1月31日(日) 朝、新聞の一面の下の方を見て驚く。晶文社の広告があって、『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』4刷出来! と書いてあるではないか。

 パピレスで電子本を買ってみる。SFマガジンのオンライン書店の記事で取り上げようと思っているので、一度自分で購入してみようと思ったのだ。『高野聖』(角川文庫)を一冊だけ。値段は忘れてしまった。500円くらいだっただろうか。クレジットカードで支払う。2分くらいでダウンロード出来た。それをエキスパンドブックで開いて読む。ただ、それだけである。あまりにも呆気ない。もちろん、本を一冊買っただけなのだから、それ以上のことがある筈はないのだが。場所を取らないのがいいところである。しかし、本を買ったような気分にならないので、ちょっと寂しい。

 やっと音楽CDからmp3形式で曲をMacintoshのハードディスクに保存し且つ再生する方法が解った。これで各曲一分当り凡そ1MBで保存できるようになった。試しに作ったファイルは、「小フーガ(BWV578)」が3.4MB、「カンタータ第四番(BWV4)」が18.5MBである。それでも、バッハ全集全巻を収納するには約10GBを要する。どうしてそんなことをしたいのかというと「バッハ全集」はCDが156枚もあって、それがかなり立派な箱に入っている。各巻の箱には二〜四枚組のCDケースが四つ入っていて、2ケースごとに小さな箱に入っているのだ。その2ケースと本一冊が先ほど述べた立派な箱に入っているという訳だ。だから、ちょっと一曲聴きたいなと思ったら、その曲が全集のどこに収録されているかを調べて、箱を書棚から取り出して中の小さな箱を開けて更にCDケースからコンパクトディスクを出して再生装置に挿入しなければならないのだ。だが、こうやってハードディスクに入れておけば、原稿を書きながらいつでも好きな曲を再生できるという訳だ。ハードディスクをあと20GBくらい増やしたくなってきた。ちなみに今は約10GBである。


1月30日(土) 水道橋の会場で研究報告会がある。仕事である。四時半頃それも終り、書店街へ向かう。古本は買い始めると切りがないので今回は我慢して、書泉グランデで、先日図書館流通センターに註文して品切れだったジョン・アボット『図書館の親子』(佐藤耕士訳/早川ミステリアス・プレス文庫/860円)と林望『書籔巡歴』(新潮文庫/458円)を購入。三省堂書店に入ってみると、『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』がエスカレータ下の台の上に沢山積み上げてある。新聞の紹介のコピーも掲示してある。奥付を覗いてみると三刷りだ。売れろ売れろもっと売れろと心の中で唱えて奥へ進む。『英国短篇小説の愉しみ』は一応イギリス文学のところに平積みになっている。売れよ、買われよ、人々の書棚と図書館の書棚に満ちよ、と心の中で唱える。SF・ファンタジイのコーナーでヨアンナ・ルドニャンスカ『竜の年』(田村和子訳/未知谷/1400円)というのを見つけて購入。コルチャック賞受賞のファンタジイと書いてあるが、本当にファンタジイなのだろうか。

 夜八時発の飛行機に乗るので、羽田空港へ。空港で飛行機を待つ間に『スタープレックス』が読み終わる。わくわくしながら読み終えるが、これまでに読んだソウヤーの本に比べるとやや印象は薄いような気がする。ページ数は薄くないのだが。

 パオロ・マウレンシグ『狂った旋律』を読みながら搭乗。いきなり頭の中にバッハの無伴奏バイオリンパルティータが響き渡る。福岡空港へ着くまでに一気に読み終える。これは傑作ではないか。福岡空港から家までの地下鉄の中でヨアンナ・ルドニャンスカ『竜の年』を読む。40ページまで読んだところで、ドラゴンってひょっとして共産党政権ではという気がしてくる。

 帰宅するとKingbooksから本が届いている。プルマンのCount Karlsteinと食虫植物の本The Savage Gardenである。The Savage Gardenはカラー写真が多い割に値段が安い($19.95)。育て方も丁寧に書いてあるようなので、今年の夏は朝顔だけでなく、食虫植物にも愛情を注ぐことにしよう。そういえば数日前にタキイ種苗から朝顔の種が八種類届いていたが、そんなに買ってどうするのだ。プルマンの方はなかなか面白そうなので近いうちに読んでみよう。プルマンといえば、The Internet Bookshopから本の発送の連絡があったのだが、何と私はNorthern Lightを買ってしまったのだった。これのアメリカ版がThe Golden Compassなので、私はまた無駄な本を買ってしまったことになる。やれやれ。


1月29日(金) 今日明日は東京へ出張である。仕事ででかけるのに、私の頭はどの本を持って行くかで一杯だ。今回は全く悩むことなく三冊が決まる。これが決まらないと他の準備が手に付かないから困るのだ。まずは読みかけのマイク・レズニックTHE WIDOWMAKER UNLEASHED。随分時間がかかっているが、今回の飛行機の中ででも一気に読み終えたいものだ。残り40ページである。後はロバート・J・ソウヤー『スタープレックス』とパオロ・マウレンシグ『狂った旋律』。両方は読み終わらないかも知れないが、読み終わらないように十分持って行くのだから終わってしまっては困る。不安だからもう一冊持って行こうか。悩むところだ。

 三時半発の飛行機に乗るために空港へ向かう。何と空港で早くもTHE WIDOWMAKER UNLEASHEDが終わってしまった。話はなかなか良く、この三部作で一番良かった、というよりこれはやはり三冊で一つの物語だと思った方がいい。これも西部劇の大宇宙版と云ってしまえばそれまでだが、老年のガンマンの雰囲気が実によく出ている。ちょっと驚くような事件も結末には用意されていて、楽しく読み終えることができる。
 機内ではロバート・J・ソウヤー『スタープレックス』を読む。半分ほどまで進んだところで、羽田空港に着く。ホテルに荷物を置いてから、有楽町マリオンの前で、十九世紀イギリス短篇小説翻訳家の西崎憲氏らと待ちあわせる。『英国短篇小説の愉しみ』の翻訳を担当した人たちと編集を担当した人の六人で食事をする。私はちょっと西崎氏の気分を損ねるようなことを云ってしまったかも知れない。11時半にお茶の水のホテルに帰って寝る。


1月28日(木) 東京創元社から本が届く。
シャーマン・アレクシー『インディアン・キラー』(金原瑞人訳/2300円/東京創元社<海外文学セレクション>)
ジェイムズ・P・ホーガン『造物主の選択』(小隅黎訳/800円/創元SF文庫)
の二冊。アレクシーは『リザベーション・ブルース』を書いた人だ。今回は白人男性の頭の皮を剥ぐアメリカ・インディアンの連続殺人鬼の話のようだ。ホーガンのは『造物主の掟』の続篇。

 職場から「本とコンピュータ」の翻訳を送信。帰宅してから「本とコンピュータ」編集部の人に連絡事項を送信しようとしたらまたエラー。NetscapeCommunicator 4.5を使ったら送信できたのでやはりEudoraPro 4.0.2とEudoraLight 3.1.3の併用が問題のようだ。が、それを何とかする元気はなく、八時過ぎに就寝。


1月27日(水) 図書館流通センターから本が届く。小松由加子『図書館戦隊ビブリオン 2』、小松英雄『日本語はなぜ変化するか 母語としての日本語の歴史』、ディーノ・ブッツァーティ『石の幻影』、パオロ・マウレンシグ『狂った旋律』の四冊である。今回最も期待しているのが、『狂った旋律』だ。早く読みたい。

「本とコンピュータ」の翻訳を夜11時頃終えて、送信しようとしたらエラーが出てしまう。どうしても送信できないので、明日出勤してから送ることにして寝る。やはりEudoraPro 4.0.2とEudoraLight 3.1.3の併用はよくないようだ。


1月26日(火) ちょっと早起きして「本とコンピュータ」の翻訳をやる。出勤してから、新旧の原稿をマイクロソフトのWord98の文書比較機能で調べてみる。この機能はどこがどう変わったかが一目瞭然になるので実に便利である。この機能だけのために購入してもいいくらいだ(だが、購入していない)。

 図書館流通センターから本の発送の連絡がある。17日註文分の方で、バッハ全集は相変わらず入荷待ちの連絡ばかり届く。はやくバッハのオルガン曲が聴きたい。SFマガジンの書評欄で日本SFを担当している大倉氏は、山之口洋『オルガニスト』は全く駄目だったそうだ。確かに、バッハのオルガン曲がなかったら、つまらない話だ。それに全体的に少女漫画的な雰囲気すらあるような気がする。


1月25日(月) SFマガジン三月号着。98年総括の記事など眺める。何だか総括の項目が随分増えている。

「本とコンピュータ」の原稿の改訂版が届く。意味が解らなかった箇所が解りやすく変わっている。昨日悩んで損した。


1月24日(日) 朝から夕方まで「本とコンピュータ」の翻訳をやる。九割程度は終わる。Bookfinder.comの創設者のインタビューで、わくわくするほと楽しいという文章でもない。15枚くらいと聞いていたのに、25枚を過ぎてもまだ終わらない。何を云いたいのか解らないところもあったりする。しかし、明日はSFマガジンの原稿の〆切りということになっているので、夕食後にファンタジイ評の原稿に取り掛かる。今回は、山之口洋『オルガニスト』、ウィリアム・B・スペンサー『ゾッド・ワロップ』、ディーノ・ブッツァーティ『石の幻影』の三冊だが、殆どバッハの話を書き連ねてしまった。夜11時頃送信して寝る。今回から再びEudoraLight 3.1.3で送ることにする。ただ、これだと一度に三つのメールアドレスの受信を確認したりはできないので、EudoraPro 4.0.2も残しておく。つまり受信用にはEudoraPro、送信にはEudoraLightという訳だ。EudoraProの日本語版を買うのが一番いいのだが、ちょっと今は資金が枯渇しているのだった。

1月23日(土) 早川書房からロバート・J・ソウヤー『スタープレックス』(内田昌之訳/800円/ハヤカワ文庫SF1257)が届く。内田さん、どうもありがとう。来週出張のときに持っていこうか。

「本とコンピュータ」の原稿がメールで届く。晶文社の『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』を担当した人が教えたアドレスが間違っていたらしく、私が仕事に出ている間に電話があった。妻は私のメールアドレスなど知らないので、対応に苦慮したという。あまり使っていないジャストネットのアドレスだけは解ったので、それを教えておいたという。実際、ジャストネットのアドレス宛に届いていた。まあ、それでもいいのだが。
 そのアドレスにSFマガジン編集長からもメールが届いていた。今度、SFマガジンでインターネットガイドの企画をやるという。私はオンライン書店の紹介をするらしい。もちろんSFマガジンの原稿だから断るなんてことはない。でも、これで今週はずっとオンライン書店のことばかり書くことになりそうだ。まあ、それでもいいのだが。

 今日は休日なのに出勤して推薦入学の面接試験をやった。私に採点されるのだから、受験生もかわいそうである。


1月22日(金) 図書館流通センターからの電子メールをもう一度見てみたら、発送のお知らせではなく、註文処理状況のお知らせだった。つまりまだ入荷待ちの状態であった。待っていて損した。

 妻がAyn RandのThe Fountainheadという本が欲しいというので、Amazon.comに本を註文する。私の本は、
Stardust by Neil Gaiman (Avon Books, $13.20)
Tower of Dreams by Jamil Nasir (Spectra, $4.79)
のみ。ゲイマンのはちょうど四割引で売っていたのでよかった。今回はちょっと我慢してこれだけにしておく。

「本とコンピュータ」の編集部から電話がある。この雑誌のオンライン版の方の原稿の翻訳の依頼だった。ちょっと驚く。オンライン書店についてのもので、BookFinder.comの創設者のインタビュー原稿のようだ。〆切りまで一週間しかないのが不安だが、とりあえず、引き受けてしまう。


1月21日(木) 九時まで風呂に入らずに宅配便を待っていたが、『バッハ全集10』は来なかった。悲しい。それに、あれが来ないと今度のSFマガジンのファンタジイ評が書けないのだ。山之口洋『オルガニスト』をとりあげるからだ。まず、作品に登場するオルガン曲を総て聴いてからでなければ私にはとても書けそうにない。

1月20日(水) 二月始めに刊行される筈だったプラチェットの『ピラミッド』の出版が遅れそうだと訳者の久賀氏から連絡を貰い、今度のSFマガジンのファンタジイ評の原稿の予定が大幅に狂ってしまう。

 図書館流通センターからジェフ・アボット『図書館の親子』が品切れとの連絡があった。近所の書店で買うことにしようか。明日は図書館流通センターから『バッハ全集10』が届く筈。楽しみである。


1月19日(火) こんな夢を見た。私は病院のベッドに寝ていて、余命十数時間となっていた。癌である。もうすぐ死ぬにしては元気だ。が、それを知ったばかりで少々慌てている。傍に妻と娘がいる。私はこんな早く死ぬのならもっと娘や妻との時間を大切にすればよかったと思いながらも、『英国短篇小説の愉しみ』の第三巻の校正はもうできないから西崎氏と筑摩書房の人に連絡しておいてくれだとかSFマガジンのファンタジイ評も書けないから編集長に連絡しておいてくれだとか、出版社や翻訳家の人の連絡先を小さな手帳に書き込みながら妻に頼んでいるのだった。本業の仕事の方のことは全く頭に浮かばない。やがて場面が変わり、私は百人くらいが出席している夕食会のようなところにいた。目の前のテーブルには皿は並んでいるが食べ物はまだ出てきていない。なぜか隣の席に石坂浩二が坐っている。私はこんな癌で死にそうになっている夢を見た話をしていた。石坂浩二は「ほう」とか何とかどうでもいい相槌を打っていた。そのうち目が覚めた。

 昨年一年間で購入した本を集計してみて、昨年末に私はもっと本を買っていい筈だと思ったのだが、今月のクレジットカードの請求額が給与として銀行に振り込まれる額の三分の二を超えていたので驚愕し、ちょっと本を買うのを控えようと思ってしまった。もちろん、本の支払いだけでそんなに増えた訳ではないのだが。年末はボーナスが入るので色々買い物をするが、支払いは翌月になるから精神的によくない。やれやれ。


1月18日(月) 三時に起きて、SFマガジンのファンタジイ評の原稿でも書こうかなと思ったら、昨日送ったプルマンの原稿が返ってきている。おや? と思って読んでみると、昨日宛先を間違えて原稿を翻訳家の内田昌之氏のところへ送ってしまったということが判明。親切な内田氏は原稿を早川書房へ転送し、過ちを私に知らせてくれたのであった。恥ずかしい間違いをしてしまった。私も間違いメールを受け取ったことが何度かあるが、「宛先くらい送る前に確認しろよ。まったくしょうがない奴だ」と腹を立て、自分に限って決してそんな間抜けな過ちはないと思い込んでいたものだ。考えてみるとNetscape Communicator 4.5の電子メール機能はSFマガジンに原稿を送るときにしか使わないので、早川書房宛のアドレスを残して他は総て消去する。これで、今後はこのような過ちは起こらないだろう。もちろん、SFマガジンに原稿を送るときに限っての話だが。

1月17日(日) SFマガジンの原稿を書き終え、送信。このとき大変な過ちをおかしていたことが翌日判明することになる。

 図書館流通センターに本を註文。
小松由加子『図書館戦隊ビブリオン 2』集英社・476円
小松英雄『日本語はなぜ変化するか 母語としての日本語の歴史』笠間書院・2400円
ディーノ・ブッツァーティ『石の幻影』大久保憲子訳・河出書房新社・1800円
ジェフ・アボット『図書館の親子』佐藤耕士訳・早川書房・860円
パオロ・マウレンシグ『狂った旋律』大久保昭男訳・草思社・1800円
以上五冊である。7000円を超えるので送料は無料である。ちょっと変な本も入っている。ブッツァーティの本の表題作は以前「偉大なる幻影」という名で邦訳があったもの。アボットの「図書館の」シリーズは一冊も読んでいないまま、買い続けている。今回期待しているのはマウレンシグ『狂った旋律』だ。「「この楽器はある物語にかかわりがあるのです。おそろしい物語ですが、これにもそろそろ終止符を打ちたいと思いましてね…」現代のロンドンから30年代のウィーンへ、一丁のバイオリンが導く迷宮の物語。」なのだそうだ。

 晶文社から『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』が届く。二刷りの際に送られてきたもののようである。ということは、三刷り分がまた届くということか。

 ディーノ・ブッツァーティ『石の幻影』読了。さっき註文した本である。実は人に借りた本が手元に今あるのだった。さほど感動しない。が、註文したことを後悔はしていない。


1月16日(土) 昼頃、プルマンを読み終える。話は意外な展開を見せ、次第に大掛かりなものへとなってきた。が、第一巻の方がよかったように思える。

 Weinberg Booksからカタログが届く。もう一年以上も買っていないのにいつまで送ってくるのだろうと思いながらぺらぺらとページを捲っていたら、つい買いたくなってしまい、ASH-TREE PRESS ANNUAL MACABRE 1998 ed by Jack Adrian (Ash-Tree Press, $31.00)とLOVECRAFT REMEMBERED ed by Peter Cannon (Arkham House, $30.00)を註文してしまう。一割引に送料$5.50が加わって$60.40だ。今日はUS$1.00=JPY114くらいにまでなったから、7000円程度か。アーカム・ハウスの本はAmazon.comでは割引がないが、ここなら一割引になる。他のオンライン書店ならどうなのだろうか。今度調べてみよう。

 午後からSFマガジンの原稿を書き始める。プルマンの本の紹介である。〆切りまで二週間以上もあるが、今月末はちょっと忙しいのだ。


1月15日(金) 成人の日とやらで休みである。この三日は思い切って休むことにする。朝からプルマンのTHE SUBTLE KNIFEを読む。読書に気持ちを集中することが出来ず、つい余計なことをしてしまう。三時頃眠くなって昼寝。夕食後再びプルマンを読み、残り50ページくらいまで読んで寝る。

1月14日(木) 図書館流通センターから本が届く。ウィリアム・B・スペンサー『ゾッド・ワロップ』、アラン・G・トマス『美しい書物の話 中世の彩飾』、『恐怖と怪奇名作集 2 真夜中の太陽』、『恐怖と怪奇名作集 3 今日もいい天気』、『恐怖と怪奇名作集 4 猿の手』の五冊である。既に読み終わった本とこれからも読まない本を買ってしまったのかも知れない。本当は『美しい書物の話 中世の彩飾』を読みたいところだが、読む時間がないような気がする。

1月13日(水) 『英国短篇小説の愉しみ 2』の校正についてファックスを筑摩書房に送ってから出勤。

 プルマンのTHE SUBTLE KNIFEはほぼ三分の一まで読み進む。楽しく読み進めることができるが、第一巻の方が迫力があった。何でも、第二巻は馴れてしまって驚きが少なくなるものだ。


1月12日(火) 晶文社『徹底活用「オンライン書店」の誘惑』は三刷目が決まったという知らせがあった。よく売れているようで実に喜ばしいことである。しかし、考えてみると私のページはあまり利用されてはいないだろう。この頃ホームページのアクセス数が特に増えたということもないし、「長年探していたタミール語の本がやっと手に入りました」というような話もきいたことがない。

 The Internet Bookshopから、フィリップ・プルマンのTHE NEW CUT GANG: THE GAS-FITTERS' BALLが届く。あまり面白そうではない。それにしてもいつこの本を註文したのか全く思い出せないのだった。

 筑摩書房から『英国短篇小説の愉しみ 2』の校正刷りが届く。一緒に、今月10日に朝日新聞に載った『英国短篇小説の愉しみ 1』の紹介のコピーが入っていたが、実に変な紹介である。グレアム・グリーンの「八人の見えない日本人」は婚約中の日本人男女の話か? まあ、勘違いされても売れればいいのだが。


1月11日(月) Locus一月号着。ざっと眺める。

 フィリップ・プルマンのTHE SUBTLE KNIFE (Del Rey, 1998)を読み始める。まだ十分の一しか読んでいないがなかなかいい。前巻で大活躍した主人公が意外な形で登場するところにも感心する。これはできれば今週中に読み終えたい。


1月10日(日) またSFマガジンの原稿の文字化けの連絡。四月号でSFスキャナーの原稿を書くことになる。久しぶりである。フィリップ・プルマンの本を紹介する予定。三部作の第一部しか読んでいないのだが。第三部はまだ出ていない。とりあえず明日から第二部を読むことにしようか。しかし、レズニックだけは先に読んでおきたいし。読みかけの英語の本ばかり溜るのも、ちょっと嫌だ。

 八年ぶりに磯山雅『J・S・バッハ』(講談社現代新書)を読み返す。先日、埼玉から持ってきておいたのだった。管弦楽組曲第三番のアリアの低音部の「歩み」の音型がカンタータ第四番「キリストは死の縄目にとらわれたまえり」で死の支配を描く部分にあらわれるものとそっくりである、と書いてあったので早速聴いてみる。なるほど確かに似ているように思えるが、そっくりというほどだろうか。
 そんな訳でこのところずっとバッハを聴いている。


1月9日(土) 早川書房からロバート・ジョーダン『聖竜戦記4 大いなる勝負』(斉藤伯好訳/600円/ハヤカワ文庫FT256)が届く。そういえば三巻から読んでいない。三月で第2部完結となるそうだから、そのとき纏めて読むことにしよう。

 バッハのCDから曲をハードディスクにコピーして、それをAIFFファイルに変換し次いでMPEG3ファイルに変換しようとしたが何故かうまく出来ない。AIFFまでは問題なく出来るのだが。ただ、それではファイル容量が小さくならない。ファイル容量を小さくしてハードディスク上に保存しておきたいのだ。どうしてかというと、『バッハ全集』はCDが150枚もあって、それが立派な箱に入っているので、聴きたい曲を探しだして箱を開けてCDを取り出して、という操作が結構面倒くさい。いつの日か全曲をハードディスクに入れてしまいたのだが、近い将来にはちょっと無理だろう。


1月8日(金) SFマガジン編集長から電話があって、送った原稿の文字が一部化けていて判読できないということであった。このところ文字化けは生じていなかったのだが。

1月7日(木) マイク・レズニックのThe Widowmaker Unleashedを読み始める。ニコラス・クリストファーのVERONICAがまだ終わっていないのだが、こちらの方を早く読みたい。日頃、シリーズものは新しい世界に出合うのではなく馴染みの世界に喜びを見出すだけだから、そんなものは好みに合わないなどと云っているくせに、馴染みのレズニックの早撃ちガンマンたちの世界に喜んでしまうのである。私の書くことほど当てにならないことはない。

1月6日(水) Amazon.com Booksから11月21日に註文した本の発送の通知があった。フィオナ・マクラウド、M・P・シール、ヨナス・リーの本が手に入ったようだ。本が手に入ったのは嬉しいのだが、今回の請求額は、(妻の本が入っているものの)$151.75とちょっと多い。このところの円高で少しは助かって17000円くらいか。

1月5日(火) ウィリアム・B・スペンサー『ゾッド・ワロップ』読了。ジョナサン・キャロルを読んだときと同じ気分を味わったという言葉が解説で引用されていたが、私はディックを読んだときと同じ気分をちょっと味わってしまった。これで神のようなものの存在を強く感じたらディックそのものではないか。しかし、私はディックの方がいい。キャロルの方がいい。幼い娘をなくす話は少々苦手なのだ。

1月4日(月) 図書館流通センターに本を註文しようとするとエラーが出てしまって困っていたのだが、解決方法がやっと解った。Netscape Communicator 4.5のPreference設定画面からフォント設定の項目を開き、Sometimes a page will specify its own fontsというところを"Use page-specified fonts, including Dynamic Fonts"にしているとエラーが出るようなのだ。これを"Use my fonts, overriding page-specified fonts"に設定すると多分大丈夫だ。銀行の預金残高確認画面で文字化けが起きて苦労していたのもこれで解決した。同じような問題で困っていたという方は是非お試しあれ。

1月3日(日) 『英国短篇小説の愉しみ 2』の再校ゲラに目を通す。意味が全然解っていない箇所を幾つか見つけてしまう。きっと、そういうところが他にもあるに違いない。

 図書館流通センターに本を註文する。
『バッハ全集 第10巻 オルガン曲』(小学館/27143円)
ウィリアム・B・スペンサー『ゾッド・ワロップ』(浅倉久志訳/角川書店/1700円)
アラン・G・トマス『美しい書物の話 中世の彩飾』(小野悦子訳/晶文社/2700円)
『恐怖と怪奇名作集 2 真夜中の太陽』(岩崎書店/1300円)
『恐怖と怪奇名作集 3 今日もいい天気』(岩崎書店/1300円)
『恐怖と怪奇名作集 4 猿の手』(岩崎書店/1300円)
以上六冊である。『美しい書物の話』は97年の5月に出ていたもの。買うのを忘れていた。『恐怖と怪奇名作集』は小学生向け怪奇小説アンソロジーだ。昨年の夏から刊行が始まっている。これはもう集めているだけの本と云っていい。

 明日から仕事が始まる。休みの間にやろうと思っていた翻訳は一行もできなかった。何ということだ。本は一冊も読めなかった。やれやれ。


1月2日(土) 朝、SFマガジンの原稿を送る。その後で、妻と娘を迎えに空港へ行く。実は私は車の運転が大嫌いである。だから、朝から憂鬱なのだ。何しろ私は運転が下手だ。その証拠に過去に事故を起こしたことがある。起こしそうになったことは何度もある。テキサスの高速道路で起こした事故では車が目茶目茶に壊れる大事故だった。やはり家で本を読んでいるのが一番である。

1月1日(金) 元日である。SFマガジンのファンタジイ1998年総括の原稿を書く。つまらない年だったので全然進まない。それでも、夜にはほぼ書き終える。

ホームページへ戻る