなあ。でも、我が家には本を置く余地があまりないのだ。雲の動きとか、天気図の気圧配置を眺めていると、なかなか楽しい。昨日読んだ、恩田陸『きのうの世界』(1700円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]に、激しい雨の場面が繰り返し出てくる。雨は何か不思議なものを連れてくるような気がする。颱風の日に読む本を今から用意しておいた方がいいだろうか。