4月30日(木)

 ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペイン』(金子司ほか訳/900円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読みながら福岡へ。「眠る犬」、「戦争と芸術」、「密告者」、「想い出に祈りを」、「ケイシーの帝国」を読む。「眠る犬」は表題作と同様に無眠人(犬)の話。話は面白いのだが、睡眠といふ人間(や動物)の基本的な生命活動の構造を変へてしまふやうなことを遺伝子組み換へで達成できてしまふことは、全体的に遺伝子組み換へに対する嫌悪や反感を感じさせる話の流れに対して、私としては好印象を抱けない。さういふことを主張する作品ではないとは思ふが、これらの作品を読んで遺伝子改変に対して好印象を抱くことはないだらう。新しい技術は開放的であると同時に危険だが、長期的にみれば有益な技術の普及を妨げることはできないはづだというのは、「眠る犬」の冒頭に引用されてゐるダイソンの言葉のとほりだと思ふ。
「戦争と芸術」、「密告者」は、私にとっては傑作。世界を認識する方法の違ひは私が最も興味を引かれるところだから。SFらしい面白さの一つが異なる世界観から見た世界だとすら思ってゐるのだ。

 その後は眠くて読めなかった。今日は疲れて眠くて電車を降り損ねたり階段を間違へたりして空港まで随分時間がかかってしまった。いつものやうにかなり早めに出てゐるので特に支障はないが、あまりいい状態でないことは確かだ。


4月29日(水)

 ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペイン』(金子司ほか訳/900円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。今日は明日の準備がいろいろあって、表題作しか読めなかった。遺伝子操作で睡眠を必要としない人間を作る話。一日24時間を最大限に有効利用できる彼ら(彼女ら)は睡眠を必要とする人間よりもずっと優秀になった。新しい人類と古い人類、あるいは特別な能力のある人間たちと一般の人間の確執は古くからSFに描かれてきた。『スラン』とか『アトムの子ら』とか。ただ一人の超人類だと『オッド・ジョン』とか『闘士』とかが頭に浮かぶ(しかし頭に浮かぶものが古い)が、本作品の超人類は数十人の規模で合衆国に散らばってゐる。スペインの乞食とは、彼らが旧人類(睡眠を必要とする者たち)を揶揄して呼ぶ時の云ひかたである。この作品では、双子といふ設定で、新人類と旧人類の対比を強調してゐる。後味はあまりよくないが、強く心に残る作品である。

 睡眠時間をなくしても実際にはそんなに優秀になれるわけもないと思ふ。今日だって私は明日までにやらなくてはならないことがあるのに、その仕事に取りかかったのは夕方の4時くらゐだ。朝六時半に起きたといふのに。私のやうに自己管理能力に欠ける人間が睡眠時間分の自由な時間を得たところで、無駄に過ごす時間が増えるだけではないだらうか。

 明日からこのナンシー・クレスの短篇集を持って出かけよう。 

 

4月28日(火)

 谷崎由依『舞い落ちる村』(1333円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読む。申し訳ないが全然判らなかった。不思議な村と普通の街との間を行き来するのだけど、「言葉」とか「時間」とか、私にとって面白さうな気配もあるのだけど、やはり何だか判らない。後半の「冬待ち」はもっと判らない。図書館が出てくるから少しは馴染めるかと思ったのだが、全然関係なかった。

 森見登美彦を読み過ぎて阿呆の血が濃くなったのだらうか。それもまたよし。

 明後日仕事を終へたら福岡へ行って数日過ごす予定。何を持って出かけるか少し悩む。軽くてしかも長持ちする英語のペーパーバックにしようか。


4月27日(月)

 森見登美彦『恋文の技術』(1500円+税/ポプラ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。手紙が延々と載ってゐる小説である。しかも、主人公の手紙のみ。相手からの手紙は一つもないのだ。相手からの手紙の内容は主人公の手紙に引用される部分からしか判らない。相手によって章を変へてゐるので、全体を通してみると必ずしも時間軸に沿って手紙が並べられてゐるわけでもないのだ。それをふらふらと読み進める。こんなのでちゃんと結末に辿り着くのかと不安になるが、ちゃんとした結末へと進んでいくのだ。見事である。尤も、これを読んでも恋文は書けるやうになるまい。

 さて、明日から何を読まうか。

 今日はサイトのiPhone/iPodTouch対応化は時間がなくてほとんどできなかった。いや、もっと正確に書くと、全くできなかった。私も平日の昼間は仕事をしてゐるのだ。勤務してゐるのだ。一日、本を買っては読むだけで生活はできない。それが世の仕組みである。


4月26日(日)

 今日は本日記のiPhone/iPodTouch対応に多くの時間を費やす。あとNetFrontにも少し。先日、自分のWZ340X(ウィルコム)でこの日記を見てみたら、左の「過去の日記」が延々と続いてゐて、新しい日記がなかなか読めないことを発見して愕然としたことのだった。CSSの処理がきちんとできない場合は、左の領域が一番したに来るやうにすればいいのかも知れないが、携帯電話機で十年前の日記を読んだり、過去の日記を検索したりするほど暇な人はゐないだらうと思ひ、いっそのこと表示させないやうにしようと決めた。詳細は第二の日記の方に書いたからここには記さないが、こまごまとしたことをやって、少しは読みやすくなったやうな気がする。どのブラウザで読まれたかを調べることは簡単にできるのだが、iPhone/iPodTouchやNetFrontで読まれることはほとんどない。でも、これから家の大画面のモニターで読む人よりも携帯機器の小さな画面で少しづつ読む人の方が増えてくるかも知れない。これをきっかけにiPhone/iPodTouchで読んでくれる人が一人でも増えれば、私としては嬉しいのだが。

 一度にたくさんは難しいのだが、少しづつ小画面でも大画面でも読みやすいやうに改善していきたい。今のところほとんど誰にも読まれることのないページをちまちまと直していくのが妙に嬉しい。世界で三人しか読まないところに日曜日のほとんどの時間を費やす。しかも誰だかも知らない数名のために。

 児玉憲宗『尾道坂道書店事件簿』(1600円+税/本の雑誌社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。書店員が書店の様子と自分の生活を描いた本。本が好きだといふ気持ちが強く伝はってくる。本が好きな人なら楽しめるに違ひない。もし楽しめなかったら多分そんなに本が好きでないのだらう。自分が本が好きだと思ってゐたことが間違ってゐたのであり、私の「本が好きな人なら楽しめる」といふ判断が間違ってゐたわけではないから、私を責めないやうお願ひしたい。

 日本学術振興会・植物バイオ第160委員会『救え! 世界の食料危機』(1400円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。植物に人類の未来は(ある程度)掛かってゐるといって間違ひはないと思ふ。だから、根拠なく遺伝子組み換へ作物を拒否しない方がいいと思ふのだが、私が主張しても世の中の流れは変はるまい。それでも、目標に向かって努力する研究者の話はいつ読んでも気持ちがいい。私もさうやって生きていきたいものだが、本を読んで寝てしまふ毎日である。

 森見登美彦『恋文の技術』(1500円+税/ポプラ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を少し読む。面白い。しかし、森見登美彦ばかり読んでゐて大丈夫だらうか。竹林を見るとふらふらと入って行きさうになるのだ。まあ、それくらいは構はないか。面白きことは良きことなり。


4月25日(土)

 以前から日記にタイトルがあるのは不自然であるといふ信念に基づき、日記には日付のみで更新してきた。今日何があったといふことを書き記すのが日記ではないか。ところが、ブログ(Weblog)とかいふのが登場してきて、日記だか何だか判らない妙な構成のサイトが雨後の竹の子のやうにそこら中に出来てきた。新しいものが嫌ひな私はそんなサイトを軽蔑の眼差しで見ながら、こっそりトラックバックの仕組みを調べたりしていた訳だ。未だによく判らないけど。私のは本来の意味の日記だからそんなの関係ないと心に決めてゐたのだが、RSSでの更新情報を示すときにタイトルが日付だけだとあまりにも味気ない。それでも日記だからいいのだと思ってゐたのだが、iPhone/iPodTouch用表示について考へ始めたら、やはりタイトルがないと寂しいと感じるやうになってきたのである。そこで、今日からタイトルを付けてみた。しかも過去一週間に遡って。普通のブラウザでは表示されないが、RSSリーダで見るとタイトルがある。ほとんど意味のないものなので、あまり気にしないやうにお願ひしたい。

 森見登美彦『美女と竹林』(1600円+税/光文社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。本当は夜には頭が痛くなって本が読めず、読み終へたのは明日の朝なのだが、細かいことは気にしない。それにしても頭が痛かった。もう何もかも嫌になるくらゐ。激しい頭痛のときにはたいてい嘔吐へ至るのだが、そんなこともなくひたすら頭痛が続いた。いつもと展開が違ふので、いつ終はるのか判らず不安を感じながら一晩中苦しみ、もう十時間くらゐ苦しんだやうな気がした頃にやうやく静まってきたので時計を見たらまだ朝の五時だった。あ、これは明朝のできごとなので、こんなところに書いてはいけなかった。この小説だかエッセイだか判らない妙な本も面白い。簡単にいふと竹を刈って妄想を膨らませるだけの話なのだが、それが面白い。独特の文体でだらだら続く話が疲れた頭に心地よい。ちなみに美女は出てこない。


4月24日(金)

 森見登美彦『有頂天家族』(1500円+税/幻冬舎)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手にとって出勤。駅に着くと電車が動いてゐない。人身事故だといふ。私は日頃、二時間前行動を心がけてゐるので、多少電車が遅れても大丈夫である。本を読む好機ととらへ本を読みながら待つ。やがて運転再開となり、運良く途中で座れたので、超寿司詰め状態の各駅停車で出勤。一時間遅れて職場に着くが、もちろん何の支障もない。

 しかし、予想以上に読書時間が確保できたために、仕事の帰りに池袋駅に着く頃には『有頂天家族』を読み終へてしまったのだ。こんなはづではなかった。もちろん、この本は面白かった。最後の戦いには感動すら感じた。狸の阿呆四兄弟と、仙人になりかけてゐる美女と、仙人の能力をほとんど失ひかけてゐる老天狗を巡る化かし合ひが面白くないわけがない。しかし、私はどうやって電車に乗って帰宅すればいいのだ。

 再び池袋東武の旭屋書店へ。目に入ったのは森見登美彦『美女と竹林』(1600円+税/光文社)である。面白さうだが、昨日も森見登美彦を買ったではないか。二日も続けて買っていいのだらうか。他のにしようか。だが、私は今日筍を持って帰宅してゐるのだ。裏に竹林を持ってゐるといふ人が筍を持ってきてくれたのだから、やはり『美女と竹林』だらう。といふことで、
●森見登美彦『美女と竹林』(1600円+税/光文社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を買ひ、こいつを読みながら電車に乗って帰る。ああ、今日も本が読めてよかった。本の神に対する感謝の念を忘れてはならない。何れにせよ、明日は本を二冊持って家を出るのを忘れないやうにしよう。


4月23日(木)

 浅暮三文『ポルトガルの四月』(1800円+税/ハヤカワ・ミステリワールド)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。盗みを働いた男がなくした記憶を刺激の強い食べ物で蘇らせながら、仲間を裏切りヨーロッパを逃げ回るといふ話だ。面白い。読んでゐると香りがきつくて濃厚な味はひの食べ物を食べたくなってくる。何か私にも蘇ってくる記憶はないだらうか。ちょっと意外な展開を見せて終はる結末も気持ちがよい。

 話は面白かったのだが、これを読み終へたのが、出勤時の電車の中だった。帰りはどうすればいいんだ。ああ、もう一冊本を持ってくればよかったと思ったが、もう遅い。丸ノ内線は本なしで過ごしたが発狂しさうになったので、池袋東武の旭屋書店に寄って、本を探す。が、意外にこれが難しい。面白さうだと思ったものはすでに買ってゐることが多い。これは面白いんだらうかと気になる本は、前にも気になったことのある本で、さういふのは買ったかどうか自信を持てないものばかりなのだ。前にも迷って結局買ったのか買はなかったのか。後で役立つ本ではなく、今すぐ読む本だから外れだったらちょっと困る。いや、ちょっとどころではない。大いに困る訳だから、ここは慎重に選ばねば……。迷ってゐるうちに、真っ直ぐ帰ったらもう帰宅してゐるよといふくらゐの時間になってしまった。結局、
●森見登美彦『有頂天家族』(1500円+税/幻冬舎)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。これは刊行当初から気になってゐたのだが、註文し損ねてしまったのだった。さうだ、そのはづだ。がっかりするのが嫌だから、今更購入記録を検索して確認したりはしない。

 早速帰りの電車の中で読む。京都を舞台に狸と天狗と人間たちが繰り広げる化かし合ひである。期待を裏切らない面白さである。


4月22日(水)

 浅暮三文『ポルトガルの四月』(1800円+税/ハヤカワ・ミステリワールド)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]まだ終はらない。相変はらず臭い食べ物を求めてヨーロッパを行ったり来たりしてゐる。行ったり来たりが激しくなって途中でいきなりどたばた追跡劇になったりしてそれはそれで面白い。面白いので、帰りの電車の中でふと窓の外を見たら、見慣れない駅名が見えたくらゐだ。さうか、急行に乗ってゐたんだと思ひ出し、反対向きの電車に乗り換へて帰宅。残り九十ページ。

 紀伊國屋書店から、青木繁伸『Rによる統計解析』(3800円+税/オーム社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と樋口千洋『オープンソースで始めるゲノム・プロテオーム・メタボローム解析』(5800円+税/オーム社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。どちらも面白さうだが、特に後者は、全文検索の話とか(よく読むとそこの部分はちょっと変な感じなのだが、まあいいか)Rを使ったコーパスのテキスト解析など、いかにも私が喜びさうな項目が並んでゐる。これからいろいろ活用したい。


4月21日(火)

 浅暮三文『ポルトガルの四月』(1800円+税/ハヤカワ・ミステリワールド)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。自動車事故から助け出されたときにほとんどの記憶を失った男が刺激の強い食べ物を食べるたびに、記憶を取り戻していく話。ちょっと変な話である。今日はこれを一気に読まう、それが無理だとしても三分の二くらゐは読みたいと思ってゐたのだが、疲れてゐた私は仕事帰りの電車に座ってしまったのである。疲れたときに座ったら眠るのが人間である。どうにも抵抗しがたい魔力である。疲れてゐるときこそ立ってゐなければならないのだ。本を読むためには。一秒でも長く本を読んで一ページでも多く本を読まなければならない。そのためには目を覚ましてゐなければならない。


4月20日(月)

 北村薫『鷺と雪』(1400円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。「別宮(ベッキー)さん」シリーズ最終巻。謎解きも昭和十年頃のできごとを背景に作られてゐる。三越のライオンの話などは子供の微笑ましい事件だが、最終話の謎解きの後の話は重い。最初にこのシリーズが始まったときには、こんな結末を迎へるとは思ってもみなかった。さういふ意味で、驚いた。

 三省堂本店で、
iPhone Web Style (2800円+税/ソフトバンククリエイティブ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。ことの発端は、ある知り合ひが、どうしてiPod Touchを買はないのかと云ったことである。どうして買はないのか。買はない理由はないはづだと。私は買ふ理由を探してゐたといふのに。買はない理由がなければ買っていいものだったのか。だが、今すぐは買へない。金がないのだ。買ふのはしばらく待つことにしたのだが、このサイトを含めて、私が毎日だらだらと書いてゐるページのいくつかをiPhone/iPod Touch対応に設計できないものかと思ったのである。従来の表示とiPhone/iPod Touch用表示を、アクセスしてきた相手のブラウザを確認して、相手に相応しい表示を見せられないかと思ったのである。そのための参考資料といふわけだ。


4月19日(日)

 三崎亜記『廃墟建築士』(1300円+税/集英社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。建物を巡る物語が収録されてゐる。図書館といふのがあって、本が好きな私は大いに期待したのだが、この本の中で最高だとは思へなかった。前に読んだ動物園の話にそっくりだった。印象に残ったのは巻頭の七階の話と最後の蔵の話。七階を撤去するといふのは斬新である。六階や八階でなく七階だとは! 七階に住んでゐなくて本当によかった。だから、七階に住んでゐる人は読まない方がいいかも知れない(嘘)。
 カバーが変はったつくりになってゐる。

 紀伊國屋書店に、
●青木繁伸『Rによる統計解析』(3800円+税/オーム社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●樋口千洋『オープンソースで始めるゲノム・プロテオーム・メタボローム解析』(5800円+税/オーム社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。ちょっと高い本である。昨日書店で見かけたのだけど、現金を持ってゐなかったのだ。Suicaだと一万円以上の本は買へないし。後で考へてみればクレジットカードで買へばよかったのだが、そのときは思ひつかなかったのだ。

 今日は一日サーバの調整であまり本が読めなかった。大体動くやうになったが、Pythonはどうも思ふやうに動いてくれない。これが動かないと困るのだ。あと、pLaTeX関係のインストールができてゐないので、青空文庫縦書きPDF変換が動かないし、Hyper Estraierがまだなので青空文庫全文検索もできない。忘れてしまってゐることも多いので、なかなか難しい。

 それでも大体は元に戻ってきたので、Amazon EC2のインスタンスを終了させる。今月の支払ひは43ドルくらゐ。もう少し安くて、もう少しきびきび動けば、自宅で頑張ってサーバを維持しなくてもいいかなと思ふのだが、まだ思ひ切って移行できない。が、自宅サーバは今回買ったPowerEdge T100が最後になるかも知れないと密かに思ふ今日この頃である。


4月18日(土)

 自宅サーバ復帰しました。基本的なところは動いてゐると思ひますが、rubyやpythonはまだきちんと動きません。何かお気づきのことがあったらご指摘ください。今のところなかなか快調です。サーバーに関する詳しい話は別館の方で。

 紀伊國屋書店から、美篶堂『はじめての手製本』(2000円+税/美術出版社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と松永和紀『植物で未来をつくる』(1200円+税/化学同人)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届く。手製本の本は、写真をたくさん使って手順を丁寧に説明してくれてゐる。これを読むと何だか自分でも作れるんじゃないかと云ふ気になってくる。本を作りたくなってきた。

 三省堂書店本店で、
●平山令明『熱力学で理解する化学反応のしくみ』(900円+税/ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。仕事で使へるかも知れない本。面白くはないが。

 シャンナ・スウェンドソン『コブの怪しい魔法使い』(今泉敦子訳/1080円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。昨日はありがちな話の展開なんて書いて申し訳なかった。もう眠くて……といふか半分眠ってゐたのだ。目が覚めたらあんなことを書いてゐたわけだ。ありがちな話の展開だけど面白かった。ありがちな話が必ずしもつまらない訳ではないのだ。きっと。

 三崎亜記『廃墟建築士』(1300円+税/集英社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。


4月17日(金)

 ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド 下』(赤尾秀子訳/940円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。面白かったが、結局どういふことだったのか、誰が何だったのか、謎が解明されることなく終はってしまってゐるではないか。

 シャンナ・スウェンドソン『コブの怪しい魔法使い』(今泉敦子訳/1080円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まあ、予想通りといふかありがちな話の展開。今、180ページまで。それなりに面白くよんではゐるのだが。

 The Book Depositoryに、
○Silvio San Pietro Bookcases (L'archivolto, 2009/04) [Amazon.co.jp, Amazon.com, Amazon.co.uk, 紀伊國屋]
を註文。

 今日は眠いので、とりあへずこれで。


4月16日(木)

 ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド 下』(赤尾秀子訳/940円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]残り50ページ辺りまで進む。面白いんだが、最初の着目点となった問題は結局どういふことだったのか未だに判らない。これからすっきり何もかも判るんだらうか。

 紀伊國屋書店に、
●美篶堂『はじめての手製本』(2000円+税/美術出版社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●松永和紀『植物で未来をつくる』(1200円+税/化学同人)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
を註文。あ、今日の註文合計が5000円以下であるうへに、この一ヶ月間、一回に5000円以上の買ひものをしてゐなかったのか! 送料がかかってしまった。もっとたくさん本を買はねばならなかったのだ。もっとたくさん。一冊でも多くの本を。

 今日はDellのPowerEdge T100が届いたのだけど、受け取ったのは不在通知のみ。明日には本当に受け取れさう。土日で調整して、来週からは自宅新サーバで動かせるやうになればいいのだが。


4月15日(水)

 ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド 上』(赤尾秀子訳/940円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。ピングをよく打つのだが、ペンギンが飛び出していく姿が頭に浮かんでしまって困る。私はいつもピンと読んでゐた。
 突然、上巻の326ページでタグの閉じ忘れがあるのに気づき思ひがけない不快感に襲はれた。二つ目のlinkの前のスラッシュを忘れてゐる。このまま下巻の最終ページまでこのタグは閉じられることがないのかと思ふと一瞬眩暈がするほど狼狽へた。それとも上巻の最終ページで一旦途切れるのだらうか。いや、そんなことはどうでもいい。ここにスラッシュを入れたいといふ欲求で頭がいっぱいになってしまった。夥しい数のsmタグに閉じ忘れがなければいいのだが。あっても私が気づかなければいいのだが。原稿の段階ではタグに色がついたりしてゐないのだろうか。閉じ忘れタグの後ろのテキストが全部妙な色になったりしてゐないのだろうか。気になって仕方がない。
 本を細切れにしてスキャンするといふ話が出てきて、こんな方法はDNAの塩基配列決定でよく使ふ方法だなんて云ってゐけれども、それはちょっと違ふと思ふ。塩基配列を決めるときは、いろいろな切れ方をするものをいくつも重複して配列を決めて張り合はせていくのであって、図書館の一部しかない本を細切れにすると繋ぎ合はせの精度が落ちてとても使ひものにならないだらう。まあ、中で他の図書館のも使って重複したデータを取らなければならないといってゐるけれども。図書館には評論なんかもあるだらうから、引用箇所をオリジナルと混同しないように気をつけなければならない。まあ、そんなことはどうでもいいけど。

 三省堂書店本店で、
●シュレーディンガー『生命とは何か』(岡小天・鎮目恭夫訳/600円+税/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。仕事用、のやうなもの。

 何だかこのサイト、反応に妙に時間がかかるときがある。素早いこともあるんだけど。早く自宅サーバに戻したいものだ。


4月14日(火)

 ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド 上』(赤尾秀子訳/940円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。三分の二くらゐまで進む。字が大きすぎなくて読みやすい。文庫本には文庫本に相応しい大きさの活字といふものがあるのだ。尤も、さういふことで「トールサイズ」なんていふ文庫本が出現したりするんだらうが。でも、もう少し話の進展が早くてもいいのではないだらうか。

 池袋東武の旭屋書店で、
●三崎亜記『廃墟建築士』(1300円+税/集英社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●北村薫『鷺と雪』(1400円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。一月に出た三崎亜記を見逃してゐた。書店で見つけて早速購入。北村薫は「別宮(ベッキー)さん」シリーズ。最終巻らしい。表題作の他、「獅子と地下鉄」と「不在の父」を収録。


4月13日(月)

 マイク・レズニック『スターシップ −反乱−』(月岡小穂訳/780円+税/早川文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。レズニックらしく楽しく一気に読めるのだが、実は私は軍隊話は苦手である。レズニックは一匹狼の無法者の方が面白い。過去の勲章を何度も授けられてゐる優秀な主人公だが、無意味な命令には従はなかったりすることもあって、そんなふうに左遷させられた軍人ばかり集まった老朽艦に飛ばされて……といふ話で、結局お尋ね者になるわけだけれど、さうはいっても所詮軍人、一人で巨大組織にも立ち向かふ冷徹な主人公の方が馴染めるやうな気がするのだ。それも、サンティアゴなんか、だんだん妙にいい人になってきたりして拍子抜けすることもある。そんな不満を云ひながらも、このシリーズ原書で2冊は買ったと思ふので、もう一冊くらゐは英語で読んでみようかと思ってゐたりもするのだ。

 池袋の東武7階旭屋書店で
●わぐりたかし『地団駄は島根で踏め』(880円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド 上』(赤尾秀子訳/940円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド 下』(赤尾秀子訳/940円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。地団駄の本は最初どういふ内容なのかまったく見当がつかなかったのだが、新聞の書評で語源の話だと知って、買ってみようといふきになった。奇抜な名前を付ければいいってものでもないだらう。特にこの頃居丈高に××せよって命令する新書が多いから、どうもそれだけで印象が悪いのである。

 さて、明日から何を読まうか。


4月12日(日)

 昨日買ってきた材料で、製本用のかがり台を作る。詳細は、別館で報告しました。

 松岡正剛『多読術』(800円+税/ちくまプリマー新書)[[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。速読法かなにかと勘違ひして買ふと困ったことになる訳だが、たくさん読むにはどうしたらいいのか簡単に紹介してゐることを期待してゐても、それともちょっと違ふ。そんなことよりもどのやうに読めばいいかいろいろ示唆に富むことが書いてあるので、参考になることが多々あるはづだ。線を引いて読めといふのは私には無理だけれども、読書は読む前から始まってゐて、「本はわらわれの一部であって、われわれはまた本の一部」だといふ言葉は強く印象に残った。「黙読によって無意識が生まれた」といふのにも驚いたが、これはどうだらうか。これから私も考へてみたい。さらに、「読書世界と本棚は一体だ」といふ言葉は同感である。書棚はその持ち主の読書空間そのものであり、思考宇宙の構造であるとも云へるのではないか。残念なことに、今の私は一年間だけの住まひだといふことで、秩序も何もなくただ書棚に本を詰め込んでしまった。何がどこにあるかも判らず、本を探すこともできない。この頃どうも考へがまとまらない気がするのはきっとそのせゐだ。さっきの速読法を求めたりしてゐる人は、「読書は平均的なことをするわけではない」といふ箇所をよく読んだ方がいい。何でも速く読めばいいってものではないのだ。よく判らない部分もあるが、読書が明日からまた楽しくなる本である。

 日本学術振興会・植物バイオ第160委員会『救え! 世界の食料危機』(1400円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んだ。注目すべきは第二章で紹介されてゐるゴールデンライスだらう。ビタミンAの含有量を増やした米である。東南アジアなど米を主食とする地方の貧困層では、米以外の食糧が極端に少ない場合、ビタミンAやカロテンをほとんど含まない米から必要量が摂取できず、一億二四〇〇万人の子供がビタミンA欠乏症に陥ってゐるといふ。このために、毎年五〇万人が失明し、百万人が欠乏症に関連する病気で死亡してゐる。その状況に対処しようと作られたのが遺伝子組み換えの技術で改良された米、ゴールデンライスである。日本では特に宗教的だと私には思へるほどの遺伝子組み換へ作物に対する抵抗が強いのだが、何でも遺伝子組み換へ作物は許せないといふ人は、かういふ状況に対処する何らかの手段を提供できるのだらうか。私は特定の会社による作物支配が強まるのではないかといふ懸念を抱いてゐたのだが、調べてみるとこのゴールデンライスに関してはその特許権などによる使用料の請求をしないといふ取り決めが成立してゐるといふ。ならば、東南アジアの貧困層の健康がアメリカの穀物会社に支配される心配もない。今、苦しんでゐる人たちを救う手段があるかも知れないのに、それを阻止しようといふ人たちは、ビタミン欠乏症で苦しむ人たちを見殺しにするだけの理由と根拠と、そして自信を持ってゐるのだらうか。
 日本においても、工作可能な土地の面積から考へて食糧自給率を大幅に上げるのは不可能であらうと考へられる。ならば生産効率を二倍に上げればいいのだが、それを可能にするのは今のところおそらく遺伝子組み換へ作物の開発しか考へられない。一部の人たち(あるいは大部分なのかも知れないが)がありがたがる、有機栽培といふやうな強い自然志向の手法では生産性は低下する。金持ちは高い金を出して少ししか手間暇掛けて収穫できない作物を買へばいいのかも知れないが、食べ物が足りなくなったときに貧しい人たちに食糧が行き渡らなくなってもいいといふのか。皆が生活水準を下げて人口も減らして生きていかうと考へるのなら成り立つかも知れないが、今の日本に喜んで生活水準を下げる人がどれだけゐるのか。それを承知で、その危険を受け入れなければならないほど遺伝子組み換へ作物が危険だといふ根拠を持ってゐるとは思へない。


4月11日(土)

 ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ 下』(野沢佳織・金原瑞人訳/2200円+税/角川グループパブリッシング)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]読了。古い神々と新しい神々の決戦の時が近づくにつれて緊張感が高まってくる。もちろん、そんな単純な戦いの構図でないことはすぐに明らかになるわけだけれども、戦いの後にも意外な真相みたいなものも用意されてゐる。でも、些か長すぎないか。黒人奴隷の話はあんなに長く続けなくてもいいのにとちょっと思った。ゲイマンは日本人の収容所の話まで書き込まうとしてゐたらしい。入ってゐなくてよかった。それはまた別の作品に生かされるといふ。その話がこれくらゐ面白いことと、あまり長くならないことを今から祈っておく。

 三省堂書店本店で、
●松岡正剛『多読術』(800円+税/ちくまプリマー新書)[[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ドン小西『部長!ワイシャツからランニングがすけてます』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『寺田寅彦随筆集 第1巻 改版』 (660円+税/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。日頃身なりには全然気を使はない私がなぜかこんな本を買ってしまったのだ。冴えない男たちのパターン分類が面白さうだったので買ってしまったのだが、まあ、さういふところは面白かった。しかし、矢鱈と太字で文字を強調してゐて、何だか中学生の参考書みたいな雰囲気である。どんなに身なりに気を遣ってゐても、かういふ文章を書く人とは一緒に仕事はしたくないものである(することもないだらうけど)。こんな文章の後に、寺田寅彦を手に取ると、その文章は感動的である。活字も小さいので大損した気分にならないのがいい。一番目に収録されてゐる「どんぐり」はしみじみと感動的で涙が溢れさうになる。

 今日は製本用のかがり台を作るための材料を買ってきた。明日、作ってみようかな。


4月10日(金)

 ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ 下』(野沢佳織・金原瑞人訳/2200円+税/角川グループパブリッシング)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を半分くらゐまで読み進める。何と云ふか、どうもよく判らなくなってきた。それに長い。

 Zen‐Cart.JP 『Zen Cartによるオンラインショップ構築・運用テクニック』(2800円+税/秀和システム)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。ちょっと試したいことがあって。私が別にオンラインショップを作らうといふ訳ではないのだ。

 新しいところに通勤するやうになって十日だが、まだどの電車のどの場所に立てばもっとも読書に快適な場所なのか判ってゐない。もう少し効率よく本を読まなければ。


4月9日(木)

 Amazon.co.jpから、児玉憲宗『尾道坂道書店事件簿』(1600円+税/本の雑誌社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、日本学術振興会・植物バイオ第160委員会『救え! 世界の食料危機』(1400円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、Peter S. Beagle We Never Talk About My Brother (Tachyon Pubns, 2009/3/15) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]、Peter Schattner Genomes, Browsers and Databases: Data-Mining Tools for Integrated Genomic Databases ($55.00, Cambridge University Press) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届いた。遺伝子組み換え作物の話から読みたい気分である。

 Genome, Browsers & Databasesを手にとってぱらぱらとページを捲りながら、この手の本は目次を見ると本当に魅力的で、今すぐ欲しいと叫んでクリックしてしまふのだけれども、実際に本が手元に届くとあの輝きは幻だったのだらうかと思った。ゲノム情報をどう扱ひ、どう見るか。ゲノムデータベースをどうカスタマイズしていくかといふやうな内容である。紹介されてゐるプログラムやスクリプトは専らCとPerlで書かれたものである。私が判らない言語である。

 池袋東武の旭屋書店で、
●マイク・レズニック『スターシップ −反乱−』(月岡小穂訳/780円+税/早川文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●クリス・エヴァンス『鉄のエルフ2 赤い星』(月岡小穂訳/760円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
どちらも少し背が高いので、他の従来のハヤカワ文庫と並べると妙な感じ。あ、〈鉄のエルフ〉は三部作の第一巻を二分冊にしたものの後半だった。もう第二巻が出るとは、本国よりも早いぢゃないかと感心してゐたのだったが、感心して損した。

 ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ 上』(野沢佳織・金原瑞人訳/2200円+税/角川グループパブリッシング)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へ、下巻へ。人々に祈られなくなり忘れられた神々を描くのにダンセイニなら短篇で済むのに、ゲイマンだとどうしてこんなに長くなるんだらう。これはこれで面白いんだけど。


4月8日(水)

 東京創元社のサイトが新しくなってゐる。すっきりして前よりも見やすいと思ふ。東京創元社といへば、先日書店で「期間限定カバー」なる企画を見つけた。これは買はなくてはならないのだらうか。表紙をぢっと眺めてみたが、そんなに今すぐ欲しくてたまらないといふほどでもなかった。帰ってから調べてみると、文庫創刊50周年記念フェアの一環として行はれてゐるらしい。期間が一年もあるのか。慌てて買はなくてよかった。これからゆっくり考へよう。そんなことを云ってゐるとたいてい忘れてしまふものである。

 ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ 上』(野沢佳織・金原瑞人訳/2200円+税/角川グループパブリッシング)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]の四分の三くらゐまで進む。今のところ、まあ面白いのではあるが、無駄に長すぎるといふことはないだらうか。


4月7日(火)

 林雅之『「クラウド・ビジネス」入門』(1200円+税/創元社)[Amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を読む。前の二冊の判りやすいところを選んだやうな感じですっきりしてゐた。この手の本は、よく判ってゐる内容の部分は読み飛ばすことができるから進むのが速い。小説は判ってゐるから読み飛ばす訳にはいかないから、どうしても速さは劣る。速ければいいといふものでもないのだが。これからもっとクラウド化が加速していくことは間違ひないと思ふのだが、したり顔で無闇に恐怖心や警戒心を煽ってその発展が邪魔されないことを願ってゐる。

 クラウドコンピューティングにもちょっと飽きたので、ニール・ゲイマン『アメリカン・ゴッズ 上』(野沢佳織・金原瑞人訳/2200円+税/角川グループパブリッシング)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を手にとって読み始める。まだ最初の方だけど、前の『アナンシの血脈』に似た雰囲気だと思ふ。

 三省堂本店で、
●森見登美彦『恋文の技術』(1500円+税/ポプラ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●シェイクスピア『夏の夜の夢・あらし』(福田恒存訳/438円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。どうしてシェイクスピアを買ったかは秘密である。ところで、今日初めて書店でSuicaを使って本を買った。前回は残高不足で買へなかったのを、チャージ金額の設定値を上げる方法を見出したのだ。なるほどこれは便利。いちいちSuicaでお願いしますとか云はなくてはならないのがちょっと不満なんだけど。今度はおサイフケータイといふやつを試してみようか。

 三省堂本店の店頭で見つけられなかった本を紀伊國屋書店に註文。
●Zen‐Cart.JP 『Zen Cartによるオンラインショップ構築・運用テクニック』(2800円+税/秀和システム)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
どうしてこんな本を買ったのかも秘密だ。別にやましいことをするつもりではないのだが。

 DellのPowerEdge T100は「生産が完了し、国際輸送に向けて準備中」となったやうだ。順調である。Inspiron mini9のときには随分待たされたうへに待ってゐる間に値下げされてしまったりした訳だが。


4月6日(月)

 クラウドコンピューティングに関する本を二冊読む。城田真琴『クラウドの衝撃』(1500円+税/東洋経済新報社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と小池良次『クラウド』(1800円+税/インプレスR&D)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、Heather Weston Bookcraft : Techniques for Binding, Folding, and Decorating to Create Books and More (Quarry Books, Sept 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]である。前者はクラウド技術とその応用を牽引するGoogle、Amazon、Salesforce.com、そしてMicrosoftやIBMといった会社の取り組みを解説する。判りやすく現状をまとめ、将来像を予測してゐる。一方後者は専らGoogleを中心に経営戦略といふ視点からの解説を行ってゐる。同じクラウドでもこれほど違ふまとめかたがあるのだと感心した。AmazonEC2とかGoogle App Engineは実際に使ってみたので、どんなものかは大体判ってゐるつもりだが、どうしてAmazonがヨーロッパにAmazon EC2のデータセンターを設置したかといふやうなことは今まで気がつかなかったことである。何れにせよ、クラウド化の流れはこれからさらに勢ひをましていくに違ひないし、さうなって欲しいものである。

 土曜日に註文ボタンをクリックしてしまったDellのPowerEdge T100は無事に註文が通ったやうだ。品物が届けられるのは十日後くらゐなので、少なくともそれまではAmazonEC2での運用が続くことになる。

 しばらくAmazonEC2での運用が続くことになったので、自宅サーバに戻るのを待つことなく、世界のSF情報収集スクリプトの修復作業などに取りかかってゐる。

 他にも何か書くつもりだったやうな気がするのだが、忘れてしまった。仕方がないのでもう寝ようか。


4月5日(日)

 チャールズ・ストロス『アッチェレランド』(酒井昭伸訳/2300円+税/早川書房)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]読了。思ひの外、時間がかかってしまった。何度も書くけれど、これは傑作である。私は苦手だが、世の中経済で動いていくので、科学や技術の進歩とともにさういふところにも注目していくのは大事なことなのだ。希少性を巡る攻防でもあるのだけど、何と云ふか、いつの間にか家族の物語になっていったりする場面はあまり馴染めない。さういふ世界でもやはり家族は大事なんだらうか。私は家族とか親族に対する意識が希薄なのでよく判らないのだ。

 久しぶりに、Amazon.co.jpに本を註文。
●児玉憲宗『尾道坂道書店事件簿』(1600円+税/本の雑誌社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●日本学術振興会・植物バイオ第160委員会『救え! 世界の食料危機』(1400円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
○Ann & Jeff VanderMeer Best American Fantasy 2 ($13.45, Prime Books) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
○Peter S. Beagle We Never Talk About My Brother (Tachyon Pubns, 2009/3/15) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
○Peter Schattner Genomes, Browsers and Databases: Data-Mining Tools for Integrated Genomic Databases ($55.00, Cambridge University Press) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
以上五冊である。ビーグル短篇集に昨年出るはづだった年刊ファンタジイ傑作選、本屋の話、ゲノム解析の話と遺伝子組み換へ作物の話である。遺伝子組み換へ作物は、過剰な嫌悪感を抱かれてゐるやうな気がしてならないので、現状を把握し将来像を思ひ描くために、買ってみた。

 かがり台を作ってみたくて、『西洋製本図鑑』[Amazon.co.jp] を探して一回の本の部屋を一時間ほど這ひ回ったのだが、諦めて二回の居室に戻ってみたら、書棚にあった。かがり台を作りたいのだ。


4月4日(土)

 チャールズ・ストロス『アッチェレランド』(酒井昭伸訳/2300円+税/早川書房)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]は、残りおよそ三〇ページ。もっと速く、もっと先へ、もっと遠くへといふ勢ひが心地よい。よく理解できない部分も多いが、それはそれで構はない(やうな気がする)。

 さて、サーバを修復する元気もなく、気分が沈んでゐたものの、『アッチェレランド』を読んで、もっと速く生きていかなければならないと感じ、DellのPowerEdge T100を註文してしまった。プロセッサはXeon X3330 (2.66GHz/6MB L2キャッシュ/1333MHz FSB)で、メモリは8GBに増やした。税金・送料込みで91000円だった。Dellは受注生産で、海外から搬入することが多いので、もうしばらくAmazon EC2で動かし続けなければならない。どうもAmazon EC2は遅いやうな気がするのだが、気のせゐだらうか。サーバがアメリカにあるから、遅れるんだらうか。遅すぎる。もっと速く、もっと速く。


4月3日(金)

 チャールズ・ストロス『アッチェレランド』(酒井昭伸訳/2300円+税/早川書房)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読みながら出勤。今、三分の一くらゐまで進んだところ。これは面白い。経済的な話は苦手なので少々判りにくい部分もあるが、ネット上に広がる意識、枝分かれして宇宙に偏在する(ちょっと違ふ)意識にはSF的な喜びが心の奥底からわき上がってくるのだ。将来は、自分もそうしたいものだと、実は密かに思っりゐたりする。

 自宅サーバ機だったCelsius 300が、ubuntu 8.10を初期化したハードディスクに再インストールしたのに、起動できない。Grubがどうとかいふ表示が出て、まったく進まない。ネット上の情報を探してみても、例はたくさん出てくるもののはっきりした解決法がほとんど示されてゐない。そろそろ新しいのが欲しいと思ってゐたところだから、買ってしまはうか。例えばDellのPowerEdge T100を、メモリを8 GBに増やして買って、96000円である。毎月60ドル払ってAmazon EC2を動かし続けると、一年と四ヶ月ほどに相当する。少なくとも三年は使ふと思ふので、買った方が安いのだが(尤も電気代などは計算してゐない)。


4月2日(木)

 起動ディスクを職場から持ち帰り、いろいろ試すがどうしても起動できない。どうしても必要だと思はれるファイルのコピーは取れたところで、諦める。Amazon EC2の方へ、数日分の記憶を追加したものの、そのせゐで今日の記憶を失ったかもしれない。少々混乱するところがあるかも知れないが、お許し願ひたい。

 明日、システムの再インストールを行はう。もしも万が一それにも失敗したら、サーバ機を買はなければなるまい。このままAmazon EC2で動かすと毎月6000円で、一年で7万2000円だ。10万円以下のを一つかって三年以上動かした方が安いのだらうか。電気代とかは考慮してゐないのだが。

 仕事の帰りに三省堂書店本店で、
SFマガジン五月臨時増刊号 STRANGE FICTION(1200円/早川書房)[早川書房]
を購入。オンライン書店でうまく見つけられなかった。サーバが動かなくなって、すこし狼狽へてゐるのかも知れない。


4月1日(水)

 自宅サーバのubuntuをアップデートしてから、再起動したら、どうしてもシステムが起動しなくなってしまった。インストールCDがないので諦めて、Amazon EC2のインスタンスを再度呼び出して、緊急起動。数日分の記憶を失ふ。


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