2009-08-12 15:41:01
 Bookendsというのは文献管理のためのアプリケーションである。書籍管理(蔵書管理)もできる。文献管理というとMacではEndNoteが昔から有名なのだが、これが個人で買うにはちょっと高い。そこで私はBookendsを使っていた。といっても無料ではない。
EndNoteでは、Microsoft Word用のAdds-inがあって、これを使えば論文を書きながら、メニューから引用論文操作を選んでいろいろなことができるのと同様に、 Bookendsでもそんなことが可能で便利だったのだ。しかし、私はMS Wordは基本的に使わないから、全然便利でも何でもなかった。ところが、久し振りにBookendsをダウンロードしてみたら、Nisus Writer Express用のマクロがあるではないか。これを使えば、Nisus Writer Expressでもメニューから引用文献の操作ができることになる。今回の私のように、BookendsのあとにNisus Writer Expressをインストールした場合は、このマクロが自動的にインストールされないので、~/Library/Application Support/Nisus Writer/Macros の中に手動で入れてやらなければならない。
私はこの頃はもっぱらUbuntu上でLaTeX形式で論文を書き、引用文献の処理はBibTeXでやっていた。今まではそれでうまい具合にできていたのだが、今回投稿しようと思っている学術誌の引用文献の形式に私の技術ではうまく対応できないうえに、投稿規定には原稿はMicrosoft WordあるいはRTF形式なんて書いてあるのだ。PDFじゃ駄目なのか。やってみれば大丈夫だったりしそうなのだが、もし駄目だったときのことも考えて準備しておかなければならない。Nisus WriterならRTF形式だから対応できるのではないかと思ったわけだ。引用文献も含めて。そうした場合、数式をどうやって書いたらいいのかまだよく判っていないのだが、あたそれはあとで考えよう。
今回試してみたのが、サーバ機能。いつからあったのかは知らないが、試したのは初めてである。Preferencesパネルの一番右にあるServerというところを選んで、「Allow Web access to databases」にチェックを入れて有効にするだけである。ポートは変更しなければ2001である。そのときのIPアドレスが表示されているので、それを使ってアクセスすればいい。アクセスに承認を設定したりもできる。ここで使えるデー場ベースは~/Library/Application Support/Bookends/Server直下に置いたデータベースのみである。だからデータベースはDocuments(書類)フォルダではなく、そこに移すなり新たに作るなりしなければならない。私はServerDB.bdbというデータベースファイルを作った。
これで192.168.xx.xx:2001をブラウザで開いても何も見えない。自分でhtmlファイルを作らなければならないのだ。雛形(template)くらい用意しておいてくれてもいいのに。文句を云っていても何も解決できないので、最低限、検索と結果表示ができるページを作った。
<body>
<h2>Bookends Server</h2>
<p>
<form method=POST action="http://192.168.x.xxx:2001/BEPost">
Word or phrase to search for: <INPUT SIZE=50 NAME="Query">
</p>
<p>
    Format :
<SELECT NAME="Format">
<OPTION>BibTeX
<OPTION>Chicago
<OPTION>APA
<OPTION>Medline
</SELECT>
</p>
<p>Find in field:
<SELECT NAME="Field">
<OPTION VALUE = "allFields">All
<OPTION>Authors
<OPTION>Title
<OPTION>Editors
<OPTION>Journal
<OPTION>Volume
<OPTION>Pages
<OPTION>Date
<OPTION>Publisher
<OPTION>Location
<OPTION>Keywords
<OPTION>Abstract
<OPTION>Notes
<OPTION>User1
<OPTION>User2
</SELECT>
</p>
<INPUT TYPE="Hidden" NAME="Head" VALUE= "<h1>Search Results</h1>">
<INPUT TYPE="Hidden" NAME="Foot" VALUE="<A HREF=default.html>Return to home page</A>">
<INPUT TYPE="Hidden" NAME="ShowHitNum" VALUE="true">
<INPUT TYPE="Hidden" NAME="DB" VALUE="ServerDB.bdb"
<INPUT TYPE=Submit VALUE="Submit Search">
<INPUT TYPE=Reset VALUE="Start Over">
</form>
</body>
これを、default.htmlという名前で上記Serverフォルダに保存し、ブラウザでhttp://192.168.x.xxx:2001/default.htmlを開くと、こんな画面が表れる。
Formatというのは出力形式。ここではBibTeXを選んでいる。何か言葉を入れて検索してみると、下のような結果が得られる。
こうしてLinux側でLaTeXで論文を書いているときに、引用文献を追加したくなったらこうして追加するのに利用できるかも知れない。