2009-07-14 23:12:06
アメリカにLocusというSF情報誌がある。これを何十年も刊行し続けてきたのが、Charles N. Brownという人である。この人が12日に亡くなったという。
私は会ったこともない人なのだが、Locusには20年以上もお世話になっている。この新刊紹介欄を読んで新刊書を注文してきた。この情報誌がなかったら私の一生は大きく変わっていたかも知れない(変わっていなかったかも知れないが)。
我が家にある一番古いLocusが1981年3月号である。定期購読を始めたのがこの号だったのだろう。しかし、そうだとすると私は高校二年の冬に定期購読を申し込んだことになる。かなり変わった高校生だ。道理で友達がいなかったわけだ。
この号の書評欄には、ジーン・ウルフの『調停者の鉤爪』が載っている。その後、私はこの作品の評価が高いことを知ってか、ペーパーバック版を買っているのである。でも、読まなかった。あの頃、私は本を買うばかりであまり読まなかったのだ。それでも、毎月この情報誌の書評欄に目を通しては、英米の書店に本を註文した。Locusがなかったら、すなわちCharles N. Brownがいなかったら、私の一生はまったく違ったものになっていたかも知れないのだ(もちろん、全然変わっていなかった可能性もある)。そんなCharles N. Brown氏に心から哀悼の意を捧げたい。