6月30日(火) The Internet BookshopからフリースナーのTHE PSALMS OF HEROD (White Wolf, 1995)が届く。しかし、私が今本当に欲しいのは四冊のフリースナーの本の入ったAmazon.com Booksからの小包みである。昨日から読み始めたSPLIT HEIRSはあまり面白そうではない。剣と魔法の世界におけるとある王国が舞台である。ハイドランジアはゴルゴリア人の支配下にあった。そこを征服したゴルゴリアの王ガッジと結婚せざるを得なかったアルテミジア女王に子供が産まれる。三つ子だった。ゴルゴリアの古い迷信では三つ子は母親の不義の徴とされていた。三つ子を産んだ母親は処刑されるのがゴルゴリアの風習だ。そこで女王は男の子一人を残して、他の息子と娘を森の奥深くでハイドランジアの最後の抵抗運動を続けている兄弟のところへ送ることにした。女王は最も信頼がおける召使いラドミラに子供たちを託したのだが、なんと彼女は息子を二人連れていってしまったのだった・・・。まだ10ページしか読んでいないので本当は面白いかどうかよく解らないのだが。

6月29日(月) 漸くAmazon.com Booksから小包みが届いた。しかも二つ。ところが待っていたFriesnerの本はたった一冊だった。Lawrence Watt-Evansとの合作Split Heirs (Tor 1994, $4.99)である。笑いに満ちた剣と魔法もののようである。もう一つの大きな小包みは、先月註文したものが船便で届いたものだった。
Mike Resnick. A HUNGER IN THE SOUL.
Phyllis Gotlieb. FLESH AND GOLD.
Robert Charles Wilson. DARWINIA.
Michael Marano. DAWN SONG.
Will Shetterly. DOGLAND.
の五冊である。どれも面白そうで今すぐ読みたい。まずはレズニックかウィルスンから読みたいところだ。しかし、今はフリースナーを読まねばならないのでSPLIT HEIRSを読むことになりそうだ。それにしても、これより先に発送された四冊のフリースナーは一体どうなったんだ。急いで読む必要がある本ほど届くのが遅れるような気がするこの頃である。
 このところ読んでいたフリースナーのWishing Seasonは三分の二まで進んだが、あまり面白くない。アラビア夜話風ユーモア・ファンタジイでそれなりに楽しく読めるものの、前半と後半で全く異なる話を無理に一つにしてしまったような感じがする。1993年にAtheneum版があってそちらの方が短いらしい。前半のジンが三つの願いをかなえる話だけで終わらせた方がすっきりしていると思うのだが。ということでこの本は三分の二で中断し、SPLIT HEIRSを今日から読むことにする。

6月28日(日) 娘の学校の父親参観であった。私が子供の時は頼むから来ないでくれと親に云ったものだが、是非来てくれと云われては行かざるを得ない。子供の授業をみるだけならそれほど辛くもないが、その後90分にも及ぶ講演とやらがあり、何を今更と云いたくなるような下らない話を聞かされる。不安なのでお守りのように本を持っていったが、読むような状況ではない。昼過ぎには帰宅したが、頭痛が始まる。熱い風呂に入っている間だけ痛みが和らぐので四度も風呂に入ってしまった。眠ったり嘔吐したり風呂に入ったりを四時間ほど繰り返し、夜八時には治る。飲み物だけの夕食をとり、だらだらと海の生き物のテレビ番組を観たりしてから就寝。本など全く読めない一日であった。

6月27日(土) 今日もFriesnerの本は届かなかった。つまらないのでPandora's BooksでFriesnerを探してみることにした。ここはSFや推理、怪奇ものを中心に扱う古本屋である。検索してみるとペーパーバックは一冊出てきただけ。Sphynxes Wildだったか。しかし驚いたのは、ここの検索は雑誌やアンソロジーに収録された作品も検索できることだ。単行本未収録の作品を探すときには実に便利である。便利だけれども、出てきた雑誌を片っ端から註文すると大変なことになる。

 Netscape Navigatorのcache folderをRAM Diskに入れると画面の表示が速くなるというのを読んだので試してみたのだが、全然速さを感じられなかった。何を入れれば効果的なのだろうか。e.Typistの処理画像を入れておけば読み込み速度が高まるような気がするので今度試してみようか。


6月26日(金) 今日もFriesnerの本は届かなかった。しかし、早川書房からビーター・S・ビーグル『ユニコーン・ソナタ』(井辻朱美訳/1600円)が届く。英語で読んだばかりなので解説だけ読む。

 昨日届いたSFマガジンをぱらぱらと捲っていたら、ナンシー・スプリンガーのFair Perilが読みたくなった。どうしてこれを私は買わなかったのだろうか。SF Scannerのページからは本のページ数が解らないのは問題だ。隣の私のページを見たら、「あたじけない」という言葉がちゃんと載っていた。嬉しい。こんな言葉解らないと云われるんじゃないかと恐れていたのだが。漢字は見逃してもらえないことが多いが、今回は平仮名だから大丈夫だったのだろうか。「あたじけない」がいいのなら「ざっかけない」も使えそうだ。これから古い言葉を沢山使ってしまおう。


6月25日(木) 今日こそ一つくらいFriesnerの本が届いているのではないかと思って急いで帰ったが、一つもなかった。火曜日付けの電子メールでThe Internet Bookshopから本の発送の連絡があったことを発見した。ここの店の登録だけは別のアドレスで登録しているのだ。Friesnerの本といえば、漸く今ごろになってFriesnerに関するWWWページの検索をしてみたら、詳細な著作リストを見つけた。それを見ると先週註文したドイツ語版が何なのかが一目瞭然であった。
Die Katze laesst das Zaubern nichtはMajyk by Accident
Die Kaeseburg-ConnectionはMajyk by Design
Scandal im Wingdingo LandはMajyk by Hook or Crookである。これなら英語で入手可能ではなかったか。無駄な買い物をしてしまったような気もするが、このドイツ語版が将来役立つ日が来るかも知れない。

 SFマガジンの8月号が届いていた。特集はロシアSF。ソビエトSFのアンソロジーなどは熱心に読んでいた頃もあったが、この頃はさっぱり御無沙汰である。プログレス出版所の<現代ソビエトSFシリーズ>は7冊中5冊、大光社の<ソヴィエトSF選集>は5巻中4冊を持っていたように記憶しているが、どれを読んだかはよく覚えていないのだった。ロシアSF特集の解説を読んでいたら知らない作家の名前が沢山出てきて久しぶりにわくわくした。いろいろ買い揃えて読みたくなったが、ロシア語は全然読めない。今はちょっとロシア語を学ぶ余裕がない。

 もう一冊早川書房から届いていたのは、ロバート・アスプリン『宮廷魔術師は大忙し!』(ハヤカワ文庫FT/矢口悟訳/560円)である。「マジカルランド」というシリーズの四冊目。この本は数日前から書店で目にしていたので、今回は送って貰えないのか輸送中に事故で行方不明になってしまったのか、とにかく必要な本だから買っておこうかと思っていたものである。危うく今日買うところだった。今回はちょっと薄いのですぐに読めそう。そういえば来月からはまたハヤカワ文庫FTはロバート・ジョーダンのようだ。ああ、また数ヶ月続くのだろうか。

 東京創元社からはロバート・シーゲル『世界の果ての氷』(中村融訳/1700円)が届いた。「クジラの歌」三部作の完結篇である。動植物の名前を片仮名で書くという習慣はどうにかならないものだろうか。『書物の王国5 植物』の解説では金鎖という花木の苗がキングサリーという名札を付けられて売られているのを園芸店で見たという話が載っていた。「片仮名表記は植物学の世界で定着している由ながら、日本の民族や文化を無視しているのみならず、植物に対しても著しく敬意を欠いているように思う」という須永朝彦氏の言葉に全く同感である。鯨も専ら片仮名で表記するようだが、マッコウクジラなど片仮名では腸の結石から竜涎香をつくることから名前がついたということがさっぱり解らない。まあ抹香鯨と書いても解らないかも知れないが、香と関係があるなということくらいは解るではないか。


6月24日(水) 今日は職場で宴会があり珍しく何度も誘われたのに皆の姿が見えなくなった隙に帰ってきてしまった。そろそろFriesnerの本が届き始める頃ではないかと思ったからだ。しかし、本は何も届いていない。こういうことをしていると終いには誰にも誘われなくなるのだが、少し寂しいような気がするものの、断る手間が省けて楽だと気持ちの方が強い。そんな暇があったら本を読む。とにかく今はFriesnerを読まねばならない理由があるのだ。

6月23日(火) 西日本新聞によると博多駅に建設が予定されているビルに紀伊國屋書店が出店することを決めたらしい。西日本で最大級の書店になるという。福岡では実は天神に既に二店紀伊國屋書店があるのでこれで三店目である。この二〜三年で福岡には丸善、八重洲ブックセンター、リブロ、紀伊國屋など大型書店の出店が相次ぎ、これが福岡書店戦争と呼ばれている。多すぎるような気もするが、福岡が書店の街になったら私も福岡を愛することができるようになるかも知れない。しかし、これらの書店はどれも百貨店の一部である。私が好きなのはどの階に行っても本が置いてある書店のビルなのだ。勿論、在庫冊数や床面積は書店ビルの方が上だとは限らない。でも、その方が気持ちはいい。

6月22日(月) Netscape Navigatorの右上のロゴに自分のホームページのURLを登録しているときに気が付いたのだが、どうもUser's Toolbarというのを設定するところがあるようなのだ。ResEditでTEXTのID 3011を開いてみると確かにそういう文字列が見える。そこに登録すりゃいいじゃないかと思って使用方法を調べてみたら、MacOS版ではこの機能は使えない由。ちぇっ、と舌打ちして右上のロゴに自分のホームページのURLを登録する。

 Amazon.com BooksからFriesnerのSplit Heirsの発送の連絡がある。これで先週註文したFriesnerの本は総て発送されたことになる。今読んでいるWishing Seasonは軽いユーモア・ファンタジイでさほど面白くない。

 東京創元社からアシモフ&シルヴァーバーグ『夜来たる【長篇版】』(小野田和子訳/創元SF文庫/920円)が届く。ファンタジイではないのに全く忝い。読みたいが果たして読む時間があるだろうか。ところで、どうしてこの本の表紙には訳者名が書いていないのだろうか。


6月21日(日) また蛞蝓(なめくじ)が花を食べるようになってきたようなので、再び蛞蝓殺しの薬を昨晩置いておいた。が、激しい雨が降ってしまい殆ど効果がなかったようだ。今朝はなぜか団子虫の死骸が幾つも転がっている。どうやらこの薬は蛞蝓以外の生き物にも毒であるようだ。

 SFマガジンのファンタジイ評の原稿を書く。今回はJ・グレゴリイ・キイズ『神住む森の勇者』、ピーター・ディキンスン『時計ネズミの謎』、『書物の王国5 植物』(国書刊行会)の三冊について書く。うまく書けない。特にディキンスンの児童書については。しかし、日付も変わる時間となり、これ以上悩んでももう私の頭からは何も出てきそうにないと思い、Cyberdog 2.0で送信。


6月20日(土) Macintoshの話である。前からやろうと思っていたのだが、Netscape NavigatorのWegwiserというメニュー(Toolbarと云ったほうが正しいのだろうか。英語版だと恐らくGuideという項目。日本語版はよく知らない)を全く使ったことがないのでここによく使うURLを登録してしまうことにした。ResEditでTEXTを開いてID No.3011の中のconfig("toolbar.places.item.....")というところを書き換えてよく使う書店を書き込んだ。図書館流通センターAmazon.com BooksThe Internet Bookshopさらにbuecher.deで日米英独四国の書店をそれぞれ一軒ずつ。それにMacinotshのシェアウェア関連のところを二つ登録。最後にホームページ登録用のプロヴァイダーのページも登録。登録数が増えても大丈夫だろうかと思ったが、動かしてみたら何の問題もなく繋がった。後で右上のNetscapeのロゴのところに自分のホームページを登録しておくことにしよう。何故こんなことをするのかというと、ブックマークが増えて探しづらくなってきたからである。

 夕方The Internet Bookshopを確認したら木曜日に註文したPsalms of Herodは発送済み(あるいは発送直前状態)の表示となっていた。恐らく来週にはFriesnerの本が三軒の書店から届くことになりそうだ。

 夜は『書物の王国5 植物』(国書刊行会)を読む。隣の部屋では妻がサッカーを観ていて音がちょっと煩いと思ったのは最初のうちだけで、寝台の上で読んでいたせいか忽ち眠気が襲ってきて本が時折手から落ちてしまう。それでもなんとか読み終え、その数秒後にはもう眠っている。妻が試合の結果を云うのを夢うつつに聞くが私にはどうでもいいことだ。


6月19日(金) ピーター・ディキンスン『時計ネズミの謎』を読み終える。子供っぽい話(児童書だから当然だ)だが、尤もらしい説教臭さも殆どなく気持ち良く読み終えることができる物語である。

 FriesnerのWishing Season (Baen, 1996)を手に取って出勤。激しい雨である。駅の近くの道で転ぶ。前をのろのろ歩く女子高生がいたので追い越そうと足早に横を通り抜けようとしたその時、足下が滑り横に倒れる。「うぁ」という声を思わず発して、左手を地面について躰を支えた。転ぶと云っても尻餅をつくような転び方でなくてよかった。ちょうど車の出入り口で道が斜面になっていたのだ。のろのろ歩く女子高生は私の無様な姿を横目でちらりと眺め、にやりと笑ってそのままのろのろ歩いて去っていった。躰が衰えたということか。しかし、本が濡れなくて済んだのは不幸中の幸いである。

 夕方buecher.deで昨日の註文を確認してみると既に発送済みの表示が表れた。在庫品は48時間以内に発送という言葉に嘘はなかった。ドイツの本がこんなに簡単に買えるようになるなんて夢のような時代である。The Internet Bookshopの方は註文確認のメールが届いただけ。


6月18日(木) 『神住む森の勇者』下巻を読み終える。全く長すぎる。描写や科白がどうも大袈裟なような気がする。『水の都の王女』の二巻と合わせて四冊で一つの長篇がやっと終わっている訳で、せめてこの半分にしてもらいたいものだ。解説ではSFを随分莫迦にしているのではないか。

 Friesnerの本が思いのほか集まらなかったので、イギリス版を買うことを思いつく。早速The Internet Bookshopで検索してみたのだが、入手可能なものは殆どアメリカ版と変わらない。Psalms of Herod, £4.99のみ購入(出版社は失念)。送料が£8.00で合計£12.99となる。 些か高い。

 イギリス版で駄目ならドイツ版を探してみようと突然思いつき、buecher.deで探してみる。十数冊出てきたので喜んだのだが、よく見ると三分の二はアメリカの本であった。持っていないと思われるものをドイツ語版で註文しようと思ったのだが、題名を見ても殆ど解らない。Die Katze laesst das Zaubern nichtだって? 「猫は魔法を許さない」というような意味だと思うがFriesnerの作品一覧を眺めてみてもそのような題名の本は見当たらない。そこでよく解らないものは全部買うことにする(といっても三冊だけ)。

Die Katze laesst das Zaubern nicht (LUEBBE GUSTAV) 12.90 DM
Die Kaeseburg- Connection (LUEBBE GUSTAV) 10.90 DM
Scandal im Wingdingo Land (LUEBBE GUSTAV) 10.90 DM

で書籍代は34.70 DM。これに送料が前回の註文では三冊買って本代が38.90 DMで送料が50.00 DMだったので同じような感じになるのだろう。今回はクレジットカードを別のにしようと思ったのだが、画面操作を誤り、ふと気づくと註文が終わっていた。やはりドイツ語は慣れないので失敗が多い。こういうドイツ語の画面に向かっていると自分は結構英語が読めるんだなあという自信を抱くことが出来る。フランスやスペインの書店を探すと、ドイツ語も多少は解るんだなあという自信を抱くことが出来る。さらにフィンランドやハンガリーの書店のページを訪れると、フランス語やスペイン語も全く解らない訳ではないのだと感じることができる。しかし、マジャール語もちょっとは解ると感じさせてくれるところはない。


6月17日(水) 『神住む森の勇者』の上巻を漸く読み終える。長すぎる。描写が些か大袈裟ではなかろうか。とりあえず、下巻へと進む。

 Amazon.com Booksから本の発送の連絡がある。Split Heirsのみ未入荷。Friesnerの本が意外に絶版品切れが多いのに驚く。80年代のものは全く手に入らない。Druid's Bloodが実家にあるような気がするのだが。気になって仕方がない。


6月16日(火) Amazon.com BooksにEsther M. Friesnerの本を註文。

Child of the Eagle : A Myth of Rome ($4.79)
Split Heirs; Lawrence Watt-Evansとの合作 ($3.99)
The Sword of Mary ($4.79)
The Sherwood Game ($4.79)
Yesterday We Saw Mermaids ($3.19)

の6冊。全部ペーパーバックである。今回は急いで読みたいのでWorldMailという配送を指定したら、送料&手数料が$36.75となり書籍代の$21.55を大きく上回ってしまった。実家には数冊のFriesnerがある筈なのだが気軽に取りにいくには遠すぎる。

 日本経済新聞によるとジュンク堂書店は池袋店を大幅増床する計画を決めたそうだ。売り場面積を現在の3500平方メートルから7700平方メートルにまで一気に増やすそうで、隣接地に同じ高さの建物をつくって連結するのだという。完成すると紀伊國屋書店新宿南店を超えて日本一にということになる。2000年5月完成予定。近所に住みたいものである。


6月15日(月) ここ数日、虫に刺されたような痒いところが躰のあちこちにできるようになった。痕が赤くなりいつまでも痒みが消えない。これはもしかすると「蚤」! 妻と二人で部屋中に蚤退治の薬を撒く。しかしどこから来たのだろうかと考えてみるとこれは猫の糞を始末した時からだ。あいつは糞だけでなく蚤まで置いていったのか。猫に対する憎しみは愈々高まり、その憎悪が胸の中で渦巻き仕事も手に付かない。

 J・グレゴリイ・キイズの『神住む森の勇者』がなかなか捗らない。どうもあまり面白くない。主人公の女の子が書物が好きだというところが唯一の救いだ。


6月14日(日) 昨日植え替えた夕顔は枯れそうである。猫に対する憎しみはいや増すばかりである。

 図書館流通センターから本が届く。『国語に関する世論調査 平成9年12月調査 世論調査報告書』(大蔵省印刷局/1360円)である。これは毎年やっているのだろうか。今回は敬語を重点的に調べている。実に面白い。しかし、昼から頭痛が始まりじっくり読むことができない。エスター・フリーズナーの本の内容紹介を印刷し、東京創元社宛の封筒を投函するところで力尽き、風呂に入って寝る。吐きそうなので当然夕食は抜きだ。日付が変わるころには頭痛も吐き気もおさまるが今更起きても仕方がないのでゆっくり朝まで寝る。


6月13日(土) 朝起きていつものように朝顔を見ると、また猫がプランターの土を掘り返している。そこの朝顔は繰り返し掘られるので何度種を蒔いてもとうとう育たず、娘が学校で貰ってきた夕顔がなんとか生き延びているだけである。今日は殊更深く掘り返してあり、夕顔の根が無残にも露出している。やれやれと思って散らかった土をもとに戻そうとしたら辺りに異臭が漂っている。なんと奴はプランターの上に糞を落としていったのだ。糞、糞、糞。今度見つけたら殺してやる。そのプランターはもやは猫の便所と化してしまったので(これまでも小便をしていたのだろう)、夕顔は外に植え替えることにする。公務員住宅なので自分の庭というものはないのだが、建物の前の草地を適当に区切って自分の花壇だと宣言すればいいという暗黙の了解があるのだ。雨の中、穴を掘って糞を埋め、夕顔を別の穴に植える。

 糞糞糞と思いながら、J・グレゴリイ・キイズの『神住む森の勇者』を手に取って出勤する。THE TOOTH FAIRYはまだ60ページ辺りだが、今月も中旬になったのでそろそろ日本語の本を読んでおかねばならない。

 図書館流通センターからメールが届き、未入荷の本が入ったので発送したという。二日待てば纏めて発送できたのに。えてしてこういうものである。勿論、私にとっては少しでも早く本を手にすることができた方が嬉しいので、ありがたいことなのだが。

 言語7月号着。特集は「方言文法から見た日本語」である。今月は読みたいものが沢山あるので後で時間をとってじっくり読むことにしよう。

 図書館流通センターから本が届く。
『もし「右」や「左」がなかったら』(大修館書店/1500円)
タハール・ベン・ジェルーン『不在者の祈り』(国書刊行会/2500円)
『書物の王国 14 美食』(国書刊行会/2200円)
ニコラ・グリフィス『スロー・リバー』(幹遙子訳/ハヤカワ文庫SF/840円)
の四冊。今ごろ『スロー・リバー』を買っているとは自分でもちょっと遅すぎると思う。それにしても、二刷のハヤカワ文庫SFを買うなんて15年ぶりくらいではなかろうか(勿論、古本は別だが)。以前はハヤカワ文庫SFとFTと創元推理文庫SF印と帆船印と海外SFノヴェルズとサンリオSF文庫を全部新刊がでるたびに買っていたのだ。今となっては自分でも信じられないことである。


6月12日(金) 大修館書店から新刊案内が届いたが、どうして私の名前と住所を知っているのだろう。定期購読している「言語」は妻の名前で買っているというのに。それを見ると買いたくなる本が幾つかあるがとりあえず我慢する。大修館書店ホームページ燕館というのが出来て、検索システムを強化したそうなので、書店リンクのページに載せておこう。

6月11日(木) 今朝も蛞蝓(なめくじ)が数匹死んでいた。流石に昨日あれだけの蛞蝓がこの世を去ったので数は激減している。死んだ蛞蝓を団子虫が食べているのを発見。死んだ蛞蝓はどうなるのかが疑問だったのだが、虫などに食べられていたようだ。この毒は虫には影響がないのだろうか、などと心配しながらGraham JoyceのTHE TOOTH FAIRYを手に取って出勤。

 図書館流通センターから電子メールが届き、先月26日に註文した本のうち一冊だけがいつまでも入荷しないので入荷分を発送してくれるという。余分の送料をとらずにやってくれるというから嬉しい。

 アメリカのSF情報誌Locus6月号が届く。Amazon.com BooksがイギリスのBookpages Ltd.とドイツのTelebuchを買収したという記事が載っていた。全然知らなかった。ホームページの方にそんなこと載っていただろうか。
 キム・ニューマンのDRACULA CHA CHA CHAって一体何だ(Carroll & Grafから11月)などと思いながら、来年三月までの刊行予定リストが載っているので眺めてみる。テッパー、レズニック、マキリップなどはとりあえず買っておかねばと思うが、今日は1ドルが142円に迫る円安だとか。やれやれ。来年刊行予定のS. T. Joshiの60 YEARS OF ARKHAM HOUSEに胸が躍る。しかし、買ってもどうせ読まないだろう。


6月10日(水) 朝食を摂った後、昨日の蛞蝓(なめくじ)退治薬の効果を見に行って驚いた。既に四匹殺しているのでそんなに残っていないのではないかと思っていたが、それは大間違いだった。薬を置いた辺りの地面の上には20〜30匹の蛞蝓が転がっていて、その凡そ半数は既に死んでいるようだが残りの半数はうねうねと躰をくねらせながら苦しんでいるではないか。さながら阿鼻叫喚の蛞蝓地獄といった様相だ。食事前に見なくてよかった思いながら、Esther FriesnerのYEASTERDAY WE SAW MERMAIDSを手に取って出勤。

 YEASTERDAY WE SAW MERMAIDSを読み終える。二度目ともなると前によく解らなかったところも多少は解るようになっている。薄っぺらの本で莫迦莫迦しい部分もあるのだが、独特のいい雰囲気を醸し出している。スペインの修道女が新大陸を目指して航海に出てしまう話なのだから。


6月9日(火) The Internet BookshopからGraham JoyceのTHE STORM WATCHER (Penguin, 1998, £5.99)が届く。THE TOOTH FAIRYもまだ読んでいないのに。

 Fantasy Centreのカタログはじっくり眺めたもののどうしても欲しいものはなかった。Ash-Tree Pressの本は買ってもどうせ読まないことは解っているし。しかし、カタログが来なくなってしまうのも寂しいので悩むところだ。今日は東京外国為替市場で一時1ドル141円となったという夕刊を呆然と見つめながら、今月は外国への註文を控えようかと思う。だが、来月円が持ち直すという保証もない。

 朝顔が一昨日から咲き始めた。外に植えたものはこのところ蛞蝓(なめくじ)に食べられる被害が続いている(これは朝顔よりも妻が買ってきたペチュニアに被害が殆どだが)ので雨上がりの夕方地面にしゃがみ込んで蛞蝓を見つけては殺す。四匹殺す。真っ二つにしても前半だけの躰で逃げようとするところが気持ち悪い。後は蛞蝓殺しの薬を地面に置いておく。


6月8日(月) Fantasy CentreとWeinberg Books at the Stars Our Destinationからカタログが届く。Fantasy CentreはロンドンのSF古本屋、Weiberg BooksはシカゴのSF新刊書店である。Weinberg Booksには15年にわたってSFやファンタジイを買い続けた書店だが、このところの円安に耐えられず、割引の大きいAmazon.com Booksに乗り換えてしまった。それでも半年間、毎月カタログを送り続けてくれるが、もうそろそろ切れる頃だろう。今日はとうとう1ドル=140円になった。125円の頃、もう下がらないだろうと思った私の読みは甘かった。Fantasy Centreのカタログの一ページ目にはAsh-Tree Pressの本がずらっと並んでいるので慌てたが、よく書棚を調べてみると大半は既に入手していた。未入手のものを眺めてロバート・W・チャンバースの作品集全二巻なんて買っていいものだろうかと悩む。Steve Duffyって誰だろうと悩む。とにかく英ポンドも高いので困ったものだ。カタログは明日もう一度じっくり眺めることにしよう。

6月7日(日) 職場の人の結婚披露宴に出る。電車で一時間ほどかかるところまで行かねばならないので、Esther FriesnerのYEASTERDAY WE SAW MERMAIDSを持って出かける。かなり早めに出たので、JRの快速を使わず各駅停車で行けばじっくり本が読めると思ったのに快速に乗ってしまった。間もなく切符を見せろと車掌がまわってくる。私も切符を出そうとしたが見つからない。さては電車に乗る前にトイレに入ってハンカチを出したときにポケットから落としたに違いない。どうしてあんなところに切符を入れたのだろうと後悔しても始まらない。車掌が切符を買い直せと云うのに対し、落とした切符を探しに戻ると告げて列車を降り、反対方向の列車に乗り換えようとした。数分後に来る列車を待つ間、ポケットに手を入れて苛々と歩き回っていたら、手に切符が触れたではないか。どうしてこれがさっき見つからなかったのだと手にした切符を呆然と見つめる。再び反対側ホームに戻り列車を待つ。各駅停車がやって来て坐れたのだが、心が動揺していて読書に集中できない。切符を見せられず狼狽して慌てて列車を降りた私はどう見ても煙管が発覚しそうになって逃げる男であった。とにかく下らないことで心が動揺してなかなか落ち着かず本が読めないのが甚だ悔しい。帰りは坐れず、しかも激しい眠気に襲われて本がなかなか読めない。何だか損をしたような気分の一日だった。

 不愉快な気分のまま帰宅すると図書館流通センターから本が届いた。椎名誠『黄金時代』、カート・ヴォネガット『タイムクエイク 時震』、筒井康隆『満腹亭(アナーキーなレストラン)へようこそ』、『書物の王国 5 植物 』、ピーター・ディッキンソン『時計ネズミの謎』の五冊。『満腹亭へようこそ』はよく見ると再録ばかり。騙された。ディキンスンの児童書は横書きだということに意表をつかれたが中身は面白そうだ。まずはこれから読もうか。その次は『書物の王国 5 植物 』だろうか。


6月6日(土) ATI Xclaim VR問題解決。職場のものと交換してあったアダプタを元に戻してPerforma6400を起動してみるがやはり画面は正常に表示されない。そこで、ディップスイッチをいろいろいじってみるとやっと画面が現れた。説明書に「上の何れの設定でも画面が表示されない場合には」という設定にしたら突然画面表示が可能になったのだ。一時はもう駄目かと思ったがこれで一安心だ。その画面を見ても、どう変わったのかはすぐには解らない。そこで、手近な画像を表示させてみると確かに美しくなっているが、私は画像表示の美しさを求めてはいない。勿論、美しい方が気分はいいが。次に、ORGAI 3.0の文書を開いてみる。ページ送りが速い。描画速度が上がるというのはこういうことだったのか。これまでページを変えるたびに画面表示のあまりの遅さに苛々して使うのを止めてしまったORGAI 3.0もこれで使えるようになるだろう。他のアプリケーションでもスクロールの速さが向上し、実に気持ちがいい。

6月5日(金) ATI Xclaim VRを嵌め込む位置を変えたり、天に祈ったりしていたら、モニターを認識するようになった。ところが、アップル社製の15インチのモニターは問題なく認識するのに、私が常用している17インチのモニターの方は認識されて信号が送られているものの、二三度ちょっとだけ画面が正常に表示されただけであとは白黒の縞縞が流れている状態にしかならないのである。どうも接続が悪く信号がうまく送れないような気がする。そういえばこのモニターを購入したとき、Performa6210では正常に映ったのに6400ではうまく信号が受信できずにケーブルの先につけるアダプタを職場にあったものとこっそり交換して表示できるようにした記憶がある。明日はこのアダプタを元に戻して再度試みてみよう。そんなこんなで本は読めず原稿も書けない。

 Graham JoyceのTHE TOOTH FAIRYはやっと30ページまで。しかし、明日からEsther FriesnerのYEASTERDAY WE SAW MERMAIDSを読む。前に一度読んだことがある本だが。急いで読み終えなければならない理由があるのだ。


6月4日(木) 職場のMacintoshにMicrosoft Wordのマクロウィルスが感染していることが解り(実は前から解ってはいたのだが)、既にウィルス検出&除去アプリケーションSAMを購入してあることに気づいたので(実は前から気づいてはいたのだが)、ウィルス除去作業に取り掛かる。これで午前中は仕事が全くできなくなった。こうなることは解っていたので、こんな作業はやりたくなかったのだ。誰かやってくれないかなと思っていたのだが、金魚が餌をくれと云ってきたとかMS Wordの文書が雛型形式に勝手に変わってしまうだとか私に訴えてくるたびに、それはウィルスの仕業だが私にはどうしたらいいか解らないとりあえず虫でも与えておいたらどうでしょうなどと答え続けてきた。そのうち虫を与えるだけでは済まなくなってきたので(ということはGoldfish以外のマクロウィルスも感染していたということだろうか)、「そうだ、ここにはウィルス除去アプリケーションがあるではないか!」と初めて気づいたようなふりをして作業に取り掛かった訳だ。やれやれ。

 先月註文したATI Xclaim VRが届いた。早速、Performa6400を開けて装着。最初はなかなかソケットに入らず慌てるが、何とか装着が完了し、わくわくしながら起動するがPerforma6400はATIのグラフィックボードを経由してモニターを認識してくれない。がっかりして、寝る。


6月3日(水) ビーグルのGIANT BONESを読み終える。なかなか読み終わらないので、今日は絶対にこれを読み終えてから寝るという堅い決意で臨んだ最後の20ページなのだが、椅子に座って読んでいるとどうしても眠ってしまう。もう寝てしまおうかとも思ったが、つまらなくて眠ってしまう訳ではないから、どうしても最後まで読みたい。そこで、部屋の中を立って歩きながら読むことにしてみるとこれが思い掛けない程の効果を発揮し、全くうとうとすることなく読み終えることが出来たのだ。本を手に持って半径1.5メートル位の円を描いてぐるぐると歩く姿は異様だろうが、誰も見ていないから構わない。これは本を読んでいるときに眠くなった場合には有効だが、コンピュータに向かって文章を打っている時には使えない。
 GIANT BONESは素晴らしかった。私は「物語る」という行為に抗いがたい魅力を感じてしまうので、言い伝えを語るという形式の物語を堪能できた。この形式のせいか、些か古風で素朴な印象を抱いた。現代にこういう物語を書ける人がいることに驚いたと云ってもいい。もっと早く読めばよかった。しかし、英語で短篇集を読むのはどうも苦手だ。ということで、明日からGraham JoyceのTHE TOOTH FAIRYを読むことにする。

6月2日(火) フィリップ・ゴンザレス&リアノー・ファイシャー『今日もまた猫たちを救う犬』(草思社/1600円)を訳者の内田昌之氏から頂く。こんな本を訳していたとは知らなかった。この前篇『猫たちを救う犬』を訳しているのだから知っていて然るべきなのだが。

 The Internet Bookshopから本が届く。
A.S.Byatt SUGAR AND OTHER STORIES (Vintage, 1995)
A.S.Byatt BABEL TOWER (Vintage, 1997)
の二冊である。前者は1987年の作品、後者は1996年の作品のようだ。しかし、どうしてこの本を選んだのか、今の自分にはさっぱり解らない。この作者のTHE DJINN IN THE NIGHTINGALE'S EYEを買ったのがきっかけだろうが、そっちだって昨日届いたばかりなのに。惚けてきただけなのだろうか。まあ今回の註文の主たる目的は十日後に届くはずのグラハム・ジョイスだからどうでもいい。いやいや、だから良くないのだ。読みもしない本を買ってしまったということなのだから。

 ビーグルのGIANT BONESは全然進まなかった。やれやれ。


6月1日(月)  図書館流通センターに本を註文。

椎名誠『黄金時代』文藝春秋/1333円
カート・ヴォネガット『タイムクエイク 時震』浅倉久志訳/早川書房/1900円
筒井康隆『満腹亭(アナーキーなレストラン)へようこそ』北宋社/1400円
『書物の王国 5 植物 』国書刊行会/2100円
ピーター・ディッキンソン『時計ネズミの謎』木村桂子訳/評論社/2200円

の五冊である。合計8933円(+消費税)、送料は無料。ディキンスンのは児童書だが、数年前にLOCUSで紹介されていた記憶があるので購入。ディキンスンは児童書だからといって侮れない。ジリアン・ビア『ダーウィンの衝撃 文学における進化論 』(渡部ちあき・松井優子訳/工作舎/4800円)という本も欲しかったのだが、今回はやめておく。「時間と変化に注目した『種の起源』には、物語と似たところがある。ダーウィンが用いた隠喩、プロットを分析し、彼が『種の起源』を書くうえで当時の文学から受けた影響、そして彼の進化思想が19世紀小説に与えた 影響を探る。」という内容で実に面白そうなのだが。それから、武田雅哉『蒼頡たちの宴』(ちくま学芸文庫/1100円)も今回は断念。これは数年前に出たものの再刊。漢字を作った人たちの話。私が好みそうな本だと薦めてくれたくれた方がいらしたのだが。

 五月一日に註文した本がAmazon.com Booksから届く。
Graham Joyce. THE TOOTH FAIRY
Jonathan Lethem. GIRL IN LANDSCAPE
A. S. Byatt. THE DJINN IN THE NIGHTINGALE'S EYE
THUNDER AND ROSES : THE COMPLETE STORIES OF THEODORE STURGEON VOL 4.
Jerry Jay Carroll. TOP DOG
の五冊。真っ先に読もうと思っているのがTHE TOOTH FAIRY、当分読むことはないだろうと思うのはTHUNDER AND ROSESだ。グラハム・ジョイスのこの本はもっと早く買っておけばよかったと後悔している。表紙の写真を見たときに気持ち悪そうだったので、二ヶ月ほど躊躇っていたのである。この作品、イギリスでは1996年に出ていたのだが、知らなかった。ジョイスはREQUIEMの前にDREAMSIDE、HOUSE OF LOST DREAMS、DARK SISTERという本を出していたということも知らなかった。前にGraham Joiceで検索したときに出てこなかったような気がするのだが、気のせいか。Byattの本は小柄なハードカバー(B6版くらいだろうか)で、可愛らしい造りである。これもイギリスで1994年に出た作品。イギリスの本をもっときちんと探さねばと思う。これらの本を読む前に、先ずビーグルのGIANT BONESを終わらせなければならない。残り30ページ、一篇である。明日中には読み終えたい。


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