5月29〜30日(月〜火)

 私はもう引越以外のことを何も考えられない状態である。本を箱に収める作業は総て完了し、意外にその数が少ないことに驚いた。梱包作業も大変だが、住所変更の手続きも大変である。インターネットの発達で通販で買うものが増えてしまったということも、住所変更の手続きの増加の一因であるような気がする。


5月28日(日)

 今日も引っ越し準備をしようかと思ったが、娘の運動会で何も出来なかった。学校と転居先が比較的近いので、娘の出番の合間にちょっと抜け出して作業をしようかとも思い、本を持っていかなかったのは大失敗だった。それほど時間は開いていないのだった。それでも何もせずに待つのは甚だ退屈である。いつ如何なる時でも本を持たずに外出してはならないということを思い知った。


5月27日(土)

 本を書棚から箱へ収めていたらAmazon.com Booksから本が届いた。
Distance Haze by Jamil Nasir ($4.79/Bantam Books/February 2000)
Midnight Robber by Nalo Hopkinson ($11.16/Aspect/March 2000)
Heart of Gold by Sharon Shinn ($11.96/Ace Books/April 2000)
I Was a Rat! by Philip Pullman ($11.17/Knopf/February 2000)
Galveston by Sean Stewart ($16.77/Ace Books/February 2000)
の五冊。先ずはSharon Shinnから読むことにしようか。Sean Stewart厚い、Nalo Hopkinsonの作品は前に10ページで挫折したことがある、ということで読まないかも知れない。Pullman(子供向けの本)とNasir(TOWER OF DREAMSの作者)の二冊くらいは読まねば。

 初めて転居先の部屋を訪れ掃除をする。書棚の配置など考えるがなかなか難しい。今より随分広くはなるのだけれど。


5月26日(金)

 引っ越し準備は順調に進んでいるように見え、書棚の本も半分以上が箱の中に収められた。引っ越しは一週間も先なのに。引っ越しに際して本を取りだしていると昔の本(特にSF関係のファンジン)に読み耽ってしまい作業が捗らないという話をよく聞くが、私の場合そのようなことは全くない。意外な本を見つけたり、同じ本を二冊買っているのを発見したりすることはあるが。


5月25日(木)

 朝、昨晩書いた原稿を読み返して細かいところを修正し、送信。仕事から帰ってくるとSFマガジン七月号が届いていた。特集は<『タイムライン』と量子論SF>。私は昔、量子化学で嫌な思いをしたので、今でも量子論SFにはなかなか手が伸びない。


5月24日(水)

 ロバート・ジョーダン『竜魔大戦2 石城は陥落せず!』を読む。疲れ切っているときにこれを手に取って読み始めると馴染みの異世界が優しく迎えてくれるような感じがして心地よいことを発見してしまった。これこそがシリーズ作品の魔力に違いない。いつもなら全然話が進展しないではないかと憤りを感じるところなのに、何故かほっとしてしまうのであった。

 仕事から帰ってきてからSFマガジンのファンタジイ評の原稿を書く。書き終えてもすぐには送信せず一晩置いておくことにする。


5月23日(火)

 『恋する潜水艦』やっと終わる。表題作が一番面白い。最後のはごちゃごちゃしていて何だかよく解らなかった。私は特に海賊好きではないので今一つ。

 図書館流通センターからメールで連絡が来て、六月いっぱいで個人向け書籍販売を終了すると知らされた。同社が出資して発足するブックワンに個人向けの業務は移管されるということだろう。といっても別に移管手続などはないので、利用者は新規にそちらで利用手続をしなければなるまい。私が初めてインターネットによる書籍註文をしたところなので思い出深いサイトなのだった。国内の本の九割程度をここから買ってきたのではなかろうか。最初はNetscapeNavigatorの日本語フォントの設定の仕方が解らず、図書館流通センターの人に教えてもらったこともあった。それまではMosaicというブラウザが主に用いられていて、日本語は表示できないという状況だったのだ(MacWebとかいうのもあったような気がするがよく覚えていない)。今となっては信じられないようなことだが。


5月22日(月)

 ついつい本の梱包をしてしまうので本が全然読めない。やっと書棚の間に隙間が見られるようになってきた。


5月21日(日)

 『恋する潜水艦』はなかなか面白いが、引っ越し準備をしながら読むのでちっとも捗らない。本の梱包は八箱分まで進んだがとても十分の一も収められているとは思えない。70個のコンテナでは足りないかも知れない。


5月20日(土)

 バーバラ・ガウディ『ホワイト・ボーン』をやっと読み終える。感動的だし、象の世界観も他に類を見ないものがしっかりと構築されていて、確かに立派な本である。でも、ファンタジイを読む者としては、象を楽園へと導いてくれる伝説の<白い骨>の探索物語に関心が向くわけで、その流れが遅々として進まないことに苛立ちを感じてしまった。結末も何だかすっきりしないし。気を取り直してピエール・マッコルラン『恋する潜水艦』を読み始める。


5月19日(金)

 象の話は相変わらず捗らないが、引っ越し用の折畳み式コンテナが届けられる。小型のものが70個、大型のが10個、その他、段ボール箱が20個ほど。70個なんて大袈裟な、と思ったが、書棚から本を取りだして試しに二段ほどコンテナに入れてみると忽ちいっぱいに。そこで、全体の本の量を見積もってみると70個というのは全然少なくないのであった。もしかすると足りないかも知れない。しかし、折り畳んだコンテナを積み上げただけで部屋が一杯になってしまい、これを広げて本を収めたら数日の間私たちは一体どこで暮らせばよいのか。他の引っ越し荷物を梱包する作業はどこですればよいのか。私には全く予想もつかないが、とりあえず寝てしまう。


5月18日(木)

 象の話は相変わらず捗らない。何も書くことのない一日である。


5月17日(水)

 The Internet Bookshopから、Richard Calder THE TWIST (£4.79, October 1999, Earthlight)が届く。どうしてこれを註文したのかということは実はよく覚えていないのだが、裏表紙の粗筋など読むと確かに面白そうだ。それにしても、リチャード・コールダーとは。


5月16日(火)

 宿根朝顔が咲き始めた。五月から朝顔とは気分のよいものである。が、来月はじめに引っ越しをするので、直植えの朝顔は蔓を切って鉢に植え替えて持っていかねばならない。

 私は相変わらず左手でトラックボールを操作するので、カーソルの矢印を左利き用に変えてみた。些細なことだが、この方が何となく落ち着くような気がする。

 『ホワイト・ボーン』はなかなか捗らない。


5月15日(月)

 Performa630とIIciと13インチモニタを埼玉の実家に送る。部屋が少し広くなった。

 早川書房からロバート・ジョーダン『竜魔大戦2 石城は陥落せず!』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT/600円)が届く。今月は引っ越し準備もあるので、SFマガジンのファンタジイ評用の本を早めに読み始めることにして、早速ジョーダンからにしようかとも思ったがこれは後回しに。まずは、バーバラ・ガウディ『ホワイト・ボーン』を手に取って出勤。アフリカ象の話である。


5月12〜14日(金〜日)

 この頃、寝坊ばかりしていたせいで、この日記のページを書く時間がなかった。月曜日もまた寝坊。やれやれ。13日の日本経済新聞に独ベルテルスマン系が日本法人を設立し、六月下旬にも日本での書籍のネット販売を始めるという記事が載っていた。今日は時間がないので詳しい話はまた今度。我が家では引っ越しの気配が濃厚になってきて、それで俄に慌ただしくなったりしているのであった。


5月11日(木)

 1000円で落札したLC630のロジックボードが届く。早速、起動できなくなったPerforma630に装着すると嬉しい起動音が響いてくる。これでよし、と一人頷いてEthernet Cardなどを取り付けてから再び起動させようとすると今度はうんともすんとも云わない。何と壊れていたのはEthernet Cardだったのだ。私はまた無駄な買い物をしてしまったようだ。

 アメリカのSF情報誌LOCUSの五月号が届く。ヒューゴー賞候補に<ハリー・ポッター>が入っているという話は本当だった。


5月10日(水)

 図書館流通センターから本が届く。
牧真司『ブックハンターの冒険』(学陽書房/1500円)
グレッグ・ベア『ダーウィンの使者 上』(大森望訳/ソニー・マガジンズ/1600円)
グレッグ・ベア『ダーウィンの使者 下』(大森望訳/ソニー・マガジンズ/1600円)
フィリップ・プルマン『神秘の短剣』(大久保寛訳/新潮社/2100円)
ロス・キング『謎の蔵書票』(田村義進訳/早川書房/2500円)
以上五冊。クリストファー・プリースト『イグジステンズ』(柳下毅一郎訳/竹書房文庫/590円)は品切れであった。さて、何から読もうか。

 YAHOOのオークションでLC630のロジックボードを落札してしまった。1000円である。起動できなくなり職場で廃棄処分になったものを復活させようという魂胆である。

 7日にNina Kiriki Hoffman "Thread That Binds the Bones"を註文したのだが、どうもこの本は持っているような気がしてならなかった。が、自分の日記を検索してみても出てこない。そこで書棚を探していくと、AvoNova版のペーパーバックが見つかった。やはり持っていたのだった。1993年5月刊行のもの。ちょうどサン・アントニオに住んでいたときである。だから日記には載っていないのか。無駄な買い物(約2000円)をしてしまった。やれやれ。


5月9日(火)

 Weinberg Books at The Stars Our Destinationからカタログが届く。Arkham HouseやAsh-Tree Pressの本が沢山載っているが、この頃は刊行に購入が追いつかない(購入資金が足りない)。昔は、読む本より集める本を優先的に購入していたのだが、今は読む本を優先しているからかも知れない。その方が自然な態度なのだろうが、新作なんか全然読まずに夜毎古い怪奇小説の本を撫でたり擦ったりするだけの生活にも密かに憧れていたりするのであった。

 Jamil NasirのTOWER OF DREAMS (Bantam Spectra, Jan 1999, $5.99)を読み終える。この本に対して最後の二ページを読む直前までは私は怒りすら感じていた。不思議な出来事に関する説明は一応なされているがさっぱり要領を得ないもので面白くも何ともないし、大いなる陰謀が暴れる訳でもないし、こんな欲求不満だけが残る結末を迎えるためにこの本を読んできたのかと思っていたのである。しかし、最後の二ページを読み、私は本書の前にひれ伏した。何とこれは恋の物語だったのだ。こういう甘い結末に弱い私はこれで総てを許し、これが傑作であることを確信した。態度がころころ変わるが仕方がない。そういう性格なのだ。先日、P. K. Dick賞の受賞こそ逃したが特別賞という第二位に相当するものを受賞した作品である。


5月8日(月)

 職場のPerforma630が突然動かなくなる。起動させようとしても、ぷちっという微かな音がするだけ。即刻、廃棄処分になる。今週末には我が家にやってくることになると思うが、起動しなくなったものを引き取るのは初めてである。全く何やってんだか。


5月7日(日)

 Amazon.com Booksに本を註文。

Pat Murphy "There and Back Again : By Max Merriwell" ($17.47, November 1999, Tor Books)
Nina Kiriki Hoffman "A Red Heart of Memories" ($15.37, October 1999, Ace Books)
Patricia A. McKillip "The Tower at Stony Wood" ($16.07, May 2000, Ace Books)
Steven Millhauser "Enchanted Night : A Novella" ($11.90, October 1999, Crown Pub)

以上四冊。送料を含めて$72.61である。マキリップ以外はこの半年くらいの間に買いのがしていた本。Nina Kiriki HoffmanのThe Thread That Binds the Bonesが最早入手不可になっているのに驚き狼狽えてしまう。アメリカになくてもイギリスにはあるかも知れないと思い、The Internet Bookshopで探してみる。するとどうやら購入できそうなので、以下の二冊を註文。

Nina Kiriki Hoffman "Thread That Binds the Bones" (£4.74, March 1995, Robinson Pub.)
Richard Calder "The Twist" (£4.79, October 1999, Earthlight)

ここは書籍代とほぼ同じ送料がかかる。

 朝、本の註文を終えてから家族三人で遊びに出かけ、帰りに百貨店で食事をしてから書店に入る。
ピエール・マッコルラン『恋する潜水艦』(大野多加志・尾形邦雄・高遠弘美・橋本克己訳/2800円/国書刊行会)
宮田昇『戦後「翻訳」風雲録』(本の雑誌社/2200円)
マッコルランのは先週出た<文学の冒険シリーズ>の最新刊。後者は二ヶ月くらい前に出たもの。これが面白く読み始めたら止められなくなり、最後まで読んでしまった。主に早川書房のことだが、戦後の翻訳出版の事情とかSF出版の事情がわかる。


5月6日(土)

 12時間も寝た上に昼寝までしてしまう。怠惰な一日を過ごす。夕方、娘と一緒に近所の書店へ行ってNetscape Communicatorの使い方がわからないという母のために本を探すが、Macintoshの本が少ないのは予想していたものの数少ないMacintosh用の本もInternet Explorer一色になっているではないか。ということでどこかの新書のインターネット検索に関する本を選ぶ。題名は忘れてしまった。その際、近くの棚にあった野町啓『謎の古代都市アレクサンドリア』(講談社現代新書/660円)を買ってしまう。アレクサンドリア図書館の話が書いてあるので、つい。


5月5日(金)

 四時過ぎに家を出て始発電車で空港へ。福岡へ戻る。この二日で七時間くらいしか眠っていないので実に眠い。それでも秋葉原で買ってきたQuadra650/PM7100 CD-ROM用フロントベゼル(800円)とPerforma6400から抜いてきたCD-ROMドライブを鞄から取りだし、早速装着。これで少しは速くなって、同時にトレイ式になったから少しは使いやすくなるだろう。

 Jamil NasirのTOWER OF DREAMSは、この三日で思ったほど進まず、残り約三分の一である。


5月4日(木)

 SFセミナーは夜を徹して行われるので、とりあえず始発電車で帰宅して四時間ほど寝てから<遅れて来た新人を祝う会>に出席するために新宿へ。五時間ほど前まで一緒にいた人たちとまた会い、数年ぶりに会う人たちにも会う。


5月3日(水)

 SFセミナーに出かける。いろいろな人に会う。そこで山本和人氏から山尾悠子『オットーと魔術師』(集英社文庫/昭和55年)をいただく。何と無料で。ありがたく頂戴する。


5月2日(火)

The BigStore.comという店にProteome Research ($52.08)を註文。送料は$4.94。定価は$62.00なので結構安い。内容は小説ではなく二次元電気泳動法を用いたプロテオーム解析の本。これのように一冊だけ早く欲しい場合には横断検索で安いところを探して買うことになってしまう。でも、註文した直後に別の横断検索でもっと安い店を見つけてしまい少し後悔する。送料$4.94では、アメリカからの船便だからひと月くらいはかかるだろう。ヨーロッパからだと十日程度で届くのにもっと安いところもあったようなのだ。やはりユーロが安いから割安なのだろうか。


5月1日(月)

 昨日あれほど寝たのに今朝は寝坊である。Jamil NasirのTOWER OF DREAMSを手に取って出勤。電車の中は高校生しかいない。もう世間は連休気分なのだろう。ところで、毎年四月は高校生で朝の電車が混雑するのだがやがてその混雑も解消されてくる。高校生たちは一体どこへ消えていくのだろうか。学校へ行かなくなるのだろうか。


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