2008-10-09 23:08:41
なぜか解らないが、パンを焼きたくなった。一週間以内にパンを焼かなかったらもう倒れるんじゃないかというくらいの感情である。理由は全くわからない。でも、何か行動を起こさないと仕事も手につかないような気がして、ドライイーストと強力粉を買ってきた。次は本である。何をするにも私は本を買わないと気が済まない。が、今は極力書棚の本を増やさないように努力しているところである。オンラインで検索して作成法を見つければいいではないかと心の中の声が囁き続けたのだが、オンライン書店の誘惑には勝てず二冊註文してしまった。『パンの歴史』とかいう本を買うのを我慢しただけ自分を褒めてやりたい。
本を検索していたときも、パン屋の店頭でも、この頃目につく不愉快なものが「天然酵母」である。酵母は生き物だから、天然に決まっている。人工酵母なんていない。酵母の人工染色体は遺伝子工学の手法で作れるようになってはいるが、酵母そのものは天然の生き物以外にこの世に存在しない。それなのに、天然酵母とは一体何事だ。許せない。だから、パン屋の店先でどんなに美味そうなパンであっても、そういう怪しい言葉を掲げているパンは買わない。何か雑菌が入っていそうだし。
「天然酵母」なんて文字を見ると、「う〜、嫌らしい、イースト菌のにおい!」と鳥居みゆき風に顔を歪めてみたくなる。「あんなお堅いフランスを、捏ねて捏ねて、捏ねくり回して、しばらく寝かせて、バターを体全身にたっぷり塗って、ぱんぱんぱんぱんぱんぱんよぉ〜っ」と怒鳴ったらもう気が狂ったと思われるので我慢するが。そういえば、昨日だか一昨日もTVで「米のよしだ」を演っていたが、この台詞はちゃんと云ったのかな(今までとは違った短縮版だった。でも、珍しくTVで「山崎春のパン祭り」がでてきた)。
アメリカに二年間いたときは、毎日のようにパンを焼いていたのだった。出来合いの粉を混ぜて焼くだけだったが、自分で焼いたパンで弁当を作って仕事に行っていた。カフェテリアの料理がちょっと高かったということもある。そこでスープだけ買って、自分で持っていったサンドイッチを食べていた。子供が生まれた頃、ちょっと火傷をして作れなくなるまで、そうやっていた。手に火傷をしてからは、パン屋で買ったパンを食べていた。ベーグルが好きだった。作るのが大変らしいが、いつか作ってみたいものだ。
材料も本も買ったから、本が届いたらパンを焼こう。