9月30日(水) ジェニファー・シュート『事件、わたしの場合』(安野玲訳/580円/扶桑社ミステリー)を訳者の安野さんからいただく。どうもありがとう。普通、自分から書店で手に取って買ってみようと思う分野の本ではないのだが、薄いから読んでみよう。

 筑摩書房から刊行される『英国短篇小説の愉しみ(仮題)』の校正刷りが届く。11月から毎月一冊出るらしい。全三巻なのだが、第一巻には私が担当した分は収録されたなかったことが少々残念である。

 図書館流通センターに本を註文。
J・G・バラード『殺す』(山田順子訳/1300円/東京創元社(海外文学セレクション ))
小谷真理『ファンタジーの冒険』(660円/ちくま新書)
『岩波講座言語の科学11 言語科学と関連領域』(3400円/岩波書店)
『書物の王国 王侯』(2100円/国書刊行会)
グレッグ・ベア『凍月』(小野田和子訳/560円/ハヤカワ文庫SF)
F・ポール・ウィルスン『ホログラム街の女』(浅倉久志訳/660円/ハヤカワ文庫SF)
井村君江『妖精学入門』(講談社現代新書)
以上7冊。9500円くらい。早く届くと嬉しいのだが。


9月29日(火) 予想外に時間がかかってしまったが漸くPhilip PullmanのTHE GOLDEN COMPASSを読み終える。主人公が13歳の少女で、若年層向けの本ということになっているがなかなか読みごたえがある。我々の世界に似て非なる別世界が舞台で、そこではdaemonという様々な動物の姿をした生命体が人間には必ず一体付いているのだった。北極で発見された「塵」という物質にはどうやら不思議な力があるらしい。この物質を巡って陰謀が渦巻く。「塵」は別世界への入口にもなり、daemonの存在の謎を解く鍵をも握っているようだ。少女は「塵」を巡る陰謀に巻き込まれ、ロンドンからスカンジナヴィア北部へ、そして別世界へと進む大冒険が始まった。
 読み終わっても「塵」の謎もdaemonの謎も全く解明されない。これは三部作の第一部だったのだ。文章がどうも読みづらく思いのほか時間がかかってしまった。文章が難しいという訳ではないのだが、子供っぽい部分と難解な部分が混在している上にだらだらと長い部分があるような気もする。最終的には全部読み終えてから判断しなければならないが、邦訳を出したら評判よさそうな感じの本である。

 ロバート・チャールズ・ウィルスンのDARWINIAを読み始める。1912年に突然ヨーロッパが消滅する話らしい。

 SFマガジンの書評用の高野史緒『ヴァスラフ』(中央公論社)の校正刷りが早川書房から届く。ヴァスラフ・ニジンスキーというバレエ舞踊家を主人公にした戯曲形式で書かれた作品である。ニジンスキーとはいっても生身のニジンスキーではなく、第一次世界大戦前夜のロシア帝国のコンピュータ・ネットワーク上に存在するダンサーである。200ページ弱の短い作品なので一気に読み終える。バレエは苦手だが、本書の不思議な力に圧倒されるとともに、ニジンスキーという人物に強い関心を抱いてしまった。本書の力も主にニジンスキーという人物の魅力によるものである。しかし、SFマガジンの「今月のクロス・レビュー」というのは一つの作品を三人で紹介するので、ちょっと怖い。昨日の電話で「作者御本人も是非中野さんにもということですので」と云われて驚いて引き受けてしまったが、何故私なのだ。

 10月17日発売と噂されているMacOS 8.5は英語版、ドイツ語版、フランス語版、イタリア語版、日本語版、スペイン語版、スウェーデン語版が世界同時発売になるという、これまた噂がある。そうなるとどうしてもドイツ語版が欲しくなる。しかし、一体どこで買えるのだろう。


9月28日(月) ひと月ほど前からFAX送信の具合が悪い。特にNisusWriterとの相性が悪いようで、白紙が送信されてしまうのである。もう一つ都合が悪いのは、FAX SENDERの宛先登録の名前がキリル文字で表記されて、日本語の名前が読めないということである。今度からはPreview画面で確認して送れば多分大丈夫だろう。

 Interware社のBooster 64・54 G3 230CHAMPに註文。77800円+消費税+送料である。Mac ACADEMYの方が3000円安いのだが、二日で完売してしまったらしいし、WWW画面からの註文を受け付けず、電話しなければならないのが、気に入らないのだった。これで私のPerforma6400がもっと速く動くようになる筈なのだが。


9月27日(日) 晶文社のオンライン書店の本の原稿の修正稿を書き終え、送信。

 図書館流通センターに註文したい本があるのだが、昨日から全然繋がらない。


9月26日(土) 東京創元社からJ・P・ホーガン『量子宇宙干渉機』(内田昌之訳/920円/創元SF文庫)が届く。今度のホーガンはちょっと面白そう。それにしてもこの頃、内田さんの訳書の刊行を頻繁にいただいているような気がするのだが、気のせいだろうか。
図書館流通センターから本が届く。ハウフ『盗賊の森の一夜』(池田香代子訳/600円/岩波文庫)一冊のみであるが、読みたい本ばかり届くので大変だ。まあ、普通、読みたい本を買う訳だが。

 一昨日と昨日はキリル文字の入力と表示の話をしたが、今日はギリシャ語の話である。論文などで時折ギリシャ文字を入力しなければならないときは、Symbolというフォントにして書いていたのだが、ギリシャの書店Bookstore Lilli Zachariadisを見に行って、これは一つギリシャ語もギリシャ語として入力と表示もできるようにしておこうと思った。キリル文字のときと手順はあまり変わらず、Eudora Greek 1.0.1からギリシャ語スクリプトを持ってきて、どこからかGreekSystemというセットを見つけてきたのでフォントを少々追加して出来上がりである。こう書くと僅か四行で完成だが、途中でシステムファイルに異常が生じたり、昨日のロシア語の調子が悪くなったりで些か慌てたのであった。それでも最終的には目的通りギリシャ語スクリプトが追加された。スクリプトが増えて切り替えが甚だ不便になったが、それでも嬉しいのはなぜだろう。

 夕方になっても多言語表示への熱は冷めず、Eudora Greek 1.0.1は古いような気がしたので、まずversion 1.3を見つけて入れ換えた。更に、中欧語スクリプト、トルコ語スクリプト、また中欧語、トルコ語、ルーマニア語、アラビア語、エスペラントのフォントとキーボードレイアウトを入手。しかし、流石にトルコ語スクリプトまで入れる気にはならない。中欧語、エスペラントのフォントをシステムに追加し、中欧語のスクリプトを入れたが、そこで"System is damaged"の表示が。起動ディスクの切り替えと再起動を繰り返し、結局、中欧語スクリプトの組み込みを諦める。エスペラントのキーボードレイアウトも最初のが期待通りに働かないので、別のに換えてようやく落ち着く。恐らく私がポーランド語やチェコ語を入力することは当分ないだろう。ホームページを見る可能性は否定できないので、日本語、西欧ローマン(英独仏西、北欧など)、中欧ローマン(ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語など)、キリル文字(ロシア語、ブルガリア語など)、ギリシャ語、エスペラントなどが読めるようにNetscape Navigator 4.04 (de)のフォントの設定を行なう。しかし、まだエスペラントはちゃんと表示されるようになったかどうか自信がない。というのはこの頃エスペラント固有の文字の使用を避け、gに^がついた文字などをgxで置き換える表記がインターネット界では主流となったきていて、私の設定の効果を実証できる場所が少ないからである。でも、ワープロでの入力は可能になったのであった。おっと、ルーマニア語のフォントの組み込みを忘れていたが、これは私がルーマニア語を身に付けるか、ルーマニアの書店のホームページを見つけてから組み込むことにしよう。Macintoshにおける各国語の入力と表示についてはhttp://www.hf-fak.uib.no/smi/ksv/に詳しい。


9月25日(金) 今日もキリル文字の話である。昨日文字化けしていて何と書いてあるか解らなかったロシア語表示のためのスクリプトファイルはКириллицаと書いてあることが解った。キリル文字の言語ってことですかね。
 これでキリル文字は扱えるようになった。念のために記しておくが、上に書いたКириллицаは日本語のフォントである。これなら勿論前から書くことはできた。しかし、文字パレットから一字一字拾ってゆかねばならないし、字面はどこから見ても間延びしているし、つまりCyrillicと書けないからCyrillicと書いているのと等しい状況だ。さて、次はキーボードレイアウトを何とかしたいと思った。このままでもキリル文字を直接キーボードから入力できるのだが、聞くところによるとロシア語のキーボード配列にはRussian Typewriter型とPhonetic型があるらしい。前者は正統的なロシアのタイプライターのキー配列なのだが、私には馴染みがなくどこに何の文字があるのかさっぱり見当がつかない。後者は英語のタイプライターの文字に発音の近い文字を対応させて配置したもので、これなら私にも解りやすい。iのところにи、uのところにуなどとなっている訳だ。そこで、UltimateCyrillicScript 1.4.1とCyrillic Keyboardsというフリーウェアをダウンロードし(前者はなくてもよかったのだが)、インストール。キー配列は沢山用意されているが、私の目的に合うGF Cyrillic Capsというのだけを残す。それにしても、UltimateCyrillicScriptの説明は総てロシア語である。これからロシア語を扱えるようにしようとしているのに、ロシア語がうまく扱えるようになってからでないと説明が読めないのだ。勿論、ロシア語が表示できるようになった今でも私には説明は読めはしない。ローカライズ版MacOSでちゃんと動くかだとか、USC Extensionという機能拡張ファイルの働きだとかが説明されているのだけれど。
 とにかくこれでキリル文字の入力と表示は万全だ。しかも無料で(あの高いApple社のCyrillic Language Kitを買わずにすんだ)、簡単に達成できた。さて、次はどの言語にしようか。これを読んで便利そうなホームページを教えてくれた人もいたので(ありがとうございました)、夢は広がるばかりだ。それより、ロシア語を勉強する方が先か。

9月24日(木) SFマガジン11月号着。今月の特集のブレイロックだけはなんとしても読まねば。それから今月の中藤龍一郎氏の「”笑える”ユーモアSF大紹介!」では、私が密かに気に入っていたマイクル・カンデルのPANDA RAYを大きく紹介しているので些か悔しい。

 そういえばSFマガジンの原稿の〆切りは明日じゃないか。ということで書き始めるのだが、SFBookscopeの他の人が担当しているところを読むと、どうも〆切後に発売されている本がよく紹介されているのだ。理由は二つ考えられる。本になる前にゲラの状態で読んで紹介した(私も昨年夏までは毎月のようにやっていた)という可能性と、〆切りなんか守っちゃいないという可能性だ。私は後者の場合の方が多いような気がするのだが、とにかく私は〆切りは守るようにしているので、夕食後風呂に入ってから書き始め、深夜零時頃送信。今月はダン・シモンズ『エデンの炎』、アラン・D・フォスター『不機嫌な魔界の旅人』、藤田雅矢『蚤のサーカス』の三作品。

 原稿を送ってから、私は一つやりたいことがあったのだ。晶文社のオンライン書店の本の原稿のためにロシア東欧の書店を探していたら、どうしても私のPerforma6400でロシア語を扱えるようにしたくなったのだ。正確に言うとキリル文字を扱えるようにか。少々ロシア語表示関係のWWWページを読んでから、Eudora Cyrillic 1.3というのをダウンロード。それからApple社のFTPサイトからロシア語フォントをダウンロード。ロシア語(キリル文字)フォントはシステムのフォントフォルダに入れて、Eudora Cyrillic 1.3から「願齏頽 」をシステムという名のファイルに入れ込む。皆さんには化けた文字しか見えないでしょうが、実際ファイル名はこういう化け文字でしか表示されない。多分ロシア語でロシア語って書いてあるのだと思う(ひょっとしたらРусскаяと書いてあるのかも知れない。日本語の場合には日本語って書いてあるから)。そうして再起動してみると簡単にロシア語が扱えるようになったのだった。但し、Finderでは使えない。多分フォントが対応できないからだ(ロシア語が表示できるようなフォントを選んだら日本語が表示できなくなってしまうので、これは困る。いつの日か、両方表示できる時が来るに違いない)。これで、日本語、英語(西欧の言語)、ロシア語(多分ウクライナ語やブルガリア語も)が混在した文章だって書けるようになった訳だ。問題は、私がロシア語が解らないということだ。キーの位置がさっぱり解らないのも困る。ちょっと勉強してみようか。ちょっと勉強したくらいではどうにもなりはしないのだが。今のところ、ロシア語入力がが可能になって、スクリプトの切り替えの時に余計な言語が増えて不便になったというだけのことなのだった。やれやれ。


9月23日(水) 恩田陸『六番目の小夜子』を読み終える。本当はSFマガジンの原稿を書く筈だったのに。学校の伝説を題材にした話は安直な怪談噺になりがちだが、この本は勿論そんなことはない。この頃、学校を舞台にした話をよむ妙に嬉しくなってしまうのは、自分にとって二度と訪れることにできない別世界になってしまったからか。歳をとったということか。しかし、私の高校時代は楽しくも何ともなかった。つまらない日々が延々と繋がった期間であった。私は本ばかり読んでいた。

9月22日(火) ダン・シモンズ『エデンの炎(下)』を読み終える。マーク・トウェインの冒険と現代の主人公の話が平行して進んでいくところと、結末で邪悪な神々と戦うのが思いもかけない人物であるところは実に巧いとしか云いようがないのだが、私にはちょっと長すぎる。

9月21日(月) ダン・シモンズ『エデンの炎(上)』を読み終え、下巻へと進む。今のところまあまあ面白いが、何だか随分古風な話の展開だ。

 先週金曜日の日本経済新聞に出ていたのだが、富士通、日立製作所、大日本印刷、ユーシーカードの四社が小学館、講談社など30社の出版社と協力して雑誌、コミック、一般書籍をインターネットを通じて電子ファイルの形式で販売する計画があるという。大日本印刷の専用ホームページで十一月から実用実験を開始して来春以降に商用化を計画しているのだそうだ。当初販売が予定されているのは、講談社の「週刊モーニング」「現代」、JTBの「るるぶ」など50種。価格は1ページ20−50円。当面は私にはあまり縁のない出版物ばかりのようだ。私としては検索するもの以外は紙にインクで印刷されたものの方がいい。
 同日の同紙に、システムソフトは電子辞書『日外現代イタリア語表現辞典』をWWWページ上で販売する記事が載っていた。売り上げが1000本に達したら店頭販売に切り替えるのだそうだが、これは電子ファイル形式での販売という意味ではなく、単にWWWページ上で申し込むとCD-ROMが送られてくるということのようだ。なあんだ。私はてっきり電子ファイルをダウンロードして購入するのかと思って喜んだのに。しかし、辞書だとダウンロードに時間がかかるなあと要らぬ心配までしたのだ。こういうことはわざわざ記事にせず広告で出して欲しいものだ。


9月20日(日) 早川書房よりダン・シモンズ『エデンの炎(上・下)』(嶋田洋一訳/角川文庫/各700円)が届く。SFマガジンのファンタジイ評用のものである。本当は先月紹介する筈だったのだが。

『不機嫌な魔界の旅人』読了。面白いのだけれど、このシリーズちょっと飽きてきたというのが正直な感想である。

 ロバート・ジョーダン『聖竜戦記2 異世界への扉』を読み終える。やっと話が展開してきたような気がするが、もっとてきぱき話を進めてもらいたいものだ。主人公は相変わらずぐずぐず悩んでいる。文句ばかりだが、実は『不機嫌な魔界の旅人』より楽しく読み終えてしまったのだった。

 晶文社のオンライン書店の本の原稿を書き終える。20枚半書いてはみたものの、こんなものでいいのかどうか自信はない。〆切りまで一週間以上あるのでこれでいいでしょうかと聞いてみて、期待していたものと全く違うものだったら書き直せばいいと思って、とりあえず送ることにする。

 また颱風が近づいている。福岡は水が足りないくらいなので、雨が降ってくれた方がいいのだが、埼玉の実家の方は五号のときにかなり水が多かったというから些か心配である。過去に何度か床下・床上浸水を経験している地域なのだ。私の家は床上まではないけれど。十日ほど前に大宮市や与野市でかなり浸水した家があるというニュースを見て、実家に電話したら母に「本が心配なのね、私たちのことじゃなくて」などと云われた。まあ、その通りなのだが。とにかく水は大したことなく、本は無事だから安心しろと云っていた。


9月19日(土) 藤田雅矢『蚤のサーカス』読了。あやしげなサーカスやカーニバルがでてくる話にはなんともいえない魅力がある。それが蚤のサーカスなのだから胡散臭くない訳がない。この少年たちのひと夏の冒険の物語を今年の国内ファンタジイの第一位に押すことに決めた。

 続けてアラン・D・フォスター『不機嫌な魔界の旅人』を読み始める。こちらは相変わらずの舞台に相変わらずの話の展開である。


9月18日(金) 図書館流通センターから本が届く。藤田雅矢『蚤のサーカス』、恩田陸『六番目の小夜子』、ギル・アメリオ『アップル薄氷の500日』の三冊。『蚤のサーカス』を真っ先に読みたいところだが、残り70ページとなっているPhilip PullmanのTHE GOLDEN COMPASSを先に終わらせようか悩むところだ。

 今日届いたMacPower十月号を捲っていたら、TATEGAKI 2.0.2というのを見つけた。これを使えばこのページも縦書きになるのかと思ったが、本質的には横書きなので左にページが捲れていく訳ではない。長い文章を扱うには不向きと思い、私のページに適応するのは見送ることにする。T-Timeを購入しようかとも思っていたが、こちらは横書きのテキストを縦書き表示に変換してくれるテキストビュワーってことなので、私のページが縦書きになる訳ではない。でも安いから買っておこうかとも思っている。


9月17日(木) Bookpagesからの本を手に取る。Molecular Glycobiologyという本で、小説ではないのであった。ざっと見た感じではあまり役立ちそうにない。しかし、こういう本は全部が有益なことはまずないから、少しでも何か得るところがあればいいのだ。

9月16日(水) 図書館流通センターから本の発送の連絡があり、先月23日の註文のうち岩波文庫だけ入荷していないけれど、入荷分だけ送料無料で送ってくれるということである。親切なところなのだ。でも、発送の翌日に未入荷分が入荷するというような間の悪いことがえてして起こるものである。

 Bookpagesから本が届いたのだが、その時たまたま家に誰もいなかったので、帰宅すると不在連絡票だけが虚しく机の上に載っていた。宅配便だと電話するとその日のうちに持ってきて貰えるが、郵便局は翌日以降になるので、一分一秒でも早く本を手にしたい私にとっては苛立たしいことである。


9月15日(火) 早朝だけ仕事に行った後、晶文社のオンライン書店の本の原稿を書く。半分をこえるところまで進む。各書店のホームページを確認しながら書き進めていったら、もう繋がらなくなってしまっているところや、すっかり様変わりしているところがある。ついでに世界の書店リンク集の修正も兼ねて原稿を書き進めていったのだが、結構電話代がかかってしまったような気がする。

 私はコンピュータで使うマウスという奴が苦手である。マウスを完全に否定してしまうとMacintoshは使えなくなってしまうのだが、マウスを頻繁に使うと右手が痛くなってしまうのだから仕方がない。今日の原稿はまさにマウスの多用を要求するものだったので、夕方には右腕が痛くなってきてしまった。足マウスが欲しいと思うのはこういうときだ。あれはまだ売っているのだろうか。


9月14日(月) Amazon.com Booksから本が届いた。
Nancy Springer FAIR PERIL (Avon, $4.79)
Nicholas Christopher VERONICA : A NOVEL (Avon, $5.59)
Jerry Jay Carroll INHUMAN BEINGS (Ace, $10.40)
Patricia Anthony GOD'S FIRES (Ace, $5.20)
Sheri S. Tepper SIX MOON DANCE (Eos, $23.00)
Sean Stewart MOCKINGBIRD (Ace, $15.37)
Elaine Bergstrom THE DOOR THROUGH WASHINGTON SQUARE (Ace, $5.59)
の七冊。テッパーの本の大きさは私の読む気を一瞬にして消散させてしまう。その他はどれも面白そうで読みたいものばかり(普通読みたいものを買うのだろうが)。しかし、経験的に全部を読むということはないと思われる。Philip PullmanのTHE GOLDEN COMPASSはやっと200ページを越えた。

 早川書房からロバート・ジョーダン『聖竜戦記2 異世界への扉』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT/600円)が届く。どこまで話が進んでいたのか殆ど覚えていない。


9月13日(日) 晶文社のオンライン書店の本の原稿を書き始めてみる。こういう内容の文章は書いたことがないので、導入部をどうしたらいいか悩む。20枚というのはもしかしたらこれまでに書いた原稿の中で最も長い枚数ではなかろうか(もちろん、翻訳は別である)。

 昨日、CalendarMenuが諸悪の根源のように書いてしまったが、終了時のエラーは全く改善されなかった。EGBridgeやOSA Menuなどのメニューバーから選ぶ項目が選べない状態は改善されたのではあるが。MacOS 8.5になって状況が変わるんじゃないかと、何の根拠もない希望を抱いて、今はもう何もしない。


9月12日(土) 言語10月号着。今月の特集は「地中海文明と言語」である。素人でも読めるものが多く、内容も興味深いので楽しみである。今月は絶対読もう。毎月そう思うばかりでなかなか読めないが今月は読む、必ず読む。

 この頃、Performa6400の調子が悪く、特にNetscape Navigatorを使った後、終了時にシステムエラーが起きる原因はどうやらCalendarMenuというものにあったようだ。メニューバーにカレンダー項目を追加するものでなかなか便利だったのだが。同様のシェアウェアがいくつかあるようだが、予定を書き込めなかったり値段が高かったりするので、これが気に入っていたのだ。尤もControl StripにMONUmentというカレンダーを入れてあり、CalendarMenuがなくなってもすぐに困るということはないので外す。

 夕方から頭痛が酷くなってきたので、熱い風呂に入って寝ることにする。私は熱い風呂は苦手だが頭痛の時だけは、熱い風呂が効くのである。


9月11日(金) Locus九月号着。World Fantasy Awardの候補作が載っている。短篇集部門のPeter S. Beagle GIANT BONESは読んでいるが、長篇部門に読んだことがある本が一冊もない。以前は、賞の候補作になったかどうかなど自分には関係なく、自分が面白いと思う本だけ買っていればいいのだと思っていたが、この頃ちょっと考えを改めて、こういうことにも多少は気を配っておいた方がいいという気持ちになってきた。いや、長篇の候補作を一冊も読んでいないというのは間違いだった。『呪いのデュマ倶楽部』は邦訳があるので読んでいた。しかし、あれはファンタジイか? Charles de LintのTRADERは一昨日註文したので、候補作から二・三冊来月註文しよう。

 明日は休みなのでだらだら無駄な時間を過ごしてゆっくり休むことにする。私にとってだらだら無駄な時間を過ごすとは、本を読む時間があるのに本を読まないということである。夜九時からテレビを観る。借金に追われて自殺しようとまで思っていた夫婦がひょんなことから探偵と間違えられてその場を誤魔化しているうちに事件を解決してしまうという、だらだら無駄な時間を過ごすとしかいいようのない番組である。心も躰もでろっと弛緩させて気持ち良く観ていたのだが、結末近くになって(番組終了から十分前くらいだろうか)、草刈正雄演ずる主役が「食べレナカッタ」という言葉を発し、すっかり気分が悪くなる。下らないテレビなど観るんじゃなかったと深く後悔して寝る。この頃、たまにテレビを観ると大抵こういうことになってしまうので困っている。英米の映画を英語で観るのなら、そういうことが気にならないので大丈夫だが、話がよく解らないまま結末を迎えてしまうこともあるのでそれもまた困る。字幕つきの洋画が一番いい。映画館に行って映画を観たくなってきた。


9月10日(木) 図書館流通センターから本が届く。ジョン・クルート編著『SF大百科事典』(浅倉久志ほか訳/グラフィック社/6500円)とアンドレイ・コドレスク『血の伯爵夫人1・2』(赤塚若樹訳/1:2200円、2:2300円/国書刊行会)である。『SF大百科事典』については、私はJohn Clute and Peter Nicholis THE ENCYCLOPEDIA OF SCIENCE FICTIONの全訳だとばかり思っていたが、本を手に取ってみたら違うものだった。安いので変だとは思っていたのだが。写真が多く、文字が少ないので、ちょっと損した気分である。

 来月、中山書店から出る『医師・医療関係者のためのインターネット(全面改訂第三版)』という本にURLを載せたいが構わないかという問い合わせがあった。医療関係者はちょっと嫌だなと思ったが、結局承諾の返事を出してしまう。

 晶文社の人から『オンライン書店の使い方』という年末刊行予定の本に原稿を書かないかというメールがきた。当然引き受けるが、〆切りが二週間後というのは些か厳しい。そういえば私の名前が中野善男と書いてあった。ということは日経Macを見たのだろうか。

 どうも大学のメールサーバに繋がりにくいことがあるので、メールアドレスを変えようと決意する。新しいアドレスはyosh@dent.kyushu-u.ac.jpである。これも大学のものなのだけれど。もちろん、今まで使っていたアドレスがなくなる訳ではないので、徐々に移行したいというだけのことである。


9月9日(水) 昨日書いたようにこの頃気分がすぐれないので、本を買うことにする。Amazon.com Booksに五冊註文。
Charles De Lint, TRADER (February 1998) Tor Books, $5.59
Michael Swanwick, JACK FAUST (September 1998) Avon Books, $10.00
Kathleen Alcala, SPIRITS OF THE ORDINARY (May 1998) Harvest Book, $9.60
Philip Pullman, THE SUBTLE KNIFE (May 1998) Del Rey, $4.79
Patricia A. McKillip, SONG FOR THE BASILISK (September 1998) Ace Books, $16.07
 送料は$13.75であった。最初の四冊は昨年出て今年ペーパーバックになったものばかり。THE SUBTLE KNIFEはTHE GOLDEN COMPASSの続篇。このところ急激なドル安になっているので、すばやく決済されるといいなと思っていたが、今日の夜ロンドンでは一気に五円近くも円安になり、ちょっとがっかり。

 Katsuyo Motoyoshiさんに教えてもらった話なのだが、こんな記事がChicago Tribuneに載っていたそうである。"Book fungus Can Get You High"という題の短いもので、古い本に発生する黴の胞子には幻覚を誘発する作用があって、普通の大人はすぐにそれでどうこうなる訳ではないが、長時間その胞子を吸引したり、あるいは子供だったりすると、かなり気分に変化がみられるらしい。これはR. J. Hay博士がイギリスの医学雑誌Lancetに発表した論文に書いてあったことだというので、ちょっと大学の図書館で検索してみたけれど見つからなかった。古い本といっても私が持っているような本ではなく、本物の革を使って装幀したような(あるいは羊皮紙か)本のことのようだ。図書館で古い本に囲まれると嬉しくてたまらないのは気のせいではなかったということか。


9月8日(火) 寝坊する。Philip PullmanのTHE GOLDEN COMPASSはまだ100ページ。Performa6400はこの頃すぐフリーズする(特に終了時に)。何もかもが調子が悪いような気分になる。

9月7日(月) 昨晩遅かった割には寝坊もせずに目が覚めたが、本の夢を見た。書店で月刊誌を一冊買うのだが、その雑誌の定期購読の申し込みを数週間前にしたばかりで、今日か明日にも郵送されてくる筈のものだったのだ。「しまった、定期購読を申し込んだことをすっかり忘れていた。無駄な買い物をしてしまった」と後悔する夢であった。やれやれ、情けない。

 昨日Virtualというシェアウェアについて書いたが、私は随分勘違いしていたようだ。画面は最大24面にまで増やすことができ、移動用小窓も消すことができ、ショートカットキーでの移動もちゃんと設定されているそうだ(ということを、これを読んだ方が送ってくれたメールで知った)。Virtual Desktopの方が負けている。有料なのにはそれなりに理由がある訳だ。Virtual Desktop 1.9.3はMacOS 8.5対応だというところは優位に立っているところではある。私は24面は必要としていないので、無料の方を暫く使うことにする。ここ数日急激な円高が進んでいるが、必要のないシェアウェアに$10.00はもったいない。本が一冊買える額である。


9月6日(日) 『ミサゴの森』の内容紹介20字x10行を書いて正午に送信。昼からは、『世界幻想文学映画事典』の校正。夜の11時半までかかる。私にとっては真夜中である。明日は寝坊するかも知れない。

 Macintoshの話である。今日からVirtual Desktop 1.9.3というのを使ってみる。モニタ画面を仮想的に九倍にしてくれるものである。矢印キーでひょこひょこと移動しながら使ってみるとちょっとだけ便利になったような気がする。本当は本物のモニタをもう一台繋ぎたいところなのだが。同様のVirtualというソフトもあるが、こちらは画面が四倍にしかならない(四倍で十分のような気もするが)、移動に使う小さな窓を一時的に消すことができない、キー操作で移動できない(できるのかも知れない)、フリーウェアではない、などの点でVirtual Desktopに負けている。ついでに、モニタの設定を1024x768,75Hzにしてみる。画面が広くなったように感じられる。字が小さくなってしまって困るかと思ったが、そうでもない。


9月5日(土) SFマガジン11月号の<世界幻想文学大賞&ブラム・ストーカー賞特集>の作品紹介のためにロバート・ホールドストック『ミサゴの森』(小尾芙佐訳/角川書店)を読み始める。この本なら今から読んで作品紹介を書いてもいいと云ったことをちょっと後悔する。『世界幻想文学映画事典』の校正刷りに目を通し、明日中に送り返さなければならないことになっているのをすっかり忘れていた。
 夕方『ミサゴの森』を読み終える。機会があったら読みたいと常々思っていた本であった。期待が大きすぎたせいか予想していたほどの感動はなかった。アーサー・マッケンの焼き直しじゃないかという気すらした。イアン・マクドナルドの『黎明の王 白昼の女王』に自分が書いた解説を読み返してみたら、あたかも『ミサゴの森』を読んだことがあるかのような文章が書いてあるではないか。あれは詐欺だ、と思った。私はこの本の続篇LAVONDYSSまで持っているのに読んでいなかったのである。書棚にはTHE HOLLOWINGという本もあって、これも森の話のようだ。ひとつ読んでみようか。作品紹介も書いてしまおうと思ったのだが、娘に邪魔されるので諦めて寝る。

9月4日(金) クロウリー『リトル、ビッグ』の短い内容紹介を書き、昨日書いたコリンズの文と合わせて早川書房に送信。

 A1booksに本を註文しようとしたら、海外からはアカウントを登録できないと云われたという情報を川辺治之さんから頂いた。最近この書店から本を購入した方の情報を求む!

 本日発行の日本経済新聞によると、YahooはAmazon.com Booksと書籍販売の広告で提携すると発表したという。何をするのかというと、Yahoo! JAPAN上にAmazon.com Booksに直結するボタンを新設するだけのことらしい。それでヤフーは三年間に385万ドルを広告費用の対価として受け取り(今年度中に新システムの開発費用として25万ドル、広告宣伝費として来年度に132万ドル、再来年度に228万ドル)、ヤフー経由で書籍やCDが売れるごとに一定の販売手数料を受け取るという。来年四月から始めるらしいが、広告費を毎年220万ドル払うとするとそれに見合う利益が増えなければAmazon.com Booksは割に合わないということになる。日本人がそんなに英語の本を買うだろうか。よく英語の本を買うような人は既にAmazon.com Booksをはじめとするインターネット上の書店で本を買っている人が多いに違いない、と思うのだがどうだろう。

 同じく日本経済新聞によると角川書店は来年一月にも「角川ミニ文庫」の定価を撤廃するらしい。大手出版社が初版から価格拘束を外すのはこれが初めてという。また、今年十月からは「東京ウォーカー」も時限再販(一定の条件で書店が価格を決められるというものらしい)とするとか。私は「角川ミニ文庫」も「東京ウォーカー」も買ったことがないのであまり関係ない。


9月3日(木) SFマガジン11月号の<世界幻想文学大賞&ブラム・ストーカー賞特集>の作品紹介を書かないかという連絡があったのだが、挙げられた本を私が殆ど読んでおらず、クロウリー『リトル、ビッグ』とコリンズ『ミッドナイト・ブルー』について書くことになる。帰宅してから『ミッドナイト・ブルー』について20字×10行で紹介。たった十行でも一時間近く掛かるのであった。

9月2日(水) 先月はリクルート社の「あちゃら」という雑誌で書店リンクのページを紹介したいというメールが来て、十月号の51ページ(付近)に載っているらしいのだが、今度は今秋発行の『ビブリオファイル』という書籍に私のところを紹介したいというメールが来た。アクシスパブリッシングというところが作っているのだそうだ。そういえば二週間ほど前に、テレビ東京の番組を制作しているという会社から「ら抜き言葉」に関する番組をつくるので「ら抜き言葉撲滅委員会」に協力をお願いしたいというメールが届いたので、FAXを送ったのにその後何の連絡もない。どういうつもりだったのだろうか。

9月1日(火) このところ少々仕事が忙しく、私の頭の中は核磁気共鳴スペクトルでいっぱいである。

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