『世界の涯の物語』[amazon.co.jp, bk1]はbk1を始めとして主だったオンライン書店で註文できるやうになった。売れてくれるといいのだが。
何度でも云ふが、これがちゃんと売れれば三冊目以降の刊行の可能性が出てくるのである。もう、どの巻にどの作品を入れるかといふやうなことも凡そのところは決まってゐたりするのだ。ひょっとしたら、ダンセイニ初期短篇全集のやうなことにもなるかも知れないのだ。
Googleなどで検索してみると、『世界の涯ての物語』といふ誤った表記の方が多いことが判る。「涯」で検索しないとオンライン書店で出てこないと思ふので「て」を入れぬやうお願ひ申し上げたい。一方、「涯」を「果て」と書き誤ると18禁の世界に入ってしまふやうなので、それもまたお気をつけを。
ちなみにbk1では、『世界の涯の物語』では、「見つかりません」と云はれてしまふのだ。これはちょっと困ると私は思ふ。『世界の涯(はて)の物語』として検索しないと出てこない。(はて)なんて題名の真ん中に入れて検索する奴は普通ゐないではないか。
鷺沢萠『酒とサイコロの日々』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。本当は酒とサイコロの話を読んでゐる暇はないのだが。
この本に書かれてゐることのかなりの部分が私には理解できない。といふのは、麻雀のことを全然知らないからだ。私は博奕のたぐひは全くしない。賭事は大嫌ひだから……ではない。実は心の底では好きなんぢゃないかと思ってゐるから近寄らないやうにしてゐるのだ。
何かを賭けて不確定な未来に運命を託すといふのには抗い難い魅力がある。でも、私は全くの不確定な未来よりも多少なりとも自分に有利な偏りのある未来の方が好きだ。誰でもさうだと思ふのだが。高校生の頃、学校で毎日トランプをしてゐて、勝負に雀の涙のやうな金額を賭けてゐた。この、雀の涙のやうな額といふのが大事だと私は思ってゐた。まとまった額の金を賭けるといつか問題になるからだ。高校では特に。トランプの話はそのうち書くが、子供の頃から周囲の子供が「間違ひない、賭けてもいい。違ってゐたら百万円払ってもいい!」といふのが大嫌ひだった。お前にそれだけの支払ひ能力があるのかと心の中でいつも毒づいてゐた。ある日、「本当に払ふか?」と訊いてみた。「払ふ!」と答へるから、「現実的に百万円を支払ふ能力があるとは思へないから、千円払へ」と云ったら、なぜか狼狽へたやうな顔で「おお、払はうぢゃないか」とそいつは云った。結局、私のいふとほりになって、千円を払はせた。憎しみに満ちた顔をして、そいつは千円を払った。百万円に比べたら安いものなのに。千円にまけてやったことを感謝すべきではないのか。
もちろん、何の現実性もない、ただの強意の表現である「百万円払ってもいい」といふ言葉から、現実性を持つ千円へと導いた私は中学生の約束事を守らなかった訳で、恨むのは当然である。私もこれは拙いのではないかと思って、次回からは百円にした。しかし、今でも私は言葉通りに実行されることのない約束のやうな表現が大嫌ひである(自分が使ふこともあるけど)。
ところで、鷺沢萠といふ人は「〜を好き」といふ表現をよく使った。私の苦手な語形である。
朝からダンセイニ『夢見る人の物語』(河出文庫/八月刊行予定)のゲラに取り組む。だんだん気が滅入って来る。また胃が痛くなりさうである。
河出書房新社のもうすぐ出る本のページに『世界の涯の物語』の表紙絵が載ってゐた。細かいところが潰れてしまってゐて、シームの素敵な絵がよく見えないのが残念。書店で見かけたら頬擦りして(しなくてもいいけど)三冊くらゐ買ってください。何度も書くけど、もし売れ行きがよかったら、三巻目以降が出るかも知れないのだ。
昨日動けずに取りに行けなかった郵便受けの中にはbk1から届いた鷺沢萠『酒とサイコロの日々』[amazon.co.jp, bk1]と安藤進『Googleに聞け!』[amazon.co.jp, bk1]が入ってゐた。全く期待せずに買った『Googleに聞け!』だが、そんなに悪くはなかった。といふか、思ったよりもよかった。もしかすると、『翻訳に役立つGoogle活用テクニック』(1600円・丸善)[amazon, bk1]よりも翻訳に役立つかも。「英語学習にGoogleを活かそう」と書いてある帯がついてゐるけれど、受験生などは普通の学習参考書で勉強した方がいいだらう。といふことは、前書きの対象読者に高校生なんかは入ってゐないから、本を手に取ってみれば判るのだが、オンラインで註文するときにはなかなか判らなかったりするので不安になってしまふのだ。
スティーヴン・キング『死の舞踏』[amazon.co.jp, bk1](安野玲訳/3780円/バジリコ)をいただく。ありがたうございました。読んでゐるとキングが読みたくなってくる本である。私もこの頃はあまり読んでゐないが、前はスティーヴン・キングを読んでゐたのだ。
bk1から、もう一つ荷物が届いた。コーリイ・フォード『わたしを見かけませんでしたか?』[amazon.co.jp, bk1]と町田康『パンク侍、斬られて候』[amazon.co.jp, bk1]である。ああ、本を読む時間が足りない。
ジョン・バクスター『ある愛書狂の告白』[amazon.co.jp, bk1](笙玲子訳/2940円/晶文社)は、Amazon.co.jpでいつまでも予約受付中だったからまだ出てゐないと思ひこんでゐたのだが、仕事から帰る途中で寄った紀伊國屋書店の店頭に並んでゐるではないか。財布に現金が入ってゐなかったので、帰ってから慌ててbk1に註文した。〈シリーズ愛書・探書・蔵書〉の第二弾(だと思ふ)。
今日は職場の新人歓迎会だが、胃が痛いといふのを理由に(本当にまだ痛いのだ)欠席。宴会は苦手である。
胃が痛くて仕事を休んで一日寝てゐた。本を届けに宅配便が来たのに、受け取りに出ることもできなかった(てっきりbk1からの荷物だと思ってゐたら、不在連絡票に「お荷物は河出書房様から」と書いてあった。這ってでも受け取りに出ればよかった。残念)。夕方には痛みはほぼ消えた。
Amazon.co.jpでロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』(中野・中村・安野・吉村訳/893円/河出文庫)が註文できるやうになってゐた。表紙はまだ載ってゐない。bk1ではまだのやう。売れるといいのだが。
一冊目二冊目がそこそこ売れてくれれば、三冊目以降も出してもいいといふ計画があるのだが、売れなかったら打ちきりなのだ。もっとダンセイニを出して欲しいといふ方には、お一人二冊三冊とお買ひあげいただければ幸いです。
しかし、ダンセイニの翻訳は躰に悪いやうな気がする。
Amazon.co.jpからMining Amazon Web Servicesが届く。ぱらぱらと捲ってみると、これは面白さう。しかし、昼頃から胃が痛くなり始め、夕方にはかなりつらくなってくる。歩けるうちに帰らうと決めて、五時過ぎに職場を出る。
SFマガジン6月号が届く。〈スプロールフィクション特集II〉である。面白さう。読みたいが、しかし、家に着く頃には胃の痛みがひどくなってをり、夕食を食べて(痛くても食べる)、風呂に入って寝る。
憂鬱なので本を買ふ。bk1にコーリイ・フォード『わたしを見かけませんでしたか?』[amazon.co.jp, bk1](浅倉久志訳/735円/ハヤカワepi文庫)と町田康『パンク侍、斬られて候』[amazon.co.jp, bk1](1680円/マガジンハウス)の二冊。
クリストファー・プリースト『奇術師』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。一日本を読んだりしてゐてはならないはづなのに。期待は裏切られなかった。内容は複雑で要約できないが、百年ほど前の奇術師二人の確執が時を越え、あるいは空間を越えて子孫にまで影響を与へる話は、迫力に満ちた物語である。プラチナ・ファンタジイも五冊目だが、かういふしっかりとした作品がそれなりに売れて評価されないと、このやうな企画はやはり駄目だといふことになってしまひかねないので、売れて貰はないと大変困ったことになる。
憂鬱なので書棚を買ふ。その話は別館に書いた。
『コーパスに基づく言語研究』[amazon.co.jp, bk1]がbk1から届く。最初の方は何だかよく判らないのだが、後ろの方にバイオインフォマティクスの話が出てきて驚いた。どうして言語研究の本に? と驚くやうなことでもなく、言語も遺伝子(その他の生命情報)も文字列の検索と解析といふことなので、共通するところがある訳だ。実はこのことには前から気づいてゐて、いつかどこかで記してやらうと密かに心の中で育ててゐたことなのに。残念、さきに云はれてしまった。
早川書房からクリストファー・プリースト『奇術師』[amazon.co.jp, bk1](古沢嘉通訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)が届く。プラチナ・ファンタジイの第五弾。早く読みたい。
その前に読みかけのエドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。全然時代遅れになってゐないのではなく、ほどよく古びてゐるところが心地よい。「風の子供」「帰ってきた男」「翼を持つ男」は、ウィアード・テイルズや同誌の作品ばかり集めたアンソロジーなどを買ひ集めて読んだ記憶がある。もう、20年近く前のことだ。今、読み直してもやはりいいものはいい。
とにかく疲れてゐるので、今日は一日BLASTのインストールなどで過ごしてみる。『バイオ研究が10倍はかどるMac OS X活用マニュアル』[amazon.co.jp, bk1]を片手にいろいろ試してゐると、気がつくとうとうとしてゐたりするのには困った。まづはNCBI-BLASTをダウンロード。MacOSX用のが既に用意されてゐるから、簡単だ。同じところから、WWWBLASTも一式とってきておく。A/G BLASTもダウンロード。PowerMac G5を買ったのだから、これを使はない手はない。あれこれ、ほぼ一日かかってしまふ。PATHがどうしても通らなかったり、設定ファイルの改行コードがいつの間にかMac形式になってゐたり、Linuxのときの設定とほぼ同じなのに少しだけ違ふところに戸惑ふ。一時間くらゐかけて巨大なデータベース(nrといふもの)をダウンロードして、早速検索してみる(といってもそこからまた試行錯誤があるのだが)。さすがに一瞬で検索終了とはいかなかった。残念。1分くらゐかかるやうな気がする。もっと速いコンピュータが欲しい。
それでも、混雑してゐると5分くらゐ結果が返ってくるのにかかるところで調べなくてもいいといふことや、自分でデータベースも作れるので、これはなかなかいいものである。もう一度、BLASTをよく読んでみようか。
さて、こんなことばかりしてゐては科学者の日記になってしまふので、本を註文。bk1に鷺沢萠『酒とサイコロの日々』[amazon.co.jp, bk1](500円/新潮文庫)と安藤進『Googleに聞け!』[amazon.co.jp, bk1]を。『酒とサイコロ』(いつもうっかり『酒と薔薇の日々』と云ってしまひさうになる)は、あんなことがあったから。Googleはまたかといふ感じがするし、何だか本が手元に届いたときに後悔するんぢゃないかといふ予感がするのだが、どうもこの手の本は気がつくと註文してゐるのだ。「検索エンジンのGoogleを「表現辞典」として使いこなせば、英語の疑問・難問が一発で解ける! 英語学習にすぐに役立つアイディアを満載し、Google初心者にもやさしく解説する。」のださうだ。でも、一発で解けないこともある。ダンセイニの翻訳をしてゐたときに、用例を調べようとしたら、ダンセイニの作品しか出てこなかったことが何度もある(といふ話は何度も書いたか)。
あ、この人は『翻訳に役立つGoogle活用テクニック』(1600円・丸善)[amazon, bk1]を書いた人ぢゃないか。こんな本[amazon.co.jp, bk1]も書いてゐるのか。まさか同じやうな内容でもう一冊本を書いたんぢゃないだらうね。
職場の宴会。嫌だ。憂鬱だ。来週の宴会は欠席だ。
EBNETDはインストールはきちんとできてゐるやうに見えるのだが、どうも動かないやうだ。判らない。さっぱり、判らない。Linuxなら簡単に動くのに。
宴会が終はって帰宅すると、8月刊行分のダンセイニのゲラが届いてゐた。ぱらぱらと捲ってみたら、自分の翻訳の情けなさに気が滅入ってしまった。湯に入って寝るしかないだらう、かういふときは。
郵便局に行って、A Dreamers Tales (George Allen & Sons, 1910) を受け取って帰る。これで、前書きや目次(作品名と配列)が確認できる。ただ、それだけのために。
PowerMac G5にいろいろインストールしてみる。辞書を使ふために(サーバとして)まづはEBライブラリをインストール。しかし、失敗。そこで、EasyPackageの助けを借りてみると、今度はインストール成功。続けてEBNETDを普通にインストールしてみる。これも問題なくインストールできた。設定などは明日といふことで。辞書サーバは何となくうまく行くのではないかといふ気分になってきたところで、今度は蓄積したファイルの全文検索を何とかしたくなってきた。しかし、Estraierのコンパイルに失敗する。Linuxならあんなに簡単なのに。疲れたので、帰って寝る。
LibrarianをPowerMac G5で動かすのに少々手間取ってしまった。フォルダの所有者とMySQLの使用者の設定で解決。FinkでX11アプリケーションをアップデートしようとしたら、コンパイルでエラーが出てしまふことが判明し、開発環境を再インストールしたり、アップデータを入れたりしてゐると、いつの間にかエラーが出なくなる。全く訳が判らない。明日はBLASTをインストールしてみるか。といふやうなことを記した〈TOLLE ET LEGE地下実験室〉といふのを作らうと思ってゐたのだが、そんな余裕は全くないことに気がついた。
bk1から、ロバート・ジョーダン『闘竜戴天1 黒アジャ捜索 』[amazon.co.jp, bk1]、北村薫『語り女たち』[amazon.co.jp, bk1]、恩田陸『禁じられた楽園』[amazon.co.jp, bk1]、コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』[amazon.co.jp, bk1]、『Apacheクックブック』[amazon.co.jp, bk1]が届く。まだ、ハミルトンも読んでゐないのに。困った。
帰宅したときに扉を開けると郵便局の不在連絡票が入ってゐた。ダンセイニの初版本が届いたのだ。残念。明日の昼休みに郵便局まで行かねば。
朝起きるとFictionwiseからダウンロードできるやうになってゐたので、早速ファイルをダウンロードする。
職場のPowerMac G5はほぼ最終調整。Apache、PHP、MySQLなどの設定。X11の方のワープロ、スプレッドシートなどのインストール。
Librarianといふ文献整理システムを入れてみる。pdfファイルをMySQLで管理するといふだけなのではあるが。PubMedから情報をとってきて、自分の持ってゐるpdfのファイルと関連づけて登録し、検索が出来るやうにするといふものである。確かに便利なやうな気がするが、すでに2000くらゐのpdfファイルをためこんでゐると登録するだけで大変である。でも、一日5篇を登録すれば一年でほぼ終はるはづだ。やってみようか。
帰宅してから、短篇をいくつか読んで就寝。
朝から短篇をたくさん読む……はづだったのに、本が見つからないとか、ファイルが見つからないとかで全然進まない。そんなわけで、やっとジェフリイ・フォードの"The Empire of Ice Cream"を読んだのだが、これはいい話だ。自分で訳したいくらゐだが、無理かな。
この作品は傑作でよかったのだが、私が探してゐるのはこんないい話ではないのだ。もっと笑へる話を求めてゐるのだ。といふことで、Fictionwiseで短篇を8篇購入。全部で$5.22である。ところが、購入手続を終へてファイルをダウンロードしようとしたら、ファイルがないとかいふ表示が出てダウンロードができないではないか。急いでゐるのに。
苛々するのでAmazon.co.jpにMining Amazon Web Services(2843円・Sybex Inc)を註文。また、よくわからないくせに、かういふものを買ふ。
短篇を探してゐるうちに、ネビュラ賞の受賞作が決まったことを知る。Speed of Darkが長篇部門だ。少し前に読んだばかりではないか。来年始めには邦訳が出る予定だといふ。Novelette部門(長めの短篇)は、さっき読んだばかりの"The Empire of Ice Cream"。Novella部門(中篇とでもいふのか)は既に邦訳のあるニール・ゲイマン『コララインとボタンの魔女』[amazon.co.jp, bk1]が受賞したので、三部門も読んだ作品が受賞してゐる。こんなことは滅多にない。短篇部門のカレン・ジョイ・ファウラーの"What I Didn't See"を読めば全部読んだことになるのか。読んでみようか。いや、そんな暇はないのだが。
朝から出勤してPowerMac G5の世話。作業環境を整へるのに随分時間がかかる(といふのは判ってはゐるのだが)。ソフトウェアをインストールして、使ふファイルをPowerBook G4から移動して、それだけのことなのだが。辞書以外は、MacOSXでの作業環境がほぼ整ったので、Finkをインストールして、X11の方で動くソフトウェアも入れようと思ったが、EMBOSSだけで力尽きる。EMBOSS.kaptnをインストールして、MacOSXのX11でEMBOSSがGUIで立ち上がるところを確認するのみ。しかし、速く動くといふのはこんなに快適なことだったのか。もっと速ければもっと気分がよくなるのか。自宅の方にももっと速いのが欲しいやうな気がしてくるが、普通に文章を書いたり、辞書で調べものをしたり、翻訳をしたりするのは、自分の頭の速さの方が律速になるので(あれ? どうして「律速」が変換されないのだ。と思ったら国語辞典にも載ってゐない。なぜだと思ってGoogleで検索すると沢山出てくる。こんな便利な言葉がどうして一般に使はれないのだと憤るページも見受けられる)、あまり仕事の効率には関係ないかも。
今日は職場でネットワークの工事とやらでインターネットへの接続ができなくなってゐた。そこで、F-accessを使ってメールの送受信をする。携帯電話が役立つこともある。しかし、接続がどうもよくなくて、何度も挿したり抜いたりしてやっと繋がるのだ。不良品だらうか。
速いコンピュータを買ふのはやめておいて、bk1に本を註文。
○ロバート・ジョーダン『闘竜戴天1 黒アジャ捜索 』[amazon.co.jp, bk1](斉藤伯好訳/本体640円/ハヤカワ文庫FT)
○北村薫『語り女たち』[amazon.co.jp, bk1](本体1600円/新潮社)
○恩田陸『禁じられた楽園』[amazon.co.jp, bk1](本体1800円/徳間書店)
○コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』[amazon.co.jp, bk1](大森望訳/本体2800円/早川書房)
○秋元実治『コーパスに基づく言語研究』[amazon.co.jp, bk1](本体3200円/ひつじ書房)
○『Apacheクックブック』[amazon.co.jp, bk1](本体2800円/オライリー・ジャパン)
クックブックは料理の本ではない(といふのは前にも書いた)。今回は読みさうな本が多いところがいい(時間さへあればの話だが)。水野貴明『Web検索エンジンGoogleの謎』[amazon.co.jp, bk1](本体1780円/ソーテック社)はどうしようかと迷ったが、今回はやめておいた。この頃、Googleの本をむやみに買ったし、「知りたいページが必ず上位にランクされるのは、なぜ?」といふ副題を見て「必ずではない!」と思って、どうしても買ってみたいといふ気持ちを押さへることができた。買ふ本が一冊減ってよかった。
DeepMacから内蔵3.5"HDD-Serial ATA/ Maxtor Serial ATA内蔵型HD160GBが届き、二時間ほどしてApple Store for EducationからPowerMac G5が届く。箱から本体を大きさに驚きながら取り出して、早速ハードディスクを増設してから起動する。360GBものハードディスクを用意して何をいれやうといふのだ。画像や動画に全く関心がないといふのに。使用環境を整へようと作業を始めるが全く捗らない。とりあへず、X11 for Mac OS XとXcodeをインストールして、次はFinkかといふところで、夜になったので帰宅。Gimp.app 2.0.0-5をインストールしてみて、すばやくX11が立ち上がってGimpが動くことを確認して帰宅。
今日はさらに一段と気が滅入るやうなことがあり、折角PowerMac G5を買ってもあまり心躍らないのが残念。
エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』[amazon.co.jp, bk1](中村融訳/1995円/河出書房新社)をいただく。ありがたうございました。早速読み始めたと書きたいところなのだが、今週中に読まねばならない仕事があるので、もう少し我慢せねばならない。
bk1から、『言海』[amazon.co.jp, bk1]が届く。1300ページもあって、文庫本なのに2200円(+税)もする。復刻版なので、当然正字に歴史的仮名遣ひ。変体仮名まで使はれてゐるので、読みにくいこと甚だしい。変体仮名はかなり苦手だ。知らない言葉が沢山あるのは嬉しい。まだ、説明文を味はってゐる余裕はないのだが。いづれにしても、一家に一冊備へる必要ありかも。
19インチのモニタが届いた。まだPowerMac G5が届いてゐないので、Turbolinuxの方に繋いでみたら、何も映らなくなってしまった。設定がどうしてもうまくできない。諦めて、元の15インチに戻したら、それでもモニタの設定がうまくできない。いろいろな設定を試したり、再起動をしたりしてゐるうちに、何かの弾みできれいに映るやうになった。今までの妙な画面のちらつきがなくなったのは、かへってよかったとも云へるかもしれない。
bk1から、田中克彦『ことばとは何か』[amazon.co.jp, bk1]と津田大介『ググる』[amazon.co.jp, bk1]が届く。『ググる』は意外にいいことが書いてあった。題名で莫迦にしてはいけなかった。使っている手法は他の本に書いてあることと同じなのだが、総て実例で検索法を紹介してゐるので、どういふ検索法をどう組み合はせればいいのかが、わかりやすい。「企業として気になる楽天の評判を調べる」といふページでは、「楽天 どうよ」で調べるとか。こんなのは私には思ひつきませんでしたね。「どうよ」って私は使はない云ひ方だから。「オークションでも見つからない絶版本を探す」なども、なるほどと思ひました。
Apple Store for Educationに必要な身分証明の書類が、どういふものを作ったらいいのか判らないと人事掛の人が云ふ。買ひものをするために、身分証を作るのは変なので、この人がここに在職してゐますといふ書類を作れないのかと云ってみたのだが、結局、人事掛の人はアップル・コンピュータに問ひあはせてくれたのださうだ。さうしたら、組合員証(所謂健康保険証)でいいと云はれたと知らせてくれた。何だ、さうだったのか。といふことで、帰宅してから早速ファックスで送信すると、一時間後には商品発送のお知らせのメールが来た。偶然だらうか。ファックスを送ったから発送されたのか。よくわからない。
いつの間にか、グレアム・ジョイス『レクイエム』(浅倉久志訳/ハヤカワ文庫FT〈プラチナファンタジイ〉)が註文できるやうになってゐた。
月曜から疲れて憂鬱なので、自棄になってハードディスクを註文してみる。先日は衝動的にPowerMac G5とモニタを買ってしまったのだが、今回は熟慮の末、内蔵3.5"HDD-Serial ATA/ Maxtor Serial ATA内蔵型HD160GBをDeepMacに。MacintoshはDeepMacからと決めてゐたのに、教育関係者割引の魅力とカスタマイズの誘惑に勝てずApple Storeに註文してしまったのだった。
本当は一番安いPowerMac G5ではなく、こんなのが欲しかったりするのだが、ちょっと高くて手が出ない。当たり前だけど。先日、動かし始めたプロテオーム・データベースは、残念ながらMacではないのだった。資金不足で、Macintoshは買へないのだ。
数カ月前まで塵一つない机の上だったのに、今はなぜか本や紙が積み上げられてゐるではないか。これではいけないと思ひ、片づけ始めたが、書類を一掃することはできず、本の山が消えただけ。それでも何もしないよりはいいが。
本の山が消えた机の上で、七月に東京創元社から出る幻想怪奇アンソロジー『怪奇礼讃』のゲラを読む。少しだけ手を入れて明日発送する準備をする。
あ、東京創元社のホームページが一新されてゐる。明るく読みやすくなった。ああっ、近刊案内のページにマイク・アシュリー『SF雑誌の歴史』が載ってゐる。楽しみである。Amazon.co.jpに行ったら、こんなものも見つけてしまった。エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』[amazon.co.jp, bk1](中村融訳/1995円/河出書房新社)も註文できるやうになってゐるではないか。ハミルトンの短篇集といふと、ハヤカワSFシリーズに同名の本があるが、今回のものはそれとは全く別の新しい本である。私はハミルトンの短篇が好きなので(自分で企画を出さうと思ってゐたくらゐである)、楽しみである。
藤原編集室通信〈本棚の中の骸骨〉の注目の新刊を見てゐたら、ダンセイニの"The Little Tales of Smethers"が創元推理文庫から刊行される予定だと出てゐて驚いた。2〜3年前にさういふ話は聞いたのだが、その後、音沙汰がないので中止になったのかなと思ってゐた。本当に出るのか。
その下に、『怪奇礼讃』のことも書いてある。といふことは、『怪奇礼讃』は本当に出るのだらう。
携帯電話で「ゐ」とか「ゑ」とか打つのは可能だった! 単に「い」とか「え」を打って変換していけばよかっただけだった。非常に面倒臭いが可能である。歴史的仮名遣ひなど無理ではないかと云はれてゐたのだが、大丈夫ではないか。現代仮名遣ひが苦手な人にも携帯メールはできるのだ。このことは、沖縄在住の池田さんが教へてくれた。ありがたう。これで、私も携帯メールが使へるやうになる。あまり使はないとは思ふけど。
河出書房新社のもうすぐ出る本の案内のページにダンセイニ『世界の涯の物語』(850円/河出文庫)が載ってゐた。5月8日発売となってゐる。
bk1に本を註文。田中克彦『ことばとは何か』[amazon.co.jp, bk1](756円/ちくま新書)、大槻文彦『言海』[amazon.co.jp, bk1](2310円/ちくま学芸文庫)、津田大介『ググる』[amazon.co.jp, bk1](1344円/毎日コミュニケーションズ)の三冊。
先日がっかりしたことがあったのに、またGoogle関係の変な題名の本を買ってしまった。また落胆するやうなことにならなければいいのだが。『言海』は、あの名高い辞書の復刻版だらうか。これは見逃せまい。復刻版といふことは歴史的仮名遣ひのままなのだらうか。これなら、現代仮名遣ひが苦手な人にも使ひ易いに違ひない(そんな人はゐません)。
恩田陸『不安な童話』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。「生まれかはり」とかいふ話が出てくるので読み始めたときには不安を抱へてゐたのだが、きちんと筋の通った話だったのでよかった。安心して読める恩田陸である。
買ってしまった。憂鬱な気分を晴らさうと思ってApple ComputerのPowerMac G5の説明を読んでゐたら、しばらくすると何故か註文ボタンを押してゐたのだった。Apple Store for Educationで購入。ここなら割引もあるし、自分にとっての要不要に応じて註文内容を変更できる。資金不足のため不要なものはできるだけ削りたい。といふことで、1.6GHz PowerPC G5といふ一番安いPowerMac G5を選ばざるを得なかった。メモリは512MB×4で2GB、ハードディスクは160GB、DVDドライブは基本形よりも規格を落としてDVD-ROM/CD-RWに、モデムは外し、その代はりにBlueToothモジュールとAirMacカードを入れる。キーボードはUS配列である。消費税を含めて247296円である。同じ1.6GHz PowerPC G5のMacをAmazon.co.jpで買ふと、メモリ256MB、ハードディスク120GB、モデム付きで、BlueToothモジュールなし、AirMacカードなし、キーボードはJIS配列で税込みで209790円である。教育に携わる職業であるといふことを証明する書類が必要になると書いてあるので、それを準備しておかねばならないのだらうか。どうやら、書類を出してもらへさうなので、手配しておく。
本体だけではパーソナルコンピュータは使へない。モニタが必要である。接続はDVI接続でないと困るやうなので、BuffaloのFTD-G911ADを〈見てね価格〉に註文。すぐに欲しかったのであまり検討してゐない。送料・税金を含めて65835円。これをAmazon.co.jpで買ふと、マーケットプレイスで79100円である。
こんな買ひものをして大丈夫なのか。それに、買ひものをしても憂鬱な気分は晴れなかった。
Abebooks.com経由で註文したThe Sword of Welleranが届く。アメリカのThe Other Change of Hobbitから買ったのだが、名古屋の古本屋と東京の古本屋のラベルが貼ってある。1951年3月20日に名古屋でこの本を読んだ(購入した?)人の署名がある。イギリスで刊行された本が長い間日本で読まれて所蔵されてゐたのだらう。それが一度アメリカに渡り、今再び日本にやって来たといふ訳だ。
アメリカのSF情報誌Locusの四月号が届く。
娘の中学の入学式に行く。両親揃ってといふところはちらほら見受けられたが、父親だけといふのは私だけかも。昼から出勤。
Speed of Dark読了。随分、時間がかかってしまった。主人公は自閉症で、ある程度の治療が可能な近未来の話で、仕事も持ち、普通に自立した生活はできるが、さうは云ってもときをりは人間関係に困難を感じる。実験的な治療法の可能性が示されて、それを受けようかどうしようかと悩む。自閉症が治るといふことは、世界認識が変はってしまふといふことで、それは別の人間になるといふことであり、今の自分を消去することではないか、しかし、自閉症が治れば生きていくのが楽になるのではなからうかとも思ひ、悩む。主人公は自閉症の人間がパターン認識に優れてゐるといふ特徴を利用した職場に勤めてをり、自閉症の人だけで構成された部門にゐるので、そこでは皆が治療を受けるかどうするかで悩むわけだ。といふことで、主人公は自分で決断するのだが、結末は私は気に入らない。主人公は幸せさうに描かれてゐるが、私は気に入らない。あまりにも悲しいではないか。翻訳が出るといふ噂を聞いたので、詳細は書かないことにしておく。
bk1から、鴨下信一『日本語の呼吸』[amazon.co.jp, bk1]と杉本直己『ナノバイオエンジニアリング』[amazon.co.jp, bk1]が届く。『日本語の呼吸』は私が期待してゐたのとはちょっと違ふものだった。では何を期待してゐたのかねと問はれると自分でもよく判らないのだが、翻訳の文章を組み立てるときにはあまり役立たないやうな気がする。そんなこと期待する方がいけないのだらうが。よく聞く話だが、日本語を話す速度が昔に比べて格段に速くなってゐるといふのは興味深い。もう一冊の『ナノバイオエンジニアリング』は面白い。分子構造が出て来るだけでわくわくしてしまふので、この手の本は何でも面白く感じてしまふのではあるが。わくわくする研究をしたいものだ。
19インチの液晶モニタが欲しいと思ってゐるのだが、どうもこの頃、液晶モニタが少し値上がりしてゐるやうだ。困ったものだ。
福音館書店の母の友五月号に『魔法使いとリリス』[amazon.co.jp, bk1]の紹介が載った。ハヤカワ文庫FT担当の人が教へてくれた。森珪といふ人が「大人の女のためのファンタジー」と紹介してくれてゐる。もっと売れるといいのだが。
F-accessは、充電をして、何度も差したり抜いたり、ボタンを押したりしてゐたら、いつの間にか動くやうになり、無事にMacOSXの設定も終はり、使へるやうになった。本当に携帯電話が線で繋がってゐないのに、PowerBook G4のモデムとして動くのには驚いた。学会出張の前に出来てゐればよかったのに。
ちりめん本って何? と石沢小枝子『ちりめん本のすべて』[amazon.co.jp, bk1](5775円/三弥井書店)といふ題名を見たときに思った。それを知るためにこの本を註文しようかどうしようか随分迷ったけれど、我慢してインターネット上の情報を検索すると「ちりめんページ」にちりめん本が何かが詳しく書いてあるのを見つけた。見れば見るほど欲しくなるが、何とか我慢する。私も買ひたい本を我慢することもあるのだ。
Fantasy Centreからカタログが届く。ぱらぱらと中を見て、見るだけにして註文は我慢する。私も買ひたい本を我慢することもあるのだ。
ダンセイニ短篇集のために初版本を註文。五月刊行分で、序文の有無とか、正確な作品名とかの確認に手間取って大変だったので、八月刊行分については早めに初版本を確保しようといふわけだ。Abebooks.com経由でThe Sword of Welleranが150ドル、A Dreamer's Talesが125ドル。送料を含めて両方で310ドルだ。いいのかこんな買ひものをしてゐて。気が狂ってゐるのではないか。クレジットカードの明細書が届く日が怖い。
日曜日なのでゆっくり起きて先週の新刊書を眺めながら本を註文。bk1に二冊。
鴨下信一『日本語の呼吸』[amazon.co.jp, bk1](1470円/筑摩書房)と杉本直己『ナノバイオエンジニアリング』[amazon.co.jp, bk1](4410円/化学同人)である。「声に出す」ということを活字が好きな私は軽視しがちなのだが、翻訳も声に出したときに滑らかに流れる日本語にしなければならない。といふことで、さういふ意識を強めるために買ってみた。
Speed of Darkを鞄に入れて出勤したのに、そこから出張に出るときに本をロッカーの中に忘れてしまった。惚けてゐるのかも知れない。
学会のシンポジウムで話をするのにPowerBookG4を持っていくのだが、電源ケーブルを忘れないやうにと案内に書いてあったのに持っていくのを忘れてしまった。親切なスライド映写係の人がどこからか借りてきてくれたので助かった。惚けてゐるのかも知れない。
Apple StoreからF-accessが出張に出る前に届いたので早速持っていくことに。しかし、設定がよく判らなくて、結局使へなかった。帰宅してから説明書をよく読んだら簡単なことだった。惚けてゐるのかも知れない。
学会は妙に疲れてぼんやりと空港へ。いつも大阪は伊丹空港を使ってゐるので、何の疑ひもなく伊丹へと向かふが、空港で搭乗手続きをしようとしたら自動手続機が受け付けてくれない。係員に受け付けてくれないんですと訴へて調べてもらってゐる間に、予約画面のプリントアウトを見直したら関西空港と書いてあった。あ、間違へた! と叫んで、係の人の指示に従ひ関空分をキャンセルして福岡行き最終便を新たに購入。しかし、満席で空席待ちになると云はれる。乗れないのかも知れないのかと狼狽へてゐると、空席待ち五人目なら大抵は乗れますと云はれる。ああ、すっかり惚けてゐる。
時間が余ってゐるうへに本を忘れてきたのでまづは空港内の書店へ。疲れてゐるので、軽く読める本がいい。しかし、空港内の書店なので品数は少ない。といふことで、恩田陸『不安な童話』[amazon.co.jp, bk1](540円/新潮文庫)と姫野カオルコ『ブスのくせに!』[amazon.co.jp, bk1](420円/新潮文庫)を購入(今日から消費税込みの値段で表示)。姫野カオルコから読み始める。
飛行機には無事に乗ることができて、本を読み続ける。男女の容姿の美醜のことも面白いが、所謂「ら抜き言葉」や「けっこう」の用法の話も興味深い。福岡空港に着く頃の読み終へ、二冊買っておいてよかったと思った。
話は変はるが、大阪ではエスカレータで右側に立ち、歩く人は左側を進む。大阪や京都は右立ち、東海や関東は逆に追い越しに右側を使ふといふことは有名だと思ふ。北海道や四国のことは知らないが、福岡は東京と同様、左に立って右を追い越す人が歩く。東海道線を西に向かって進んでいくと、大垣から少し西に進んだ辺りで逆になるといふ。大阪を過ぎてもっと西に進むとどこで再逆転するのだらう。
一緒に福岡から学会に参加した人が、うっかり福岡と同じように左側に立ってゐたら、後ろから背中を押されてエスカレータを転げ落ちさうになったと云ってゐた。大阪は怖い街である。