幻想怪奇作家事典のクラーク・アシュトン・スミスの項が漸く終わる。手元に資料があると随分訳しやすい。やはり蔵書は総て手元に置きたいものだ。続けて、スタージョンとトマス・トライオンの原文をOCRで読み取りテキスト化。それにしてもトマス・トライオンって一体誰だ。今回担当した作家の中で唯一知らない作家である。
一年を振り返り、今年は何冊本を読んだか、何冊本を買い幾ら書籍購入に費やしたかを数えてみようかと思ったが、時間の無駄なので止めた。
今日は、妻と娘は東京ディズニーランドに行っている筈である。家族とディズニーランドに行くのと、一人で翻訳をするのとどちらがいいかと問われれば、一人で翻訳と答えてしまう。家族と過ごすのが嫌なのではなく、ディズニーランドが嫌なのだ。しかし、妻と娘と一緒に翻訳という訳にはいかないのが難しいところだ。
年賀状を書きおえる。生まれて初めて横書きで作った年賀状である。でも、私はひねくれ者だから当然英語などは使わないので、何だかさっぱり解らない年賀状となっている。絵も牛とは全く関係がないし。これからは毎年言語を変えて作っていくつもりであるが、年を追うごとに年賀状の発送枚数は減り続けているので、そのうち私は年賀状そのものを書かなくなってしまうかも知れない。
<へるらいど>の原稿を書き終え、ポストに投函。年内に着くようにとのことであったが、遅れてしまった。申し訳ない。
やっと落ち着いて夕方から翻訳を始めるが、一向に捗らない。
今日から幻想怪奇作家辞典の翻訳に勤しむつもりが、どうも部屋の埃が気になって掃除を始めてしまい、部屋の片づけと書棚の整理までやってしまってとうとう翻訳は出来なかった。なんということだ。気分を盛り上げるために、Moe's BooksにA・E・コッパードのTHE HUNDRETH STORY OF A. E. COPPARD (The Golden Cockerel Press, 1931)を註文。45ドル+送料である。
<タムール記6>を読みながら出勤(本当はもう休みだ)。帰宅途中で長野まゆみ『鳩の栖』(集英社/1200円)と『天然理科少年』(角川書店/1200円)を購入。長野まゆみの本は殆ど読んでいますというのは些か恥ずかしいような気がするのだが、漢字の使い方が好きなので多分これからも読み続けるのだろうと思う。
実家から送った荷物をやっと開ける。本が20冊ほど出てくるが、もう収める書棚がない。この段ボール箱に別の本を詰めて実家に送って少し書棚の空間を確保した方がよかろうと思う。あるいは書棚の増設か。妻が実家にいる間に書棚を増設してしまうと多分あとで怒られるだろうから、この休みはとにかく翻訳に勤しむことにしよう。
午後から微かではあるが頭痛が始まり、何もする気がしなくなったので、TVを見ながら年賀状を書く。
帰省中に届き、受領が遅れていたハヤカワ文庫FTの一月・二月の新刊ナンシー・コリンズ『ミッドナイト・ブルー』とデイヴィッド・エディングス『<タムール記6>天と地の戦い』のゲラを漸く受け取る。<タムール記>はやっと最終巻。数日前に第5巻を読み終えたばかりなので、その内容を忘れないうちにエディングスから読むことにする。コリンズの方は文庫FTだが、込山って人が担当しているとのこと。どんな人かは知らない。
WAVというワープロ・ソフトをインストールしてみる。OpenDocというのが今一つよく解らないので、これも特徴を理解している訳ではないのだが、買ってみようかなという気になってしまった。無駄遣いかも知れない。インターネットで註文し、品物の受け取りもFTPでダウンロードするだけなので確かに楽だ。
これを機会に現在使用しているドイツ語表示システムをやめ、英語表示システムに変える決意をする。日本語の改行に大きな問題があったのである。電子メール送受信(Eudora、Cyberdog、Netscape Navigator)、ワードプロセッサ(NisusWriter、WAV)、CD-ROM辞書検索ソフト(システムソフト電子辞典ビューア、電辞萬)など数々のアプリケーションで日本語の表示・入力に問題があった。システムの表示がドイツ語になるというだけのことの代償には余りにも弊害が大きいと漸く気が付いた。英語表示にするとこれらの問題は総て解決。早くこうするべきだった。しかし、起動したときにWilkommen!と迎えてくれないのが些か寂しい。でも、システムに手を入れ始めると際限なくいじってしまうのでしばらくはじっと我慢しよう。
SFマガジン2月号着。年末の1年間を振り返る企画というのはあまり好きではないのだが、74人が選ぶマイ・ベスト5は面白く読んでしまう。それを集計した上位10冊の内、私が読んだのは5冊。去年より1冊増えた。自分はあまりSFを読んでいないのだな感じるここ数年の年末である。
クラリスワークス4.0Jが届く。早速インストールしてみると、縦書き入力が思いのほか速い。しかし、縦書きの時の画面のスクロールは遅いのであった。それでもMacWORDを使うときよりは速いのでこれから使ってみようという気になった。それから、これにはCD-ROM版大辞林と研究社英和和英中辞典が付いている。これはハードディスクにコピーして使うことは出来ないので、一度に2枚使えないのが残念。大辞林は電子ブック版を既にハードディスクに移して使用しているが、電辞萬(これも付属している)でCD-ROM版を検索した方が検索機能が豊富なようなので連装CD-ROMプレイヤを繋ぐと便利かも知れない。<こととい>を買おうかなとふと思う。
妻と娘と別れ、一人で福岡へ戻る。初めて二階席に座る。二階席は頭上の荷物入れが小さいということを発見する。でも、二階は席の数が少ないので降りるとき長く待たなくていいのは嬉しい。機内でエディングス『冥界の魔戦士』を読み終える。このシリーズの最終巻のゲラが帰省中に届けられている筈なのだが、どうなっているだろうかと不安を抱きながら帰宅。案の定、宅配便や郵便局の不在通知が沢山溜まっている。クラリスワークスV4.0が漸く来たようだ。電話で問い合わせると、これは明日配達できると云われたが、早川書房からのゲラは荷物がまだ福岡にあるかどうか調べるのに時間がかかるとのこと。東京に帰ってしまったかも知れない。訳者の小川隆氏から送っていただいたコリン・ウィルソン『ずっと、人間のことばかり考えていた。』(アスペクト/2500円)が届いている。こうやって郵便物の整理をしていると実家からの本などが詰まった小包が届く。荷物整理は明日にして、先週買った32MB SIMMを装着。<このマッキントッシュについて>(私のはÜber diesen Macintoshと表示されるのだが)を見ると、本当にメモリ容量は48MBになっている。これを書いて、寝る。
妻の買い物に付合いながら、銀行を数軒まわる。給与の振り込み以外の口座は都市銀行が多いので、福岡では結構不便なのである。勿論、福岡にも支店はあるが、県に1〜2店しかないので、東京のように大抵の駅前に都市銀行の支店があるという訳ではないのだ。私は福岡に来るまでは旧財閥系の都市銀行は日本全土を支配しているのかと思っていたが、それは大きな間違いだった。
新宿の紀伊國屋書店に行く。高島屋の隣の新しい店である。時間がなかったので、ちらっと覗くだけ。ヨナス・リーの『漁師とドラウグ』が平積みになっていたので、素晴らしい書店だと感激する。
池袋へ行き、信者でもないのに母校の唱詠晩祷(解りやすく云うとクリスマスイヴ礼拝である)に家族3人で出る。この礼拝には(多分)信者でもないのに出席する若い男女の二人組みが目立つ。日頃、礼拝に出馴れていないと、聖歌はなんとかなっても、詠うように読み上げる数々の祈りを声高く唱えることは不可能である。勿論、私も出来はしない。妻と娘がどういうつもりでこれに出席しているのかはよく解らないのだが、私は、聖公会(英国国教会の日本での名前である)の儀式に馴れておくと、イギリスの小説の翻訳に役立つこともあるのではないかという不純な動機で出席している。
一晩寝ても頭痛は治まらず、一日中眠って過ごす。夕方には漸く頭痛が消え、福岡へ送る荷物の荷づくり。無駄な一日であった。
SF翻訳家小川隆氏の主宰する忘年会に出席。このために帰省したようなものなのだが、夕方から頭痛が始まり、酒類を口にすることが出来ない。殆ど食事も出来ない。早めに帰ることにしたが、帰宅する頃には吐き気も最高潮に達していた。
幻想怪奇作家事典の翻訳のための資料を書棚から集める。カットナー、ライバー、スタージョン、C・A・スミスらの短篇集とウィアード・テイルズ関連のアンソロジーなどである。目次だけコピーすればいいものもあったが、複写機が壊れているので宅配便で福岡に送ることにする。1970年代のミステリ・マガジンでコピーしておきたいものが幾つかあったが、全部送ると多くなるので、2〜3冊だけ送ることにする。原稿を書くところと本を保存するところが1000km以上も離れていると不便で仕方がない。しかし、今の収入ではあれだけの書籍と共に暮らせる部屋を借りたり買ったりするのは不可能なのだ。
今日あさの飛行機で羽田へ向かい、午後、実家に着く。コピー機が壊れているのを発見し呆然とする。
『冥界の魔戦士』を手にとって出勤。いつものことだが、前巻までの内容をすっかり忘れており、登場人物達が真剣に取り組んでいる使命の目的がさっぱり解らない。一体、何をしているんだこいつらは、と思いながらも読み進める。
Amazon Booksから価格問い合わせの返事が来て、390ドルで販売できるとのこと。ストランド・ブックスの320ドルには及ばないが、これで予定より3万5千円くらい安くなった。価格引き下げを知らせてくれた古沢さんのお蔭である。ただ、出版元在庫切れとのことで、手元に届くのは時間がかかりそうである。
一昨日註文した32MB SIMMが届く。8月に16MBのを購入しているので些か無駄な買い方である。送料を含めて1万7000円。16MB SIMMは以前Performa530を譲った人に2500円で売却予定。装着は来週。幻想怪奇作家事典の翻訳を少しやってから、デイヴィッド・エディングス『タムール記5 冥界の魔戦士』を手にとって出勤。昨日までのテキサス州オースティンから聖騎士やらトロルやらが徘徊する異世界へ飛び、始発列車の車内の情景も心なしか変わって見える。
紀伊國屋書店の森山さんという人から電子メールを頂き、<本の街神田>のホームページのことを教えてもらったので、古書店リンク集に載せた。あの辺のファイルをいじるのは随分久しぶりである。
Fantasy Centreから小包が届く。予想通りSir Andrew Caldecottの本は売れてしまっており、Ash-Tree Pressの2冊のみ。どちらも今世紀始めの本の復刊だが、E. G. SwainもS. Baring-Gouldも全然聞いたことの名前である。こうして知らない作家の、読むとも思えない本を買い続けることに、何らかの意味があるのだろうか。
幻想怪奇作家事典の翻訳を少しやってから、LUNATICSを手にとって出勤。
Amazon BooksにOEDの値段を問い合わせるメールを出す。20時間くらいたっても返事は来ない。そんなに早く返事が来る筈はないのだが、つい気になってしまう。
夜、LUNATICSを読み終える。2週間で読み終わったので早い方だ。最初は期待したが、なんだか途中は誰と誰が寝たとかいう話ばかりで、5・6人の登場人物の間での愛と憎しみと嫉妬と絶望と希望の絡み合った狭い世界の話で終わってしまったような気がする。テキサスでの生活は懐かしく思い出されたが、それは私の極めて個人的な思い出だから、冒頭だけ読んでSFマガジンのSFScannerで紹介したいと編集長に云ってしまったのはおお間違いだったかも知れない。
翻訳家の古沢嘉通氏からOEDならストランド・ブックスで320ドルで買った、とのメールを頂く。半額以下ではないか。Oxford University Pressのホームページで確認すると、確かに定価が360ドルになっている。直接、出版元に頼んでも半額だった訳だ。私は一度註文した本は(今回はCDだが)キャンセルしないことにしているので、諦める。でも、値段の確認くらいはした方がいいかも知れない。
『齲蝕細菌の分子生物学』の私の担当分「グルコシルトランスフェラーゼの活性中心」(5ページしかない)の校正刷りが来る。1年前にそんな原稿を送ったような気もする。よく覚えていないので投げ遣りな気分で眼を通す。
職場の人に貸してもらったミヒャエル・エンデ『魔法の学校』(岩波書店/矢川澄子他訳)を読んでから、SFマガジン3月号のファンタジイ評の原稿を書く。ジョナサン・キャロル『パニックの手』、コルタサル他『遠い女』、村上春樹『レキシントンの幽霊』、エンデ『魔法の学校』の4冊。些か変な取り合わせである。送る前にもう一度読み返したいので、一晩寝かせる。
知らない内に出ていたOpenTransport1.1.2をインストール。
Weinberg Booksにピーター・S・ビーグルのTHE UNICORN SONATA (Turner, $16.95)とシオドア・スタージョンの短篇全集第3巻KILLDOZER (North Atlantic Press, $25.00)を註文。ビーグルはもしかしたら読むかも知れないが、スタージョンのは多分読まないだろう。今回は、2冊のみ。
今日、思い切ってAmazon.com BooksにOxford English Dictionary on CD-ROM, Macintoshを註文した。$711.93である。これが本当に私にとって必要かというと、よく解らない。全く必要ないという可能性もある。でも、欲しかったのだから仕方がない。ついでに、マイク・レズニックのThe Widowmakerも註文。今年の8月に出たペーパーバックで、$5.39。ORACLE3部作に似た雰囲気の、賞金稼ぎが主人公のSFらしい。レズニックのあの手の話は大好きなので、8月に買い逃していたのをとても後悔していたのである。でも、ORACLE3部作に比べると劣るらしい。
送料を含めて$725.22の買い物である。8万3千円くらいだろう。これが1ドル=80円の頃に註文すれば5万8千円で買えたのだが。でも、今さら文句を云っても仕方がない。
Eudora Light 3.0.1をインストールしてみる。英語版だが、職場とやりとりをしてみると、日本語表示に問題はなさそうだ。しかし、前に1.5.7の時だったか、職場との送受信で日本語表示を確認した後、筑摩書房に原稿を送ったら文字化けして読めなかったことがあったので、まだ安心は出来ない。
LUNATICSを手にとって出勤。200ページまで進む。
『エンデ全集16 芸術と政治をめぐる対話』(岩波書店/2266円)とスーザン・パワー『グラス・ダンサー』(小沢瑞穂訳/1854円/めるくまーる)を大学生協にて購入。『エンデ全集16』は絶対に読まないと思う。『グラス・ダンサー』はアメリカ先住民スー族の物語である。買おうか買うまいかかなり迷ったが、頁の間から魔術的な匂いが漂ってきたので、思い切って買う。帰宅すると、早川書房からデイヴィッド・エディングス『タムール記5 冥界の魔戦士』(宇佐川晶子訳/720円/文庫FT)が届いていた。これはまだ読んでいないものだが、来年二月刊のシリーズ最終巻のゲラを来月読ませてもらうことになっているので、その時に纏めて読むことにする。
Eudora Light 3.0.1を使って知人に電子メールを送ったら、やはり文字化けして読めないとの連絡がある。本当は可能なのかも知れないが、設定方法などがよく解らないのでEudora Light 3.0.1は削除する。ただ、私がメールを送った人は、文字化けメールを開いた後ATOK8で日本語を入力しようとすると爆弾マークが出てしまうので、ウィルス入りのメールでも送ったのではないかと云う。そんなことはない筈だが、少し悪いことをしたかなという気もする。
一度3時に目が覚めたが、今日はゆっくり寝ることにする。4時半起床。昨日のFAXへの返事を書く。来年1月6日に送りますと書いてしまった。
今日は一年で4番目くらいに厭な日、職場の忘年会である。今年はしゃぶしゃぶの食べ放題(4000円)。2時間肉を喰いながら時が過ぎるのをひたすら我慢する。毎年、宴会に対する苦痛は増すばかり。もう、来年からは休ませてもらいたい。こういうことを妻に云うと「仕事にはつき合いってものがあるのだから、誘われたらちゃんと飲みに行きなさい」と説教をされる。そんなことを云って、私が毎晩のように飲んで帰り「仕事にはつき合いってものがあるんだ」などと云うようになったらどうするのだ。絶対にならないとは思うが。
2時40分起床。SFスキャナーの原稿を書き終える。リサ・ゴールドスタインのWALKING THE LABYRINTHである。今回も粗筋紹介の出来は悪い。送るのには随分早いので些か恥ずかしいが、いつまでも持っていても仕方がないので、電子メールで送信する。まだ、時間が少し残っていたので、毎月のファンタジイ評の原稿を10行ほど書く。これもまだまだ締切は先だが、私は来週後半から帰省してしまい、原稿を書けない世界で生活することになるのだ。
国書刊行会の藤原氏からFAX。「このミステリーがすごい! 97」で、ヨナス・リー『漁師とドラウグ』をあげている人がいたとわざわざ知らせてくれた、と思ったら実は原稿の催促だった。昨年8月締切のサリヴァンの幻想怪奇事典の原稿である。
SFスキャナーの原稿を少し書く。どうしてこんなに書くのが遅いのだろうと思うのはいつものことだ。漸く2枚。LUNATICSを手に取って出勤。やっと100ページまで来た。この調子で進めば後2週間で終わる筈。
Weinberg Booksよりカタログ着。今月も買いたい本は少ない。先月買わなかったビーグルのTHE UNICORN SONATAは買っておきたい。それから、KILLDOZER: THE COLLECTED SHORT STORIES OF THEODORE STURGEON - VOL3も。絶対読まないだろうという自信のある本なのだが。
職場のPowerMacintosh7500/100にOpenDoc Essential Kit(だっただろうか?)をインストールしてみる。英語版はまだ出ていないようなのだが、何故か日本語版を先に見つけた。使ってみようとするが、よく解らない。
今日は、LUNATICSを50ページも読んでしまった。勤務時間中だというのに。この調子で進めば後4日で終わる筈。
昨日早く寝たのに4時半まで眠ってしまう。少しだけ原稿を書こうとしてみる。ところで、今日偶然気がついたのだが、「リーダーズ+プラス」にはPerry Rhodanという項目があるのだ。Clark Darltonの本名がWalter Ernstingだということまで解る。こんなことまで載っているとは。
アメリカのSF情報誌LOCUS 12月号着。ざっと眺める。もう一冊、ダグラス・ヒル『目覚めよ!<超能力者>』(社会思想社・安野玲訳・600円くらい)という凄い題名の若年層向け異世界ファンタジイを訳者から頂く。表紙も題名に相応しい雰囲気を醸し出している。四半世紀くらい前のジュヴナイルSFを彷彿とさせる姿だが、中身は違う。何故か4時起床。これを書いてから、SFマガジン3月号のための原稿(SFスキャナー)を少し書く。締切りは半月以上も先だ。他の人の話を聞いたり文章を読んだりして解ったのだが、私はどうやら随分早く原稿を送っているようだ。でも、一度遅れると癖になるから、これでいい。一方、国書刊行会の「幻想怪奇作家事典」の翻訳は、締切りを1年4カ月も過ぎているのだ。
LUNATICSを手に取って出勤し、9時になったので早速母校の学生部学生厚生課に電話。返還免除職在職届を今すぐ送れば、10万円は許してもらえることになり、ほっとする。10万円得した気分になる。この金は拾った金と思って、本に使ってしまおうかという考えが心を浮かんでは消えていく。
タキイ種苗よりカタログ着。去年より朝顔の扱いは小さいが、それでも新種が3つある。
三時に起床。久しぶりに本屋の夢を見た。場所は、池袋の芳林堂書店。東武百貨店に入っている旭屋書店に行こうかとも一瞬迷ったが、12年通った芳林堂にした。その時、なぜか私は本を買うための数万円の現金を持っており、あれも買わなくてはこれも買わなくてはと慌てて棚から本を抜き出しているのだった。なにを手に取ったかは殆ど覚えていないが、国書刊行会の本を一冊手に取り、「これは前に<ドイツロマン派全集>に収録されていたのと殆ど同じだな」と思いながらも、まあ取りあえず買っておこうと小脇に抱えたのはどういう訳か鮮明に記憶に残っている。<迷ったときには取りあえず買っておく>という方針は夢の中でもきちんと守っているのだった。
「幻想怪奇作家事典」の翻訳を少ししてから、LUNATICSを手に取って出勤。
帰宅すると奨学金返還請求書が届いていて、腰を抜かすほど驚愕する。今年は返還免除職在職届を提出するのを忘れていたのだった。10万円は払えない額ではないが、今すぐ払えといわれると少し困る。Weird Talesが一体何冊買えるか、つい考えてしまう。
また寝坊してしまい、LUNATICSを手に取って出勤。そういえば昨日、嬬恋村に住む篠原陽子さんから<へるらいど>の原稿依頼の葉書が来ていた。何を書けばいいだろう。
WAVというワープロ・ソフトのデモ版をインストールしてみる。日本語も入力できるが、私の日独米混合システムでは日本語の改行処理が適切に行われない。Cyberdogもそうなのだ。意味のないドイツ語表示システムを使うのはそろそろやめようかと思う今日この頃である。それにしてもOpenDocという奴が今一つ私には理解できない。
Fantasy Centreへの註文書をFAXで送ってから、LUNATICSを手に取って出勤。
すっかり寝坊し、4時半起床。それでも、「幻想怪奇作家事典」の翻訳を10行ほど。昨日からSで始まる作家へ入っており、後はTとWで終了なので、先が漸く見えてきたような気がする。このところ、5行しか訳せない日はあっても、<ウィアード・テイルズ>という字を打たない日はない。LUNATICSを手に取って出勤。
カタログが二通来た。Fantasy CentreとPandora's Booksからである。後者のは、既に送付期限切れで送られてこなくなっている筈なのだが。今回は、殆ど雑誌ばかり。Weird Talesが山のように載っていて、註文したくてたまらなくなるが、じっと我慢する。Fantasy Centreのカタログには、Ash-tree Pressの新刊が載っていたので註文する。E. G. SwainのTHE STONEGROUND GHOST TALES(£18.50)とS. Baring-GouldのTHE BOOK OF GHOSTS(£23.50)である。どちらも知らない名前である。他に欲しいものがないなと思いながらカタログを眺めていたら、Sir Andrew Caldecottという名前に引っかかった。聞き覚えはあるのだが、どういう作家なのか思い出せない。5分程考えてみて、どうしても思い出せなかったので、取りあえず註文することにした。NOT EXACTLY GHOSTS (£25.00)で、出版年は1940年代だったような気がする。
2時半に目が覚め、迷いながらも起きることにする。この日記を書き始め、ふと気がつくともう1時間。こんなことをするために早起きしたのか俺は、と些か情けなくなる。気を取り直して翻訳を少しやってから、LUNATICSを手に取って出勤。
とうとう12月である。私のホームページを開いてから、ほぼ1年である。早いものだ。先日、初めて尋ねられて気がついたのだが、この1年間、TOLLE ET LEGEの意味を訊かれたことがなかった。本好きは皆、知っているのだろうか。多分、そんなことどうでもいいと思って、わざわざ訊く気も起こらないという方が真実に近いのだろうと私は予想している。
一周年ということで、何かをする予定は全くない。
今日は朝から寒い。雪が断続的に降る。福岡では冬、雪が降る日が結構あるが、積もることは殆どないようだ。私が経験した3度の冬では一回もなかった。関東南部では、毎年早春2〜3回は5cmほど積もっていたが。交通機関が乱れ、学校が休みになって喜んだのはもう20年近くも昔のことだ。
『大暴風(上)』を100頁ほど読む。先は、長い。
ジョーン・エイキンのTHE COCKATRICE BOYSを読み続けるのを止めるという決断を下す。昔は、あまり面白くない作品を読み続けることは出来なかったのだが、中途半端に英文を解読する力がついてしまったせいで、もうやめようかどうしようかと迷いながらも少しずつ読み進めてしまうようになった。半分を越えたのだが、ここで止めることにする。決してつまらない訳ではないが、わざわざ時間をかけて英語で読むのが辛くなって来ただけである。そこで、明日からはブラッドリイ・デントンのLUNATICS (St. Martin's Press/June 1996)を読むことにする。Buddy Holly Is Alive and Well on Ganymedeでジョン・W・キャンベル記念賞を受賞した作家である。LUNATICSは題名と表紙に惹かれて購入したもの。最後まで読むかどうかは甚だ怪しい。