2009-11-22 20:42:53
引っ越しに際して最も難しい問題は書棚である。引っ越し先のどこにどのように今まで使ってきた本棚を配置するか。そして、新しい本棚をどれくらい設置できるのか。部屋の壁面にぴったり全面に配置できれば、それが一番いいことは云うまでもない。そんな本棚を造った人のサイトがあった。「清く正しい本棚の作り方」である。
市販されている本棚は清くも正しくもないのか。本棚製作者はこう主張する。(1) 天井まで届く高さのモノがない、(2) やたら奥行きばかり有り過ぎる、(3) 肝心の棚板がほとんど太鼓作り、(4) 不要なガラス窓や扉などが付く、(5) そのくせ裏板の強度に不安有り、(6) 上等な品物ほど派手で悪趣味だ、(7) 息の長いロングセラー品もない。以上7点である。このような問題点を解決すべく、自らの手で望み通りの書棚を作ろうということで、その一部始終を記録したサイトである。ここの内容が、今月本になって刊行された。(TT)プロダクション『清く正しい本棚の作り方』(Studio Tac Creative)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]である。
書店でこの書名を見たときには一瞬眩暈がした。こんな本が出版されていいのか。そんなにみんな本棚を作りたいのだろうか。全然売れなかったら大変なので(別に私が直接困る訳ではないけれど)早速一冊購入した。帰宅して喜びに震える手で本を開いて読み始めた。
無理だ。私には無理だと思った。大変である。丁寧に解説されているが、それで手間が少なくなる訳でもない。多分、私にとっての最大の難関は、材木屋で木を選び購入し、さらに切断を依頼するところだろう。材料さえ揃っていたら、作業はできるかも知れない。尤も、マンションでは作業場も限られるから、そういう点でも難しいとは思った。それより私には材木屋のおじさんと交渉したりする方がずっと大変だ。私も本棚を自作したことはあるのだ。作業がどんなものかはだいたい想像がつく。材木屋との交渉の方が難しい。
よく考えてみれば、市販の書棚の問題点も、1、2、6などは自分の目的に合ふ製品を探せば何とかなる。無駄な扉と指摘されているものも、私は日光や埃を防いでくれるから私は無駄だとは思わない。制作を依頼すると高くなることは間違いないので、自分で作るのではあるが、軟弱な私は、こんなにゼロから手間ひまかけて作るのではなく、一応本棚や収納棚として市販されているものを組み合わせて作ってもいいのではないかと思っている。今のところの候補は、ikeaのBILLY書棚システムか、Toska squaresのLB1000シリーズである。その結果はまた本欄でご報告したい。