6月30日(水)

 昨日の「地下街で溺れ死んだ人」というのは間違いだった。「地下」だけど「地下街」ではなかった。

 マイケル・ライス&ロジャー・ストローハン『生物改造時代がくる』を読み終える。いろいろ考えさせられることもあって、今後仕事をしていくうえで役立つこともありそうだが、このせいで三日ほど小説が読めなかったことに不満を感じてしまうのである。明日からシャロン・シンを読もうと決意する。


6月29日(火)

 六時半頃職場に着いた時には小雨が降っていたのだが、暫くすると大きな雷と激しい雨、早起きして得をしたと思いながら外を眺めていたら忽ち辺りの道路は水没してきた。九時になっても出勤してくる人が少ない。電車は止まり道は冠水し福岡は大変なことになっているらしい。帰ってからニュースを見ていたら、地下街で溺れ死んだ人がいたというので驚いた。道路で車が水の中に沈んでしまって重体になっている人もいた。車が川に流されたり土砂崩れで死ぬ人はよく聞くが、地下街や普通の道路で溺死するというのは珍しい。こういう雨の日に大切な本を持って外出すると大変である。20年ほど前から私は雨の激しい日には本を買わないようにしている。


6月28日(月)

 何だか一日中妙に眠い。マイケル・ライス&ロジャー・ストローハン『生物改造時代がくる』をちょっと読んで寝る。私は子供の頃、所謂象牙の塔と呼ばれるように世間から隔絶した世界で研究する科学者になりたいと思っていたのだが、高額の研究費を必要とするこの時代、そんなことは不可能なのだった。組み換えDNA実験について世間の人々がマッド・サイエンティストを極度に恐れるのはSFが悪いのではなかろうか。


6月27日(日)

 訳者の大森望さんからコニー・ウィリス『リメイク』(大森望訳/ハヤカワ文庫SF1275/580円)をいただいた。どうもありがとうございます。ああ、私はこれを昨日註文してしまったのだ。でも、送って貰えるかなと図々しい期待をして待っていると来なかったりするのである。

 運転免許証の更新に行く。受付開始前十五分くらいに着くように家を出たのだが甘かった。月に一回の日曜日受付日なので、混んでいるのだ。試験場の二キロほど手前から車が全く動かなくなる。一時間ほどのろのろ進んだところで、今日は妻に運転してきてもらっていたので車を降りて歩き始める。途中で歩いて追い抜いたバスには誰も乗っていない。多分皆降りて歩いていったのだろう。十五分ほど歩いて建物に入ると視力検査の前に長蛇の列。また一時間ほど並んで待つ。この頃、視力が衰えてきているので「免許の条件等」に「眼鏡使用」が記されることになるだろうと覚悟していたのだが、とても見えるとは云えない状態なのに勘で上とか下とか答えていたら「いいですよ。右が悪いようですね」と云われだけで通して貰えた。その後、三十分ほどの講習を受けて、新しい免許証を受け取る。おや、小さくなっているではないか。クレジットカードと同じ大きさだ。私は優良運転者なので次回の更新は五年後。免許証交付窓口の近くで待っていてくれた妻によると、車が駐車場に入ったのは私が歩き始めてから一時間半後だったという。

 夜、SFマガジンのSFスキャナの原稿を書く。Sean StewartのMOCKINGBIRDである。書き終えて、上手く作品の雰囲気を伝えていないような気がして落ち着かなかったが、もうこれで精一杯と諦めて送信する。私にしてはもうすっかり遅くなってしまった午前一時に寝る。この時間に起きる日もあるのだ。


6月26日(土)

 MgrepAppというテキスト検索ソフトを見つけた。テキストファイル内の文字列を検索するものだが、これが速い。新潮文庫の百冊の全ファイルを十〜二十秒程度で検索してしまうのだ。インデックスを作っておけばMacOSについているSherlockだって速いのではあるけれども、インデックスを作るのは面倒臭いし、ファイルなんて毎日増えたり減ったりしているからその変化に対応させるのが何より面倒臭い訳だ。ただ、これはテキストファイルしか調べてくれない。PDF形式のファイルは駄目だし、エキスパンドブックファイルも駄目。PDFはAcrobatでインデックスを作って検索せざるを得ない。その他のはやはりUltraFindがいいようだ。大抵の文書を検索してくれる。これで、MgrepAppのように速かったらいいのだが。暫くはUltraFindとAcrobatとMgrepAppをファイル形式に応じて使っていくことになろう。因みにMgrepAppはここで入手できる

 図書館流通センターに本を註文。
G・マクドナルド『ファンタステス』(蜂谷昭雄訳/ちくま文庫/840円)
『岡本綺堂伝奇小説集 其ノ2 異妖の怪談集』(原書房/1600円)
新藤悦子『時をわたるキャラバン』(東京書籍/1600円)
コニー・ウィリス『リメイク』(大森望訳/ハヤカワ文庫SF1275/580円)
井上ひさし他『日本語よどこへ行く 講演とシンポジウム』(岩波書店/1500円)
『清水義範の作文教室』(ハヤカワ文庫JA618/540円)
『恐怖と怪奇名作集7 墓場から帰る』(岩崎書店/1300円)
以上七冊である。アレクサンドル・グリーンはまだここでは買えるようになっていない。


6月25日(金)

 実はまだ日付は24日なのだが、11時半頃起きてSFマガジンのファンタジイ評の原稿を書く。三時頃書き終える。ウンベルト・エーコの部分は何だか訳の解らない文になってしまった。三時過ぎに原稿を送信した後、もう一度寝るかどうか迷う時間である。

 もう一度寝ることなく仕事にでかけたのだが、流石に11時半に起きると一日中眠い。私はもともと睡眠不足には弱い方なので、一日八時間眠らないと調子よく活動できないのである。立って動いているときはいいのだが、机に向かって坐っていると突然意識が飛んで夢の世界にいることが多く、些か困った。そんな状態のときに話しかけられるともっと困った。

 帰宅するとSFマガジンが届いていた。特集はSF映画特集で、SF映画に殆ど興味のない私にはさほど嬉しいものでもない。編集後記を読んだら早川書房にもホームページができたと書いてあったのでさっそく見に行ってみる。新刊案内や本の検索と註文などができるようになっている。雑誌のバックナンバーの註文もできる。海外からも註文できる。ただ、送料や支払い方法などは実際に註文ボタンを押さないと解らないので初めての人は註文を躊躇してしまうのではないだろうか。ちなみに、代金引換で送料は何冊でも362円だそうである。今度SFマガジンで唯一持っていない1993年の恐竜特集号を註文してみようか。

 東京創元社からは、デイヴィット・プリル『連続殺人記念日』(赤尾秀子訳/海外文学セレクション/2300円)が届いていた。あの『葬儀よ、永遠につづけ』の作者の第二作である。可笑しい話を書く作家なので前から楽しみにしていたのだ。第三作SECOND COMING ATTRACTIONは原書を持っているので、そちらも早く読みたいと思ってはいるのだが。


6月24日(木)

 二時半に目が覚めたので、SFマガジンのファンタジイ評の原稿を書き始める。ロバート・アスプリン『問答無用の大博奕!』、ウンベルト・エーコ『前日島』、パトリック・シャモワゾー『クレオールの民話』の三冊を紹介することとする。半分くらい書いたところで出勤する時間となる。

 白楽ロックビル『アメリカからさぐるバイオ研究の動向と研究者』を読み終える。面白い。だが、これは私が読書に求めている愉しさではないので、この手の本を読みすぎて本当の読書が妨げられないように気を付けねばならない。

 40ページまで読んだSean StewartのTHE NIGHT WATCHだが、どうも話が解りにくいのでもう止めることにする。明日からはシャロン・シンの新刊を読むことにしよう。


6月23日(水)

 図書館流通センターから本が届く。キャシー・コージャ『虚ろな穴』、白楽ロックビル『アメリカからさぐるバイオ研究の動向と研究者』、マイケル・ライス&ロジャー・ストローハン『生物改造時代がくる』の三冊。アンドレ・ヨレス『メールヒェンの起源』(高橋由美子訳/講談社学術文庫1380/1100円)は品切れ。ここに文庫本を註文すると殆ど品切れ在庫なしである。ハヤカワ文庫と岩波文庫以外の文庫本が届いたことがあっただろうか。また、なぜハヤカワ文庫と岩波文庫は必ず在庫があるのだろうか。


6月22日(火)

 シャーリイ・ジャクスン『たたり』を読み終える。怖かった。実に怖かった。私はこういうのに恐怖を感じるのだ。


6月21日(月)

 シャーリイ・ジャクスン『たたり』を読み始める。これは『山荘綺談』かとやっと気が付く。出だしの雰囲気はなかなか良い。


6月20日(日)

 ペーター・クリステン・アスビョルンセン&ヨーレン・モー『ノルウェーの民話』とパトリック・シャモワゾー『クレオールの民話』を読み終える。ノルウェーの方は期待していたのに、ドラウグが出てこないし、聞いたことのある話が多くて、意外な発見が全然なかった。一方、クレオールの方はこれまで慣れ親しんでいるヨーロッパや日本の民話とは一味違う独特の世界を持っている(ひょっとしたらシャモワゾーの筆力が影響しているのかも知れないが)。



6月19日(土)

 PC Parkからスピーカが届く。今日はYST-MSW8(W)マルチメデイアパワードサブウーフアーの方である。昨日の玩具のようなものとは違って重い。おや、白ではないか。昨日のが黒なのに。私が変な組み合わせで註文したのか、店の間違いなのか調べる気にもならないので、このまま受け取っておく。昨日届いた方を机の両端に置いて今日届いたものを机の下に配置してみた。昨日「安っぽい音」と書いてしまったことを謝罪し訂正する。チェンバロの音もなかなかいい感じである。今日は昨日とは逆にオルガンの音が今一つと感じられる。まあ、12500円で本物のパイプオルガンの音が出るとは私も思ってはいない。

 さて、バッハでも聴きながら本を読もうと思ったが、今日は娘の授業参観ではないか。昔の私なら絶対に来ないでくれと親に頼む筈だが、娘は是非来てくれと云うので出かけることにする。行ってみると今日は普通の授業風景ではなく体育館で学年全体での行事を見学するので毎日の授業の様子を見られず騙されたような気分になる。その後の副校長の講演というのが実につまらなく、ありきたりのことを纏まりなく話すものだから退屈極まりない。こんなことなら家で本を読んでいればよかったと云いたいところだが、娘に頼まれれば私は何度でも来るであろう。ただ、次回からは講演中は本を読ませてもらうことにする。

 ウンベルト・エーコ『前日島』を読み終える。十七世紀風の怪しげな理論がごちゃごちゃと書き連ねられていて、主人公の行動と真理の描写と主人公の想像による物語が交錯し、もうどうにも読みにくいかと思いきやこれが実に心地よい。バロック的ということになろうか。期待を裏切らない傑作であった。

 ロバート・アスプリン『問答無用の大博奕!』を読み終える。『前日島』は何日もかかったのに対し、こちらは一気に結末まで進んでしまった。相変わらず面白い(今回は特に面白い)が、この頃ハヤカワ文庫FTはジョーダンとアスプリンばかりのような気がして些か飽きてきたのが本当のところだ。


6月18日(金)

 Fantasy Centreから本が届く。
S. Baring-Gould MARGERY OF QUETHER AND OTHER WEIRD TALES (Sarob Press, 1999) £18.00
Frank Owen THE POCELAIN MAGICIAN (Gnome Press, 1948) £25.00
の二冊。Gnome Pressといえば1950年代のSF専門出版で有名なあのGnome Pressか。1948年にMartin GreenbergとDavid A. Kyleが設立し、1960年代初めまでに50冊ほどのSFとファンタジイを出版した。1950〜55年に出たハワードのコナン・シリーズ(五冊)だとか1951〜53年に出たアシモフのファウンデーション三部作などが有名らしい。1958年にはFantasy Pressの出版物も買い取っている。全部で50冊強の本を出したという。コナンなどは綺麗なカバー絵が有名だが、今回買ったものにはカバーがない。だから安かったのか(いや、さほど安くはないか)。しかし、これはアメリカの本だからアメリカの書店から買うべきだったかも知れない。本書には14の東洋趣味の幻想短篇が収められていて、そのうち6篇はWeird Tales誌に載ったもの。読んでみたいが果たしてちゃんと読むだろうか。

 Amazon.com Booksからも本が届く。
Dog Eat Dog by Jerry Jay Carroll, $9.60, Ace Book (February 1999)
Silver Birch, Blood Moon ed. by Ellen Datlow and Terri Windling, $10.80, Avon (March 1999)
Wrapt in Crystal by Sharon Shinn, $11.16, Ace Books (May 1999)
の三冊。5月10日に註文したものである。Ellen Datlow and Terri Windlingのアンソロジーは読みそうにない。Sharon Shinnだけは必ず読むと密かに誓う。

 PC Parkからスピーカが届く。これも5月10日に註文したもの。ヤマハのYST-M8(B)マルチメデイアパワードスピーカ(\5,390)と、YST-MSW8(W)マルチメデイアパワードサブウーフアー(\7,130)を註文したのに届いたのは今回は前者のみ。この店は安いのはいいが、届くのが余りにも遅い。また、註文した後、WWWブラウザ画面上で商品の納期だとか発送状況などが確認できるようになっているのに全く機能していないようだ。私のスピーカもずっと納期未定の表示が出たまま突然届いたのだ。尤も、電子メールでの質問にはちゃんと対応してくれて、十日ほど前に訊ねた時には七月上旬に入荷すると返事が来ていた。とにかく箱から出してみる。何だか玩具のような安っぽい小さなスピーカだ。繋いでみるとどうも安っぽい音である。チェロやオルガンはまあまあいいような気がするが、チェンバロの音は何だかよくない。それでもないよりはずっといいから文句ばかり云うのは止めよう。


6月17日(木)

 職場に一人、来月から二年ほどアメリカに行く人がいるので、その人を送る会が催される。私が出席するというと驚く人が多い。私は、職場での忘年会と去る人を送る会と入ってきた人を迎える会を欠席したことは一度もないのに。どうも私は何でも欠席する奴と思われているようだ。来月にはダイエー・西武戦を見に行く会が催されるが、そちらは当然欠席である。

 まだ明るいうちに終わった宴会から帰ると、早川書房からロバート・アスプリン『問答無用の大博奕!』(矢口悟訳/600円/ハヤカワ文庫FT262)が届いていた。正直なところ、最初は面白いと思ったこのシリーズもちょっと飽きてきたところである。この頃、ハヤカワ文庫FTってロバート・ジョーダンとロバート・アスプリンばかりのような気がするのだが。


6月16日(水)

 この頃、急に暑くなってきたせいかよく眠れず朝は寝坊をしてしまう。四時半に起きても何もできない。本も読めないし、本も買えない。暑さは苦手なのだ。


6月15日(火)

 Sean StewartのTHE NIGHT WATCHを20ページほど読んだところだったのだが、月の後半は日本語の本も読んでおかねばと思い、ウンベルト・エーコ『前日島』を読み始める。

 先週子供の小学校の運動会に行って日に焼けたところの皮膚の表面が白くなって剥がれてきた。恰も海に行って日に焼けた男のようである。全く不愉快だ。暗い部屋で不健康に生きるのが好きな私がこんなことではいけない。


6月14日(月)

 SF情報誌LOCUS六月号が届く。今号には今後一年くらいの各社出版予定が載っているので、何を買おうかと楽しい購入計画を心に描きながらページを捲る。言語七月号も届く。オセアニアの言語と文化の特集。じっくり読む時間がないが、ぱらぱらとページを捲る。

 いろいろ考えてみたが、どうも私はキャシー・コージャの本はこれまで一度も買ったことはないようである。


6月13日(日)

 朝顔と食虫植物の世話をする。西洋朝顔には油虫(ゴキブリのことではなくアリマキのことだ)が沢山ついていたので急いで薬剤を散布する。猫に掘り返されないので油断していたが、朝顔の敵はいたるところにいるのだ。蝿取り草の方はどうも鉢の中で狭そうな様子なので植え替えと株分けである。花が咲いてからにしようかとも思ったが、気長に待つことの出来ない私はつい早めにやってしまい、植物を枯らしてしまうことがある。だから注意しなければならないのに、我慢できないところが情けない。蕾を付けた立派な蝿取り草二株とまだ幼い小さな蝿取り草二株に分割。どれも元気に育って欲しいものだ。

 東京創元社から本が届く。
シャーリイ・ジャクスン『たたり』(渡辺庸子訳/創元推理文庫/540円)
エドガー・ライス・バローズ『合本版・火星シリーズ第1集 火星のプリンセス』(厚木淳訳/創元SF文庫/1700円)
の二冊。私のような者が『合本版火星シリーズ』を貰ってしまっていいのだろうか。ありがとうございます。私が始めて読んだ創元推理文庫は火星シリーズである(ひょっとしたらフレドリック・ブラウンかも知れない)。懐かしい。ジャクスンの方は何だか聞いたことのない本で、幽霊屋敷もののようだ。古典的名作なんだそうだが、私は知らなかった。とにかく読んでみよう。


6月12日(土)

 図書館流通センターに本を註文。
アンドレ・ヨレス『メールヒェンの起源』(高橋由美子訳/講談社学術文庫1380/1100円)
キャシー・コージャ『虚ろな穴』(黒田よし江訳/ハヤカワ文庫NV915/780円)
白楽ロックビル『アメリカからさぐるバイオ研究の動向と研究者』(羊土社/3500円)
マイケル・ライス&ロジャー・ストローハン『生物改造時代がくる』(白楽ロックビル訳/共立出版/2800円)
 キャシー・コージャの英語の本を前に買ったことがある筈なのだが、書棚をざっと眺めてみたところ見当たらない。あれは何だったのか。とにかく『虚ろな穴』は買ってみることにした。白楽ロックビルというふざけた名前の人は、書く文章もふざけていて訳文としても決して好きではないのだが、内容は興味深いので仕方なく購入する。これは本業のための本。

『バッハ全集』のオルガン曲を総てハードディスクに収録した。調べてみると、BWV(バッハ作品番号のこと)という文字を含むファイルの数が480にまで膨れ上がっている。暫くハードディスクへの収録作業はやめておこう。無闇に時間と手間ばかり掛かるからだ。このコンピュータは文章を書くために我が家にあるのだから、そちらが疎かになっては困る。480もファイルを作っても、バッハ全集の七分の一くらいしか収録作業は進んでいないのだから慌ててはいけない。


6月11日(金)

 ジョナサン・キャロルのTHE MARRIAGE OF STICKSを読み終える。昨日のあまり面白くないという言葉は撤回する。しかし、ジョナサン・キャロルにしてはどうも長すぎるような気がする。
 この本、仕事の合間に読んでしまったので、帰りの電車の中で読む本がなくなり落ち着かない時間を車中で過ごすことになった。どうして読んでいない本が手元にないとこんなに不安なのだろう。


6月10日(木)

 机の上を片づけていたら二日ほど前にWeinberg Booksからカタログが届いていたことを思い出した。Ash-Tree Pressの本が載っているがこのカタログからは何も買うまいと我慢する。

 ジョナサン・キャロルのTHE MARRIAGE OF STICKSが残り40ページほど。あまり面白くない。


6月9日(水)

 図書館流通センターから本が届く
ウンベルト・エーコ『前日島』(藤村昌昭訳/文藝春秋/2286円)
藤井慶『猫たちの夜』(文芸社/1200円)
『書物の王国 18 妖怪』(国書刊行会/2500円)
ペーター・クリステン・アスビョルンセン&ヨーレン・モー『ノルウェーの民話』(米原まり子訳/青土社/2600円)
パトリック・シャモワゾー『クレオールの民話』(吉田加南子訳/青土社/2200円)
 青土社の民話シリーズは既に沢山出ているとは全然知らなかった。『漁師とドラウグ』の訳者あとがきで、ノルウェーの民間説話には詳しいような振りをしていたが、私はまだアスビョルンセンやモーの本は一冊も読んだことがなかったのだった。読むのが楽しみである。

 Mythos Booksから本が届く。
Metcalfe, John : NIGHTMARE JACK AND OTHER TALES: THE BEST MACABRE SHORT STORIES OF JOHN METCALFE. Ash-Tree Press, 1998. $ 39.50
Chambers, Robert W. : OUT OF THE DARK, VOLUME 1: ORIGINS. Ash-Tree Press, 1998.$ 48.50
の二冊である。送料が$5.00というところが気に入った。こういう読まない可能性のある本に高い送料をかけるのは無駄というものだ。暫く表紙を撫でたりした後に書棚に収める。


6月8日(火)

 朝、家を出て百メートルほど歩いたところで職場の鍵を忘れていることに気が付いた。私は朝一番に出勤するので鍵を忘れると部屋の前で誰かが来るまで待たなければならないことになる。小学校に行く娘と一緒だったので直ぐに追いつくからと走って家に鍵をとりに戻った。二百メートルほど走ったことになるだろうか。走る、などという馴れないことをしたせいですっかり気分が悪くなり電車の中で吐きそうになる。

 Fantasy Centreに本を註文。
S. Baring-Gould MARGERY OF QUETHER AND OTHER WEIRD TALES (Sarob Press, 1999) £18.00
Frank Owen THE POCELAIN MAGICIAN (Gnome Press, 1948) £25.00
Christine Campbell Thomson (ed) NOT AT NIGHT OMNIBUS (Selwyn and Blount, 1927) £20.00
以上三冊。Ash-Tree Pressの本はもうここから買うのは止めた。送料が高くなるのでアメリカの書店か、Ash-Tree Pressのホームページに註文することにする。S. Baring-Gouldは新刊書なので間違いなく手に入るだろうが、後の二冊は売れてしまっているかも知れない。私はこの店に何度NOT AT NIGHT OMNIBUSの註文をしたことか。手に入ってもどうせ読まないだろうが。


6月7日(月)

 Fantasy Centreからカタログが届く。2・3日考える時間が欲しい。ここに註文すると大抵は半分くらいが売れてしまっているので若干多めに註文書に書名を並べるのだが、稀に全部手に入って支払いに関して慌てることもある。

 今日届いた図書館流通センターからの発送通知はちゃんと本文があった。時折やってくる空の発送通知、あれは一体何なのだ。


6月6日(日)

 今日はゆっくり休憩である。だから本も読まない。バッハのオルガン曲をハードディスクに収めたりしてだらだらと過ごす。すると<オルガン小曲集>の一つ Puer natus in Bethlehem (BWV603)だけがMpeckerEncoderでMP3ファイルに変換できないことに気が付いた。どうしてもうまくいかず慌てたが、MPEG Audio Creatorでやったらうまくできた。今日は随分作業が捗ったがまだオルガン曲すら終わらない。

 ゆっくり休むと頭痛である。緊張感が緩んだときに出るもので、週末頭痛と呼ばれることもあるそうだ。私は大抵これである。一日中、さほど酷くはないものの、ずっと頭が痛い。早く風呂に入って早く寝る。


6月5日(土)

 紀伊國屋書店から『はぐれMac fan改造派』(毎日コミュニケ−ションズ/1714円)が届く。ここから本を買うと、店頭にあるものはそこから抜いてきて発送するため、立ち読みで少々汚れた本が届くことがある。今回もちょっと汚れている。その代わり、出版社にも在庫がないものが店頭に残っていたりして入手できる場合もあるので、悪いことばかりではない。

 翻訳のために英文を本から読み込んでテキストファイルにしようとe.Typist 4.0(R1d)を開いたのに、スキャナからの画像取り込み画面が出てこない。はて、これは如何なる事態なのか。Mac OS 8.6にしてから初めて動かしてみた訳だが、そのせいだろうか。よく解らないので、TextBridge Professional version 8.0 1mdを使ってみる。使い方が今一つよく解らないのでこれまで使っていなかったのだが、これが速くて間違いが少なくすっかり気に入ってしまった。これでスキャナが速ければ読み込み作業に要する時間がぐっと短縮されるのに。もう五年くらい前のものなので、遅いのである。


6月4日(金)

 昨日書いた「イー・ショッピング・ブックス」の関する詳しい記事が日本経済新聞に載っていた。「コンビニエンスストアでの対面決済の安心感」と書いてあり、そういう利点もあるのだなと納得する。私はコンビニエンスストアでの対面決済に何の利点も感じていなかったので気が付かなかったのだ。クレジットカードを持たない人たちだっているわけだ。

 図書館流通センターから本が届く
ペネロピ・ライヴリーほか『幽霊がいっぱい』(山内照子編/新風舎/1800円)
清水義範『蛙男』(幻冬社/1600円)
トマス・J・スタンリー『となりの億万長者』(斎藤聖美訳/早川書房/2000円)
『恐怖と怪奇名作集5 監視者』(岩崎書店/1300円)
である。『となりの億万長者』というのが面白い。アメリカの金持ちを千人以上調査してどのような生活をしているか調べたもの。これを読むとどうやら私は本さえ買わなければ簡単に金持ちになれそうなのだが、それでは生きていても仕方がないのでよく考えてみなければ。このような本は読むと実に面白くどんどん読めるのだが、その面白さは私が読書の愉しみとして求めているものとは少々異なるので、あまり読みすぎないように気をつけよう。

 幻想文学55号を手に入れる。この号は何と云っても山尾悠子の新作である。しかし、何だかよく解らなかった。困った。私としたことが、山尾悠子の作品を読んでもなんだかよく解らないとは。何度か読み返してみることとしよう。


6月3日(木)

 ソフトバンクは、セブン−イレブン・ジャパン、トーハン、ヤフーと、インターネット上で書籍の電子商取引を行う合弁会社「イー・ショッピング・ブックス」を設立すると発表したらしい。設立は7月、営業開始は11月。和書140万点から希望の書籍をインターネットを通じて註文し、コンビニエンスストアでその商品の受け取り、支払いもできるサービスを開始する。また、ヤマト運輸の宅急便を利用した配送も活用する。(東京 3日 ロイター)
 私はコンビニエンスストアで商品を受け取る書籍販売にはどうも好感を抱かないのだが、多分それで送料を安くするか無料にすることができるのだろう。

 バッハの曲をハードディスクに収録する作業は全然捗っていないと思っていたのだが、"BWV"(バッハ作品番号)を含むファイルを検索してみたら184個もあった。十分の一くらいは収録できたのではなかろうか。


6月2日(水)

 中原尚哉氏からリチャード・モラン『氷河期を乗りきれ(上・下)』(中原尚哉訳/各680円/扶桑社ミステリー)をいただく。ありがとうございました。

 図書館流通センターから本の発送のメールが来たが、また空欄メールだ。しかし、メール題名の番号から先月24日に註文した本だということは解った。明後日には届くだろう。楽しみである。

 東京三菱銀行から封書が届いて何かと思えば南池袋支店が七月五日から池袋東口支店に統合されるという通知だった。通帳をつくり替えに来いと書いてあるが、池袋は少々遠い。

 日本経済新聞にオンライン書店の記事が載っていた。Barnes & Nobleは先月25日にネット販売子会社の株式を公開したという。新聞には「株式市場でネット株が軒並み大幅に下落するなかで検討し、先週末の終値は18ドルの売り出し価格を上回る23.18ドルだった」と書いてあったが、2日午後三時(東部時間)の値は売り出し価格を下回る17.75ドルだ。
 アメリカでは書籍販売の約二割がネット販売に切り替わっているそうだ。バーンズはアマゾンに顧客を奪われてネット販売に力を入れるようになったものの同部門の赤字は98年に8300万ドルになったという。それでも市場ではアマゾンに対抗し得る企業だとの評価を受けているという辺りは私には理解しがたい。全米第二位のボーダーズ・グループはアマゾン対策が遅れ業績が悪化して最高経営責任者が辞任したようだ。

 ジョナサン・キャロルのTHE MARRIAGE OF STICKSを半分をちょっと越えたところまで読んだ。だんだん怖くなってきた。


6月1日(火)

「季刊・本とコンピュータ」のアンケート原稿の校正、二箇所の「この頃」を漢字にするか仮名にするかで一時間悩んだ末に一箇所を「今更ながら」に変えてファックスで返信、しようとしたら紙が引っ掛かってちょっと慌てる。このところうちのファックスがあまり調子が良くないので買い替えようかとも思うのだが、なかなかその気になれない。Macintoshからファックス送信することが多いので、紙を読み取って送信する回数がこの頃激減しているからだ。校正もpdf形式のファイルか何かで電子メールで送ってもらうと楽になるのだけれど。

 日本経済新聞によると、紀伊國屋書店は八月八日から福岡本店とシンガポール本店で、インターネットを使って在庫確認ができるようにするらしい。来春までには新宿本店と梅田本店にも導入するという。在庫を確認したら取っておいてもらうこともできて、ない場合は取り寄せを依頼することもできる。これは別に会員になる必要はないそうだから、福岡とシンガポールの人には便利かも知れない。因みに、シンガポール本店は八月八日に開店する売り場面積4000平方メートルで海外の日系書店、東南アジアの書店の何れとしても最大規模なのだそうだ。


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