2009-08-23 18:47:06
本を読んで予習したところで、というより本ばかり読んでさらに頭は混乱した状態で中古マンションを検索した。いろいろマンション検索サイトはあるが、レインズという不動産の巨大データベースがあって、ここへの登録が義務づけられているらしいので、どこで検索しても同じ物件が出てくる。だからどこでもいいんじゃないかと思った。ただ、このレインズのデータベースを個人が直接検索することはできない。
このレインズがお届けする不動産の平均的な取引動向を見ると、マンションの流通価格の推移などという情報も得られる訳である。「2月以降中古マンションの価格が上がって来ていますから、あまり遅くならない方がいいですよ」という不動産屋の言葉を聞いて、買わせるために云っているだけかと思ったのだが、東京圏のマンション流通価格変動グラフを見るとあながち嘘ではなかった。2003年頃にくらべると随分上がっているのだと初めて知った。
本を読むと、そうは云っても登録前の物件を不動産会社は持っているから、そういうのを教えてもらえるようになるといいこともあると書いてあった。数日から数週間の差があるらしい。でも、数日の差を利用して購入するほどすばやく決断できないと思うので、そういうことは気にせずゆっくり選びたい。それで駄目なら縁がなかったということだろう。
などとのんびりしたことを云っていたのだが、妻と私の希望を合わせるのが難しいのは前に書いたとおり。何とか一致するものは、高級住宅地の近くにあるのに(高級住宅地そのものの物件はなかなか高くて難しい)広さの割に価格が安いという誰が見てもお買い得物件になる。ということは、データベース検索で選び出して不動産屋に連絡してもことごとく売れてしまっていますという返事が来るのである。
かろうじて互いに妥協できる範囲に引っかかった唯一の物件を見に行く。データベースでは所有者が居住中と表示されていたが、実際には引っ越していたので、安心して見ることができた。その時までに求めた資料は、
- 管理規約
- 工事履歴
- 長期修繕計画
- 管理費等(重要事項)に係わる調査報告書
受け取った書類はなかなかよく判らない。取り寄せてはみたものの。
本で得た知識に従って、共有部分が綺麗かどうかを確認する。郵便受けの周りとか、掲示板の張り紙とか。エレベータのなか、ゴミ捨て場、廊下部分など。綺麗に管理されていて、ゴミ一つ落ちていない。が、暗い。暗くてゴミや汚れが見えないだけかも知れない。でも一見綺麗である。建物もひび割れが放置されたりしていない。中に入って写真を撮る。まだ自分のものになったわけでもないので、ここのは写真は載せないが、それなりの状態を保っていると判断できた。台所、浴室、洗面所、トイレは近年リフォーム済みだとかで、新しく綺麗だった。水回りの改装は必要なさそうでちょっと安心した。調理場は近年流行りの対面キッチンではない。私はあれは好きではないので、独立していていい。家族を見ながらとかいうけど、乳幼児がいる訳でもないから、家族なんか見る必要ない。調理場が部屋の区別されていないと、空気中に油分の微粒子がどうしても流れていって、本が汚れたりしないか心配である。においも。すべての書棚に扉を付ければいいのだが、それはずいぶん金がかかる。本の汚れ具合を比較検討したわけではないから、完全な私の想像でしかないのだけど。これを読んだ人がいて、あまり信用されても困る。
天井の高さを測ったり(240cm)、窓の高さを測ったり(200cm)してみる。壁のクロスは貼り直さなければならないだろう。カーペットも。和室は洋室にしたいなどと考えながら写真を撮る。
その後、ほとんど関心がないのに近所の同じような物件を見に行かされる。ここがいいよという印象を与えたいのだろうか。実はそうなったのだけど。エレベータの中に「禁煙!」なんて張り紙あると、貼らなければならない理由があるのだろうと思う。エレベータのなかで煙草を吸う住人のいるマンションは嫌だな。3つほど見て回ったあと、不動産屋の人たちと別れ、一人で駅まで歩いて時間を計ってみる。10分と書いてあっても実際に歩いたら坂道で15分かかったなんて話が本に書いてあったからだ。この物件は駅まで10分である。私が歩いたら8分だった。念のため往復したので間違いない。私は歩くのがはやい方だから、皆が皆8分で歩けるとは思わないが。別の駅まで15分ほどかけて歩いてみる。蒸し暑いので疲れてしまった。
周囲は穏やかな住宅地。私にはこんな住宅地に住む必然性がよく判らないが、妻の条件なので仕方がない。もっと不便でも広さが2倍あればいいのに。しかし、そんなことを云っていると百年経っても住まいが見つからないことになるので、やむを得ない。ここが気に入っても、まだ福岡から妻が見に来ていないので、何も契約はしていない。だから、誰かに先に買われてしまったら、また振り出しに戻ってやり直しである。