2月28日(月)

 森見登美彦『四畳半王国見聞録』(新潮社/1400円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。ペンギンで新境地を開いたらしい森見登美彦だが、今回は再び京都の四畳半に戻ってきた。さう簡単に新境地ばかり開くわけにはいかないのだといふ。だから、私も朝の電車の中で四畳半の阿呆神の支配する時間の流れに身を任せてみたりする。そんなわけで今朝は降りるべき駅で降り損ねてしまひ、時間を無駄にした。これも阿呆神のせゐである。仕方がない。

 今日の電子化。
◆木曽真『生理活性糖鎖研究法』(学会出版センター/1999年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 必要になるかと思って買ってみたが、ほとんど使はなかった。多分、これからも。
◆正高信男『天才はなぜ生まれるか』(ちくま新書/2004年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 よく覚えてゐない。独創性は何かの欠如によって生まれていることが多いといふやうなことだったか。
◆大野晋・上野健爾『学力があぶない』(岩波新書/2001年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國##書店, Yahoo! Books]
 ほとんど覚えてゐない。10年前から危ない危ない低下してゐる低下してゐるといはれ続けて、やはり低下してゐるらしい。
『バーロー物理化学問題の解き方』(東京化学同人/1981年)
 大学生の頃少し使った(かも知れない)本。
 その他、アメリカのSF情報誌Locusを一年分くらゐ。

 信じ難いことだが、今日で今月も終はりである。今月は109冊の本をpdf化した。その他、Locusのやうな雑誌もある。多分100冊くらゐ。かなりの分量の書物が我が家の書棚から姿を消したわけだ。もっともっと消してやる。そして、空っぽの書棚の前でたまたま一冊だけ残った本を手に取って、家族にかう訊ねるのだ。この紙を束ねたものは何といふものなのか、そして何に使ふものなのかと。最初家族は私がふざけてゐると思って相手にしない。が、やがて本気で訊ねてゐることに気づき、愕然とする。ああ、あの父が本を忘れてしまったとは! と云って娘は涙を流すだらう。


2月27日(日)

 日曜日なので本が読めない。

 しかし、今日はpdf化してゐないThe New York Review of Science Fictionを発見。1990年頃の9冊。早速pdf化。それにしても、何度も云ふやうだけど、書棚の空きが増えていくといふのは、嬉しいと同時に何か不思議な感じがする。本は常に増え続けて、書棚の空きは常に減り続けてきたのだから。流石に一ヶ月に百冊も電子化すると少しは書棚に空きができるやうだ。この調子で電子化が進めば、一年で千冊以上だ。さうすれば、書棚はがらがらになるだらう。その日を夢見て明日を生きることにしよう。

 今日の電子化本。
◆Jonas Lie Seer and Other Stories (Forest Books, 1990)
 ヨナス・リーのノルウェイの民間説話に基づいた怖い話(と変な話)を収録した本。二冊持ってゐるので、一冊を電子化。別の版でも複数持ってゐるのだ。どうしてそんなに持ってゐるかといふと、これは『漁師とドラウグ』(国書刊行会/1996年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と同じ内容だからだ。私はノルウェイ語は読めないので(でも、ノルウェイ語の原書も持ってはゐる)、英語から訳した。さういふ訳である。


2月26日(土)

 ヨコタ村上孝之『金髪神話の研究』(780円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。後半の日本文学における検証のあたりは、些か強引なところがあるやうな気がするが、最後まで面白く読み通せた。生物的な本能に基づくものではなく、特に日本では近年形作られた文化的な金髪崇拝であると指摘する。最後の、日本における一億総茶髪現象は金髪の抑圧的な表象のくびきからの解放をもたらすものかも知れないといふ箇所は特に面白い。

 今日の電子化本。
◆丸谷才一『低空飛行』(新潮文庫/1980年)
 古本屋で買ったもののやうで、全体的に汚れてゐて、裏表紙には誰かの電話番号が書き留められてゐたりする。歴史的仮名遣ひに馴染むために読んだのだらう。内容はまったく覚えてゐない。
◆菅裕明『切磋琢磨するアメリカの科学者たち』(共立出版/2004年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 アメリカの大学の教育制度から、研究者がどのやうに研究者になっていくか、そしてその過程で研究費をどのやうに獲得していくのかといふことを解説してゐる。研究費の申請と審査に関する部分は、日本で研究費の申請をするときにも役立つことがある。もちろん制度が違ふから直接何かが流用できるわけではないが。
◆中尾俊夫『英語の歴史』(講談社現代新書/1989年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 なぜか二冊持ってゐた。英語の歴史を簡単に判りやすく解説してくれる。あまり英語の歴史のことを知らない頃に買ったから、興味深く読んだことを何となく覚えてゐる。その後、いろいろ英語の歴史に関する本を買って読んだので、どの知識をどの本で得たのかよく判らなくなってしまったが。
◆林望『日本語へそまがり講義』(PHP新書/2000年)
 10年前の本ですでに「〜させていただく」の下品さについては厳しく指摘されてゐるわけだが、その勢ひはとどまるところを知らず、今なほ衰へてゐない。実に不愉快である。「へりくだる必要のないところにまで、この「させていただく」が頻出する……こうなると、その心のなかには、別段な敬意などは働いていないことが印象され、結果的に「慇懃無礼」という感じになるであろう。こういうのを、謙遜敵傲慢というのである」といふ指摘はもっともである。
◆中井浩一『「勝ち組」大学ランキング』(中公新書ラクレ/2002年)
 所謂「大学改革」とは何だったのかを語ってゐる。大学関係者には大いに役立つ内容であらう。ただ、書名があまりにも下品である。書名は著者よりも出版社の意向が強く働くものだが、さう考へると中公新書ラクレの読者に対する態度に疑問を抱かざるを得ない。


2月25日(金人)

 ジャスパー・フォードは少し休んで、ヨコタ村上孝之『金髪神話の研究』(780円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。面白い。金髪が好まれる風潮は人間の本能としてさうなのか、後で文化的に形作られたものなのかを検証しようとしてゐる。古今東西の金髪女性小説(そんな分類はありません)が紹介されてゐて実に面白く読める。まだ半分を少し越えたところだけど。

 今日の電子化本。
◆鷲巣力『宅配便130年戦争』(新潮新書/2006年)978-4106101519  これほどヤマト運輸と郵政省/郵便局との争ひは激しかったのかと改めて驚かされた本。
◆フレデリック・グリンネル『グリンネルの研究成功マニュアル』(共立出版/1998年)978-4320055155  研究とは何か、そして研究者とは何かを考へる本。この本を読んだからといって、研究者として成功するわけでもない。
 この本、何だか小口の部分が汚れてゐる。誰かに貸したのだったか。私はページの端に指先が擦れないやうに読むので、そんなことにはならないのだが、どうしても汚さずに読めない人もゐるやうだ。それでも、pdf化してしまへば、そんなことは気にならなくなる。素晴らしい効果である。
 しかし、私も昔から本を汚さずに読めた訳ではない。自分では生まれたときから本は綺麗に読んできたつもりだったが、あるとき、小学生の頃に読んだ本を手に取ってみたら、これが汚い。小口が汚れてゐるぢゃないか。カバーの端も擦れてゐる。子供は所詮子供である。私は子供でなくて本当によかった。
『バーロー 物理化学〈上〉』(東京化学同人/1976年)
 昔使った教科書。

 今日はこれだけである。他に学会誌などは少し処理したが。私だって一日中本を切ってスキャナで読んでゐる訳にはいかないのである。本を切るだけでなく読んだりもしなければ。


2月24日(木)

 SFマガジン4月号[Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。私の年四回の連載の最終回(6回目)が載ってゐる。しかし、多くの人の目では目次にそれを見つけられないかも知れない。それは、エルフランドの黄昏の光が見えない人には隠されてゐるのだ。夢の国への道を知ってゐる人にしか見えないのだ。でも、本文は誰の目にも見えるやうに印刷されてゐるから大丈夫だと思ふ。本当に読まうと思ってゐる人なら見つけ出せよう。

 今日の電子化本。
◆小林一博『本とは何か』(講談社現代新書/1979年)
 高校生のときに買った本。本とは何かを知りたかったんだらうか。本がどのやうに作られ読者の手に渡るのかを判りやすく解説してくれる。本の役割とか流通の問題なども。その辺りは時代の流れでかなり変はってしまった。しかし、本との出会ひ、本を読む喜びは今でも変はってゐない。
 少し話は変はるが、スキャナで読み込んで電子化するとき、人によっては、帯(腰巻)、折込広告(新刊案内など)といったものはどうするか悩むかも知れない。私はほとんどのものを捨ててしまってゐる。さういふものを保存しておきたい本は電子化すべきでなく、紙の本として保存しておくことにしてゐるからだ。しかし、今回は、会田雄次著作集と岡本太郎著作集の案内が気になって、一緒にスキャンしておいた。ついでに、読者葉書も。このまま保存してもあとで見つけるのは困難になるのだが、たまにはさういふ困難なものが紛れ込んでゐるのもいいやうな気がして、本と一緒のファイルにして文字検索もできないままになってゐる。
Das Kochbuch für Geeks(O'Reilly/2007年) [Amazon.co.jp]
 Geeksのための料理本。オライリーの他の本と同様、問題点、解決法などといふ項目が立てられてゐる。朝の飲み物から始まって、基本料理とかパーティ料理などさまざまな分類になってゐる。LANパーティ料理には「Onigiri」などといふものも載ってゐるのだ。サラダもいいが、片手で持ち歩いて簡単に食べられるものはないのだらうか。さういふときは日本の「おにぎり」を作ってみよう。といふことなのだが、米は「スシ・ライス」にするなんて書いてあるが、おにぎりは酢飯にはしないと思ふ。まあ、いろいろ面白いのではあるが、ドイツ語なのでほとんど読めないのが残念だ。電子化してテキスト認識して、自動翻訳といふ手はあるかも。
『Linuxデスクトップ Hacks』(オライリージャパン/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 あまり活用してゐない。内容は「グラフィカルデスクトップの機能を拡張してこれらの機能が最初から組み込まれているかのように見せかける方法など、本書にはLinuxデスクトップを最大限に活用するためのさまざまなHackが盛り込まれています。」といふもの。今でも十分使へる本である。調べたいときだけ開けばいいので、電子化して保存。
『バーロー 物理化学〈下〉』(東京化学同人/1976年)
『定量分析化学』(培風館/1971年)
『ヘスロップ&ジョーンズ 無機化学〈上〉』(東京化学同人/1977年)
 何れも大学生の頃使った教科書。去年ちょっと使ったので、まだ捨てられない。が、毎日開くものでもないので、電子化して保存。古い教科書はなくなると場所が大きく空くので嬉しい。本にほとんど書き込みがないのが特徴だが、それは私が本を大事にするからなのか、勉強しなかったからなのかは、よく判らない。


2月23日(水)

 今日も、Jasper Fforde The Last Dragonslayer (Hodder & Stoughton, Nov. 2010) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を手に取って出勤。さっさと読み終へたいのだが、なかなか進まない。

 購入書籍数推移のページを少しみやすくなるやうにしてみた。実際には新しいページを作って、リンク先を変へてゐる。電子化書籍の数は、購入した電子書籍ではなく、自分の書棚にあった本がどれだけ処理されたかを示す値であるといふやうなことを説明してみた。今回は、html5で書いてみた。これでいいのかどうかは判らないが、html5に対応してゐないブラウザで観ると悲しい画面になるのかも知れない。
 グラフそのものはgnuplotで書いたものをphpで受け取って、それを画像ファイルとしてhtml5の中に埋め込んでゐる。

 今日の電子化。
◆Patrick Piggot, et al. Regulation of Bacterial Differentiation (American Society for Microbiology, 1993)
 細菌の分化に関する研究論文を集めた本。一生読まないと思ふけど、捨てるのは忍びないのでpdfにして保存。
◆松永和紀『食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る』(家の光協会/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 恐怖を煽るやうな報道に惑はされがちな食品に関する話について考へるために資料として購入。また使ふこともあるかもしれないので、pdfとして保存。ニセ科学とその周辺領域に関する資料の一冊。
『Firefox 3 Hacks』(オライリージャパン/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 今でもFirefoxは3.xxだが、2008年とはずいぶん変はってきてゐるし、あまりこの本を参考にしてゐないことに気がついた。pdfで保存したっていいだらう。といふより、この手の本は最初からpdfで欲しい。まだまだ現役の本。
◆岸博幸『ネット帝国主義と日本の敗北』(幻冬舎新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 このままではアメリカに支配されてしまふよと読者に警告する内容だが、危機を煽りすぎではないか。固くて古い考へ方が強いやうな気がする。あまり面白くないのだ。
◆水月昭道『ホームレス博士』(光文社新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 今の若い博士号を取得したばかりの研究者たちの状況を再び訴へる内容。さういふ状況を全然知らない人には、心に残る部分も多いだらう。だが、その状況をよく知ってゐる読者には、どうも個人的な文句が多いなと感じられてしまふ。


2月22日(火)

 紀伊國屋書店から、ジャック・ボドゥ『SF文学』(新島進訳/1050円+税/文庫クセジュ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』(700円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、長谷川裕行『Wordのイライラ根こそぎ解消術』(800円+税/ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ヨコタ村上孝之『金髪神話の研究』(780円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、岸田一隆『科学コミュニケーション』(760円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、スティーヴン・L・ケント 『共和国の戦士 2』(嶋田洋一訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、リック・クック『大魔導師の召喚』(田辺千幸訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、タニア・ハフ『栄光の〈連邦〉宙兵隊 ミッション1』(中村仁美訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。文庫SF以外は全部読みたい。「熱血戦争SF」とか「怒濤のミリタリイSF」は私には不要なんだが、念のため買っておく。

 Jasper Fforde The Last Dragonslayer (Hodder & Stoughton, Nov. 2010) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を手に取って出勤。何だか可愛らしい話である。まだ冒頭だけど。

 今日の電子化本。
◆村瀬拓男『電子書籍の真実』(マイコミ新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 昨年読んだときはかなりよい印象を抱いたやうだ。「「フォーマットおよび日本語の問題」「流通の問題」「権利の問題」の3章、すなはち、今何が問題になってゐるかをまとめたところは、出版社の内部にゐる立場から現状を伝へてくれる。新聞等が騒いでいるやうに「出版社は所謂中抜きを恐れてゐる」などといふことはない、それはもう電子書籍以前に可能になってゐるから」とか、国会図書館による電子化ではスキャンはするが、OCRを使った文字認識とテキスト化の予定は今のところないとか。フォーマットおよび日本語の問題の章では、何が問題なのかがよく判った。」と感じたらしい。しかし、今の私は何もかも忘れてしまってゐるのだった。困ったものだ。
◆青砥恭『高校中退』(ちくま新書/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 数年前からたくさん買った「格差本」の一冊。学歴格差が世代を越えて固定されるのは貧困問題に他ならないことを明確に示してゐる本。私の知り合ひに高校中退といふ人はゐない。大学に進学しなかった人も少ない。私の同年代の大学進学率は35%くらゐだった(短大を含む)にも関はらず。知り会ふ機会が少なくなってゐるのだらう。自分から見えないからといって、知らなかったでは済まないことだと思ふ。だから、かういふ本を読むことはきっと意味があるのだ。

 本を読む時間が足りないと云ってゐながら、リビア情勢が気になって、ついAl Jazeera英語サイトを観てしまふ。世界が平和でないと読書がはかどらないのだ。


2月21日(月)

 香山リカ『「だましだまし生きる」のも悪くない』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。薄い。どうしてこんなに薄いのか。1ページに入ってゐる文字も少ない。そしてつまらない。前に『ポケットは80年代でいっぱい』といふ本を読んだことがある。香山リカの若い頃、1980年代の頃の話である。面白かった。実に面白いことをしてゐたのだ。この本の「はじめに」に「どこを切っても、どこを取っても同じような個性のない金太郎飴」と書いてゐるが、それは違ふはづだ。だが、本書に書かれてゐるのは確かに面白くない人生である。「高校時代から、松岡正剛氏の編集する『遊』(工作舎)編集部に出入りしていた香山は、東京医大に進むと、工作舎で知り合った知人の誘いにより、自販機雑誌『HEAVEN』に執筆を始めた」で済まされてゐるところが面白いのに。がっかりした。

 それにしても、出勤時の電車の中で読み終へてしまったので、帰宅時の電車の中でどうすればいいのか困った。今日はKindleを忘れてしまったのだ。

 Amazon.co.jpから、Jasper Fforde The Last Dragonslayer (Hodder & Stoughton, Nov. 2010) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届いた。これを読んでみようと心に決めて帰宅する。

 今日の電子化本。
◆岡本夏木『子どもとことば』(岩波新書/1982年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 言葉に関する本は学生の頃からたくさん買って読んできた。この本は、子どもの言語の獲得について語ってゐる。細かい内容は忘れてしまった。刊行されてから30年近くになるが今でも現役である。
◆香山リカ『「だましだまし生きる」のも悪くない』(光文社新書/2011年)
 今日読んだばかりの本である。ページ数も内容も薄いので、あっといふ間にpdf化が完了した。せっかくpdfにしたので、文字数を数へてみる。AcrobatのOCR機能でたちまち数値が出る。400字詰め原稿用紙で174枚しかない。


2月20日(日)

 立入勝義『ソーシャルメディア革命』(1200円+税/ディスカヴァー携書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読む。ソーシャルメディアの北米の現状を日本と比較しながら熱く語ってゐる。いろいろと興味深い。自分が使ってゐるもののことは大体判るが、使ってゐないもののことはさっぱり判らないから。いろいろ使ってみないと、判らないことが増えていく。たとへこのやうな本を読んだとしても。
 著者は日本独自の状況をあまりよいとは思ってゐないやうだ(良くも悪くも思ってゐないとは書いてゐるが)。一つ、言語の壁を指摘してゐて、英語能力の壁は大きいと書いてゐるので、日本語ぢゃ駄目だ英語英語といふ人かと一瞬思ったが、低学年から英語教育をやるのは意味がないとか、学校で苦手意識を強めるとよくない影響しか与へないとか、無節操な英語讃美の人ではなかった。が、学校教育からは何も得られないみたいなことも書いてゐるのは極端すぎないか。私は学校の英語教育のおかげで英語の本が読めるやうになった思ってゐる。「だけで」ではないが、それがなかったら読めなかっただらう。多分。
 日本でプロのブロガーとしてやっていけるかを考へてゐるところも面白い。すでに有名な人がブログで稼げるのは当然だが、ブログのみで名をあげて収入が得られるやうになるかどうかといふことである。それも、ソーシャルメディアの成熟度によるのだといふ。どうだらうか。

 この本を読んで私は初めてKloutのことを知った。Twitterでの影響度を測定するところらしい。早速私も計測してみたら、Klout Scoreは44だった。高いのか低いのかよく判らない。タイプ別の評価では私は「curator」なんださうだ。この前読んだ々木俊尚『キュレーションの時代』(ちくま新書/900円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]に出てきた言葉だ。無秩序な情報にコンテキストを附与する人たちのことだとか。Kloutの説明では、最も興味深い人々に注目してウェブ上の最上のコンテンツを見つけて、それを広く読者と共有してゐるんだといふ。さうかな。そんなことしてゐるかな。ちょっと過大評価してゐるのではないか。

 今日の電子化本。
◆丸谷才一『犬だって散歩する』(講談社文庫/1989年)
 歴史的仮名遣ひに馴染むために買った本だと思ふ。残念ながら、この人のエッセイはあまり好みではないのだけど。しかし、歴史的仮名遣ひに関しては大いに役立ったから、感謝してゐる。

 今日はこれだけ。


2月19日(土)

 西崎憲『蕃東国年代記』(1400円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。素晴らしい幻想小説集である。蕃東国といふ中世風の架空の国の物語集だ。竜見物に出かける話とか、求婚者に珍しいものを探して持ってこいといふ話とか、懐かしさを感じる世界だが、そこに穏やかに流れてゐるとぼけた雰囲気が私は好きだ。一番長い「気獣と宝玉」の結末は主人公が何なんだよこれはと呆れさうな仕打ちではないか。それから、「有明中将」の後半が気に入ってゐる。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●ジャック・ボドゥ『SF文学』(新島進訳/1050円+税/文庫クセジュ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』(700円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●長谷川裕行『Wordのイライラ根こそぎ解消術』(800円+税/ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ヨコタ村上孝之『金髪神話の研究』(780円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●岸田一隆『科学コミュニケーション』(760円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●スティーヴン・L・ケント 『共和国の戦士 2』(嶋田洋一訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●リック・クック『大魔導師の召喚』(田辺千幸訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●タニア・ハフ『栄光の〈連邦〉宙兵隊 ミッション1』(中村仁美訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]

 ハヤカワ文庫SFの二冊は所謂ミリタリーSFだらうから、きっと読まない。

 三省堂書店本店に寄って本を買ふ。
●ダンテ『神曲 地獄篇』(950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●香山リカ『「だましだまし生きる」のも悪くない』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●立入勝義『ソーシャルメディア革命』(1200円+税/ディスカヴァー携書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
『神曲』は集英社文庫ヘリテージシリーズがいいよと勧められたのだが、書店の店頭でそちらが見つけられなかったので、河出文庫版を購入。『ソーシャルメディア革命』を早速読み始め、もう3分の2を過ぎる辺り。今日はもう遅いので、続きは明日。

 生活人新書が今年になってからNHK出版新書になってゐたことに今頃気がついた。書店の店頭で本を自分の目で眺めることも大切だと改めて感じた。せっかく書店の多い街に毎日通ってゐるのだから、もっと書店に行かう。

 今日の電子化本。
◆丸山正明『東工大COE教育改革』(日経BP/2005年)
 教育と云っても学部学生に対するものではなくて、研究者を育てるといふもの。COEだから。それにしても、どうしてこんな本を買ったのか。
◆石川博友『穀物メジャー』(岩波新書/1981年)
 私が持ってゐるのは1983年の第7刷。今は遺伝子組み換へ技術との関係で、遺伝子資源を握るかどうかで穀物を支配する力を左右するやうになってきてゐるので、様相はすっかり変はってゐるだらう。当時私は穀物メジャーの存在も知らなかったから何もかも新鮮だった。
◆三浦展『下流大学が日本を滅ぼす!』(ベスト新書/2008年)
 喋り言葉文体が読みにくい。さらにその文章が中身を軽く感じさせる。若者とその親たちを批判する内容は、もっともなものであるが、もううんざりするくらゐ繰り返されてきた内容である。

 かうして毎日本を電子化してゐるのだが、一体どれくらゐになってゐるのだらうか。毎月どれくらゐ電子化してゐて、それが購入数と比べてどうなのかを見たいと思ひ、今まで使ってゐた書籍購入数推移のグラフに電子化書籍数も加へてみた。今年になってから、圧倒的に電子化数が購入数を上回ってゐることが判る。かうして書棚の本がどんどん軽くなっていけばいい。さうすればまた本を買へる。グラフの縮小版を本日記のトップページの左にも置いてみた。小さくて字は読めないけれど、私にはよく判る。これを見ながら本の購入を我慢するのだ。


2月18日(金)

 やうやく、西崎憲『蕃東国年代記』(1400円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。もっと早く読みたかったのだが、なかなか余裕がなかったのである。予想よりも映像的。まだ三篇しか読んでゐないが。

 今日の電子化本。何だか気がむしゃくしゃしてゐたので、たくさんpdf化してしまった。こんなことばかりしてゐるわけにはいかないのだが。
◆後藤和智『「若者論」を疑え! 』(宝島社新書/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 もっともらしい若者論にどれほど根拠があるものかを検証しようとした本。昔から、「今の若者」は批判され続けてきたから、さういふものが多々あるのは当然だが、国の教育方針やさまざまな政策にも影響を与へる昨今の状況には問題があると指摘する。この指摘はもっともである。しかし、この本が出てもまったく変はることなく根拠のない若者論は続くだらう。若者論に限らず根拠に基づかない話に左右される傾向はもっと大きな問題であると思ふ。ただ、どうしたらいいのかは私には見当もつかないが。
◆水月昭道『アカデミア・サバイバル』(中公新書ラクレ/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 光文社新書から『高学歴ワーキングプア』を出した人の書いた本。高学歴ワーキングプアにならないやうにするにはどうすればいいのかを書いてゐる。あまりいい雰囲気ではない。読んで希望の湧いてくる本でもない。確かにそんなに間違ったことは書いてゐない。だからいいのだけど。
◆杉浦由美子『バブル女は「死ねばいい」』(光文社新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 バブル時代に就職できた世代(主に1960年代後半生まれ)と、その後の1970年代前半生まれの間にある大きな隔たりを明らかにする本。本書を読んだとき私は「本書が着目してゐる問題の主要なものの一つは、団塊ジュニア世代は急激に子供が産めなくなってゐるのはなぜかといふ問ひである。女の母性は衰へてゐないといふ。この、もう二度と右肩上がりの時代は来ないといふ状況で子供を産むのは、ロープなしに崖から飛び降りるやうなものだといふ。ついバブル姉さんたちの奇妙な生態に気を取られてしまふが、この本が訴へようとしてゐるのは、そこのところである。どうしたらいいのかは、本書には示されてゐないし、私にも判らない」といふ感想を持ったやうだ。
◆福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書/2007年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは第4刷。よく売れた本だった。この本を読んだとき、「動的な平衡を保ちながら、周囲の負のエントロピーを喰って生きているといふこと、時間の流れの中でその動的な平衡は柔らかな適応力と滑らかな復元力を持ってゐるといふ最後の言葉まで見事に生命といふものを語ってゐる」と私は褒めてゐるが、今読むと意味が判らない。負のエントロピーを喰って生きるってどういふことか。前半はつまらなかったらしい。
◆カール・J・シンダーマン 『成功するサイエンティスト―科学の喜び』(丸善/1988年)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 科学者とはどういふ人々なのか、科学者として成功するにはどうすればいいのかを書いた本。当時はこのやうな本がほとんどなかったので熱心に読んだ。私は本書が刊行された1988年に買ってゐるが、第3刷である。こんな本が一年で増刷されてゐるとは驚くべきことではないだらうか。今の日本の科学者に関する本は絶望的なものが多い。上に出てきた本もさうだった。
◆松本博・国則登代『SH基の定量法』(学会出版センター/1978年)
 私が持ってゐるのは1981年の2刷。タンパクのSH基を定量する方法が記されてゐる。大学院生の頃、使った。この頃は、本の奥付に著者の現住所が記載されてゐたのだなと驚く。
◆掘越弘毅・他『ビギナーのための微生物実験ラボガイド』(講談社/1993年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 面識のある人の本だったので買ってみた。今でも現役の本である。微生物実験の基本的な操作が説明されてゐる。
『生物化学実験のてびき(2)』(化学同人/1985年)
 タンパク質の分離分析法が載ってゐる。酵素反応解析も。もう使はないやうな気がするので、pdfにして保存。


2月17日(木)

 ブランドン・サンダースン『ミストクローク3 永遠の大地』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]読了。実に壮大な物語になって終はった。まさかこんなことになるとは、この三部作を読み始めたときには予想してゐなかった。裏通りの薄汚れた少女が立派な盗人に育つ異世界のちまちましたできごとを描いた作品化だったら嫌だなと思ってゐた。よかった、予想を裏切られて。それでも私には長すぎる。もっと手短にまとめられた物語が好きなのだ。

 今日の電子化本。
◆林信吾『しのびよるネオ階級社会』(平凡社新書/2005年)978-4582852677  日本の社会格差が固定化されて徐々に階級が生まれつつあるのではないかといふ今となっては当たり前のこと、いや当時でも当たり前のことを指摘してゐる本。その階級がイギリスと同じやうな階級社会のものだといふ根拠はよく判らなかったやうな記憶がある。
◆佐々木俊尚『ブログ論壇の誕生』(文春新書/2008年)978-4166606573  この手の本は、もうそんな前に出たのか! と驚くことが多いのだが、本書の場合、まだ2~3年前なのかと驚くのは不思議である。世代間の衝突といふ観点からブログ論壇(あるいはネット論壇)を論じてゐる。私はその対立する世代のちゃうど間あたりに位置するので、曖昧な立場で生きていきたいものである。
『生物化学実験法 12 蛋白質の化学修飾〈上〉』(学会出版センター/1981年)978-4762242489  ちょっと古い本だが、中身の基本的なところは実は古びてゐないやうに見える。古本の値段が高いのはそのせゐだらうか。アミノ基、カルボキシル基と、セリン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン側鎖の修飾について解説してゐる。私はアルギニン残基の修飾について調べたくて買ったのだった。もう昔の話である。
『化学熱力学演習』(学献社/1973年)
 私が持ってゐるのは1976年の再版。大学生の頃も使はなかったし、今後も使ふことはないだらうと思ふ。念のため、保存。


2月16日(水)

 佐々木俊尚『キュレーションの時代』(ちくま新書/900円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み終へる。かう書くと、ちくま新書を読んだやうに見えてしまふが、私が買ったのは数日前に書いたやうにpdf版。これが横書きで実に読みにくい。書籍としての体をなしてゐないと思ふ。原稿をとりあへずpdf化して、表紙だけはつけてみたといふ感じ。キュレータといふのは博物館、美術館、図書館などの館長のことをいふらしい。ここでは、無数の情報の海の中から、それぞれの価値観や世界観に基づいて情報を選んで並べる人たちのことをいふ。TwitterでもFacebookでもブログでもいいのだが、無秩序な情報にコンテキストを附与する人たちの周囲に人が集まるやうになってきてゐるといふ。マスメディアの画一的な価値観に基づく情報の供給ではなく、独自の視座を提供する人のまはりに人は集まりつながっていくのだ。なるほどその通りだと思ふ。でも、人が注目してゐない芸術家を見出す話がちょっと長すぎた、私には。ちくま新書で読めばもっと印象がよかったかも。紙の本を買へばよかった。

 今日の電子化本。
◆渡部昇一『日本語のこころ』(講談社現代新書/1974年)
 私が持ってゐるのは、1979年の第11刷。高校生の頃か。内容はよく覚えてゐない。
◆山口真美『美人は得をするか 「顔」学入門』(集英社新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 人は顔をどのやうに認識してゐるのかといふのは面白かったが、美人が得をするのかどうかは判らなかった。
◆姫野カオルコ『バカさゆえ…。』(角川文庫/1996年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは、2003年三版。変な話である。裏表紙の説明によると、「サマンサ・スティーブンス、香山リカ、夢野サリー、そして矢吹丈。今なお心に残るあの人たちの知られざる私生活を綴った、ちょっとシュールな短編小説集。」となってゐる。香山リカ? そんなの出てきたのか。リカちゃん人形ぢゃないのかあれは。
◆白楽ロックビル『アメリカからさぐる バイオ研究の動向と研究者』(羊土社/1999年)
 アメリカのバイオ研究の紹介。日本と対比させながら研究費のことなども含めてアメリカの研究状況、そしてアメリカで活躍する日本人研究者を紹介するのだが、この手の本は内容がたちまち古びてしまふのだ。pdf化して保存。
◆逢坂昭&阪口玄二『科学者のための英文手紙文例集』(講談社サイエンティフィク/1981年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは1988年の第10刷。今でも現役の本である。中身は英語の手紙の例文集。題名そのまま。研究者が直面するいろいろな状況で利用できさうな手紙の例が載ってゐる。私も昔お世話になった。この頃は自分の例文集がコンピュータの中に蓄積されてきたので、pdf化して保存。
◆熊井俊彦『熱力学と化学平衡』(培風館/1976年)
 私が持ってゐるのは、1980年の第4刷。大学生の頃使った本。もう捨ててもいいのだが、去年ちょっと使ったので念のためpdf化して保存。

 Amazon.co.jpから、北浦訓行『LyX入門』(技術評論社/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。これから少しLyX使ってみようか。

 紀伊國屋書店から、高田里惠子『失われたものを数えて 書物愛憎』(河出ブックス/1300円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、リシェル・ミード『ブックストアでくちづけを』(須麻カオル訳/角川文庫/743円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、レイ・ブラッドベリ『とうに夜半を過ぎて』(小笠原豊樹訳/950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。


2月15日(15)

 今日もブランドン・サンダースン『ミストクローク3 永遠の大地』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読みながら出勤。往復の通勤電車の中で一日100ページしか読めない。するとこの本を読むのに4日以上かかるといふことである。5日かかると、一ヶ月におよそ5冊しか読めない(日曜日は通勤電車に乗らないので)。年に60冊しか読めない。少ない。少なすぎる。これで生きてゐると云へるだらうか。

 今日の電子化本
◆大原ケイ『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(アスキー新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 アメリカの電子書籍事情はどうなってゐるのかといふ話。女はロマンス、男はSFといふのが印象に残ってゐる。グーグル和解案の話とかも。電子書籍の値段と印税の話が詳しく載ってゐるのがいい。他の部分はよく覚えてゐない。
◆則定隆男『ビジネスの「コトバ学」』(日経プレミアシリーズ/2008年)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 あまり期待せずに読んだら意外に面白かった記憶がある。言語学的な話ではなく、商品イメージの話とか、契約・交渉の話とか。英語を社内共通語にする利点と欠点の話なども。
『大学eラーニングの経営戦略』( 東京電機大学出版局/2005年)
 どうしてこんな本があるのか。eラーニングについて知りたかったんだらうが。
『バイオ研究が10倍はかどるMacOS X活用マニュアル』(羊土社/2003年)
 10倍捗ったかどうかは覚えてゐないが、いろいろ役立った。特にUNIX機としての理解において。ただ、今となっては古びてしまった部分も多く、ほとんど参照することもなくなったので、電子化して保存。


2月14日(月)

 ブランドン・サンダースン『ミストクローク3 永遠の大地』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読みながら出勤。重苦しく息苦しい雰囲気である。まだ100ページ。早く進まなければ。

 今日の電子化本。
◆田中克彦『ことばと国家』(岩波新書/1981年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 高校生のときに買ったのだらう。国家語成立とそれに伴ふ言葉の差別についての本。ピジン、クレオールに関することが特に興味深いと思ったやうな気がする。今でも現役なのは嬉しい。
◆渋谷望『ミドルクラスを問いなおす』(生活人新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 中流がどう形作られてきたのかといふやうな話だったやうな気がする。第二組合の話は私は知らなかったので参考になったが、全体的にはよく判らない印象がある。
『eラーニングの理論と実際』(丸善/2004年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 かういふことを考へなければならない状況になったときに買ったのだらうか。多分、さうだらう。あまり役には立たなかったが。
『大学の教育・授業の未来像―多様化するFD』(東海大学出版会/2001年)
 どうしてこんな本があるんだ……

 Amazon.co.jpに本を註文。
●北浦訓行『LyX入門』(技術評論社/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 突然欲しくなった。TeXをワープロのように使へるらしい。BibTeXなんかも使へるらしい。今日、Microsoft Wordの意のままに動かない機能に苛立ってつい……。


2月13日(日)

 今日は(今日も)思ふやうなベーグルが焼けなかったので、紀伊國屋書店に本を註文。
●高田里惠子『失われたものを数えて 書物愛憎』(河出ブックス/1300円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●リシェル・ミード『ブックストアでくちづけを』(須麻カオル訳/角川文庫/743円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●レイ・ブラッドベリ『とうに夜半を過ぎて』(小笠原豊樹訳/950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 河出ブックスの新刊は、「青年たちが自分自身に悩み、人生に思い迷ってたどりつく西洋(翻訳)文学の世界。文学の研究者と受容者(読者)の双方から、文学と書物の世界にかつてあり、いまは失われてしまったものを数え、近代日本の来し方を振りかえる。」といふ内容らしいので気になった。リシェル・ミードはシリーズ第二巻。ブックスストアだから買ったわけだが、多分読まない。ブラッドベリの再刊は収録作品に多少変更があるらしい。今日はおとなしく三冊。

 今日も本を電子化する。
◆丸谷才一『好きな背広』(文春文庫/1986年)
 丸谷才一のエッセイはそんなに好きではない。それでも何冊か持ってゐるのは、歴史的仮名遣ひに慣れ親しむためである。1986年当時、私はまだそんなに歴史的仮名遣ひを書くのに慣れてゐなかった。読む方は、高校生の頃に岩波文庫の『千一夜物語』を旧字旧仮名で読んでゐたので何の不自然さも感じずに読めるやうになってゐたのだが、書く方はさうでもなかった。だから、丸谷才一や倉橋由美子の本を読んで、もっと歴史的仮名遣ひに慣れ親しまうとしたのだった。あの頃、私も若かった。
◆群ようこ『贅沢貧乏のマリア』(角川文庫/1998年)
 何かの弾みで森茉莉の本と人に関心を持ったのだったか。
◆鷺沢萠『ありがとう。』(角川文庫/2005年)
◆鷺沢萠『私の話』(河出文庫/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 鷺沢萠の本はあまり読んだことがない。何しろ亡くなってから初めて本を読んだくらゐだ。
◆佐々木俊尚『ネットがあれば履歴書はいらない』(宝島社新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 ソーシャルメディアその他のインターネットサービスを利用して人と出会い、自分の(ネット上の)評価を高めようといふ話。
◆椎名誠『かつをぶしの時代なのだ』(情報センター出版局/1981年)
 私が持ってゐるのは、1982年の第19刷。情報センター出版局の椎名誠の「スーパーエッセイ」も持ってゐるのは多分これで最後だ。あんなに楽しく読んだのに、よく覚えてゐないのだ。
◆マイケル・ホワイト『ナルニア国の父 C・S・ルイス』(中村妙子訳/岩波書店/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 前にも一度PDF化してゐるが、今回は解像度を上げて再度挑戦。OCRもやり直し。

 この他、今日もLocusを。今日は半年分くらゐ。楽しくてついpdf化作業をしてしまふ。我慢しなければ。


2月12日(土)

 佐々木俊尚『キュレーションの時代』(ちくま新書/900円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をKindle用pdfに変換したものは、途中で終はってゐた。残念。半分くらゐで切れてゐたのだ。何だか短い本だなと思ったが、さうでもなかった。続きはMacで読む。ああ、紙の本を買へばよかった。

 昔読んだ本の記録が出てきた。買った本とか、洋書の購入に要した時間の記録とか。洋書の購入に要した時間と云ふのは、カタログを見て註文書を書いて送金する日から、本が手元に届くまでの日数である。発送しましたといふ手紙が届くことも多いので、その日付も記録する。さうすると、どの書店は発送してから何日で届くかが判るわけだ。高校生や大学生の頃は本が届くのを一日一日指折り数へて待ってゐたから、さういふことができたのである。アメリカのWeinberg Booksだったら発送からだいたい55日くらゐとか、ロンドンのFantasy Centreだったら70日くらゐとか判ってくる。今はほとんど航空便だが、当時はほとんど船便だった。イギリスの書店だと3ヶ月くらゐかかることもあった。今は膨大な在庫を一瞬で検索して註文すると、数日から数週間で本は届くが、読む速さは全然速くなってゐないので、三日で届かうが三ヶ月で届かうが、あまり関係ないのだ。
 そんなことをいちいち記録するなんて暇だったのか。

 昔の読書記録など見ながら、本の電子化。
◆椎名誠『風にころがる映画もあった』(情報センター出版局/1983年)
 この本を私は1983年4月2日に池袋西武書籍部で購入し、翌日読み終へてゐる。だから何だといふこともないのだが、昔の行動が判るのは面白い。中身はよく覚えてゐない。
◆鈴木孝夫『武器としてのことば』(新潮選書/1985年)
 私が持って1990年の第10刷。この本はもう新刊書店で入手できないが、『新・武器としてのことば』といふ本がアートデイズといふ出版社から2008年に刊行されてゐる。私は買ってゐないが。
 内容は、世界の中でどのやうに言葉の問題を考へていけばいいのかといふやうなものだったと思ふ。よく覚えてゐないのだが、日本語を国際語にするにはどうすればいいかといふやうなことも書いてあったのではないか。私が今の状況で考へるのは、日本語は英語のやうな国際語にはなれないが、世界の英語以外の言語のさまざまな分野の重要文献を日本語に訳しておいて、日本語が理解できれば世界各国のさまざまな言語で書かれた情報を入手できるといふやうにしておくと、それなりに日本語の重要性は高まると期待してゐる。10カ国語を理解できるやうになる代りに日本語を読めるやうになればいいと思ってもらへばいいのだ。難しいかもしれないが価値のあることだと思ふ。
 この著者は、父の大学入学時の同級生だと思ふ。途中で学部を変はってゐるのだが、変はる前の学部である。
◆本多勝一『日本語の作文技術』(朝日新聞社/1976年)
 私が持ってゐるのは、1978年の第21刷。これは高校で強制的に購入させられたのではなかったか。強制されるのが嫌ひなので、何となく嫌な感じがして読んでゐないと思ふ。私は反抗的な高校生だった……といふほどでもないが、何となく。今は文庫版が入手可能。
◆木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書/1981年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは、1986年の15版。といふと大学4年のときか。随分遅いではないか。これは高校生のうちに読んでおかなければ。と云ひながら、全く覚えてゐない。もしかしたら、読んでゐないのかも知れない。今でも現役の本である。
◆門倉貴史『貧困ビジネス』(幻冬舎新書/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 貧困ビジネスの話は最初はアメリカの話しか読んでゐなかったのだが、これを読んで日本でもかなり貧困ビジネスがあるのだと思ひ知らされた。自分が貧困になったときにさういふ罠に捕はれないやうに読んでおいた(といふわけでもないが)。

 この他、アメリカのSF情報誌Locusやその他の書類等をpdfにする。毎日書棚の空きが増えていく。

 アメリカのSF情報誌Locusの二月号が届く。もうpdfをダウンロードしてゐるもの。無駄といふか虚しいといふか。これもスキャナで読み込みたくなってしまふではないか。

 昨日届いた本のことを書くのを忘れてゐた! 『2011年版 SFが読みたい!』(早川書房/750円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。私はアンケートに答へてゐるだけ。この頃、私の選ぶ5作品が全体のトップ5と似通ってきて、普通の人のやうに見えてしまふ。もっと変な人でありたいのに。

 マリー・ルツコスキ『天球儀とイングランドの魔法使い』(圷香織訳/1200円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。第一巻もまだ読んでゐなかった。はやく読まなければ。このごろ本を読む速さが遅すぎる。


2月11日(金)

 内田樹『街場の大学論』(角川文庫/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読了。今日はスキャンしたpdfをコンピュータ画面で読んだのだけど、この方が字が大きくて読みやすいと思った。それは中身とは関係がない話だが。
 大学での自己評価のために費やされた労力と時間と能力は計り知れない無駄であったといふのは全く同感だし、学校は対価と商品の等価交換ではないといふのも同感だ。だが、日本は全く逆の方向にどんどん進んでゐる。それをどうやって止めたらいいかは判らない。読んでゐて納得しながらも絶望的な気持ちになるのである。

 Amazon.co.jpに本を註文。
○Jasper Fforde The Last Dragonslayer (Hodder & Stoughton, Nov. 2010) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Jo Walton Among Others (Tor Books, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
以上二冊。電子本の方が場所を取らないのだが、見つけられなかったので。この頃、買っても全然読んでゐないやうな気がする。何とかしなければ。

 今日の電子化。
◆アーシュラ・K・ル=グウィン 『夜の言葉』(岩波現代文庫/2006年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは2008年の第二刷を二冊。そこで一冊をpdf化したわけである。ハードカバーも持ってゐるけれども、これは名著なので何冊でも買ってしまふ。電子化しておけばなくしてまた買ふことはなくなるだらう。さう願ひたい。
『20世紀SF〈1〉1940年代―星ねずみ』(河出文庫/2000年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 これも二冊持ってゐたので。もう10年以上になるのかとちょっと驚く。それで紙がもう変色しはじめてゐるのかと納得もしながら。
◆長山靖生『日本SF精神史』(河出ブックス/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 これも名著。二冊持ってゐたので。
◆光岡知足『腸内細菌の話』(岩波新書/1978年)
 これは高校生の頃読んだのか。持ってゐるのは1978年の三刷。腸内細菌の住む世界は閉鎖系のやうで閉鎖系ではない。常に流れてゐる空間である。その中である平衡状態を保ってゐる世界だ。ある限られた空間の中でどのやうに菌の集団が平衡状態へと落ち着くのかといふことに関心があったのだらうか。さういふ集団に注目する研究といふことなら、私は中高生時代に関心があったところに結局辿り着くことができたといふことにならうか。しかし、この本を読んだことはよく覚えてゐない。本当に読んだのだらうか。
◆椎名誠『気分はだぼだぼソース』(情報センター出版局/1980年)
 私が持ってゐるのは、1982年の第21刷。このシリーズを3冊発見したので、電子化しておくことにした。大学生の頃、たくさん読んだ記憶がある。今読むと残念ながら当時ほど面白く感じられない。だからといって捨てる気にはならないのだ。


2月10日(木)

 今日も内田樹『街場の大学論』(角川文庫/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。一体いつまでかかるのか。今日読んだ第八章の「日比谷高校、東大全共闘の人々」ではかなり個人的な強い感情が露になってゐる。私は行った高校や大学も違ふし時代も違ふから読んでもその当時のその場の雰囲気はよく判らない。ふうんさうなのかと思ふだけである。

 サカタのタネから、朝顔の種と防虫剤が届く。朝顔にアブラムシがついたりして調子が悪いので早速噴霧。変な虫や病気がなくなって元気になればいいのだが。

 今日の電子化。
◆森島恒雄『魔女狩り』(岩波新書/1970年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは、1981年の第21刷。といふことは高校生のときに買ったのか。あるいは大学に入ってすぐか。魔女狩りはよく小説に出てくるから基本的なことは知っておかうと思ったのだらうか。よく判らないけど。読んだかどうか覚えてゐない。この本、まだ現役であることにちょっと驚いた。
◆明石昇二郎『グーグルに異議あり!』(集英社新書/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 Googleのブック検索和解案に異議を訴へるべく戦ふ話。ヨーロッパの作家と手を結び、ニューヨークの法廷にまで向かふ。私は和解案に「まあいいんぢゃないそんなもんで」と実に投げやりな態度をとってしまったがいけなかったのだらうか。世界のこのやうな人々のおかげで皆の権利が守られたのかもしれない。この関係の話で、一企業が勝手にするのはけしからんといふ人が多いが、同じことを(国の)図書館が勝手にやるのは平気なのかといふのはよく判らない。私はどちらかといふと、国家権力に勝手にされる方が不愉快である。
『化学のレポートと論文の書き方』(化学同人/1985年)
 大学生のときに買ったものだらう。基本的なことがきちんと書かれてゐて、かういふ本は一冊くらゐは手元に置いておくべきだと思ふが、何しろ古すぎる。捨ててもいいところだが、学生の頃に買ったものはなかなか捨てがたい。今は本書の改訂版といふのが出てゐるので、それなら今でも役に立つのだらう。
『機器分析のてびき(2) 第二版』(化学同人/1996年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 ちょっと古いけれどもまだ現役である(絶版品切れになってゐないといふ意味)。スペクトル分析、クロマトグラフ法、アミノ酸分析、電気泳動法などの基本的なことが載ってゐる。人に何か説明しなくてはならないときに役立つかも。
◆黒木登志夫&F・ハンター・藤田『科学者のための英文手紙の書き方』(朝倉書店/1984年)
 私が持ってゐるのは1989年の第13刷。大学院生のときに買った本。1991年に出た増補版は今でも現役である。当時はこの手の手紙の書き方の本が少なかったが、今ではたくさん出てゐるし、ネット上にも参考になるものは多い。私はいろいろこの本の世話になった。
『ゲノム情報生物学』(中山書店/2000年)
 私が持ってゐるのは2001年の第3刷。「ポストシークエンスのゲノム科学」といふシリーズの6巻目である。この分野は進歩が速いのでたちまち時代遅れになってしまふ。残念ながらこの本ももう新刊書店では手に入らない。でも、何か役立つこともあるかも知れないと思って電子化して保存。多分読まないんだらうけど。
◆日本私立大学連盟編『大学の教育・授業の変革と創造』(東海大学出版会/1999年)
 どうしてこんな本を買ったんだらう。何かよほど追ひつめられてゐたのか。捨てるのは何となく悔しいので電子化して保存。私が持ってゐるのは2002年の3刷。売れたのか、これが。
◆日垣隆『売文生活』(ちくま新書/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 文章を書いて生活するとはどういふことなのかを考へる本。出版部数の話とか原稿料の話が詳しく載ってゐる。さういふ話はなかなか本に載らないので貴重である。生きるのには金が必要だ。だが、文章読本の類を読んでも、文章を書いてどうやって生きていけばいいのかは書いてゐない。
 筒井康隆の例が詳しく載ってゐる。こんなに詳しく載ってゐたのかなと驚いた。全然覚えてゐなかったからだ。
 といっても、私が作家か何かにならうと決意してゐるわけではない。


2月9日(水)

 今日も内田樹『街場の大学論』(角川文庫/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。思ひの外、時間がかかってゐる。かなりの部分が愚痴っぽい感じである。だが、私はそのほとんどに共感できるのである。だから、全然嫌でもない。私だってさう云ひたいのだ。その代り、新しい発見は少ない。

 SFマガジンの原稿のゲラが届き、自分が愚かな間違ひをしてゐたことに気づく。やれやれ。

 PDF化したLocusのファイルを、Amazon S3にアップロードする。83個のファイルを送るのに何時間もかかってしまふ。どうしてこんなにかかるのか。これは刊行順に並べればいいから判りやすいが、普通の本は自動的に差分をとってアップロードする仕組みにした方がいいだらう。

 今日の電子化。
◆遠藤周作『現代の快人物』(角川文庫/1972年)
 私が持ってゐるのは、1975年の17版。17刷ぢゃないかと思ふだらうが、出版社が奥付にさう書いてゐるので仕方がない。小学校六年のときか中学に入ってすぐの頃に買ったのかだらう。遠藤周作がいろんな人に会って対談したときのことをまとめたもの。あまり面白くないと思ったことを覚えてゐる。12歳の頃に買った本はあまり残ってゐない。昨年末にまとめて古本屋に売ってしまったもののなかにたくさんあったやうな気がする。北杜夫の文庫本とか。何とか残ったといふことで、まあ、記念に。
◆川喜田二郎『発想法』(中公新書/1967年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは1977年の44版。それにしてもこの頃の中公新書は紙がいい。同時期の文庫や新書がすっかり茶色になってしまってゐるのに、これはほとんど変色してゐない。素晴らしい。
 30数年前の「知的本」として本書は欠かせないだらう。今でも現役の本である。ここで推奨されてゐるカードは京大カードではなくパンチカード。穴を使って分類(今でいふタグ付けか)しておけば、一気にまとめて必要なものを抜き出せるといふ利点があるからだといふ。そして、KJ法である。川喜田二郎を知らない人でもKJ法といふのを聞いたことのある人は多いだらう。カードをいろいろ並べ替へて、関連性や意外な対応を発見しようといふもので、自分の発想を促すためにも使へるし、グループで議論するときにも使へる。前者は個人が勝手にやればいいことだが、後者がなかなか困るのである。中学生の頃にこれを読んで、しばらくKJ法なんて忘れかけてゐたのだが、仕事をするやうになって数十年ぶりにこのKJ法にであって驚いたことがある。こんなことを今でもやってゐるのかといふことと(しかしこれは、よいものは古くても長く使へるのでそんなに驚くことでもない)、新しい流行りの手法のやうに思ってゐる人が多かったことであった。まあ、いろいろあってKJ法はあまり好きではないのだ。
 続篇も買ったやうな気がするのだが、書棚に見当たらない。
『生物化学実験のてびき3 核酸の分離・分析法』(化学同人/1986年)
 この手の本はすぐに時代遅れになってしまふ。ただ廃棄してもいいのだけど、なぜか捨てられない。絶対に使はないのに。自分の学生時代の一部を捨てるやうな気がするからだらうか。さういふときは、電子化して紙は廃棄する。
『機器分析のてびき1 第二版』(化学同人/1996年)
 私が持ってゐるのは1998年の第5刷。そんなに古びてゐない。基本的な原理などが載ってゐるので、人に説明するときに役立ちさう。


2月8日(火)

 佐々木俊尚『キュレーションの時代』(ちくま新書/900円+税)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]といふ本が出たので、買ってみようかなと思ってゐたのだが、電子版が買へるらしいではないか。そちらは700円。買ってから自分でPDF化するより、もともとPDFの本を買った方がいいに決まってゐる。パブーってところで売ってゐるらしい。ここは自費出版みたいなところではなかったか。大丈夫かなと思ひながら登録して購入手続きを済ませダウンロードした。横書きぢゃないか! 読みにくい。Kindleに入れてみたら、文字が蟻のやうに小さくなってしまひ実に読みにくい。ああ、紙の本を買っておけばよかった。もしかして、これは原稿をpdfにしただけか。本とは少し中身が違ふと書いてあったが、編集者の目を通ってゐない原稿か。
 このファイルは制限のかかってゐないpdfファイルだと書いてあった。ならば、テキストファイルとして保存しよう。そして、LaTeXで自分で字の大きい縦書きpdfを出力しよう。やってみたら、何とか読めるものになった。タイトルとか章立てとか何もなしで詰まってしまったが、Kindleで一応読める。これで読むことにしよう。何だかちょっと損した気分。

 内田樹『街場の大学論』(角川文庫/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。なるほど確かにさうだと云へることばかりだが一つ一つが短い。あちこちに掲載されたものを集めてきたのだらうが、そのせゐで物足りないのである。

 昨日と今日の電子化本。昨日のメモを失くしてしまった。時間がもったいないが、ここに記録しておかないと電子化したことが判らなくなってしまふから、欠かせないのである。
◆梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書/1969年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは1978年の第27刷。随分売れてゐたのだと驚いてはいけない。今でもこの本が現役であることに驚くべきである。カードの活用法(京大カードだ!)とか、仮名文字タイプライターは今の時代ではそのまま利用できないだらうが、電子機器やネットワークシステムを利用するにしても、ノートのとり方などの考へ方は変はらないからだらうか。それにしても中学生(か高校生)の頃、私は本当に「知的××」といふ本が好きだったことがよく判る。そんなに知的になりたかったのか。さう考へる中学生を責めることはできまい。結局知的になってゐない未来をまだ知らないのだから。
◆毎日新聞科学環境部編『「理系」という生き方』(講談社文庫/2007年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
「理系白書2」といふ副題がついてゐる。今の日本で科学や技術を専門として生きてゐる人たちはどのやうな状況にあるのかを検証した本。よくある理系と文系に人をタイプ分けして面白く仕上げたやうなものとは違って、極めて真面目な内容である。
『量子の新時代』(朝日新書/2009年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
「SF小説がリアルになる」といふ副題があるのだが、読んだことのあるSFが登場するので親しみが持てる……が、最後までまだ読んでゐないやうな気がする。PDFにしたら読めるだらうか。
◆渡辺照宏『外国語の学び方』(岩波新書/1962年)
 私が持ってゐるのは1978年の第21刷。この頃、外国語の学び方の本もいろいろ買ってゐる。外国語を学びたかったんだらう。人と話をすることには関心がなかった(今もない)から、外国語の本を読みたかったのである。できれば英語以外の外国語がいいなと思ってゐたが、結局全然読めないまま年月が過ぎていった。何となく記念にpdf化。
◆清水幾太郎『本はどう読むか』(講談社現代新書/1972年)
 私が持ってゐるのは1975年の第6刷。これも上記「知的」関連本の一冊として買ったのだらう。ノートのとり方とかカード・システムの検討の話などが書かれてゐる。「外国書に慣れる法」といふ章は参考にしたのかも知れない。借りたりせず自分で買へとか判らなくてもいいから最後まで読めとかとにかく慣れろとか。
◆栗原康『有限の生態学』(岩波新書)
 閉鎖空間の生態系についての本。SF少年だった私は閉鎖空間の生態系に強い関心を抱いてゐた。宇宙船やスペースコロニーで暮らす日に備へての勉強である。もちろん本書にも宇宙基地の生態系の話が載ってゐる。だが、残念ながら内容は全然覚えてゐない。


2月7日(月)

 エリック・マコーマック『ミステリウム』(増田まもる訳/2400円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。傑作である。誰が何を語ってゐるのかを追ってゐるうちに迷路の中で狼狽へてゐることに気づくといふか、ここはどこですかと心細く見知らぬ町を彷徨ってゐるやうな気分になるといふか、どうしてそれが嬉しいのか判らないが、言葉の力に翻弄されてゐることに気づいた瞬間が快感なのだらうか。最初は町で起きた嫌がらせのやうな事件なのだが、いつの間にか町全体が死んでいく事態に発展し、犯人探しは誰が誰を追ってゐるのか判らなくなり、結局最後に驚くやうな急展開を見せるのだ。詳しく書くと怒る人が多いだらうから書かないけど。かういふ本をもっと読みたい。

 今日の電子化の作業記録のファイルがどこかにいってしまったので、明日書くことにする。

 一つだけたった今pdf化したものを書いておかう。今までは読み終へたものを電子化してゐたのだが、今回は読む前にpdf化してみた。
◆内田樹『街場の大学論』(角川文庫/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 pdfにして、Kindleに入れたところ。明日から出勤時に読むことにしよう。でも、ちょっと字が小さいかも。


2月6日(日)

 エリック・マコーマック『ミステリウム』(増田まもる訳/2400円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。やうやく第三部へ。

 今日も電子化作業を楽しんでしまって仕事が捗らなかった一日。どうしたら我慢できるのか。Locus半年分とか、昔の同人誌とか。しかし、単行本は今日は大物を狙はうと決めてゐた。数日前から心に決めてゐたのである。一冊で4〜5cmくらゐの幅のあるやつを。書棚の前を歩いて得物を探すこと数日、標的を定めて棚から抜き出したのは今朝である。
◆レイ・カーツワイル『ポスト・ヒューマン誕生』(NHK出版/2007年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 人間としてのさまざま意味での進歩の速度はどんどん加速してゐる。それがある一点を超えると、さらに爆発的な変化へと突き進むやうになり、それはもはや今と同じ人間ですらない存在となるのだといふ。その一点が特異点であり、あと数十年で到達できるとこの本では云ってゐる。その考へ方自体は、SFではお馴染のものだが、それを現実にもう数十年先だと主張するのだ。本当にさうなるかどうかは判らないが、少なくともその日を楽しみにして長生きしようと思ふことは可能だ。長生きするための方法もここの書かれてゐるのだ。私も長生きしようと思った。いや、別に死のうとしてゐたわけではないが。
 長生きすると本が溜まる。これまで以上の量で。その日に備へ、私は本を電子化してゐるわけだ。この本はそのための電子化に相応しい本である。何と一冊で4 cmほども書棚に余裕ができるのだから。素晴らしいではないか。


2月5日(土)

 エリック・マコーマック『ミステリウム』(増田まもる訳/2400円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。これは面白い。

 紀伊國屋書店から、佐藤文隆『職業としての科学』(760円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジェームズ・ロバート・ブラウン『なぜ科学を語ってすれ違うのか ソーカル事件を超えて』(青木薫訳/3800円+税/みすず書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、J・G・バラード『千年紀の民』(増田まもる訳/2200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、森見登美彦『四畳半王国見聞録』(1400円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、山之口洋『暴走ボーソー大学』(1500円+税/徳間書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。読みたい本が次々に溜まっていく。

 今日の電子化本。
◆伊藤智義『スーパーコンピューターを20万円で創る』(集英社新書/2007年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 汎用のスーパーコンピュータは作れないが、天文計算に特化したといふかそれしかできないスーパーコンピュータなら創れるといふことで、20万円で創ってしまった人たちの話。面白い。何かを創るといふのは楽しいことなのだといふことを思ひ出させてくれる本。同時に何かを創るといふのはさう簡単なことでもないのだ。
◆近藤克則『「健康格差社会」を生き抜く』(朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
 今や貧困層は健康な生活も送れないのかといふことを示してくれる。肥満はでぶに多い時代になったことはいろいろな本で指摘されてゐるが、さういふことをきちんと統計的な解析で示してくれるところがいい。健康に気を使ひすぎる人々の一員にはなりたくないが、少しは気にしようかといふ気になった。
◆森村桂『天国にいちばん近い島』(角川文庫/1969年)
 私が持ってゐるのは1975年の27刷。一頃はこの人の角川文庫はずいぶんたくさんあったものだが、今では新刊書店でほとんどみることがない(と思ふ)。この本も新刊書店で買ふのはたぶん難しい。でも、古書店では500円くらゐで買へると思ふ。懐かしい。私が読んだのは中学生の頃だらう。きっとニューカレドニアは素敵な島だと信じて何も判らず出かけていった様子を語る旅行記である。細かいことは覚えてゐない。紙の本で読み返すことはないだらうが、pdfならあるかも知れないと思って保存。
◆吉田文『アメリカ高等教育におけるeラーニング 日本への教訓』(東京電機大学出版局/2003年)
 どうしてこんな本を買ったのか。もちろん仕事なんだけど。内容は忘れてしまった。

 去年の11月頃にいろいろ変はってゐた朝日新聞の書評関連サイトの情報収集を調整。新情報を取得できなくなってゐたところも、復旧したはづ。サイト名も現状に合はせて修正。


2月4日(金)

 エリック・マコーマック『ミステリウム』(増田まもる訳/2400円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み始める。まだ、最初の手記が終はったところ。まだまだこれから。

 まだまだ寒いが、昨日から少し暖かくなった。さうだ、もうすぐ春が来るのだ。その次にはまた糞暑い夏が来るのだ。だから、そろそろ朝顔の準備をしよう。と思って、サカタのタネのオンラインショップに朝顔を註文した。今年の新種なのか、初めて見る品種があったので。しだれ咲き朝顔の「スカイブルー」とラヴィエン ローズといふピンク-ローズ系の色の混合種である。他には、目下室内で越冬させようと試みてゐる朝顔にアブラムシが発生してしまったので、駆除薬も。バジルとローズマリーの種なども買ふ。今年は香辛料を少し自家製にしてみようかと考へたのである。野菜はなかなか難しいので、まずは香辛料から。

 今日の電子化本。
◆板坂元『考える技術・書く技術』(講談社現代新書/1973年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆板坂元『続 考える技術・書く技術』(講談社現代新書/1977年)
 中学の先生に薦められたのはこの二冊だったかも知れない。まあ、どうでもいいのだが、この手の本を何冊も買って、考えたり書いたりしようとしたのだらうか。嫌な中学生だ。高校生かも知れないが。材料の集め方や整理方法、構成などの考え方を示してくれる。今ではカードは使はないだらうが、それが電子機器になっても、手法や考へかたは使へるだらう。今でも、正篇は現役である(続篇は入手不可)。この人は80年代にしきりに『知的』なんとかといふ本を出してゐたやうだが、そんなに自分のことを知的だと思ってゐたのかな。ちょっと羨ましいかも。
◆田中久夫『すぐできるすぐ効く新選教育研修ゲーム』(日本経団連出版/2003年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 会社の研修なんかでありがちなゲームが載ってゐる。まあ、会社に入ったことがないので本当はよく知らないんだが。とにかく、こんなゲームを企画しなくてはならないことになって買ってみた本。不幸にもまた使はなくてはならない状況に陥ったときのためにpdfで保存しておく。


2月3日(木)

 スティーヴン・エリクスン『マラザン斃れし者の書II 砂塵の魔門3』(中原尚哉訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。二巻もまだ読んでゐないのに! 大変だ、急がなくては。

 パトリシア・A・マキリップ『夏至の森』(原島文世訳/880円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。『冬の薔薇』のやうな妖精界の異質性が感じられず、結末では何だかいい人になってゐたりして、そこはかとなく説教臭い感じもあり、その辺りが少々不満。

 今日の電子化。
◆渡部昇一『知的生活の方法』(講談社現代新書/1976年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは1977年の19刷。といふと中学三年か。確か、理科の先生が薦めてゐて、それがきっかけで買ったやうな微かな記憶がある。今だったら恥づかしくて買へないやうな書名だが、当時は知的になりたかったのか、平気で買ったんだらう。読書の技術、カードの使ひ方、書斎の整へ方、散歩の効用……といったことを中心に自分の時間を作りデータを整理してオリジナルな発想に結びつけていく方法を紹介してくれてゐるらしい。30年前に読んだものだから、よく覚えてゐないが、書斎の項目は何度か読み返し、いつか自分も素晴らしい書斎を持ちたいものだと思ってゐたものだが、今は特に素晴らしくもない書斎を持ってゐる。中学三年の自分が何を考へてゐたかを忘れないために、pdfで保存。続篇も買ったやうな気がするが見当たらない。
 この本、今でも現役のやうだ。
◆日垣隆『手作り弁当を食べてる場合ですよ』(角川oneテーマ21/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 手作り弁当の本ではないので、素敵な弁当の作り方を期待して買ふとがっかりすることになる。どんな世の中になっても生き残るために、自分の力を高めようといふやうなことだと思ふ。「いい人を目指すな」とか「皆と同じことをやっても価値はない」とか。手作り弁当もさういふ意味で云ってゐる。皆で連れ立って外に食べにいって無駄な金と時間を使ふよりも、自分で弁当作るくらゐのことはして、効率よく日々を過ごせといふやうなことだらう。確かにさうだとうなづけることは多いが同時にそんなことは云はれなくても判ってゐるといふことも多い。
◆穂村弘『もうおうちへかえりましょう』(小学館文庫/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 歌人穂村弘のエッセイ集。とにかく面白い。後ろの方の本にまるはる話がいいが、特に「本当の本棚」には感激した。

 そのほか、毎日4冊ほどLocusをpdf化してゐる。そんなわけで日々書棚が少しづつ空いていくのである。まとめて古本屋に売るときなど、ときどき隙間が増えることは過去にもあったわけだが、毎日毎日少しづつ書棚の本が減っていくといふのは考へてみれば生まれて初めてのことではないだらうか。常に書棚の本は増え続けてきた。減り続けたことなんてなかった。何か不思議な現象を目撃してゐるやうな感じがする。起こりえないことを見てゐるやうな。つまり、時間が逆行してゐるといふか、エントロピーが減少してゐるといふか。同時に、それが楽しくて仕方がない。何度も書いてゐるが、そればかり熱中しないやうに心がけなければならないほどなのだ。


2月2日(水)

 紀伊國屋書店に本を註文。何だか妙に久しぶり。こんなに本を買はなくても人は生きていけるのか。
●佐藤文隆『職業としての科学』(760円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジェームズ・ロバート・ブラウン『なぜ科学を語ってすれ違うのか ソーカル事件を超えて』(青木薫訳/3800円+税/みすず書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●J・G・バラード『千年紀の民』(増田まもる訳/2200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●森見登美彦『四畳半王国見聞録』(1400円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●山之口洋『暴走ボーソー大学』(1500円+税/徳間書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 久しぶりに買ふのに、たった五冊。こんなことでいいのかと思ふ。科学関係が二冊。

 吾妻ひでおの『失踪日記』『失踪入門』をpdf化しようと思ったら、前者はカバーの裏にも文字が印刷してあって、しかも、それが全面に広がっているので、どのようにスキャンするか少し悩み、pdf化を諦める。なるべく時間と手間を使はずに作業を進めたいから、迷ふやうな本はpdf化の対象から外していく。といふわけで、
◆吾妻ひでお『失踪入門』(徳間書店/2010年)
だけ、pdf化。『失踪日記』と比べると面白くない。
◆森昭雄『ゲーム脳の恐怖』(生活人新書/2002年)
 胡散臭い本。はっきり云って、ゲーム脳なんてないのだといふことは、この手の問題に少しでも関心のある人は知ってゐるはづ。「この手の問題」とは、ニセ科学の類の話である。この本は、胡散臭い話の例として使った。もう要らないやうな気もしたが、何かの機会に資料として参照することもあるかも知れないので、pdfとして保存。
◆諏訪茂樹『人と組織を育てるコミュニケーション・トレーニング』(日経連出版部/2000年)
 人と組織を育てるなんていふのは私が最も嫌ひなことの一つである。育てられるのも嫌だし育てるのも嫌だ。でも、どうしてもといふことになれば、できれば後者の立場でゐたいものだ。といふことで、やむを得ずさういふ仕事に関はったときに購入した本を、もしものときのために、pdfにして保存。


2月1日(火)

 パトリシア・A・マキリップ『夏至の森』(原島文世訳/880円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。明日には読み終はるだらうか。森の異界を見たり、あるは異界へ行き来できる者の家系の一人として生きることを自覚する若い女性が主人公である。読みやすいから、明日には読み終はるだらうか。話は面白いが、主人公が放置してゐる書店の日々の運営が気になって仕方がない。

 今日の電子化。
◆荒井千暁『勝手に絶望する若者たち』(幻冬舎新書/2007年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 絶望したといって会社を辞めてしまふ若者たちの話。産業医としてさういふ若者たちの話を聴いた経験に基づいて、彼らが何を考へてゐるのかと解説する。でも、解決方法はよく判らない。
◆Philip Marsh & Michael Martin Oral Microbiology (Nelson Thomes, 1984)
 昔買った本。ここ十年くらゐ開いてもゐないやうな気がする。一応保存。


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