7月31日(火)

 何とか再構築の目処が立ってきた。この日記のバックアップが三日前までしかないことに気づき、Google検索で自分の日記を見つけてキャッシュからコピーした。これで一日も途切れることなく繋いだことになるだらう。

 EC2のmicro instanceという規格でどうやら十分なやうなので、一カ月に1200円程度の出費でサーバを管理できるといふことであるやうだ。それならそれでもう十分なやうな気がしてきた。自宅サーバの管理はもうやめようか。外から自分の家のハードディスクにアクセスできたらもういいことにしようか。迷ふところである。

 しかし、全体から見ればまだまだ。明日も復旧作業で潰れさう。


7月30日(月)

 職場から自宅サーバの資料をとりだせないことに気づき、ブラウザでこのページを開いてみようとしてもできないので、またモデムかルータの調子が悪いのかと思ひ、帰ったら再起動しようと心に決めて帰宅すると、モデムやルータが悪いのではなく、サーバそのものが止まってゐた。起動しようとしてもできない。ひゅい〜んといふ音が一瞬するだけ。Amazon EC2でインスタンスを一つ立ち上げ、バックアップファイルから再構築を試みる。昨年、地震の後の電力不足の頃にもAmazon EC2で運用してゐた頃があるのだが、すっかり忘れてゐて、しかし、その記録を参考にしようと思ってもそれはサーバが動かないと参照できないことに気づき、危機管理体制の不備に呆れるばかり。深夜2時半までいろいろやってみても全然再構築できず、翌朝へ持ち越し。


7月29日(日)

 昨日おもしろかったと書いた「待つ男」はArkham Samplerに掲載された作品だったのか。道理で他の上品な感じのする短篇とちょっと雰囲気が違ふと思った。もう一つ挙げた「少年よ、大茸をつくれ!」はGalaxy掲載。上品な文芸誌などに載ったものよりも好みに合ふやうだ。  この『よろこびの機械』に収録されてゐる「かくてリアブチンスカは死せり」の元になったラジオドラマ「リアブチンスカ」を聴けると知って早速聴いてみた。ラジオドラマ一覧をまとめてくれてゐるサイトで知った。台詞は聞き取れないところが多いのだが、ラジオドラマの雰囲気はよく判って興味深く聴いた。

 Amazon.co.jpからなごみ 2012年 08月号が届く。特集が「変化朝顔の不思議」で、監修が藤田雅矢氏である。美しい写真も多いし、説明もほどよく詳しく、かういふのを読むとまた朝顔熱が高まってしまって困るのではあるが。今年はあまり朝顔の調子がよくなかった。あまり世話をする時間がとれないのが原因だが、来年はもう少し丁寧に朝顔に取り組んでみたい。いや、無理か……


7月28日(土)

 今週の《世界幻想文学大系》を註文するのを忘れてゐたことに気づき、日本の古本屋で検索して、東京都江戸川区の誠巌堂図書に、
●H・ド・バルザック『セラフィタ』(国書刊行会/一九七六年)
を註文。昭和五一年刊行の本である。その年、私は中学生だった。残り17巻23冊である。

 レイ・ブラッドベリ『よろこびの機械』(ハヤカワ文庫NF)を読んだ。高校生のときに買った本だが、当時は本をパラフィン紙をかけて保存してゐて、まだ読んでゐない本にはパラフィン紙に線を引いて未読の印をつけてゐたのである。その印がこの本にはついてゐるではないか。読んだ本だと思ってゐたのだが、もしかすると一度も読んだことがなかったのか。読みはじめたがどうも面白くない。気がつくと意識を失なってゐたりする。そうか、それで高校生のとき読めなかったのかと納得した。この本を読んだことがなくても、他の短篇集、アンソロジーに収録された作品も少なくないので別のところで読んだことがあるもの当然ある。「待つ男」「少年よ、大茸をつくれ!」は恐怖SFとして楽しいし、「刺青の女」は「刺青の男」のやうな作品を予想してゐると完全に裏切られる。印象深い作品ももちろんあるわけだが。


7月27日(金)

 ブラッドベリ『よろこびの機械』(ハヤカワ文庫NV)を読みながら出勤。もしかしてこれは読んだことがなかったのかも知れない。

 昨日読んだ『華氏四五一度』のやうな本を禁じる世界を考へてみると、そんな社会は今から来るわけがないと思ひがちだけれども、文化大革命やクメール・ルージュのやうに高学歴者を激しく攻撃する勢力が勢ひづいたこともある。世の中何が起こるか判らないのである。

 今週の《世界幻想文学大系》の註文をまだしてゐなかった。

 職場のMac miniもやうやくOS X Mountainに。


7月26日(木)

 ブラッドベリ『華氏四五一度』(ハヤカワ文庫NV)読了。やはり戦争の扱ひは物足りない。たまたまその日に戦争が始まって街が壊滅したとかいふ結末では嘘っぽい。戦争といへば、いつ果てるとも判らない戦争が延々と続いてゐて、本当に戦争なんてあるのかといふやうな世界で、安っぽい娯楽に日々の楽しみを求める世界でないと……といふのはディストピア小説(SF)を読みすぎてゐるだらうか。そうかも知れない。そうかも知れない。

 昨夜そのまま寝たOS X Moutain Lionのダウンロードは朝起きてみると終はってゐたので、早速インストール。すると、できませんと云ふではないか。何なんだ、コンピュータの癖に生意気な。ハードディスクが壊れて修復できないからインストールもできないといふ。ああ、もう駄目だと絶望的な気分で出勤。今度は気分転換に職場のMac miniをアップグレードしようとして再び失敗。全く異なる現象だけど。
 がっかりして帰宅して、Snow LeopardのインストールDVDを使って、ディスクの修復を試み、うまくいったのか駄目だったのかもよく判らないまま、再度インストールを試みる展開に。何時間もかかってやうやくインストール完了。再起動してみると一応問題なく起動できたやうだ。諦めてすっかり新しいMac miniを買ふ気になってゐたのだが、これで出費を抑へられた分だけ本を買はう。


7月25日(水)

 紀伊國屋書店から、コルタサル『秘密の武器』(木村栄一訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『うちの一階には鬼がいる!』(原島文世訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム 上』(木村裕美訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム 下』(木村裕美訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、永江朗&大和ハウス工業総合技術研究所『いい家は「細部」で決まる』(新潮新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、平井呈一編『こわい話気味のわるい話〈2〉ラント夫人』(沖積舎)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』(垂野創一郎訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。

 Amazon.comで、Kindle版の
○James P. Blaylock All The Bells on Earth (Gateway)
を購入。前に当然のことながらハードカバーを買ったから持ってゐるのだが、これにKindleに入れたら昔読めなかった本も読めるやうになるのではないかと思ってしまって。

 SFマガジン9月号(早川書房)[S-Fマガジン 2012年 09月号 [雑誌]]をご恵贈賜りました。ありがたうございました。今号は、「ガイド特集 この20人、この5作」。意外に読んでゐるものが多い。ただ、ダン・シモンズだけは一冊も読んでゐないのだ。なぜか、読んでゐない。ハイペリオンは読まうと思ったのだが、早いページで挫折。どうも相性が悪い。

 ブラッドベリ『華氏四五一度』(ハヤカワ文庫NV)を読みはじめる。3/4くらゐまで。ディストピア小説としては、『一九八四年』と比べたりすれば些か迫力に欠けるやうなところもあると思ってゐたのだが、読み直してみれば、なかなかこれも迫力はある。その管理体制・社会体制についてはよく見えないところも多いのだが、一般庶民の視点から描けば社会の全容が見えるはずもない。見えないやうにするために情報を管理して本を禁止するのだから。

 MacOSX Mountain Lionのインストール作業を始めたところで、先に寝る。


7月24日(火)

 ブラッドベリの『メランコリイの妙薬』(早川書房)読了。前に一度読んだことがあるやうな気がする。が、ないかも知れない。どうでもいいことだが。
 火星の話、懐かしい話、怖い話など、さまざまな味はひを楽しめる。
 メランコリイに警戒してしまふ今日この頃だが、ただ懐かしいといふだけではなく、未来とか火星とか、今の読者の世界から見た懐かしさではなくて現実に体験し得ない世界からの懐かしさが多いので、警戒心が湧きだすことなく楽しめるやうだ。
 ブラッドベリはもう数冊読む予定。

 バッハの平均律クラヴィーア曲集1はダウンロードをやり直したら途切れることはなくなったと安心してゐたら、後半の後半のあたりエラーが頻出するやうになる。どうなってゐるんだ。


7月23日(月)

 紀伊國屋書店に本を註文。
●コルタサル『秘密の武器』(木村栄一訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『うちの一階には鬼がいる!』(原島文世訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム 上』(木村裕美訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム 下』(木村裕美訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●永江朗&大和ハウス工業総合技術研究所『いい家は「細部」で決まる』(新潮新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●平井呈一編『こわい話気味のわるい話〈2〉ラント夫人』(沖積舎)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』(垂野創一郎訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]

 ペルッツは予約註文。

 Amazon.co.jpに、なごみ 2012年 08月号を註文する。変化朝顔の特集が載る予定なのだ。

 昨日iTunes Storeで買った平均律クラヴィーア曲集1は、再ダウンロードしたら途中で終了することなくちゃんと聴けるやうになった……と思ったが、BWV850のフーガがまたとんだ。やれやれ。


7月22日(日)

 ブラッドベリの『黒いカーニバル』(ハヤカワ文庫NV)を数十年ぶりに読んだ。ノスタルジーに強い警戒感を抱いてゐる今日この頃なので昔ほど素直に楽しめないことに気づく。若い頃は歳をとったらもっとノスタルジーを楽しめるやうになるはずだと信じてゐたのだが、どうやらさうはならなかったやうだ。若い頃にもっとノスタルジーに溢れる作品を楽しんでおけばよかったのかも知れない。

 ピアノ演奏の平均律クラヴィーア曲集を聴きたくなってウラジミール・アシュケナージ演奏のものを買ってみた [Amazon.co.jp] 。今まではバッハの生きた時代にはピアノはなかったのだから、そんな演奏は聴きたくないと思ってゐたわけだが、最近はさういふのもいいかと思ふやうになったのである。これが歳をとるといふことなのだらう。
 しかし、ダウンロードが終はらずまだ聴けない。


7月21日(土)

 kobo Touchをいろいろ試してみる。初日の不調はサーバーの問題もあったやうで、二日目はまあ安定して試すことができた。とりあへず一冊何か買ってみようかと思ひ探してみて、
●鳥居みゆき『余った傘はありません』(幻冬舎)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。カズオ・イシグロにしようかとも思ったのだが、まだファイル変換のこととかよく判らないので、とりあへず鳥居みゆきで。

 購入した本はkobo TouchをUSBケーブルでMacに接続してKobo.appで同期すればすぐに読めるやうになる。あたりまへだが。Macのデスクトップにはkoboのディスクが見えるわけだが、それをクリックしても購入した本のファイルは見えない。.koboといふ不可視フォルダに入っていて、ファイル名は訳の判らない長い文字列ですぐには書名が何だか読み取れない。これはepubファイルだが、そいつをクリックしてepubファイルリーダで読まうとしてもエラーが出て読めない。

 Calibreという電子書籍管理&閲覧ソフトがあって、これがいろいろな電子書籍ファイル形式を変換してくれる。しかも、MacOSXでもLinuxでも使へるといふ素晴らしいアプリケーションなのだ。フリーウェアである(あまりにも素晴らし過ぎるので今度寄付したい)。これをkobo Touchを繋いだ状態で立ち上げると接続状態の電子書籍機器として認識される。そしてそこに保存されてゐるファイルを読んだり変換したりできるのだ。早速『余った傘はありません』を変換してみようとしたが、エラーが出てしまった。まだ、楽天のkoboファイルには対応できてゐないのか。ちなみに英語の本ならばテキストファイルに変換できることを確認してゐる。

 他所で買った電子書籍や自分でスキャンした本をkobo Touchで読むのはどうだらうか。二年くらゐ前のFantasy and Science Fiction(epub)や先日スキャンした『ゴースト・ハント』をデスクトップにあるディスクに入れてみる。すると簡単にkobo Touchの書籍一覧画面に出てきて読めるやうになる。本体にはmicro SDカードの装着口があるので、手近にあったカード(2GB)を差し込んでみると、これもすぐに認識され、そこにpdfファイルなどを入れるとやはり書籍一覧に表示されるやうになる。画面はKindleとほとんど変はらずどちらが綺麗とかいふ問題はなささう。何となくkobo Touchの方が反応が鈍いやうな気がする。若干Kindleよりも小さいので冬の服の内ポケットに入れるのにはいいかもしれない。

 今のところ英語の本ではkoboでなければと云へるものは少なく、あとは日本語の本の品揃へどうなるかが問題である。今の状態ではまったく足りない。日本語の本をAmazonが扱ふやうになったら日本アカウント用Kindleでもいいのかも知れないと思う。


7月19日(木)

 カサンドラ・クレア『シャドウハンター 硝子の街 上・下』(杉本詠美訳/創元推理文庫)をご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 楽天からkobo Touchが届いた。セットアップはできたものの、使いにくい、アクセスが集中しすぎて動かなくなってる。明日以降、また試さう。

 紙の本でブラッドベリを猛然と読み進めるはずが、『黒いカーニバル』をゆっくり読む。昭和51年刊行の本。私が初めてArkham HouseやWeird Talesのことを知った本。でも、そのときはほとんど記憶に残ってゐなかった。Arkham HouseとWeird Tales情報を求めて後になってあとがきだけ読み返した。いろいろ懐かしい。ページの縁が少し汚れてゐるのを見て、中学生の頃の自分は本を綺麗に読むことがへできなかったことを知る。

 昨日、C・B・ブラウン『ウィーランド』(志村正雄訳/国書刊行会)が届いたことを書き忘れてゐることに気がついてよかった。


7月18日(水)

 内藤朝雄『いじめの社会理論』(柏書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読みはじめる。そこには私の最も嫌悪する学校の姿がはっきりと映し出されてゐるではないか。強制的な集団への帰属と従属、仲良しと仲直りの押し付け……あまり書きすぎると気分が悪くなってきさうなのでやめておかう。しかし、怖いもの見たさといふことなのか、先を読み進めたいといふ気分が漲ってゐたのだが、明日から猛然とブラッドベリを読むことに決めてしまった。決めてしまったものは仕方がない。

 まづは『黒いカーニバル』(ハヤカワ文庫NV)から。私が初めて買ったブラッドベリの短篇集。多分、中学生のとき。これを読んで、大人になったらきっとWeird Talesを揃へようと思った……訳でもなかった。


7月17日(火)

 紀伊國屋書店から、フリードリヒ・デュレンマット『失脚/巫女の死』(増本浩子訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、三浦しをん『舟を編む』(光文社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、倉部史記『看板学部と看板倒れ学部』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、内藤朝雄『いじめの社会理論』(柏書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』(高月園子訳/亜紀書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。

 大輪朝顔「暁の海」が四つ咲いたのだが、出勤するまでに花が開かなかった。もう蕾はあまり残ってゐない。この夏、二回目の種蒔きをすべきだらうか。


7月16日(月)

 北野勇作『きつねのつき』(河出書房新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。まだ頭痛の種が頭の隅に転がってゐるときには英語の本は読みにくい。何か異変の起きた後の世界で、主人公は三歳の娘と天井に張り付いた妻とともに暮らしてゐる。その異変の起きた世界は、外の世界とも僅かな繋がりがあるが、自由には行き来できないやうである。その世界はその世界なりに日常の日々は続いてゐる。隣人とのトラブルとか、保育園の申し込みとか、公園での花見とか。娘が三歳の頃、やはり足にしがみついてゐた頃のことを思ひ出しながら読む。最後のページでは危ふく泣きさうになった。

 今朝は、大輪朝顔がいくつか咲いた。種としては大輪なのだが我が家のはあまり大輪にならない。風が強いので昨夜から家の中に入れておいたが、すでに蕾に傷がついてゐたのか、うまく開かない花もある。「暁の紅」は昼過ぎまでその姿を保ってゐた。もっといろいろ朝顔を育てたいのだが時間が足りない。朝顔を育て、パンを焼き、本を読むだけの暮らしをしてみたいが、多分三日で飽きる。


7月15日(日)

 朝起きるてホテルのTVをつけてニュースでも観ようかと思ったら、どこの放送局もニュースをやってゐなかった。今日は博多祇園山笠の追ひ山の朝だったのだ(いや、知ってゐたけど)。TVQは追ひ山中継をしないがニュースもやらない。どうでもいいことである。

 Kindleを持って福岡空港へ。眠くて読書が捗らない。機内へ入り飛行機が飛び立つ頃には再び睡魔に襲はれ読書が捗らない。羽田から京急で品川へ向うときも眠くて読書は捗らない。結局全然本が読めなかった。やれやれ。

 昼に家に着く頃には頭痛がひどくなってきて、昼食後シャワーを浴びて寝る。久しぶりの激しい頭痛で嘔吐寸前までいって五時間後に現世に復帰。やれやれ。

 タッド・ウィリアムズ『いばらの秘剣2 妖精の森』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]をご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 夜になって頭痛がよくなったので、今週の《世界幻想文学大系》を註文。日本の古本屋で検索して、前回と同様に名古屋のこもれび書房に。
●C・B・ブラウン『ウィーランド』(志村正雄訳/国書刊行会)
 1986年8月に刊行された。私が大学4年のときといふことになる。1200円+送料。


7月14日(土)

 紀伊國屋書店に本を註文。
●フリードリヒ・デュレンマット『失脚/巫女の死』(増本浩子訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●三浦しをん『舟を編む』(光文社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●倉部史記『看板学部と看板倒れ学部』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●内藤朝雄『いじめの社会理論』(柏書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』(高月園子訳/亜紀書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
『舟を編む』は辞書編纂に携はる人々の話だといふので註文してみたが、さういふ面白さには乏しいといふ意見もよく見かける。どうだらうか。

 結婚披露宴に呼ばれてゐるので、福岡へ。市内はもう雨は降らないと思って傘を持たずにでかけたら、福岡空港に着いてみれば激しい雨。まあ、会場のホテルまでは地下鉄を使って地下通路直結なので濡れる心配はなかったが。Kindleに読む予定の本を入れて万全の態勢で旅立ったのに、飛行機の中では激しい眠気に負けてほとんど本が読めなかった。情けない。


7月13日(金)

 Graham Joyce The Facts of Life (Atria Books, 2003)を読みながら出勤。二度目なのになかなか進まない。どういふことか。

 明日は久しぶりに福岡まで出かける予定である。飛行機の中で本が読めるといふことである。久しぶりなのでどきどきしながら本を選んでいる。結局このThe Facts of Lifeと先日pdf化したH・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』(創元推理文庫)にしよう。日本語の本だとたくさん持っていかなければならないが、Kindleがあればこれ一つでいいので、かういふときに確かに便利である。万が一、読み終はってしまっても、英語の本が何冊も入ってゐる。日本語の本も数冊入ってゐる。以前は出張のときに何冊も本を持って行かうとすると、無駄に重くて邪魔だったが、これなら軽くて場所を取らない。万歳、電子書籍。


7月12日(木)

 紀伊國屋書店から、レオ・ペルッツ『最後の審判の巨匠』(晶文社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。

 グレアム・ジョイスの作品が気に入ったので、前に読んだ
○Graham Joyce The Facts of Life (Atria Books, 2003)
をもう一度読んでみるべきではないかと思ひ、Kindle版を購入した。もはやハードカバーの本で読む元気はない。一度読んだことのある作品だからあっといふ間に読めるんぢゃないかと思ったが、全然速くないのである。どういふことか。

 一年くらゐ我が家の書棚で探してゐるヴァーノン・リーのThe Virgin of the Seven Daggers: Excursions into Fantasy (Pocket Penguin Classics)のKindle版があるのに気がついたので、購入しておかうか見送るかかなり迷った末に、もう一日考へてみることにした。

 Ash-Tree Pressの電子本はKindle版だけでなくepub版も出てゐることを知って、何冊か買っておきたくなって困ったが、何とか我慢した。やればできるものである。

 今日の電子化本。
◆H・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』(創元推理文庫)
先日買ったばかりのもの。二冊になってしまったので、一冊をpdfにしてKindleで読む予定。


7月11日(水)

 Graham Joyce Some Kind of Fairy Tale [Amazon.com] 読了。これはよかった。前作でがっかりしてゐたので、心配しながら読んだのだが、私はこれがいいのである。誰が何といっても好みの問題だから仕方がない。行方不明になってゐた15歳の娘が20年ぶりに家族の元に帰ってくるところから話は始まる。その娘は35歳になっているはずなのにまるでほとんど歳をとらなかったやうだった。彼女はいったいどこにゐたのか……といふ感じで話が進んでいくのだが、意外な展開とか驚く仕掛けはない。でも、面白い。最後の方に出てくるダンセイニの詩Some Kind of Fairy Taleが出てくるあたりがもういい感じなのだ。邦訳出ればいいのに。

 黒田龍之助『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。ちょっと短い。外国語の学習法の本ではない。そういうのを期待した人はがっかりする。が、外国語を学ぶとはどういうことかがよく判る本である。外国語学習の現状の問題点も含めて。検定試験なんて何も受けたことないよという態度は面白い。その代わり、どうして何のために受けるのか、何かいいことがあるのかということを、学生の意見を紹介しながら解説してくれる。面白いがもちろん点数を上げたい人の役には立たない。私は少なくとも何か外国語を勉強したいと思った。スペイン語とか。


7月10日(火)

 Graham Joyce Some Kind of Fairy Taleを読み進め、残り12%。今日一日で30%進んだので、それなら三日くらゐで読めるんぢゃないかと云はれさうだが、それがなかなかできないのである。意思が弱いのか読解力が弱いのか。

 猫と少年の話にはどきどきしてしまった。話の本筋とはあまり関係のないところなのだが。

 今日の電子化本。
◆巌佐庸『数理生物学入門』(HBJ出版局)
◆野崎昭弘『離散数学「数え上げ理論」』(講談社ブルーバックス)
◆黒田龍之介『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)
 外国語の本は昨日届いたばかり。もう切ってしまった。Kindleに入れて、ジョイスが終はったら読む予定。


7月9日(月)

 紀伊國屋書店から、北野勇作『きつねのつき』(河出書房新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、『NOVA 8』(河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、フィリップ・K・ディック『トータル・リコール』(ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、鴻巣友季子『翻訳教室』(ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、黒田龍之助『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。ペルッツだけは在庫がなくて出版社に註文するから時間がかかるかもといふ返事がきた。が、すぐに商品手配できましたといふ聯絡があったので、遠からず届くだらう。

 グレアム・ジョイスは58%まで。私なりに順調に進んでゐるが、それでも必要とする読書量を確保できないやうな気がしてきた。足りない分を補ふために少し日本語の本で補充しようか。


7月8日(日)

 Amazon.comにKindle本を註文。
○Jeffrey Ford Crackpot Palace (Harper Perennial) [Amazon.com]
を予約した。Kindle版が出たら註文しようと待ってゐたのだが、古沢さんのtweetで知って。

 Graham Joyce Some Kind of Fairy Taleを少し読む。半分まで進まなかった。今日は比較的余裕がある日曜日で本をもっと読めたはずなのだが、無駄に時間を過ごしてしまったやうな気がする。

 世界中の本を読みたいのにこの一生はあまりにも短い。それなのに。


7月7日(土)

 Twitterで古沢さんに教へてもらった、
○Hannes Bok & Joseph Wrzos Hannes Bok: A Life in Illustration (Centipede Press, September 2012) [Amazon.com]
を予約註文。
 ハネス・ボクのイラスト集。定価は150ドルなのだが、予約註文だと94.50ドルなので我慢できず。

 今週の《世界幻想文学大系》は第一巻にした。いろいろ考へると大変なので、もう順番に揃へていくことにしようと決めた。日本の古本屋で検索して、名古屋のこもれび書房に
●J・カゾット『悪魔の恋』(国書刊行会)
を註文。1200円+送料。1976年の刊行だから私は中学生だ。池袋の芳林堂書店で見ていたはずだが、買へなかった。中学生には高すぎた。その芳林堂書店も今はもうない。


7月6日(金)

 B・V・ラーソン『スターフォース』(中原尚哉訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]をご恵贈いただきました。ありがたうございました。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●北野勇作『きつねのつき』(河出書房新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●レオ・ペルッツ『最後の審判の巨匠』(晶文社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
『NOVA 8』(河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●フィリップ・K・ディック『トータル・リコール』(ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●鴻巣友季子『翻訳教室』(ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●黒田龍之助『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 最初の二冊は前から買はう買はうと思ってゐながら機会を逃してゐたもの。ペルッツはもうすぐ『夜毎に石の橋の下で』(国書刊行会)が出るので、その前に買っておかなければと思ったのである。ただ、買ふ理由が欲しかっただけなのかも知れないが。最後のは外国語学習に関する本。なぜかつい買ってしまふ。


7月5日(木)

 ハヤカワ文庫の『トータル・リコール』がまだオンライン書店で註文できるやうにならないので、今日は本の註文はやめておいた。となると、書くことがない。Graham Joyce Some Kind of Fairy Taleを3割まで読んだと書いても一行で終はってしまふ。こまごまとしたことはTwitterに書いてしまってゐるし。あのTwitterといふやつは、あまり書けないやうでもそれなりに小さな話題は書けてしまふので、さういふのを集めてここに書かうといふ意欲が殺がれてしまふのである。

 それでもここに書くのは、自分で書いたものを自分のデータベースで管理して、自分が使ひやすいやうに使ひたいから。なくしてしまったところもあるけど。

 なくすといへば、本もどうも一部なくなってゐるやうな気がしてならない。上下巻セットでご恵贈いただいた翻訳SFなんかが下巻しか見つからないとか。段ボール一箱くらゐではないだらうか。どこに行ったのだらう。まだ、どこか部屋の隅で未開封のまま忘れられてゐたりするのか、あるいは間違へてすててしまったのか。

 明日は本を買ふぞ、きっと買ふぞ。


7月4日(水)

 Graham Joyce Some Kind of Fairy Taleを読み進める。やうやく2割を越える。どんどん先を読みたくなる作品。でも、読むのが遅い。

 明日は本を買はう。

 今日は眠くてしかも話題がないからこの辺で。


7月3日(火)

 楽天のkobo Touchの予約註文の受付が始まったので、さっそく予約した。黒である。形はいいのだか、日本語の本の中身が今のところさっぱり判らないのである。ファイ形式はepubとpdfだから、自分で作ったファイルでも大丈夫といふことだらうか。自分で作ったePub3のファイルでもちゃんと縦書きになるだらうか。さういふことを確認するためにも実物を触ってみないことには判らないので、とりあへず註文である。
 Kindleの日本版ももうすぐ出るやうだが、日本語の本は日本で買った最新型でないと読めないのだらうか。ソフトウェアのアップデートだけでアメリカ版でも対応できたらいいのに。

 樺山三英『ゴースト・オブ・ユートピア』(早川書房)を読み始めたが、第一章を読み終へてさっぱり判らなかったので、読み続けることを断念した。ジョージ・オーウェルが出てくるのだが、よく判らない。『一九八四年』は読んでゐるのだが、よく判らない。私には難しすぎるやうだ。

 仕方がないからグレアム・ジョイスの新作を読むことにした。20年振りに、行方不明で諦めてゐた娘が家に帰ってきたところから話が始まる。


7月2日(月)

 今日もマージョリー・H・ニコルソン『月世界への旅』(高山宏訳/国書刊行会)を読んでゐる。ユートピア旅行記としての意味にも関心があって、そんな話を期待してゐたのだが、そういう視点の話はあまり多くはないやうだ(まだ読み終へてゐない)。だんだん自分が読むべき本は、《ユートピア旅行記叢書》ではないかといふ気がしてきた。1996年から数年かけて岩波書店から全15巻で刊行された叢書である。欲しかったのだが資金不足で第一巻しか持ってゐない。欲しい、今すぐ欲しい(どうせ読まないくせに)。
 ちょっと検索してみたら、全15巻揃ひで三万円ほどで出てゐるではないか。買ってしまはうか。買ってしまはうか。

 そんなことを云ってゐる間に、『月世界への旅』読了。ちょっと物足りないところも。月世界への旅の歴史はよく判った。ヴェルヌ、ウェルズで終はってゐるが、Science Fictionといふジャンルの成立とともにその中へ消えて行った月世界への旅について誰か書いてくれないか。ニコルソンはscienceは文学と馴染むがtechnologyは相容れないといふ考へだが、さうではないというのが『文学とテクノロジー』。それぞれもっともだと思うがどちらも物足りないのだ。いろいろと流石にちょっと古いと思ふ。


7月1日(日)

 マージョリー・H・ニコルソン『月世界への旅』(高山宏訳/国書刊行会)を読み始める。内容は興味深いし、文章も読みやすい。しかし、ページを捲ってゐたら、色鉛筆による書き込みに遭遇して驚愕する。線を引いたり、単語を丸で囲んだりしてゐる。何といふことだ。電車の中で読んでゐた私は逆上したが、何とか絶叫するのは我慢し、心の中で静かにこの本に色鉛筆を使った者を呪った。明日目覚めると顔中に色鉛筆で線が引かれていますように、それに気づかず出かけますように、ついでに烏に糞でもかけられて髪の毛が糞だらけになりますように。
 家に帰って消しゴムで消した。大体消えた。さっきの呪ひは撤回しようかと思ったが、もう遅い。まあ、いいか。

 本に書き込みをする者は地獄へ落ちよ。

 昔、妹が所有してゐた廃棄本から何冊か持って帰ってきた。スティーヴンソン『ジーキル博士とハイド氏』(新潮文庫)、ヘッセ『車輪の下』(新潮文庫)、ヘッセ『春の嵐』(新潮文庫)、鈴木三重吉『古事記物語』(角川文庫)、ケストナー『ふたりのロッテ』(岩波少年文庫)。


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