2012-12-28 22:04:57
もうこのシリーズも少し飽きてきたので今日で終わらせよう。二階の廊下の突き当たり付近の(といってもよく判らないが)窓から外を見ると、南国風の絵が見えた。
エレベータ前の照明(二階)。
娯楽室(TVのあるところ)が食堂の手前にある。その天井近くの写真を三枚。食堂には入居者の方々が大勢集まっていたので写真はない。エレベータや防火扉の表面には見事な絵が彫られているのだが、それも写真にうまく写せないないの記録は残っていない。仕方がない。
そして屋上へ。ちょっと寒い。霊安室の方を見下ろす。
食堂棟の方を見下ろす。
鸛(コウノトリ)を見下ろす。
エレベータで上って来たが、階段で降りる。階段の天井。
階段の段。安い木材で平らな一枚板がとれないから、それを模様にして装飾を施したとか。
階段を下まで降りて、お終いである。
この後、向台老人ホームを後にして、モノレール、京王線で新宿へ戻った。そこで私は別れて別の用事に。およそ6時間の見学であった。建築のことなど何も知らない一般人が取材についていっていろいろ説明していただいてしまっていいのかという一日であった。前にマンションの管理組合としてお会いしたことがあるので、実は二回目なのだが。
写真はなかなか難しい。もっといろいろな角度から撮っていいものを選べばいいのに、一枚撮って安心してしまうのである。遠くから撮ったり近くから撮ったりすべきであった。
ちょうど今日、向台老人ホームのことが載っている松葉一清『ポスト・モダンの座標』(鹿島出版会/1987年)が古本屋から届いた。記事では、特に霊安室について詳しく紹介し、「わざわざ遠方から入所の希望を伝えに来る老婦人まで現れた」ことを記し、「その事実は、梵と工人集団の創作が、単に奇をてらったものではなく、一般の人たちに広く受け入れられる素地を持っていることの何よりの証明といってよいだろう」と結んでいる。
しかし、ここは老人ホーム。当然のことながら写真に写っていない入居者たちの様子は、決して壁面に描かれた南の楽園に暮らす人々とは程遠いし、建築物の慈しみと安らぎに人々も満たされているかというとそうでもないという現実には厳しいものがあった。