4月へ

3月30日(日)

 買った本の記録だけ少し。体調は悪くても本の註文だけはするのだ。仕事はできないけれど。

 bk1に三冊。

 『英和イディオム完全対訳辞典』[amazon.co.jp, bk1](朝日出版社/4800円)
 柳瀬尚紀『辞書を読む愉楽』[amazon.co.jp, bk1](角川選書350/1500円)
 『Windows NT管理効率化ガイド』[amazon.co.jp, bk1](オーム社/3800円)

 また使ひもしない辞書を買ってしまったやうな気がする。でも、目にすると気になってしまふのである。電子辞書以外のものは極力買ふまいと決めてゐるのだが。辞書は調べるもので、読むものではないと思ってゐるのだけれど、やはり辞書と書いてあると気になってしまふ。最後のは、絶対に使ふまいと思ってゐたWindows系のOSの本。判らない、嫌ひ、では済まない状況になってしまったのである。

 これだけ書けば、いつもの日記と変はらない。体調も何も関係ないといふことが判った。


3月27日(水)〜

 体調不良につき、少しばかり日記の更新を休むかも知れません。


3月26日(火)

 一昨日註文した本がbk1から届く。しかし、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック 上[amazon.co.jp, bk1]・下[amazon.co.jp, bk1]』の表紙は、何といふか。私は<夢の文学館>版がいいのだが。いや、私がとやかく云ふこともないか。

 咽喉が痛い。風邪か。


3月24日(月)

 Mike Resnick The Return of Santiagoを読みながら出勤。こんな分厚い本はレズニックでなければ読まないのだが。前のSantiagoとは少々雰囲気が異なってゐる。つまらないとは云はないが、この先どうなるのだらうか。まだ、160ページである。

 Thomas Burkeの翻訳を少しだけ進めてから就寝。今日はもっと捗るはづだったのに。とアメリカ軍の指揮官も思ってゐるかも知れない。


3月23日(日)

 Jammingの最新版をダウンロードしてみると、不完全だったCobuild英語辞典にきちんと対応するやうになってゐた。これで安心してCD-ROMを購入できる。といふことで、Amazon.co.jpCOLLINS COBUILD ON CD-ROM Hybrid(5192円)を購入。今月出た新版である。今度からMacOS対応になったやうだ。でも、Jammingを新しいのにしたら英辞郎が文字化けしてしまって、項目を開かうとすると予期せず終了してしまふので、どうやらインデックスを作り直さねばならないやうだ。

 bk1に本を註文。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法がいっぱい』[amazon.co.jp, bk1](田中薫子・野口絵美共訳/徳間書店/1500円)
 ル=グウィン『アースシーの風』[amazon.co.jp, bk1](清水真砂子訳/岩波書店/1800円)
 チャールズ・パリサー『五輪の薔薇 1』[amazon.co.jp, bk1](甲斐万里江訳/ハヤカワ文庫NV/800円)
 コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック 上[amazon.co.jp, bk1]・下[amazon.co.jp, bk1]』(大森望訳/ハヤカワ文庫SF/各940円)
 ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド 5』[amazon.co.jp, bk1](石塚裕子訳/岩波文庫/700円)

 ウィリスのは当然<夢の文学館>版を持ってゐるけれども、表紙に吃驚して思はず註文してしまった。<夢の文学館>はいい叢書だった。一冊出てゐないけれど。『五輪の薔薇』は買はう買はうと思ひながら買ひ逃してゐた。当分読めさうにないのだが、今買はなくていつ買ふといふのか(って誰も訊いちゃゐないけど)。

 午後から少し暖かくなってきたので、食虫植物の植ゑ替へをする。そのせゐで予定通りThomas Burkeの翻訳が捗らない。このままではいけない。


3月18〜22日

 出張などあって疲れてゐたので、五日ぶりの更新。

 歌舞伎町のマクドナルドでZaurus SL-C700をYahooBB mobileで繋いでみたらインターネットへ接続できた。しかし、字が小さくて使ひづらい。歌舞伎町には二軒マクドナルドがあって、うっかり入った一軒目の店ではYahooBB mobileが使へなかったのだ。続けて二軒もマクドナルドに入ってしまった。FreeSpotHotSpotの動作確認もしたかったけれど、そこまでする元気がなかった。このままでは、電話のかけられない携帯電話のやうなもの(いや、もっと不便なのかも。しかし、携帯電話を持ってゐないので比較は私にはできない)でしかないので、少なくとも辞書は強化したいやうな気がするが、これで原稿書くとは思へないし、どうしようか悩むところである。

 大いに力を入れたい翻訳の企画が大きく進展したので気分をよくして帰って寝る。翌朝はゆっくり起きて、久しぶりに実家の書棚をよく眺めてみて驚いた。黴が生えてゐる。棚と本に。前に大掃除をしてから気が付くと数年たってゐるやうな気がする。油断してゐた。部屋の空気の流れを考慮して書棚の配置を抜本的に考へ直さねばなるまい。しかし、貯蓄が枯渇してゐて、書棚を買ふ余裕がない。早く戦争が終はって世界の株式市場がよい方向へ向かふことを願ふばかりである。

 bk1から本が届く。
 ジョン・ベレアーズ『オペラ座の幽霊』[amazon.co.jp, bk1]、ロバート・ジョーダン『昇竜剣舞4 伝説の異能者』[amazon.co.jp, bk1]、中村保男『英和翻訳の原理・技法』[amazon.co.jp, bk1]、河野一郎『翻訳のおきて』[amazon.co.jp, bk1]の四冊。

 さて、唐突ですが、近々このホームページは引越します。理由は、JustNetがSo-netに統合された(といふより、JustSystemがプロバイダー部門をSo-netに売却した)ためで、ホームページとメールアドレスはあと一年は使へるのだけれども、この頃は時の流れがはやいのでうっかりしてゐると来年四月がいつの間にか今年四月になってゐたり、ぼんやりしてゐると忽ち去年の四月になったりしかねないので、忘れないうちに移動作業を完了させておかうと思った訳である。メールアドレスの方の移行は、ごく少数の人に対してしかこのアドレスを使ってゐないので(一人と云ってもよいであらう)簡単であるが、ホームページの方は少々手間がかかりさう。いつになることか。

 と云ひながらも、数十分後には移行完了。


3月17日(月)

 EGWORD PURE8/EGBRIDGE14が届く。早速インストールしてみた。EGBRIDGEは明らかに軽快になってゐる。ときどき立ち止って考へてゐるやうな挙動がなくなってゐる。その他は特に変はらない。旧仮名に対応したっていふやうなこともない。EGWORD PUREの方は、電子辞書ビューアが付いてゐるといふところに心魅かれる。新英和・和英中辞典と新辞林が最初から入ってゐて、ハードディスク上にコピーしてあるEPWING形式の電子辞書を認識して追加できる。といふことでどんどん追加してしまふのが私の悪いところだ。すると、電子ブック形式のものは全く受け付けないといふこと、『類義語使い分け辞典 EPWING版』は表示が不完全であること、『ジーニアス英和大辞典』は項目名だけは出るが説明を全く表示されないといふことが判った。どうもコトノコと似てゐるので、もしかしてこれもEBライブラリを使ってゐるのだらうか。電子辞書の共有機能には興味を引かれるが、UNIXで動くebHTTPと結局は同じやうなことなのだらうか。
 でも、文書の横に辞書表示欄が出てくるのは便利で、英文テキストをEGWORDに入れて、単語を選ぶだけで英和辞典が表示されるところは嬉しい。縦書き原稿用紙が横に流れないところだけは納得できないので、結局私はLightWayTextJammingで原稿を書くに違ひない。

bk1から、臼田昭司『日本語TEX超入門 pLaTeX2eで文書作成に挑戦』[amazon.co.jp, bk1]が届く。少し中身を覗いてみるが、何だか難しさうだ。

 今日はEBViewで別のアプリケーション上の文字列を選ぶだけで自動的に辞書で調べる機能を会得した(同時に電子ブック版『クラウン独和辞典』は認識できないことも判った)ので、ますます仕事に使へさうな気がしてきた。どうしてこんなにLinuxで原稿が書けるかどうか検証してゐるかといふと、もしも万一いま使ってゐるPowerMac G4が壊れた場合、私にはもう一台PowerMac G4を買ふ金がないからだ。コンピュータが壊れたって仕事をしない訳にはいかないし、まあ多分壊れることはないだらうが、用心深い私はもしもの場合を考へて備へてしまふのである。20万円のPowerMac G4は買へないが、3万円くらゐの素のパソコンなら買へるから。どうして、こんなに金がないのだらう。さうです、いろいろ無駄遣ひをしたからです。


3月16日(日)

 今日は本を買はずに仕事をしようと堅く決意したのだが、もうThe Magazine of Fantasy and Science Fictionの四月号が出てゐるんぢゃないかと思って電子版を定期購読してゐるFictionwiseを覗いたのがいけなかった。四月号はダウンロードしたのだけれど、それだけでなく、ブラウザを終了させたときには他に七つのファイルが増えてゐた。うーん、何故だらう。
 増えてゐたのたのは以下の作品。
Summer Wind by Nancy Kress, $0.69
Gulliver at Home by John Kessel, $0.69
Looking for the Fountain by Robert Silverberg, $1.29
The Distressing Damsel by David Langford, $0.69
Unto the Daughters by Nancy Kress, $0.49
The Poacher by Ursula K. Le Guin, $0.99
The Black Gondolier and Other Stories by Fritz Leiber, $6.99
 ファンタジイ関係の新刊(といってもFictionwiseでの新刊だから、古い作品も多い)はないだらうかと眺めてゐたら、民話や伝説、名作、古典の再話ファンタジイを集めたアンソロジーのやうなものが載ってゐて、買っておかうと思ひ買い物かごに放り込んで会計を済まさうとすると、短篇がいくつも買い物かごに入ってゐる。これは実在する本ではなく、Fictionwiseが勝手に組み合はせただけの架空のアンソロジーだったのだ。上手い手を使ふではないかと感心してしまったが、ならば全部買ふこともないと思って、知らない作家の作品をいくつかかごから消去する。すると、買ひものの額が五ドル以下になってしまって、50セントのクレジットカード手数料を取られることになる。何だか大きな損をするやうな気がして、フリッツ・ライバーの短篇集を追加してしまった。うっかり、<ファファード&グレイマウザー>全巻を買ひさうになってしまったのは我慢する。電子ファイルだといくら買っても場所を取らないといふところがいいのだが、その分、買ってしまったといふ実感といふか後悔の念といふか、さういふものが少ないので買ひすぎてしまいさうな恐怖がある。

 折角ダウンロードしたファイルだから、Zaurus SL-C700で読んでみようと思ふのは当然であらう。早速qpdfといふフリーソフトをインストール。上記の短篇を二つばかりダウンロードして開いてみたが、活字の解像度が低く、凸凹の文字になって全然読めない。大きくすれば読めるが、それでは画面にページのほんの一部しか表示されず、本を読むといふ行為は不可能である。こんなに解像度の高さを売りにする商品なのに、これはなぜだ。かういふことが起こらず、いつでも文字が滑らかに表示されるのがpdfファイルではなかったのか。何か、私の設定の仕方が間違ってゐるのだらうか。解決方法はないかと探してみたら、Zaurusでpdfを読む話題をやりとりしてゐるところを発見。しかし、ドイツ語ではないか。何を云ってゐるのかよく判らない。その中で一人pdftohtmlでhtmlファイルに変換してウェブブラウザで読んだら? なんて云ってゐる奴がゐて、いや実は私も考へました。でも、ファイルがロックされてゐて出来ないと思ふのですよ。どうすればよいのか。

 買ひものばかりしてゐてはよくないと思ひ、トマス・バークの短篇とか、サックス・ローマーの短篇を読んだりする。ローマーのThe Valley of the Justを褒めてゐる文を見つけたので早速読んでみたが、邪な心を持った者は夜明けを迎へられないといふビルマの奥地の密林でおこる出来事の話。つまらない訳ではないのだが。迷ふところである(何が迷ふのかは秘密だ)。


3月15日(土)

 出勤すると早速CD-ROM辞書をRed Hat Linuxで使ってみて読めるかどうか調べてみる。すると『類義語使い分け辞典 EPWING版』だけが駄目だった。コトノコと同様に項目はでてくるが、説明文が一切でてこない。EBViewも同じEBライブラリを使ってゐるのだから当然なのかも知れない。これで『ランダムハウス英語辞典』が使へると嬉しいのだが、Linuxで読めるのはWindows版CD-ROMの情報だけなのだ。

 今、買ってみたいのが『日本語語彙大系』岩波書店)である。6万円だから迷ってゐる。

 さういへばZaurus SL-C700を私は全然使ってゐなかったのだが、これで使へる電子辞書カードが発売されるといふ。国語辞典・英和辞典・和英辞典・カタカナ語辞典・漢字辞典をSDカードに収録したもので、SDカードの容量別に64MB、128MB、256MBの三種がある。辞書の内容は同じで自分が自由に使へる空き容量が違ふだけ。これさへあれば、私はいつでもどこでも原稿が書けるといふことか。いや、書かないだらうが。でも、欲しい。大したことのなささうな辞書だけど、一応見てみたい。私は辞書となるとどうしても欲しくなってしまふのである。中村うさぎがシャネルやらエルメスに逆らへなかったやうに、私は辞書には抗へないのである。その金額は百分の一くらゐだけど。といふことで、kutikomiといふシャープ製品の消耗品専用店で早速最少容量の64MBタイプを註文。送料・税金を含めて9740円。こんな辞書を買ってゐる暇があったら仕事しろといふ気分である。

 仕事をする前にちょっとだけbk1に本を註文。
 ジョン・ベレアーズ『オペラ座の幽霊』[amazon.co.jp, bk1](三辺律子訳/アーティストハウスパブリッシャーズ/1600円)
 ロバート・ジョーダン『昇竜剣舞4 伝説の異能者』[amazon.co.jp, bk1](斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT/640円)
 中村保男『英和翻訳の原理・技法』[amazon.co.jp, bk1](日外アソシエーツ/3800円)
 河野一郎『翻訳のおきて』[amazon.co.jp, bk1](DHC/1500円)
 きっと読まない翻訳の本を買ってしまった。そんな暇があったら翻訳しろよと思ふ。四冊目のは、前から買はうかどうしようか迷ってゐたのだが、題名が気にくはないので買ってゐなかったもの。掟があるのか翻訳に。私は掟に縛られるのが嫌なので、それなら翻訳はやめようかなといふ気になってしまったらどうしようかと怯えてゐるのである。

 今日はもう買ひものはやめておかうと思ったのだが、あと一軒だけ。あと一冊だけ。Amazon.co.jpConjunctions: 39 (Art Pub, 1778円) を。古沢さんのところで知って欲しくなってしまったアンソロジーである。

 数日前に届いた言語四月号の特集は「ヴォイス」である。日本語でヴォイスといへば「〜られる」ぢゃあないか(違ふか)。期待してページを捲り、特に「ラ抜き言葉の歴史的研究」には胸を躍らせながら読んだのだが、何か大したことが書いてゐないやうな気がした。期待しすぎたのがいけなかったのか。特集外では今月は斎藤美奈子が連載エッセイで「空襲」と「空爆」といふ言葉について述べてゐたが、私の記憶では湾岸戦争以前にはほとんど空爆と云ふ言葉は用ゐられてゐなかったのではなからうか。辞書の広告を見てまた欲しくなってきたので慌ててページを閉じる。

 ここで原稿を書き始めればよいのだが、今日はもう疲れたので中村うさぎを読んで寝てしまふのである。


3月14日(金)

 昨日の日記の文、後で読み返したらどうも変だ。日付も入ってゐないぢゃないか。実は、昨日も一昨日に引き続いて書きながら眠ってしまったりしたのである。半分眠りながら何とか書き終へてサーバに送ったわけだが、こんな感じで眠りながら書いたメールを送って大失敗をすることもある。夢うつつで、自分ではまともなことを書いてゐるつもりでも、日本語になってゐない文字が連ねられてゐるだけで、大抵の場合は送信する前に気づくのだけれど、数回だけ実際に送ってしまったことがある。一度は編集者の人に送ってしまった。後で謝罪のメールを出す訳だけれど、これがなかなか恥づかしい。始めに送ったメールが全く日本語になってゐなければ内容も何もなくただ謝ればいいのだが、中途半端に意味が通ったりするとややこしい。好意を抱いてゐる相手だとか、長年の友人が相手だったりすると、これもまた何とも云へない状況に陥ったりする訳だ。まあ、友人がほとんどゐない私だからその危険は少ないが。

 そんなメールを送ってしまった後は、明日から早寝早起きを心掛けますと神に誓ひたくなる気分になるが、私の場合、早起きが過ぎるといふことも多いのであまり早寝早起きは問題解決にはならないのである。

 ところで、さうまでして、こんな本を買ったとかあんな本を註文したとかいふ話を書かねばならないのかといふと、本を買ったら「こんな本を買ったよ〜ん」と自慢しなければつまらない訳で、自慢するやうな本でないのだけれどとりあへずは誰かに云ってみたいのだが、さっきも書いたやうに友達がゐないので、話す相手がゐないからこんなところに書くのである。妻や娘に云っても、「また本買ったの」と冷たい眼で見られるだけだ。

 さて、昨日の親切な方のメールの意味が最初はどうもよく判らなかったのだが、出勤してRed Hat Linuxを睨みつけてゐたら、何となく判ってきた。で、何と電子辞書が使へるやうになったのである。アプリケーション名はEBView。表示も読みやすいし、検索も使ひ勝手がよいし、軽快に動くし、余計な機能がついてゐたりしないし、もう私にとってはほとんど非の打ち所のない電子辞書閲覧ソフトと云ってよいかも知れない。と云ったら大袈裟か。明日は、いろいろな辞書に対応してゐるかどうか調べてみよう。『類義語使い分け辞典 EPWING版』はどうだらうか。

 これで縦書き入力のできるエディタがあれば原稿が書けるのだが、どうしても見つからない。Linuxでは縦書き入力をしたい人はゐないのか。

 今日は厄介な書類仕事を一つ片づけたので、解放感といふか安堵感といふか、『だって、買っちゃったんだもん!』[amazon.co.jp, bk1]を勤務時間中に読んでしまふ。もうしません。もう二度と中村うさぎを読んでえへらえへら笑ったりしません。
 中村うさぎと云へば、北原白秋作詞の「雨降り」の中の子供が「君君この傘さしたまへ」といふが、子供がそんな言葉遣ひをするかねと疑念を表明してゐた。『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』[amazon.co.jp, bk1]を読むと判るやうに、60年くらゐ前の小学生はどうやら使ったのである。少年語から、書生言葉、上司語へと変はってゆく過程が記されてゐる。


3月13日(木)

 Solarisが何とか動くやうになったことに勢ひを得(といってもインストーラがやってくれるのだから、私が何をした訳でもないのに)、Linuxで電子辞書を読めるやうにするといふ集週間前からの野望に着手する(野望といふほどのものでもないが。普通、野望といへば世界征服であらう)。電子辞書が使へるやうになったら、翻訳だってLinuxできるかも知れない。縦書き入力方法はまだ見出してゐないが。などと云ひながらも、結局電子辞書は使へるやうにならない。よささうだと思ってインストールしたものが、訳のわからないエラーがでて動いてくれない。そこで、作者の人にメールを出すと数時間後に丁寧な返事が。ああ、何て親切な人なのだらう。でも、私には何が書いてあるのかよく判りませんでした。ごめんなさい。

 といふ訳で、bk1に本を註文。臼田昭司『日本語TEX超入門 pLaTeX2eで文書作成に挑戦』[amazon.co.jp, bk1](セレンディップ/2800円)である。

 エリザベス・ピーターズ『リチャード三世「殺人」事件』[amazon.co.jp, bk1]読了。面白い。最初のうちは登場人物の名前にいささか混乱したが、後半は調子よく読み進めた。

 さて、電子辞書閲覧ソフトといへばMacintoshではJammingである。Ver3.1が出たといふので早速インストール。何とCollins COBUILDにも対応したといふ。これは画期的である。Collins COBUILDを買へと云はれてゐるやうな気分になる。


3月12日(水)

 『類義語使い分け辞典 EPWING版』Amazon.co.jpから届く。確かに使ひ分けの説明の辞書である。使へるかも知れない。ただ、コトノコでは、説明の文章が表示されないのだ。

 三日前にAmazon.co.jpからに註文した中村うさぎの本四冊が届く。

 うう、眠くてもう書けない。


3月11日(火)

 職場にHewlettPackardのサーバ機とSolarisインストールCDが届いて、早速OSをインストールしてみる。二日前に買った『はじめてのSolaris 8 サーバ構築編』[amazon.co.jp, bk1]を片手に。最初の方にDNSの設定をする箇所があって、本には「後で変更できるからここでは<なし>をとりあえず選んでおいて先に進む」と書いてあるから先に進んだのだが、後でどうやって変更するのかどこを見ても書いていない(ような気がする)。これではネットワークに繋がらないぢゃないか。といふことで、インストールのやり直しで三時間ほど費やしてしまった。さらに、無料でダウンロードできるのではないかと思ったProteinFingerPrint解析ソフトは無料ではなかった。ちょっと変だなとは思ったのだ。45万円で購入せねばなるまい。まあ、私の金ではないから生活には困らないのだが。


3月10日(月)

 東京創元社からE・E・スミス『レンズの子供たち』[amazon.co.jp, bk1](小隅黎訳/創元SF文庫/900円)をいただく。ありがたうございました。

 エリザベス・ピーターズ『リチャード三世「殺人」事件』[amazon.co.jp, bk1](安野玲訳/扶桑社ミステリー/848円)を訳者の安野さんからいただく。ありがたうございました。

 Amazon.co.jpからForrest Aguirre&Jeff Vandermeer編Leviathan 3: Libri Quosdam Ad Scientiam, Alios Ad Insaniam Deduxereが届く。目次を眺めてみると、知らない名前が多い。まあ、いいや。どうせ読まないんだから。

 といふことで、今晩はまづ『リチャード三世「殺人」事件』[amazon.co.jp, bk1]を手に取ってみる。


3月9日(日)

 朝から『不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選』[amazon.co.jp, bk1]を読む。剣と魔法の物語はそのおどろおどろしいところがいいのであって、明るく健全な剣と魔法では面白くも何ともないことは云ふまでもない。勿論、本書に収録されてゐる作品はどれをとっても本来あるべき剣と魔法の物語ばかりだ。やはり何と云ってもダンセイニである。巻頭の「サクノスを除いては破るあたわざる堅砦」は傑作である。心魅かれたのは他にC・L・ムーア「ヘルズガルド城」とジャック・ヴァンス「天界の眼」。

 Amazon.co.jpから一月に註文した『岩波日本語表現辞典』と中村うさぎ『だって、欲しいんだもん!』[amazon.co.jp, bk1]が届く。早速、『岩波日本語表現辞典』を使ってみると、結局これは国語辞典と漢字辞典と類語辞典を同時に調べられますといふだけのものではないだらうか。国語辞典も漢字辞典も持ってゐるのだあまりありがたいものでもない。類語辞典は嬉しいが、単語が並んでゐるだけで、まあ、それらの単語をクリックすると語の説明に移動するやうだが、それでは記憶力の弱い私は数秒前の画面のことなど憶えてゐないから、用法の比較がうまくできない。その場で比較してくれないだらうか。これは『類義語使い分け辞典 EPWING版』(研究社/6400円)と比較してみたくなるのが当然であらう。といふわけでこの本をAmazon.co.jpに註文。

 日曜日だけれど、出勤しなければならない用事があるので出かけたついでに、丸善福岡店に寄って『はじめてのSolaris 8 サーバ構築編』[amazon.co.jp, bk1](秀和システム/2400円)を購入。今度はSolarisである。といふのは、本業の方でペプチドフィンガーマッピングといふ作業をしなければならないような気がしてきて、それには300万円ほどの費用を出せばハード込みでソフトウェアが買へるのだが、それを10万円くらゐで済ます方法はないだらうかと調べてみると、無料のソフトウェアでも何とかなりさうだったけれども、それはMacintoshでは動かず、WindowsNTとSanのOSだけだといふことが判明。私はWindowsは皆目わからないので、Solarisを購入したといふ訳である。まあ、Solarisだってわからないのだが。OSと解説書は私費で購入、7万円のサーバ機とモニタは経費である。しかし、本当に使へるのか、私に。

 帰宅して、さあ翻訳をしようと思ったのだが、ふと気がつくと『だって、欲しいんだもん!』[amazon.co.jp, bk1]を手に取ってゐた。しかも、最後まで読んでしまった。中でも「濁貧の思想」は出色の出来。まったく人間、慾を捨てたらおしまひである。

 中村うさぎの本を読むと労働意欲が急低下するので、本を買ってしまった。しかも、中村うさぎの本ばかり。bk1に註文。
 『だって、買っちゃったんだもん!』[amazon.co.jp, bk1](角川文庫/438円)
 『パリのトイレでシルブプレ〜〜!』[amazon.co.jp, bk1](角川文庫/400円)
 『こんな私でよかったら…』[amazon.co.jp, bk1](角川文庫/476円)
 『うさぎの行きあたりばったり人生』[amazon.co.jp, bk1](角川文庫/648円)
 以上四冊である。たった四冊である。


3月8日(土)

 昨日届いてゐたLocus三月号を見ながら、オンライン書店を訪れてゐると、本を買はうといふ気になって、註文してしまった。でも、今日は一冊だけ、Forrest Aguirre&Jeff Vandermeer編Leviathan 3: Libri Quosdam Ad Scientiam, Alios Ad Insaniam Deduxere(2833円)を。アンソロジーである。

 中村融編『不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選』[amazon.co.jp, bk1](河出文庫/850円)を訳者の中村氏からいただく。ありがたうございました。といふことで、今晩は翻訳は休んで、この本を読むことに。


3月7日(金)

 ちょっと調べてみたのだが、三つモニタを並べることは可能のやうである。ああ、三つ並べたくなってきた。真ん中にApple Cinema HD Display(23インチ)を置いて、両脇に今使ってゐる15インチを並べて仕事をしてみたいものだ。もっと仕事をしなければ。

 ちょっと調べてみたのだが、Linuxでもデュアルモニタはできるやうだ。ああ、二つ並べたくなってきた、といふのは嘘だ。まだ、Linuxで翻訳はしてゐないから。


3月6日(木)

 今日はトマス・バークの作品を電車の中で読まうと思ひ、Zaurus SL-C700にネット上で公開されてゐるファイルをダウンロードして出勤、しようとしたのに、うっかり鞄の中にThe Return of Santiagoを入れてしまった。といふ訳で、Zaurusでどんな感じに読めるのかよく判らなかった。

 帰宅すると、ソフマップからCFカードタイプ無線LANカードとコンパクトフラッシュメモリカード(64MB)が届いてゐた。しかし、我が家では無線LANカードの効力を調べることができない。

 Amazon.co.jpから、 Gregory Norminton The Ship of Fools 、Neil Gaiman Coraline、Jeff VanderMeer City of Saints and Madmenが届く。早く読みたい本が机の上に高く高く積み上げられてゐるので、これらの本を読む日がいつ来るのか予想もできない。そもそも読むのだらうか。

 記憶力が弱まってゐる話は昨日書いたが、今日も続きを書く。
 記憶力の弱さがてきめんに出るのは翻訳のときである。辞書を引いて、訳文に眼を転ずるともう辞書で見た内容を忘れてゐる。といふ訳で、私はデュアルモニタにこだわるのだ。画面上に、原文、訳文、辞書の三つの窓が一度に開いてゐないと、訳しながら原文や辞書の内容を忘れてなかなか先に進まないからだ。ところで、三つモニタを並べることはできないのだらうか。前に調べたことがあるのだが、忘れてしまった。
 勿論、書き上げた原稿の内容もたちまち忘れてしまふ。だから、検索機能を追ひ求める。幅広いファイル形式に対応してゐて、内容全文検索ができるやうにとLinuxまで手を出した。忘れてゐても、内容検索ができれば何とかなる筈だと思ふから。
 註文した本の小包みが届いたときは大抵どうしてその本が欲しくなったのか憶えてゐないし、昨年だか一昨年には自分があるファンタジイ作品の解説を書いたことをすっかり忘れてゐた。まだ、文庫の解説なんて十に満たないといふのに(多分。忘れてゐなければ)。
 そのうち、自分が何の原稿を書いてゐるか、書きながら忘れてしまったりするのだらう。それは、さう遠い未来の話ではないやうな気がする。


3月5日(水)

 bk1から、マーク・C・ベイカー『言語のレシピ---多様性にひそむ普遍性をもとめて』[amazon.co.jp, bk1]、恩田陸『上と外』[amazon.co.jp, bk1]、中村うさぎ『ダメな女と呼んでくれ』[amazon.co.jp, bk1]が届く。
 Amazon.co.jpからは、Eric Sanvoisin The Ink DrinkerA Straw for Two、Ellen Datlow & Terri Windling The Green Man: Tales from the Mythic Forest、Mike Resnick The Return of Santiagoが届く。

 レズニックを今すぐ読みたい、が、読まねばならない本が溜まってゐるし……と思ってゐたら、ふと気付くと中村うさぎを読んでゐた。ああ、この忙しいのに、中村うさぎを読んでしまった。莫迦な話の中にも説教臭く尤もなことが書いてあったりして、説教臭い話が嫌ひな私は普通なら本を投げ捨てるところだが、莫迦らしいところが面白いし、説教臭いところが至極尤もなので、つい読んでしまふといふ訳だ。人間賢く立派に生きなくてもよいのだといふことが繰り返し語られるが、私もさう思ふのである。私も好きなことをして好きなやうに生きて死んでいくのだ。そんなことをして莫迦だと云はれてもいいのだ。あまり云はれないけど。この頃、あまり莫迦なことを莫迦だと云ってもらへないのである。歳をとった証拠である。

 さて、莫迦と云へば、私は記憶力が莫迦ぢゃないかと思ふほど弱い。文章を書いてゐて、この話は別のところに書いた話と関連があるからそのときのファイルを参考にするために開いて読んでみようと思って探しはじめて三秒くらゐすると、自分が何を探してゐたかすっかり忘れてしまって、購入予定本リストのファイルを開いて、気がつくとオンライン書店で本を註文してゐたりする訳だ。本当は書類に自分の大学卒業年度を書き込むために履歴書のファイルを探してゐた筈ぢゃなかったかと、後で愕然としたりする。みんなさうだよねと職場の後ろの椅子の男に訊ねたら、そんなことは絶対にないといふ。さうか、やはり私は莫迦だったのかも知れないと思った次第。翻訳をしてゐるときも、思ひついた日本語が指の間から零れる水のやうに頭から消えてゆく。だから、私のキーボードを叩く速さはかなり速い(とよく云はれる)。何しろ忘却との競争だから。忘れないうちに一文字でも多く記録しておかうといふ料簡でキーを叩き続ける。思ひついた話もすぐに話さないと数分後には忘れてゐるので、とにかく思ひついたときに相手を探して話したり、メールを打ったりする。一日に何通ものメールを受け取って迷惑する人も諦めていただきたい。忘却に負けないやうにと急いでゐるもので。多分、死ぬまで忘却と競争しつづけるのだらう。実は密かに心配してゐるのは、自分が死んだことを忘れて、せかせかと歩き回ったりはしないだらうかといふことである。そんなことは死んでから心配すればよいことだが。


3月3日(月)

 アトリエサードからトーキングヘッズ叢書18:身体★表現主義をいただく。結局私は何もしなかったのに、全くかたじけない。ぱらぱらとページをめくってゐて、マレーネ・ディートリヒに関する文章を見つけ、頭の中にディートリヒの歌声が響き渡った。『嘆きの天使』の中で "Ich bin von Kopf bis Fuss auf Liebe eingestellt"と歌ってゐた、あの曲である。リリー・マルレーンもディートリヒがいい。"Vor der Kaserne, vor den grossen Tor ..." といふ、あれである。

 アトリエOCTAから幻想文学66号をいただく。今号は私は何もしなかったのに。次号(最終号)では、きっと翻訳します。あっ、ネルスン・ボンドの「街角の書店」が載ってゐる。ああ、やられた。


3月2日(日)

 電子辞書ビューアのことが引き続いて気になって、コトノコを試してみたりしたのがいけなかった。これは外字をそのまま提示するのではなくて、ヒラギノ書体で置換するやうな仕組みになってゐて、これが完璧に実行できるとなかなか美しい検索結果画面となるのだ。その外字登録が気になってついつい文字を探してしまふ。発音記号なんか文字パレットを見てゐるだけで楽しくなるので、『リーダーズ+プラス』一つの外字登録をしてゐるうちに三時間が過ぎてしまった。こんなことをしてゐては仕事にならないと決意を固めて翻訳に取りかかるのだが、気がつくと文字パレットで変な記号を探してゐたり。これはいけないと気がついて仕事に戻る。でも、使ふのは結局Jammingである。

 久しぶりにbk1に本を註文。

 マーク・C・ベイカー『言語のレシピ---多様性にひそむ普遍性をもとめて』[amazon.co.jp, bk1](岩波書店/3700円)
 恩田陸『上と外』[amazon.co.jp, bk1](幻冬舎/1900円)
 中村うさぎ『ダメな女と呼んでくれ』[amazon.co.jp, bk1](角川文庫/438円)

 『上と外』は2000年から2001年にかけて刊行された六巻を一冊にしたものだといふ。


3月1日(土)

『指輪物語』の映画も先週あたりから第二部『二つの塔』が公開されてゐるので、妻と二人で観に行くことにする。ゴクリのこそこそした感じがなかなかよい。怖かったのはエントがひとり火だるまになる場面。私は火だるまになるのが怖くてたまらないのだ。さういへば今訳してゐるシャロン・シンの作品にも樹が一本まるまる火にくべられ悲鳴を上げる場面があるのだった。

 映画を観た後、床屋に行ってから出勤しようと思ってゐたのだが、床屋を出たらもう夕方に近くなってしまったので(映画が三時間以上もあるからどうしても遅くなってしまふのだ)、職場の前まで行ったのに結局帰ってしまふ。

 ソフマップにCFカードタイプ無線LANカードとコンパクトフラッシュメモリカード(64MB)を註文。両方で一万円くらゐ。註文した後でいろいろ調べてみたのだが、家の外で無線LANが使へるところはまだまだ少ないではないか。とても使へないやうな気がする。

 昨日のJammingで20以上の辞書を同時に開けないといふ問題が気になり、ならばCeDarならどうだろうと思っていろいろ試してしまひ、仕事をする時間がなくなってしまふ。結局、EPWINGと電子ブック以外の辞書を使へるのはJammingだけなので、CeDarでは辞書の数が20を超えることはないのだ。


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