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7月27〜31日


 四日分まとめて。
 週末は再び古い英国幻想怪奇短篇を読む。同じやうなものばかり読んでゐると、だんだん感覚が麻痺してきて、優れた作品なのかどうか判断できなくなってくるのが困る。

 東京創元社からロイス・マクマスター・ビジョルド『ミラー・ダンス(上[amazon.co.jp, bk1]・下[amazon.co.jp, bk1])』(小木曽絢子訳/創元SF文庫/上960円・下640円)を頂く。どうもありがたうございました。

 ニール・スティーヴンスン『クリプトノミコン4』[amazon.co.jp, bk1](中原尚哉訳/ハヤカワ文庫SF/880円)を訳者の中原氏から頂く。どうもありがたうございました。

 Amazon.co.jpにErnest Dowson Verses (1896)/Decorations (1899)を註文。(1896) (1899)といふのは初版発表年であって、私が購入する本の刊行年は、1994年。Woodstock Booksから刊行されたものである。5721円と少々高い。

 AlibrisにJames Hogg The Shepherd's Calendarを註文する。$27.45に送料が$9.95加算される。

 7月30日(水)の夕方のこと。mac.comの受信簿に入ってゐるメールが目の前で次々と消えていった。どこへ行ってしまったんだと慌ててゴミ箱を開けると(私のメールソフトはドイツ語表示なので実際にはGeloeschte E-Mailsと表示されてゐる。もっと正確にはoeはoウムラウトである)、そこには先程まで受信簿にあったメールが並んでゐるではないか。これを受信簿に戻せばいいやと思った瞬間、それもまた次々と消えて、真っ白に。メールソフト(MacOS Xに入ってゐるMailといふ名のアプリケーション)を終了させる。しかし、消えたメールは戻らない。数十の書店の註文確認メールなどが消えてしまった。しばらくすると、自分から発せられたことになってゐるiCardを受信した。もう一通、全然知らない人からのiCard。自分のiMacをウィルス感染検査してみたが、ウィルスは検出されなかった。.macのサーバがおかしいのではないか。しかし、Appleのサイトを見てみても、何も異常は報告されてゐないやうだ。あれは、何だったのか。もしかして、私は誰かに憎まれてゐるのか。身に覚えがないわけでもない。


7月26日(金)


 早川書房からエリザベス・ヘイドン『プロフェシイ 大地の子(上[amazon.co.jp, bk1]・下[amazon.co.jp, bk1])』(岩原明子訳/ハヤカワ文庫FT/各920円)が届く。ありがたうございました。しかし第一巻が出てから随分時間が過ぎてしまったのではないだらうかと少々不安を感じる。

 早川書房からSFマガジン九月号が届く。久しぶりに私の原稿が載ってゐる。Graham Joyceの片仮名表記に少々疑問あり。

 ElephantBooks.comにThomas Burkeの本を三冊註文する。
"Limehouse Nights""Living in Bloomsbury""More Limehouse Nights"で各々$10.00、送料も$10.00。今回は船便。本の詳細を控へておくのを忘れてしまった。

 さういへば13日に註文したLewis Carroll "Alice's Adventure in Wonderland/Through the Looking-Glass" (Bloomsbury Publishing, 2001/10, ¥3456)が昨日届いてゐたのだった。白い箱に二冊収められたなかなか綺麗な本である。


7月25日(木)


 Amazon.co.jpから本が届く。
 以前カバーなしの本が届いて、カバーありのものと替へてくれるといふので送り返してあったデ・ラ・メア短篇集なのだが、一度は、もう入手できないので諦めてくれといふ聯絡があったりして、そんなこと今更云はれてもそれならカバーなしでいいからもう一度送ってくださいよと書いたら少しカバーが汚れてゐるものなら在庫があるがどうしますかと云ふので少しくらゐなら構はないからすぐに送ってくださいと返答して届いたのが、今日のWalter De La Mare, Short Stories 1895-1926 Vol 1である。全然汚れなんかないではないか。カバーの端が切り落とされてゐるが、これのことか。折り返しの部分が二平方センチメートルほど。よく日本の洋書店でハードカバーを手に取るとかうなってゐる。私は問題ないので、これで何の不満もないのだった。随分時間がかかったが、まあ手に入ってよかった。
 もう一冊は、五月の連休明けに予約註文したLisa Goldstein THE ALCHEMIST'S DOOR (Tor Books, 2002, ¥2768)である。ゴールドスタインの本は全部読むことにしてゐるので、早速読むことにしよう。


7月24日(水)


 SFマガジンの原稿を書いて送信。

 再び颱風が近づいてゐる。前の二つは結局何もなかったが、今度は二つ連なってやってくるやうなので、何の影響も受けないといふことはありさうもない。


7月23日(火)


 下らない会議で一日潰れる。帰宅すると、土曜日にbk1に註文した本が届いてゐた。夕食を食べてゐると、再び宅配便が。手作り製本のBookistから製本道具セットが届く。道具を箱から取りだしながら、買ってよかったと思ふ。

 Amazon.co.jpにPhilippa Pearce A Century of Children's Ghost Stories : Tales of Dread and Delight (Oxford University Press, 1997, ¥1616)を註文。


7月22日(月)


 憂鬱なので休み。


7月21日(日)


 朝からSFマガジンの原稿を書く。ほぼ予定枚数に達してしまひ、縮めるのに苦労する。数日寝かせてから送ることにしよう。と書いておくと、編集部の人がこれを読んだら、ああ大体できてゐるのか、数日待てば送られてくるのかと安心してくれるに違ひない。まあ、私が嘘を書いてゐるといふ可能性もあって、一文字も書いてをらず、何を書いたらいいのかもわからず途方に暮れてゐて、原稿ができあがる目処が全くたってゐないのかも知れない。私は基本的に嘘つきなので、さういふ可能性は否定できない。


7月20日(土)


 bk1に本を註文。しまった、自分のブックマークから入店して購入手続を済ませてしまった。

ロバート・ジョーダン『黒竜戦史5 白い塔の使節』[amazon.co.jp, bk1](斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT/620円)
スティーヴン・ミルハウザー『マーティン・ドレスラーの夢』[amazon.co.jp, bk1](柴田元幸訳/白水社/2000円)
スーザン・プライス『エルフギフト(上[amazon.co.jp, bk1]・下[amazon.co.jp, bk1])』(金原瑞人訳/ポプラ社/上1600円・下1500円)
ヴィクトリア・ハンリー『水晶玉と伝説の剣』[amazon.co.jp, bk1](多賀京子訳/徳間書店/2000円)
 プライスとハンリーは児童書なので高い。

 本を造りたくなる。といってもこれは訳書を出版するといふやうな話ではなく、紙を束ねた物としての本を造るといふ意味。今でも造れないこともないのだけれど、道具が足りなくて不便だったので、手作り製本のBookistといふところへ製本道具セットを註文してしまった。27000円は少々高い。七つ屋の製本キットの方が安かったかも。


7月19日(金)


 月曜日にbk1に註文した本が届く。

 有料になった.macに49ドル払って申し込む。腹立たしいが、仕方がない。Mac OS X 10.2も註文する。14800円もするとは腹立たしいが仕方がない。

 日曜日に註文した『祈祷書詩篇・増補改訂版』(聖公会)も届いた。大正五年のものであった。勿論、旧字旧仮名だが、祈りの文句そのものは私が学生時代に耳にしたものと同じである。オリヴァー・オニオンズの作中の司祭の言葉は総てこれに載ってゐて、買ってよかったと思ふ。何でこんな本を買ってしまったのだらうと思ふことの方が多いので、かういふのは貴重な体験だ。


7月18日(木)


 疲れたので一回休み。


7月17日(水)


 夕食後一眠りしてしまひ、中途半端な時間に眼を覚まし、Steve Jobsの話を聴きながら、翻訳など。今日は、Macworld Conference & Expo/New York 2002の日なのだった。早速、iTune3とかQuickTime 6とかをインストールしてみる。.macって99ドルもするのか。豹柄MacOS Xは129ドルもするのか。14800円もするのか。高いではないか。iToolはなくなるのか。49.95ドル払ってアップグレードしなければならないとは。


7月16日(火)


 憂鬱なので一回休み。


7月15日(月)


 零時過ぎにやっと『古今聖歌集』を見つける。探してゐた聖歌も見つかった。安心して寝る。

 『流れよ我が涙、と警官は言った』[amazon.co.jp, bk1]を手に取って出勤。もっと暗いディックを読みたかった。

 娘がシャーロック・ホームズを読みたいといふので、bk1に註文。
 ふと思ったのだけれど、私はbk1やらAmazon.co.jpで誰かが本を買ふときに私のこのページ経由で入っていってくれると、売り上げの一部が私の利益になってゐるのもかかはらず、私は自分が註文するときに誰のページをも経由せずに購入してゐた。なぜなら自分のブラウザのブックマークから入ってしまふからだ。私も知人に利益をもたらさねばと思ひ、いつも本を送ってくれる人のところで買ひものをしようと決めた。いつも私に本を送ってくれて、且つ、ホームページを持ってゐるといふとほぼ一人に絞られるので、その人のところを経由してシャーロック・ホームズを買ふことに決めた。私が買ふ本の量など大したことはないが、ないよりましであらう。
『バスカヴィル家の犬』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/436円)
『シャーロック・ホームズの思い出』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/514円)
『シャーロック・ホームズの冒険』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/552円)
『シャーロック・ホームズの帰還』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/552円)
『シャーロック・ホームズの事件簿』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/476円)
『シャーロック・ホームズの最後の挨拶』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/476円)
『シャーロック・ホームズの叡智』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/438円)
『恐怖の谷』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/438円)
『緋色の研究』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/362円)
『四つの署名』[amazon.co.jp, bk1](延原謙訳/新潮文庫/362円)
八木谷涼子『知って役立つキリスト教大研究』[amazon.co.jp, bk1](新潮文庫/829円)
『国語に関する世論調査 平成13年度』[amazon.co.jp, bk1](財務省印刷局/1360円)
川上弘美『龍宮』[amazon.co.jp, bk1](文藝春秋/1238円)
以上13冊。川上弘美はもう買はないつもりだったのに。気が付いたら註文してゐた(嘘)。

 Fantacy Centreから本が届く。Nugent Barker WRITTEN WITH MY LEFT HAND (Tartarus Press, 2002/7, 27.50ポンド) である。今月と先月の記録を探しても註文したことが書いてゐない。忘れてゐたやうだ。かうやって自分が註文したことを忘れてしまふやうになるのかも知れない。

 先月14日にAlibrisに註文した、
A. J. Alan A. J. Alan's Second Book $17.83
A. J. Alan The Best of A. J. Alan $21.45
Max Beerbohm Dreadful Dragon of Hay Hill $13.69
の三冊が届く。


7月14日(日)


 『暗闇のスキャナー』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へ、気分は沈んだまま浮上して来ない。仕方がないので、『死の迷路』を読んで気分を浮上させようと思って書棚を探したが見つからない。やむなく『流れよ我が涙、と警官は言った』[amazon.co.jp, bk1]を手に取って読み始める。これは、世界はつらいことでいっぱいだが、頑張って生きていかうといふ話だがら、少しは元気が出るだらう。これを読む間に『死の迷路』を註文しておかうと思ってbk1Amazon.co.jpを覗いてみたら、何とこんなに重要な書物が品切れではないか。一体どういふことだ。

 オリヴァー・オニオンズといふ作家の短篇を翻訳してゐたら、聖歌の句が出てきた。英文はネット上で検索したら見つかったのだけれど、日本語訳が見つからない。我が家に古今聖歌集があった筈だと探したが、出てこない。今日は本が見つからない日である。しばらくすると今度は祈りの文句が出てきて、これは国教会の祈祷書に載ってゐる祈りだといふことが、これもまたネット上で検索してわかったが、今回も日本語訳は出てこない。祈祷書は持ってゐないといふことがわかってゐるので、<日本の古本屋>で検索して、『祈祷書詩篇・増補改訂版』(聖公会)といふのを見つけ註文する。3500円である。

 颱風が近づいてゐる。嫌な予感がする。


7月13日(土)


 今日から職場では一泊で旅行に行くといふ企画が催されてをり、当然のことながら、私は今回も「行きたくないから」といふ理由で欠席。そんな暇があったら本を読み、翻訳をする、と云ふ訳だが、『暗闇のスキャナー』[amazon.co.jp, bk1]を読んで気分を沈ませてゐるだけなら、付き合ひで出席した方がいいといふ意見もある。

 朝、職場へ行って些細な用事を済ませた後、床屋へ寄ってから帰宅。床屋では、肩が凝ってゐますねと云はれる。がちがちですね、痛くありませんか、などと云はれる。まあ痛いんですけどねと答へる。さうでせうね、と云はれる。いつも背中や肩、首が痛いのだけれど、さうか肩が凝ってゐたのかと初めて知った。肩や首の痛みが激しくなると、頭も痛くなる。やれやれ。

 肩も凝ってゐることだし、Amazon.co.jpに本を何冊か註文してみる。
野村雅昭『落語の言語学』[amazon.co.jp, bk1](1300円)
上田徳三郎・武井武雄『製本』[amazon.co.jp, bk1](4600円)
風間賢二『きみがアリスで、ぼくがピーター・パンだったころ』[amazon.co.jp, bk1](ナナ・コーポレート・コミュニケーション/1600円)
J・K・ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』[amazon.co.jp, bk1](松岡佑子訳/静山社/3800円)
Lewis Carroll "Alice's Adventure in Wonderland/Through the Looking-Glass" (Bloomsbury Publishing, 2001/10, ¥3456)
  『きみがアリスで、ぼくがピーター・パンだったころ』は題名と表紙が妙に気持ち悪いのだが、中身はなかなか興味深い記述が多いといふ紹介を読んだので、思ひきって註文。『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』はこの頃、娘が読むやうになったので、予約註文。Alice's Adventure in Wonderland/Through the Looking-Glass は、マーヴィン・ピークの挿し絵が目当て。
 今回はギフト券があったこと、洋書の割引があったことなどの理由でbk1ではなく、Amazon.co.jpに註文。


7月12日(金)


 相変らず『暗闇のスキャナー』を手に取って出勤。今日も早く帰って翻訳をして寝る。机の上の本の山二つがまた頭の高さを越えて、三つ目の山が出来始めた。そろそろ片づけなければ。


7月11日(木)


 5月25日に註文したThe Routledge Dictionary of Historical Slang. Abridged by Jacqueline Simpsonが届いた。1914年以前に用ゐられてゐた俗語を50000語も収録してゐる。前にいくら調べてもわからなかったHell and Tommyといふ言葉もちゃんと載ってゐた。


7月10日(水)


 相変らず『暗闇のスキャナー』を手に取って出勤。日に日に気分は重くなる。やはりヤク中の話では気分は晴れないか。

 先月30日に註文したAmazon.co.jpにJeffrey Ford The Fantasy Writer's Assistant and Other Stories (Golden Gryphon Press, 6/2002, ¥2,682)が届く。

 5月30日に註文したThomas Burke The Golden Gong and Other Night-Pieces (Ash-Tree Press, 2001, 5306円)もAmazon.co.jpから届いた。

 Alibrisに先月15日に註文した

50 Great Ghost Stories by Canning, John
Charles Keeping's Book of Classic Ghost Stories
Davy Jones' Haunted Locker: Great Ghost Stories of the Sea by Arthur, Robert
Dread and Delight: a Century of Children's Ghost Stories by Pearce, Philippa
The Ghost Story Omnibus by French, Joseph Lewis
50 Great Horror Stories
が届いた。今回はちょっと外れが多い。読んでみなければわからないが。


7月9日(火)


 憂鬱なのでディックの『暗闇のスキャナー』を手に取って出勤。かういふときはバッハの無伴奏チェロ組曲と決めてゐたのだが、このところの乱用のせゐで効かなくなってきたので、やはりディックに頼ってしまふ。しかし、ディックも二五年に及ぶ長期服用でやはり効果が弱まってゐるかも。それに、『暗闇のスキャナー』はよい選択ではなかったかも知れない。『流れよ我が涙と警官はいった』とか『ユービック』の方が気力恢復には効果的であらう。

 憂鬱なので早めに仕事を終へて帰宅すると、日曜日にbk1に註文した五冊が届いてゐた。『ゲルマン英雄伝説』は、伝説の粗筋を大雑把にまとめただけの本のやうで、がっかり。


7月8日(月)


 憂鬱なので早めに仕事を終へて帰宅すると、SF情報誌LOCUS七月号が届いてゐた。ぼんやりとそのページを捲ってゐると、SFマガジン編集部のS水さんから電話がかかってきた。こんな早く帰ってゐることを驚かれる。後になってから気が付いたのだが、こんなに早く帰ってゐることに驚くといふことは、帰ってゐないと予想してゐたといふことであり、それならばどうして電話をかけてきたのだらうか。前にも昼間に家に電話をかけてくる人がゐて、私は昼間は職場にゐるから家にはゐないことを指摘すると「いやあ、俺だって中野が家にゐないことは知ってるんだ」と答へられてしまったが、それならどうして家に電話をしてきたのだらうか。出版の世界は難しい。で、用件はSFマガジンの原稿、SF Scannerといふ未訳の海外SFやファンタジイを紹介する欄の原稿の書き直しであった。書きなほしは本来よいことではないが、久しぶりなのでちょっと嬉しい。なぜ嬉しいのかといふと、このSF Scannerといふのは誰も読んでゐないページと云はれることもあって、私ももしかしたら自分が書いた文章を読むのは自分だけではないかといふ恐怖に襲はれることがあり、しかしかうして書き直しを求められるといふことは少なくとも編集部の人は一人原稿を読んでくれたといふことだからだ。普通ならそのまま通らない漢字、例へば「些か」とか「纏ふ」とか「齎す」とかを原稿の中で使ってそれがそのまま掲載されるときは、ああやはり誰もこれを読まなかったのかと悲しくなったりしたものである。憂鬱なので、そんなことを思ひだしながら原稿を書き直し、送信。

 その後は、バレイジの短篇の翻訳を進める。ときをり歯が痛むのが気になる。虫歯である。これは恥づかしい。私の職業柄、これは些か恥づかしいのである。厳密にいふとそれほど恥づかしいことでもないのだけれど、職種がさう感じさせるのだが、こんなことをここに書いても何のことだかわかるまい。とにかく早く治療を受けなければ。


7月7日(日)


 今日は一日外出しないといふ決意を固めて、いや別に堅く決意するやうなことでもないが、終日翻訳。娘は昨晩映画を観に行ったといふ事実と、今朝大寝坊をしたといふ事実から、「昨晩映画を観に行ったから寝坊した」といふ結論を導かれてしまひ、もう映画を観に行ってはならないと妻に云ひ渡されてゐた。せめて三回は測定をしてみないとその関連性を云ふことはできないのではないかと指摘してみようかと思ったけれど、やめた。

 翻訳ばかりしてゐると退屈したので、本を註文してみる。bk1に五冊。
ドナルド・A・マッケンジー原著『ゲルマン英雄伝説』[amazon.co.jp, bk1](東浦義雄編訳/東京書籍/2200円)
アルレット・ル・ベイリィ『ルリユール入門』[amazon.co.jp, bk1](貴田庄訳/沖積舎/2233円)
ラフィク・シャミ『夜と朝のあいだの旅』[amazon.co.jp, bk1](池上弘子訳/西村書店/1800円)
ミッシェル・フェイバー『祈りの階段』[amazon.co.jp, bk1](林啓恵訳/アーティストハウス/1700円)
いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』[amazon.co.jp, bk1](講談社/1800円)
 しかし、『ゲルマン英雄伝説』の「原著・編訳」といふのは何だらう。私は今、激しい不安に襲はれてゐる。「四説話を平易に紹介・解説」と書いてあるけれども、「平易に」といふところが気にかかる。もし絵本や漫画だったらどうしよう。この頃は平易と云ふと大抵絵だから。ラフィク・シャミは今回のはあまり面白さうではないのだけれど、ドイツ語作品だから。なぜドイツ語だからなのかは秘密。
 退屈だからってこんなに本を買っていいのか。

 と云ひながらも、翻訳が私にしては結構捗ったので、夜中になってまた本が買ひたくなり、The Advanced Book Exchangeを通してA. J. Alan Good Evening Everyone ($18.26)を註文してしまふ。これに送料が$4.57、さらにABEの手数料が$2.30加はり、計$25.13。捗ったといっても大した枚数ではないので、恥づかしくてここには書けない。


7月6日(土)


 古い幻想怪奇短篇の翻訳に取り組むも、疲れを感じてしまって、いしいひさいちの本で疲れを癒さうとしてしまふ。夕方から娘と一緒に映画館へ行ってスターウォーズ・エピソード2を観る。帝国のテーマ曲(といふのだらうか)が流れてきて、「ああ、さうなんだ」と思ってしまふとことが歳を取ったものだと感じるところ。


7月5日(金)


 疲れたので一回休み。


7月4日(木)


 スティーヴン・ミルハウザーとパトリシア・マキリップ、ロバート・チャールズ・ウィルスンの短篇など読んでみる。ミルハウザー以外は何だかよくわからない。


7月3日(水)


 幻想文学64号が届く。古い短篇の翻訳(共訳)が載ってゐる。翻訳は嬉しい。古い作品が翻訳できるところはあまりないし。


7月2日(火)


 TH叢書17 ゴシック・テイストが届いた。巻頭に半年くらゐ前に書いた私の生意気な文章が載ってゐて、些か恥ずかしい。

 Mac OS XでMicroline 620CLを使ふには、一度OS 9.2でUSB経由でプリンターを認識して印刷しない限りOS Xで印刷はできないことが解った。一度認識と印刷を済ませてしまへば、OS 9.2は終了させてしまっても構はない。今日は、一度認識がうまく出来た後は、エラーを一度も出すことなく使用できた。印刷するのが嬉しくなってしまった。


7月1日(月)


 三日ほど前に註文した本がbk1から届いた。
 佐藤哲也『妻の帝国』[amazon.co.jp, bk1]、アーシュラ・K・ル・グィン『言の葉の樹』[amazon.co.jp, bk1]、テリー・グッドカインド『魔石の伝説3 魔道士の務め』[amazon.co.jp, bk1]、ロバート・ジョーダン『黒竜戦史4 太陽の宮殿』[amazon.co.jp, bk1]、『北村薫の本格ミステリ・ライブラリー』[amazon.co.jp, bk1]、北村薫『謎のギャラリー 謎の部屋』[amazon.co.jp, bk1]、『ダレン・シャン5 バンパイアの試練』[amazon.co.jp, bk1]、『志ん生古典落語3 らくだ』[amazon.co.jp, bk1]の八冊である。

 しかし、もう七月とは。といふことで、今日は冷房の試運転。何と、大きい方の装置が動かないではないか! TVのある部屋はこの夏冷房ができないといふことか(まあ、修理するとか買ひかへるとかすればいいのだが、金がない)。仕方がないので、この夏は机のある部屋に閉じこもって仕事に励むとしよう。


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