一月三一日(水)


 今日で一月も終りだなと思っていたら、BOL Japanからお知らせが届いた。送料無料期間は今日で終わるから今日のうちに註文しましょうというお知らせである。二月一日からは本の冊数に関係なく全国一律二五〇円、三五〇〇円以上買うと無料となるそうだ。Amazon.co.jpの方はどうかなと思って見てみると、日本国内の送料無料を二月末日まで期間延長と書いてあった。送料無料競争もそろそろ落ち着いてきたようである。


一月三〇日(火)


 朝起きると微かな頭痛と吐き気を感じるが無視して朝食をとって出勤する。D. Manus Pinkwater LIZARD MUSICがなかなか捗らないのは、体調が悪いせいだろうか。

 早川書房から、ロバート・J・ソウヤー『ファラッシュフォワード』(内田昌之訳/ハヤカワ文庫SF/八四〇円)とロバート・ジョーダン『竜魔大戦6 闇が巣くう街』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT/六二〇円)が届く。訳者の内田さん、ソウヤーどうもありがとうございます。

 bk1から一昨日註文した六冊が届く。

 Amazon.co.jpからNeal Shusterman DOWNSIDERS (Simon & Schuster, Jan. 2001, 516円)が届く。面白そう。ニューヨーク市の住人が、DownsidersとTopsidersに分かれている世界の話。
 それにしても、本を夜九時四五分に配達するのはやめてほしいものだ。我が家は早寝早起きなので、もう寝る時間なのだ。


一月二九日(月)


 朝起きるとどうしたことかまだ頭痛が消えていない。それどころか吐き気までする。一体どういうことか。脳の異常で死ぬのかという恐怖が一瞬頭をかすめるが、どうやらこれはこのところ職場で流行っている風邪のようなものに違いないと判断する。嘔吐と下痢、そして頭痛になりやすい人は頭痛、というのが特徴である。やれやれ、風邪ひいちまったかと思いながら、麺麭一切れを珈琲で胃に流し込んだら吐きそうになる。朝食は諦めて、今日は昼には帰ることにしてとりあえず出勤しようと家を出る。電車の中で吐くのだけは嫌だなと思いながら、とぼとぼ歩いていると次第に頭痛と吐き気は消えていき、駅に着く頃にはすっかり治ってしまった。何なんだこれは。昼には帰るつもりだったので、何だか損した気分。それでも、躰は弱っているようで、夜は八時過ぎには就寝。


一月二八日(日)


 午前中から頭痛の予感。午後から次第に頭が痛くなってくる。風呂に入って寝る。


一月二七日(土)


 北村薫『リセット』を読む。いい話である。これをいい話だと思ってしまうのは、若くない証拠なのかも知れないので、あまりはっきりとは云いたくないのではあるが、そう感じたのかだから仕方がない。『スキップ』『ターン』『リセット』の三作の印象は、良い順に『リセット』『ターン』『スキップ』である。ただ、本書の場合は、主人公が直面する不可解な状況の不可解さが三作の中で最も小さく、驚異の物語を愛好する私としては少々物足りない気がしないでもない。

 bk1に本を註文。
ゲアリー・ブラックウッド『シェイクスピアを盗め!』(安達まみ訳/白水社/一七〇〇円)
町田健『言語が生まれるとき・死ぬとき』(大修館書店/一五〇〇円)
ピーター・ヘイニング編『死のドライブ』(野村芳夫訳/文春文庫/七三三円)
ヨアンナ・ルドニャンスカ『パパは異星人』(田村和子訳/未知谷/二〇〇〇円)
清水義範『日本語の乱れ』(集英社/一五〇〇円)
倉阪鬼一郎『首のない鳥』(祥伝社/八五七円)
以上六冊。


一月二六日(金)


 目覚めると五時四十分、寝坊である。D. Manus Pinkwater LIZARD MUSICを手に取って出勤。相変わらず子供向けの本。

 SFマガジン三月号が届く。今月も特大号である。


一月二五日(木)


 BOL/UKに本を註文。
Cliff McNish THE DOOMSPELL (Orion Children's Books, 2000, £6.29)
Anthony Horowitz GROOSHAM GRANGE (Walker Books, 1995, £3.59)
Anthony Horowitz THE SWITCH (Walker Books, 1997, £3.19)
Anthony Horowitz STORMBREAKER (Walker Books, 2000, £3.49)
以上四冊。送料は£9.00で、合計£25.56。イギリスの本はこれまでいつもThe Internet Bookshopに註文していたのだが、送料がこちらの方が安いので、とうとうBOLから買ってしまった。ここは何冊買っても一回の発送につき九ポンドだと教えてくれた人がいたので。

 AviのMIDNIGHT MAGICを読み終える。十五世紀末のイタリアが舞台。魔法使いマグヌスと弟子が城に呼びだされ、王女の幽霊目撃騒動を解決するという話。最初は、中学生でも読める『薔薇の名前』かと期待したが、その楽しさは最後までは続かず、幽霊も仕掛けで生み出されただけのものだということでほぼ決着してしまって残念。子供向けのファンタジイを読むのに少々飽きてきた今日この頃である。


一月二四日(水)


 SFマガジンのファンタジイ評の原稿を書いて送信。私にしてはかなり夜遅くまで掛かってしまい、午前零時頃就寝。


一月二三日(火)


 『スピリット・リング』読了。面白いが少々話が長過ぎないか。それに今日中に読み終えようと急いで読んだので眠くてたまらない。尤も、それは本の内容のせいではく私のせいだが。

 二つモニターを並べて悦に入っていると、当然のことながら二台でこんなに気分がいいのなら三台ならもっと気分がいいのだろうかという考えが湧いてくる。妻のPowerMac 7600に装着しているグラフィックカードを外して9500の方へ差し替えればモニターをもう一台繋ぐことは可能だ。前にAlchemyというロジックボードの機種では三台繋いで使うことは出来ないという記事を読んだことがある。Performa6400やPowerMac6500で出来ないというのが記事になるということは、他のなら出来るということだろう。もう一台買ってみたくなってくるが、どう考えてもそんなに必要ない。しかし、必要なくても欲しいものは欲しいのだ。


一月二二日(月)


 東京創元社から、ロイス・マクマスター・ビジョルド『スピリット・リング』(梶元靖子訳/創元推理文庫九八〇円)が届く。原書の刊行当時はなかなか評判も良かったので私はペーパーバックを買った筈である。だが、読んではいなかった。早速読まねば。


一月二一日(日)


 『大魔術師、故郷に帰る!』の解説を書いて送信。新しいモニターを買って原稿を書きたくて仕方がなくなっているせいか、どんどん捗るのだ。

  Amazon.co.jpから本が届く。
Louise Marley THE TERRORISTS OF IRUSTAN、Louise Marley THE GLASS HARMONICA、William Browning Spencer RESUME WITH MONSTERS、D. Manus Pinkwater LIZARD MUSICの四冊。今月十二日に註文したもの。


一月二〇日(土)


 ロバート・アスプリン『〈マジカルランド〉 大魔術師、故郷に帰る!』読了。今回はどこにも冒険に出かけないほんの数日のできごとを描いている。主人公がうじうじと悩むばかりのところは実に現代的なファンタジイということになろうか。ということで早速解説の原稿を書き始めてみる。どうやって書いたらいいか悩み、結局二枚ほど。

 bk1から北村薫『リセット』が届く。


一月十九日(金)


 昨晩液晶モニターに喜んでいたので、やはり今朝は寝坊してしまった。いろいろなフォントの設定を大きなサイズに変更したら、それほど見づらくなくなって来た。はやり広々とした画面はいい。

 早川書房からロバート・アスプリン『〈マジカルランド〉 大魔術師、故郷に帰る!』(矢口悟訳/ハヤカワ文庫FT)のゲラが届く。解説を書くのである。しかし、私が〈マジカルランド〉の解説を書くとは、些か驚かずにはいられない。といっても私は原稿依頼を断ったことはないし、これからもよほどのことがなければ断ることはないと思う。仮令、ロバート・ジョーダンの〈時の車輪〉の解説であっても、私は躊躇わずに引き受けるに違いない(少しは躊躇うかも)。


一月十八日(木)


 液晶モニターが届くので早く帰りたいが、今日は職場の人たちとの宴会がある。妻からのメールで夕方には宅配便で届いたことがわかっていたので、宴会の途中も早く帰りたくて仕方がない。急いで帰って、いそいそと箱からモニターを出して接続。その前に外してあったグラフィックカードを装着したり、それなりに手間がかかるものである。机の上に二台並べて恐る恐るPowerMac 9500を起動。ああ、エラーが出て起動できない! と思ったら室温が十七度しかなかった。部屋を暖めながら数回再起動を繰り返すと無事起動する。解像度やら色調やらを調節してみたり。二台並べても机の上が広々として嬉しい。ただ机の上が広くなりすぎて、モニターが随分向こうの方にあるような感じがする。目が悪い私には少々遠い。

 液晶モニターというのは色調などを考えるとブラウン管のモニターには劣るようである。高級なのを買えばそうでもないのかも知れないが、私は最も安い機種しか買えないのだった。モニターの上の方と下の方でも明るさが微妙に違うし……。でも、私はカラーの映像を扱ったりすることは絶対にないので、これでいいのだ。私の目的は文字と言葉のみ(バッハを聴いたりすることもあるけど、それは音声なので画面は関係ない)。二枚の画面一杯に辞書を開いて並べて言葉で埋め尽くすのである。これで原稿ももっとはやく書けるようになるに違いない。


一月十七日(水)


 液晶モニターを註文してしまった。I-O DATA社のLCD-A15Hである。しかも二台。一台六万六千円であった。送料は二つで千円。註文確認のメールが届いたので、早速オンラインで銀行振込、すると夕方には入金確認と発送の連絡が。早ければ明日には届くという。


一月十六日(火)


 ここ数日、実に寒い。もちろん、北国の人から見ればこんなの全然寒くないのだろうが、慣れていないのだから仕方がない。私の躰も慣れていないし、街も慣れていない。最高気温が一度では、私の寒がりのPowerMac 9500がなかなか起動しなくて大変なのだ。

 Weinberg Books at The Stars Our Destinationからカタログが届く。ここのカタログはますます魅力がなくなっていくので、中を見る気もおこらなくなってきている。

 言語二月号が届く。今回の特集は「英語学の新時代」。そういえば昨日『英語音声学入門』(大修館書店/一九九八年)という本を眺めていたら、「口腔」「鼻腔」という言葉に「こうくう」「びくう」という振り仮名がふってあった。これまで私が読んだ言語学の本では必ず「こうこう」「びこう」であったのに。医学書の真似なんかしていいのだろうか。古来、これらの言葉は「こうこう」「びこう」と読んだ筈だ。そのうち「腔腸動物」を「くうちょうどうぶつ」と云うようになるに違いない。


一月十五日(月)


 Mac OS 9.1が届く。何だかよく解らないエラーが頻発してなかなかインストールできない。数時間費やして解ったことは、9.1に入っているものより新しい最新版CarbonLibをインストールするとAppleWorks 6がはなはだ不安定になるばかりでなく、EGBridgeで日本語の入力ができなくなる。で、9.1に入っているものに戻すと、印刷時の用紙設定の画面が反応しなくなる。結局前と殆ど変わらないような気がする。システム終了時の異常な遅さが解消されたということには気づいたが。こんなことに一三〇〇〇円も払ったという訳だが、私は実は全然後悔していないのであった。


一月十四日(日)


 特に何もない日曜日。


一月十三日(土)


 Gillian Rubinstein UNDER THE CAT'S EYEを読み終える。全寮制の学校で生徒たちが一人また一人と怪しい校長に魂を吸い取られていくという懐かしさ漂う設定で、主人公の少年が自分がやられる前にそいつをやっつけて友人を助けることができるかどうかという話。後半些か安直な解決に思われるところも見受けられるが、作品世界が我々の世界と同じで、そこから異世界へ行く扉があると思っていたら、実は異世界の方が我々の世界であったとか、主人公が特別な存在なんだと思わせておいて、実は間違えられただけで特別な存在は別の子供だったとか、なかなか意外な展開があって退屈しない。

 ふと手に取って読み始めた紀田順一郎『神保町の怪人』を最後まで読んでしまった。『古本屋探偵の事件簿』の方が面白かったような気がする。などと文句を云いながらも、最後まで読んでしまうのだが。


一月十二日(金)


 昨日一二八〇〇円で購入手続をしたMac OS 9.1英語版は、日本でも二五〇〇円でアップグレード版を購入できるようになっていた。一日待たなかったせいで一万円損した訳だ。

 Amazon.co.jpに本を註文。
Louise Marley THE TERRORISTS OF IRUSTAN(Ace Books, 2000/06, ¥650)
Louise Marley THE GLASS HARMONICA(Ace Books, 2000/09, ¥1,514)
William Browning Spencer RESUME WITH MONSTERS(1996/04, ¥650)
D. Manus Pinkwater LIZARD MUSIC(Dell Publishing Company, 1996/02, ¥542)
以上四冊。

 季刊本とコンピュータ二〇〇一年冬号が届く。「二十一世紀、本はどうなるか」という対論特集がある。対談とか電子メールの交換による議論などの形式ばかりで、はっきりいうと読みにくい。


一月十一日(木)


 職場のPowerMac G4でもMac OS 9.1がインストールできないことが解り、こうなるとどうしてもインストールしたくてたまらなくなってくる。9.0.4のCD-ROMを購入した人は、アメリカに住んできたら二十ドルほどで9.1のCD-ROMが買えたのだが、日本へは送ってくれない。普通に買うと百ドルするので悩むところだ。悩んでいたら、日本のアップル社のホームページでもMac OS 9.1のCD-ROMの販売が始まったことを知る。しかし、アップグレード価格は見当たらない。一二八〇〇円である。止むを得まい。英語版Mac OS 9.1をアップルストアに註文する。送料は無料だが、消費税があるので、一三四四〇円。もしかしたら、アメリカの九九ドルの店に註文した方が安かったかも。微妙なところだが、そもそも買うのが無駄づかいだと云われたら、その通りですと云うほかはない。

 アメリカのSF情報誌LOCUS一月号が届く。Nancy SpringerやJeffrey Fordの新刊が早く読みたくなってくる。


一月十日(水)


 今日はMacintoshの話。Mac OS 9.1が出たというので早速ダウンロード。しかし、なかなか繋がらない。ここだと繋がりやすいよという情報を読み、そちらからダウンロードを試みてやっと十五個のファイルが揃う。先ずは職場のPowerBook G3にインストール。殆ど変化は感じられない。FinderにWindowという新しいメニューが現れたことくらいか。とにかく何でも新しくしておかないと気が済まない私は、次に自宅のPowerMac 9500にインストールしようとしたのだけれど、Language Kitを使っている人はCD-ROMを入手してインストールしなければなりませんよ!という表示が出て先に進まないのであった。何故だっ、と怒りの声をあげてみてもインストールは出来ない。妻のPowerMac 7500でも同じ表示が(翌日職場のPowerMac G4でも同じ表示を見ることになる)。何故、全く同じようにシステムをインストールしているPowerBook G3ではインストール出来たのだろう。

 このままでは気が晴れないので、CarbonLib 1.2 Updaterをインストールしてみるが面白くも何ともない。でも、AppleWorks 6の異常な動きはなくなった。次にiTunesをダウンロードしてみる。音楽CDのファイルが簡単にmp3ファイルになるではないか。ちょっと感激して、Gustav Leonhardt演奏のイギリス組曲1〜3番とか、Lionel Roggが演奏しているオルガン曲などをハードディスクに入れてみる。これまで貧弱なフリーウェアで変換していた頃の速度とは雲泥の差だ。データベースから曲名や演奏家名も自動的に表示してくれるし。何でもかんでもハードディスクに入れてみたくなってしまう。


一月九日(火)


 そうか、昨日は成人の日だったのか。今朝読んだ新聞に各地の成人式の様子など載っていてやっと気づいた。出ていけと怒鳴った県知事がいたとか。成人式などやめてしまえばよいのに。税金を使ってすることではあるまい。私は成人式なるもので出たことがないので一体どんなものだか、よく知らないのだが。

 昨日本が届いたことを書くのを忘れていた。Amazon.co.jpから以下の本が届いた。
William Kotzwinkle DOCTOR RAT (¥1,378, Marlowe and Company, 1997/10)
William Kotzwinkle THE FAN MAN (¥1,277, Vintage Books, 1994/07)
Gillian Rubinstein UNDER THE CAT'S EYE : A TALE OF MORPH AND MYSTERY (¥531, Aladdin Fantasy, 2000/05)
Robert C. O'Brien Z FOR ZACHARIAH (¥531, Aladdin Paperbacks, 1987/04)
Sean Stewart NOBODY'S SON (¥638, Magic Carpet Books, 2000/05)
Robin McKinley A KNOT IN THE GRAIN AND OTHER STORIES (¥527, HarperCollins Publishers, 1995/09)
以上六冊。Robert C. O'Brienのはどうやら翻訳があるようなので、Gillian Rubinstein UNDER THE CAT'S EYEから読み始めることにする。


一月八日(月)


 昨日書いた原稿をもう一度読み直して、SFマガジンへ送信。

 さて、バッハでも聴こうかという気分になってスピーカーのスイッチを入れてみると、数日前にどうしても左側から音が出てこなかったのが、何故かなおっている。そういえばあれからOpen Music Systemという名のついたファイルをいくつか機能拡張フォルダから外した。それが理由だろうか。まさか今朝やってみたデスクトップの再構築ではあるまい。

 中村明『日本語案内』を読む。全然面白くなかった。内容はありきたりなことしか書いていないところに、下らない駄洒落が挿入されており、読んでいてうんざりする。時間の無駄だった。

 William Sleatorの"The Boxes"を読み終える。面白い、が、しかし、この結末は一体??? きっと続篇があるに違いない。ないのにこの終り方はいくらなんでもないだろう。続篇を探さねば。

 斉藤直子『仮想の騎士』を読む。軽快で楽しい歴史小説だが、これはファンタジイなのだろうか。日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞する作品なのだろうか。この受賞がなかったら私はただ楽しく読んだに違いない。


一月七日(日)


 SFマガジンの<SFが読みたい! 二〇〇一年版>海外ファンタジイ年間総括の原稿を書く。枚数がこれまでの半分なので楽である。夜までにほぼ書き終えるが、送信は明日にしよう。締切りの十日前には送れる訳だ。雑誌の原稿に早期納入価格を設定してくれないものだろうか。電気だかガスだかの料金はそういう設定になっていると思う。締切りの十日前までに原稿を送ったら二割増しとか。滞納料金も設定して、締切りから五日遅れたら一割引き、十日遅れたら二割引。などと書いていると締切りに遅れがちな人々に嫌われてしまいそうなのでもうやめておこう。

 鈴木孝夫『英語はいらない!?』を読む。ちょっと無茶なことも書いてあるものの、英米人のような発音ができて得意になるよりも「この人の話を聞きたい」という気持ちにさせるような魅力のある特別な智識や技術を持つことの方が大事だというところや、英語への極端な偏重によって他の諸外国語に対する関心と能力が衰えていくというところなどは至極もっともである。日本にいる外国人には先ずは日本語で話しかけろとか。


一月六日(土)


 妻と娘が東京から戻ってくるので恐い思いをして空港まで車で迎えに行く。どうして私はこんなに車の運転が嫌いなのだろう。事故を起こしたことがあるからだろうか。いや、その前から大嫌いだった。

  bk1から本が届く。
『ナボコフ短篇全集』(諫早勇一ほか訳/作品社/三八〇〇円)
中島河太郎編『君らの狂気で死を孕ませよ 新青年傑作選』(角川文庫/六八六円)
鈴木孝夫『英語はいらない!?』(PHP新書/六六〇円)
中村明『日本語案内』(ちくま新書/六八〇円)
斉藤直子『仮想の騎士』(新潮社/一四〇〇円)
以上五冊。『仮想の騎士』は日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。昨年はこの賞の受賞作を読まなかったので、今年はちゃんとう読もうと思う。


一月五日(金)


 円が急落。ドルが一割高くなるとアメリカの本が一割高くなる訳で、書籍代が増えてしまうのだが、手持ちのドルの貯蓄のことを考えると多少の円安は許せるという気分になる。勿論、円高になったら書籍代が減ることだけを考える訳だ。

 "The Boxes"はなかなか進まない。面白いのに。眠くなったので、肉を喰って寝てしまう。


一月四日(木)


 William Sleatorの"The Boxes"を手に取って出勤。とっくに読み終わっている予定だったのだが。

 帰る途中で食料品店に寄る。食べ物がなくなってきていたのだった。隣にあった店がつぶれてしまったので、休みの間は少し離れた店まで買い物に行く気がせず家の中でじっとしていた。肉がないと辛くなるので肉を買って帰る。これで安心して本が読める。

 この頃さらに気温が下がってきて、ヘアドライヤーで暖めるという作戦でもPowerMacintosh 9500を起動するのに十分くらいかかるようになってきた。新しいのを買いたくなってしまう。


一月三日(水)


 朝からSFマガジンの原稿。書きやすいものから書いてきたので、残り二人だが全然捗らない。すぐに昼寝をしたりいつもなら観ないようなTV番組を眺めたりしてしまう。子供にはだらだら他のことをしながら宿題をしたりせずに、やるときは気持ちを集中してやりなさいなどと叱ったりするものの、自分だって嫌なことはだらだらやったりするものである。という訳で甚だ効率の悪い書き方でウィリアム・ブラウニング・スペンサーとイアン・マクドナルドの項を書き終えて、送信。SFマガジンの年間ベストSFガイドブック『SFが読みたい!』の原稿も正月休みに書き終えたかったのだが到底無理だ。締切りは二週間も先だからまあいいか。私は明日できることは今日やらないことにしている。

 これで年末年始の休みは終わってしまった。何もいいことはなかったが、今年は頭痛で苦しまなかったのはよかった。実は今朝頭痛の兆しを感じて怯えたものの、昼から風呂に入って食事をして昼寝をしたら治った。例年は一日くらいひどい目に遭うのだが。


一月二日(火)


 朝起きると部屋が静かで寂しいので本でも買おうかということで……などと言い訳をして本を買っていると破産してしまいそうなので今日はやめておく。静かなときこそ原稿を書かねば。で、昨日の続きでSFマガジン<二一世紀SFのキーパースン海外篇五〇>の原稿を書く。今日はJamil Nasir、Sean Stewart、Jeffrey Fordの三人。それにしても、昨年末に高山宏『奇想天外・英文学講義』を読んでおいて本当によかった。これを読んでいなかったらJeffrey Fordの面白さが全然説明できなかったに違いない。
 しかし、手間と時間ばかりかかる原稿である。いや、私がのろのろしているだけか。


一月一日(月)


 朝五時に妻と娘を起こす。二人は今日から五日間妻の実家に里帰りするのである。元日早朝で車も走っていないだろうということで、私が二人を車で空港まで送ってやる。真っ暗で、結構車も走っていて実に恐かった。私は車の運転が心底嫌いなのだ。

 一人になった部屋の中は静かで寂しいものである。元々一人で暮らしている部屋ならそんなことは感じないだろうが、さっきまで三人いたところに今は一人だから。ということで、本を買うことにする(あまり理由になっていない)。まず、久し振りにAmazon.com Booksに三冊。
William Sleator "Into the Dream" $4.49
Gardner R. Dozois, Ed. "The Year's Best Science Fiction : Seventeenth Annual Collection" $14.36
William Nicholson "The Wind Singer (The Wind on Fire, Book 1)" (September 2000, Hyperion Press, $14.39)
これに送料と手数料が$9.85加わることになる。どうもアマゾンは日本店の方が割引率が低く、消費税がかかるので決してアメリカ本店よりも安くはないのではないかという気がして、今回はアメリカに註文してみたのである。突然年刊SF傑作選なんか買ってしまって変なのだけれど、ちょっとSFのことも知っておいた方が何かとよいのではなかろうかという気分に突然なったので。Nicholsonのは、これを絶讃している人がいたので、つい。なるべく三部作は買わないようにしているのだが、今回は児童書ということで例外扱いである。次に日本店の方に、
Geraldine McCaughrean "The Stones Are Hatching" (2001/01, Harpercollins Juvenile Books, ¥633)
を註文。これは一月刊行予定の本。一冊だけ別送にすると日本に註文した方が明らかに安い。特にペーパーバックは本国でも割引率は低いから。

 本を註文して少し気分が落ち着いてきたところで、SFマガジンの原稿を書き始める。二月号で<二一世紀SFのキーパースン国内篇一〇〇>というのをやっていたが、それの海外篇である。なかなか気持ちが集中できず書き終えたのはシャロン・シンの項だけ。これでは遅すぎる。明日からはもっと気持ちを集中させなければ。


ホームページへ戻る