3月30・31日(土・日)


 やっと『指輪物語』の映画を観た。確かにこれは『指輪物語』、よく頑張ってここまで作ったと感心するが、どうも違ふ。字幕の翻訳については触れぬことにして、どうしてフロドが子供なのかとか、エルフの女性が全然美しくないとか、後半妙にお涙頂戴場面が連続してゐるとか、突然アラゴルンが友情がどうとか叫び始めるとか、『指輪物語』はこんな話だったのだらうかといふ気がしてならないのだった。でも、エルフ語を喋る場面があるのには感動した。トールキンのエルフ語は、聞き取りは勿論、読み書きもできないので、正しく話されてゐたかどうかは解らないが、生き物の口からエルフ語が発せられるのを聞き、見ることができただけでも、映画館へ行った価値はあった。


3月26〜29日(火〜金)


 また一週間が過ぎ去った。

 SFマガジン5月号が届く。

『90年代SF傑作選()』(ハヤカワ文庫SF/各940円)を編者の山岸真氏からいただく。ありがたうございました。この前、『80年代SF傑作選』が出たばかりだといふのに、といふのは私が年をとった証拠だ。読みたい作品が沢山収録されてゐるが、すぐに読み始められるかどうか、不安である。私もたまには新しいSFを読むのだ。90年代といふと大抵は1890年代の私だが。

 日曜日にbk1に註文した本が届く。今回最も注目してゐるのは、福田恒存『私の國語教室』だ。文庫本だからまさか現代仮名遣ひになってはゐまいかと心配したがさういふことはなかった。旧字旧仮名である。これが現代仮名遣ひで書いてあったら何の意味もなさないから。

 この頃、バッハのカンタータ第四番などを久しぶりに聴いたりしてゐたが、週後半から再び無伴奏チェロ組曲状態に陥り、金曜日は勤務時間中も朝から晩まで無伴奏チェロ組曲を聴いて机に向かふ仕事に取り組む。やれやれ。

 モウセンゴケは半壊状態。数十の株が黒く枯死してゐる。今週末こそ植ゑかへをしなければ。


3月25日(月)


 昨日、ふと気づくと、カウンターの数字が90000を超えてゐた。私はカウンターの数字は特に重要視してゐないので、お祝ひのやうなことはしない。


3月24日(日)


 この頃、すっかり暖かくなってきたせゐか、毎朝寝坊をしてしまふ。目覚めると五時半だったりする。これでは翻訳をする時間がないではないか。しかし、昨日の朝と今朝はかなり寒く、早起きができた。しかし、モウセンゴケにはよくないかも知れない。心配である。

 bk1に本を註文。
福田恒存『私の國語教室』(文春文庫/619円)
ピーター・フランクル『美しくて面白い日本語』(宝島社/1143円)
ロバート・ジョーダン『黒竜戦史1 偽の竜王』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT/620円)
バリー・ヒューガート『鳥姫伝』(和爾桃子訳/ハヤカワ文庫FT/740円)
ルーディ・ラッカー『フリーウェア』(大森望訳/ハヤカワ文庫SF/900円)
 この他に娘の本とか、大学改革に関する本とか。

 今日は一日翻訳をして過ごさうかと思ったら、娘のヴァイオリンの発表会であった。もう親に聴いて欲しい歳でもないだらうと思って確認してみると、聴きに来て欲しいと云ふので仕方なく出かける。その後、親子三人で食事をして帰宅。『指輪物語』の映画は一体いつ観に行けるのだらうか。


3月22・23日(金・土)


 次々に送られてくる怪しいメールは止まった。この日記を読んで、もう充分困らせたやうだからいいかと思ったのか。まさか。

 ここ数日の強風と雨と冷え込みでモウセンゴケの元気がなくなった。はっきりいって枯れさうな姿となってしまった。心配である。といってもどうしようもないので、水をやって見守るだけである。


3月21日(木)


 Amazon.co.jpから、Graham Joyce Smoking PoppyとJasper Fforde The Eyre Affair が届く。

 娘と二人で映画館へ行って、オーシャンズ11を観る。子供と観る映画ではないだらうといふ気もする(観客に子供の姿は殆どなかった)が、まあ、難しいことを考へずに観てゐれば楽しい映画だったから、これでよかったのではなからうか。


3月18〜20日(月〜水)


 突然、アメリカの大学のメールアドレスの、全然知らない名前の差出し人から、メールが次々に送られてくるやうになった。毎回300kbくらゐの添付ファイルがついてゐる。何だか知らないが、来たら捨てりゃあいいと思ってゐたが、このメールが溜まるとmac.comのメールサーバー許容量を超えてしまふのだ。これが20通くらゐ来たところで、もうあなたへの割当量はいっぱいですといふ案内がアップル社から届く。甚だ迷惑である。誰かのパソコンにウィルスが感染して四方八方に添付ファイル附きメールを発信してゐるのか、私に恨みを持つ者が嫌がらせで私に送り付けて来るのか。恨まれてゐるのだらうか。心当たりはないのだが、絶対に人に恨まれるやうなことはないかと問はれれば、全く身に覚えはありませんと自信を持って云へないやうな気もする。


3月17日(日)


 先月Aliblisに註文したSusan Hill The Random House Book of Ghost Storiesが届いたのは昨日だった。どうも子供向けの本のやうだ。収録されてゐる作品は新しいもの(1980年代以降のもの)が多い。残念。

 翻訳をしてゐて、珍しくOEDなどひいてみたら、例文にVernon Leeの文が載ってゐて、意外なところで懐かしい人に会ったやうな驚きを感じた。十分くらゐの作業をしに出勤した以外は一日翻訳。


3月16日(土)


 15日(金)は省略。

 今日は妻と二人で『指輪物語』の映画を観に行くことにして、私は出勤。昼過ぎに待ち合はせの場所に向かはうとしたところで大変なことに気が付いた。前売り券を持って来るのを忘れた。家に電話をかけたが誰も出ない。もう家を出たのか。仕方がないので待ち合はせ場所へ。そこで前売り券を忘れたことを白状すると、携帯電話を使はないことを責められる。自分が持ちたくなくてもせめて妻の携帯の番号くらゐは覚えておけと罵られる。さうすればこんなことにはならなかったのに、と。確かに妻の云ふことは尤もである。しかし、嫌ひなものは嫌ひなのだ。どんなに便利でもあんなものを持つのは嫌だ。不機嫌な気分にどっぷり浸って二人で帰宅しようとしたときにまた気が付いた。職場の機械を止めて部屋の鍵をかけてくるのを忘れたことに。職場に戻って一分で終はる作業をして帰宅。物忘れが激しくなったら、あの妙な装置を持たねばならないのだらうか。嫌だな、ケータイ。語感がどうも。しかし、日本語由来だからまだいいか。さういふ問題ではないか。


3月14日(木)


 今日はまだ終はってゐないが、疲れてゐるので、これを書いて寝てしまはう。

 フィッツ=ジェイムズ・オブライエンのThe Supernatural Tales of Fitz-James O'Brien Volume 2: Dream Stories and Fantasies (Doubleday, 1988)が届く。これはいつどこに註文したのだったか。邦訳のないものが幾つかあるやうで嬉しい。


3月13日(水)


 日曜日にbk1に註文した五冊が届く。

 夜遅くまで翻訳。疲れる。


3月12日(火)


 出勤するとAsh-Tree Pressから今度はE-メールが。船便で送るか航空便で送るか、どちらがいいか知らせよといふ。先日のファックスで船便と書いたではないかと思ひながら、船便で頼むといふ返事を出す。


3月11日(月)


 朝、目覚めると五時半。何だか咽喉が痛い。これは風邪をひいたかと思ったが、咽喉の違和感も数時間で消えてしまった。私はここ数年風邪をひいてゐないやうな気がする。莫迦は風邪をひかないのである。

 仕事から帰るとAsh-Tree Pressから手紙が来てゐたので、何だらうかと開いてみれば、先週のヴァーノン・リーの本の註文で、クレジットカード番号が有効でなかったので、再度確認して送ってくれといふものだった。心配したファックスは問題なく送信できたのだが、クレジットカード番号を書き間違へてゐたとは。確かに間違へてゐる。早速、正しい番号を記した手紙を書いてファックスで送る。


3月10日(日)


 あまり暖かいので、午前中は食虫植物の鉢の手入れと、爺むさいひとときを過ごす。昼から少しだけ出勤。天気がいいのでいつもより一つ先の駅まで歩いていかうかと思ったが、少し歩いたら暑くなってきたので、いつもの駅から電車に乗る。考へてみたら道もよくわからない。福岡に住んで八年くらゐになるが、未だに道を全然覚えてゐないのだった。遠くまで歩かうかと考へてゐたら、大学院生の頃、電車賃を節約するために、池袋から高田馬場や渋谷まで歩いたことを思ひだした。池袋高田馬場間は二十分程度なので何ともなかったが、流石に渋谷は遠かったので、一度でやめた。神田の書店街から渋谷まで歩かうとして道がわからなくなって地下鉄に乗ったこともあった。昔から道を探すのは苦手なのだ。

 仕事から帰ってきて、bk1に本を註文。
ダニエル・ペナック『散文売りの少女』(平岡敦訳/2400円/白水社)
栗原成郎『ロシア異界幻想』(岩波新書/700円)
宇月原晴明『聚楽 太閤の錬金窟』(新潮社/2200円)
ブライアン・ステイブルフォード『ホームズと不死の創造者』(嶋田洋一訳/980円/ハヤカワ文庫SF)
クラフト・エヴィング商會『じつは、わたしくこういうものです』(平凡社/1900円)
以上五冊。他にもあったやうな気がするが思ひだせない。


3月9日(土)


 畠中恵『しゃばけ』をやっと読み終へる。楽しい妖怪推理噺。が、帯に書いてあるやうな大笑ひするやうな話ではない。読まなければならない本、読みたい本がたまってゐるのだが、全然読めないのだった。

 気温が少しづつ上がってきて、春といふ感じがする日も多い。我が家の食虫植物も春の芽が出始めてきた。もう少し暖かくなったら、植ゑかへをしようか。食虫植物の本を読んでみたりすると、春先に植ゑかへを勧めてゐるものは少ないやうだが、経験的に私はかうしてゐる。で、八月初旬あたりにもう一回。真夏の植ゑかへを勧めてゐるものも読んだことがないが、我が家の食虫植物はそれで元気になるのだから仕方がない。


3月8日(金)


 東京創元社からリチャード・マシスン『ある日どこかで』(尾之上浩司訳/創元推理文庫/980円)が届く。どうもありがたうこざいました。


3月7日(木)


 アトリエOCTAから、「幻想文学」63号が届く。「M・R・ジェイムズと英国怪談の伝統」特集。私のヴァーノン・リーの翻訳も載ってゐる。何と歴史的仮名遣ひで。嬉しい。


3月4〜6日(月〜水)


 先月オンライン古書店に註文した本(怪奇幻想アンソロジーばかり)が届く。
O. Henry; The 10th Fontana Book of Great Ghost Stories
Christine Bernard; The 2nd Fontana Book of Great Horror Stories
Mary Danby; 5th Fontana Book of Great Horror Stories
Herbert Van Thal; Book of Strange Stories
John L. Hardie; 22 Strange Stories
Cynthia Asquith; A Book of Modern Ghosts
 早速面白さうなのを拾ひ読み。

Amazon.co.jpに本を註文。
Graham Joyce Smoking Poppy (Gollancz, 10/2001, \2477)
Jasper Fforde The Eyre Affair (Viking Books, 1/2002, \2913)
ちゃんと読むのだらうか。


3月3日(日)


 Ash-Tree Pressにヴァーノン・リーのHAUNTINGSを註文する。ファックスで註文書を送ったのだが、うまく届いたかどうか不安。紙の読み込み時にちょっと引っ掛かって、うまく読み込み部に入っていかなかったから。送付方法は船便を選んでゐるので、届くのには時間がかからう。送料を含めて価格はUS$57.70。


3月2日(土)


 メールを送信して文字化けしてゐるといふ聯絡を受けることが続けておこった。どうしてだらうと考へると、私のメールソフトがドイツ語表示で、昨日から月の名前にウムラウトが入ってゐるのが原因に違ひない。返信文書を書くときに、
Am Samstag den, 2. Maertz 2002, um 16:19, schrieb Yoshio Nakano:
などといふのが自動作成される訳だ(本当はMの後はaウムラウト)。このウムラウトが文字化けを起こすのであった。早く来月にならないかな。


3月1日(金)


 EGBRIDGE13が届いたので、早速インストール。EGWORD PURE 7.0も。何とこれで、内田百けんとか森鴎(區鳥)外とか書けるやうになるのだ(ここでは書けないけど)。嬉しい。EGWORD12なら、Microsoft Word文書の読み込み書きだしができるらしい。さうすれば、Microsoft Wordをインストールしなくても、そのファイルの読み書きや受け取り送付などもできるといふことか。買ひたくなってきた。


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