4月30日(木) 急いで帰宅するとbuecher.deの小包みがある。発送は22日となっているので48時間以内の発送ではなかった。明細書を見ると註文した本の他に、buecher.de CD-ROMというのとKatalog: Sommer '98 - limitierte Kunstdruckaugabeというものが入っていることになっている。CD-ROMは確かにあるが、カタログなどない。どういうことか。途中で抜き取られたか。郵便局で開封した後がある。外国から本を買っていると時折小包みを開封されていることがある。違法なものを輸入していないかどうかを検査するためなのだろうが、これは検閲と云えなくもなく憲法に違反していると私は思っているが、別にどこか訴えようという考えもない。
 本は三冊。4 DMと安いフォン・クライストのはレクラム文庫である。未だにこういう無愛想な書籍が刊行されているとは素晴らしい国だと私は思う。短篇が三つ収められた僅か70ページの本。巻末には註と著者の年譜がついている。これで初めてフォン・クライストが1977年生まれの作家だと知る。
 パニッツァのは小柄なハードカバー。短篇集が欲しかったのだがどうやら長篇である。しかし、表紙にはNovelleと書いてあるのだが。Novelleは短篇という意味だと思ったが、単数形なのでやはり一篇しか収録されていないようだ。125ページの作品はドイツでは一冊の本でも短篇と呼ぶのだろうか。パニッツァは1853年生まれ。大学で精神医学を学び、その後、文学の道へ進む。ロンドン、パリ、スイスなどに移り住んだ末、晩年の20年間はバイロイトの精神病院で過ごした(精神医学を研究したのではなく収容されたということ)そうである。
 クーゼンベルクのは35篇が収められた短篇集。巻末の50ページは、著者の写真や日記や年譜などの資料となっていて、巻頭にも解説がある。解説にはパニッツァの名も出てくるがどういうことなのか私には読めない。作品は5ページ前後の短いものばかりなので、この三冊の中で唯一読む可能性があるとすればこれだろう。
 CD-ROMはBuecher.deのカタログかなにかなのだろうが、悔しいことにWindows版なので、私には読めないのだった。
 これでドイツの本は必要になればいつでも買えることが解ったが、送料が高い。安い送り方を指定する方法を見つけるのが今後の課題である。

 SFセミナー事務局から速達が届いていた。何かと思って開封してみるとプログラムと招待状というものが入っている。合宿企画に出るということで、夜の部のみゲスト扱いになるらしい。ちょっと得した気分である。


4月29日(水) 午前中は家族で外出して、帰宅すると留守中に荷物が届いていたことを知らせる紙を見つける。ドイツからの郵便小包みである。今月18日に註文したBuecher.deからのものなら11日で届いたということだ。48時間以内に発送するというのは本当のようだ。

4月28日(火) 久しぶりにAmazon.com Booksを覗いたら、スタージョンの全集の第四巻が安く出ていた。職場でちょっと見た時だったので自分が第四巻を持っているかどうか思い出せず帰宅して書棚を見て確認したらやはり持っていなかった。他に何を註文しようかと考え、ここ数ヶ月のSF情報誌LOCUSをぱらぱらと捲ってみた。
 先月REQUIEMというのを註文したGraham JoyceのTOOTH FAIRYの書評があってそれを読むとなかなかよさそうである。ちょっと怖いファンタジイのようだ。などと思いながら見ていくと買いたい本が次々と見つかる。いろいろ面白そうなものに関する記述を全く読んでいなかったことが解った。
 そればかりかLOCUS PRESSからCD-ROMが出ていて、THE LOCUS INDEX TO SCIENCE FICTION (1984-1997)/INDEX TO SCIENCE FICTION ANTOHOLOGIES AND COLLECTIONSとSCEIENCE FITION, FANTASY, & WIERD FICTION MAGAZINE INDEX (1890-1997)が各々$49.95ではないか。全然気づいていなかった。欲しい、今すぐ欲しいと思ったが心を落ち着かせるためにとりあえず寝る。

4月27日(月) 送信したSFマガジンの原稿はまた一部文字化けがあったという。やはりEudora 4.0.1のせいだろう。職場からEurora 2.1Jで送ったら問題はなかったようだ。しかし、これまでもっと長い文章をEudora 4.0.1で送ったこともあるのだが、文字化けが出て困ったのはSFマガジンの原稿のみである。これは何か相手との相性があるのかも知れない。来月からはCyberdog 2.0で送ることにしよう。

4月26日(日) 午前中は家族で遊園地へ。娘は身長制限のせいで乗り物にはあまり乗れないので、自転車で公園内を走ったりして実に健康的なひとときを過ごす。しかし、慣れないことをしたためか頭痛が始まる。帰宅する頃には激しい眠気に襲われどうにもならない。熱い風呂に入って頭痛を和らげ二時間ほど眠る。日が暮れるころには頭痛も消え、やっとSFマガジンの原稿を書けるようになる。ユーリー・ルィトヘウ『クジラの消えた日』、酒見賢一『語り手の事情』、アラン・ディーン・フォスター『スペルシンガー4 わがままな魔術師』の三冊。『語り手の事情』についてはどうもうまく書けなかった。時間がかかってしまい、送信したときには既に日付は変わっていた。その後、やっとこの日記を書いてページを更新できる。就寝は一時を過ぎてしまい、私としては異例の遅さである。

4月25日(土) SFマガジン六月号着。表紙の特集の表現を見て驚く。これは一体・・・。空飛ぶ円盤嫌いの私は暫くじっと表紙を見つめるばかりであった。気を取り直してSFマガジン七月号のファンタジイ評の原稿を書き始めようとしたが娘に邪魔されて全然書けない。娘が寝てから書こうと思ったが、その頃には私も抗いがたい眠気に襲われ寝てしまう。

4月24日(金) ジョナサン・キャロルのKISSING THE BEEHIVEを読み始める。ジョナサン・キャロルの本はいつも長すぎないところがいい。この本も232ページ。あまり時間をかけずに読み終えよう。

 歯界展望六月号に書いたものの校正刷りが届く。読み返すのは恥ずかしいくて辛いのだが、我慢して目を通して参考文献の誤りを記入した後送り返す。


4月23日(木) 『魔女たちの饗宴 現代ロシア女性作家選』読了。魔術的な雰囲気に満ちた作品もあるが、そういったものが全く感じられない作品の方が多いのでこれはSFマガジンのファンタジイ評で紹介できないなと思ったところでSFマガジンの原稿を書き始める。しかし、題名を並べたところで力尽き寝る。

4月22日(水) 『クジラの消えた日』読了。予想以上の傑作である。北の海の民間説話は実に魅力的な力に満ちている。『魔女たちの饗宴 現代ロシア女性作家選』を読み始める。

 buecher.deから発送の連絡がないので、自分の買い物の状況を確認してみると、どうやら発送済みのようだ。ドイツ語が今一つ自信がないのだが。そんなことも解らないのにドイツ語の本を買ってしまうとは。


4月21日(火) 『スペルシンガー4 わがままな魔術師』読了。このシリーズ、こんなに説教臭い語り口だっただろうか。でも、なかなか面白い話ではある。ユーリー・ルィトヘウ『クジラの消えた日』を読み始める。

4月20日(月) フレアの方から『深紅の帆』の紹介をSFマガジン五月号で書いたことについてお礼の手紙をもらって些か驚く。フレアの本を書店で見ることは滅多にない。池袋のジュンク堂での目撃例を一度聞いたことがあるだけで、私自身は一度も見たことがない。また、三省堂本店で註文しようとしたら、「その出版社の本は扱っていません」と云われたという話も聞く。地方小出版社流通センター取り扱いで頼めば註文できる筈なのだが。

4月19日(日) 本は全く読めず、朝顔の種を蒔いてしまう。今年は暖いとはいえ、早すぎるかも知れない。

4月18日(土) 図書館流通センターから本が届く。『バッハ全集 第6巻 世俗カンタータ』である。

 『語り手の事情』読了。面白い。語り手を語り手として登場させて主人公にするところは驚くが、私が心に抱いている物語の語り手とは些か異なるような気がする。最後に語り手が主人公になって去っていくところはカルヴィーノの『不在の騎士』を思い出したがちょっと違うか。しかし、ヴィクトリア朝ロンドンの住人が「うざったい」なんて言葉を使っていいのか。

 そろそろ朝顔の種を蒔く季節なので昨年人に譲って数が減った素焼きの植木鉢を買いに行ったら、また朝顔の種を見つけて六袋も購入してしまった。こんなに朝顔の種を集めて一体どうするのだ。今、気づいた訳ではないけれども、どうやら私には収集癖があるようだ。

 早川書房からアラン・ディーン・フォスター『スペルシンガー4 わがままな魔術師』(宇佐川晶子訳/ハヤカワ文庫FT/780円)が届く。一体どんな設定だったのか全く覚えていないので困ったなあと思いながら眺めていたら、解説にこれまでの経緯が記されていて一安心。今日から読み始めようか。

 実践女子大学図書館の「インターネットで文献検索」という冊子を見て感激したので、今月から毎月一回、英米以外の国から本を買ってみるという試みを実行する。今月はドイツである。数軒見て回った後、buecher.deというところにする。深く比較検討した後にここに決めた訳ではない。自分の書店リンク集に載っていないところを選んでしまい、後で後悔することになるのだが。何を買おうか悩んだが、次の三冊にする。

Kusenberg, Kurt
Zwist unter Zauberern. (ROWOHLT TASCHENBUCHVLG)/ 16.90 DM

Panizza, Oskar
Eine Mondgeschichte. (KLETT COTTA)/ 18.00 DM

Kleist, Heinrich von
Die Verlobung in St. Domingo / Das Bettelweib von Locarno / Der Findling. (RECLAM PHILIPP JUN.)/ 4.00 DM

合計38.90 DMである。今、ドイツマルクは73円くらいなので、書籍代は3000円弱だろうか。
 クルト・クーゼンベルクは国書刊行会から『壜の中の世界』が文学の冒険シリーズの一冊として1991年に出ている。不思議な短篇を書く作家である。もう一冊、幻想文学51号で紹介されていたヘルベルト・グライナー=マイ編のDie Nebeldroschke -- Deutschsprachige Gespenstergeschichetenを買ってみようかと思ったのだが、数軒検索しても出てこなかったので、このアンソロジーに収録されている作家から二人を選んでみた。それが、パニッツァとフォン・クライストである。どうせ読めないだろうが。
 註文方法は本を選んで住所とカード情報を入力しておしまいだからドイツ語でも簡単だと思ったら大間違い。本を選んで買い物籠に入れるのは簡単だったのだが、初めて註文するのでまず登録をしなければならない。住所を入力するところで早くも躓いた。住所の書き方が日本と異なるので、どこに何を書き込んだらいいのかよく解らなかったのだ。いい加減に書いて送信したら、PLZ欄に書いていいのは数字だけだという警告が出てくる。郵便番号欄なのだろうがどれがそれなのだか直ぐには解らない。どうやら郵便番号欄に福岡と書いてしまったようなので、そこに813-0044と書いてみた。が、それでも同じ警告が帰ってくる。よく読むと文字も記号も絶対駄目、と書いてあるので、8130044としてみたらやっと受け付けてくれた。こう書くと三回目で成功したように見えるが、実は様々な組み合わせで10回くらい試しているのだ。こんな変な住所表記でちゃんと届くのだろうか。次にクレジットカード情報をする欄で手続きを済ませてからやっと註文。Vielen Dank fuer Ihre Bestellung!という表示がやっとでて安心する。やはりドイツ語は難しい。でも、普通ドイツ語が読めない人はドイツの書店に本を註文したりはしないから大丈夫なのだろう。
 送料は50DM。書籍代よりずっと高くなってしまった。註文額が300DMを超えると国内でも国外でも送料無料になるらしい(私の読み間違いか)。300DMといったら28000円である。日本の図書館流通センターなんか7000円以上で送料無料なんだから大したものだ(国内だけだが)。
 発送の連絡が来る日が待ち遠しい。来月はノルウェーに挑戦してみようかと考えている。


4月17日(金) 図書館流通センターから本が届く。ユーリー・ルィトヘウ『クジラの消えた日』、『岩波講座言語の科学4 意味』、『魔女たちの饗宴 現代ロシア女性作家選』、酒見賢一『語り手の事情』の四冊である。『語り手の事情』から読み始める。

4月16日(木) 東京創元社からジュディ・リン・ナイ『伝説の船』(嶋田洋一訳/創元SF文庫/860円)が届く。マキャフリーの<歌う船>シリーズである。私が貰っていいのだろうか。このシリーズは一冊も読んでいないのだった。ごめんなさい。

4月15日(水) 実践女子大学図書館の方から「インターネットで文献検索」という冊子を送ってもらった。これは凄い本である。世界のオンライン書店で本を買いまくろうとたくらんでいる人には座右の一冊になるに違いない。しかし、インターネットの世界は変化が激しいので印刷物には変化に追いつけないという些か弱い面もある。ここで紹介されている図書館・書店などのリンク集は図書・雑誌検索ページで紹介されているらしい(まだ見ていません。すみません)。それにしてもこの冊子を見ていると私の書店リンク集が実に貧弱に見えてくる。私も書店リンク拡充のため今日から少々努力をしてみよう。でも、私は努力というものが大嫌いなのでたいしたことはできないだろう。

4月14日(火) シャロン・シンのTHE ALLELUIA FILESを読み終える。先月20日に読み始めたので、一ヶ月以内に読めたということだ。470ページもあったので、些か不安だったのだが。内容の方は恋と冒険を軸にした異世界ファンタジイ風のSFといった感じで新鮮な印象は殆どない。三部作の三部目ともなれば当然のことかも知れない。私が長すぎると思う本は世間では評判が良くなる可能性は高い。

 宇宙ステーションでの研究員の募集が出ていて、心惹かれるものを感じる。3〜6ヶ月宇宙ステーションで勤務するのだという。英語に堪能でなければならないそうなので、私では駄目だろう。体力的にも自信はない。訓練が厳しそうだ。でも死ぬ前に一度地球の外に出てみたいものだ。


4月13日(月) 言語五月号着。今月の特集は「KOTOBAのオリンピック」で、最もXXな言語という題名で様々な言語を紹介している。必ずしも科学的な比較でない場合もあるが、読んでいて面白い特集である。
 本を買う時間がない。本を読む時間がない。

4月12日(日) 娘と二人でフラバーという映画を観に行く。ディズニーなので全く期待せずに観に行ったのだが、なかなか楽しかった。それでもやはり物足りない。吹き替え版だし。シャロン・シンのTHE ALLELUIA FILESは残り50ページである。

4月11日(土) シャロン・シンのTHE ALLELUIA FILESを読みながら仕事。400ページを越える。このところ疲れているのか、仕事で間違いが多い。

4月10日(金) シャロン・シンのTHE ALLELUIA FILESはやっと300ページを越える。結局、天使と人間の恋の物語なのだ。第一巻の時のような驚きはない。それでいて長さだけは470ページにも増えるのだから、どうにも納得できない。しかし、私が長すぎると思う本の方が世間では売れ行きはいいようである。

4月9日(木) 昨日八時に寝たおかげで頭痛もすっかり消え、三時半に起きて歯界展望の原稿を書く。どうしてこんなものを私が書いているのだろうと思いながら書くので、投げやりな文章が並んでしまう。歯周病細菌と熱ショック蛋白と関節リウマチについて五枚ほど書いて投函。

4月8日(水) Fantasy Centreからカタログが届く。しかし、今日は夕方から頭痛が始まり、中を見る気力もない。Ash-Tree Pressの本が出ているようだ。このところ円がポンドに対してかなり下落しているのでつらいところである。

4月7日(火) 風邪をひいてしまったようで、昼頃から寒気がして気分が悪くなる。やれやれ。

 いつもより早めに帰宅するとLOCUS四月号が届いている。タニス・リーは歳をとって実に恐ろしい魔女のような容貌になってしまったことに驚く。それから、SFセミナーの案内書も届いていた。

 歯界展望という雑誌の原稿を少し書く。


4月6日(月) Weinberg Booksからカタログが届く。Ash-Tree Pressの本が何冊も載っているのが気になるが、今回も註文はしない。

 歯界展望という雑誌の原稿を少し書く。


4月5日(日) 図書館流通センターに本を註文。

ユーリー・ルィトヘウ『クジラの消えた日』浅見昇吾訳/青山出版社/1500円
『岩波講座言語の科学4 意味』3400円
『魔女たちの饗宴 現代ロシア女性作家選』沼野恭子訳/新潮社/2300円
酒見賢一『語り手の事情』文芸春秋/1333円
『バッハ全集 第6巻 世俗カンタータ』小学館/21333円

以上五冊。

 歯界展望という雑誌の原稿を少し書く。


4月1〜4日 細菌学会で松本へ。雪のために飛行機が欠航になったり中央線が止まったりでやっとの思いで辿り着いた宿が驚くほど貧弱なところで出だしは極めて低調な学会出張となる。シャロン・シンのTHE ALLELUIA FILESはなんとか200ページを越えるところまで進んだ。

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