九月へ

8月29日(日)

 SFマガジンの小特集解説を書いて送信。どうも颱風がまっすぐ私が住む地域に向かってくるやうなので、明日は暴風雨で、ひょっとしたら停電などといふことになったら、原稿は書けないし送信もできないので、今日のうちに終らせて送信できてよかった。

 昨日から調整を試みてゐるAirMac Express ベースステーション with AirTunesだが、802.11b専用モードにするのはあまり効果がなささう。チャンネルは、1、6、11が干渉を受けにくいといふので、いろいろ変へてみる。6にしたらぶちぶちに途切れるので、11にしてみる。電子レンジを使った途端に途切れた。そこで、1にしてみたら、数時間は大丈夫だったが、突然ふつふつ途切れるやうに。もしかしたら、上の階とか下の階の人が電子レンジか何か使ってゐるのだらうか。

 Amazon.co.jpで、『怪奇礼讃』[amazon.co.jp, bk1]が700位くらゐにまで売り上げ順位が上昇。もう落ちてゐるが。このまま、じわじわ上がっていってくれれば嬉しいのだが。

 私も本を売りたくなって書棚から抜きだしてみたが、20冊くらゐでつらくなって挫折。できない、私にはできないっ! といふのは嘘で、原稿を書く方が先だと思ったから。


8月28日(土)

 bk1に本を註文
●J・K・ローリング『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上・下)』(松岡佑子訳/4000円+税/静山社)[amazon.co.jp, bk1]
●佐藤哲也『熱帯』(1714円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1]
●アイザック・アシモフ『コンプリート・ロボット』(小尾芙佐訳/3600円+税/ソニー・マガジンズ)[amazon.co.jp, bk1]
●石黒マリーローズ『聖書でわかる英語表現』(740円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1]
『生物学が変わる! ポストゲノム時代の原子生物学』(1000円+税/大阪大学出版会)[amazon.co.jp, bk1]
 以上六冊。〈ハリー・ポッター〉はもういいやといふ気分なのだが、娘が一刻も早く読みたいといふので。ロボットのは、先日ハヤカワ文庫のを買ったばかりではあるものの、買っておいた方が安心かなと思って。『聖書でわかる英語表現』は、一体何がどう判るのかさっぱり判らないが、とりあへず註文してみた。最後のは、〈原子生物学〉といふ言葉に狼狽へて、思はず註文してしまった。何なんだ、原子生物学といふのは。生物において、原子がそのまま機能するといふのは考へにくい状況なのだが。分子といふ単位で機能するのではないのか。

 AirMac Express ベースステーション with AirTunesに繋いだスピーカーを使って音楽を聴いてゐると、音が途切れる問題について、アップルTech Info Libraryに情報が掲載されたので、それを読んでチャンネルを替へてみたり、802.11b専用モードにしてみたり(考へてみると今の我が家には11gモードで動く機器はない)した。今のところは、音は途切れてゐない。

『EPWING版 CD-ROM研究社医学英和辞典』(10000円+税/研究社)が六月に出てゐたのに全然気づいてゐなかった。買っておいた方がいいだらうか。一万円か。迷ふところだ。研究社からは『新和英大辞典第5版』のCD-ROMが9月下旬に18000円(+税)で出るといふので、これは買はねば! と思ったのだが、何だ、Windows用ぢゃないか。ちぇ。Jammingで対応してくれないだらうか。さういへば、Jammingは3.7が今日出てゐた(Macintosh版、Windows版両方とも)。


8月27日(金)

 bk1から、ジェフリー・フォード『白い果実』[amazon.co.jp, bk1]が届く。ペーパーバックとは随分雰囲気の変はってゐるやうな気がする。この作品は、山尾文体のやうな雰囲気だっただらうか。よく覚えてゐないが、とにかく読んでみよう。
 訳者あとがきでは、観相学の話など全然解説してくれてゐないが、皆は観相学なんて知ってゐるんだらうか。何度も書くが、私は高山宏『奇想天外・英文学講義』[amazon.co.jp, bk1]を読んで初めて観相学がどういふものなのかが判った。

 古沢さんのところでは大変な事態が進行してゐる。私も蔵書を処分してみたくなる(嘘)。


8月26日(木)

 bk1から『Java+MySQL+Tomcatで始めるサーバーアプリケーション開発入門』[amazon.co.jp, bk1]が届く。面白さうだが、まだ何だかよく判らない。これで私に何ができるだらうか。私がやってみたいのは用例検索である。kwicである。concordanceである。言葉を集めて探して数えて並べる。これだけである。ちなみに、こんなことをしても翻訳はあまりうまくならないと思ふ。

 SFマガジン十月号が届く。ジーン・ウルフ特集である。座談会など興味深く読みながらページを捲ってゐると、書評欄に『怪奇礼讃』[amazon.co.jp, bk1]に好意的な文章を発見する。さういへばジュンク堂書店では在庫4冊になってしまったのだが、補充してくれないのだらうか。7日には残り4冊で補充してくれたのだが。リリスとかドラウグとかは在庫僅少(残り一冊)なのだが。ダンセイニの方もじわじわと在庫が減ってゐる。もっと勢ひがあったらさらに嬉しい。

 忘れるところだったが、仕事から帰る途中で紀伊國屋書店に寄り、Web+DB press Vol. 22[amazon.co.jp, bk1]を買ってしまった。また判らないくせに。PHPやMySQLの記事を読んで何をしようといふのか。もちろん、用例検索である。


8月25日(水)

 昨日は疲れてゐたのと、kwicシステムで気になるところがあってつい余計なことをしてしまって、日記が書けなかった。今日は絶対にPHPの呪文を唱へるのは止めると心に誓ふ。しかし、MySQLのSelect文にorが使へるといふことに今更ながら気づいてしまって、それならかうすりゃあよかったと、また余計なことをしてしまひさうな予感がする。

 Amazon.co.jpからIsabel Glass DAUGHTER OF EXILEが届く。未だにどうしてこれを註文したのかはよく判らない。表紙のせゐだらうか。不思議なので読んでみたくなってきた。

 bk1から発送の聯絡があったのが、ジェフリー・フォード『白い果実』(山尾悠子・金原瑞人・谷垣暁美訳/2625円/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1]である。数日中に届くのか。楽しみである。原書は読んでゐるのだが、やはり楽しみである。そりゃあ、山尾悠子訳だからだ。

 今日、迷った本。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『花の魔法、白のドラゴン』(田中薫子訳/2520円/徳間書店)[amazon.co.jp, bk1]、天沢退二郎『光車よ、まわれ!』(2835円/ブッキング)[amazon.co.jp, bk1]である。ダイアナ・ウィン・ジョーンズは立て続けに本が出てゐるのではないか。今日もbk1から、近刊予約の案内が届いた。もういちいち全部買はなくてもいいかなといふ気分になってきた。天沢退二郎のは、fukkan.comから73年筑摩書房刊の再刊である。迷ってゐる理由は、すでに前に出たのを持ってゐるからである。迷ふまでもないか。


8月23日(月)

 Amazon.co.jpから『シェイクスピア大全』が、bk1から、ガイ・アシュトン&ルー・バーナード『The BNC handbook』[amazon.co.jp, bk1]とエリザベス・ボウエン『あの薔薇を見てよ』[amazon.co.jp, bk1]が届く。

 今日は何といっても『シェイクスピア大全』である。早速インストールしてみると、多数の翻訳の対応する箇所が次々に示される。これは素晴らしい。尤も、原文の用例検索なら私が作ったKwic検索システムの方が速くて便利だと思ふ。一方、『The BNC handbook』は、その三分の二ほどを費やして説明されてゐるSARAといふソフトウェアがWindows用のアプリケーションらしい。なんだ、私には関係ないではないか。

 KWICについては我慢すると云ひながら、少しだけ改良。検索語の右側だけしか並べ替へができなかったのだが、左側の言葉でも並べ替へができるやうにしてみた。今回は、ダンセイニではなく、生物化学関係の論文である。スクリーンショットはこれ。一見、検索語の左側の単語の順に並んでゐるやうだが、よく見るとどうして「in」とか「many」が「of」や「several」の下にあるのだと妙な感じがするかも知れない。実はこれは、後ろから逆に文字を並べて並べかへの基準にしてゐるのである。「fo」よりも「ni」や「ynam」の方が下に来るのだ。普通のKWICの並べ替へとは少々違ふが、私はこれで十分だ。でも、普通の並べ替への方法ももう考へてあるし、検索語の大文字小文字の区別がなくなって検索語に置き変ってしまふのを解決する方法も考へた。しかし、もう少し我慢する。


8月22日(日)

 東京創元社からエドモンド・ハミルトン『キャプテン・フューチャー全集1 恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近!』(野田昌宏訳/1200円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1]をいただく。ありがたうございました。キャプテン・フューチャーといへば、前はハヤカワ文庫SFから出てゐて、若い頃私も読んだ。全部は読んでゐないが、おそらく7割くらゐは読んでゐて、全部持ってはゐるはづだ。キャプテン・フューチャーを日本に紹介した野田昌宏氏の『SF英雄群像』がなかなか手に入らなかったのを憶えてゐる。私がSFを読み始めた頃にはすでに絶版になってゐて、新刊書店では買へず、何年か探して手に入れたやうな気がする(SFマガジンのバックナンバーで読んだ方が先だったか。私がSFマガジンを買ひ始めた頃に連載されてゐたのは「私をSFに狂わせた絵描きたち」だった)。手に入れた頃には、紹介されてゐる作品をだいたい読んでしまってゐたので、見知らぬSFの紹介を読むといふ楽しみは得られなかったが、日本で知られてゐない本を紹介する熱意は存分に味はった。未訳の作品をどれだけ熱意を込めて紹介できるかといふことは、私が生涯をかけて追求したいことなので、SF英雄群像とかSFスキャナー(もう少し後では〈奇想天外〉の「クレイジー・プラネット」とか「BOOKWORM」といふのがあった)といった連載は私の心の故郷なのだ。私はSF雑誌に載ってゐる小説は殆ど読まなかったくせに、この手の連載は繰り返し繰り返し読んだ。暗記してしまひたいと思ふくらゐ読み、掲載されてゐる書影を眼に焼き付けた。キャプテン・フューチャーからは話が逸れてしまったが、そんなことを思ひ出した。

 MacOSXでまた余計なことをしてしまった。Forestが使へたのだから、let me see...だって使へるのではなからうかと思って、試してしまったのがいけなかった。結局使へるやうにはなったのだが、一発で使へたのではなく、あれこれ設定を変へたりした末に動くやうになったのであって、それでまた数時間を費やしてしまった。実際に使ふのは殆どJammingなのに。
 ところで、Forestでもlet me see...でも、Safariを使って利用すると外字の表示ができないのだ。どうにかならないものか。

 気分が沈みがちなのはこの頃本の購入量が少ないせゐなのではないかと思って、bk1に本を註文。

『エリアーデ幻想小説全集第1巻』(5040円/作品社)[amazon.co.jp, bk1]
『Java+MySQL+Tomcatで始めるサーバーアプリケーション開発入門』(3444円/ラトルズ)[amazon.co.jp, bk1]

以上二冊。エリアーデは第一巻もまだ買ってゐないことに気がついて(本当は気づいてゐたが)、のろのろしてゐると手に入らなくなってしまひかねないと不安になったから。もう一冊の方は、またこんなのを註文してしまっていいのだらうかといふやうな本。ただ、MacOSXのことも書いてあるといふので。実はTomcatはすでにインストールされてゐたりするのだ。全く使ってゐないけど。

 欽定訳聖書やダンセイニのkwic検索についてはいろいろ思ひついたことはあるのだが、そればかりに時間を取っても仕方がないので我慢してゐる。


8月21日(土)

 bk1に本を註文。

●ガイ・アシュトン&ルー・バーナード『The BNC handbook』(3800円+税/松柏社)[amazon.co.jp, bk1]
●エリザベス・ボウエン『あの薔薇を見てよ』(太田良子訳/2625円/ミネルヴァ書房)[amazon.co.jp, bk1]

 控へ目に二冊。『The BNC handbook』は『コーパス言語学への誘い』といふ副題がついてゐて、「British National Corpus」の利用法が書いてあるらしい。ボウエンは「猫が跳ぶ」のボウエン(「魔性の夫」の方が有名なのか)である。英語で読むと難しい。アンソロジーに一つ入れたかったのだが、英語がどうにも難しくて諦めた。
 『言語と脳』[amazon.co.jp, bk1]と『国語に関する世論調査 平成15年度 情報化社会と言葉遣い』はかなり迷ったが、やめておいた。面白さうではあるのだが。

 MacOSXでForestを使ふ際に、外字ファイルの作成もできるやうになった。KWIC検索システムでのいろいろ思ひついたことがある。しかし、今週末はその辺りは我慢する。絶対にPHPのファイルは開かないと固く心に誓ひ、ダンセイニに心を集中させる。


8月20日(金)

 翻訳の資料として、Harry Batesの短篇をpdf化。

 bk1に本を註文。
●喜国雅彦『本棚探偵の回想』(3150円/双葉社)[amazon.co.jp, bk1]
 予約といふこともあり、今日はこれ一冊。

 MacOSXでForestを使ふ方法を検討してゐたら、あっといふまに数時間。これではいけない。仕事が捗るやうに電子辞書を使ふのに、これでは電子辞書の世話で仕事が進まなくなってしまふ。とにかく、使へるやうにはなった。ただ、外字ファイルの作成だけができない。


8月19日(木)

 スコット・ブラッドフィールドの犬の恋の話を訳し終へ、SFマガジン編集部へ送信。

 Kwicは相変らず頭から離れず、職場のPowerMac G5で、文献データベース兼用例検索システムを作ってみる。なかなか便利なものになったやうな気がする。さらに、日本語でも同様の方法が使へるだらうかと試してみるが、どうも難しい。日本語のKWICについて思ひ悩む今日この頃である。

 そんなことを考へてゐたら、眠くて倒れさうになったので、もう寝る。


8月18日(水)

 私は森山さんのところで知ったのだが、 Amazon.co.jpが先日大量に送り付けてきたギフト券は当初は使へなかったのに、なんと今はいつの間にか使へるやうになってゐるらしい。幸い、一番最初のメールは捨ててなかったので、早速試してみた。といふことで、CD-ROM『シェイクスピア大全』を註文するときに、番号を入力したら、ちゃんと使へた。どうしてAmazon.co.jpは通知してこないんだ。
 とにかく、このCD-ROMには、全戯曲37編の原文に加へて、40の翻訳の比較ができるといふのが驚きである。原文の検索は自分で作った方がいいかなと、この頃KWICに取り憑かれた私は感じてゐるが、いろいろ楽しさうである。あまり安くないので、なかなか買へなかったのだ。


8月17日(火)

 この日記を読んでゐる人はほとんど関心がないのではないかといふ怖れを抱きつつも、私の頭の中はkwicでいっぱいである。検索語の隣の語でソートする方法ばかり考へてゐる。さうしたら思ひついた。PHPで表を作って操作しようとか、そんな難しいことをするのはやめよう。その都度SQLテーブルを作ればいいではないか。まづは一番簡単な、「検索語の次の語で並べかへる」といふので試してみることにした。四時間ほど試行錯誤したら、できた。記念のスクリーンショットはこれだ。『ペガーナの神々』の原文から「Pegana」といふ語が使はれてゐる箇所を抜き出し、且つ、「Pegana」の次の語のアルファベット順に並べ替へたものである。ちゃんと[a]から[w]そして、コンマへと並んでゐる。しかし、本当は67箇所「Pegana」といふ語が使はれてゐるのに、並べ替へ後には47に減ってゐるのは何故だ? あ、判ったやうな気がする。かういふ問題を一つ一つ解決していくのは大変だ。楽しいからいいのだが。

 やれやれ、食事をするのも、本を註文するのも、翻訳をするのも忘れてゐた。とりあへず、食事はしておいた方がいいだらう。今日はこれで寝ることにする。


8月16日(月)

 Amazon.co.jpに本を註文。
○Isabel Glass DAUGHTER OF EXILE (St. Martins Press, ¥24.95)
である。何なのだらう、この本は。自分の十日ほど前のメモに買へと書いてあるので註文したのだが。400ページもあるファンタジイだ。ロマンスっぽい感じ。読むのか、こんなもの買って。全く判らないが、十日前の自分の指示に従っておく。

 別館に置いた欽定訳聖書全文検索のkwic版を改良。MySQLから引きだしてきた文中の語と検索語の大文字小文字が一致してゐないと、表示がをかしくなるのだ。データベース検索のときには、大文字小文字を区別せず、しかし、explodeで文字列を分割するときには大文字と小文字が区別されるので、そこにない文字列を使って分割しようとすることになり、結局分割がなされないわけだ。そこで、文字列の分割にsplitiを使ふことにした。これだと大文字小文字の区別がないので、分割に関しては問題ないのだが、結果の表示が入力語に置き代はってしまふ。つまり、"in the Book"で検索して、"in the book"と当たったところでも、結果表示では"in the Book"になってしまってゐるといふことである。
 『MySQLクックブック』[amazon.co.jp, bk1]を捲って調べてみると、テキスト検索の例として欽定訳聖書が出てゐた。やはり、さうか。MySQLで全文検索といへば欽定訳聖書だ。誰でも聖書を前にすると検索がしたくなるといふことだらう。全文検索をするといふのは、人の神へ近づきたいといふ気持ちの表れだらうか(違ひます)。だから、人はバベルの塔を作らうとしたのだ(絶対に違ひます。でも、今度SFマガジンに載るラングフォードの短篇はそんな話です)。
 それはさておき、この本を読んでみると大文字と小文字の区別をして検索するのは可能であるやうだ。「文字列を比較する時のケースセンシティブの管理」あたりに書いてありさう。しかし、この本の文章は読みにくい。そもそも「ケースセンシティブ」なんて片仮名で書いて通じる時代なのか。UNIXの人なんかは当然なのか。ケースセンシティブに何の迷ひも抱かないにしても、「それらのうちの一つがそうであるかぎり、比較処理はケースセンシティブになるでしょう」などといふ文に出くはすと、「どれのうちの一つがどうなんだっ」と暴れだしさうな気分になる。もっと判りやすい本はないものか。


8月15日(日)

 SFマガジンのもう一つの犬の話をほぼ訳し終へる。まだ言葉を決めかねてゐるところがあるので、数日考へなほしてから送信することにしよう。締切りは一週間先だから。

 昨日別館に置いてみた欽定訳聖書全文検索のkwic版を作った。kwicとは(もう何度も書いてゐるが)KeyWord In Contextの略で、文脈の中でのキーワード検索なのだけれど、検索語を中央に配置してずらりと結果を並べるといふことになってゐる。これは何年も前からの夢だったので、かなり嬉しい。変な夢だが仕方がない。残念ながら、検索語の直後の語だとか、直前の語、あるいは二つ先の言葉などで並べ替へができたらいいのだが、そこまで私の技が届いてゐない。それでも、自分が選んだテクストの中でどんな言葉がどのやうに使はれてゐるのか調べられるのだから、嬉しくならないはづがない(嬉しくなりませんか、皆さんは)。日本語でもできるはづだから、『明治の文豪』全作品kwic検索を作りたいものだ。私は明治の人にも通じる日本語を目指してゐるのだ(おそらく無理だらうが)。

 この検索は、昨晩突然できるやうな気がしてきたのだった。前からどうするのがいちばんいいかは何となく思ひ巡らしてきたのだが、何故か昨晩は確信に近いものになった。今朝、起きると一番にPHPの解説書を手に取って、テキスト関連の関数を眺め、関連ありさうなものを抜き出し、しばらく睨んでゐたら、できた。不思議なこともあるものだ。いつの日か、検索語の後ろの語でソートする方法も「できる」と思ふときがくるのだらうか。

 その検索を実際にするのは我が家のサーバなのだが、今日は随分ワームからの呼び出しがあるのを確認した。これでは、見に来てくれた人よりワームの方が多いではないか。困ったものだ。直接的な害はないやうだが、余計な負荷がかかって、動きが重くなったりすることもあるらしい。

 この中にあるのに外に開いてゐるサーバの仕組みはどうもよく判らない。中からは繋がらないはづなのに、繋がるところがあったり、どうもよく判らない奴は自宅サーバなど持ってはいけないのかも知れないが、自分で動かしてみないことには判るか判らないのかも判らない。

 しばらく前からスピーカーを繋いで調子よく使ってゐたAirMac Expressだが、バッハのチェンバロ曲を聴いてゐたら、音が飛ぶのだ。不愉快になってオルガン曲を聴いてゐると、また飛ぶ。今までそんなことはなかったのにどういふことだらうか。よく考へてみると、これまでほとんどチェロ曲しか聴いてゐなかったやうな気がしてきた。そこで、無伴奏チェロ組曲(ヨーヨー・マ)にしてみると、音は飛ばない。AirMac Expressはチェンバロよりもチェロが好きなのか。私もさうだが、チェロだけでは嫌だ。たまにはオルガンやチェンバロも聴かせてくれ。


8月14日(土)

 世間がお休みみたいなので、私も今日は出勤しないことにして、部屋の掃除や片づけなど。その後、翻訳。デイヴィッド・ラングフォードの無限図書館の話、ボルヘスの「バベルの図書館」のパスティーシュだといふ作品である。考へてみると「バベルの図書館」を読んでゐないと判りづらいのだが、図書館の仕組み自体は、猿にタイプライターを打たせて時間を無制限に与へればいつかはシェイクスピアを書くときが来るだらうといふ話だから、さっぱり訳が判らないといふこともないだらう(この猿とタイプライターとシェイクスピアの話を知らないといふ方は、「猿」「タイプライター」「シェイクスピア」で検索すれば見つけられると思ひます)。訳し終へてSFマガジン編集部へ送信。

 先日からあれこれ試してゐる欽定訳聖書全文検索の話を別館の方に書いてみる。明日は本館の世界のオンライン書店のページを久しぶりに修正する予定。

 自宅サーバがこんなに簡単に設置できるとは思ってゐなかった。何か面白い使ひ道はないだらうか。今さら、blogなど運用してみる気にもならない。かういふことなら別館は自宅サーバにすればよかった。今からでも引っ越すか。あれでも、月に数百円の使用料を支払ってゐるのだから。


8月13日(金)

 あべさんのところで註文したアメリカ版Fifty-One Tales (1917) がやっと届いた。もう来ないのではないかと思ってゐた。註文したのは6月24日。その日の日記にはイギリス版と書いてあるが、アメリカ版の間違ひだ。このFifty-One Talesは、アメリカ版にはイギリス版にないThe Mistといふ作品が入ってゐて、その代はり、イギリス版の51番目の作品The Poet Speakes with Earthが入ってゐない。理由は知らない。

 『ケルベロス第五の首』[amazon.co.jp, bk1]読了。第三部の途中で、ああ、さうなのかっ、と思った。もう一度読み直すと、全体のつながりが見えてくるらしいのだが、今の私には最初から読み直す元気はない。だから、第二部がどういふ意味を持つのか今一つよく判らないままである。


8月12日(木)

 Amazon.co.jpから、ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』[amazon.co.jp, bk1]と『不死の人』[amazon.co.jp, bk1]が届く。岩波文庫の方は確かに見覚えがあるのだが、自分の書棚で見たのではなかったのだらうか。まあ、本は今手元にあるのだから、そんなことはどうでもいい。早速「バベルの図書館」を熟読する。

 昨日、外からどうしてサーバ機に繋がらないのか不思議で仕方がなかったのですが、単にルータをリブートすればいいだけのことでした。惚けてくるとかういふことが多くて困りますが、昨晩はこれで諦めて寝たので、解決法に気づいてゐたら、今日は寝不足でつらかったでせう。といふ訳で、ドメインも取得して(安っぽい無料のだけど)、これで世界に向かって我が家の中古PCから情報発信できるかと思ふと胸が高鳴るといふものです。早速、用意してゐたファイルを配置して、全世界に向かって四人しか閲覧できないサイトを作りました。共同翻訳作業に使ふものなので、公開する訳にはいかないのです。そのうち、余裕ができたら、全文検索サイトか何か、公開するかも知れませんが。


8月11日(水)

 bk1から、ロバート・ジョーダン『闘竜戴天5 シャダー・ロゴス崩壊』[amazon.co.jp, bk1]、アイザック・アシモフ『われはロボット 決定版』[amazon.co.jp, bk1]、アイザック・アシモフ『ロボットの時代 決定版』[amazon.co.jp, bk1]、イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』[amazon.co.jp, bk1]、伊藤尽『指輪物語エルフ語を読む』[amazon.co.jp, bk1]、サイモン・ウィンチェスター『オックスフォード英語大辞典物語』[amazon.co.jp, bk1]が届く。一番興味があるのはOEDの話。今は時間がないが、なるべく早く読みたいものだ。

 自宅サーバの準備をしてみる。まづはルータの設定で「バーチャル・サーバー』の項を有効にしなければならないのだが、それが設定できない。ファームウェアをバージョンアップしてみる。MacOSXのtftpd機能を見つけるのに時間がかかってしまったが、気がつくと「バーチャル・サーバ」が有効にできるやうになってゐた。そこで、Vine LinuxをインストールしてあるPCのhttpdサーバを外に通した(つもりだった)。次にドメインを取得するわけだが、私は貧乏なので無料ドメインにした。No-IPで登録。次にDiCEを使って自動的にIPアドレスをドメインと対応させるやうに設定。ドメイン名とIPアドレスの対応はできてゐるやうだが、どうも外からサーバ機にアクセスできないやうなのだ。ルータの設定ができてゐないのか。もう判らないので、寝る。


8月10日(火)

 Amazon.co.jpから、The Year's Best Fantasy & Horror Seventeenth Annual Collectionが届く。

 クレジットカードの支払ひ明細をよく見てゐたら、半年以上NTTコミュニケーションズに毎月1600円払ってゐることに気づいたのだが、何の支払ひなのかどうしても判らない。一週間ほど考へてゐたら、もしやと思ふものがあったので、調べてみたらHOTSPOTの契約料金だった。さういへば、そんなものに関心を抱いたことがあったやうなことを思ひだした。しかし、契約までしてゐたとは。早速、解約の手続を。
 ほとんど憶えてゐないやうな契約をしてしまふとは、かなり危ない。そこまで惚けて大丈夫か。大丈夫かと云っても、どうしようもない訳で、私は朽ち果てるまでこの頭でやっていくしかないのである。

 惚けてゐるといへば、昨日は日記を書きながら、プロバイダーのサーバへ転送せずにそのままにして寝てしまった。そこまで惚けて大丈夫か。


8月9日(月)

 Amazon.co.jpから『EPWING版CD-ROM研究社シェイクスピア辞典』が届く。早速試してみると、あまり使ひやすくないやうな気もするが、かういふものなのだから仕方がないか。作品の全文検索などはできない。原文の全文検索なら自分でも用意できるとは思ふ。翻訳の比較一覧まで見ようと思ったら、別のCD-ROMを註文しなければ。金が工面できたら買ふつもりではゐるのだが。

 アメリカのSF情報誌Locus八月号が届く。

 ロンドンの古本屋Fantasy Centreからカタログが届く。今日は眠いので註文できない。


8月8日(日)

 『安心のファシズム』[amazon.co.jp, bk1]読了。自動改札や携帯電話の話が出てくるのは興味深かったが、ちょっと私の関心の方向とは取り上げ方が違ってゐた。全体を通してなるほどと思ふところはそれなりにあった。

 ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』[amazon.co.jp, bk1]を読み始める。傑作だといふ評判なので。第二部の終はりまで進む。

 デイヴィッド・ラングフォードの無限図書館の短篇をひととほり訳してみて、ボルヘスの「バベルの図書館」を読み直して確認しようと思ったら、ボルヘスの本が見当たらない。私はボルヘスの本を持ってゐないのか。「バベルの図書館」も読んだことがなかったのだらうか。よく判らないし、悩んでゐても仕方がないので、Amazon.co.jpに註文。

●ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』(鼓直訳/588円/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●ホルヘ・ルイス・ボルヘス『不死の人』(土岐恒二訳/1019円/白水Uブックス)[amazon.co.jp, bk1]

ボルヘスの本二冊のみ。bk1 はメンテナンス中で註文が出来なかった。


8月7日(土)

 頭が痛い。右眼の上の方。

 胃が痛いと本が買へないが、頭が痛くても本は買へる。bk1に以下の六冊。

●ロバート・ジョーダン『闘竜戴天5 シャダー・ロゴス崩壊』(斉藤伯好訳/640円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]
●アイザック・アシモフ『われはロボット 決定版』(小尾芙佐訳/724円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]
●アイザック・アシモフ『ロボットの時代 決定版』(小尾芙佐訳/700円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]
●イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』(米川良夫訳/800円+税/ハヤカワepi文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●伊藤尽『指輪物語エルフ語を読む』(1400円+税/青春出版社)[amazon.co.jp, bk1]
●サイモン・ウィンチェスター『オックスフォード英語大辞典物語』(苅部恒徳訳/2500円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1]

 アシモフは、決定版と書かれて、そしてこの表紙では註文せずにはゐられない。カルヴィーノは新訳が一篇追加されるといふ話を聞いてゐたのだが、それはできなかったやうだ。残念。でも、買ふ。エルフ語の本、これを読んだらエルフ語の読み書きができるやうになるのか。エルフ語会話といふ本があったらきっと買ふだらう。語る相手はゐないけど。私は日本語でもあまり語りあはないのではあるが。OEDの本は、『博士と狂人』[amazon.co.jp, bk1]を書いたサイモン・ウィンチェスターの著作である。同じ本が別の出版社から邦訳された訳ではなく、この人はもう一回OEDのことが書きたくなったらしいのだ。あの本を書いた著者の本なら、私ももう一回読みたいので註文する。

 今日は北杜夫の『楡家の人々』[amazon.co.jp, bk1]を全文検索データベースに入れてみる。複数のファイルを統合して、エキスパンドブックのタグを除去する訳だが、途中でどうしても文字化けしてしまったり、どうもよく判らない。正規表現の本を捲りながら作業を進める。データベースへ加へ、「やれやれ」を検索してみると、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で20箇所といふのは昨日のとほりで問題ないのだが、『楡家の人々』で出てきた5箇所うち2箇所には「やれやれ」といふ言葉は入ってゐない。なぜだ。はなはだ理解に苦しむので、「はなはだ」と打ち込んで検索してみると、両作品合はせて84箇所が表示されたが、一つも「はなはだ」といふ語は入ってゐないのだ。まったく判らない。今度は「まったく」と入れてみると、結果には「まったく」といふ語が総て入ってゐる。どういふことなのだらうか。

 ジュンク堂書店では『怪奇礼讃』の在庫が残り4冊。補充してくれてもいいんぢゃないでせうか。

 Xcode 1.5が出たのでインストールしてみる。使はないくせに。


8月6日(金)

 胃が痛くて本が買へないので、村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』[amazon.co.jp, bk1]の全文検索を準備してみる。検索結果がどうしても文字化けしてしまふ。よく判らなくなり、最初のテキストの準備から検索結果の表示までEUCに統一しなほしてみたら、文字化けがなくなった。なぜなのだ。全く判らない。この作品の中で、登場人物たちは20回「やれやれ」と云ったり思ったりしてゐる。まったく、やれやれといふ気分である。


8月5日(木)

 胃が痛い。


8月4日(水)

 『夢見る人の物語』[amazon.co.jp, bk1]がbk1で24時間発送になった。

 EBView 0.3.5について、製作者の方から親切な示唆をいただくが、私はMacOSXで動かすことはできなかった。

 あまりに不愉快なことがあると、ダンセイニの文章はさわれない。


8月3日(火)

 bk1『夢見る人の物語』が註文できるやうになってゐます。今は発送可能時間が「1〜3週間」となってゐますが、一両日中にも「24時間発送」になると思ひますので、よろしくお願ひいたします。
 今回もちゃんと買ってもらへますやうにと、またペガーナの神々に祈ってみたりするが、『時と神々』を訳してゐると、どうもあの神々に祈ってもろくなことはないやうな気がしてくる。読むのは楽しいが、祈る相手としては最悪だらう。


8月2日(月)

 『怪奇礼讃』[amazon.co.jp, bk1]はAmazon.co.jpで全然売れてゐませんね。刊行前の方が売れ行きがよかったといふのは一体なんなのでせうか。でも、ジュンク堂書店池袋店では三日で7冊くらゐ売れたやうなので、全然売れてゐないわけでもないやうです。よく判りませんが。

 EBView 0.3.5をMacOSXでも使ひたいのだが、どうしてもエラーが出てしまふので、作ってゐる人にメールを出してみる。前に、辞書を認識してくれないんですといふメールを出したときには丁寧な返事をくれた方なのだが、今回はどうだらう。MacOSX? そんなもののことまで知りゃしないよと云はれてしまふかも。とにかく、これは、一つで辞書の検索、ファイルの検索、インターネットの検索までしてしまふといふものなのだ。

 今日はPowerMac G5でGnome 2.0デスクトップを動かしてみた。ちゃんと動いたが、しかし、私は何をやってゐるんだらうといふ気分になって独り落ち込む。そんな暇はないはづなのに。


8月1日(日)

 bk1から、恩田陸『夜のピクニック』(新潮社/1680円)[amazon.co.jp, bk1]が届く。面白さうだが、もう少し待って貰はねば。

 河出書房から、ロード・ダンセイニ『夢見る人の物語』[amazon.co.jp, bk1]が届く。夏らしい色合ひの表紙である。売れるといいのだが。

 今日も一日SFマガジンのための翻訳。犬が書いたといふことになってゐるメールの文章を訳し続ける。犬の雌がどんな言葉遣ひをするのかよく判らないので苦労するが、その代はり、犬の雌はそんな言葉遣ひはしないと断言する人はゐないと思ふ。
 眠いので今日はこれで。


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