10月31日(土) 日本経済新聞によると、大日本印刷はインターネットを通じて専門書を販売するホームページ「専門書の杜」を来年一月に開設すると発表したそうだ。一般書店での品揃えの少ない専門書約二万タイトルを扱う計画だという。書名、著者名、ジャンル、キーワードで検索が可能で、目次や要約なども見られるようにするらしい。それにしても、日本経済新聞はこういう情報を掲載するときにURLを併記しないことが多い。インターネット上で発表したと書いているのだから、それくらい記しておいてほしいものだ。
29日にニューヨークで開かれたクリスティーズのオークションでアルキメデスの著作の十世紀の写本が200万ドルで落札されたそうだ。予想価格は80〜120万ドルだったから、かなり高額である。これの所有権を主張してギリシャ正教会が法廷で争っていた品らしい。この情報、Katsuyo Motoyoshiさんに送ってもらいました。
10月30日(金) 日本経済新聞によると、書籍販売のジェイアールエスが11月1日から中小書店やコンビニエンスストアなどの店頭に端末を設置して書籍を販売するという事業を始めるそうだ。その端末で20万タイトルの本を検索し、インターネットを通じて欲しい本を註文するというもの。宅配便で4〜10日で自宅に届けられる。配送料金は全国一律で450円。端末を設置する店には売り上げの7%が還元される予定だという。
私は多分利用しないだろう。インターネットが利用できない人には便利かも知れない。
今、解ったのだが、Mac OS 8.5でSystemSoft EditorにEGBridgeを使って日本語を入力するとき、スペースが入力できないようだ。これは困る(来月発売の新版で修正されるらしい)。今はスペースをコピーして入力しているのだが余りにも面倒くさい。クラリスワークスのファイルも開かなくなってしまったものもあるし、各種アップデータが出て、環境が落ち着くのに少々時間を要するようだ。
Robert Charles WilsonのDARWINIAを読み終える。読み始めてから丁度一ヶ月かかってしまった。ヨーロッパが1912年のある日、突然不気味な生物が生息する密林に覆われた場所に変わってしまう。これを人々は「奇跡」と呼び、その土地をダーウィニアと呼んだ。主人公はダーウィニア探検隊に参加し、話は密林探検小説かエドガー・ライス・バローズの古典的冒険SF(作品中でバローズの作品が何度も言及される)のようになりかけるのだが、話はどんどん暗く不気味になっていくのだった。地球はどうやら宇宙の高度な生命体の「記録保管庫(the Archives)で、そこに別の生命体のコンピュータウィルスのようなものが侵入してきた結果生じたのがダーウィニアなんだそうだ。主人公は本当は第一次世界大戦で戦死する筈だった。侵入者を撃退しようとする勢力に選ばれた人間達と侵入者側に選ばれた人間達とが数十年にも渡って戦うことになる。どちらも自分を選んだのは神なのだと信じて。このところロバート・チャールズ・ウィルスンは、人間を超越した神の如き存在と、予想もしなかった環境に突然放り込まれた人間たちの行動というものに関心があるようだ。
10月29日(木) 再び寝坊する。目覚めると六時。昨晩遅くまで起きていたからではなく、風邪をひいたからである。日頃、家族の目覚まし時計として寝る前に決めた時間にぴたりと目覚める私だが、風邪をひくと体内時計が全く働かなくなるようだ。一日中調子が悪い。
10月28日(水) Macintoshの話である。やっとMac OS 8.5で日常の作業ができるようになった。なかなか大変であった。前のシステムがエラーが多くなってきていたので、新規インストールにしたため、あれこれ細工してある自分の作業環境を再現するのが難しかったのだ。とにかく今回の8.5に関しては英語版を買う利点は殆どないということがよく解った。これまでは、英語版の方が発表が早く値段が安いという本国版の利点があったのだが、今回はそれがない。日本語解析に関する日本語版固有の昨日を利用できないという不利なことまであるのだ。まあ、いずれにしても今のところは順調に動くようになり、エラーは一度も起きていないので前よりはよくなったと云えようか。
今回苦労したのは、「ことえり」が機能拡張として入っていないと「丸漢コンパチビリティ」がLanguage Kit Updaterによってインストールされないことと、AppleTelecom 3.1.3がMac OS 8.0のインストールCD-ROMにしか入っていないことの二点に気づくのが遅れたということであった。それからフォント調整アプリケーションのRelieverとNoMeMo Bustersが使えなくなったのが痛かったが、FontPatchin'で何とかできた。英語版で色々やってみて、実に疲れたのでドイツ語版の購入は時間と金の無駄であると判断し、やめることにする。何れにせよ、これで落ち着いて文章を書くことができるようになった。机とMac OSが新しくなり気持ちを新たにして明日からまた本を読んでオンライン書店を徘徊する生活に戻ることができる。
10月27日(火) 寝坊である。目覚めると六時四五分。慌てて飛び起きて妻と娘を起こし(私は我が家の目覚まし時計なのである)、Robert Charles WilsonのDARWINIAを手に取って出勤。いつもより二時間近く寝坊しても、職場に着いてみれば誰もおらず、やはり朝一番に出勤してしまうのであった。今日も眠い。電車の中でも寝てしまうので本が全然読めない。
Mac OSも8.5への移行がなかなか完了しない。Mac OSの版を上げるときは机を新しくするときに気分が似ている。
10月26日(月) ちょっとMac OS 8.5をインストールしてみようと思ってあれこれやっていたら朝になってしまった。Robert Charles WilsonのDARWINIAを手に取って出勤。眠い。
帰宅すると机が届いていた。早速組み立てるのだが、大きいので些か大変である。さらに付属の抽斗がまた難しい。もっと難しいのがコンピュータや電話回線の接続である。数十本のケーブルやらコードが絡み合って大混乱に陥る。結局深夜二時まで作業してしまう。
10月25日(日) 朝、『血の伯爵夫人(II)』を読み終える。面白いので一気に読んでしまったが、私が期待していたような幻想味は全くなかった。
実は今日は娘の七五三のお祝いなのであった。こういう儀式のときは、私は自分が数万光年彼方から地球の文化を見学にやってきた宇宙人になったような気分になる。私は未だに七五三というものが何を祝い何を願う儀式なのか解っていない。それに何故これほど金がかかるのかということは全くの謎である。しかし、それを理解しようという努力をすることなく、不機嫌な顔で時が過ぎるのを待つ。福岡へ帰る機中で『盗賊の森の一夜』を読み終える。ハウフのメルヒェン集は実に楽しい。大学のドイツ語の授業の教材だったことを思い出すとさほど楽しくもないのだが。
帰宅すると早川書房からK・W・ジーター『垂直世界の戦士』(冬川亘訳/ハヤカワ文庫SF/700円)が届いていた。これは原書が出たときにすぐに買おうと思いながらも買いそびれたままになっていた本だ。原書で買っても読んだかどうか解らないので、ちょっと得した気分である。などと思っていたら、今度は図書館流通センターから本が届いた。フリードリヒ・グラウザー『狂気の王国』、レイ・ブラッドベリ『バビロン行きの夜行列車』、ジム・カールトン『アップル 世界を変えた天才たちの20年 上・下』、田口秀丸『アサガオ』である。あと二日早く届いていれば、ブラッドベリの本をSFマガジンのファンタジイ評でとりあげることができたのに。
そうだSFマガジンの原稿を書かねばならなかったのだ。ということで、ナンシー・A・コリンズ『ブラック・ローズ』とメラニー・テム&ナンシー・ホールダー『メイキング・ラブ』について書く。あまりファンタジイらしくない。でも、疲れて眠いし、頭痛も微かに感じられる。日付が変わって一時頃送信。このあと、ちょっとだけMacOS8.5をインストールしてから寝ようかなと思う。
10月24日(土) 『メイキング・ラブ』読了。ちょっとジョナサン・キャロルが書きそうな話でもある。が、キャロルならもっと怖いだろう。
本を置いてある部屋の片づけをする。先日送った本を箱から出し、書棚に収め、不要だと思われる学会誌を廃棄する。扉付きの風通しの悪い棚に収めてあった本を見て驚いた。何冊か黴で覆われている本があるのだ。小説ではなく、ハードカバーの科学の本なのだが、私が大学院生の頃2万円も出して買った枯草菌の本が黴まみれになっている。黴を紙で拭った(ぬぐった)後、消毒用アルコールで丁寧に拭いてやる。今度来たときには除湿器を買って設置してやろうと心に誓う。
『血の伯爵夫人(I)』読了。うーむ。
10月23日(金) 『妖精学入門』を読み終える。午後は休暇を取って帰宅途中の駅で娘と待ちあわせて帰宅。出かける準備をしていると宅配便が届き、Mac OS 8.5を手にする。早速インストールしたくなるが我慢して娘を連れて空港へ向かう。今回は、二泊三日の外出なので、メラニー・テム&ナンシー・ホールダー『メイキング・ラブ』、ヴィルヘルム・ハウフ『盗賊の森の一夜』、アンドレイ・コドレスク『血の伯爵夫人(I・II)』を持っていくことにする。飛行機で羽田へ行き、電車を乗り継いで埼玉県富士見市へ。『メイキング・ラブ』は予想外に面白い。もう少しで終わるというところまで読んだが、疲れ切っているので夜は早く寝る。
10月22日(木) 『ファンタジーの冒険』を読み終える。前半は解りやすいが、後ろの方になるとちょっと私には難しい言葉が頻出してよく解らなかったところもある。『妖精学入門』を読み始める。
東京創元社からニーヴン&パーネル&バーンズ『アヴァロンの戦塵(上・下)』(中原尚哉訳/創元SF文庫/上680円;下720円)が届く。嬉しいがこれは『アヴァロンの闇』の続篇のようだ。私は『アヴァロンの闇』を持っているのだろうか。
10月21日(水) 『ブラック・ローズ』を読み終える。この作品は<ソーニャ・ブルー三部作>の後日譚という形で描かれているのだが、気持ち悪さは相変わらずであるものの、私には三部作よりも安心して楽しめた。何故だかはよく解らない。解説はゲームの話で私にはさっぱり解らなかった。
図書館流通センターから本が届く。J・G・バラード『殺す』、小谷真理『ファンタジーの冒険』、『岩波講座言語の科学11 言語科学と関連領域』(3400円/岩波書店)、『書物の王国 王侯』、グレッグ・ベア『凍月』、F・ポール・ウィルスン『ホログラム街の女』、井村君江『妖精学入門』の七冊。『ファンタジーの冒険』から読み始める。
ルーディ・ラッカー『時空ドーナツ』(大森望訳/ハヤカワ文庫SF/620円)を訳者の大森氏からいただく。ありがたいことである。
本日付けの日本経済新聞によるとドイツのBertelsmannは書籍分野でアメリカ市場への単独での参入を計画していたが、Barnes & Nobleに2億ドル出資して株式の50%を取得する形で、ネット販売に参入することになったそうだ。Bertelsmannはは会員数2500万人に及ぶ世界最大の書籍通信販売を展開しているというが、全然知らなかった。
10月20日(火) 昨日Bookpagesから電子メールが届いてAmazon.co.ukに社名が変わりホームページも移動したと書いてあった。今年の四月にAmazon.com Booksに買収されていたイギリスのオンライン書店である。
The Internet Bookshopからもメールが届いていて、四割引になる書籍の範囲が広がったという。
プレゲンズ『「英語の頭」をつくる本』を読んだ。私が知りたいことはあまり書いてはいなかったのだが、それでもなるほどと納得できることが幾つかあった。日本人の論文には受動態が多すぎるのだそうだ。昔、私は論文は受動態で書けと習ったものだが。しかし、この手の本は読んだときはなるほどと納得してもすぐに忘れてしまって、英語で論文を書くときには覚えていなかったりすることがえてして多いものだ。
ナンシー・A・コリンズ『ブラック・ローズ』を読み始める。血腥い場面が多く、ちょっと気持ち悪い。
10月19日(月) 東京創元社からメラニー・テム&ナンシー・ホールダー『メイキング・ラブ』(山田蘭訳/760円)、早川書房からナンシー・A・コリンズ『ブラック・ローズ』(幹遥子訳/680円)が届く。月の後半なのでそろそろSFマガジンのファンタジイ評用の本を読まねばならない。
アラビア語のシステム(7.0.1)をダウンロードしたので、アラビア語スクリプトやフォントなどを入れてみた。ついでに中国語スクリプトも二つ入れた。アラビア語の方は何故か機能しない。中国語の方はうまくいって、NetscapeNavigatorで中文表示ができるようになった。やはりフォントを入れるだけでは駄目だったようだ。中国の書籍を扱う書店をいくつか見て回る。アラビア語は諦める。韓国語の表示もまだだがもういろいろ方法を探すのは止める。というのは、OS8.5が届いたら簡単に各国の言葉を表示するのが可能になるらしいのだ。入力にはLanguageKitが必要だが、私がアラビア語を書くことはまずないと思うので、表示だけで十分であろう。
10月14〜18日 学会の出版社の展示場で本を買ってしまう。Frederick Grinnell『グリンネルの研究成功マニュアル』(共立出版/2900円)、ジャン・プレゲンズ『「英語の頭」をつくる本』(インターメディカル/1714円)、『分子進化』(共立出版/3300円)、『機器分析のてびき1』(化学同人/1200円)の四冊。僅か四冊だが、値段が高く、しかも重い。どれもいたって真面目な本である。一冊目のは「科学研究のとらえ方と研究者になるための指針」という副題がついていて、訳者は白楽ロックビルというふざけた筆名を使っている奴だ。二冊目のは論文の書き方の本。この手の本は本当は嫌いなのだが、この頃、英語の論文を書くときに、話の展開のさせ方の日本語と英語の違いが気になっているのでつい買ってしまった。残り二冊は実験法の本。こんな本を買ってしまったせいで、名古屋についてすぐ郵便局で現金をおろしたにもかかわらず、現金が足りなくなってしまい、まあクレジットカードで支払いをすればいいやと思っていたらカードの使えない店に行くことが多く、大学院生に金を借りて後半を過ごすことになってしまう。
Robert Charles WilsonのDARWINIAを読み終える前に『アップル 薄氷の500日』をつい読んでしまった。という訳でDARWINIAは230ページくらいまでしか進まなかった。結局は『タイム・シップ(下)』や『ボーア・メイカー』は持っていっても無駄だったのだが、それでももしかしたら颱風の影響で福岡へ帰る飛行機が飛ばない事態になる可能性もあったので、万一そういうことになっても本を十分持ってきているから大丈夫だという余裕のある気持ちで学会期間を過ごすことができたのだからこれでよかったのだ。
私の飛行機は30分ほど遅れて名古屋を出発した。夜10時に帰宅すると、Amazon.com Booksから本が届いていた。Charles De Lint, TRADER 、Michael Swanwick, JACK FAUST、Kathleen Alcala, SPIRITS OF THE ORDINARY 、Philip Pullman, THE SUBTLE KNIFE、Patricia A. McKillip, SONG FOR THE BASILISKの五冊である。今回は読みたい本が多い。
学会出張の間にMacOS8.5が発売になっていた。早速英語版を註文する。送料を含めて125ドルくらいになった。
10月13日(火) 明日から学会で日曜日まで名古屋に行く。家でじっとしているのが好きな私にとっては四泊五日の出張は長旅である。出張の時いつも悩むのが持っていく本だ。読みかけのRobert Charles Wilson DARWINIAは迷わず持っていく。今、三分の一を越えた辺りだ。英語の本なので読むのが遅くこの期間中に読み終わるかどうかは判らない。しかし、読み終わってしまったら大変なので、少なくとももう一冊は持っていくべきだろう。もう一冊は読みかけのスティーヴン・バクスター『タイム・シップ(下)』にする。もう読みかけのまま何ヶ月もそのままになっていた本だ。これも三分の一を越えた辺りなので、すぐに読み終わってしまう可能性がある。これも読み終わってしまったらどうしようと不安になる。そこで、リンダ・ナガタ『極微機械ボーア・マイカー』を持っていくことにした。K・S・ロビンスン『レッド・マーズ』というのも考えたが、分厚い上に上下巻だ。これは書棚に戻す。『ボーア・メイカー』で大丈夫だろう。だが、ひょっとして、これも読み終わってしまったら。不安である。不安である。躊躇いながらもギル・アメリオ&ウィリアム・L・サイモン『アップル 薄氷の500日』を手に取ってしまう。これで大丈夫だろう。でもでも、万が一これも読み終わってしまったら。いや、切りがないからもう止めておこう。
ということで、このページの更新も暫くお休みである。
10月12日(月) 中国や韓国のオンライン書店を見て回ろうと思い、Macintosh用のフォントを探す。幾つか見つけたので無作為に二つ三つダウンロードし、フォント・フォルダに入れてから再起動、NetscapeNavigatorの言語/フォント設定を行ない、これで大丈夫と思ったら、全然文字が表示されない。何故だ。Chinese ScriptやKorean Scriptが入っていなければ表示されないのか。更にあちこちを探し回って両言語用スクリプトやApple Language Kit Updaterなどを入手。そこでつい余計なことをしてしまった。CLK UpdaterにはLanguage Kit ExtensionやSimplified Chinese Input Methodやらが入っている。そこで、Language Kit Extensionを機能拡張フォルダに入れ、LKU for Mac OS 8 1.0をインストールしてしまったのだ。インストーラを開くと、何やら作業を始め、私のPerforma6400のシステムを英語のMacOS8.1にJapanese Language KitとCyrillic Language Kitが組み込まれたものと認識された。そこでついStartボタンを押してしまったのだった。再起動するとシステムはすっかり不安定に。殆ど使い物にならないではないか。しばらくあれこれいじってみたが、諦めて出勤。
一日考えた末に、不必要と思われる拡張機能を外す。そもそも私のシステムにLanguage Kit Extensionなど必要ないのだ。なんだか、ちょっと安定してきたような感じだ。
10月11日(日) 机が届く日のために部屋の整理をする。といっても作業の殆どは当分使わないであろうと思われる本を実家に送るということである。主に学会誌である。これが重い。アメリカのペーパーバックの十倍くらいの比重があるんじゃなかろうかと思うほどである。日本の学会の英文誌二誌を来年からとらないことにした。アメリカの学会誌も一つ紙の雑誌からオンライン版に変更するので、来年から重い学会誌は殆ど来なくなる。購読費の年間約三万円もなくなるので、随分楽になる。三万円なんて月2500円だから大した額ではないが、年末に学会費と共に収めるので、六つも学会に入っている私は学会費と学会誌の費用が年末に十万円以上一度に出ることになるからちょっと負担だったのだ。書棚が空くというのが何より嬉しい。学会誌の他に、怪奇幻想作家事典の翻訳の資料として持ってきていたものと、同じ本で二冊以上重なってしまった本、英語で買ったが邦訳が出た本なども実家に送る。それにしても、学会誌を詰めた段ボール箱は異常な重さとなってしまった。宅配便業者が持っていってくれないかも知れない。
10月10日(土) 筑摩書房の『英国短篇小説の愉しみ』第二巻の校正を終える。
アメリカのSF情報誌LOCUSの10月号が届く。このところの世界の株価暴落の影響でAmazon.com Booksの資産も打撃を受け、経営戦略に大きな影響を与えているという記事が載っていた。激しい拡大路線を見直さざるを得ないようである。
10月9日(金) 夜、Interware社のBooster 64・54 G3 230がCHAMPから届く。早速Performa6400に装着してみると、ちゃんとG3/230で動くようになる。速度測定アプリケーションで調べてみるともう格段に処理速度が向上しているのだが、実際に使ってみた感じでは(といってもたった今取り付けたばかりでまだあまり使っていない訳だが)驚ほど速くなったという印象はない。NetscapeNavigatorは明らかに速くなっている。しかし、この頃わたしのコンピュータの操作は本体の処理速度よりも自分の右腕の痛みに起因する左手のマウス操作の遅さが律速になっているのである。左手のマウス操作は少しずつ向上しているものの、操作の誤りが多すぎる。トラックボールの購入を検討せざるを得ない。
10月8日(木) Fantasy Centreからカタログが届く。Ash-Tree Pressの本に心惹かれるものがある。Sheila Hodgson THE FELLOW TRAVELLERSとJohn Metcalfe NIGHTMARE JACK AND OTHER STORIESの二冊が新刊として載っている。それぞれ£24.00と£24.50。ここ数日で(対ポンドは対ドルほどではないが)急激な円高が進んでいるものの、一冊5千円以上になる。どちらも五百部しか刷っていないという。後者だけは買っておきたいような気もするが。
万一、一ドル百円を切るようなことがあったら、まとめてドルを買っておいてドル決済のクレジットカードを作ろうかなとふと思う。
アメリカのSF情報誌LOCUSの定期購読を更新する。一年で80ドルだ。1ドル=120円なら9600円、1ドル=140円なら11200円という訳だ。
10月7日(水) 今月29日にニューヨークで開かれるクリスティーズのオークションでアルキメデスの著作の十世紀の写本が出されるそうだ。予想価格は80〜120万ドル。七月にロンドンのクリスティーズで落札『カンタベリー物語』初版本(1477)の460万ポンドに比べれば安い買い物なので、お金に余裕のある方は参加なさってみては如何であろうか。ここ数日で急激な円高ドル安が進んでいるから、1億5千万円くらいで買えるかも知れない。参加を希望する人はChristie's websiteを参照のこと。
10月6日(火) 右腕が痛いのでトラックボールを買おうかなという話を書いたら、Kensington社のTurbo Mouseというのにはマウス加速ソフトも付いているということを教えていただいた。値段を広告などで見てみると、一万二〜四千円のようだ。高価なものではないが、決して安いものでもない。無駄遣い以外のなにものでもないドイツ語版MacOS8.5を買うのを止めれば簡単に買える値段だ。ドイツ語版はやはり10月17日に英語版と共に(日本語版も)同時発表になるらしい。実際に17日に販売店に入荷するのだろうか。MacGadget.deにドイツ語版8.5のことが何か書いてあったが時間がなくて読めなかった。ドイツ語は辞書をひきながらでないと理解できないのであった。それにしても腕の痛みは激しくなる一方だ。やれやれ。
英国短篇集の校正刷りを見ていたら、ギリシャ語の単語が縦書きで記されていた。手書きで修正すると判りにくいだろうと思い、プリンターで大きめに印刷して貼り付けようと考えた。ところが、先日あれほど苦労してギリシャ語入力の環境を整えたつもりだったのに、うまく入力できない。フォントの選択ができない。結局あれは無駄な努力だったのかも知れない。
10月5日(月) 机を註文した。机が狭いのが常々不満だった。この狭い部屋で机があるだけで幸せと思わなければいけないのかも知れないが(築35年の公務員住宅である)、横幅100cm×奥行き60cmはあまりにも狭い。今回買ったのは横幅164cm×奥行き80cmなので面積は2.19倍になる。我が家は貧しいので立派な机を買う余裕はなく、ダイエーの通販で35800円のものだ。出不精だということもある。劣悪な日本の住宅事情を反映してか、立派な家に住んでいる人はダイエーの通販で机を買ったりしないからか、カタログに載っているものは狭いものばかり。特に奥行きがない。これにコンピュータのモニタを置いたら、目の前10cmに画面が来てしまう。私は机の奥の書棚にモニタの尻を突っ込んで目から45cmの距離は何とか確保しているけれども、キーボードとマウスを置いたらもう資料を置く場所が殆どない。本当は液晶モニタが欲しいところだ。始めは別の通販会社のカタログに載っていた奥行き90cmのが欲しかったのだが、我が家の食卓より大きくなってしまうのでやめておいた。
これでこの部屋には机が三つになる。三つをL字型に配し、角のところに娘が来ることになる。親子三人が机を並べるという変わった家になる訳だ。この頃さすがに変わってきたとは云え、日本で主婦が机を持っているところはまだそれほど多くはないし、親が二人とも机を持たないところも決して少なくはないのだ。それでいて子供には机を与えてやる。家具屋に行くとよく売っている子供用学習机という奴を。これまでうちの娘は小学校に入学しても机がないような状態で過ごしてきた(横幅80cm×奥行き40cmの小さい台はあった)のだが、これで大人と対等の机を持つことになった訳だ。この無愛想で貧弱な机にはあまり魅力を感じていないようではあるが。机と本棚ばかりで何だか大学の研究室のようだと妻は云う。とにかく私は机が届くのが愉しみでならない。
10月4日(日) SFマガジン12月号のための『ヴァスラフ』評の原稿を書く。私はバレエのことなどさっぱり解らず、ニジンスキーの名前もこの作品を読んで初めて知ったという情けない有り様で、この五日間ずっと悩んできたがいつまでも悩んでいる訳にもいかないので書き始める。バッハの名前が作品中に数箇所出てくるので、ちょっと驚いた。バッハとバレエとは全く異質の間柄だと思い込んでいたからだ。ニジンスキーはバッハの作品(平均律クラフィーア曲集とフランス組曲から数曲)の振り付けという構想を持っていたのだそうだ。作者自身の解説に記されているようにニジンスキーがディオニュソス的なトリックスターであるならば、「整った教会音楽」を綿密な構成でつくりあげたバッハの音楽とどう結びつくのか解らなかったのだ。しかし、バッハ全集の解説をいくつも読んで私の考えは間違っていたことが解った。バロック音楽を集大成したという評価のせいでバッハは秩序を構築した作曲家のように思っていたのだが、バッハは秩序を破壊した面の方が強いのだ。これはバッハの信条とは関係ないバッハの作品の力の話である。バロックなんだから秩序をもたらす訳がない。そもそもそんな整った秩序だけをもたらす曲だったら私が心惹かれる筈がないではないか。この本を読んで本当によかった。しかし、フランス組曲を聴きながら書いた原稿はなんだかさっぱり解らないものになってしまったような気がする。でも、もうどうにもならないような気がして、思い切って電子メールで送信して寝てしまう。
10月3日(土) 図書館流通センターに本を註文。
フリードリヒ・グラウザー『狂気の王国』(種村季弘訳/作品社/2400円)
レイ・ブラッドベリ『バビロン行きの夜行列車』(金原瑞人・野沢佳織訳/角川春樹事務所/2600円)
ジム・カールトン『アップル 世界を変えた天才たちの20年 上・下』(山崎理仁訳/早川書房/各2000円)
田口秀丸『アサガオ』(誠文堂新光社/1500円)
以上五冊。10500円+消費税ということになる。小野不由美『屍鬼』はどうしようかなと思ったが、今回は見送ることに。「血と炎に染められた凄惨な夜の幕が開く…。」なんて紹介が書いてあったので。気持ち悪い話は苦手なのだ。グラウザーのは「1930年代、スイスの精神病院を舞台に繰り広げられる異色の探偵小説」だとくことでちょっと面白そう。ブラッドベリは何も考えることなくとにかく購入。『アップル』は、こんなの買って読むんだろうかという不安もある(『アップル 薄氷の500日』も読んでいない)が、少しだけ迷ってから購入を決める。最後の『アサガオ』は三ヶ月ほど前に出た本のようだ。図書館流通センターに新しい検索機能が登場したので、試しに朝顔と打ち込んでみたら出てきた本である。この新しい検索機能、役立ちそうだが、まだいろいろと試していないので何とも言えない
右腕が痛いという話を書いたら、同じような経験があるという人からメールをいただいた。原因は主に机の高さと躰の位置との関係によるのだそうだ。その人は痛いのでトラックボールに変えたそうである。確かにあれなら親指だけで動かすから腕は痛くならないような気はするが、人のPowerBookを使ったときにあのくるくる回しながら動かすカーソルの移動が遅くて苛々するのでどうも購入に踏み切れないでいる。しかし、このまま痛みが激しくなったら購入せざるを得ないだろう。足マウスというのもあるが、値段が高いし、本当に足でマウスを操作することなど可能なのだろうかという不安もある。カーソル加速ソフトを見つけてトラックボールにしようか。今でも私はマウス加速ソフトを入れて、手首をぴくりと動かすだけで、数十センチメートルもカーソルが動くように調節しているのだ。
MacOS 8.5情報である。MacGadget.deによるとMacOS 8.5は10月17日に英語版、ドイツ語版、フランス語版、イタリア語版、スウェーデン語版が同時発売になり、その他の日本語版などはちょっと遅れて発売になると報じていた。ドイツでは200DMほどで発売されるらしい。この頃マルク高なので17000円くらいになってしまう。発売時期については一昨日のMacnews.deの情報と一致しない。どちらが本当なのだろう。
10月2日(金) Robert Charles Wilson DARWINIAは出だしが読みにくく、まだ34ページである。
この頃、仕事で文章を書くことが多い。そうなると朝から晩まで起きている時間の八割くらいをコンピュータの前に座って文章を作っている状態になってしまう。そのせいか、右腕が痛くなってきた。私はマウスが苦手だということは何度も書いているが、どうにも我慢できないくらい痛くなってきた。なるべくキーボードから操作するようにしたり、左手でマウスを動かすようにしたりしている。それにしても、左手でマウスを動かすのは甚だ難しい。私は左手が特に不器用らしいのだ。左手で砂糖をスプーンで掬ってコーヒーに入れることすらできない。激しく震えてそこら中に砂糖を撒き散らしてしまう。キーボードのキーは打てるのだけれど。
ロシアのマッキントッシュ関連のニュースページを発見。ロシア語版MacOSの話でも載っていないかと(ロシア語版は7.1までしかなかったのではないかと思うのだが、どうなのだろう)思って時折のぞいているのだが、よく解らない。ペルシャ語に比べれば解りやすいが、発音が想像できる程度だから内容までは無理なのだった。一生懸命キリル文字入力環境を整えてもまったく役に立ちはしないということである。
10月1日(木) 『事件、わたしの場合』読了。話の筋自体に目新しい驚きはないが、語り口の巧さで一気に読まされてしまう。
またMacintoshの話である。MacOS 8.5は英語版、ドイツ語版、フランス語版、イタリア語版、日本語版、スペイン語版、スウェーデン語版が世界同時発売になるという噂があると先日書いたが、ドイツ語版は英語版から14日遅れて発売になるとMacnews.deに出ていた。ドイツ語版MacOSを売っているところ(今はまだ8.1だけれども)も見つけたので、今度こそドイツ語版を購入してやろうと思っている。
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