2009-08-13 18:37:00
Bookendsは昨日書いたように文献(図書)管理のためのMacOSXアプリケーションである。これを使ってBibTeX形式で引用文献を挿入している論文の文献参照処理をやってみた。馴染みのない人には何を云っているのかよく判らないだろうけれど、BibTeXを使っている人には多分通じるから、そうでない人は諦めていただきたい。
さて、LaTeXで論文を書いていて、文献を引用するときは¥cite{siqueira2000checkerboard}というように引用箇所に印を入れておく。これはGoogle ScholarでBibTeXデータを作るとこんな感じになる例で、もちろん何でもいい。¥cite{PMID:16709590}というように番号をつけてやってもいい。ご存じだろうけど。別にref.bibとでも名付けて文献データファイルを作っておいて、文献リストを挿入したい場所に、¥bibliography{ref}なんて書いておいたうえで、bibtexの呪文を唱えれば、引用箇所には正しい書式で番号など振って、さらに引用文献リストを作ってくれるのだ。素晴らしい。しかし、これが思うようなリストを作ってくれないことがある。BibTeXに詳しい人は自分好みの形式を作れるんだろうが、私にはどうにもできなくなってしまった。そこで、Bookendsの助けを借りたのである。
まず、BookendsのPreferencesを開いてBibTeXのパネルを表示させ、Enable BibTeXにチェックを入れて有効にする。次にScan & Bibのパネルに移ってCitation delimitersをBibTeXにする。他は変更しなくていいと思う。
Preferencesは閉じて、今度はBiblioというメニューからFormats Manager...という項目を選び、自分好みのリスト出力形式を作る。これはいろいろさわっていれば何となく判る。
そして、今回使おうという文献データベースを開いた状態で、BiblioからScan Documentを開いて論文のTeXファイルを指定すればいい。すると挿入箇所が¥cite{PMID:16709590}というような形から、(3)というような目的の形式に書き換えられ(もちろん [3] とか、(Nakano, et al. 2005) とか、好きな形式に設定できる)。リストはクリップボードにコピーされているので、目的の場所にペーストすればできあがりである。
最初はthebibliography環境を使おうかと思ったのだが、もう番号まで振られてしまうので、今回はenumerate環境にした。振ってくれた番号を\itemに置き換えなくてはならないのだが。まだ、完全に自分の思い通りに操作できていない。あとは、文献処理の指示(\bibliographystyleとか)を外して、latexの通常のコンパイルを行えばpdfファイルに整形されて出力できるという寸法である。
ちょっと中途半端な使い方かも知れないけれど、今回は私はこれで本当に助かった。目的の出力形式で引用文献リストが作れて、しかも原稿はそのままでよかったからだ。これで、Nisus Writer Expressで書き直しなんてことになったら大変だった。Nisus Writer Expressが嫌いな訳ではないけれど。