パピレスで電子本を買ってみる。SFマガジンのオンライン書店の記事で取り上げようと思っているので、一度自分で購入してみようと思ったのだ。『高野聖』(角川文庫)を一冊だけ。値段は忘れてしまった。500円くらいだっただろうか。クレジットカードで支払う。2分くらいでダウンロード出来た。それをエキスパンドブックで開いて読む。ただ、それだけである。あまりにも呆気ない。もちろん、本を一冊買っただけなのだから、それ以上のことがある筈はないのだが。場所を取らないのがいいところである。しかし、本を買ったような気分にならないので、ちょっと寂しい。
やっと音楽CDからmp3形式で曲をMacintoshのハードディスクに保存し且つ再生する方法が解った。これで各曲一分当り凡そ1MBで保存できるようになった。試しに作ったファイルは、「小フーガ(BWV578)」が3.4MB、「カンタータ第四番(BWV4)」が18.5MBである。それでも、バッハ全集全巻を収納するには約10GBを要する。どうしてそんなことをしたいのかというと「バッハ全集」はCDが156枚もあって、それがかなり立派な箱に入っている。各巻の箱には二〜四枚組のCDケースが四つ入っていて、2ケースごとに小さな箱に入っているのだ。その2ケースと本一冊が先ほど述べた立派な箱に入っているという訳だ。だから、ちょっと一曲聴きたいなと思ったら、その曲が全集のどこに収録されているかを調べて、箱を書棚から取り出して中の小さな箱を開けて更にCDケースからコンパクトディスクを出して再生装置に挿入しなければならないのだ。だが、こうやってハードディスクに入れておけば、原稿を書きながらいつでも好きな曲を再生できるという訳だ。ハードディスクをあと20GBくらい増やしたくなってきた。ちなみに今は約10GBである。
夜八時発の飛行機に乗るので、羽田空港へ。空港で飛行機を待つ間に『スタープレックス』が読み終わる。わくわくしながら読み終えるが、これまでに読んだソウヤーの本に比べるとやや印象は薄いような気がする。ページ数は薄くないのだが。
パオロ・マウレンシグ『狂った旋律』を読みながら搭乗。いきなり頭の中にバッハの無伴奏バイオリンパルティータが響き渡る。福岡空港へ着くまでに一気に読み終える。これは傑作ではないか。福岡空港から家までの地下鉄の中でヨアンナ・ルドニャンスカ『竜の年』を読む。40ページまで読んだところで、ドラゴンってひょっとして共産党政権ではという気がしてくる。
帰宅するとKingbooksから本が届いている。プルマンのCount Karlsteinと食虫植物の本The Savage Gardenである。The Savage Gardenはカラー写真が多い割に値段が安い($19.95)。育て方も丁寧に書いてあるようなので、今年の夏は朝顔だけでなく、食虫植物にも愛情を注ぐことにしよう。そういえば数日前にタキイ種苗から朝顔の種が八種類届いていたが、そんなに買ってどうするのだ。プルマンの方はなかなか面白そうなので近いうちに読んでみよう。プルマンといえば、The Internet Bookshopから本の発送の連絡があったのだが、何と私はNorthern Lightを買ってしまったのだった。これのアメリカ版がThe Golden Compassなので、私はまた無駄な本を買ってしまったことになる。やれやれ。
三時半発の飛行機に乗るために空港へ向かう。何と空港で早くもTHE WIDOWMAKER UNLEASHEDが終わってしまった。話はなかなか良く、この三部作で一番良かった、というよりこれはやはり三冊で一つの物語だと思った方がいい。これも西部劇の大宇宙版と云ってしまえばそれまでだが、老年のガンマンの雰囲気が実によく出ている。ちょっと驚くような事件も結末には用意されていて、楽しく読み終えることができる。
機内ではロバート・J・ソウヤー『スタープレックス』を読む。半分ほどまで進んだところで、羽田空港に着く。ホテルに荷物を置いてから、有楽町マリオンの前で、十九世紀イギリス短篇小説翻訳家の西崎憲氏らと待ちあわせる。『英国短篇小説の愉しみ』の翻訳を担当した人たちと編集を担当した人の六人で食事をする。私はちょっと西崎氏の気分を損ねるようなことを云ってしまったかも知れない。11時半にお茶の水のホテルに帰って寝る。
職場から「本とコンピュータ」の翻訳を送信。帰宅してから「本とコンピュータ」編集部の人に連絡事項を送信しようとしたらまたエラー。NetscapeCommunicator 4.5を使ったら送信できたのでやはりEudoraPro 4.0.2とEudoraLight 3.1.3の併用が問題のようだ。が、それを何とかする元気はなく、八時過ぎに就寝。
「本とコンピュータ」の翻訳を夜11時頃終えて、送信しようとしたらエラーが出てしまう。どうしても送信できないので、明日出勤してから送ることにして寝る。やはりEudoraPro 4.0.2とEudoraLight 3.1.3の併用はよくないようだ。
図書館流通センターから本の発送の連絡がある。17日註文分の方で、バッハ全集は相変わらず入荷待ちの連絡ばかり届く。はやくバッハのオルガン曲が聴きたい。SFマガジンの書評欄で日本SFを担当している大倉氏は、山之口洋『オルガニスト』は全く駄目だったそうだ。確かに、バッハのオルガン曲がなかったら、つまらない話だ。それに全体的に少女漫画的な雰囲気すらあるような気がする。
「本とコンピュータ」の原稿の改訂版が届く。意味が解らなかった箇所が解りやすく変わっている。昨日悩んで損した。
「本とコンピュータ」の原稿がメールで届く。晶文社の『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』を担当した人が教えたアドレスが間違っていたらしく、私が仕事に出ている間に電話があった。妻は私のメールアドレスなど知らないので、対応に苦慮したという。あまり使っていないジャストネットのアドレスだけは解ったので、それを教えておいたという。実際、ジャストネットのアドレス宛に届いていた。まあ、それでもいいのだが。
そのアドレスにSFマガジン編集長からもメールが届いていた。今度、SFマガジンでインターネットガイドの企画をやるという。私はオンライン書店の紹介をするらしい。もちろんSFマガジンの原稿だから断るなんてことはない。でも、これで今週はずっとオンライン書店のことばかり書くことになりそうだ。まあ、それでもいいのだが。
今日は休日なのに出勤して推薦入学の面接試験をやった。私に採点されるのだから、受験生もかわいそうである。
妻がAyn RandのThe Fountainheadという本が欲しいというので、Amazon.comに本を註文する。私の本は、
Stardust by Neil Gaiman (Avon Books, $13.20)
Tower of Dreams by Jamil Nasir (Spectra, $4.79)
のみ。ゲイマンのはちょうど四割引で売っていたのでよかった。今回はちょっと我慢してこれだけにしておく。
「本とコンピュータ」の編集部から電話がある。この雑誌のオンライン版の方の原稿の翻訳の依頼だった。ちょっと驚く。オンライン書店についてのもので、BookFinder.comの創設者のインタビュー原稿のようだ。〆切りまで一週間しかないのが不安だが、とりあえず、引き受けてしまう。
図書館流通センターからジェフ・アボット『図書館の親子』が品切れとの連絡があった。近所の書店で買うことにしようか。明日は図書館流通センターから『バッハ全集10』が届く筈。楽しみである。
昨年一年間で購入した本を集計してみて、昨年末に私はもっと本を買っていい筈だと思ったのだが、今月のクレジットカードの請求額が給与として銀行に振り込まれる額の三分の二を超えていたので驚愕し、ちょっと本を買うのを控えようと思ってしまった。もちろん、本の支払いだけでそんなに増えた訳ではないのだが。年末はボーナスが入るので色々買い物をするが、支払いは翌月になるから精神的によくない。やれやれ。
図書館流通センターに本を註文。
小松由加子『図書館戦隊ビブリオン 2』集英社・476円
小松英雄『日本語はなぜ変化するか 母語としての日本語の歴史』笠間書院・2400円
ディーノ・ブッツァーティ『石の幻影』大久保憲子訳・河出書房新社・1800円
ジェフ・アボット『図書館の親子』佐藤耕士訳・早川書房・860円
パオロ・マウレンシグ『狂った旋律』大久保昭男訳・草思社・1800円
以上五冊である。7000円を超えるので送料は無料である。ちょっと変な本も入っている。ブッツァーティの本の表題作は以前「偉大なる幻影」という名で邦訳があったもの。アボットの「図書館の」シリーズは一冊も読んでいないまま、買い続けている。今回期待しているのはマウレンシグ『狂った旋律』だ。「「この楽器はある物語にかかわりがあるのです。おそろしい物語ですが、これにもそろそろ終止符を打ちたいと思いましてね…」現代のロンドンから30年代のウィーンへ、一丁のバイオリンが導く迷宮の物語。」なのだそうだ。
晶文社から『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』が届く。二刷りの際に送られてきたもののようである。ということは、三刷り分がまた届くということか。
ディーノ・ブッツァーティ『石の幻影』読了。さっき註文した本である。実は人に借りた本が手元に今あるのだった。さほど感動しない。が、註文したことを後悔はしていない。
Weinberg Booksからカタログが届く。もう一年以上も買っていないのにいつまで送ってくるのだろうと思いながらぺらぺらとページを捲っていたら、つい買いたくなってしまい、ASH-TREE PRESS ANNUAL MACABRE 1998 ed by Jack Adrian (Ash-Tree Press, $31.00)とLOVECRAFT REMEMBERED ed by Peter Cannon (Arkham House, $30.00)を註文してしまう。一割引に送料$5.50が加わって$60.40だ。今日はUS$1.00=JPY114くらいにまでなったから、7000円程度か。アーカム・ハウスの本はAmazon.comでは割引がないが、ここなら一割引になる。他のオンライン書店ならどうなのだろうか。今度調べてみよう。
午後からSFマガジンの原稿を書き始める。プルマンの本の紹介である。〆切りまで二週間以上もあるが、今月末はちょっと忙しいのだ。
プルマンのTHE SUBTLE KNIFEはほぼ三分の一まで読み進む。楽しく読み進めることができるが、第一巻の方が迫力があった。何でも、第二巻は馴れてしまって驚きが少なくなるものだ。
The Internet Bookshopから、フィリップ・プルマンのTHE NEW CUT GANG: THE GAS-FITTERS' BALLが届く。あまり面白そうではない。それにしてもいつこの本を註文したのか全く思い出せないのだった。
筑摩書房から『英国短篇小説の愉しみ 2』の校正刷りが届く。一緒に、今月10日に朝日新聞に載った『英国短篇小説の愉しみ 1』の紹介のコピーが入っていたが、実に変な紹介である。グレアム・グリーンの「八人の見えない日本人」は婚約中の日本人男女の話か? まあ、勘違いされても売れればいいのだが。
フィリップ・プルマンのTHE SUBTLE KNIFE (Del Rey, 1998)を読み始める。まだ十分の一しか読んでいないがなかなかいい。前巻で大活躍した主人公が意外な形で登場するところにも感心する。これはできれば今週中に読み終えたい。
八年ぶりに磯山雅『J・S・バッハ』(講談社現代新書)を読み返す。先日、埼玉から持ってきておいたのだった。管弦楽組曲第三番のアリアの低音部の「歩み」の音型がカンタータ第四番「キリストは死の縄目にとらわれたまえり」で死の支配を描く部分にあらわれるものとそっくりである、と書いてあったので早速聴いてみる。なるほど確かに似ているように思えるが、そっくりというほどだろうか。
そんな訳でこのところずっとバッハを聴いている。
バッハのCDから曲をハードディスクにコピーして、それをAIFFファイルに変換し次いでMPEG3ファイルに変換しようとしたが何故かうまく出来ない。AIFFまでは問題なく出来るのだが。ただ、それではファイル容量が小さくならない。ファイル容量を小さくしてハードディスク上に保存しておきたいのだ。どうしてかというと、『バッハ全集』はCDが150枚もあって、それが立派な箱に入っているので、聴きたい曲を探しだして箱を開けてCDを取り出して、という操作が結構面倒くさい。いつの日か全曲をハードディスクに入れてしまいたのだが、近い将来にはちょっと無理だろう。
図書館流通センターに本を註文する。
『バッハ全集 第10巻 オルガン曲』(小学館/27143円)
ウィリアム・B・スペンサー『ゾッド・ワロップ』(浅倉久志訳/角川書店/1700円)
アラン・G・トマス『美しい書物の話 中世の彩飾』(小野悦子訳/晶文社/2700円)
『恐怖と怪奇名作集 2 真夜中の太陽』(岩崎書店/1300円)
『恐怖と怪奇名作集 3 今日もいい天気』(岩崎書店/1300円)
『恐怖と怪奇名作集 4 猿の手』(岩崎書店/1300円)
以上六冊である。『美しい書物の話』は97年の5月に出ていたもの。買うのを忘れていた。『恐怖と怪奇名作集』は小学生向け怪奇小説アンソロジーだ。昨年の夏から刊行が始まっている。これはもう集めているだけの本と云っていい。
明日から仕事が始まる。休みの間にやろうと思っていた翻訳は一行もできなかった。何ということだ。本は一冊も読めなかった。やれやれ。