2009-01-02 11:54:33
Linux vs. Macとはいっても、突然ノートパソコンが立ち上がって激しい戦いを繰り広げるという動画の紹介ではない。MacOSXよりもLinuxの方が使い安いよという強い主張を提示している記事を見つけただけである。聞くところによると、Linuxとはカーネルのことをいうそうだが、「一般的にはUNIXライクなコンピュータ用オペレーティングシステム (OS) の一群を指し、厳密にはそのうちのOSカーネル (Linuxカーネル) のことである。(Wikipedia)」と書いてあるように、私も一般的な用法で使うことにする。同英語サイトも「Linux is a Unix-like computer operating system family based on the Linux kernel.」という書き出しで始まっている。いちいちlinuxディストリビューションと書くのは面倒臭い。
さて、「LinuxがMac OS Xよりも優れている10のこと」というZDNet Japanの記事があって、こんなふうに始まっている。
Mac OS Xにはユーザーフレンドリーという謳い文句があるが、Linuxに及んでいない部分がまだまだ数多くある。柔軟性からポータビリティ、さらにはコストにいたるまでのあらゆる点において、Linuxが優れているという私の主張を読んでもらいたい。
そして、柔軟性、オープンソース、コマンド行、ハードウェア要件、セキュリティ、ポータビリティ、コスト、利用可能なソフトウェアの数、ユーザーに対するやさしさ、キーボードの効率性の10項目についてMacOSXよりもLinuxの方がすぐれていると主張している。
そこに書かれていることはそんなに間違っていないと思う。しかし、それを必要としている人と必要としていない人がいるだけではないだろうか。コマンドラインでの作業なんて、多くの人は求めていない。この著者は主にUbuntu 8.10とMacOSX 10.5を比べているようだけど、私も偶然Ubuntu 8.10とMacOSXを使っている。職場ではUbuntu:Macが9:1くらい、自宅では逆に1:9くらいだが、Macが使いやすいこともあれば、Ubuntuが使いやすいこともある。プリンターやスキャナはMacの方が使えるものが多い。画面はMacの方がやはり綺麗だと思う。安価なハードでてきぱき動くのはUbuntuだ。どちらが優れていると勝負する必要はないと思うのだが。この著者は何のためにこの記事を書いたのだろうか。Ubuntuの使いやすさを認識してもらって、普及させたかったのだろうか。オープンソースかどうかとか、Delキーがどうかとか(ちなみに私が使っているKensingtonのキーボードではMacOSXでも二種類のDelキーが使える)、通常の使用者にはまず関係ないと思われることを切々と訴えているが、多くの人にとってはあまり意味がないと思うし、そういうことがよく判っている人は、いまさらここで云われなくても認識できているはずだ。
私にとってはMacOSXもUbuntu Linuxもコマンドラインも含めて共通の使い方ができるところが多くて両者とも使いやすいし、判りやすい。さっぱり判らないのがWindowsである。ここで私も理不尽な「LinuxがWindowsよりも優れている10のこと」を書けるかも知れないのだが、あまり意味がないので、そんなことはしない。それはきっと日本中で正月に繰り広げられる雑煮抗争みたいなものだろう。餅は角餅か丸餅か、焼くか焼かないか、澄まし汁か味噌汁かというような。ちなみに私は口に入れてしまえば丸も角も区別できないのでどうでもいいと思っています。