2010-07-22 19:01:54
町の本屋さんで本を買うと、紙のカバーをつけてもらう。買って帰った本は、書棚に収めるわけだが、読むときはカバー(ほんの一部としてのカバー)や栞、広告などを外して、書店でもらったカバーをかけて持って出かける。オンライン書店で本を買うと、そういうものはついてこない。いつもオンライン書店で買うと、出かけるときにつけるカバーが不足してくる。何度も使っていると、ぼろぼろになってきてしまうのだ。あるいは、自分の求める大きさの紙がなかったりする。文庫判と新書判をよく使うわけだが、この頃必要になるのが、ハヤカワ文庫のトールサイズだ。これが実に厄介である。書店で、「カバーをお付けしますか?」と訊かれて「お願いします」というと、もちろん書店員はカバーをかけてくれようとするのだが、文庫判のカバーをかけようとしてうまく入らず苛々している様子があからさまに判るのがハヤカワ文庫トールサイズだ。何なんだよ、この文庫は! というような顔をして、紙を折なおして本にかけてくれる。トールサイズが出始めた頃は、ハヤカワ文庫を指差して「それはかけなくていいです」と云ったりしていたものだ。この頃は書店の方でも狼狽えなくなったようだけど。
お手入れいらずのクロムウエルレザーブックカバー(クロムグリーン/ハヤカワトールサイズ/ブックマーカー付き)という商品を見つけたときには驚いた。トールサイズ専用なのか。ハヤカワ文庫のためだけに作ったのか。驚くと同時に、註文ボタンを押していた。どうせ買うのなら、普通の文庫や新書にも利用したいと思い、同シリーズの文庫判と新書判も註文した。
3日後に封筒に入った商品が届いた。こんなふうに、厚紙に貼り付けたような感じで送られてくる。
早速、開封して本にかぶせてみよう。今まで四六判のハードカバーを読むときに利用していたのは、東京創元社からもらったブックカバーである。片側は袋状になっていて、カバーを差しこみ、反対側は開いていて折り込むだけになっている。今回届いたのはどれも両側をきっちり閉じて袋状になっている。だから、すぐに外れたりしない代わりに、本が厚すぎると被せて使うことができなくなってしまう。本の構造上、両側ともきっちりかぶせないと使いにくいのだろう。400ページまでの対応だということなので、800ページもあるような分厚い本には使えない。
ハヤカワトールサイズのは、クロムグリーンといふ色。濃い緑である。暗いところで見ると黒にも見えるが、明るいところで見ると緑が感じられて綺麗である。表面もきめが細かく手に馴染む。
一方、文庫判と新書判は爬虫類の鱗風。色は赤っぽい。私の手にはしっくり馴染まないような気もするが、使っているうちに馴染んでくるだろう。
街の書店で本を買うときでも、鞄を持っているときには、袋もカバーも辞退しよう。それなりに書店の負担になっているのである。紙資源の節約にもなる。