9月30日(日)

 和田秀樹『東大秋入学の落とし穴』(小学館101新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。表紙と帯が何となく安っぽい不安を煽るやうな雰囲気を漂はせてゐるが、中身はそんなに変ではない。東大が何を目的としてこのやうな決定に至ったのかといふところは確たる証拠もなく推察に過ぎないのだが、それによって起こる事態の予測はまあ的外れでもなささう。秋入学は受験者の経済的負担を増やし、地方の低所得層からの受験の機会をこれまでより減らしてしまふ。秋入学と春入学の大学に格差が生じる。春入社者と秋入社者のあいだに格差が生じる。秋入学で中国からの留学生は増えるが、韓国やインドからの留学生にとっては不都合な制度になる。というやうなことを予測してゐる。そして、東大は大学の国際的なランキングを上げるためにこのやうなことを考へたのだらうと推察し、短期的にはそのやうな効果はあるかも知れないが、長期的にはうまくいかないのではないかと書いてゐる。すべてを鵜呑みにできないが(といふのはあらゆる本を読むときに必要な態度なのでこの本を信頼度が特別低いといふ訳ではない)、秋入学について考へるのによい材料にはなると思ふ。そして、東京と地方といふ関係が教育にどのやうな意味を持つのかを考へなければならないことに気づくはずである(もう気づいてゐる人は今さらと思ふだらうが)。
 この本の中での、留学についての記述は興味深い。「語学留学なんて「国家的エリート」のすることではない」と断言し、「語学とは本来何かを学ぶために副次的にうまくなっていくものである」といふ。「アメリカでもっとも不利な立場に追い込まれるのは、言葉だけしかできない人間だ」といって、「アメリカ大リーグのダルビッシュ有に本質的に求められているのは、英語力ではなく防御率なのだ」といふのは尤もなのだが、さういふ特別な才能のない非エリートたちはやはり語学留学でもすれば少しはいいことがあるんぢゃないかと藁にもすがる思ひで留学するしかないのである。

 Safari Books Onlineから、tokenがあと数日で期限切れ失効となるものがいくつかあるといふ聯絡が来たので、Exploring Everyday Things with R and Ruby (OReilly, 2012) をダウンロードしてみた。それをiPadに入れてiBooksで読む訳だが、Safari Books Online自体のiPadアプリの機能が向上して、いちいちダウンロードしなくてもいつでもダウンロードしたものと変わらない状態で本が読めるやうになって来たのであまりダウンロードする意味がなくなってきた。そういふわけで、このtoken制度はもうなくなるらしい。何となく不安ではあるが、これだけの本を好きなだけ読めるのだからいいのではないか。毎月四千円くらゐかかるが、これでオライリーの本などを買はなくなったので、出費は減ってゐると思ふ。かなり減ってゐると思ふ。


9月29日(土)

 ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。シリーズ最終巻。うまく結末がついてよかった。過去の謎と事件の決着もついて、大いなる謎も解明された。完結まで無事に刊行されたことも喜びたい。作品中で永遠の命を得たものが、その命を重荷と感じて生からの解放を願ふところがあるが、私はとりあへず生に飽きるまで生きてみたい。

今野真二『百年前の日本語』(岩波新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。文字や仮名遣いの統一が急速に進んだ時代だったということがよく判る。それとともに仮名文字遣いが急速に消えていったこと、漢語に対する外来語という意識の消失など、現代では意識からなくなっていることが興味深い。たまには変体仮名を使ってみようかと思ったが、文字パレットにも出てこない。どうやらユニコードにも二〜三文字しか収録されてゐないやうなのだ(今昔文字鏡ならある)。まあ、読み難いのだが、現代人にとっては。さういへば、『言海』(ちくま文芸文庫)は持ってゐたではないかと気がつき、ページを開いてみれば、確かに使はれてゐて、確かに読み難い。

 目黒駅の有隣堂書店で本を購入。
●佐藤健太郎『「ゼロリスク社会」の罠』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●和田秀樹『東大秋入学の落とし穴』(小学館101新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
以上二冊。

 先日註文した図書館の香りを放つ蠟燭、Library Scented CandleがイギリスのHuttonsから届いた。気体に震へる手で開封すると、箱がもう臭い。これが図書館の匂ひなのだらうか。イギリスの図書館はこんな匂ひなのだらうか。私はイギリスの図書館に行ったことがないからよく判らないのだが、少なくとも日本やアメリカの図書館ではこんな臭さを経験したことはない。一体何なのだこれは。

 ここは別の会社の図書館芳香蠟燭に挑戦してみるべきだらうか。

 明日は颱風が来るらしい。本屋には行けない。


9月28日(金)

 ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp]を読みすすめる。あと少し。思ひの外、時間がかかってしまってゐる。

 職場のMac miniの仮名漢字変換の調子が悪かったので、ことえりに替へてみた。iPod TouchやiPadの仮名漢字変換と同期されるやうになったと聞いたからだ。試してみると意外に調子が良く快適に漢字変換を行ふ。しかし、このユーザ辞書には歴史的仮名遣ひが入ってゐない。そもそもことえりのユーザ辞書ではは行四段活用の単語を登録することもできないのだ。それでも使はうとすれば、「云ふ」「云は」「云へ」「云ひ」と4種類の単語を全部登録してしまへばよいのではないか。

 眠い、肩が痛い。

 今日は眠くて意識を失ひさうなので、これで。


9月27日(木)

 三省堂書店神保町本店で、
●今野真二『百年前の日本語』(岩波新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。「言葉の変化を克明に描く画期的な日本語論」なのださうだ。

 三省堂書店で自分がジャネット・ウィンターソン『オレンジだけが果物じゃない』Amazon.co.jpを見かけたのだが、これを持ってゐるのかどうか、どうしても思ひ出せなくなった。家に帰って確認してみるとやはり持ってゐないやうだ。かはな買はなくては。

 Adobew Digital Editions 2.0が出たといふので早速ダウンロードしてみたら、一昨日ダウンロード購入した山本紀夫『天空の帝国インカ』(中公新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]がちゃんと縦書きで表示されるやうになった。さらに、Bluefire ReaderをiPadにインストールすると、Adobe Digital Readerの認証が必要なepubファイルを読むことができる。しかも、縦書き対応。つまり、Google Playで購入した日本語の本をiPadで縦書きで読めるといふわけである。少しだけ、Google Playで日本語の本を買ってみてもいいかなと思へるやうになった。もちろん、pdfで横書きだったらそれが縦書きになるわけではない。


9月26日(水)

 昨日、Google Playで購入したPHP新書の本をkobo Touchに転送したら文字が全部豆腐になってしまって読めなかったと嘆いてゐたらTwitterでフォント設定をモリサワに変へたらいいのではないかと指摘され、epubのフォント設定ってどうやるのか、そもそもそんな編集ができないファイル形式ではないかと疑ったのだが、ファイルのことではなくkoboのフォント設定の話だった。Defaultといふ設定をモリサワリュウミンにしたらちゃんと読めるやうになった。助かった。
 Twitterで訊けば何でも教へてくれる、必ず教へてくれる人がゐると云ってゐた人がゐたが、それは何万人といふフォロアーがゐる人の場合だらう。数十人の場合、そんなに教へてくれない。数百人でやうやく教へてもらへるやうになった。数千人以上になると今度は変な人も増えてきて面倒臭いことになりさう。世の中、ほどほどの加減が難しい。

 楽天のRabooが電子書籍をkoboにファイル変換して引き継ぐことなく終了させることから、koboの本に対しても不安を抱くやうになるのは当然だらうと思ふ。Google Playで購入する電子書籍も複数種の機器で読めるだけましだが、自由なテキスト抽出やファイル形式の変換はできない。今のところ私にとっては、ファイル形式変換やテキスト抽出ができるKindle本が最も安心できる電子書籍であって、購入するときに何の躊躇ひもない。だから、はやく日本でもKindle本体と電子書籍の販売を始めてほしいのだが、一体いつになったら始めるのか。

 ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp]を読み始める。いつもの馴染の店に行くやうな安心感があるが、新鮮味があまり感じられなくなってきてゐる。


9月25日(火)

 マイケル・J・サリヴァン『魔境の二人組』(矢口悟訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。最後にまた盛り上がりを見せてなかなか面白かった。是非次も読みたいが、刊行は未定らしい。次が出せるくらゐは売れて欲しい。
 何だか凡庸な異世界ファンタジイのやうな装ひだし、ちょっと長いし、それだけで敬遠する人だってゐるだらう。何とか本書を好む読者が手に取る機会が増えればいいのだが。

 「あじさい堂書店」(括弧をつけたのは仮名遣ひの関係で)から、J・バルベー・ドールヴェイ『魔性の女たち』(秋山和夫訳/国書刊行会)が届く。「日本翻訳出版文化賞受賞!」の帯が付いてゐる。色褪せもほとんどないし、セロファン(のやうな)カバーも綺麗、月報だけでなく愛読者カードもある。それで千円しかしないなんて。まだこの店で買ひ物したい。

 Google Playで今日から日本語の電子書籍の販売が始まったらしい。さっそく見に行って本を註文。
●志賀勝栄『ホームベーカリーでつくるシニフィアン・シニフィエの高加水パン&ドイツパン』(毎日コミュニケーション)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●山本紀夫『天空の帝国インカ』(中公新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
の二冊。最初にパンの本を買ひ、それをKoboに送る方法をいろいろ試してゐたのである。パンの本は写真が多い。だから写真が多くて、epubはなくpdf形式のみ。ダウンロードして、サイトある説明に従ひ、Adobe Digital Editionsを使ってKoboに転送してみた。小さすぎる! これではいくら私が老眼になってゐないとはいへ、これは厳しい。そこで、次に中公新書をダウンロード購入して同様の手順でkoboに。今度は文字化けである。全部豆腐になってしまったり。うまく行かない。しばらく電子書籍はKindleで英語の本を買ふといふことで我慢しなければならないやうだ。


9月24日(月)

 SFマガジン11月号[Amazon.co.jp]をご恵贈賜りました。特集は「日本SFの夏」。もう夏は終りだけど。インタビュウがたくさん。円城塔、冲方丁、月村了衛、長谷敏司、高野史緒。実はインタビュウ記事を読むのは実は苦手。翻訳はジェイ・レイク「星の鎖」。

 Fantasy & Science Fiction Sept/Oct 2012が届く。Perter Dickinson, Andy Duncan, Richard Butner, Ken Liuほか。次号で定期購読が切れるのか。更新しなくては。

 マイケル・J・サリヴァン『魔境の二人組』(矢口悟訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]は残り80ページほど。面白くなって来たが、もう少し早くから独特の面白さを感じさせてくれれば次を売りやすかったのではないかと少しだけ思ふ。続きを英語で読みたいと思ふほど面白いかどうかはまだ判らない。


9月23日(日)

 昨夜は激しい頭痛で何も書けず、夜中にはその頭痛が激しさを増し久しぶりに嘔吐に至った。こんなに頭痛は辛かったのだった。目が覚めれば何ともなく、すっかり治るはずだったが、夜になって少し痛くなってきた。これを早く書き終へて寝なければ。

 日本の古本屋で検索して、愛知県刈谷市の「あじさい堂書店」(括弧をつけたのは仮名遣ひの関係で)に、
●J・バルベー・ドールヴェイ『魔性の女たち』(秋山和夫訳/国書刊行会)
を註文。世界幻想文学大系の第八巻である。これが千円(+送料)である。ちゃんと函や月報もついてゐる。今や文庫本も千円を越す時代。それなのに世界幻想文学大系の一冊が千円で買へるなんて、そんな嬉しいことがあっていいのだらうか。

 インターネットが発達して古本の値段はかなり下ったと思ふ。どの本がどこにどれくらゐあるかが判るやうになったからだらうか。他所と比較するから高い値をつけると売れない。と思ってゐたが、amazonマーケットプレイスなどでは、ときにあり得ないやうな値段がついてゐたりもする。よく判らない。


9月21日(金)

 In The Libraryといふ香水について、追加聯絡があった。home sprayは海外発送はしてゐませんといふことだった。身に付ける香水よりもむしろhome sprayが欲しかったので、これできっぱり諦められる。

 しかし、加齢臭の説明に「図書館のようなにほひ、古い本のやうなにほひ」といふのがよく出てくることを思ひ出してしまった。買ひたい、どうしても図書館芳香蝋燭を買ひたいといふ気持ちが急速に萎えていくのを感じた。なぜだらうか。

 けふは眠いのでこれで。


9月20日(木)

 マイケル・J・サリヴァン『王都の二人組』(矢口悟訳/ハヤカワ文庫FT)を読み終へる。中性風異世界を舞台に二人の盗人が活躍する話。権力を求める親族に陥れられた王子を救ふとか、何となく話はありきたりのやうに思へるものの、それでも面白い。舞台が中性異世界だからつまらないのではなく、つまらない作品は舞台に関係なくつまらないからつまらないのだ。現代日本を舞台にした小説がつまらないときに、現代日本だからつまらないのではないかといふことはあまりない。つまり、世界が中性異世界だからといふ理由で避けては面白いものを逃すかも知れないといふことである。少し反省してゐる。続けて『魔境の二人組』を読むことにする。

 昨日は送料が高くて諦めた図書館の香り香水であるが、図書館の香り蝋燭ならばそんなに高い送料で困ることもなささうだと判った。いくつか種類がある。前に探したときはこんなになかったと思ふのだが、多分私が見つけられなかったからで、最近図書館の香り蝋燭が急増したといふこともなささうである。
 一つは、AssoulineといふところのBooks Candle/Leather Candle/Wood Candle/Havana Candleである。四つセットでSet of Four Library Candleという買ひ方もできる。価格は、それぞれ一個が$49.00、セットが$75.00である。ここには日本の代理店がある。青山にある嶋田洋書である。問ひ合はせのメールを出してみた。代理店といふことで名前が掲載されてゐますが、本以外のたとへば蝋燭でも取り扱ってゐますかといふもの。翌日返事がきて、やはり扱ふのは本だけで蝋燭は駄目だった。
 次に見つけたのはイギリスのHuttonsといふところの、Library Scented Candleである。註文してみた。価格は£17.46(オンラインカタログでは£20.95となってゐるが)+送料:£15.00である。日本円では4000円くらゐだらうか。あまり安くない。しかし、本当の図書館の香りを本当に40時間も楽しめるのならそんなに高くはないか。どんな蝋燭が来るのか今から楽しみである。もしも本当に図書館の香りが漂ふのなら、他の会社の他の蝋燭も買って比べてみたいものである。


9月19日(水)

 本の匂ひは香しい。本のページの間に鼻を埋めて思ひっきり息を吸ひ込みたくなる(あまりやりすぎると過呼吸になるので気をつけた方がいい)。新しい本の匂ひもいいが、ほどよく古びた本の香りも素晴らしい。古い図書館に行って心を落ち着かせるのもよいが、もっと手っ取り早く自分の部屋を古書の芳香で満たして心から寛いでみたいものである。香水があればいいのだ、古い図書館の香水が。実は、In The Libraryといふ香水があって、実は前から存在は知ってゐたのだけど、日本には発送してくれないと思ってゐた。元からさうだったのか最近変はったのかは判らないが、まったく駄目といふわけでもなささうなので、問ひ合はせのメールを送ってみた。些か不安もあった。図書館的な香りがするといふ理解でいいのか、まさか図書館にゐさうな女性に相応しい香りだったりしないかと、かなり心配だったが、In the Library is a warm blend of English Novel, Russian & Moroccan Leather Bindings, Worn Cloth and a hint of Wood Polish.と書いてあるから、まあ、そんなものなのだらうとは思ふ。とにかく問ひ合はせのメールを送ってみなければ。日本まで送ってくれるのか、もし送ってくれるのならば送料はどれくらゐになるのか。
 翌日返事が来た。送ってくれるといふ。ただし、送料がUS$120になる。本体価格よりも高価な送料を払ふ価値があるのか、甚だ疑問であるといふ内容だった。さらに税金等がかかるといふので、断念。送料が一万円はちょっと厳しい。他に何かないものか。本の香りの探索はまだ終はらない。


9月18日(火)

 マイケル・J・サリヴァン『王都の二人組』(矢口悟訳/ハヤカワ文庫FT)を読み始める。二人組の盗賊の話。まだ130ページだがなかなか面白く読める。で、訳者後書きを読んで、第二巻が7月刊行予定となってゐるのに気づいて驚いた。第二巻を私は買ってゐない! 慌てて仕事の帰りに三省堂書店神保町本店に寄ったのだが、そこになはなかった。まだ刊行から一カ月も経ってゐないのに。三省堂を出て東京堂書店に。あった、一冊棚にささってゐた。喜びに震へる手でレジへ向かふ(といふほどでもなかったが)。
●マイケル・J・サリヴァン『魔境の二人組』(矢口悟訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 これが一ヶ月後に気づいたからよかったが、三年くらゐしてから気づくと実に面倒臭いことになる。本は出たらすぐに買って手許に置いておかなくてはならないのだ。一カ月以内に消えてしまふのだから。

 このシリーズの第三巻は刊行日未定とは残念。また忘れてしまふではないか。かうなったら原書で読む準備をしてゐた方がいいのかと思ったが、Kindle版はなかった(実はあったと後に発見。日本からは買へない制限がかかってゐるやうだ)。

 早川書房編集部より以下の二冊をご恵贈賜りました。ありがたうございました。
・ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp
・タッド・ウィリアムズ『いばらの秘剣3 雪山の探索』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp
《英国パラソル奇譚》は最終巻。新シリーズも邦訳が出ることを期待したい。ウィリアムズは、第二巻を先週読み終はったばかり。忘れないうちに読めたことを喜ばう。


9月17日(月)

 昨日救出してきた本の一覧。主に自分用の備忘録として。
『刑事コロンボ8 死者の身代金』(二見書房)
・ホメーロス『オデシュッセイアー』(岩波文庫)
・アガサ・クリスチィ『クリスチィ短編全集1』(創元推理文庫)
・G・K・チェスタトン『ポンド氏の逆説』(創元推理文庫)
・江戸川乱歩編『世界短編傑作集1』(創元推理文庫)
・江戸川乱歩編『世界短編傑作集3』(創元推理文庫)
・エラリイ・クイーン『エジプト十字架の秘密』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『蒼ざめた馬』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『終りなき夜に生まれつく』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『死への旅』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『予告殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『親指のうずき』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『死との約束』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『愛国殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『杉の柩』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『満潮に乗って』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『フランクフルトへの乗客』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『ポケットにライ麦を』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『バグダッドの秘密』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
・アガサ・クリスティー『エッジウェア卿の死』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 刑事コロンボはどうやら小学生の頃に買ったもののやうだ。コロンボが飛行機の操縦桿をいきなり渡されるといふ恐怖体験をする場面がある話だった。本はあまり面白く思はなかったやうで、その後は一冊も買ってゐない。

 今日から話題の『青い脂』を読まうと思ったのだが、すぐに挫折。読み難いので。

 ジャスティーン・ラーバレスティア『さよなら駐車妖精』(創元推理文庫)を読み始める。あまり期待せずに。


9月16日(日)

 タッド・ウィリアムズ『いばらの秘剣2 妖精の森』(ハヤカワ文庫FT)読了。第一巻の内容をよく思ひ出せないので、主人公がなぜ旅に出てゐるのか、目的地はどこだったのか等いろいろ判らなかった。何やら黒い邪悪な物体を崇めると心が邪になってしまふのだったか。森が広がる場面はよかった。

 久しぶりに両親の家に行って、廃棄されさうになっってゐたのを見つけて保護。これについては明日、本欄で詳しく報告する予定だが、今はもう眠い。


9月15日(土)

 もう9月後半なので今年度(昨年11月から今年10月まで)の本で読み逃してゐるものを読んでおかうと思って、タッド・ウィリアムズ『いばらの秘剣2 妖精の森』(ハヤカワ文庫FT)を読み始めた。第一巻の内容をあまりよく覚えてゐないので迷ひながら進んでいく感じ。些か苦手な部類の作品かも知れない。

 紀伊國屋書店からRoland Beaufre & Dominique Dupuich Living with Books (Thames & Hudson, 2012) [紀伊國屋, Amazon.co.jp]が届く。比較的一般人の蔵書の写真が多い。最後に豪邸の図書館も紹介されてゐるが。ページを捲ってゐると、やはり「陽が当たっているぢゃないか!」と叫びたくなる部屋がある。それでも概ね書物への愛に満ちた書棚と部屋の様子が窺える。

 O'Reilly Japanで、
『PDF構造解説』(O&aposReilly, 2012)
を購入。最初、PayPalではなくクレジットカードの都度入力の方を選ぼうとしたらどうしてもカードの認証が通らなくて、やむなくPayPal払ひを選択してやうやく支払ひ手続きが完了。他の会社で電子書籍を買ふときもPayPalアカウントは使ってゐたやうだ。全然覚えてゐなかった。やれやれ。


9月14日(金)

 〈本の雑誌〉の今月の特集は「国書刊行会の謎と真実!」だったことを思ひ出し、三省堂書店本店に買いに行った。雑誌売り場に本の雑誌最新号は二冊しかなかった。いつもは平台にもあるのではなかったか。もしかしてこの特集のせゐで売れて売れて大変なのかも知れないと思ふと、もう心配で一刻も早く買はなくてはと思ひ一冊手に取ってさらに歩いて行ったら、国書刊行会40周年記念フェアと海外文学の平台に何十冊も積んであった。慌てて損したではないか。
 そして、件の記事「国書刊行会の謎と真実!」は面白い。

 三省堂書店本店で、
●ジェイムズ『ねじの回転』(土屋政雄訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●シャンナ・スウェンドソン『魔法無用のマジカルミッション』(今泉敦子訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。

 東京堂書店で、
●E・ブルワー=リットン『不思議な物語 下』(国書刊行会) を購入。

 西崎憲『飛行士と東京の雨の森』(筑摩書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。人とある特定の場所との結びつき、帰属意識といったやうなもの、地を受け入れたり受けいられたりといふことが繰り返し描かれて行く。残念ながら私はさういった帰属意識が弱く、また場所との結びつきも当然稀薄である。土地を受け入れたり受け入れられたりといふ感覚はない。さらに、音楽や詩には疎いので、感覚として意識を共有できないところが多いなと思ってゐたのだが、巻末の「奴隷」を読んでそんなことはどうでもよくなった。衝撃である。これは怖い。奴隷の悲しみは深く心に染み入るのだが、芙巳子のまったく奴隷を理解してゐない素直な心が何よりも怖い。今年読んだ作品の中でも最高の部類に入る。この本を読んでよかった。


9月13日(木)

 Connie WillisのBellwether読了。全然SFではなかった。研究助成金コメディだった。一般の人々には流行研究SFなのか。最後にはちょっと驚くやうなことも用意されてゐて楽しい。

 Bellwetherは読むのに七日かかった。遅過ぎる。

 西崎憲『飛行士と東京の雨の森』(筑摩書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。「理想的な月の写真」を読む。音楽とか詩が判らない私には難しいやうな気もした。しかし、判らないといふことはつまらないといふことを意味しない。


9月12日(水)

 紀伊國屋書店からCico Books Living With Books (Cima Books, 2010)[紀伊國屋, Amazon.co.jp]が届く。本ではなかった! 本ではなかった! 980円しかしないし、カードなんとか書いてあるから何だらうと思ってゐたら、カードぢゃないか。本ぢゃないぢゃないか。二つ折りのカードと封筒。これに何か書いて送るのだらう。しかも、その絵柄が4種類しかない。ああ、損した。

 ロシアの検索サイトYandexのオンラインストレージYandex.Diskを試してみた。無料で3 GBということになってゐるが、ファイルを保存したりTwitterで呟いたりするとたちまち10 GBになる。MacOSはWebDAVあるいは専用アプリケーションでマウントできる。両方試してみたが、後者の方が使いやすいかも。UbuntuはWebDAVのみ。75MBくらゐのpdfファイルを保存しようとしたら途中で止まってしまった。これでは使へないではないか。
 しかし、オンラインストレージが増えすぎたやうな気がする。Mac miniのメニューバーにはオンラインストレージのアイコンばかり並ぶ一角がある。


9月11日(火)

 Connie WillisのBellwetherは60%まで。研究助成金の申請書に大事件が発生! もはや涙なしには読めない。電車の中で嗚咽を堪えるのが大変である。もうページを捲るのがとめられない研究助成金申請SFである。

 丸善お茶の水店で、
●西崎憲『飛行士と東京の雨の森』(筑摩書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店]
を購入。まだ買ったばかりで読んでゐない。

 会計のときにポイントカードは持ってゐますかと聴かれたので持ってゐないと云ったら作りませうかといふ。どれくらいでできるんですかと云へば,すぐだといふ。一瞬で手渡され、あとは自分で登録すれば有効になるとか。ならいいかと思って一枚受け取って帰ってみると、カードのどこにも丸善の文字がない。これは悲しい。悲しすぎる


9月10日(月)

 紀伊國屋書店から、菊池誠他『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]と粕谷英一、 金明哲『一般化線形モデル (Rで学ぶデータサイエンス 10)』(共立出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。時間がないのでとりあへず書棚に収める。

 Amazon.deから、カレンダーDie schönsten Bibliotheken der Welt 2013: Wandkalenderが届いた。世界の美しい図書館シリーズはちょっと飽きてきたかも。

 Connie WillisのBellwetherは40%まで。

 Kindle Paperwhiteが買へなくてむしゃくしゃしてゐたので、Simone Dinnerstein演奏のGoldberg Variationsを購入してみた。1500円。ピアノ演奏である。以前は、バッハのピアノ演奏なんて許せないと思ってゐた。バッハはそんな楽器のために作曲したわけではないのだから、バッハが演奏すると思ってもゐなかった楽器で演奏するのは嫌だったのだが、ここ数年でピアノ演奏も楽しめるやうになった。弦楽器用の編曲も楽しめるやうになった。この調子で行けば250年後くらゐにはバッハ以外の作曲家の曲も楽しめるやうになるに違ひない。


9月9日(日)

 苅谷剛彦『アメリカの大学・ニッポンの大学 ― グロ-バル化時代の』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。もともと20年前に出た本の新書化といふことで古すぎるのではないかと思ったが、今の改革の根拠や始まったときの状況がよく判るから、今でもといふより今だからこそ有用であり、何が改善されて何が駄目だったのかを考へるのにも役立つ。本書で指摘されてゐるとほり、大学の勉強は立たないと主張する企業だが、さういって採用に大学の成績を重視しないから学生は大学の勉強に熱心にならないのは当然で、三年次の成績が出る前に採用を決めようとするならば尚更である。今も多分変わってゐない。そんな会社にゐる大学生時代如何に勉強していなかったかを得意げに語るおぢさんたちが大学の教育改善を求めてグローバル化だよとか嘯いてゐるわけだが、今の大学生は昔よりずっと勉強させられてゐる。しかしそれでも学生は市場主義と学歴主義によって最少の努力で最大の成績を獲得し大卒の学歴を手に入れようとするわけだ。
 一方、二十年前のアメリカ人からみた日本の教育の評価は興味深い。高校での能力差を認め(たく)ないことによる、努力主義と平等主義とか。大学でも大学間格差は大きくても学内では比較的均質な学生が多いといふのは、今では大きく変わってきてゐると思ふ。ちょっと憂鬱になった。日曜日なのに。

 三浦展『東京は郊外から消えていく!』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読む。少子化高齢化によって居住地としての東京とその近郊がどうなっていくかを考へる。郊外の空き家が増えるとか持ち家(マンションを含む)の資産価値が下るといふのは判ってゐることだが、29ブロックに分けた調査は面白い。下流社会の話を繰り返してゐたような本はつまらなかったが、住宅と地域の話は面白い(題名は安っぽいが)。若者のブランド意識が希薄になってきてゐるといふ指摘や、さいたま市の将来性の話など興味深い。マンションをローンで買う意味を考えれば莫迦らしいといふと佐々木俊尚の本に繋がる。ノマドの話題も出てくるし。

 Connie WillisのBellwetherは30%まで。研究費助成金の申請書で混乱が始まる。


9月8日(土)

 Kindle Paperwhite欲しいなあと云ってゐたら、「日本は駄目だっていふ表示が出た」と教へてくれた人がゐたので、早速私も註文してみたところ、やはりお前の住んでゐるところへは売れないねと云はれてしまった。何だ日本には売らないのか。実に不愉快だが、イギリスやドイツのKindle Storeを見てもPaperwhiteは売ってゐないのである。日本だけが冷たくあしらはれてゐるわけではないのだ。しかし、駄目だと云はれるほどますます欲しくなる。Kindle Paperwhite欲しい。

 Connie WillisのBellwetherは四分の一まで。なかなか面白いが、これは皆が面白いと思ふものなのかどうかはよく判らない。研究者の生態とか研究助成金の仕組みを知らない人でも面白いのだらうか。よく判らない。

 菊池誠他『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)を買はうと思って、三省堂神田本店、東京堂書店、丸善丸の内本店に行ってみたが見つけられなかった。なんといふことだらうか。仕方がないので紀伊國屋書店に註文。
●菊池誠他『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●粕谷英一、 金明哲『一般化線形モデル (Rで学ぶデータサイエンス 10)』(共立出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
の二冊。『もうダマされないための「科学」講義』は紀伊國屋のオンライン書店で買へば電子書籍もあるというのは始めて知った。電子書籍でも構はないのではないかといふ気もしたが一冊は紙の本を持っておくべきだと思ったので、一冊註文。

 苅谷剛彦『アメリカの大学・ニッポンの大学 ― グロ-バル化時代の』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を少し読む。冒頭でこの本は二十年前に出た本の復刊だといふことを知る。途端に読む気が失せたが少し読んでみると二十年前だから駄目といふものでもないことはよく判った。最初はアメリカにおけるTAの誕生と存在の意味など。


9月7日(金)

 丸善お茶の水店で本を購入。
●エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』(中村融訳/河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●苅谷剛彦『アメリカの大学・ニッポンの大学 ― グロ-バル化時代の』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●三浦展『東京は郊外から消えていく!』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]

 Amazon.co.jpから、Henry S. Whitehead Voodoo Tales (Wordsworth edition) が届く。六九〇ページもある。きっと読まない。

 Amazon.co.jpから、SANWA SUPPLY MPD-OP34-A4 大型マウスパッドが届いた。早速床に置いて足マウスで試してみると、これがなかなか滑りが良くて、今までよりも格段にマウスが使ひやすくなった。もしかしたら、これで足マウスが本当に使へるやうになるのかも知れないと思った。


9月6日(木)

 パオロ・バチガルピ『シップブレイカー』(ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。つまらなかった。若年層向けの冒険小説。海に出るのはほんの少しなので海洋冒険小説までも行かなくて、せいぜい海岸冒険小説である。

 USBフットペダルスイッチ マウス操作対応 RI-FP1BKが届いた。MacやUbuntuにそのまま繋ぐとbを押したことになるやうなのでWindowsで設定。さうするとこのペダルスイッチに記憶されるので、その後はMacに繋がうが、Ubuntuに繋がうがクリックが反映される。試してみると、かなりストロークが古いので足の上げ下げがなかなか大変である。踵で踏んだ方がいいかなと思ったりするくらゐ。あまり事態の改善にははりさうにない。明日はA4判のマウスパッドが届く予定。

 Connie WillisのBellwetherを読み始めてしまった。


9月5日(水)

 パオロ・バチガルピ『シップブレイカー』(ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を八割くらゐまで読み進める。昨日も書いたが話はあまり面白くない。

 今日は眠いのでこれで。


9月4日(火)

 パオロ・バチガルピ『シップブレイカー』(ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み始める。若者向けの小説のやうで、あまり面白くない。まだ三分の一を越えたところだが。

 Amazon.comのKindleストアで、
Writing the NIH Grant Proposal: A Step-by-Step Guide
を購入。何か不意に欲しくてたまらなくなり。

 肩の痛みがまた激しくなってきたので足マウスを復活させようかと思ひ、どうもマウスパッドの滑りが悪いのが使ひにくい理由の一つではないかと考へ、SANWA SUPPLY MPD-OP34-A4 大型マウスパッドと、ついでにUSBフットペダルスイッチ マウス操作対応 RI-FP1BKも註文。クリックもやりやすかったら素敵ではないかと考へたわけだ。これが来たら両手両足で仕事をしまくってもう捗って捗って大変なことになるだらう。間違ひない。


9月3日(月)

 中村桃子『女ことばと日本語』(岩波新書)読了。次に話は「てよだわ言葉(女学生言葉)」になるのはまあ当然の流れで、強い嫌悪と批判を受けながら女子学生が自らのアイデンティティを主張する言葉として使ったと考へられること、それが女学生の表象として使はれるやうになったといふところで、再び翻訳の話が出てくる。そしてセクシュアリティ化。第二次世界大戦中には女は日本語の守護者ということになり、それは日本語の植民地政策と関係があるのだという指摘は面白かった。そして、戦後も女ことばは頑なに守られ続けてゐる。「慎み」や「品」による裏付けでその地位は揺らぐことは(あまり)ない。
 国語と植民地政策については、イ・ヨンスク『「国語」という思想』(岩波現代文庫)が面白く読めた。小森陽一『日本語の近代』(岩波書店)でも植民地と国語政策の話はいろいろ出てきたのだが、忘れてしまった。読んでも読んでも忘れてしまふ。さうしたらまた読めばいいのだが。
 女らしさを求める男は役割で相手を支配しようとしてゐることは明白だが、男らしさを求める女もまた同様である……かどうかはよく知らないし、関心もない。何れにせよ「らしさ」の要求など無視しておけばいいのだ。らしさの要求を退け、束縛されない言葉を話せばいいとはいふものの、自分をボクと呼ぶ少女たちを快く受け入れられるかといふと、さうでもない。私も日本語と国語政策の歴史に束縛されて生きてゐるといふことか。

 国書刊行会40周年フェアが一日から始まったので、慌てて神田神保町の東京堂書店へ行った。最初は三階の文学売り場かと思って階段を駆け上がったのだがそれらしいものが見つからない。がっかりして外に出ようとしたら入口の目の前にあった。早速、「国書刊行会40周年記念小冊子 私が選ぶ国書刊行会の3冊」を確保。これだけで帰るのも失礼なやうな気がしたので、
●E・ブルワー=リットン『不思議な物語 上』(中西敏一訳/国書刊行会)
を買った。世界幻想文学大系はまだ新刊書店で買へるものが何冊かあるのだ。さういへば、東京堂書店の人はバーコードリーダで読み取らうとバーコードを必死で探してゐたが、昭和六〇年刊行の本にはバーコードはついてゐないのだった(ともいへないのだけど、世界幻想文学大系にはバーコードのついてゐるものはないはず)。


9月2日(日)

 昨日はたうとう日記を書けなかった。さういふこともある。

 Amazon.deに、2013年のカレンダーDie schönsten Bibliotheken der Welt 2013: Wandkalenderを註文した。最初はこれしかなかったのに、今では類似のカレンダーが三つもある。

 本に関する本を紀伊國屋書店に註文。
Cico Books Living With Books (Cima Books, 2010)[紀伊國屋, Amazon.co.jp]
○Roland Beaufre & Dominique Dupuich Living with Books (Thames & Hudson, 2012) [紀伊國屋, Amazon.co.jp]
以上二冊。

 斎藤環『世界が土曜の夜の夢なら』(角川書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。面白い。日本の「ヤンキー的なもの」について考え、その広がりを示してくれる。本書を読んで、自分の嫌ひなものがヤンキー・リアリズムに集約されてゐることがよく判った。昔ワルだったことをちょっと得意さうに語り、夢を諦めないと訴へ、知識と考察ではなく熱意と勢ひで体当たりする。家族を大事にし集団に忠実、自由主義はあっても個人主義はない。本質がなく様式しかない。私が回避したいものがすべてここにある。そして本書の最終章の最後の部分に登場する橋下徹のヤンキー性に関する記述は、橋下嫌ひの人々の「ヤンキー的なもの」への嫌悪といふところで、自分の本心を云ひ当てられたといふ恐怖すら感じた。しかし、今の日本ではヤンキー的なリアリズムは生きていくのに有利である。ヤンキー文化は日本のすみずみにまで浸透し、もはや一億総ヤンキーである。だから次の選挙で「維新系政党」は大躍進するだらう。
ヤンキーの兄ちゃんのうた」を検索して聴いてしまったではないか。大学生の頃、聴いたことがあったのを思ひ出した。しかし、女物のサンダルを履くといふのは知らなかった。


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