2009-08-26 08:18:44
どこに住むのかということを私はあまり考えていなかった。勤務先にあまり近いと本を読む時間が足りなくなるとか、粉塵が多いと本が汚れるとか、潮風は本に悪いのではないかとか、そんなことである。妻の考えている条件に「高級住宅地であること」というのがあって、驚いた。どれくらい驚いたのかというと、「火星に住みたい」と云われたとしたらそれくらい驚くだろうというほどの驚きである。何かそういうものがあるということは私も知っていた。でも、どこにどういうのがあるのか全然知らない。そこで、「高級住宅地とは何か。それが高級住宅地かどうかはどうやって識別するのか」とメールを返信したら、返事が来なかった。仕方がないので、本を買ってみた。判らなかったら、本を買って見るほかにどうしようもないではないか。こうやって、本は増えていくのである。
『新・土地のグランプリ』と『 高級住宅街の真実』は、所謂ムックという形式の本で、まさに「高級住宅地とは何か」という私の疑問に答えてくれるものであった。こんな世界があるとは知らなかった。私の価値観にまったくこういう指標がなかったので、異世界を覗いたかのような驚異を感じることができた。二人が同じ部屋にいても、それぞれが異世界に住んでいるということはあるのだ。これでとりあえずは、高級住宅地を測る指標がとりあえずは得られた。具体的にいうと、価格と人気である。もちろん両者は連動している(不人気なのに高いというところはないだろう)から、同じようなものだけど、数値としては別々に測定できる。
人気の推移などを考えるために、『東京「進化」論』という本も読んでみた。この著者の予測や意義付けにはよく判らないところもあるが、私は何しろ街にあまり関心がなかったから、街の人気の変化のとか再開発の現状などを知ることはできた。
驚異は身近なところにも潜んでいるのだ。