八月へ

7月31日(土)

 颱風が近づいてきてゐるので、出勤せずに様子をみてゐたが、全然雨は降らず、ずる休みをしたやうな気分になる。颱風が来ても来なくても翻訳である。ただ、今日はダンセイニではなくSFマガジンの11月号のための短篇。無限図書館の話である。短いのに理屈っぽい文が連ねてあって全然捗らない。

 捗らないのに映画館へ行って「キング・アーサー』を観てしまった。何だったんだあれは。私が知ってゐるアーサー王とは全く違ふ。といっても、別に私はアーサー王と知り合ひといふ訳ではないのだが。とにかく、これまでに観た映画の中でも一二を争ふつまらなさである。今、思ひ返すと先週観た映画は傑作である。面白かった。


7月30日(金)

 昨晩から狂ったやうに送付され続けてゐるアマゾン・ギフト券は使へなかった。しかし、今月で期限切れになるギフト券が千円分あるので、『EPWING版CD-ROM研究社シェイクスピア辞典』を註文。

 そのアマゾンからのギフト券の送付は発生から凡そ24時間後に止まった。

 bk1 からアン・ファディマン『本の愉しみ、書棚の悩み』[amazon.co.jp, bk1]が届く。本の造りが好感が持てる感じで、中身は本好きの話だけど、マニアックな人たちではない。本の話といふと、研究者かマニアの本が書いたものがほとんどなので、かういふ本は貴重である。

 疲れてゐるので、今日はこれで。


7月29日(木)

 Amazon.co.jpでダンセイニ『夢見る人の物語』が註文できるやうになってゐます。『怪奇礼讃』[amazon.co.jp, bk1]ともども、よろしくお願ひします。合はせて買ふと送料無料になりますので。『怪奇礼讃』bk1では24時間以内に発送になったのだが、Amazon.co.jpではまだ近日発売予定のまま。

 夕方にはAmazon.co.jp でも24時間以内の発送になった。ジュンク堂書店にも入荷して、在庫は19冊。一冊売れたのだらうか。

 しかし、Amazon.co.jp は夕方からギフト券を狂ったやうに送り付けて来るのだが、一体どうしたのだ。もう9組18通も来てゐる。これが9倍の買ひ物が出来るのならどんどん来てくれと願ふところだ(前に二通来たときに試してみたが、やはり片方しか使へなかった)。あ、また来た。このまま送られ続けると明朝までに受信簿の容量限度を超えてしまふだらう。もう止めてくださいとメールを出さうか。
 アソシエイト・プログラムのページにログインできなかったし、註文しようとしてもそれもできなかった。大丈夫なのか。

 註文しようと思ったゐたのはシェイクスピアのCD-ROM。夏だからちょっといつもと違ふものを買はうかなと思ったのだった。デジタルカメラなんか買はうかと最初は思ったのは、夏だから私もたまには山にでも登って緑に囲まれた処ですがすがしい空気を吸ひ陽の光をいっぱいに浴びて、古書の表紙でも撮影したい気分になった訳だが、私は夏は嫌ひだし、陽の光も嫌ひだから、シェイクスピアにしようと決意した。でも、エラーが出て註文できなかった。私の夏の決意が虚しく散ったではないか!

 いやいや、そんなことよりギフト券だ。よく見ると、4時50分から30分おきにきちんと必ず送付されてくる。といふことは明朝までに10回くらゐ送付されるといふことか。それらは全部別々のギフト券として使はせてくれたら許すけど。まさか私が何か悪いことをしたといふことなのだらうか。そんな筈はないと思ふが。


7月28日(水)

 bk1で、『怪奇礼讃』が註文できるやうになりました。よろしくお願ひします。Amazon.co.jpはまだ予約なのかな。

 紀伊國屋書店でも註文できるやうになりました。まだ取り寄せ商品だけど。

 半年ほど前のことだったか、夥しい枚数の書類を取り込んでpdfファイルとして保存しようといふ素敵な計画を立てて、MacOS対応ドライバがないので、わざわざWindowsで動くパソコンを中古で買って、やっと導入して喜んでゐたScanSnapであるが、最新版ScanSnap fi-511EOXMacOSXドライバが出たのである。私が持ってゐる機種には使へない。ああ、大損した気分である。この際、もう一台買ってしまはうかといふ気分である。

 EMBOSSの2.90が出てゐることに気づいて、LinuxとMacOSXにインストールしてあるものをアップグレードしようとした。MacOSXの方で、また余計なことに時間を使って、半日無駄にしてしまった。emboss-kaptainを何とかしようとしてみたりして、さらに時間を潰してしまふ。

 PfaEditといふのを使って、TrueTypeフォントをX11環境で使へるやうにする方法を知り、いろいろ試してみたりして、さらに時間を潰してしまふ。平成明朝がOpenOffice.orgで使へるやうになったのは嬉しいが、この頃、気に入ってゐる書体がレイシックである。WWWブラウザも日本語はこのフォントにしてみた。前から気になってゐた字なのだが、名前が判らず、ふと気づいたら自分のMacに入ってゐたのだった。

 話は変はるが、生の人参を食べてゐると、兎の顔が頭に浮かぶことに気がついた。だから、人参があまり好きではないのか。人参よりも兎の肉の方が食べたいからか。小学校一年生の頃だったか、当時幼稚園児だった妹が、幼稚園の友達が人参は驢馬の味がするから嫌ひだと云ってゐたといふのを聞き、何だそいつは驢馬を食ったことがあるのかと云った覚えがある。しかし、どうしてそんなどうでもいいことを何十年も憶えてゐるのだらう。とにかく、私は驢馬ではなく兎だ。でも、白状すると時々驢馬の顔も頭に浮かぶのである。それも、妹の幼稚園の友達のせゐだ。そいつは自分がそんなことを云ったことをもう憶えてゐないだらうが。


7月27日(火)

 Amazon.co.jpから、ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』[amazon.co.jp, bk1]が届く。bk1からは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『呪われた首輪の物語』[amazon.co.jp, bk1]、『物語バルト三国の歴史』[amazon.co.jp, bk1]、『聖書のヒロインたち』[amazon.co.jp, bk1]、『安心のファシズム』[amazon.co.jp, bk1]が届く。疲れてゐるので、今日はこれで。


7月26日(月)

 暑い暑いと云ひながら仕事から帰ると、東京創元社から小包みが。ひょっとしたらと思って隙間から中を覗いてみると『怪』の字が見えた。『怪奇礼讃』ではないか! 数日中にはオンライン書店や街の書店の店頭に出回るでせう。嬉しい。

 もう一つ届いたのがAppleからAirMac Express。早速使ってみる。机の上と下にあるスピーカを書棚に。AirMac Expressと繋いで、設定用ソフトウエアをインストール。再起動すると、自動的に設定画面が起ち上がる。あっと云ふ間に設定終了。またまた勝手にiTunesが動き出す。ちょっと勝手過ぎるのではないか。まあ、いいけど。ネットワーク上のスピーカーが検出されてゐて、それを出力先に選ぶと、書棚のスピーカーからバッハの無伴奏チェロ組曲が流れてくるではないか。
 ちょっと残念だったのは、今回のスピーカーの配線のコードが短くて、本を置けない書棚の両側の段にスピーカーを配置できず、本と並べて置かねばならなかったこと。
 これで、我が家のネットワーク内のiTunesからはスピーカーが共有できるやうになった訳だ。しかし、恐らく私しか使はないであらう。虚しい共有である。

 早川書房からSFマガジン九月号が。特集は「時空論の彼方に」。時空論なんて難しさうだ。


7月25日(日)

 昨晩は、うっかりカトリーヌ・キュッセ『ジェーンに起きたこと』[amazon.co.jp, bk1]を読み始め、途中で止められなくなり最後まで読んでしまった。そのせゐでダンセイニの翻訳は全然できなかった。しかし、言ひ訳をするやうだが、苛ついてゐる状態ではダンセイニを訳すのは困難なのだ。本を読んで心を落ち着かせようと思ってしまふ。ま、言ひ訳だが。それにしてもこの本は面白い。自分のことが細大漏らさず書いてあるといっても、ディックの作品に出てくる総てが記されてゐる本といふ訳ではなく、至って現実的なできごとであって、現実的な恐怖を伴ひ、現実が嫌ひな私でも引き込まれる力強さである。ジョナサン・キャロルの作品を読むときにも感じるのだが、人は自分で思ってゐるほどいい奴ではないのだ。

 娘と二人で「スパイダーマン2」を観る。評判がいいやうなので期待して観てしまったが、期待し過ぎてしまったか。隣に坐った知らない人は何度も泣いてゐたな。蜘蛛男の話で泣くかね。他にも泣いてゐる人はゐたみたいだけど。

 暑い中、蜘蛛男の映画を観に出かけて疲れてしまったので、bk1に本を註文。

●アン・ファディマン『本の愉しみ、書棚の悩み』(相原真理子訳/1680円/草思社)[amazon.co.jp, bk1]

 この本、Amazon.co.jp で書名で検索しても出てこない。『書棚からとっておきを』といふ名前で登録されてゐるのだ。予定が変はったのだらうか。bk1 のはうは書影が載ってゐるから間違ひないと思ふが。

 bk1から、ホセ・カルロス・ソモサ『イデアの洞窟』[amazon.co.jp, bk1]が届く。実に面白さうなのだが、ダンセイニの翻訳中は我慢する。昨日、心を落ち着かせようとして読んだ本のせゐで、逆に文章が落ち着かなくなってしまったのを後悔してゐるのだ。

 ダンセイニの『五十一話集』の全文検索データを作る。もちろん、原文である。検索結果は青い太字にするのが判りやすいやうな気がしたので、さう設定する。「"」はそのままHTMLの本文に書かない方がよい文字のやうなので、これもHTMLに出力するときに「"」と(本当は1バイト)置換するやうにしてみたりする


7月24日(土)

 まづは辞書の話から。
 ロゴヴィスタ「LogoVista電子辞典シリーズ」を新発売。といっても、辞書の中身は今まで販売されてゐた『システムソフト電子辞典シリーズ」と同じやうだが、ダウンロード版となって価格を大幅に下げてゐるらしい。MSOfficeへのアドイン機能には私は全く関心がないが、辞典ブラウザも新しくなった模様。7月23日から一ヶ月の間、発売記念キャンペーンもあるさうだ。『斎藤和英大辞典』が5000円は安い。私はもう持ってゐるから買はないが。『南山堂医学英和大辞典第11版』が8800円だといふのには心惹かれるものがある。通常価格でも、ダウンロード版は安いやうでいろいろ買ひたくなる。システムソフト電子辞典なら、Jammingでも利用できるはづだし。

 昨日のBookviewだが、Aqua版TclTkで動いてゐるやうだから、ひょっとしたらX11環境は立ち上げなくてもいいのではないかと思って、試してみたら、X11環境は必要なかった。いいやうな悪いやうな。私はX11側で使へる辞書ブラウザが欲しかったのだが。昨日、PowerMac G5にインストールしたときはX11側で動いてゐたのに。出勤してよく見てみると、/usr/local/binにあるwishで動いてゐるやうだ。/usr/binを確認すると、こちらにもAqua版wishが。Fink版(/sw/bin)を含めるとTcl/Tkを三つもインストールしてしまったやうだが、大丈夫だらうか。訳が判らず何でも入れるからかういふことになる。/usr/local/binにあるのは、EasyPackageを使ってインストールしたやうな微かな記憶がある。Aqua側のWish Shellは起ち上がらないので、19行目からの三行をコメントアウトする必要もない。といふことで、スクリーンショットを撮ってみた。昨日のとは見た感じが随分違ふ。

 インターネットを使って調べものをしてゐて、ふと意味を知りたくなったときにすぐに横に小窓が出てきて意味を示してくれる辞書があったら便利だと思って、Xpopdicをインストールしてみた。X Window systemで動くNDTPクライアントである。ごく普通に./configure-->make-->make installで問題なし。動くやうになったのはいいが、やはり窓を動かせないのは不便である。あと、色がちょっと眼が疲れてしまひさう。

 さて、そろそろダンセイニの翻訳に取りかからねば。でも、その前にbk1 に本を註文。

●ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『呪われた首輪の物語』(野口絵美訳/1785円/徳間書店)[amazon.co.jp, bk1]
『物語バルト三国の歴史』(861円/中公新書)[amazon.co.jp, bk1]
『聖書のヒロインたち』(735円/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1]
『安心のファシズム』(735円/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1]

以上四冊。この頃、ダイアナ・ウィン・ジョーンズはよく出てゐるな。この題名、『首輪物語』にすればよかったのに。呪はれた首輪を火山口に捨てにいく話ぢゃないのか。他に、新書を三冊。


7月23日(金)

 東京創元社から本の小包みが届いた。一瞬、「もう『怪奇礼讃』が出来たのか?!」と思ったが、さうではない。刊行は来週。今日いただいた本は次のとほり。

☆ジェイムズ・P・ホーガン『揺籃の星 上』(内田昌之訳/720円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1]
☆ジェイムズ・P・ホーガン『揺籃の星 下』(内田昌之訳/840円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1]
☆マイク・アシュリー『SF雑誌の歴史』(牧眞司訳/4500円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1]
☆アレン・カーズワイル『形見函と王妃の時計』(大島豊訳/3800円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1]

 ホーガンは訳者の内田昌之氏から。ありがたうございました。カーズワイルのは、『驚異の発明家の形見函』[amazon.co.jp, bk1]の続編ですね。今はダンセイニがあるので、すぐには読めません。ごめんなさい。『SF雑誌の歴史』には驚きました。こんなものが日本語で出るなんて。これに大喜びする日本人は八人くらゐしかゐないのではないかと想像します。そのうち、半分ほどはかうやっていただいてしまふから、三冊くらゐしか売れなかったらどうしようかと密かに心配する真夏の昼下がりです。読むのは楽しいが、訳すのは大変でせう。しかし、かうやってパルプ雑誌の表紙絵を眺めてゐると、また集めたくなってくるのが心配です。表紙の表紙像は綺麗に出てゐるやうですが、冒頭のカラーページの表紙像は色が変ではありませんか。フィンレイの絵が美しさが減じてしまふのは悲しくてたまりません。

 早川書房からは、
☆テリー・グッドカインド『魔界の神殿3 死せる子どもたち』(佐田千織訳/680円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]をいただきました。ありがたうございました。ハヤカワ文庫FTと云へば、〈プラチナ・ファンタジイ〉は売り上げ不振で打ち切りになったと信じて疑はない人も多いのではないかと想像しますが、信頼すべき情報筋によると今年十月あたりから、ほぼ隔月で刊行が再開されるといふことです。

 bk1からは、ジュール・シュペルヴィエル『海の上の少女』[amazon.co.jp, bk1]、カトリーヌ・キュッセ『ジェーンに起きたこと』[amazon.co.jp, bk1]、デイヴィッド・イーリイ『観光旅行』[amazon.co.jp, bk1]、小田光雄『ヨーロッパ 本と書店の物語』[amazon.co.jp, bk1]、『sed & awkプログラミング UNIX power tools 改訂版』(4100円(+税)/オライリー・ジャパン)[amazon.co.jp, bk1]が届いた。どれも今すぐ読みたいものばかりだが、しばらく我慢せざるを得ない。『ヨーロッパ 本と書店の物語』は、本屋の歴史が記されてゐるので、興味深い。

 少しMacOSXの話を。先日諦めたBookviewだが、実は諦めてゐなかった。何とかMacOSXで使へるやうになったので、ご報告する。関心のある方は少ないとは思ふが。
 まづ、TclTkAquaをここからダウンロードしてインストール。Finkでインストールしたものは、どうもうまくいかないやうなのだ。そのFinkのwishがsw/binにもあるので、Bookviewは、env WISH=/usr/bin/wish ./configureといふやうにconfigure、続けてmake。make installに進む前に、BookViewで電子辞書を使う(Mac OS X 10.1)を参考にして少々書き変へなければならない。

set font ""
set kanjifont ""

set font "times"
set kanjifont "osaka"
にする。参考にした人はkanjifontはmonacoと入れてゐたが、それでは駄目だった。
もう一箇所、
catch {font create default -compound "$font $kanjifont"}
といふところを、
catch {font create default -family "$kanjifont"}
にする。ところが、これでは19行目のエラーで起動しませんといふことになってしまふので、
if {"/usr/bin/wish" == ""} {
exit
}

といふ三行をコメントアウトしてみる。そして、make install。
 メニューの日本語の文字化けがどうにもならないので、英語表示で起動するやうに、bashrcに、
export BOOKVIEW_LANG=en
といふ行を追加する。そして、立ち上げると、やうやく日本語で汚くない文字のBookviewが使へるやうになるのだ。記念にスクリーンショットを撮ってみた。文字にアンチエイリアスもかかって、読みやすい画面になった。先のコメントアウトのせゐだと思ふのだが、Aqua側でWish Shellが起ち上がってしまふ。これを終了させると、Bookviewも消えてしまふのだ。ま、消さなければいいだけなのだが。これで、ネットワーク上のMacOSXを辞書サーバとする辞書をMacOSX、Linuxともども利用できるやうになった。しかし、日本語入力ができないのは大問題だ。別のエディタで入力してコピーしなければならない。不便である。


 

7月22日(木)

 今日はMacOSXの話。

 Bioconductorといふのをインストールしてみた。バイオインフォマティクスに有用な道具がいろいろあるといふことだったが、今はDNAアレイ関連が多いやうだ。を使って動くらしい(違ふかな)。よく判らないままにインストールしてみたら、さっぱり判らなかった。私は判らないものはとりあへずインストールしてみることにしてゐるので、かういふ訳が判らずに蓄積していくプログラムが多い。

 あまりにも判らないので、R for Bioinformaticsを註文しようかと思ったが、刊行が11月末といふことなので、今日はやめておいた。

 Gentoo MacOS Xといふのが発表されてゐたのだが、どういふふうに使ふのだらう。Finkみたいに使ふのだらうか。

 MacOSXのX11環境で簡単に使へるメモ用紙のやうなものがないかと探してゐた。Tuxcardsといふのを入れてみたら、何と動いたのだが、日本語の入力を受け付けてくれなかった。それでは困るといふことで、探してゐたら、次に見つけたのがcommentといふもの。ターミナルからコメントを入力しておいて、ターミナルから、この言葉が入ってゐるコメントは? といって呼び出すやうだ。日本語もちゃんと書き込んだり呼び出したり読んだりできることは確認できたが、いちいち呼び出すのは面倒臭い。その辺に転がってゐてくれるものがいい。やっと見つけたのが、xpad。ほとんど同名のMacOSX(Aqua)用のものがあるが、全くの別物。こちらは、MacOSXについてくるStickiesのやうな感じでメモを取って、そこらに置いておける。日本語もちゃんと書き込めるので、しばらくこれを使ってみよう。

 MacOSXの、しかもほとんどの人が使はない環境の話をいつまでもしてゐても仕方がないので、bk1に本を註文。

●ホセ・カルロス・ソモサ『イデアの洞窟』(風間賢二訳/2200円/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1]

「古代ギリシアの連続殺人を描くミステリ「イデアの洞窟」の脚註の中でテキストの謎に翻弄される訳者の正体は? 驚愕のメタ・ミステリ。」といふことなので、実に面白さうなのだが、読む時間があるだらうか、心配である。

 再びMacOSXの話。多機能電子辞書ブラウザJamming 3.6が公開された。今回は、「医学英語慣用表現集第3版に対応」したことと「一部のEPWING系の辞書で検索時に時間がかかることがあった問題に対処」したのが変更点だといふ。「医学英語慣用表現集第3版」は持ってゐないので、私にはあまり関係ないかも。

 画像編集ソフトGIMP-2.0.3-1が公開された。画像に対しては関心が薄いので、一応インストールしてゐるもののほとんど使ったことがない。

 Jedit X パブリックベータ版0.71が公開された。「Unicode準拠のマルチランゲージ対応、2万字を超えるOpenTypeヒラギノ書体対応」といふことなので、「森鷗外」とか「内田百閒」とか簡単に入力して表示させることが可能になる訳だ。早速ダウンロードして試用してみると、確かに「森鷗外」とか「内田百閒」とか簡単に入力できた。保存するときに文字コードをUTF-8にする設定が見当たらない(警告画面が出ると選べる)のはまだ不完全だからか。しかし、これで、HTML記述用のマクロが揃ったら、本欄の記録はJeditにしようか。


7月21日(水)

 Amazon.co.jpから、Claire Delacroix, Lynn Kurland, Patricia A. McKillip, Sharon Shinn To Weave a Web of Magic、Sean Stewart Perfect Circle、Sharon Shinn The Safe-Keeper's Secretが届く。シャロン・シンは若年層向けのやうだ。この頃、特に《サマリア》シリーズは長くなる傾向があったから、かういふ短いシャロン・シンを見ると安心する。ショーン・スチュアートも240ページしかないので読みたいところだ。

 いや、今は本を読むよりもダンセイニの翻訳だと思ったものの、全文検索が気になって仕方がない。日本語のファイルでも同じやうにできるのかを確認したくて仕方がなくなってきたのだ。同じに決まってゐるぢゃないかと思ってゐませんか、皆さん。実際にやってみるとやはり最初はエラーが出ましたね。文字コードのこととか、英語の検索のときには問題にならなかった事態に直面する訳です。いろいろやってゐたら、何とか動くやうになりました。日本語は太字にならないブラウザとフォントの組み合はせがあるので、検索語の色を変へるといふことに。スクリーンショットを撮ってみました。芥川龍之介の「きりしとほろ上人伝」を検索してみた。試運転だから、短い作品である。「如何な」で検索したのに、「如何に」も出てくるのはなぜだらうか。色が付かないから、識別はできるが。なぜだ。MySQLの検索はかうなのか。判らない。

 この検索結果では、検索語を含む文が全部表示されるやうになってゐるが、長い文の前後が切れても検索語を中心にして並べたらkwic検索である。それをPHPとMySQLで構築してWWWで公開してゐる人がゐた。さうか、PHPでここまでできるのか。全文検索kwic版も作ってみたいものだ。

 こんなことをしてゐたら、ダンセイニの翻訳をする時間がなくなってしまった。ああ、私は一体何をやってゐるんだ。莫迦ではなからうか。


7月20日(火)

 「三半球物語」の全文検索ができるやうになった。次は「五十一話集」だらうか。

 Amazon.co.jpからElizabeth Hand Mortal Loveが届く。ずいぶん、大きな本だ。電車の中では読みづらさう。すまないねと心の中で呟いて書棚に収める。

 PHP 5.0.0の正式版が出たやうだ。何が新しくなったのだらう。大きく変はったらしいのだが。よく判らない。SQLiteが組み込まれたっていふらしいが、一体何なのか、それは。次期MacOSXにはこいつが組み込まれるといふ噂を聞いたが、本当か。MySQLの立場はどうなるのだ。ダンセイニの全文検索は大丈夫なのか。PHPの本を何か買ってみようかと思ってゐたのだが、5.0が出たので、それに対応した本が出てからにしよう。しかし、日本の書店でPHPに関する本を検索して選びだすのは意外に難しい。

 昼食の後は眠くなってしまふことが多いのだが、今日は突然気分が悪くなる。吐き気と痛みが混ざったやうは妙な感覚である。どちらも強烈なものではない。しかし、気分は悪い。同時に激しい眠気に襲はれて、椅子から転げ落ちさうになる。が、気分が悪いので眠気覚ましに起ち上がって歩き回ることができない。二時間ほど苦しんでゐたが、やがておさまった。あれは何だったのだらう。
 といふことで、今日はダンセイニの翻訳は休んで寝る。絶対に寝る。


7月19日(月)

 朝起きてみると胃が痛いこともなく、今日も一日翻訳の仕事ができさうだったので、bk1に本を註文。

●ジュール・シュペルヴィエル『海の上の少女』(綱島寿秀訳/2400円(+税)/みすず書房)[amazon.co.jp, bk1]
●カトリーヌ・キュッセ『ジェーンに起きたこと』(長谷川沙織訳/980円(+税)/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●デイヴィッド・イーリイ『観光旅行』(一ノ瀬直二訳/940円(+税)/ハヤカワミステリ文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●小田光雄『ヨーロッパ 本と書店の物語』(760円(+税)/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1]
『sed & awkプログラミング UNIX power tools 改訂版』(4100円(+税)/オライリー・ジャパン)[amazon.co.jp, bk1]

 以上五冊。シュペルヴィエルは前に購入資金不足で見送ってゐたもの。キュッセとイーリイはあまり熱心に購入する分野ではないが、面白さうだといふことの他に表紙に惹かれたから。私は表紙で買ってしまふ本が結構多い。sedとawkの本は、ちょっと古めなのだが、基本的には変はってゐないだらうし、文字を扱ふには何かと便利さうなので。MacOSXには最初から入ってゐるやうだし。

The Magazine of Fantasy & Science Fictionの定期購読をFictionwiseで更新。

 土曜日に、Reference MinerAmazon.co.jpから書籍データを取り込んで、簡単にBookendのデータベースとできると書いたが、どうやら間違ひだった。検索と表示はAmazon.co.jpも対象になるのだが、Drag&Dropによるデータの取り込みは日本店だけは対象外なのだった。なんといふことだ。これでは自分の蔵書や購入予定図書の管理に使へないではないか。とはいっても、主目的は論文の引用文献データベースなので、購入することに違ひはないのだが。それでも、何だか大損した気分だ。英米の店の方からなら、取り込みが簡単だから、洋書の管理にだけ使ふか。

 あまり一喜一憂しても仕方がないと判ってゐるのに、気にしてしまふのがAmazon.co.jpの売り上げ順位である。『怪奇礼讃』が2500位付近にまで上昇し、『世界の涯の物語』[amazon.co.jp, bk1]を抜いてしまった。まだ発売前だといふのに、註文してくださった方々、ありがたうございます。今はもう順位は落ちてゐますけどね。

 ダンセイニの「時と神々」の翻訳はやうやく四分の一まで進む。ダンセイニは神話であっても、文体こそ欽定訳聖書の影響が色濃いかも知れないが、紛れもない法螺話の雰囲気を秘めてゐる。読めば読むほど味はひ深い。
 翻訳に疲れると「三半球物語」の全文検索データベース構築の準備などしてしまって、それについ熱中してしまったりする。自分の集中力のなさが情けなくなる。


7月18日(日)

 つい「時と神々」の全文検索データも準備してしまって、それで翻訳に着手するのが遅れてしまった。しかし、遅れて着手した翻訳では、すぐに全文検索を使ひたくなり、なかなか便利だと自画自賛してみる。ところが、昨日導入した検索語の強調は、新たな問題を生み出してしまったと判った。大文字で始まる"Death"を入力して検索すると、普通の"death"も出てくるのだが、検索語の強調は強調のタグを付けた入力語の文字列に置換するという動作で行なってゐるので、表示が"Death"に置き替へられてしまふのだ。これは困る。特にダンセイニの場合は困る。そこで、"eregi_replace"を"ereg_replace"へ変更。さうすると、大文字小文字が違ふけれども同一文字列で当たった単語は強調されないといふことになる。この方が良ささう。本当は、大文字小文字も一致したのは赤、大文字小文字といふ違ひはあるけれども単語は一致したものは青とかいふやうに出来たら便利だと思ふが、そんな高度な呪文は知らない。

 ダンセイニの話を少々。今年に入ってから、アメリカでもダンセイニの新刊書が相次いで刊行されてゐて、やはり世界的にダンセイニ再評価の時代になる予感するといふのは嘘だけど、本が出るのは嬉しいに決まってゐる。フランス戦線での出来事を書いたUnhappy Far-Off Thingsが一月に出て、戯曲A Night at an Innが六月に出たが、そんなもの売れるんですかと心配になってしまふ。ちなみに、私は註文してゐない。ジョーキンズ全集第二巻が、Amazon.co.jpでは3〜5週間で出荷といふ表示が出てゐるが、出版社のホームページを見ると、まだ出荷されてゐないやうだ。が、今月出荷と書いてある。第三巻の予約註文もできるやうになってゐる。そろそろ註文してみようか、とこのページを書きながら迷ってゐたが、予約してしまった。

○Lord Dunsany The Collected Jorkens - Volume Three (Nightshade Books, $35.00)

 Amazon.co.jp では、11月刊行予定といふことになってゐるが、Night Shade Booksでは2004年冬刊行予定となってゐる。

 ところで、第二巻はAmazon.comでは$11.20(32%)引きである。日本店では15%引きだ。これならアメリカから取り寄せた方が安いのではないか、と思ってわざわざアメリカ店から買ったことがあるが、そんなに変わらないことがほとんどである。では、出版社に直接註文したらどうだらうと思って調べてみると、Night Shade Booksでは海外発送はしてゐないのだった。

 今日は時々腹部に痛みを感じてゐたのだが、どうもその痛みが徐々に上の方へと移動してきてゐるやうな気がしてならない。今晩、胃が痛くなるといふことだらうか。明日は貴重な休日で、ダンセイニの翻訳に充てようといふ計画だったのに、一日胃の痛みに苦しむことになるのか。それだけは嫌だ。


7月17日(土)

 三連休はダンセイニの翻訳に専念する筈だったのに出勤してしまった。
 今月『Mac OS X v10.3 Pantherで使おうUNIX』[amazon.co.jp, bk1]を買ったのを機会に、TEXで文章を書いてみようとしてゐたのだが、断念することにした。何回目の断念だらうか。といふことで、BIBTEXも使へないので、文献管理ソフトウェアBookendを購入。$99.00である。同じところで作ってゐるReference Minerは、Amazon.co.jp からのデータもダウンロードできるので、論文の引用文献管理と出力だけでなく、自分の蔵書管理にも使へる(かも知れない)。

 職場から帰る途中でまた書店に寄って、PHP+MySQLの本を立ち読みする。一冊くらゐ手元において置かうかと思ったものの、手持ちの現金が200円くらゐしかなかったので、何冊かページを捲ってみるだけ。文庫本売り場には『世界の涯の物語』[amazon.co.jp, bk1]がまだ平積みになってゐて、七冊の内、二冊が初版、五冊が第二版だった。福岡丸善でもそれなりに売れたのか。

 帰宅してから、ダンセイニの翻訳に着手しようと思ったものの、眠気に勝てず、しかも左眼の奥の辺りに頭痛を感じ始め、床に倒れたまま寝てしまった。ときどき這ひ上がって液晶モニタを見つめるものの、すぐに躰が崩れて床の上に。その繰り返しで数時間が過ぎると頭痛も眠気も落ち着いた。やれやれ。
 それでも、翻訳に着手しないところが、意志の弱いところだ。夢うつつに唱へてゐた"eregi_replace"が気になって仕方がない。あちこち、嵌め込んだり外したり試行錯誤を繰り返してゐたら、幸運にもうまく検索語を強調表示できるやうになった。記念にスクリーンショットを撮ってみた。「ペガーナの神々」全文から"blue"といふ単語を検索表示させてみたところである。一行に二箇所検索語が入ってゐても、ちゃんと表示されてゐる。当たり前だけど。太字ではなく、色を変へた方がよかったかな。"blue"で検索した結果で、検索語がブルーで表示されてゐるスクリーンショットにするとか。何の意味もないが。
 これで、翻訳が捗るだらうか。いや、「ペガーナの神々」は私の担当ではなかった。


7月16日(金)

 眠い。あまりにも眠い。躰が熱い。22℃の恒温室に入ってゐるのに暑い。

 bk1に本を註文。

●ジェフリー・フォード『白い果実』(山尾悠子・金原瑞人・谷垣暁美訳/2625円/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1]

 刊行は八月下旬。ちょっと先なのだが、予約註文をしてみた。この本は原書で読んでゐて、SFマガジンに紹介文も書いた。傑作である。気がついたら三部作になってゐて、私は第二部以降は読んでゐないのだが、全三巻翻訳が出るのだらうか。
 原書はペーパーバックは品切れのやうで、今はLargeprint版といふのしか買へないやうだ。
 この話に出てくる観相学といふのが読んだときにはよく判らなかった。後に、高山宏『奇想天外・英文学講義』(1680円/講談社選書メチエ)[amazon.co.jp, bk1]を読んで初めてなるほどさうかとこの本の面白さが判ったやうな気がした。

 仕事の帰りに書店に寄って、PHP関連の本をぱらぱらと捲ってみたところ、MySQLから出てきた結果の中にある検索語の強調には"eregi_replace"とかいふ呪文を使へばいいことが判った。しかし、自分の結果表示のページのどこにこの呪文を埋め込めばいいのかよく判らない。あの本を買はうか。たった一言のために3000円は高いやうな気もするが、魔法の呪文を一つ3000円だと考へれば安いやうな気がしてくるではないか(しないか)。

 橋本治『上司は思いつきでものを言う』(集英社新書/693円)[amazon.co.jp, bk1]を読んでしまった。前半の方は、さういふことは大体判ってゐるやうなことが面白い譬へ話で紹介されてゐるといふ感じだったが、後半はなるほどと思ふことが多くなってきた。しかし、思ひつきでものを云ふ上司には、思ひきり呆れればいいと云っても、なかなかできるものではない。今は私はよくするけど。ええっ、本気ですか? とか。それで、いい結果になったことはあまりないのだが。

 今日気づいたのだが、月曜日は休みではないか。といふことは三連休だ。ダンセイニの翻訳に勤しまう。


7月15日(木)

 Amazon.co.jpから、Nina Kiriki Hoffman A Stir of Bones、Nina Kiriki Hoffman A Fistful of Sky、Kim Antieau Coyote Cowgirlの三冊が届く。どれも面白さうだが、今は読めない。すまないと呟きながら書棚に収める。

 娘の学校で面接。慣れないネクタイに背広など身に付けたら死ぬほど暑かった。熱中症で倒れるのではないかと本気で心配したほどだ。陽は照ってゐなかったのだが、突然の雷雨の後は耐へ難いほどの蒸し暑さに。毎日ネクタイして営業などで外を廻ってゐる人はすごいなあと感心する。まあ、私はさういふことができないと判ってゐたから翻訳家になった……といふのは大嘘だ。毎日出勤してゐる。ネクタイはせずに。

 小説のやうなまとまった文章を一文一行にしてMySQLに収納して検索するといふのは強ち的外れでもないやうで、茶器のやうな、MySQLを使ってタグ付きコーパスを管理検索するツールもあるのだ。翻訳に使ふにはタグ付きコーパスにする必要もないやうな気がする。前はKWIC形式で結果表示してくれないと不満だったが、それも翻訳には必要ないやうにも思へる。ただ、検索語は色を変へたり太くしたりして強調したい。「時と神々」全文検索用データベース準備を少しだけ。


7月14日(水)

 『ペガーナの神々』の検索結果の文章が途中で途切れてゐるものがあるのに気づいて修正。本文を入れる項を"tinytext"にしてゐたので、入りきらなかったのだ。急いで修正。しかし、検索にどうしてこんなに心惹かれるのだらう。といふことで、「時と神々」もデータベース化しようと着手するが、まあ、今日は間に合はない。
 ところで、かうなるとちょっと公表してみたくなるのだが、Gutenbergで公開されてゐるテキストだから公表自体に問題はなからうか。ならば、自宅サーバ化か。少し検討してみようか。

 もう少し註文しさうになった本: 小林作都子『そのバイト語はやめなさい』(日本経済新聞社/1260円)[amazon.co.jp, bk1]である。「バイト語は、ビジネス語を知らない若者が、丁寧な言葉を使おうとして苦し紛れに使っている言葉だ。」といふのはいいのだが、「長年、言葉遣いを教えてきたプロが教える社会人の正しい話し方。なぜそれが適切なのかを、分かりやすく解説する。」といふのがどうも説教臭いので、やめておく。どうして、そんな言葉が使はれるやうになるのかといふ話なら面白いのだが。
 あの「バイト語」も不愉快であるのは確かだ。この頃は、どこに行っても聞きたくない言葉が耳に入ってくるので、どこにも行かず誰にも会ひたくないやうな気分になってくる。あまりいいことではないと思ふのだが。


7月13日(火)

 昨日、聖書検索がうまく動いたので、今日はダンセイニの『ペガーナの神々』の全文検索データベースを作ってみる。もちろん、原文である。Gutenbergのテキストファイルをダウンロードして、総ての段落と総ての文に番号を振る。それぞれの短篇名を各行の頭に附加して、それぞれの項目をタブで区切って、一気にMySQLに流し込む。WWWブラウザからPHPでデータベース検索ができるやうにして出来上がりである。このやうに書くと数行で終はる作業であるが、実際にはかなり手間がかかるのだ。ちゃんと動くことが確認できると感激する。私が操作中に欠落させてしまったのでなければ、『ペガーナの神々』は700にも満たない文で構成されてゐるやうだ。
 調子に乗って、昨晩は「創世記」で試運転だけした聖書を全部MySQLに入れてみる。こちらは、31102行もあるが、予め節番号が付されてゐるので、さほど手間はかからない。これだけの分量があっても、検索はあっといふ間である。MySQLは素晴らしい。試しに、"pestilence"といふ言葉がどこでどのやうに使はれてゐるかを検索してみると、一瞬で、旧約聖書で46箇所、新約聖書で2箇所使はれてゐることが判って、その文が表示される。ちなみに、『ペガーナの神々』では7箇所使はれてゐる。でも、『時と神々』の「人間の復讐」で人間を苦しめたあの〈疫病〉とは違ふやうだ。

 レイ・ジャッケンドフ『心のパターン』[amazon.co.jp, bk1]、やうやく読了。「言語の認知科学入門」といふ副題に相応しい内容である。前にも書いたが、実に判りやすく、文章も読みやすい(結末近くになると翻訳も少々疲れてきたやうで、苦しさうな感じがするのは気のせゐか)。今までばらばらだった智識がすっきり頭の中でまとまったやうな気分になって、すっきりした。尤も、最後の方の、育った言語の違ひは、世界認識に殆ど影響を与へない、なぜなら翻訳といふことが可能なのだから……といふ辺りは納得しがたい。私の感覚では、使用する言語の違ひは世界認識に大きく影響を与へるので、本当の意味での翻訳は不可能に近いやうに思へるのだが。


7月12日(月)

 bk1から、橋本治『上司は思いつきでものを言う』(集英社新書/693円)[amazon.co.jp, bk1]、田中啓文『蹴りたい田中』(ハヤカワ文庫/735円)[amazon.co.jp, bk1]、ロバート・ジョーダン『闘竜戴天4 消えた聖竜士』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫/672円)[amazon.co.jp, bk1]の四冊が届く。今日は眠いので読めない。

 聖書を検索したいので、試しに「創世記」をMySQLに一行づつ入力する。聖書は節番号が全部振ってあるから、簡単である。いや、簡単とは云ってもそれなりに操作はしなければならない。何度か試してSQLのデータに入ったので、phpでhtml文書を介して検索できるやうにする。これも比較的すぐに検索画面と結果出力画面が出るやうになった。検索語を色を変へて表示したいがやり方が判らない。創世記で問題なく動くやうだと判ったので、全部データベース化しようとするが、今日は眠いので作業は少しだけ。
 ふと気づいたのだが、そんなことしなくても、The Unbound Bibleで検索すればいいやうな気がしてきた。検索語に色がついてゐるし。


7月11日(日)

 朝から微かな頭痛が。右目の上の方。痛みが酷くならない内にと、ダンセイニの翻訳に取りかかったものの、一向に捗らないので、とりあへず投票に行く。

 頭痛は酷くならないものの、消えることもないので、ちょっとCDでも買ってみる。Zeuthen演奏の無伴奏チェロ組曲である。Amazon.co.jp では見つからなかったので、久しぶりにHMVで。3569円だった。

 昼には頭痛が酷くなってきたので、熱い湯に入って昼寝。四時間ほど眠るとかなり痛みは消え、再度風呂に入って食事をしたらほぼ完全に頭痛は消えた。やはり寝ないと治らない。頭痛も消えたので、ダンセイニの翻訳に戻る。訳しながらいつも感じるのだが、私は今まで本当にダンセイニを読んでゐなかったことがよく判ってしまふ。ダンセイニは軽やかに書いてゐるのに、その一言一言が重く、訳してゐると押し潰されさうな気分になってくる。

 開票速報を見てから、ダンセイニの翻訳に戻って「時と神々」第四話の最後まで進めたら、午前三時になってしまった。私の通常の起床時間まで二時間しかないではないか。やれやれ。


7月10日(土)

 Amazon.co.jp の売り上げ順位に一喜一憂しても意味はないと判ってはゐるものの、やはり気になる。今朝はたうとう『魔法使いとリリス』[amazon.co.jp, bk1]が70000台に落ちて、『怪奇礼讃』よりも本当に下になってしまったと思ってゐたら、なぜか突然5311位に急上昇し、『世界の涯の物語』[amazon.co.jp, bk1]とほぼ並ぶ。昨日までダンセイニは2000台付近をうろうろしてゐたのに。『怪奇礼讃』も8012に浮上。発売まであと二週間なので、よろしくお願ひ致します。

 そのAmazon.co.jp に註文。
○Elizabeth Hand Mortal Love (Morrow, $24.95, July 2004)
一冊のみ。Handの本は何冊か買ったが、一冊も読んでゐない。この本もさういふ運命を辿るのか。19世紀ロンドンが絡んでゐる話らしいとか、バーン=ジョーンズが出てくるみたいたとか(表紙も如何にもバーン=ジョーンズ)といふのでつい。この手の表紙絵にも弱いもので。同じく昨日届いたLocusに紹介が出てゐた、Ian McDonald River of Godsにも心惹かれたが480ページもあるのでやめておく。長い話は苦手なのだ。

 仕事の帰りにXPERT TV-LCD TV BOX(V-STREAM社製)を買ふ。これを使ふとパソコン用モニタでTVが観られるといふ訳だ。先日まで13000円くらゐで売ってゐたのが、今日はどういふ訳か4900円。箱に大きく所謂「ら抜き言葉」で機能が書いてあるものだから、買ふのを躊躇ってゐたのである。4900円なら、「ら抜き言葉」も気がつかなかったことにしてしまはうといふ気になった。
 帰宅して早速接続すると、何とかTVは映るやうになったし、コンピュータからの信号もちゃんと受け取り、本来の機能も果たすことは判った。しかし、TVのチャンネルの設定とか、色調節とかがよく判らない。説明書が掌に乗るやうな大きさのもので、2〜3ページしかないのだ。実に判りにくい。調整が出来てゐないからか、画質は悪い。でも、殆ど観ないから、どうでもいいか。13000円なら怒ってゐたかも知れないが、4900円なら許してもいいかなといふ気になってしまふのである。


7月9日(金)

 今朝は比較的涼しいかなと思ったら、出勤途中で激しい雷雨に襲はれる。膝から下がびしょ濡れになってしまったが、駅についたら小降りになった。もう30分早く家を出てゐれば……などと云ってみても、「後悔を先に立たせて後からみれば、杖をついたり転んだり」といふことで、とりあへずbk1に本を註文。
●恩田陸『夜のピクニック』(新潮社/1680円)[amazon.co.jp, bk1]
●橋本治『上司は思いつきでものを言う』(集英社新書/693円)[amazon.co.jp, bk1]
●田中啓文『蹴りたい田中』(ハヤカワ文庫/735円)[amazon.co.jp, bk1]
●ロバート・ジョーダン『闘竜戴天4 消えた聖竜士』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫/672円)[amazon.co.jp, bk1]
以上四冊。『蹴りたい田中』は実は少し迷ったのだが、後で後悔したりしないやうに註文。『上司は思いつきでものを言う』はついうっかり。

 このページをぼんやりと眺めてゐたら、購入した本の頭に丸がついてゐるのに気がついた。自分でつけたのではあるが。今週は白丸、その前は黒丸だ。これを、和書は黒丸、洋書は白丸にしようと決めた。さうすれば、何となく眺めながら、この頃どれくらゐ本を買ったのかがよく判るだらうし、あとで丸の数を集計すれば何冊本を買ったのかすぐに判るといふ訳だ(関係ないところで丸を使はないやうに気をつけねば)。遡って丸をつけるのは大変だから、七月から、すなはち今年後半からだ。文字コードもUTFにしたことだし、今月から新たな気持ちで書くことにしよう。別に見た感じは変へませんがね。「人生は四十一から」といふ訳でもないが、さうなのかなとも。

 アメリカのSF情報誌Locusの七月号が届く。ジェフリイ・フォードのインタビューが載ってゐる。時間のあるときにきちんと読まねば。来年また短篇集が出るのか。日本では短篇集は出ないのだらうか。


7月8日(木)

 暑さのせゐか疲れがとれないので、Amazon.co.jpに本を註文。
○Nina Kiriki Hoffman A Stir of Bones (Penguin USA, 2003/09/01)
○Nina Kiriki Hoffman A Fistful of Sky (Berkley, 2004/05/25)
○Kim Antieau Coyote Cowgirl (St Martins, 2004/04/01)
 以上三冊。Nina Kiriki Hoffmanのは、前に新刊がAmazon.co.jpに入らなくて、どういふことだと怒ってゐるうちにすっかり忘れてしまひ、気がついたらぺーバーバックになってゐたのではなからうか。Coyote Cowgirlは日曜日に作った買ひものリストに入ってゐたのだが、どうしてこれが欲しくなったのか今となってはもう思ひ出せない。4日間も記憶を保持できないとは、頭が悪いのだらう。さういふ訳で、書店から本が届くときには大抵はどうして註文したのか思ひ出せず、箱を開けるときには何が出てくるだらうかと結構どきどきして楽しい。しかし、何でまたこれが……と首をかしげることもしばしばである。

 ダンセイニの「時と神々」の翻訳はなんとか第三話の最後に辿り着く。苦しい。難しさの他に、私の場合、眠気との戦ひなので、意識が夢の世界へ入って行く前に何行できるかが勝負だ。この頃は、意識が消失していきさうになると素早くキーボードから手を離せるやうになった。変なキーを夢うつつに打つと大変なことになるので。


7月7日(水)

 こちらはUTF-8版なのですが、いつもと同じやうに見えてゐるでせうか。
 何がいいかと云ふと、日本語では「森鷗外」とか「内田百閒」とか表示できるやうになるとか、「『指輪物語』の「王の帰還」はドイツ語では"Die Rückkehr des Königs"といふさうだ」と書いたりできるとか、いろいろ嬉しいことが沢山あるのだ(嬉しくありませんか)。
 いくつかブラウザーを調べてみた。普通の(Aqua)MacOSXで、Mozilla、Safari、Internet Explorerでは問題なく、ただ、iCabのみ文字化けしてしまった(ドイツ語部分は大丈夫)。MacOSXのX11環境Mozillaでも問題なし。TurbolinuxのMozillaも問題なかったが、Konquerorでは駄目だった。フォント設定の問題だらうか。MacOS9.2のNetscape communicator 4.8では駄目(ドイツ語部分は正常)。Windows2000のInternetExplorerでは問題なし。古いMacで読んでゐる人でも、ごく稀に「?」といふ字が途中に出てくるくらゐなので、諦めてください。
 今までこの日記はmiといふエディタで書いてゐたのだけど、これが数日前に書いたやうに、UTF-8対応のファイルは作れるものの、自分ではその文字を全部表示できる訳ではなくて(内部の文字コードがShift-JISだといふのは、さういふことなのか)、上の三行も、うまく表示できないのだ。「閒」といふ字はコピー&ペーストもできない。ちょっと困ってゐる。

 困りながらも、Amazon.co.jpに本を註文。今日は、Year's Best Fantasy and Horror 17th Annual Collection (St Martins Pr, 3352円, 2004/08/01)一冊のみ。ハードカバー版の方を買ってしまった。もしもコピーを取らねばならなくなったりすると、ペーパーバック版は背が割れてしまひ、その姿が痛々しいのである。値段が倍もするのが問題だが。

 Amazon.co.jpにもう一冊。ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』(柳下毅一郎訳/2520円/国書刊行会)を予約。これは〈未来の文学〉全五巻の第一回配本である。次回はイアン・ワトスンの『エンベディング』である。実は私は特にこれを楽しみにしてゐるのだ。言語学SFだから。原書まで買ったくらゐなのだが、白状すると難しさうで全然読んでゐなかったのだ。翻訳が出てよかった。

 職場のPowerMac G5には、『Mac OS X v10.3 Pantherで使おうUNIX』[amazon.co.jp, bk1]を見ながら、TeX関係のアプリケーションと、CocoonTomcatをインストール。何だか全く判ってゐないのだが、とにかく動くやうにしてみた。試してゐるうちに判ってくる(こともある)。


7月6日(火)

 bk1から、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『時の町の伝説』[amazon.co.jp, bk1]、『正規表現ケーススタディブック』[amazon.co.jp, bk1]、『入門XML』[amazon.co.jp, bk1]、『Mac OS X v10.3 Pantherで使おうUNIX』[amazon.co.jp, bk1]が届く。
 正規表現の本は判りやすさう。かういふ本をもっと早く買っておけばよかった。XMLの本は難しさう。Panther-UNIXの本がちゃうどいいかも。今回は、TeXとCocoon-XMLの辺りを中心に読まうかと思ってゐる。

 LAN上のndtpdを検知して辞書を使ふのには、oDictionaryでなくても、ndtpdを作ったのと同じ人が管理してゐるBookViewをインストールすればいいのではないかと気づいて、早速ダウロードした。MacOSXでも難なくconfigure→make→make_installと進んで喜んだのだが、文字が化けてしまってゐる。検索結果は一応ちゃんと表示されてゐるものの、日本語の文字は異常に汚い。どうすればいいのか、私には判らないので諦める。

 久しぶりにAmazon.co.jpに本を註文。あまり本を買はないと躰に悪いやうな気がして。
○Claire Delacroix, Lynn Kurland, Patricia A. McKillip, Sharon Shinn To Weave a Web of Magic (Berkley, 2004/07/01)
○Sean Stewart Perfect Circle (Scb Distributors, 2004/07/01)
○Sharon Shinn The Safe-Keeper's Secret (Penguin USA, 2004/05/11)
 久しぶりなので、控へ目に三冊だけ。実はNina Kiriki Hoffmanの本を註文するのを忘れただけなのだが。


7月5日(月)

 東京創元社の近刊案内を見たら、『怪奇礼讃』が消えてゐる! まさか、発売中止か。もしかして、政権を批判した部分があって発禁処分になったのかとさまざまな思ひが頭を駆け巡ったのだが、新刊案内の方に移動したのだった。吃驚した。といふ訳で、ここで表紙が見られます。う、この表紙、ちょっと怖いんですけど(って、当たり前か、怪奇礼讃なんだから)。

 Amazon.co.jpから、長谷川陽子演奏の無伴奏チェロ組曲が届く。まだ、第一番を聴いただけだが、いい感じなのでこれからじっくり聴いてみよう。素直なのに退屈でない。じっくり聴かうといふ気になる演奏である。

 昨日書いた「X11環境でBluefishを使ってhtml文書を書くとUTF-8でコードされ、しかも、ヒラギノフォントが使へて、EGBRIDGEが使へるので、ユニコードでないと使へない文字も簡単に入力できる」といふのは間違ってゐた。Bluefishで直接文字を入力するときには、「鷗」といきなり入れようとするとエラーが出てしまふのだ。Aqua環境の方で入力しておいた文字列をコピー&ペーストすれば、ちゃんとUTF-8対応のhtmlファイルが作れるといふことだったのだ。しかし、昨日は簡単に入力できたやうな気がするのだが。夢でも見てゐたのか。
 この頁をUTF化する気は急速に失せていってしまった。
 職場の方では、Finkでアップデートしたらgeditが使へなくなってしまった。仕事に支障はないから構はないけど。


7月4日(日)

 娘と一緒に映画館へ行って「ハリー・ポッターとアスガバンの囚人」を観る。本は読んでゐたはづだが、内容をほぼ完璧に忘れてゐる。こんな、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」みたいな話だったか。期待しないで観に行ってゐるので、がっかりもしない。可もなく不可もなく。

 ついPowerMac G4にMySQLphpMyAdminをインストールしてしまふ。また余計な時間を使ってしまった。当然のことながら、PHPApacheの設定も。でも、まだデータベースは空っぽだ。

 インストールや設定をしてゐるときに、どうもよく判らなくなったのだが、MacOSXの日本語の文字コードはUTF-8になったと考へていいのだらうか。でも、設定をUTF-8にするとうまく行かないものもあって、Shift-JISにしておけばいいのかなと思ってゐるのだが、Linuxから持ってきたファイルの中にはEUCになってゐるものもあるのに、当然のやうに表示されてゐたりすると、何がどうなってゐるのかさっぱり判らない。X11でBluefishを使ってhtml文書を書くとUTF-8でコードされるやうである。しかも、ヒラギノフォントが使へて、EGBRIDGEが使へるので、ユニコードでないと使へない文字も簡単に入力できるといふことに今日気がついた。さうやって作ったファイルをMozillaとかSafariで開いてみたら、「摑む」とか、「鷗」とかがちゃんと表示されるではないか。やはり、これからはBluefishでこの頁も書くことにしようか。UTF-8になると、表示できなくて困ったりする人はどれくらゐゐるのだらうか。ブラウザが対応してゐても、フォントが対応してゐないと駄目か。他人のことはよく判らない。

 ダンセイニの翻訳はそんな訳でさっぱり捗らなかったものの、「時と神々」は十分の一を越える。


7月3日(土)

 出勤したら、やはりoDictionaryのことが気になってしまひ、こんなことをしてゐてはいけないのにと思ひながら、ダウンロードしたがどうしてもLAN上のNDTPDサーバに受入れてもらへない。どうやらNDTPDが古いやうだと気がついて、最新版に入れ替へたのがいけなかった。各種設定が若干変はってをり、それを解決するのに二時間ほどとられてしまった。うまく動くやうになったのだが、判ったことは、今の環境ではoDictionaryは遅過ぎるといふことである。同じサーバの辞書検索でもForestで使ふと全然遅くないので、ネットワーク回線の遅さが原因ではないのかも知れない。私にはもう判らないので、とりあへず、考へるのをやめる。
 しかし、辞書のことになると取り憑かれたやうになってしまふのは困ったものだ。

 今月から職場の方で日誌を付けることにした。コンピュータを使った解析が多くなると、ノートに何も書かなくなって、いつ何をしたのか、後でさっぱり判らなくなってしまふのである。何を使って書かうか悩んだ末に、htmlで書いておくのが安全だらうといふ結論にたっしたのだが、書き始めてみると、まるでこの日記そっくりになってしまったのが情けない。
 Bluefishは書きやすいやうな気がする。本欄もBluefishで書かうかとすら思ふ。

 欽定訳聖書のテキストファイルをダウンロードしてきてみる。章番号節番号ごとに一行になったファイルなので、簡単に表計算ソフトやSQLデータベースに取り込めるに違ひない。早速、MySQLで取り込んでみようかと思ったが、我が家のPowerMac G4にはインストールしてゐないことに気がついた。日本語も節番号を振ったファイルがあれば、簡単に日本語からでも英語からでも対応する箇所を検索できるのに。

 そんなことを考へてゐたら、本を買ひたくなってきたので、bk1に註文。
『正規表現ケーススタディブック』[amazon.co.jp, bk1](2310円/毎日コミュニケーションズ)
『入門XML』[amazon.co.jp, bk1](4200円/オライリー・ジャパン)
『Mac OS X v10.3 Pantherで使おうUNIX』[amazon.co.jp, bk1](3570円/毎日コミュニケーションズ)
の三冊。ファンタジイでもない本をまた一万円も買ってしまった。判りもしないくせに。XMLの本は、今日通りかかった書店で手に取ってみたら、MacOSXの画面の絵がたくさんあったから。Panther/UNIXの本も書店で手に取り、買ってみたくなったもの。仕事で使ふので仕方あるまい。

 書き忘れてゐたのだが、2〜3日前にアトリエサードから〈トーキングヘッズ叢書21〉少女×傍若無人をいただいた。今回も何もしてゐないのに、恐れ入ります。何かしたいといふ気持ちはあるものの、次第に私には何もできない特集の割合が増えてきてゐて、どうしようもないのですよ、この頃。


7月2日(金)

 bk1にダイアナ・ウィン・ジョーンズ『時の町の伝説』[amazon.co.jp, bk1](田中薫子訳/1785円/徳間書店)を註文。出てから、少し時間が経ってしまった。

 通勤時間に読んでゐたジェフ・ヌーン『未来少女アリス』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。かういふ話は好きだ。が、何が面白いのか人に説明するのが難しい。

 仕事中に気がついたのだが、X11環境でのEGBRIDGEへの切り替へに、英から日へはShift+Spaceだけでなく、 Command+Spaceでも出来るやうだ。Aquaでの使用法と全く同じである。

 電子辞書サーバの設定に時間を使ってしまった。それでも、MacOSXでndtpdなどの設定ができて、ちゃんと動くやうになる。 ebnetdは辞書がynakanoのホームのパブリックにあると認識できないことが判り (Bad file nameとか云はれる)、/usr/local/share/dictionaries/に入れることにする。 一方、Jammingの設定では/usr以下の場所が見えないから、
/Users/ynakano/Library/Preferences/Jamming/dicpath
をエディタで開いて書き込まねばならない。それでも問題なく使へるといふことは判った(でも、ndtpdを使ふ分には動かさなくてもよかったかも知れない)。
 ebhttpdは電子辞書専用WWWサーバである。これが動いてゐたら便利だらうなと思ったのだが、さうすると同時にApacheは動かないやうなので、残念ながら使へない。
 仕方がないので、今回もForestかなと思ってゐたのだが、もう四年も放置されたままだし、Safariでは外字ファイルが何故か表示できないし、MacOSXでは自動設定スクリプトが動かせない。手動で設定をしていけばいいのだが、面倒臭いなと思ってゐるところにちゃうどいいものが発表された。oDictionaryといふものだ。「あなたのマシンが接続されているLAN上でNDTPDサーバーが稼働していれば、このoDictionary.appだけでCD-ROM書籍の検索ができます。」といふ画期的なもの。早速、我が家のPowerMac G4でndtpdの設定を済ませて起動。今回設定したlocalhostのも、LANで繋がってゐるVine Linuxで動かしてゐるのも、ちゃんと認識して動くではないか。これは便利だ。しかし、MacOSX(およびOpenStep)でしか使へないのが残念。

 わざわざサーバで動かす必要があるのかといふ気もするが、持ってゐる計算機全部に同じ組み合はせの辞書を入れていくのも手間と時間が勿体ないし、ハードディスク容量も勿体ない。いつでも同じ辞書が同じやうに使へれば便利ではないか。辞書のことになると、つい時間を忘れてあれこれ調整してしまったりする。といふ訳で翻訳は全然捗らない。翻訳のための辞書のはづなのに。


7月1日(木)

 Amazon.co.jpで、中野善夫で検索すると出てくる四冊の、売れてゐる順の順位が変はった。『魔法使いとリリス』[amazon.co.jp, bk1]よりも、『怪奇礼讃』の方が上になったのだ。でも、売り上げランキングを見ると、『怪奇礼讃』の方が下である。よく判らない。
 ダンセイニもシャロン・シンも順位はこのところ急低下し始めてゐる。『魔法使いとリリス』[amazon.co.jp, bk1]はもう発売から半年だから止むを得ないのか。『世界の涯の物語』[amazon.co.jp, bk1]は『夢見る人の物語』が出たときに再浮上してもらひたいものだ。

 ところで、Amazon.co.jpで「中野善夫」で検索すると、四冊しか表示されない。同姓同名の作家や翻訳家が一人もゐないといふことだ。そんなに珍しい名前とも思へないのだが。bk1で検索するともう少し出てくる本が多くて、表紙に名前の入ってゐないアンソロジーもちゃんと検索結果に入ってくるのが嬉しい。一番下に全く分野の異なる本が見えると思ふが、あれも同姓同名の別人といふ訳ではない。中野善夫収集家の方はあれも買っておいた方がいいかも知れません(そんな人ゐないか)。


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