12月31日(金)

 大晦日である。だからといって変はったことはしない。しかし、陽の当たりやすい書棚に遮光カーテンをつけたりしてみた。

 年末年始らしいことはほとんどしない私だが、それでもゆっくり本は読めない。新刊も出ない、本も読めない年末年始は面白いものではない。せめて仕事をしよう。

 この日記も15年間分を書き終へ、明日から多分16年目だ。進歩がないから死ぬまでこんな感じかも。

 年の変はり目に特別な意味を見出せないのであまり来年の決意なんてことも考へないのだが、いつものやうに、来年は今年よりももっと面白い本に出会へますやうにと願っておかう。そして来年は今年よりもたくさん本が読めますやうに。蔵書は今年よりも減りますやうに。


12月30日(木)

 スティーヴン・エリクスン『マラザン斃れし者の書 II 砂塵の魔門2』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
をいただきました。ありがたうございました。
 第一巻をPDF化してKindleに入れたものの、それからあまり電車に乗ってゐなくて、まだ読んでゐないといふのに、もう第二巻をいただいてしまった。はやく読まなければ。

 年末年始は新刊書も出なくて、面白くない。休みなのでゆっくり本を読んだり滞っていた仕事を片づけたりできるかと思へば、それも思ふやうに進まない。ふと思ひ出してみると、年末年始とは面白くないものだったのだ。


12月29日(水)

 年末である。宅配便が来るのを待つ間に、窓を拭いたりしてみる。何となく年末のやうな雰囲気になる。大掃除ですよといふ声なき叫びを全身から発しながら。でも、多分誰にも聞こえてゐない。まあ、そんなことはどうでもいいのだ。

 年末である。部屋を少し片づけてみたりする。部屋を片づけるには本の量を減らさなくてはならない。そこで、古本屋さんに来てもらって、本を持っていってもらふ。ハードカバーや雑誌を段ボール8箱ほど。SFアドベンチャーといふ雑誌が100冊以上あった。これはほとんど金にならないと云はれる。確かに調べてみると、安く買へるやうだ。創刊号でも。購入してから四半世紀ほど一回も開いてゐないから、多分死ぬまで開く必要性を感じないだらう。さう思って、持っていってもらった。他に雑誌では「本の雑誌」と「言語」。「言語」は専門的で駄目かと思ったら、持っていってくれた。他に単行本が数百冊。本を積み上げてゐたところがすっきりする。本を持っていってくれただけでなく、いくらかの現金も置いていってくれたのだ。この金で本を買はうか。

 年末なので、Facebookのアカウントを作ってみた。知り合ひを探さうと思ったが、全然見つけられない。やはり友人が少ないから仕方がないのだらうか。孤独な電脳空間に浮かんでゐる感じ。TwitterとかFacebookとか、今どきの流行りものはよく判らない。

 年末なので、西崎憲『蕃東国年代記』(1400円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を昼間っから読みはじめる。夜読めと云はれてゐたのだが、年末だからいいだらう。

 年末だから、本は買はない。


12月28日(火)

 今日の電子化。
◆鹿島茂『勝つための論文の書き方』(文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆田村秀『データの罠』(集英社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆菅原琢『世論の曲解』(光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
 今日は新書3冊。今年電子化できた本は38冊といふことにならうか。

 西崎憲『蕃東国年代記』を手に取って出かけようかと思ったものの、これは夜に読めと西崎氏が書いてゐたことを思ひだし、ウィリアム・ホープ・ホジスン『ナイトランド』を手に取って出勤。最初の方の若者の恋の物語から一転、暗黒の未来を舞台にした話に変はるところがいい。読み進めると少しづつ闇を身にまとえるやうな気がする。

 古本くろねこ堂から、「幻想と怪奇」8、9、10号が届く。予想以上に綺麗な状態。これで全巻揃った。わづか12冊だけど、集め始めてから25年くらゐ経ってゐる。25年前よりも値段も安くて集めやすくなってゐることに気づいて、揃へたのだが、きっとこんな雑誌を集めたいといふ変な人たちは皆、集め終へてしまったんぢゃないだらうか。

 どうして持ってゐないんだらうと思って先日購入したテリー・プラチェット『ディスク・ワールド騒動記1』(角川文庫/平成3年)を偶然書棚で発見した。やはり持ってゐたのか。


12月27日(月)

 紀伊國屋書店から、西崎憲『蕃東国年代記』(1400円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、トマス・ピンチョン『スロー・ラーナー』(佐藤良明訳 /2600円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、伊藤計劃『虐殺器官』(720円+税/ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、マーセデス・ラッキー『魔法の誓約上』 (細美遙子訳/900円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、マーセデス・ラッキー『魔法の誓約下』 (細美遙子訳/880円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。今年の本の購入はおそらくこれで最後である。

 紀伊國屋書店からMichael White C. S. Lewis (De Capo Press) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。これは何のために買ったんだったか。電子化用か。

 古書店〈百年〉から、幻想と怪奇12号「特集:ウィアード・テールズ」が届く。早い。ここはクレジットカード決済だったはづ。この頃、どの註文がどういふ支払ひか判らなくなりつつある。先ほど、本の領収書の間から、先日購入した本の代金の振替用紙が出てきた。うっかりしてゐた。早く支払はなくては!

 もう今年は本の註文をしないはづなので、一年の本の註文する数を数へられる。和書は313冊で昨年よりも20冊増えてゐる。洋書は78冊で、34冊も増えてゐる。両方足すと391冊で、一日一冊よりも多い。来年はぜひ一日一冊以上になってしまった。来年は少し本を減らさう。

 ちなみに、今年電子化した本は今日までで35冊。少な過ぎる。こちらも一日一冊以上にしたい。


12月26日(日)

 今週の土曜日はもう来年だと驚きながら、今日は買ひ物に行ったり(しかし本も書棚も買はない)、パンを焼いたりしてゐたら、本を買ふ暇も読む暇もなくなり、一日が終はってしまった。せめて、古本屋に売却しようと思っている本を少し片づけて、その山に被せてゐるカーテンを自由にして、陽の当たりやすい書棚のカーテンとしようと心に決めてゐたのだが、それも今日は達成できず、気がつくと今日はあと五分しか残ってゐない。

 明日は本を読む。きっと読む。必ず読む。そのために生きてゐるのだから。


12月25日(土)

 ブランドン・サンダースン『ミストクローク1 新たな救い手』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。まだ途中なので何とも云へないが、もうちょっとてきぱき話が進んでくれればいいのにと密かに思ふ。「〜(し)ないといけない」といふ云ひ回しが多い。いちど気になると気になって仕方がなくなる。前に小林信彦の本でこの云ひ方に関することが出てきて、それ以来気になってしまふのである。困ったものだ。

 スーパー源氏で検索して、古本くろねこ堂に「幻想と怪奇」を三冊註文した。3冊で5000円。今どきはハードカバーが高くなってゐるので、新刊書店でちょっと数冊も本を買へばたちまち5000円を超えてしまふ。今日註文したいなと思ってゐた、牛肉と豚肉と羊肉料理の本を三冊買ふよりもずっと安い。そんなわけで、今日は「幻想と怪奇」を註文したから肉の本は諦めたのだ。私も本を註文するのを我慢することはできる。
 そんなに大した出費ではないと云へるのではないかと主張したいわけである。肉の本買ふのを我慢したからいいだらうと。
 幻想と怪奇はこれで全巻揃ったと思ふ。8冊まで集めたのがおそらく25年くらゐ前である。それ以降、全然捜してもゐなかった。ふと全部集めてみようと一昨日思ひついて、二日で揃ってしまった。便利な世の中になったものである。家から一歩も出ずに「幻想と怪奇」を揃へられるのだから。
 来年は「世界幻想文学大系」を揃へようか。


12月24日(金)

 今年も残り一週間。この日記を書き始めてから15年にならうとしてゐるのだ。驚くべきことに。あまり関係ないけれど、年末にかけて、このサイトを少し整理してみたいと思ってゐる。訳の判らないRSSとかもあって、管理されてゐないから、機能してゐないものも少なくないと思ふ。とくにデザインを改めたりはしないので、気づかない方が多いだらう。

 ロシア(Ozon.ru)にSFやファンタジイの新刊情報RSS、読売新聞と産経新聞の書評欄の新着情報RSSなどを削除。すでに機能は停止してゐたもの。備忘録はもうなくてもいいような気がする。

 今日の電子化。
◆スティーヴン・エリクスン『砂塵の魔門 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 Kindleに入れた。明日から電車の中で読まうか。今読んでゐるのが終はったらだけど。

 SFマガジン2011年2月号[Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。今月は日本作家特集。私はなかなか日本作家の本は読まないのだが、どうしてだかは自分でもよく判らない。時間が足りなくて……とか云ひ訳してみる。

 日本の古本屋で検索して、武蔵野市吉祥寺本町の古書店〈百年〉に、幻想と怪奇12号「特集:ウィアード・テールズ」を註文。ちょっと汚れや破れがあるらしく、およそ1000円。幻想と怪奇はぜんぶ揃ふまで残り3冊である。


12月23日(木)

 信じたくない事実だが、今年もあと一週間で終はりである。この日記も15年も書いてきたといふことになる。来月からは、16年目に入る。書いてゐる内容がほとんど変はってゐないのは、驚くべき進歩のなさだ。毎日毎日、本が欲しい、本を買ったと報告してゐる。たまには読んだりもする。

 進歩がないといふより、寧ろ退化してはゐまいか。もっと読まなくては。もっと本を買はなくては。


12月22日(水)

 紀伊國屋書店に今年最後の註文をする。
●西崎憲『蕃東国年代記』(1400円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●トマス・ピンチョン『スロー・ラーナー』(佐藤良明訳 /2600円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●伊藤計劃『虐殺器官』(720円+税/ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●マーセデス・ラッキー『魔法の誓約上』 (細美遙子訳/900円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●マーセデス・ラッキー『魔法の誓約下』 (細美遙子訳/880円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上5冊。『蕃東国年代記』に大いに期待してゐる。

 静岡市の文遊舎から、オウエン・バーフィールド『詩の言葉 意味の研究』(松本延夫・秋葉隆三訳/英宝社)が届く。二行の引用のために一冊本を買ってしまった。

 ブランドン・サンダースン『ミストクローク1 新たな救い手』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。宗教について思ひ悩むセイズドの様子を読んで、C・S・ルイスのことを思ひ出してしまった。面白いのだけど、もう少し早く進んでくれればいいのに。いや、私がもっと早く読めればいいだけなのだが。読むのが遅過ぎるのだ。

 紀伊國屋書店から、マーガレット・アトウッド『オリクスとクレイク』(畔柳和代訳/3000円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、藤井貞和『日本語と時間 〈時の文法〉をたどる』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋##店, Yahoo! Books]、シャンナ・スウェンドソン『スーパーヒーローの秘密 (株)魔法製作所』(今泉敦子訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ヴィクトル・ペレーヴィン『寝台特急 黄色い矢』(中村唯史・岩本和久訳/1800円+税/群像社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョン・リンゴー『地球戦線 3』(月岡小穂訳/740円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、津野海太郎『電子本をバカにするなかれ』(1800円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、小松左京『宇宙にとって人間とは何か 小松左京箴言集』(760円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。

 本を読む時間が足りない。本を読む速度が足りない。


12月21日(火)

 FANTASTIC COLLECTIBLESに註文したPULP MAGAZINE COVERS Complete Collection DVDが届いた。古いSFやファンタジイなどの雑誌の表紙画像ばかりたくさん入ってゐる。やはりWeird Talesの表紙から見てしまふ。画像サイズはなぜかまちまち。いろいろ眺めてゐると、どういふわけか物足りなく感じられ、実物を集めたくなってくるのが怖いところだ。しかし、これ以上住居空間は減らせない。

 昨日届いたリン・カーター『ファンタジーの歴史』(中村融訳/東京創元社)を読む。自分が如何にリン・カーターのファンタジイ史観の影響を強く受けてゐるかが判り、ちょっと驚く。Ballantine Adult Fantasyの影響だらうか。もちろん、刊行当時はまだ英語でファンタジイなど読んでゐないので、間接的なものだらうが。それとも、独自に同じやうな視点を持つやうになったのだらうか。それはそれで何となく気持ち悪い。

 今年最後のオンライン書店註文をしようかと思ったが、註文には遅すぎる時間になってしまった。真夜中に註文すると人は余計なものを註文してしまふものである。できれば昼間の太陽の光で月の魔力が消えてゐる時間に註文するのが望ましい。註文は明日にしよう。


12月20日(月)

 ブランドン・サンダースン『ミストクローク1 新たな救い手』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を170ページまで。そんな大事なことをこんなところで知らせるのかと驚く箇所あり。

 日本の古本屋で検索して、静岡市の文遊舎に
●オウエン・バーフィールド『詩の言葉 意味の研究』(松本延夫・秋葉隆三訳/英宝社)
を註文。絶版・品切れのやうで、止むを得ず古本屋に註文。およそ1000円だった。

 紀伊國屋書店から、『東京創元社文庫解説総目録』(5000円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。これは素晴らしい。読んでゐると時間を忘れさうなので、我慢して書棚にならべる。

 杉本梁江堂から、リン・カーター『ファンタジーの歴史』(中村融訳/東京創元社)が届いた。ハードカバーではなかったんだ。道理で書棚を探しても見つけられなかったわけだ。ハードカバーを探してゐた。表紙絵は覚えてゐたんだが。前に買ったときはちゃんと読んでゐなかったやうな気がする。早速明日から読まう。いや、今日からだ。


12月19日(日)

 そろそろ年末を意識しながら、紀伊國屋書店に本を註文。
●マーガレット・アトウッド『オリクスとクレイク』(畔柳和代訳/3000円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●藤井貞和『日本語と時間 〈時の文法〉をたどる』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋##店, Yahoo! Books]
●シャンナ・スウェンドソン『スーパーヒーローの秘密 (株)魔法製作所』(今泉敦子訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ヴィクトル・ペレーヴィン『寝台特急 黄色い矢』(中村唯史・岩本和久訳/1800円+税/群像社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョン・リンゴー『地球戦線 3』(月岡小穂訳/740円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●津野海太郎『電子本をバカにするなかれ』(1800円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●小松左京『宇宙にとって人間とは何か 小松左京箴言集』(760円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
年内の註文はあと一回くらゐだらうか。

 昨日から、ウンベルト・エーコ『バウドリーノ 上』(堤康徳訳/1900円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら、ブランドン・サンダースン『ミストクローク1 新たな救い手』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んだり。ときどき、ル・グィンを読んでみたり。時間が足りない。もっともっと本を読まなければならないのに。


12月18日(土)

 山崎元・水瀬ケンイチ『ほったらかし投資術』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。別に面白い本でもないが、たまにかういふ本でも読まないと、自分と家族が生きていくにも金が必要であることを忘れてしまひさうなので。霞を食って生きていけるわけではないのだ。将来のことも考へなくてはならない。少しでも長く本を読み続けるために、安定した生活を維持しなくてはならないのだ。さらに、逆にうまく儲けられるものではないことを忘れないやうに。さういふ話に騙されないやうに。

 日本の古本屋で検索して、〈古書 明日〉に、
●ピーター・アトキンス『ガリレオの指 現代科学を動かす10大理論』(斉藤隆央訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
註文。新刊書店で買へるものは、極力新刊書で購入するやうにしてゐるが(二冊目以降は別)、私にも生活があるのでやむなく古書店で。仕事で使ふ本だし……。

 そして、日記を書くのを忘れて寝てしまふ。仕方がないので、日曜日にこれを書く。


12月17日(金)

 ウンベルト・エーコ『バウドリーノ 上』(堤康徳訳/1900円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。面白い。まだほんの最初の方だけど。

 AirMac ExtremeとExpressのファームウェアをアップデートしたら、家のどこにいても強い無線LANのシグナルを受けられるやうになった。こまで、いろいろ苦労して何とかしようとしたのだが、今日のアップデートで一瞬で改善された。とりあへず、良かったと喜ばう。

 眠い。意識を保ってゐるのが困難になってきたから、寝よう。


12月16日(木)

 昨日
『東京創元社文庫解説総目録』(5000円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を買ったことを書くのを忘れてゐた。本の購入記録は少なくとも忘れずきちんと書かなくてはならない。書棚を探して見つからない本はこの日記で購入記録を調べて、本当に買ったのかどうかを確認しなくてはならないから。これがないと同じ本を何度も買ってしまふ。

『切り取れ、あの祈る手を』読了。難しいことは判らないので、批評とか評論は苦手なのだが、興味深く読んだ。読むことがすなはち革命なのだといふのはどういふことかと思って読み始めたが、なるほど納得できた。私ももっと本を手に取って読み、そして書かなくてはならない。
 情報革命については、昨今騒がれてゐるが、中世の「ローマ法大全」の翻訳に索引がついたときから始まってゐるのだといふ指摘もなるほどさうかも知れないと思った。ただ、中世の索引はあまりにも遅い。原理は同じだとしても、現代の索引の速さは重要な意味を持つはづだ。速度がある一線を越えると、それまでとは違った意味を持つようになってくることがある。原理が同じだから、そんなものは昔からあるといふことでは済まされまい。さういふことをいふとたいていのものの原理は昔からあるやうな気分になってしまふではないか。

 文盲について、少し調べてみたくなってきた。

 鸚哥文庫から、テリー・プラチェット『ディスクワールド騒動記〈1〉』(安田均訳/角川文庫)が届く。近いうちに読まなければ。表紙絵にあまり覚えがないから、きっと持ってゐなかったに違ひない。

 紀伊國屋書店から、クードレット『妖精メリュジ-ヌ物語 西洋中世奇譚集成』(松村剛訳/1050円+税/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、長友啓典『装丁問答』(780円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、山崎元・水瀬ケンイチ『ほったらかし投資術』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大森望責任編集『NOVA 3』(950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、関口良雄『昔日の客』(2200円+税/夏葉社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、スティーヴン・エリクスン『砂塵の魔門 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、G・K・チェスタトン『四人の申し分なき重罪人』(西崎憲訳/1000円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。どれから読むか。全部読めるのか。本当に読めるのか。

 アーシュラ・K.ル=グウィン『夜の言葉』(山田和子ほか訳/1000円+税/岩波現代文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいくら捜しても見つけられない。2冊か3冊持ってゐるはずづなのだが。仕方がないので、Amazon.co.jpに註文した。註文しようとしたら、2009年9月にこの本を註文してゐますなんていふ判りきったことを教へてくれるので苛々しながら。

 リン・カーター『ファンタジーの歴史』(中村融訳/東京創元社)を捜したのだが、見つけられない。これは一冊しか持ってゐないのだった。普通さうだけど。仕方がないので註文しようと思ったが、新刊書店ではもはや註文できないやうなので、日本の古本屋で検索して、杉本梁江堂に註文した。

 かうやって複数所有してしまった本はやはり電子化しておくべきか。


12月15日(水)

 今日も、佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(2000円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。終はらなかった。

 FANTAST Vol36をいただきました。ありがたうございました。

 スティーヴン・エリクスン『砂塵の魔門 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。詳しい用語集があって、あとがきの背景説明なども判りやすいので、前の記憶を蘇らせるのに苦労せずに読めるかも。

 今日はあと一分で終はりなので、これで。


12月14日(火)

 鳥飼玖美子『「英語公用語」は何が問題か』(724円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。いろいろとといふかことごとく納得できる。今日はあまりそのことを書く余裕がないのだが。

 何度も書いてゐるが、私が今多少なりとも英語の本を読めるのは、読み書き中心だった学校英語のおかげである。意志の弱い私は、読みたいと長年思ひ続けてゐても、全然ドイツ語の本が読めるやうにならない。英語の論文を読んだり、時には書いたりするもできるのは、やはり学校英語のおかげである。

 少しだけ読んでそのまま放置してゐた佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(2000円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を再び読み始める。

 今日はこの日記のスタイルシートを少し変更しました。もしもこの変更で読みにくくなってしまったではないかとお怒りの方、メールあるいは、Twitterなどでご指摘下さい。主にiPhone/iPod Touch向けの画面です。


12月13日(月)

 鳥飼玖美子『「英語公用語」は何が問題か』(724円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。かういふ英語教育に長年携はってきた人が書くと、私が書くのと違って、自分が英語ができないからそんなこと云ってんだらうなどとは云はれないせゐか安心して読めるのである。まだ途中だが、とくに目新しいことはない。私がこの手の本をよく読んでゐるせゐだらう。今の日本の英語教育が日常英会話に偏重しすぎてゐることを繰り返し指摘してゐる。特に記憶に残ったのは、「もし、世界で通用する英語を身につけたいと思ったら、日常会話一辺倒の学習から脱することだ。自分にとって関心が持てる内容で質の高い英文を多読し、たまには細部まで注意を払う精読も入れ、そして自分で英文を書いてみること。その前提となるのは、自分の考えであり、主張である。母語である日本語で言えないことを、外国語である英語で言えるわけはない。しっかりした意見があれば、読み書きの力に支えられ英語で話すことが可能になる」といふ箇所である。

 抽象的なことなんかいふことはなくて、ただ日常的な会話が必要なのだといふ人もゐるかも知れない。さういふ人は日常会話の練習をすればいいわけだ。それも駄目だとは私は思はない。人それぞれ必要性は異なるはづだ。私にとって必要な英語は、本を読むこと。何よりも本を読むこと。日本語になってゐない本を読むことである。ついでに、論文を読んだり、論文を書いたり、本の註文をしたり、そんなこともある。人と仲良くお話しするといふのは、私の目標には入ってゐない。会話能力が皆無なので、日本語でもうまく話せないのだ。

 続きはまた明日。


12月12日(日)

 昨日、アヴラム・デイヴィッドスン『エステルハージ博士の事件簿』(池央耿訳/1900円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へたのだった。書くのを忘れてゐた(本当は夜遅くなって書く時間がなかったのだが)。どれもこれも素晴らしい。ユーゴスラビア付近の今は存在しない帝国を舞台に、エステルハージ博士が何らかの事件に遭遇する(別に解決するといふ訳でもない)。「眠れる童女、ポリー・チャームズ」などは判りやすいが、「神聖伏魔殿」はちょっとよく判らない。いや、他のだって判ったのだか判らなかったのかよく判らない。が、妙にすっきり判ってしまふ本よりも、その判らなさが面白い。判りやすさを追求した昨今の薄っぺらい話と比べて、あまりにも古めかしくてちっとも判りやすくない。その判らなさこそ古めかしさであり、本書の魅力なのだ。今これを読んでゐる人にはさっぱり判らないだらうが、この8篇の(連作)短篇を味はへて本当によかったと思った私の気持ちに嘘偽りはない。前に英語で楽しまうと思ったのだが、難しくて楽しめなかったのである。日本語なら私にも読めるといふわけだ。

 昨日、科学魔界52号を買った。

 今日は、紀伊國屋書店に
●クードレット『妖精メリュジ-ヌ物語 西洋中世奇譚集成』(松村剛訳/1050円+税/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●長友啓典『装丁問答』(780円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●山崎元・水瀬ケンイチ『ほったらかし投資術』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大森望責任編集『NOVA 3』(950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●関口良雄『昔日の客』(2200円+税/夏葉社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●スティーヴン・エリクスン『砂塵の魔門 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●G・K・チェスタトン『四人の申し分なき重罪人』(西崎憲訳/1000円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。

 ふとした弾みで、PULP MAGAZINE COVERS Complete Collection DVDといふのをFANTASTIC COLLECTIBLESに註文してしまった。6000ほどのパルプ雑誌の表紙絵画像が収録されてゐるらしい。残念ながらWeird Talesは完全揃ひではないやうだ。この書店は昔利用したことがあるし、このCD/DVDの存在も知ってゐたのだが、なかなか註文しようという決断ができなかったのである。今日はふとした弾みでそのきっかけができて、註文してしまった。送料を含めて、US$32.95である。6000冊の表紙で2800円である。安いものだ。もしかして勘違ひしてゐる人がゐるとよくないので、念のため書いておくが、表紙絵だけである。中身は読めない。


12月11日(土)

 昨日、スキャンした『C・S・ルイス』(中村妙子訳/岩波書店)のテキスト抽出をあれこれ悩んで時間をとられてしまふ。昨日はどうしても文字化けしてしまったのだけど、UbuntuのAdobe Readerでテキストで書き出すようにしたら、どういふわけか、読めるテキストファイルになった。しかし、そんなに精度は高くない。カタカナの長音記号がほとんど読み取れず、改行になったり!になったり、lになったりしてしまふ。カタカナのほとんど出てこない文章ならよささうだが、イギリスの人名地名がたくさん出てくるこの本はかなり厳しい。どうやら、一気にテキストで出力するより、一ページ毎にコピー&ペーストする方が間違ひが少ないやうなので、もしかしたら、さうやってテキストファイルを作っていった方が早いかも。

 先日書棚を探して、どうしてもみつからないのでもしかしたらこれは持ってゐないのかも知れないと思ひ、スーパー源氏で検索して、鸚哥文庫に、
●テリー・プラチェット『ディスクワールド騒動記〈1〉』(安田均訳/角川文庫)
を註文。525円+送料である。

 アメリカのSF情報誌Locus 12月号着。今日は忘年会で遅くなったので、目を通すのは明日にしよう。


12月10日(金)

 今日も時間と元気がない。いろいろ大変な出来事があったから、報告したかったのだが(嘘)。


12月9日(木)

 北見市のリサイクルブックから、ロジャー・グッドマン『帰国子女 新しい特権階級の出現』(岩波書店/1992)が届く。

 やうやくアカデミック価格での販売が許可されてAdobe Acrobat Xをダウンロードできた。こいつを使って、縦書きの日本語書籍をどんどん検索できる電子本にしたいものだ。

 日本の古本屋で検索したら、すぐ近くの書店に店頭在庫があることが判ったので、神田小川町の長嶋書店で、
●マイケル・ホワイト『C・S・ルイス』(中村妙子訳/岩波書店)
を購入。すでに一冊持ってゐる本である。どうしてもう一冊買ふのかといふと、電子化しようといふ魂胆である。だから、なるべくぼろぼろの本が欲しかったのだが、なかなかよい保存状態ではないか。スキャン後、何とか修復して本の姿に戻したくなってしまふ。さうすると書棚が空かないばかりか、本が増えてしまふのだ。困った。

 夕方から頭が痛くなる。もう寝なければ。


12月8日(水)

 今日は疲れてゐるので、日記は休み。

12月7日(火)

 毎日、出勤するときは、Kindleを上着の内ポケットに入れて出かけてゐる。それが今日は忘れてしまった。電車の中でポケットの中に何も入ってゐないと判った瞬間、目の前の風景が揺らぐほど狼狽した。何か魂を家において出勤してしまったかのやうな、蔵書を全部置いたまま引越してしまったかのやうな気分であった。激しい後悔に押し潰されさうになりながら、息苦しさを感じた私は空気を求めて激しく喘いだ。鞄の中に手を入れると、そこにはアヴラム・デイヴィッドスン『エステルハージ博士の事件簿』(池央耿訳/1900円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]があった。助かった。これで倒れることなく、出勤できる。

 エステルハージ博士の話にはたちまち心奪われる。この何とも云へない怪しい雰囲気。素晴らしい。毎日少しづつ読みたい本である。今日は58ページまで。

 今日は疲れてゐるので、これで。


12月6日(月)

 今井むつみ『ことばと思考』(岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。言葉が思考に影響を与えるといふサピア・ウォーフ仮説の現代的な考察。以前から関心のある話なので面白い。

 Adobe Acrobat Xの購入手続きが遅れてゐる。私の持ってゐたアカウントを使って購入申し込みをしたのだが、それが最初は法人として登録したものだといふことを忘れてゐて、そのせゐで登録情報を変更できるかどうかなど、面倒臭いことになってしまったのである。確かに、法人で買ったものの個人の登録に変更してしまって、それにアップグレード版を提供したりしてはよくないだらう。といふことに今頃気がついた。さっさと、新しい個人アカウントを作って註文すればよかった。

 今、検索したいと思ってゐるのが聖書である。電子版聖書は、私が知る範囲では売ってゐない。以前、電子ブック版があったのだが、あまり使ひやすいものではなかったと思ふ。しかし、一般に売られてゐる聖書は、極めて薄い紙で作られてゐるので、到底ドキュメントスキャナなんかで処理できさうにない。ところが最近、新書判聖書が出たといふではないか。まだ実物を手に取ってゐないのだが、これならスキャンできるだらうか。密かに期待してゐるのだ。

 紀伊國屋書店から、The Way of the Wizard (Prime Books, 11/2010) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。魔法使ひが出てくる作品を収録咲いたアンソロジーだと思ふ。

 夜、『ことばと思考』を読み終へる。言語が人の世界認識にどのやうな影響を与へるのかといふ話題は以前から関心があったので、興味深く読む。もちろん本書は認識に影響を与へるといふ立場だが、それで相互理解ができなくなることもないといふ考へ方で、その加減が安心して読めてよかった。「終章」でも触れられてゐたが、ピンカーの本など読むと、サピア・ウォーフ仮説を声高に罵るやうに切り捨ててゐる。右左といふ概念のない言葉なんかを見つけてきてはどうでもいいことを叫んでゐるぜといふ感じである。ウォーフが極端すぎたからかうなってしまったのだらうか。
 冠詞の違ひが記憶に影響を与へるといふ実験は実に面白かった。そんなことがあるのかと驚いた。それだけでも、本書を読んでよかったと思ったくらゐだ。子供の言語の獲得による世界の切り分け方の変化と固定化がウォーフ仮説の裏付けのやうに書かれてゐたところの話の流れはよく判らなかった。


12月5日(日)

 今日は電車に乗って出かける用事があったので、久しぶりにルイスのThe Pilgrim's Regress (Kindle版) [Amazon.com]を読んでみた。かなり忘れてしまってゐた。キリスト教にまつはるいろいろな考へ方やそれを支持する人々のことを書いてゐるんだらうが、私にはさういふ知識が不足してゐるので、よく判らない。簡単にいふと読みやすいけれども面白くはない。歌を聴いて捜し求めてゐた島を心の中に見出してしまったりするあたり。

 Adobe Acrobat Xを直営のダウンロード販売で購入。アカデミック価格を利用した。さういふわけで、購入手続をしてもすぐには使へないのである。残念。
 今回購入してみようと思ったのは、日本語縦書きOCR機能がよくなってゐると読んだので。以前は日本語OCRがいくつかあったMacOSだが、今は手軽に買へるものが売られてゐない。特に縦書きの日本語を認識できるものがない。これには困ってゐた。困ったからといってWindowsを使ふ気にもなれず、ほとほと困り果ててゐたわけである。横書きならできてもPDFはできなかったり、とにかく不便だった。今回、縦書き日本語処理が実用的だったら、ScanSnapでPDF化した本の文字認識ができて、検索ができるやうになるといふわけだ。検索できるやうになるのなら、この頃やや意欲が薄れてゐた、蔵書のPDF化作業も捗るに違ひない。どんどん、電子化した書籍を検索できるやうにしたいものだ。考へるだけで嬉しくなってくる。とりあへず、千冊くらゐ電子化できればいいのだが、まだまだだ。もっともっと電子化して書棚を空けたい。さうすればもっともっと新しい本を買へるかな。
 はやく使ってみたいものだ。


12月4日(土)

 山岸真編『スティーヴ・フィーヴァー』(ハヤカワ文庫SF/960円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。自分が古風で単純な作品しか判らないことがよく判った。メアリ・スーン・リー「引き潮」とブライアン・W・オールディス「見せかけの生命」が強く印象に残ってゐる。前者はもう悲しくて涙を流しさうになったくらゐだ。後者はもの寂しくなる作品。私は判りやすい話でないと駄目なやうだ。あとはデイヴィッド・ブリン「有意水準の石」、グレッグ・イーガン「スティーヴ・フィーヴァー」、ロバート・J・ソウヤー「脱ぎ捨てられた男」辺りが面白く読めた。人間のデジタル化といふところにだけ注目すれば似たやうな作品が多いことになってしまふが、作家によってずいぶんその扱ひは違ふ。時代の違ひといふわけではないだらう。一見古い作品の方が私にはよく判るといふやうな気がしたが、必ずしも発表年が古いものがよく判るわけではないやうで、難しいものは判らないといふだけのことだらう。私の頭がついていけないといふことだ。

 さらによく目次を眺めてみれば、判らなかった作品はそんなにない。イアン・マクドナルト「キャサリン・ホイール」、カスリン・アン・グーナン「ひまわり」、デイヴィッド・マルセク「ウェディング・アルバム」くらゐか、判りにくかったのは。最初判りにくくて混乱する作品もあるから、そんな感じがするが、読み終はってみれば、よく判らないままといふこともないのだ。

 簡単にいふと、娘が死ぬ話に弱いやうだ。メアリ・スーン・リー「引き潮」とカスリン・アン・グーナン「ひまわり」である。

 今日の電子化。
◆徳田賢二『おまけより割引してほしい』(ちくま新書/2006年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
「「値ごろ感」が生み出される仕組みを解き明かし」てくれる本。面白く読んだ記憶はあるのだが、今となってはほとんど思ひ出せない。もしかしたら、いつの日かもう一回読んでみようと思ふ日がくるかも知れないと考へ、pdfにしておく。
 この頃、電子化の速度が落ちてきてゐる。本棚を増やすよりも本を減らすやうにしようと思ってゐるのに、これでは全然買ふ速度に追ひつかないではないか。

 急ぎの用事でAmazon.co.jpに本を註文。
●クレイトン・クリステンセン他『教育×破壊的イノベーション』(櫻井祐子訳/2200円+税/翔泳社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
読まないかも知れない。

 再び急ぎの用で、日本の古本屋で検索して、北見市のリサイクルブックに、
●ロジャー・グッドマン『帰国子女 新しい特権階級の出現』(岩波書店/1992)
を註文。読まないかも知れない。でも必要なのだ。


12月3日(金)

 今日も『スティーヴ・フィーヴァー』(ハヤカワ文庫SF/960円+税)を手に取って出勤。マルセク「ウェディング・アルバム」の途中まで。表題作のナノマシンが目指してゐるところがよく判らない。

 佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(2000円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を、毎晩一夜分づつ読まうかと思ったが、眠くて駄目だ。眠すぎる。夜は本は読めない。

 この頃のSFは読んでも難しくてよく判らないことがある。歳を取ったといふことか。


12月2日(木)

 定期的に通ってゐる歯科医院から来た次回の予約を促す葉書に「歯磨き頑張られていますか」と書いてあった。何だか歯の根がもぞもぞする表現である。「頑張られる」といふと、「こんなときだけ頑張られても困るよな」と平素仕事のできない上司の部下が嘆く言葉にでてきさうな感じではないか。もちろん、平素無能な部下を嘆く上司の言葉でもいいのだけど。そもそも、歯磨きは頑張らなくてはならないものなのか。朝起きて歯ブラシをくわへたときから頑張らなくてはならないのか。まだ足りないのか、どこまで頑張れば許してくれるのかと、葉書を持つ手が震へた(嘘だけど)。

 私は何事も頑張らない。

 紀伊國屋書店から、リシェル・ミード『ブックストアは危険がいっぱい』(須麻カオル訳/743円+税/角川文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と、佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(2000円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。

 今日も『スティーヴ・フィーヴァー』(ハヤカワ文庫SF/960円+税)を手に取って出勤。グーナン「ひまわり」まで。「引き潮」は悲しい話である。悲しすぎる。


12月1日(水)

 紀伊國屋書店から本が届く。『SF Japan 2010 AUTUMN』(1700円+税/徳間書店)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、アーサー・コナン・ドイル『緋色の研究 【新訳版】』(深町眞理子訳/620円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ピアズ・アンソニイ『アイダ王女の小さな月』(山田順子訳/1000円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ランドン・サンダースン『ミストクローク -霧の羽衣- 2 古からの声』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]で、二冊ほど註文したのに今日は届かないものがあった。

 今日も『スティーヴ・フィーヴァー』(ハヤカワ文庫SF/960円+税)を手に取って出勤。チャールズ・ストロスまで読む。それにしても、読むのが遅すぎる。


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