11月30日(日)

 今日はパンばかり焼いてゐて、本があまり読めなかった。人はパンのみで生きるのではないといふ言葉あるけれども(マタイ四章四節[尤も、私はキリスト教を信仰はしてゐない])、人は本だけ読んでゐても生きてはいけないのだ。パンも必要なのだ。だから、パンに関する本も買ふ必要があって、たとへば、パンの出てくる推理小説とか、パン屋が活躍するSFなんていふのを買ってもいいかも知れない。いや、そんな話をしようとしたのではなくて、本を読む時間がなかったのだ。他にも牛頬肉のGulaschsuppe風も作ったけど。いやいや、さういふ問題ではない。牛頬肉かパンかといふ問題ではないのだ。何を云ひたいのか自分でも判らなくなってきた。もうパン食べて寝よう。

 今日は麻生首相は書店で本を四冊買ったさうだ。本を四冊買っただけで、時事通信とか読売新聞とかスポーツニッポンで報道されてゐるが、そんなことどうでもいいんぢゃないだらうか。他にもっと大事なことがあるのではないか。そりゃあ、万が一にでも、『魔法使いとリリス』 [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]でも手に取ったのなら、大々的に報道していただきたいが。


11月29日(土)

『予想どおりに不合理』(熊谷淳子訳/1800円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。これは面白い。プラセボ効果、とくに高価な偽薬は安価な偽薬よりも効果が大きいこと、そして最後の不正の問題は驚かされる。現金から離れることがそんなに人の判断に影響を与へるとは。私は現金が嫌ひなので気をつけよう。
 第八章の、たとへ意味がなくても選択の幅を確保しておきたがるといふ実験結果には新鮮な驚きを感じたが、実は私は選択の幅を狭めるのが大好きだ。一度決めたものを変更するのが嫌なので、まだ本当は選べる道が残ってゐても自ら選択肢として残さないやうにしてしまふのだ。だから将来を左右する選択でもほとんど悩んだことがない。行動を一つに決めてしまふと生きていくのがかなり楽になるし、効率もいい。いろいろ悩まなくていいから。選択の幅が広いといふのは私にとっては悪夢である。どうも私はかなりの変はり者なんぢゃないかといふ気がしてきた。
 全体を通してみると、日頃から自分の判断は信用できないといふ考へが間違ってゐなかったことがよく判った。もっともっと自分の判断を疑はう。自分の判断に何がどのやうに影響を与へてゐるのか、与へ得るのかを考へ続けよう。


11月28日(金)

『予想どおりに不合理』(熊谷淳子訳/1800円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐまで読み進める。最初の方は自分が日頃騙されないやうに気をつけてゐることだったりしたが、社会規範と市場規範のバランスの話は興味深く読んだ。「先延ばしの問題」の章では「大衆に受け入れられない強制的な健康診断」が日本ではそれなりに実行されてゐるところが面白い。全体の利益を考へるとき、口うるさい親のやうな政府の強制も有効である場合があるといふことは、不愉快ながら認めざるを得ないやうだ。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(大浦康介訳/1900円+税/筑摩書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』(大森望訳/933円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●中村弦『天使の歩廊』(1500円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●里見蘭『彼女の知らない彼女』(1200円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●佐々木豊文『頭がよくなる超読書法』(800円+税/PHPビジネス新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上五冊。中村弦と里見蘭はファンタジーノベル大賞受賞作品。最後のは胡散臭い新書。無性に胡散臭い本を読みたくなることがあった、今回もこれが欲しくてたまらなくなった。「すべての文字を眼で追う「速読眼」、高速で情報処理をする「速読脳」を習得する方法を解説。また、その基礎として、「読む」とはどういうことか、「理解する」とはどういうことか考える。真の「能力開発」としての速読法の本。」だといふ。怪しい。怪しすぎる。だから買ってみよう。


11月27日(木)

『予想どおりに不合理』(熊谷淳子訳/1800円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。今のところ、面白い。日頃、騙されないやうに気をつけてゐることもあれば、さうでないこともある。

 エフケイシステム CCDバーコードリーダー USBインターフェイス TSK-Uが届く。UbuntuでもMacOS Xでも問題なくバーコードを認識して読み取った数値を入力してくれる。これは便利だ。蔵書管理システムを作りたくなってきた。

 今日は帰りが遅くなってしまったので、ここまで。続きはまた明日にでも。


11月26日(水)

 紀伊國屋書店から、野田昌宏『レモン月夜の宇宙船』(1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』(熊谷淳子訳/1800円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、樽見博『古本愛』(2400円+税/平凡社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。『予想どおりに不合理』を手に取って読み始めてしまった。最初の三択問題、オンライン版59ドル、印刷版125ドル、印刷板+オンライン版125ドルといふ価格設定で雑誌の定期購読が示されると印刷板125ドルよりも得をする印刷板+オンライン版125ドルを選ぶ人が激増するといふ結果が紹介されてゐる。なぜか私はさういふ損得に基づいて行動することが少ないので、間違ひなくオンライン版59ドルを選ぶと思ふ。それでも、比べる対象があると評価が変はるといふのは、私に対しても多分有効だらう。常に騙されないやうにと世界を疑って生きてゐる私だが、まだまだ疑ひ足りない。何よりも信頼できないのは自分の判断力である。
 とにかく、この本をはやく読みたい。ストロスも面白いところなのだが。

 bk1が、HMVと提携したとかで、今日からDVDやCDを扱ふやうになった。私はbk1の新刊情報RSS機能を利用して、プログラム言語Pythonの新刊書の情報を取得してゐるのだが、今日は突然数十冊のPython新刊情報が流れ込んできた。驚いて題名を見てみたら、ほとんどがMonty PythonのDVDだった。Monty Pythonも好きなので腹は立たないのだが、紛らはしいものだといつも思ふ。


11月25日(火)

 早川書房から、SFマガジン2009年1月号[Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。今月は、新作長篇『スプーク・カントリー』(海外SFノヴェルズ)[bk1]の刊行に合わせた「ウィリアム・ギブスン特集」。インタビューや評論などが多数収録されてゐる。

 Amazon.co.jpから、Yanqing Zhang & Jagath Chandana Rajapakse Machine Learning in Bioinformatics (John Wiley & Sons Inc, 2008/12/3) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。いつ註文したのかも覚えてゐない。こんな高い本を註文して一体どういふつもりなのか。でも、面白さうだからいいけど。


11月24日(月)

 カール・シュレイダー『太陽の中の太陽』(中原尚哉訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。読み進めると思ひのほか緊張感が高まってきて、面白くなった。外の世界との行き来が実はそれなりにあることが解ってきて、事件は風船宇宙の内部の問題ではないのだといふ方向へ進むとSFらしい世界観の拡大と転換を感じさせてくれるのだ。尤も、最後までTVアニメを観てゐるやうな感覚は消えないのではあるが。

 全然期待せずに読み始めたダイアナ・ウィン・ジョーンズ『牢の中の貴婦人』(原島文世訳/680円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]だが、これには驚いた。かういふ結末になるとはまったく予想してゐなかった。そんなことでいいのか! といふ結末である。冒頭で、見知らぬ異世界の牢獄に放り込まれるところで、よくある異世界で世界を二分する争ひに巻き込まれて世界を救ふヒロインになってしまったりするファンタジイかと思ってしまったが、その後は世界の移動もなければ、魔法とか竜とかは全く出てこない。派手な戦ひもない。主人公は最後の数ページに至るまで閉じ込められた部屋から一歩も出ることなく話が進むのだ。そして、この結末! それをここに書いてしまってはこれから読む人の興を殺いでしまふので書けないが、さういふことなのだ。私は傑作だと思ふが、皆がさう思ふかどうかは解らない。


11月23日(日)

 SFマガジン用の2008年度SFマイベスト5を選んで送ったのだが、自分の日記が如何に役立たないか思ひ知らされた。自分の感想を見直してみようと思っても、「なかなか進まない」とか「残り1/5」なんて書いてあるのに読了日の記載がなかったりする。読み終はらなかったのか! そんなことはないと知ってゐるので、ただ書き忘れただけだらう。一体何のために書いてゐるのか。
 今年も海外作品のみ。国内作品は参考リストを眺めてみたら、五作しか読んでゐなかった。ここから五作選んだら詐欺である。

 Amazon.co.jpエフケイシステム CCDバーコードリーダー USBインターフェイス TSK-Uを註文。もちろん、本のISBNを読み取るためである。今までは、実は蔵書管理ソフトを莫迦にしてゐて、蔵書は頭で覚えればいいのだ、『薔薇の名前』のホルヘや《新しい太陽の書》のウルタン師は決してバーコードリーダなんか使はなかった。盲目になっても書棚の位置で本をきちんと覚えてゐたではないか。しかし、やうやく自分がホルヘやウルタン師にはなれないことを認めたわけである。6300円だった。
 Macでは動きませんなんて書いてあるサイトもあったのだが、Linuxで動いたと云ふ報告がいくつかあったので、これにした。蔵書管理システムは既存のアプリケーションを使ふか、自前で作るかはまだ決めてゐない。自分で作ってオンラインでどこからでも見られるやうにした方がいいかなとは思ってゐる。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●野田昌宏『レモン月夜の宇宙船』(1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』(熊谷淳子訳/1800円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●樽見博『古本愛』(2400円+税/平凡社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上三冊。


11月22日(土)

 カール・シュレイダー『太陽の中の太陽』(中原尚哉訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。チャールズ・ストロスとダイアナ・ウィン・ジョーンズがまだ途中なのに。
 風船世界を舞台に繰り広げられる少年の冒険譚のやうに、少なくとも150ページまで読んだところでは、感じられる。動きのはっきりした映像的な場面展開である。簡単にいふとTVアニメを観てゐるやうな印象である。読みやすいといいへば読みやすい。

 Amazon.co.jpから、吉野精一『パン「こつ」の科学』(1600円+税/柴田書店)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と、日経Linux2008年 12月号[Amazon.co.jp]が届く。パンの本は、パンを焼くといふことについて、何が起きてゐるのかを科学的に説明しようとしてくれる。もっと科学的でいいと私は思ふけれども、あとがきに機会があったら中級編、上級編に挑戦してみたいと書いてあるのでそれに期待しよう。でも、出版は難しいかも知れない。これでも、十分科学的なので、意味のわからない自然志向の話なんかがないのは安心して読める。かういふ姿勢の本がもっと増えて評価されるやうになればいいと心から願ふ次第である。これを読んでから作った今日のパンは、今までよりも滑らかで綺麗な仕上がりになったやうな気がする。また明日もパンを焼かう。

 日経LinuxのOpenOffice.org3.0.0の記事を読んで、PDF Importをインストールしようとしたら、MacOSはIntel用しかなかった。甚だ不愉快である。


11月21日(金)

 カール・シュレイダー『太陽の中の太陽』(中原尚哉訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。〈気球惑星〉とは面白い。何冊か読んでゐる途中だけれども、明日から読んでしまはうか。

 先ほどから強烈な眠気に襲はれて、数文字打っては微かな夢を見る状態である。とりあへず、もう寝なければ。


11月19日(水)

 今日もチャールズ・ストロスとダイアナ・ウィン・ジョーンズを中途半端に少しだけ読む。それぞれ、それなりに面白い。

 何だか気分が晴れないので、Amazon.co.jpに、
●吉野精一『パン「こつ」の科学』(1600円+税/柴田書店)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
と、日経Linux2008年 12月号[Amazon.co.jp]を註文。この頃、毎日のやうにパンを焼いてゐるのだ。本を読む暇も惜しんでパンを焼く。今日はとうもろこし粉入り。でも、パンを焼くと手が荒れる(やうな気がする)。人は本を読んでゐるだけでは飢ゑてしまふので、パンを食べたりもしなければならない。そのことを忘れがちだが、人は本のみで生きるのではないといふ言葉を思ひ出さう(←そんな言葉はありません)。


11月18日(火)

 寒くなった。急に寒くなった。

 この頃、パンを綺麗に丸められなくなった。焼き上がるとじゃがいもみたいな形になってしまふ。呪はれてゐるのか。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『牢の中の貴婦人』(原島文世訳/680円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って、うっかり少し読んでしまった。今はストロスを読んでゐる途中だといふのに。まだ50ページ辺りだが、面白い。ストロスを読んでゐるところなのに。

 明朝はやはりストロスを手に取って出勤すると思ふが、このことに気づかれて機嫌が悪くなってゐて読みづらくなるかも知れない。昨日何か私以外の本を読まなかったかねと疑ひ抱かれぬやう平然とページを捲らなければ。といふやうな具合に本が怒るやうになったら何かと不便だらう。


11月17日(月)

 Charles Stross The Merchants' War (Tor, October 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を手に取って出勤。英語の本なので、いつものやうになかなか進まない。

 東京創元社から、近刊案内のメールが来た。アルジャナン・ブラックウ ッド『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』が新訳で。昔、《ドラキュラ叢書》で読んだきりで、すっかり忘れてしまってゐる。これを機会に読むかどうかは解らないけれども、買ひ逃すわけにはいかない作品である。パトリシア・A・マキリップ『茨文字の魔法』は、原書で買ったやうな気がするけれども、いつものやうに読んでゐない。この頃、マキリップは邦訳がきちんと出るから原書で買はなくてもいいのかなと思ひ始めてゐる。あとは、デイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』の文庫化とか。キアラン・カースン『シャムロック・ティー』も多分買ふと思ふ。


11月16日(日)

 Amazon.co.jpからI-O DATA WSXGA+(1680x1050) 22型 ワイド液晶TFT (ホワイト) LCD-AD221XWが届く。古いモニタを外して、これを設置し接続する。広い。横に広いと何かと使ひやすい。何だか、コンピュータ本体まで新しくなったやうな錯覚に陥らせてくれる。文章もすらすら書けさう。仕事も捗りさう。多分、そんなことはないけど。三日もすればこれが普通の状態になって何も感じなくなるのだらうが、今はこの新鮮な喜びを味はひたい。

 紀伊國屋書店から、Jeffrey Ford The Drowned Life (HarperCollins, Nov. 4, 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。ジェフリイ・フォードの短篇集。表題作は読んだことがあるが、大半は未読なのであとで必ず読まなければ。英語の本には珍しく、巻末に著者の後書きと、解説がついてゐる。

 今日は、Transcend SDHCカード 16GB Class6 (TS16GSDHC6)も届いたのだった。これをInspiron Mini 9に装着して、いろいろ試してゐたら、本を読む時間がなくなってしまった。やれやれ。


11月15日(土)

 紀伊國屋書店から、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『牢の中の貴婦人』(原島文世訳/680円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ブライアン・ラムレイ『タイタス・クロウの帰還』(夏来健次訳/1000円+税/創元推理文庫)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、デイヴィッド・エディングス&リー・エディングス『不死なる侵略者』(宇佐川晶子訳/680円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(宇野利泰訳/780円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ナンシー・クレス『プロバビリティ・ムーン』(金子司訳/920円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、水村美苗『日本語が亡びるとき 』(1800円+税/筑摩書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。

『日本語が亡びるとき 』を読む。実に明快である。途中、少しだれてしまったところもあったが、日本語で書いてゐても、何語で書いてゐても、普遍性を持つから文学たり得てゐるといふこと、それは話し言葉を書き写してゐる書き言葉なのではなく、普遍性を持つ書き言葉だからであり、それが書き言葉の本質なのだといふ指摘は、私にとっては新鮮であった(これだけでは何だか解らないだらうが)。「英語の世紀」である現在、日本の国益を守るために、諸外国と英語で互角に渡りあへるエリートを育成しなければならないと同時に、それは日本人が皆等しく英語を話せるやうになることを目指すことを意味しないといふ指摘も解りやすい。道を訊かれたときに英語で答へられる庶民が今の日本に求められてゐる英語のできる人材ではないのだといふことはあまりにもはっきりしてゐることなのだが、残念ながら「道を訊かれたときに諸外国から来た人に英語で説明できるやうになりませう」といふのが今の日本の風潮である。最終章の日本語教育に対する指摘もすがすがしい。「読まれるべき言葉を読み継ぐ」ことの重要性が納得できる。書き言葉の意義と重みをこれほど明快に示してくれた本を私は他に知らない。


11月14日(金)

 机の端の方にある15インチのモニタだけで何かを書くのがこんなに大変なことだったとは知らなかった。自分のサイトの一部のページで、15インチモニタで見たときに、Mozilla系のブラウザを使ふと二段組の段がずれてしまふことにやうやく気がついた。機会があったら直したい。

 一番困るのは、激しく首や背中が痛くなること。どうして、そんなことになるのだらう。

 といふことで、少なくとも明後日までは本欄もあまり書けないと思ひます。


11月13日(木)

 もしかしたら、一日経ったら自然に19インチ液晶モニタが直ってゐないだらうかと期待したけれども、本当に壊れてゐるみたいだ。何といふことだ、この金のない時期に。

 ぢっと見つめてゐても真っ暗なモニタ画面からは何も見えてこない。仕方がないので、Amazon.co.jpに、I-O DATA WSXGA+(1680x1050) 22型 ワイド液晶TFT (ホワイト) LCD-AD221XWを註文。税込みで24000円。液晶モニタは買ひ換へるたびに、安くて大きくなっていく。

 Inspiron Mini 9のディスク容量が4GBといふのはいくら何でも少なかったやうだ。仕方がないので、Transcend SDHCカード 16GB Class6 (TS16GSDHC6)を註文。この金のない時期に、困ったものだ。

 これだけあれば、本が結構買へたのに。甚だ不愉快である。


11月12日(水)

 Inspiron Mini 9がやうやく届いたのでちょっと嬉しい。喜んで、パンなど焼いてゐたら、PowerMac G5に繋がってゐる19インチの液晶モニタが真っ暗になってゐるのに気がついた。どうしても、像が出てこない。壊れたのか、本当に。15インチの方だけ機能してゐる。19インチを外して再起動すると、15インチ一枚の作業環境となった。これは不便だ。あまりにも不便だ。Inspiron Mini 9なんか買ってしまって、少々懐が寂しいのに、液晶モニタを買はなくてはならないのか。困った。困り果てて、今日はもう何も書けない。続きはまた明日。


11月11日(火)

 紀伊國屋書店に本を註文。
●ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『牢の中の貴婦人』(原島文世訳/680円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ブライアン・ラムレイ『タイタス・クロウの帰還』(夏来健次訳/1000円+税/創元推理文庫)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●デイヴィッド・エディングス&リー・エディングス『不死なる侵略者』(宇佐川晶子訳/680円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(宇野利泰訳/780円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ナンシー・クレス『プロバビリティ・ムーン』(金子司訳/920円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●水村美苗『日本語が亡びるとき 』(1800円+税/筑摩書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 以上六冊。ハヤカワ文庫と創元推理文庫。『日本語が亡びるとき 』はこの頃ちょっと話題になってゐるやうなので、出遅れた感じだが、読んでおかう。

 今日は眠いので、これで。頭も痛い。


11月10日(月)

 SFマガジン編集部から、2008年マイ・ベスト5調査票が届いた。今年ももうそんな季節なのか。早いものだ。ベストは一つぢゃないのだらうかといふ疑問は置いておいて、参考作品リストなど眺めてゐると、読んだかどうかよく思ひ出せない本が何冊かあるのに気づく。買ったことは覚えてゐるのだが。まあ、そのためにこの日記があるやうなもので、検索すれば読んだかどうかはすぐに解る。たとへば、ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の棲む城』である。早速、検索してみよう。あ、上巻を読み終へ、下巻へ進むといふ記載はあるが、下巻を読み終へた記録がない。どういふことだ、これは。たとへば、スティーヴン・ミルハウザー『ナイフ投げ師 』。「半分くらゐまで。」で、その後の記載がないのはどういふことか。半分くらゐでやめてしまったのか。たとへば、パトリシア・ブリッグズ『裏切りの月に抱かれて』。読んでゐないやうだ。
 原書で読んだけど、邦訳は読んでゐないものも少しある。ジョナサン・キャロル『薪の結婚』とロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖(上・下)』。キャロルは読んだかどうか自信がなくなってきた。ロバート・チャールズ・ウィルスンは傑作だから、ざっと邦訳に目を通して、高順位に入れておかう。

 今年もあまり本が読めなかった。来年はもっと読みたい。


11月9日(日)

 ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』(白石朗ほか訳/933円+税/小学館文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み終へる。期待以上によかった。表題作、「おとうさんの仮面」、「自発的入院」が特に印象に残ってゐる。「蝗の歌をきくがよい」は読んだときはそんなにいいとは思はなかったのだが、忘れがたい作品である。眼が覚めたら巨大蝗になってゐるなどといふ話をよくまともな作品に仕上げるものだ。かうやって振り返ってみると、父親と息子といふ関係が描かれてゐることが多い。アメリカ人は好きみたいだが。

 日曜日は机の上に積み上がった本を書棚に収める日である。前は数分で終はったのだが、この頃は、一時間くらゐ掛かってしまふ。入れる分だけ抜き出さなければならないからだ。抜いて古本屋に売る山に乗せる。新書の類ひだと、書棚に入ることなく、その山に乗るものもある。可哀想だが仕方がない。もう書棚を増設する場所は我が家にはないのだから。Rubyの解説書が、同じ本の旧版と新版があるのに気づき、旧版を抜き出したりして、場所を作ってやうやく今週の本を収める場所ができた。でも、もう少し書棚が欲しい。もう少し。


11月8日(土)

 紀伊國屋書店から、Margo Lanagan Tender Morsels (Alfred a Knopf, October 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋, fictionwise]が届く。思ひの他、厚い。

 アメリカのSF情報誌LocusのOnline PDF versionの試験配信が始まった。最初は字が小さくて全然読めないではないかと思ったが、ちゃんと拡大できるやうになってゐた。でも、ダウンロードも印刷もできない。pdfをダウンロードできるやうにしてくれればいいのに。さうすると、勝手に配信したりする奴がゐるから困るんだらう。でも、さうでないと検索しづらいのだが。でも、過去に遡ってよめるなら、この形式でもいいのかなあとも思ふ。電子版だけにして、高い送料を払はなくていいやうにしてくれると嬉しい。部屋の増えていくLocusのバックナンバーの扱ひにも困ってゐる。自分でPDF化しようかと思ったこともあるのだが、重複して届いた号をばらしてスキャナに突っ込んだのだが、うまくできなかった。
 とにかく書棚が、書棚が足りないのだ。


11月7日(金)

 堀紘一『一流の人は空気を読まない』(705円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。確かにもっともだと思ふことが書いてある。その通りだと思ふ。でも、面白くない。説教臭い。会社の空気を読む暇があったら、努力しろといふことだ。強調したい部分を、ゴシック体にしてゐるところも嫌だ。何かの報告書か申請書を読まされてゐるやうな気分になってくる。私の心に訴へてくるところはそこぢゃないかも知れないのだから、無闇に太字にしてほしくないのだ。
 そもそも私は努力が大嫌ひだ。空気を読むのも嫌だし、努力するのも嫌だ。何だか自分が最低の人間になったやうな気分になってくる。何もかも嫌になってきた。でも、努力を回避するための努力は惜しまない。それくらゐ努力は嫌ひである。そんなに努力努力って云はれてもねえ。
 それでも、本書に書かれてゐることは間違ってゐないと思ふ。空気なんか読んでゐる暇があったら、本を読めと私は云ひたい。だれも私に意見は求めないと思ふけど。

 さて、明日からストロスに戻らうか。


11月6日(木)

 紀伊國屋書店から、佐藤洋一『あの日の神田・神保町』(2000円+税/ぶよう堂)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、鴻巣友季子『カーヴの隅の本棚』(1429円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、勝間和代『読書進化論』(740円+税/小学館101新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、堀紘一『一流の人は空気を読まない』(705円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。う、カツマーの本が届いてしまった(←使ひ方を間違へてゐる。勝間和代追従者たちをさう呼ぶらしいのだ)。

 まづは、神田神保町の本。本物の地図と冊子が折りたたみのケースに入ってゐる。地図は80年くらゐ前のもの。冊子を開くと、古い写真と今の写真がたくさん入ってゐて、本屋の話も期待した以上にある。なかなか楽しい本ではないか。ページを捲ってゐると、神田界隈に出かけたくなる。

『読書進化論』を読む。読む前は嫌な感じがしたのだけど、読んでみたらさうでもなかった。副題に「本はウェブに負けたのか」なんて書いてあるから、不愉快だったのだけど、勝ち負けの話が書いてある訳ではなかったのだ。どうしてこんな安っぽい副題をつけるのかよく解らない。読書はとうてい自分にはできない人生の疑似体験ができるなんてところは、もっともである。でも読み進めていくと、半分くらゐは自分がどうやって本を書いて売ったかという話だ。本からいろいろ学んで人生を豊かにして自分を進化させなさいよといふことだ。読書は自分を向上させる極めて有効な手段だといふ感じであるが、私にとっては読書は手段ではなくて目的なのだ。同時に生きていくのに書くことのできない支へである。ジーン・アウルから人間ドラマやら何やらを学んでしまふ人とは違ふのだ。ジーン・アウルはどうでもいいのだが、筒井康隆を何かを学ぶ手段として読むのは嫌だな。

 それでも、この本から学ぶことはいろいろある。確かにこの人の本は目的ではなく手段としてこそ有用であらう。

 今日もストロスの本を持って出勤。短い読書時間なりに順調に進んではゐるのだが、明日は『一流の人は空気を読まない』でも読んでしまはうか。別に一流を目指して頑張るつもりもないのだが。一流といふのは、さうならうと思ってなるのではなく、結果としてさうなるものだと思ってゐる。でも、今はそんなことでは一流にはなれずに、下流になってしまふのかも知れない。


11月5日(水)

 今日もストロスを手に取って出勤。久し振りにペーパーバックを読んでゐるのだが、やはりこの匂ひがいい。この独特の香りは、その昔、中学生の頃に今はもうなくなってしまった池袋の芳林堂書店の七階にあった洋書売り場で、アメリカのSFやファンタジイのペーパーバックを手に取ってはページを捲って読めない文字列を睨んでゐたことを思ひ出させてくれる。あの頃は手に取る本にはどれもわくわくする世界が潜んでゐた。今はただ禁断症状を恐れるあまりひたすら読み続けてゐる感じである。それでも、時折目に見えたのではないかといる思ひが頭をかすめるエルフランドの黄昏の光を垣間見たくて、ひたすらページを捲り続けるわけである。

 今日はあまり書くことがない。書くことがないとつい本を註文してしまったりしがちなので、もう寝ることにしよう。夢の中ならいくら本を註文しても、書籍代が請求されることもない。多分。さういへば、この頃、夢の中で本屋に行かなくなった。


11月4日(火)

 Charles Stross The Merchants' War (Tor, October 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を手に取って出勤。前巻までの話の流れをほとんど覚えてゐないので、世界に馴染むのに少々困難を伴ったがやがてぼんやりと過去のできごとも思ひ出してくる。いつものやうに、読みやすい。シリーズ作品となると、前の話を少しくらゐ忘れてゐても、前と変はらず暖かく迎へ入れてくれる。そこがシリーズ作品のいいところでもあり、嫌なところでもある。つい異世界の日常に安住してしまったりする危険がある。多分、ストロスはそんな作風にはならないだらうと思ふのだが。

 ジェイムスン教授シリーズが電子本になってゐると今日知った。Professor Jameson's Interstellar Adventures #1: The Jameson Satellite & Planet of the Double SunThe Jameson Satelliteである。今日、後者の刊行の報せを読んで知ったのである。前者は最初の二篇を収録したもの。後者は、Amazing Storiesの1931年7月号に載った作品……っていふと結局前者に入ってゐないか? そんなことより、これなら金を出して買はなくてもProject Gutenbergで読めるぢゃないか。Project Gutenbergでジェイムスン教授シリーズが読めることに何より一番驚いたのだが。挿絵入りで読めるのだから。


11月3日(月)

 寺澤盾『英語の歴史 過去から未来への物語』(780円+税/中公新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。外来語・借用語の辺りが面白い。同じ語源の言葉が経路の違ひによって別の言葉として入ってきたりするのが興味深い。Chamberとcameraが、cameraという同じラテン語を語源とするのが一例である。新しい二人称複数形の出現も私には面白く感じられた。You allとかyou guysとか。聞いたことはもちろんあるのだけど、どれくらゐ二人称として定着してゐるのかとかはよく知らなかった。一方、大母音遷移の話などはもう飽きるほど読んだ。何語でも言葉の歴史の話は面白いものである。

 World Fantasy Awardの受賞作が発表された[Locus]。長篇部門はGuy Gavriel Kay Ysabel [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]である。日本では以前、異世界ファンタジイのシリーズの最初だけ出たきりになってしまった作家である。もちろん、本書はさういふ類の作品ではない。粗筋紹介だけちらっと読むと面白さうなのだが、買ってみようか。

 紀伊國屋書店から、Elizabeth Bear Hell and Earth (Roc, Aug 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋, fictionwise]とCharles Stross The Merchants' War (Tor, October 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届いたことを昨日書き忘れたんだらうか。それともあれは今朝のことだったのだらうか。もはや思ひ出せない。が、とにかく、ストロスの方は読んでみようかと思ひ、手に取ってみる。


11月2日(日)

 トマス・ウィーラー『神秘結社アルカーヌム』(大瀧啓裕訳/1048円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。如何にもかういふものに読者が期待する通りにものを見せてくれるので何の不満もないのだが、こんなに時間をかけて読んでしまった私がいけなかった。最後の方でちょっと飽きてしまった。ラヴクラフトとかコナン・ドイルとか、アレイスター・クロウリー、フーディーニらを聞いたこともない人だと全然面白くもないと思ふ。この名前に馴染みのある人たちなら十分楽しめるはづ。

 紀伊國屋書店に、
○Jeffrey Ford The Drowned Life (HarperCollins, Nov. 4, 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
○Kim Newman The Secret Files of the Diogenes Club (Monkeybrain, Nov 2007) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
を註文。

 ジェフリイ・フォードのは、三冊目の短篇集。16篇が収録されてゐる。出版元のサイトでは、刊行までの秒読みが表示されるのか。紙の本だったら秒数までは関係ないと思ふのだが、ここでは電子版を直販してゐるみたいだから、意味がないわけでもないのかも知れない。これを自分のサイトに埋め込むコードも提供してゐるやうだ。このページは画像禁止なので(私がさう決めただけなのでいつ破ってもいいのだけど)、別のページに埋め込んでみようか。
 表題作ほか16篇が収録されてゐる。表題作は読んだことがある。何とも奇妙な、些か不気味な感じのする作品だったやうなかすかな記憶がある。

 キム・ニューマンのはちゃうど一年くらゐ前に出た本。今年の世界幻想文学大賞の候補作になってゐる作品が収録されてゐるから註文してみたが、どうも品薄のやうですぐに届くかどうかちょっと解らない。


11月1日(土)

 紀伊國屋書店に、
○James P. Blaylock The Adventures of Langdon St. Ives (Subterranean, November 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
●佐藤洋一『あの日の神田・神保町』(2000円+税/ぶよう堂)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●鴻巣友季子『カーヴの隅の本棚』(1429円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●勝間和代『読書進化論』(740円+税/小学館101新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●堀紘一『一流の人は空気を読まない』(705円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。

 ブレイロックの新作……ではなく、長篇二つと短篇四つを収録した作品集。St. Ivesが活躍する作品である。これは集める本であって、当面は読む予定のないもの。最初から読むつもりがないと、何となく安心である。読まないことに対する罪悪感がないから。来月は本物の新刊が出るから楽しみに待つことにしよう。ブレイロックの新作長篇なんて何年ぶりだらう。

 神田神保町の本は昭和30年くらゐの街の話らしいので、そこに書店の話題がどれほど出てくるのかは全く解らない。でも神保町だから買っておいていいだらう。

 この本、きっと私は大嫌ひだ。だから、買って読む。この人の読書は小説を味はふやうなものではなく、自分の価値を効率よく高めるための行為なのだ。ちゃんと読まずに批判することはできないので、読んでおく。この頃、この人の本がやたらに多いから、気づかないうちに染められないやうに気をつけなければ。

 最後の本は、自分が空気を読まない(読めない、読みたくもない)ことに対する言い訳の材料に購入してみた。そんな空気なんてもの読んでゐる暇があったら私は本を読む方を迷はず選ぶ。大抵、読んでもろくでもないものぢゃないか、空気なんて。そのせゐで、妙にぎこちない気不味い雰囲気になってしまふのは確かにいいものではないのだが、それでもいいのだ。

 トマス・ウィーラー『神秘結社アルカーヌム』(大瀧啓裕訳/1048円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]は、半分を越えて少し進んだところ。ちょっと飽きてきた。


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