2010-07-25 11:19:48
前からベーグルを焼きたいと思っていた。あの、重くてもっちりとした環状のパンである。パンを焼き始めた頃、作り方を調べてみたら、何と焼く前に茹でると書いてあるので、これは大変な作業だと思い、いつかそのうちということにして、決行の日を先送りにしてきた。
だが、よくよく調べてみると、醗酵の時間は普通のパンよりもかえって短い。二回も醗酵させないようなのだ。
今日だ! 今日こそベーグルの日なのだ! と心の中で叫んだ私は早速ベーグル作りに取りかかった。糞暑い夏の昼下がりだった。
強力粉250g、ドライイースト小さじ1、塩小さじ1/2、水120mL、蜂蜜およそ15mLを混ぜ、10分ほど捏ねた。水分が少ないので大変だった。この暑いのに何ということをしているんだ。疲れ切ったところで、4分割し棒状に伸ばしてから環状にする(どうやら本当は棒状に伸ばすまえに10分くらい休ませることになっているらしい)。環状化はなかなか難しい。繋ぎ目がうまくくっつかないのである。適当なところで諦めて、濡れ布巾をかけて30分ほど醗酵させる。一回り大きくなっているので、およそ2Lの湯に、大さじ2の砂糖を入れたところへ生のベーグルを入れて、まず1分間茹で、次にひっくり返してさらに1分茹でた。それをペーパータオルの上に出して、190度に予熱しておいたオーヴンで同じく190度で15分焼いた。
出来ていた。ベーグルが。
納得できない。表面の張りと艶がベーグルとして美しくない。不満を抱えたまま、一口齧ってみる。味はまあ普通のベーグルだ。納得できない。自分で作るのなら「美味い!」という喜びが得られなくては仕方がない。これでは駄目だ。
だが、考えてみれば、今日は生まれて初めてのベーグルである。それで完璧なベーグルを作ってしまっては、挑戦しがいがないではないか。そんな安易なパンではないのだ、ベーグルは。これから努力と研究を重ねて納得できるベーグルが作れるようになればいいのだ。
いつの日か、一口齧った者は皆悉くあまりの美味さに腰を抜かして失禁してしまい、涙を流して讃美の歌を歌うようなベーグルを作ってみせるので、覚悟して待つように。