8月31日(火)

 日本の古本屋で検索して、新日本書籍に本を註文。
●ウォルター・フーパー『C・S・ルイス文学案内事典 改訂再版』(山形和美訳/彩流社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 2003年に出た改訂再版の方。新刊書店でも買へるのだが、どうしても金がなかったのだ。7350円+送料420円。神保町の店舗にならすぐに行けるのだが、検索して出てくるものが店頭にあるとは限らないから気をつけろと書いてあるから、通常通りの手続きで送料を払ふ。電話が嫌ひだから。本を売りたいから古本屋に電話をして買い取ってもらひたいのだけど、どうも電話をかけるとなると、明日にしよう明日にしようと毎日先送りにしてしまふ。困ったものだ。
 ここはクレジットカードが使へて、すぐに発送する旨の連絡があった。

 Amazon.co.jpから、Oliver Onions The Dead of Night: The Ghost Stories of Oliver Onions (Wordsworth Editions Ltd) [Amazon.co.jp]が届いた。安くて分厚い本である。五年くらゐで塵になったしないかと心配になるほど、安い。

 紀伊國屋書店から、『サー・ガウェインと緑の騎士—トールキンのアーサー王物語』(山本史郎訳/1600円+税/原書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。今更だけど。これが出たときには、あへて買はない理由があったのだけど、その理由はここには書けない。

 ジョー・ウォルトン『バッキンガムの光芒』(茂木健訳/1240円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]は所謂「ら抜き言葉」はもう出てくることもなくなったので、安心して読み進めてゐるところ。


8月30日(月)

 紀伊國屋書店から、酒井順子『ズルい言葉』(1300円+税/角川春樹事務所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、デヴィッド・C・ダウニング『「ナルニア国物語」の秘密』(唐沢則幸訳/1800円+税/バジリコ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョン・ダニング『愛書家の死』(横山啓明訳/1000円+税/ハヤカワ・ミステリ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ウィリアム・トレヴァー 『アイルランド・ストーリーズ』(栩木伸明訳/2400円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』(岸本佐知子訳/1900円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、真野泰『英語のしくみと訳しかた』(2000円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。面白さうなものが多いので、どれから読むか悩むところである。すぐに読まないと、本棚にちょっと置いた翌日には姿が見えなくなって読めなくなってしまふこともあるから、気をつけなければ。

 愛書家ミステリは、そんなに久しぶりでもなくて、2007年夏に『災いの古書』が出てゐたんだった。日記によると、ちゃんと註文したやうだ。しかも、翌日には読んでゐる。「面白かった。サイン本にかういふやうに結びつくとは感心した。なかなか意外な結末だし、本の存在が事件に欠かせない意味をちゃんと持ってゐる。」なんて感想を記してゐるのだが、まったく覚えてゐない。

 ジョー・ウォルトン『バッキンガムの光芒』(茂木健訳/1240円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。面白く読み進めてゐるのだが(といっても、まだ最初の方)、きっとロンドンの下層民の言葉の雰囲気を出さうとしてゐるのだらうが、所謂「ら抜き言葉」が頻出するのは辛い。三巻だけ原書で読まうかとすら思った。でも、ハードカバーしかないのか。


8月29日(日)

 日曜だから、今日も頭痛。パンを焼いたりしてから寝てしまひ、本が読めなかった。

 ジョー・ウォルトン『バッキンガムの光芒』(茂木健訳/1240円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。早速、明日から読みたい。今から読み始めたら、眠れなくなりさうなので。

 弱ってゐるので、今日はこれで。


8月28日(土)

 ヴァーノン・リーの昔出たPope Jacynth and Other Fantastic Taleを見つけた。あと三冊くらゐ持ってゐるヴァーノン・リーはまだ見つけられない。

 昨日読んだ杉浦由美子『バブル女は「死ねばいい」』は、バブル時代に就職できた世代(主に1960年代後半生まれ)と、その後の1970年代前半生まれの間にある大きな隔たりを明らかにする。明らかなのはみんな大体判ってゐるやうな気がするが、この著者はバブル女を「妖怪」と呼び(ちょっと妖怪が可哀想な気がする)、その妖怪の生態を説明し、妖怪の被害を受けないやうにするにはどうしたらいいかを語る。バブル女的価値観とは、「結果を出すことよりも、頑張ることに意味がある」「飲み会に参加するのも、仕事のうち」「美人で仕事ができたとしても、男がゐない女は負けである」といふやうなものだといふ。私は1960年代前半生まれなので、バブル世代に近いのだが、ここに挙げられてゐる価値観の例には常に反感を抱いてきた。結果の出ない頑張りはただの無駄だし、飲み会に参加するのはもっと時間の無駄だと固く信じて疑はなかった。今でもさう信じてゐる。だからといって、団塊ジュニアと意気投合する訳でもないが。私は誰とも意気投合などしないのである。そんなことは、どうでもいいが、本書が着目してゐる問題の主要なものの一つは、団塊ジュニア世代は急激に子供が産めなくなってゐるのはなぜかといふ問ひである。女の母性は衰へてゐないといふ。この、もう二度と右肩上がりの時代は来ないといふ状況で子供を産むのは、ロープなしに崖から飛び降りるやうなものだといふ。ついバブル姉さんたちの奇妙な生態に気を取られてしまふが、この本が訴へようとしてゐるのは、そこのところである。どうしたらいいのかは、本書には示されてゐないし、私にも判らない。


8月27日(金)

 今日は訳あって、マイケル・ホワイト『ナルニア国の父 C・S・ルイス』(中村妙子訳/2500円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。全部を読む訳ではないけれど、必要なところを拾ひ読む。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●酒井順子『ズルい言葉』(1300円+税/角川春樹事務所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『サー・ガウェインと緑の騎士—トールキンのアーサー王物語』(山本史郎訳/1600円+税/原書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●デヴィッド・C・ダウニング『「ナルニア国物語」の秘密』(唐沢則幸訳/1800円+税/バジリコ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョン・ダニング『愛書家の死』(横山啓明訳/1000円+税/ハヤカワ・ミステリ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ウィリアム・トレヴァー 『アイルランド・ストーリーズ』(栩木伸明訳/2400円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』(岸本佐知子訳/1900円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●真野泰『英語のしくみと訳しかた』(2000円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
ルイスやトールキン関係のが二冊。今更だけど、念のため。『愛書家の死』は、久しぶりのダニングの愛書家ミステリ。読む暇があればいいのだけど。いやいや、暇はあるものではなく、作るものだ。特に本を読む時間などといふものは。

 ルイスの本を読むはづだったのに、帰りの電車の中では我慢できずに、杉浦由美子『バブル女は「死ねばいい」』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始めてしまった。帰宅してから、続きを読んで読了。主にバブル世代と団塊ジュニア世代の女性の世代間格差について。面白い。が、今日はとりあへずもう寝るので続きは(多分)また明日。


8月26日(木)

 今日も訳あって、ハンフリー・カーペンター『J・R・R・トールキン 或る伝記』(菅原啓州訳/評論社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。明日は、別の本にしよう。

 紀伊國屋書店から、Vernon Lee Pope Jacynth and Other Fantastic Tale (Kessinger) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]、Tim Pratt, ed. Sympathy for the Devil (Nightshade Book) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]、Peter S. Beagle, ed. The Secret History of Fantasy (Tachyon) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。ヴァーノン・リーの昔出たPope Jacynth and Other Fantastic Taleの復刻ではないか。どうりで見たことのある版面なわけだ。損したと思ったものの、考へてみればその本が見つからなくて困ってゐるのだから、これでいいのかも知れない。もし見つかったら、こいつを裁断してスキャナで読み込んでpdf化してもいい。
 アンソロジー二冊は、オリジナル作品を収録したものではないので今一つ面白くない。でも、いつか役に立つ日が来ると固く信じて書棚に並べる。ここで、固く信じて読み始めるとすればもっと役立つ日が来る確率は高まると思ふ。


8月25日(水)

 今日は訳あって、マキリップではなく、ハンフリー・カーペンター『J・R・R・トールキン 或る伝記』(菅原啓州訳/評論社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。オックスフォード大学の制度や仕組みがなかなかよく判らない。もう一日くらゐ、これを読みながら通勤するかも。

 英語との対応を確認したいので、Amazon.co.jpに、
○Humphrey Carpenter J.R.R.Tolkien: A Biography (HarperCollins) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
を註文した。あまり遅くなってほしくないな。

 朝、出勤しようと思って家を出たら、足下にが欲しくてたまらなくなり、ジャニーヌ・ヤンセン「バッハ:インヴェンションとパルティータが置いてあった。メール便なので、いけない訳ではないのだが、一体いつの間にきたのだらう。早速聴いてみると、実に新鮮に聞こえる。無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番も

 紀伊國屋書店から、宮脇孝雄『続・翻訳の基本』(1700円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、市川真人『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか』(880円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、杉浦由美子『バブル女は「死ねばいい」』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョーゼフ・キャンベル&ビル・モイヤーズ『神話の力』(飛田茂雄訳/1000円+税/ハヤカワ文庫NF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、武田百合子『富士日記 上 改版』(933円+税/中公文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、武田百合子『富士日記 中 改版』(933円+税/中公文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、武田百合子『富士日記 下 改版』(933円+税/中公文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。こんなに読む暇がないだらう。困ったものだ、何でも買ってしまって。

 昨日、SFマガジン 2010年10月号(940円/早川書房)[Amazon.co.jp, bk1]が届いたのだった。書くのを忘れてゐた。ハヤカワ文庫SF創刊40周年記念特集の渡辺英樹「ハヤカワ文庫SF40年の歩み」は素晴らしい。私が中学生の頃、ハヤカワ文庫SFの青背が始まったやうだ。私もやはりハヤカワ文庫SFの青背を読んで育った世代なのだ。


8月24日(火)

 パトリシア・A・マキリップ『女魔法使いと白鳥のひな』(大友香奈子訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐまで。遅すぎる。

 Vernon Lee Hauntings and Other Fantastic Tales (Broadview Pr) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を持って帰ってきた。収録作品は、Amour Dure/Dionea/Oke of Okehurst/A Wicked Voice/Prince Alberic and the Snake Lady/A Wedding Chest/The Virgin of the Seven Daggersである。大体、既に持ってゐるものばかりだが、詳しい注釈がついてゐるから、これを買った意味はあると思ふ。解説、補遺など多数。果たしていつ読めるだらうか。

 ヘンリク・シェリング「バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ全曲」がやうやく届いた。同時に発送されてもう一枚が届かないのはなぜだ。それはともかく、このシェリングの1967年の演奏は、無伴奏ヴァイオリンパルティータの定番と云はれてゐたものらしい。実はよく知らなかった。安心して聴いてゐられる演奏なので、私も気に入った。既に持ってゐたGidon Kremerのが、失礼ながらあまり好きではなくて、もっと聴きやすいのを探してゐたのだが、これで安心して眠れるといふものだ。だが、安心して眠るだけでは物足りない。もっと刺激が欲しい。そこで、目に留まったのが、Sigiswald Kuijken演奏のもの。バロック・ヴァイオリンでの演奏である。ところが、このCDが中古しか手に入らないやうで、9000円といった値がついてゐる。それは買へない。さらに、目に入ったのが、同じくKuijken演奏の無伴奏チェロ組曲である。ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを使った演奏である。聞いたことのない楽器だが、肩に乗せて演奏するチェロらしい。この楽器については、寺神戸亮演奏の無伴奏チェロ組曲解説ページに詳しいが、バッハの時代、チェロは脚の間に挟んで演奏するものより、肩に乗せて演奏するものの方が一般的だったのではないかといふ推測を元に再現してみた楽器だとか。聴いてみたくてたまらなくなってきた。どうしようか。


8月23日(月)

 パトリシア・A・マキリップ『女魔法使いと白鳥のひな』(大友香奈子訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まだ106ページ。遅すぎる。創元推理文庫はこの頃強調文字に斜体を使ふけれども、これは読みにくい。前にも書いたけれども。平衡感覚が狂ふやうな気持ち悪さがある。電車の中で読んでゐると、思はず吊革をぎゅっとつかんでしまったりする。いや、それは、ちょっと大袈裟かも知れない。

 ジャクリーン・ケアリー『クシエルの啓示2 灼熱の聖地』(和爾桃子訳/1000円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。

 紀伊國屋書店から、Vernon Lee Hauntings and Other Fantastic Tales (Broadview Pr) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届いた。収録作品を書いておかうと思ったら、何と職場に忘れて帰ってきてしまった。空っぽの鞄の中をぢっと見つめて、本を忘れるなんて歳をとったといふことなのかと呟いてみる。生きてゐるのがつらくなるのはかういふときである。

 けふもバッハは来なかった。あしたか。自棄になって、キース・ジャレットやトレヴァー・ピノック演奏のゴールドベルク変奏曲を購入しさうになってしまった。今朝から、ゴールドベルク変奏曲のチェンバロ演奏について、深く思ひを巡らしてゐるのである。


8月22日(日)

 ポール・メルコ『天空のリング』(1000円+税/金子浩訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。ローカス賞受賞といふのでそれなりに期待して読んだのだが、物足りない気分のまま終了。最後の方、植林のところなんかは話の流れと関係ないやうな気がする。関係なくても面白いといふほど面白くもないし。結局、何だったのかといふと、5人が最初から執拗に狙はれてゐた理由はどうもよく判らない。それはこの作品が悪いのではなく、私が悪い可能性は高い。

 今日は昼前から頭が痛くなってきて、パンを焼いたあとほとんど何もできずに、寝てしまふ。やれやれ。

 夜になって頭痛が治ったので、紀伊國屋書店に本を註文。
●宮脇孝雄『続・翻訳の基本』(1700円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●市川真人『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか』(880円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●杉浦由美子『バブル女は「死ねばいい」』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョーゼフ・キャンベル&ビル・モイヤーズ『神話の力』(飛田茂雄訳/1000円+税/ハヤカワ文庫NF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●武田百合子『富士日記 上 改版』(933円+税/中公文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●武田百合子『富士日記 中 改版』(933円+税/中公文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●武田百合子『富士日記 下 改版』(933円+税/中公文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
今回の主目的は『続・翻訳の基本』。他のはついで。ついでが多すぎる。バブル女は題名が面白いのでつい。富士日記は、どうして今まで持ってゐなかったんだと驚いて。多分、持ってゐないと思ふのだけど。

 先日註文したバッハのCDは今日は来なかった。日曜日までに届くと思って配達先は自宅にしたのに。多分、不在でも置いていってくれる配達だと思ふから、明日でも大丈夫だとは思ふが。


8月21日(土)

 ポール・メルコ『天空のリング』(1000円+税/金子浩訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら、RunCore 16GB MLC 凄く速い! SSD, Dell Inspiron Mini 9用 RCP-I-M5016-Cが届くのを待つ。佐川急便の配達状況確認サイトで「配達中」になってから、六時間ほど待ち続けた。これを書いてゐる書斎では、来訪者の音が聞こえないのだ。
 六時間のあいだ、食事を作ったり、掃除をしたり、本を読むだけではなかったのだが、それでもまだ読み終はらないのはどういふことかといふと、あまり面白くないからである。化学物質で意思を伝達するとか、2〜5人の集団で一つの意識を構成するとか、何億もの人間が一つの意識を形作るとどうなるかとか、いろいろ面白い部分はあるのだが、全体としては私の好みからはどうやらずれてしまってゐる。残り80ページくらゐ。

 荷物(16GBのSSD)が届くと、それをInspiron mini 9に取り付けて、Ubuntu 10.04をインストール。その後、いろいろな設定だとか、追加インストールとかで一日潰れたしまった。

 再び足マウスについて考へてみたりする。


8月20日(金)

『アンランダン(下)』読み終へる。面白い。様式化されたファンタジイの展開を裏切るさまざまな趣向が実に面白い。どうしてこいつが選ばれたんだよとか、いちいち変な小物を集めるのに時間(とページ)を使ふなよとか、ファンタジイをたくさん読んでゐる人だったら誰でも一度は考へるに違ひない。もちろん、読者である我々はみんな「選ばれざる者」である。皆でこの本を読んで選ばれなかった英雄を讃へよう。
 唯一の不満は、最後に大冒険を終へた主人公が家に帰って安心するところ。実は「行きて帰りし物語」はあまり好きではない。そんなに家がいいのか。「ハリー・ポッター」のいいところは(私にとっての話だが)、主人公が孤児だといふところである。孤児は自由である。『ナルニア』の子供たちも帰らない。一人を除いて。これはまあすっきりしない部分もあるのだが。そんなに家がいいのか。

 三省堂書店本店で、
Linux100% Vol.14(1314円+税/晋遊舎)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『アメリカ版大学生物学の教科書 第3巻 分子生物学』(1500円+税/講談社ブルーバックス)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。Linuxのは、所謂ムックなので購入図書として数へようかどうしようか迷ったが、ISBNがついてゐるから仕方がない、数へることにした。Ubuntuを中心に軽量Linuxの使ひ方を紹介してゐる。こんなもの読んでゐる暇ないのに、何をやってゐるのか。もう一冊はこのシリーズ最終巻「分子生物学」。原書はもっともっと長いのだが、邦訳はこの三冊だけ。

 東京創元社からパトリシア・A・マキリップ『女魔法使いと白鳥のひな』(大友香奈子訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。これは、二部作なのか。知らなかった。こんな表紙の英語の本を持ってゐるが、もしかしたら、原書を持ってゐるのかも。よく判らないが。明日からこれを読まうか。

 今日から、ポール・メルコ『天空のリング』(1000円+税/金子浩訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。ハヤカワ文庫SFは、今はローダンシリーズ、ミリタリSF、その他のSFの三種類で構成されてゐると云はれてゐるらしい。この頃、ローダンシリーズ以外のSFは一通り読まうとしてゐたのだが、これからは、その他のSFを一通り読むことにしようと思ふ。生きていくのが少し楽になるかも知れない。

 不意に、ジャニーヌ・ヤンセン「バッハ:インヴェンションとパルティータ」が欲しくてたまらなくなり、Amazon.co.jpに註文してしまった。この金のない時期に。困ったものだ。さらに困ったことに、ヘンリク・シェリング「バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ全曲」 も買ってしまった。


8月19日(木)

 チャイナ・ミエヴィル『アンランダン(下)』(内田昌之訳/2200円/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]あと少し。実に難しい残量である。これを持って明日出勤したら、帰宅まで持たないからもう一冊持って出かけなくてはならない。しかし、今から読み終へると寝るのが遅くなりすぎる。どうするか。明日本を二冊持って出かければいいだけだ。簡単に云へば。

 レイ・ブラッドベリは電子書籍が嫌ひらしい〔Los Angeles Times〕。記事を読んでも何が不満なのかはまったく判らなかった。今までに三度、電子書籍化の話があったが、Yahooには「Prick up your ears and go to hell.」といってやったとか。Yahooが電子書籍化事業をしてゐるとは知らなかった。アメリカではやってゐるのか。いろいろ最近の電子機器に怒りの念を抱いてゐるやうで、「携帯電話が多すぎる! インターネットが多すぎる!」と怒ってゐる。しかし、インターネットは一つのネットワークぢゃないのかな。Internetsなんて複数形で云ってゐるけれど。前にブッシュ大統領(当時)がInternetsと云って盛んに莫迦にされてゐたのを思ひ出す。まあ、何でもインターネットかよっていふ気持ちは判らないではないけれど。ブラッドベリは今でも手動のタイプライターなんだろうか。電子メールも使はないのかな。90歳だから仕方ないか。

 ブラッドベリを初めて読んだのは多分『黒いカーニバル』(ハヤカワ文庫NV)。中学生のときだった。Weird TalesやArkham Houseのことを初めて知ったのも、この本の訳者あとがきだった。


8月18日(水)

 チャイナ・ミエヴィル『アンランダン(下)』(内田昌之訳/2200円/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。「選ばれざる者」の活躍は面白い。

 数日前に読んだサラ・ムリノフスキ『魔女とほうきの正しい使い方』(今泉敦子訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]について、一つ思ひ出したことがあるので書いておく。
 この頃、日本のトイレが諸外国で話題になってゐるといふ記事を見かける。その中で、排尿の音を消すために流れ出る嘘の水流音について、そんなもの外国の女性の間では理解不能だらうといふ文章をどこかで読んだやうな気がした。たとへば、「世界が驚くお姫さま[Biz.ID」とか。そ私もさういふ記事を読んで、そんなものかと思ってゐたのだが、どうやら、さうでもないらしいことに、この本を読んで気付いたのである。204〜205ページにかけて、「ラフが三十センチ以内の距離にいる状態で、どうやっておしっこをしろというのだ。無理だ。好きな男子に音を聞かれるなんて、絶対無理だ」といふ箇所があるのだ。アメリカの女子高生も排尿の音を人に聞かれるのは嫌なのだ。さういって彼女は水を流しながらおしっこをすれば聞こえないではないかと思ひつき、実行する。「そうだ、水を流せばいいんだ。水の音がおしっこの音をかき消してくれる」とひらめいて。アメリカの女子高生も、日本のトイレの音姫に感激してくれるのではないか。私は男なので滅多に遭遇することはないから関係ないのだけど。


8月17日(火)

 チャイナ・ミエヴィル『アンランダン(上)』(内田昌之訳/2200円/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へ、下巻へ。下巻からが面白くなるらしいが、既に救世主とは世界にとって何なのかを深く考へさせられる展開となってゐて、なかなか衝撃的ですらある。あまり書けないのだけど。

 裏のロンドンといふと、ニール・ゲイマン『ネバーウェア』(柳下毅一郎訳/インターブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を思ひ出す。もっと売れていい作品だと思ふのだが。もしかして、解説が悪かったのか。さうなのか。

 Amazon.co.jpから、ヴァーノン・リー『ことばの美学』(栗原裕・荒木正純訳/1200円+税/大修館書店) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、東雅夫編『幸田露伴集 怪談』(880円+税/ちくま文庫)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、長沼毅・藤崎慎吾『辺境生物探訪記』(1400円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。ヴァーノン・リーの本は既に紙が茶色っぽく変色しかけてゐるくらゐ古い。多分、読まないと思ふ。『幸田露伴集 怪談』はちょっと楽しみにしてゐたので、わくわくしながらページを開いてみたのだが、文字を見た瞬間に衝撃が頭を突き抜けた。文語調の作品も新仮名だ。歴史的仮名遣ひならいいなあと期待してゐたのだが。残念。新仮名の内田百閒と同じくらゐ残念である。

 トマス・バークやフランク・オーウェンのことを少し考へてみた。なんとなく。


8月16日(月)

 JapanKnowledgeの週刊東洋文庫で村尾嘉陵『江戸近郊道しるべ(ワイド版東洋文庫 448)』(平凡社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が紹介されてゐて、確かに江戸をあちこち歩き回いた様子は面白い。ただ、今はワイド版しか手に入らないやうで、値段が高い。この会員になれば全文読めるのだが、この画面がどうも読みにくい。画面自体は普通のpdfだから問題はないのだが、ページめくりが甚だ不便である。妙に時間がかかって、縮小率が最初の設定値に戻ってしまふ。私の使ひ方が間違ってゐるのだらうか。
 もちろん文章も、私のやうな現代の日本語に慣れ親しんでゐる者には些か読みづらい。

 ふらふらと旅に出てしまふといへば内田百閒で、こちらは鉄道の旅だが、目的もなく出かけていく様子は何が面白いのか説明できないけれども、面白い。百閒の『東京焼盡』は戦争末期の日記だが、これもどういふ訳か面白い。さういふ文章が書けるやうになりたいものだ。まあ、無理に決まってゐる。そんなことができたら、百閒になれるってことぢゃないか。

  Amazon.co.jpから、T.H. Riddell Night Shivers (Wordsworth Editions Ltd) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。このWordsworth Editionsの本を註文したのは初めてである。前からちょっと気になってはゐたのだ。何が気になってゐたのかといふと、値段である。安いのである。今日届いたこの本は450ページもあって、525円。今どき、こんな内容の、つまり古臭い怪奇小説の短篇集といふことだが、そんな本を文庫で買っても 1500円くらゐしさうである。造りがぼろい訳でもない。何冊か買っておかうかといふ気になってしまふ。買ってから置き場に困る訳だが。

 チャイナ・ミエヴィル『アンランダン(上)』(内田昌之訳/2200円/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。一人の少女が「選ばれた者」として裏ロンドンに行ってしまふ話。まだ、読み始めだからそれくらゐしか判らないのだ。変なバスに乗って逃げ回ったりしてゐるところ。


8月15日(日)

 サラ・ムリノフスキ『魔女とほうきの正しい使い方』(今泉敦子訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。帯に書いてある「真法的ハイスクール・ファンタジー」といふ言葉が全てを云ひ表してゐると思ふ。TV番組の「サブリナ」にちょっと雰囲気はにてゐるだらうか。珍しいのは主人公が魔女になったわけではなく、妹だといふこと。魔女は新米魔女の妹と、母だけで、主人公は自分の利益のために妹を騙したり誘導したりする騒動が話の中心。面白いけど、二冊書棚に置いておくほどでもない。

 武田百合子『日日雑記』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をふとした弾みで手に取ってぱらぱらとページを捲ってみた。どこを拾ひ読みしても面白い。何が面白いのか説明できないのだけど面白い。前にも書いたか、このことは。私の日記はつまらないな。といふことも前に書いたか。まあ、真実は何度繰り返していいのだ。『富士日記』は持ってゐないんだらうか。持ってゐないのなら、今度買はう。でも、持ってゐないことを証明するのは難しい。全部調べなくてはならないから。

 昨日、一昨日と、ヴァーノン・リーやオリヴァー・オニオンズの本を註文したけれど、邦訳のある作品はほとんど読んだはづなのに、すっかり忘れてゐることに気がついた。自分の記憶力の悪さが恐ろしい。流石に自分が訳したヴァーノン・リーはぼんやりと覚えてゐるけど。

 明日からは、いよいよチャイナ・ミエヴィル『アンランダン(上・下)』(内田昌之訳/各2200円/河出書房新社)を読まう。


8月14日(土)

 ヴァーノン・リーのことが気になってしまひ、本を探すのだが、見つけられない。一体どこへ行ったのか。Ash-Tree Pressの短篇集だけは見つかったのだが。仕方がないので、他の本の収録作品の重複具合など確認できないまま、紀伊國屋書店に、ヴァーノン・リーの短篇集と、この夏出たアンソロジーを註文する。
○Vernon Lee Pope Jacynth and Other Fantastic Tale (Kessinger) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Vernon Lee Hauntings and Other Fantastic Tales (Broadview Pr) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Tim Pratt, ed. Sympathy for the Devil (Nightshade Book) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Peter S. Beagle, ed. The Secret History of Fantasy (Tachyon) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
以上四冊である。アンソロジーThe Secret History of Fantasyには、Robert Holdstock, Stephen King, Gregory Maguire, Francesca Lia Block, Steven Millhauser, Jeffrey Fordらが、収録されてゐる。Sympathy for the Devilには、Neil Gaiman, Holly Black, Stephen King, Kage Baker, Charles Stross, Elizabeth Bear, Jay Lake, Kelly Link, China Mieville, Michael Chabonらが。

 さらにヴァーノン・リーの和書を。残念ながら小説ではないが。35年も前に出た本である。他二冊とあはせて註文。
●ヴァーノン・リー『ことばの美学』(栗原裕・荒木正純訳/1200円+税/大修館書店) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●東雅夫編『幸田露伴集 怪談』(880円+税/ちくま文庫)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●長沼毅・藤崎慎吾『辺境生物探訪記』(1400円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]

 註文した本が来る予定もないのに宅配便が荷物を持ってきたので何事だと思ったら、河出書房新社から本をいただいたのだった。ありがたうございました。チャイナ・ミエヴィル『アンランダン(上・下)』(内田昌之訳/各2200円/河出書房新社)上[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]/下[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]である。大きな本である。これはあのチャイナ・ミエヴィルが若い読者向けに書いた本。裏ロンドンを舞台にしたファンタジイ。これは面白さうなので、早速読みたい。電車の中ではちょっと腕が疲れさうだが。


8月13日(金)

 内田樹『街場のメディア論』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]について続き。書棚の役割について。電子書籍だと書棚に本を並べることができないので、本との関わり方が大きく変はってしまふといふやうな指摘があったが、それは一部はその通りだと思ふものの、今はオンライン書棚みたいなものがあって、自分がどんな本を買って持ってゐるか、そして読んでゐるかを、他人にも見せられるし、自分でも日々確認できる。実際、かなり人気があるサイトのやうである。だから、実際にその人の部屋を訪問しなくても、ネットのつながりで知人の書棚を眺められるのだ。まあ、嘘をつけるといふ問題もあるのだが、わざわざ嘘をつくこともあまりないだらう。また、私がこんなふうに、どんな本を日々買ってゐるか、そして読んでゐるかを、誰にも求められてゐないのに、10年以上も書き続けてゐるのも、人に本棚を見られるのを期待するといふのと似たやうなことなのかも知れない。

 国会図書館による書籍の電子化が、保存第一で文字検索ができないjpeg形式なのだとすれば、その目的や使ひ方がGoogle Booksとは全く異なるものとなると云ってよいだらう。だから、Googleに対抗してとか、国会図書館だからこれで安心とか、全く的外れな報道や評価ではないだらうか。企業だらうと国会図書館だらうと、検索できる電子書籍がいい電子書籍だと私は思ってゐる。

 藤原編集室の「日々のあぶく」を読んで、オリヴァー・オニオンズの本が欲しくなり、Amazon.co.jpに
○Oliver Onions The Dead of Night: The Ghost Stories of Oliver Onions (Wordsworth Editions Ltd) [Amazon.co.jp]
○T.H. Riddell Night Shivers (Wordsworth Editions Ltd) [Amazon.co.jp]
を註文。一冊だけだと寂しがるんぢゃないかと思って(といふわけでもないが)。ちなみに、オリヴァー・オニオンズに関する藤原編集室の記事はもう残ってゐないから、リンクを辿っても見つけられない。もしも、必死に探してしまふ人がゐるといけないので、記しておく。あぶくはすぐに消えてしまふのだ。

 サラ・ムリノフスキ『魔女とほうきの正しい使い方』(今泉敦子訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。アメリカの高校生の話はあまりよく判らない。どんな世界だかよく知らないから。日本の高校とは全然違ふみたいだし。といっても、私は高校生の頃、専らアーカムハウスのこととか考へてゐたから、日本の高校生の世界もよく判ってゐなかったのかも知れない。


8月12日(木)

 Amazon.comから、Mary Elizabeth Counselman Half in Shadow (Arkham House, May 1978) [Amazon.com, Amazon.co.jp]が届く。一週間で届いた。早いものだ。意味もなくArkham Houseを全部集めてみようかと思ってみたりする。絶対しないけど。

 紀伊國屋書店からなぜかNeil Gaiman The Graveyard Book (Bloomsbury, 2009) [The Graveyard Book, 紀伊國屋]が届く。なぜかって、私が註文したからなんだが。翻訳は九月末に出るらしい。だから、何となく読まないやうな気がする。

 本の雑誌の特集をもう少し眺めてみる。ミステリだからあまり関係ないと思ってゐたが、初心者におすすめの30冊では、J・ヒル『20世紀の幽霊たち』、A・キンバリー『幽霊探偵からのメッセージ』、C・ウィリス『航路』を読んでゐた。最後のはミステリではないような気がするが。持ってゐるけれども読んでゐないのが、K・イシグロ『わたしを離さないで』とC・R・サフォン『風の影』だった。もっと本を読まなければ。
 浅沼茂インタビューでは、翻訳ミステリが売れなくなった原因は「このミス」の第1位がマニアック過ぎた時期が三年ほど続いたことだとしてゐたが、そこまで決定的な影響力を持ってゐたのだらうか甚だ疑問である。それがなかった世界と比較することは不可能だから、関係あるともないとも断言するのはむずかしいだらう。

 内田樹『街場のメディア論』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。最初の方の、「適性は自分が決めるのではなく周りの期待と評価で決まる」とか「患者さまといふ呼び方は、医療を商取引モデルで考へてゐることになる」とかは、前から私もさう思ってゐたことだから、心から同意できるのだが、電子書籍のところはよく判らない部分もあった。「書物は商品でない」とまで断言できるのかとか。しかし、Googleブックサーチ問題で何が私の気に入らなかったかは何となく判ってきた。ネット検索で一部が表示されて短篇など読まれてしまっては大損するといふやうなけちくさい損得勘定である。それで本を買はなくなるなるやうな奴は、ネット検索ができなくたって本を買はないやつらだらう。
 眠すぎて話が続けられない。といふことで、今日はこれくらゐにして寝るが、この本の話は明日も続く(かどうかは判らない)。


8月11日(水)

 スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 2』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。何か事態に進展がいろいろあったやうだが、登場人物たちの関係がよく判らず、誰と誰がどういふ立場にゐるのか頭の中で渾沌としたまま。次回はいよいよ第一部が完結(原書での第一巻と同じ)。

 本の雑誌9月を書泉グランデで購入。特集は「たちあがれ、翻訳ミステリー」。翻訳ミステリーが売れなくなってゐるんださうだ。実はSFやファンタジイもさうなのだ。実は本の雑誌を買ふのは久しぶり。何年ぶりだらうか。書棚と財布に余裕がないので、いつしか買はなくなってしまったのだが、翻訳ミステリーがあまりにも心配なので今月は買ってみたわけだ。みんなもっと外国の小説を読まう。それとも、この頃は身近な話にしか関心を抱けないのか。如何にも近所の街角で起きてゐさうな話とか、さうさうこんなこと若い頃あったよねといふやうな話とか。それはそれで面白いだらうが、やはり小説は別の人生を体験するといふことなのだから、遠い国で起きたことも読みたいと私は思ふのである。遠い国の遠い時代だったり、この世にない世界の話だったり。日常の繰り返しの中に安住の地を見出しては面白くないだらう。

 同じく書泉グランデで、
●内田樹『街場のメディア論』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。確か発売日は一週間後だったはづなのにと思ひながら、見つけたのだから仕方がない、手に取ってレジへ歩を進めた。他にどうしろといふのか。あとで、もしかしたらあれは一週間後の世界だったのかも知れないと疑ったが、オンライン書店でも24時間発送になってゐたから、もう書店によっては入荷してゐるのだらう。


8月10日(火)

 紀伊國屋書店から、奥泉光『シューマンの指』(1600円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、『アメリカ版大学生物学の教科書 カラ-図解 第2巻』(1500円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、『アメリカ版大学生物学の教科書 カラ-図解 第1巻』(1300円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
羽田野太巳『徹底解説HTML5マ-クアップガイドブック 全要素・全属性完全収録』(3000円+税/秀和システム)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ポール・メルコ『天空のリング』(1000円+税/金子浩訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。

『大学生物の教科書』は、アメリカの大学生向けの教科書LIFEから、「細胞生物学」「分子遺伝学」「分子生物学」の三領域を抜き出して翻訳したものである。帯に書いてあるやうな「世界基準の」などといふ云ひ方は嫌ひだが、中身は確かに判りやすい。図が綺麗だ。かういふことを教へるときには役立ちさうな本である。第三巻ももうすぐ出るから、それも買はう。

『徹底解説HTML5 マークアップガイドブック』は、項目毎に並んだ説明が判りやすい。例も多いのでいろいろ試すのにも便利だらう。まだ、ページをぱらぱらとめくってみただけなので、用例に間違ひがあるかどうかは判らない。あっても、私はあまり気にしないが、厳しく指摘してゐる人を見かける。ちょっと怖いなと思ったりする。
 それにしても、ずいぶん大きく変はるものだ。いろいろと戸惑ひさうな感じである。

 スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 2』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。まだ終はらない。各勢力の関係が一向に頭に入って来ないまま、戸惑ひは深まるばかり。


8月9日(月)

 スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 2』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。前巻から一ヶ月しか経ってゐないのに、話を忘れかけてゐる。登場人物がどういふ人物だったのかなかなか思ひ出せない。巻頭の顔の絵つきの登場人物紹介は読みにくい。文字だけの一覧表の方が判りやすいのに。姿が見える訳ではないから、絵をつけてくれても判りやすくなるとは思へないのだが。内容は、何と云ふか、ミリタリー・ファンタジイとでもいへばいいだらうか。さういへば、鋼のエルフも多少そんな感じがあったが、こちらの方がもっとその雰囲気は強い。ハヤカワ文庫はSFがすっかり軍隊ものが増えてしまって困惑してゐるのだが、まさかFTもさうなるんぢゃないだらうか……なんて云ひながらも、軽快に読み進めてゐる。

 iTermの設定変更でカーソルの色を黒から他の色に変更できることを今日初めて知った。今まで黒いカーソルだと、html文書の強調領域の中に入ると見えなくなってしまって困ってゐたのだ。だから、htmlを書くときにはいつの間にか使はなくなってゐた。でも、これでまた使へるやうになる。フォントサイズを大きくしたら、さらに使ひやすく。フォントサイズを変更できることは知ってゐたのに、変更してゐなかった。今日からまたvimでこの日記を書くことにしよう。読むときは一緒だから関係ないけど。


8月8日(日)

 日曜日はいろいろ生きるための雑用が多いのであまり本は読めない。仕方がないので、本を註文する。日曜日だから仕方がないのである。
●奥泉光『シューマンの指』(1600円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『アメリカ版大学生物学の教科書 カラ-図解 第2巻』(1500円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『アメリカ版大学生物学の教科書 カラ-図解 第1巻』(1300円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●羽田野太巳『徹底解説HTML5マ-クアップガイドブック 全要素・全属性完全収録』(3000円+税/秀和システム)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ポール・メルコ『天空のリング』(1000円+税/金子浩訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
紀伊國屋書店に註文。

 何といふか、HTML5について調べなくてはならない気分になってしまって、本を一冊註文した。以前なら、英語の本も数冊註文してしまふところだと思ふが、この頃は我慢できるやうになったのだ。本当は、Safari Books Onlineが使へるやうになったので、この手の本はいつでも読めるといふことなのだ。


8月7日(土)

 午後から微かな頭痛。

 村瀬拓男『電子書籍の真実』(780円+税/マイコミ新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を全然期待せずに読み始めたのだが、これが予想以上によい内容だった。最初の日本の電子書籍の歴史の辺りなどは、まあどうでもいい内容だが(過去のことを知らない人には有用かも)、「フォーマットおよび日本語の問題」「流通の問題」「権利の問題」の3章、すなはち、今何が問題になってゐるかをまとめたところは、出版社の内部にゐる立場から現状を伝へてくれる。新聞等が騒いでいるやうに「出版社は所謂中抜きを恐れてゐる」などといふことはない、それはもう電子書籍以前に可能になってゐるから」とか、国会図書館による電子化ではスキャンはするが、OCRを使った文字認識とテキスト化の予定は今のところないとか。フォーマットおよび日本語の問題の章では、何が問題なのかがよく判った。これも新聞が書き立てるやうにただ日本国内での既得権益を守るためにぐずぐずしてゐるのではなく、さらに外国からの電子書籍端末の侵入を「黒船」とか云って恐れたりしてゐるはづがなく、それをどう活用しようかと考へてゐるのだといふところを読んで安心した。
 媒体による検閲の問題のところで、「日本経済新聞が『失楽園』(渡辺淳一)を連載してもそれが倫理的に問題視されることはなかったと記憶しています」と書いてゐるが、一部では間違ひなくさういふふうに問題視されたし、日本経済新聞野印象をかなり悪くしたことは確かだと思ふ。

 頭が痛いから、もう寝よう。


8月6日(金)

 ジョー・ウォルトン『暗殺のハムレット』(茂木健訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。これは傑作。鳥肌が立つやうな興奮を覚えながら読み終へた。政府要人の暗殺未遂といふ話なのだが、これが改変された歴史の流れの中で語られてゐるからこそ、これだけ興奮するのであって、今の歴史の流れで語られると感動は多分50文の1くらゐだ。前は、この世界の話だとしても変はらないんぢゃないかなんて思ってゐたけれども、私が間違ってゐた。早く第三巻を読みたい。

 紀伊國屋書店から、James Ramsay, Giles Hooker, Spencer Graves Functional Data Analysis with R and MATLAB (Springer, 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届いた。R(とMATLAB)の本。何だかR本蒐集家になってきてゐるやうな気がしてならない。

 今日は訳あって古いSF雑誌をひっくり返してゐたのだが、思ひの他時間をとられてしまった。そんなことしてゐる暇はないのに。

 スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 2』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を訳者の中原尚哉さんからいただきました。ありがたうございました。


8月5日(木)

 古いパルプ雑誌をぱらぱらと捲ってゐたら、そこに載ってゐる作家の名前を何となく入力して検索したしてしまふのが普通である。多分、日本人の94%くらゐは同様の行動を取ると思ふ。その作家の名前はMary Elizabeth Counselmanである。特に好きな作家でもない。でも、ふと検索したのだ。すると、Amazon.com内のページが出てきて、在庫ありになってゐる。1978年5月に出た本である。それが、新刊書で買へるのだ。33年くらゐ前である。増刷なんかしてゐない本である(多分)。買ってしまへといふ囁きが聞こえたかと思ったら、註文ボタンを押してゐた。
○Mary Elizabeth Counselman Half in Shadow (Arkham House, May 1978) [Amazon.com, Amazon.co.jp]
である。この表紙絵は確かに覚えがない。持ってゐないはづである。しかし、同じ題名の本を、別の出版社から別の時期に出た版で持ってゐるのだ。どうしよう。しかし、今は円高ドル安である。本体が1434円、送料が807円である。随分安くなったではないかと思ったら、円高になっただけだった。なぜか、日本円表示になってゐる。
 私が買ったから、今はもう在庫なしになってしまったが、1冊在庫ありだったのだ。他にも数十年前の本で、新刊書で買へる面白い本はないものだらうか。


8月4日(水)

 今日も、ジョー・ウォルトン『暗殺のハムレット』(茂木健訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み続ける。

 紀伊國屋書店から、イアン・サンソム『アマチュア手品師失踪事件』(玉木亨訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大森望・日下三蔵編『量子回廊 年刊日本SF傑作選』(1300円+税/創元SF文庫)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、村瀬拓男『電子書籍の真実』(780円+税/マイコミ新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、新城カズマ『われら銀河をググるべきや』(1050円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、笈川博一『物語エルサレムの歴史』(880円+税/中公新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、『生命の万能素材—「アミノ酸」と「タンパク質」 』(NEWTONムック)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。

 早速、新城カズマ『われら銀河をググるべきや』(1050円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んでみた。読みにくい。この会話体は読みにくい。何だか関係ないといふか、どうでもいい台詞が多くて、話の流れをつかみそこねる。読み終へて、帯に書いてある「ドル本位制から情報本位制へ!」なんてことが書いてあったといふことだらうかと、ちょっと頭を整理してみようかと思ったけれども、よく判らなかった。


8月3日(火)

 ジョー・ウォルトン『暗殺のハムレット』(茂木健訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み続ける。

 あちこちで、電子書籍に参入、再参入、等々の報道を見かけるが、これ以上ファイル形式が増えたら混乱が深まるばかり。

 昨日届いたIKEAのカタログに「やっぱり家が、世界でいちばん」と書いてあった。実はあまり好きな類ひの言葉ではない。やはり遠い世界へユートピアを求めて、あるいはユートピアを建設の夢を見て、世界に旅立たなくてはならないのだ。現実は牢獄で、異世界こそ真の世界であることを忘れてはならない。


8月2日(月)

 ジョー・ウォルトン『暗殺のハムレット』(茂木健訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まだ、冒頭の数頁だが、「実のところそれは、腹に寄生虫がゐるスパニエル犬の顔でしかなかった。」といふ台詞に妙に嬉しくなる。

 電子書籍のニュースにはもううんざりなのだが、無視はできない。作家が出版社を通さずに電子書籍を配信・販売する話が、出版社の危機みたいに報じられてゐる。しかし、本を、編集者や校正の目を通さずに、著者の生原稿をそのまま電子書籍にしたものは、私はあまり買ひたくない。出版社から刊行される本は、複数の人の目を通ってから商品として完成品になる。例えば、作家が主導する電子書籍化 出版社の苦悩なんていふ記事で、絶版本を短篇ばら売りで電子化すると云っているが、これだってさういふ過程を経て商品化されたものではないか。その辺のことを出版社はもっと強く主張した方がいいのではないか。私には、生原稿をただ電子化したやうなものは、脱穀脱稃していない米のやうなもの、毒抜きしてゐないキャッサバのやうなものとしか思へない。

 もう一つ、熱を帯びる電子書籍の配信プラットフォーム競争——日本独自の規格は正しい選択か?といふ記事が今日目に留まったが、そこに記されてゐるやうに、日本独自の規格は賢明だとは思へない。私はMacやLinuxで読めればいいので、PDFにしてくれれば都合がいいんだけど。pdfなら縦書きもできるのだから。まあ、HTML5でも将来的にはいいのだけど。


8月1日(日)

 頭痛である。朝、ゆっくりしたからである。昨日もゆっくり起きたから、二日も続けてゆっくりしてしまった。頭痛にならないはづがない。昼前からひどくなって、熱い風呂に入って寝る。夕方起きて、また風呂に入る。夜になってやうやく治る。パンと果物だけの食事をして、本の註文である。
●イアン・サンソム『アマチュア手品師失踪事件』(玉木亨訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大森望・日下三蔵編『量子回廊 年刊日本SF傑作選』(1300円+税/創元SF文庫)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●村瀬拓男『電子書籍の真実』(780円+税/マイコミ新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●新城カズマ『われら銀河をググるべきや』(1050円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●笈川博一『物語エルサレムの歴史』(880円+税/中公新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『生命の万能素材—「アミノ酸」と「タンパク質」 』(NEWTONムック)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上、紀伊國屋書店に註文。

 今日は一行も本が読めなかったので、これで。


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