気がついたら11月が終ってしまった。何といふことだ。
早川書房から『フィリップ・K・ディック・リポート』[amazon.co.jp, bk1](早川書房編集部編/580円)が届く。私が前にSFマガジンに書いた原稿が再録されてゐるのだった。
偕成社のかたから『アンブラと4人の王子』[amazon.co.jp, bk1](金原瑞人訳/偕成社/1400円)をいただく。ありがたうございました。
栃折久美子『手製本を楽しむ』[amazon.co.jp, bk1]がAmazon.co.jpから届く。かういふのを読めば読むほど本が作りたくなってくる。といふことで、革を注文。今は少々貧乏なので豚の革しか買へない。上記の本にも豚革で豪華な感じを出すのは無理と書いてある。普段着的な感じださうだ。最初は練習だからこれでいいだらう。
金曜の夕方から日曜まで学会で仙台へ。牛タンを喰ふ。日曜の夜に疲れて帰宅すると、LeatherCraft.jpから豚革が届いてゐた。革を削ぐ道具も一緒に註文してあったのでそれも。しかし、豚革はひょっとして一頭分? と思ふほど大きい。まあ、これだけあれば思ふ存分革装の練習ができるといへばさうなのだが。
SFマガジン一月号が届く。今号はディック特集。
bk1に土曜日に注文した本が届く。取りあへず机の上に並べてみる。
高野史緒『アイオーン』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。漢字が比較的多いやうな気がして読んでゐて嬉しい。
日曜日も出勤。といっても午前中だけ。しかし、職場のエレベータ工事の騒音は凄まじい。休みの日に仕事に出て行く方が悪いのだが。こんなふうに忙しいなどと一言でも云はうものなら、たちまち「俺なんか」「俺なんか」と忙しさ自慢をしたがる人々が口々に叫ぶのが世の常なのだが、私は忙しさ自慢を交換するつもりはないのであった。私は忙しくて疲れてくると買ひ物をしてしまふと云ひたいだけなのである。
忙しい日々の休日は買ひ物である。しかし、実際に店を訪れる時間はないし、私の買ひ物は大抵本だからインターネットで済ませる訳だ。まづは、The Internet Bookshop UK Ltd.に本を二冊註文。
Sean Jennett. THE MAKING OF BOOKS. (£16.00)
Hugh Williamson. METHODS OF BOOK DESIGN. (£25.00)
である。製本に関する本である。疲れて頭の箍が少々外れてきてゐるので、本を作りたくなってきたのだ。一年くらゐ前から、幻想怪奇アンソロジーの企画を持ち込んで翻訳をして、ある意味では本を作ってきたのだけれど、これはさういふ意味ではなく、物体としての書物を作りたくなってきたといふ意味である。さういふ気分なのだから仕方がない。
古本屋に本を註文した後、新刊書店でも何か買へるのではないかと思ひ付き(わざわざ思ひつくほどのことでもなく、まづ最初にさうすべきだとも思ふが)、新刊書を検索してAmazon.co.jpに註文。
Aldren A. Watson "Hand Bookbinding: A Manual of Instruction" (¥1188)
Paola Rosati "Bookbinding Basics" (¥1838)
Edward R. Lhotka "ABC of Leather Bookbinding: An Illustrated Manual on Traditional Bookbinding" (¥5295)
以上三冊。
日本語の製本の本は何冊か持ってはゐるのだが、もしかしたら買ひ逃してゐるものもあるかも知れないと今頃気付き、少し検索してみて一冊だけ註文することに。
栃折久美子『手製本を楽しむ』[amazon.co.jp, bk1](大月書店/3900円)
いつもはbk1に註文するのだが、この本はAmazon.co.jpでは2〜3日で発送といふことで、手に入るのが早さうだったので、今日はAmazon.co.jpから。
本ばかり買ってゐても本はできない。問題は箔押しと革である。手押しの箔押し機が10〜20万円くらゐだとどこかで読んだやうな気もするのだが、どうやったら買へるのか判らない。革はどこで買ったらいいのだらうか。紙の上になら、先日買ったAlps電気のプリンターで代用できさうなのだが。まあ、いきなり革装など無理だらうから、紙で練習をしながら考へることにしよう。
製本関係の本の註文に疲れたので(嘘)、バッハのCDを買ふことにした。珍しいホルンで演奏した無伴奏チェロ組曲である。いつもCDを買ってゐるHMVで見つけられなかったので、今日はAmazon.co.jpで註文。『無伴奏チェロ組曲第1〜3番』といふCDで、ホルンはバボラークといふ人が演奏してゐる。私はホルンには疎いので、全然知らない。四〜六番は録音してゐないのだらうか。
本も買へず、本も読めない一週間。でもコンピュータの増設機器などは註文してゐたりする。ソフトウェアも一つ。読んde!!ココ Ver.7といふOCRソフト。Mac OS X対応だといふので。長年使ってゐたe-TypistはまだOS Xに対応してゐないのだ。
土曜の晩に、娘と映画館へ行き「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を観る。楽しいからいいぢゃないかと思ふ。以前、本を読んだ時にはもっとしっかりした話だったやうな印象があるが、実は内容を全然覚えてゐなかったので何とも云へない。秘密の部屋に必然性がないやうな気がするが、古い魔法学校なのだから必然性などといふ凡人の理解を越えた訳の判らない部屋があったっていい。あのゲームはどうにも理解不能だけれど、イギリスのスポーツは私には訳の判らないものが他にもあるし。多くの人、特に子供たちがあのやうな映画を映画館に観に行くのはいいことだと思ふのだ。
図書館の場面など、本が沢山出てくる様子は嬉しい。我が家にもあんな本が沢山ある図書室が欲しいものだ。
買はうと思ってゐた本が溜まってきてしまったので、bk1に註文。
ヒュー・ロフティング『ガブガブの本』[amazon.co.jp, bk1](南條竹則訳/国書刊行会/1800円)
スティーヴン・ヤング『本の虫 その生態と病理--絶滅から守るために』[amazon.co.jp, bk1](薄井ゆうじ訳/アートン/1500円)
J・グレゴリイ・キイズ『錬金術師の魔砲 上』[amazon.co.jp, bk1](金子司訳/ハヤカワ文庫FT/720円)
J・グレゴリイ・キイズ『錬金術師の魔砲 下』[amazon.co.jp, bk1](金子司訳/ハヤカワ文庫FT/720円)
ジョージ・R・R・マーティン『七王国の玉座 上』[amazon.co.jp, bk1](岡部宏之訳/早川書房/2800円)
ジョージ・R・R・マーティン『七王国の玉座 下』[amazon.co.jp, bk1](岡部宏之訳/早川書房/2800円)
ラルフ・イーザウ『盗まれた記憶の博物館 下』[amazon.co.jp, bk1](酒寄進一訳/あすなろ書房/1900円)
金井美恵子『待つこと、忘れること?』[amazon.co.jp, bk1](平凡社/1600円)
中島義道『不幸論』[amazon.co.jp, bk1](PHP新書/660円)
佐藤亜紀『天使』[amazon.co.jp, bk1](文藝春秋/1714円)
仁田義雄『辞書には書かれていないことばの話』[amazon.co.jp, bk1](岩波書店/1500円)
寺尾康『言い間違いはどうして起こる?』[amazon.co.jp, bk1](岩波書店/1500円)
以上である。期待してゐるのは、『本の虫 その生態と病理--絶滅から守るために』。
来週も日記は書けさうにない。
トールキンの翻訳に取りかかるも、全く捗らず。
プリンターの設定画面の文字化けは「Geneva2Osaka」というフォント設定変更ソフトを使って解決する。
胃の辺りに痛みを感じて目が覚める。今週は忙しかったのでゆっくり寝たかったのに何たることだ。痛みは3〜4時間続き、寝不足が解消されないまま出勤。こまごまとした雑用を少しだけして、コンピュータ店などに寄ってから帰宅。
プリンタを繋いでみる。一応動くやうだが、設定画面がどうしても文字化けしてしまふ。不便だが、まあ動けばいいことにしよう。そこで、インターネットでインクを註文。ついでに、ブッキストに布クロスを註文。
プリンタとモニタが届く。液晶モニタを繋いだら、PowerMac7500もまだまだ使へさうな気がしてきた。以前、なぜか不安定になって繋いでゐなかったEthernet Cardも使ってみると快調で、100M接続ができた。メモリも1ギガくらゐにまで増やして、G4カードを買ふか。しかし、忙しくてプリンタの試し印刷ができない。それ以前に設置場所がない。
昨日落札したプリンタは支払ひも済んで、発送の連絡がある。楽しみである。一時は、プリンタ/ファックス/スキャナ/コピー機を兼用できる複合機を買ってみようかとも思ったが、先日ファックスを買ったばかりなのでやめた。プリンタを買ったらいろいろPowerMac7500も強化してやりたいといふことで、まづはVintage Computerに168pin DIMM 128MBを二枚註文。送料を含めて二枚で8900円。安い。次に秋葉館に15インチ液晶モニタを註文。送料税金を含めて36540円。後は、G4カードを買はうかなと思ってしまふが、とりあへず我慢する。
ちょっと気分が悪く早めに帰宅すると、bk1から恩田陸『ロミオとロミオは永遠に』[amazon.co.jp, bk1]が届いてゐた。もう一つ、アメリカのSF情報誌LOCUSの11月号も届いてゐた。何冊か気になる本があって、Amazon.co.jpで註文しようと思ったら、どれも在庫切れの表示が。新しい本ばかりなのに。SFやファンタジイは売りたくないのか。納得できないが、首や頭が痛く、どうも気分が悪いので、とりあへず食事をしてから熱い風呂に入ったらまあまあ気分は持ち直してきた。
八時前に寝台に横たはってうとうとするが、九時すこし前に起き上がる。実はオークションでプリンタを手に入れようとしてゐたのだ。アルプス電気のマイクロドライプリンタMD-5000である。現行機種はMD-5500といふもので、MD-5000は一つ前の機種。前から欲しかったのである。何に使ふかはまだ秘密(って別に知りたがる人もゐるとは思はないが)。なかなか高くて手が出ませんでした。今回、格安で入手できたやうな気がするのだけど、私の目的に適ふ働きをしてくれるかどうかはまだわからない。Mac OS Xでの動作には些か不安もあるので、OS 9.2がインストールしてあるPowerMac 7500の機能を強化してやらうかと計画してゐる。
どうでもいいけれど、私の職場にはMac OS Xを「オーエスばつ」と読んで蔑む人がゐる。
プリンタの落札を見届けて、今度はちゃんと寝ることにする。明日には恢復しなければ。仕事はいろいろ溜まってゐるので。
一週間ほど前に公務員宿舎の強制的な畳表替へがあって、書棚の本を全部出して床の上に積んであるままだといふことに気付き、片づけることにした。並べ方などを考へてしまったので、一日中かかってしまふ。最初から、一つの棚に前後二列に本を並べるやうに計画して並べると、意外に沢山の本が収納できるものである。後ろ側の列の本には申し訳ないが。思ひの他、本が少なかった。特にハヤカワ文庫SFとか創元SF文庫とか。もっと買ってもいいやうな気がする。しかし、ハヤカワ文庫FTに欠番があるのがどうも納得できないとか、どうしてこの本が二冊あるのだらうとか、こんな本を持ってゐたのかとか、いろいろ考へてしまって時間がかかるのがこの手の作業の常である。埃を取って本棚も綺麗になって収納にも多少の余裕ができ、本を買ひたい気分になってきたが、我慢する。
この忙しいのに中島らも『心が雨漏りする日には』[amazon.co.jp, bk1]を読んでしまった。精神的には多少狼狽へるやうな内容なのに。何ともない人には何ともないと思ふが、私はかういふ内容の本を読むと、ちょっと動揺するのである。でも、つい読んでしまふ。面白いから。
「目覚まし時計」
一週間ほど前から目覚まし時計を使ってゐる。時計の目覚まし機能を使ふのはほぼ二十年ぶりである。小学生、中学生の頃は使ってゐた。高校生の頃はどうだったか。大学に入ってからは殆ど使ってゐなかったやうな気がする。寝る前に明朝起きる時間を念じて頭の中の目覚まし時計をセットして寝れば、ほぼ間違ひなく寝坊することはなかった。ただ、それは緊張をもたらすので、眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めたりする。それでも私は自分の意志で目覚めることに決めて、睡眠時間が九時間であらうと二時間であらうと、自分の頭の中の時計で目覚めることを自らに強いてきた。そして、それが少し自慢でもあった。しかし、歳のせゐか、衰へは隠せない。起きるのがつらくなってきた。ときをり寝坊するやうになってきた。といふことで、やむなく目覚まし時計を使ったのだが、これは楽だと感激した。自分で目覚めなくても時計が起こしてくれるのだから。安心して眠ることができる。時間になったら「時間だよ」と云ってもらへるのがこんなに楽なことだとは! もっと早くから使へばよかったと今わたしは心の底から後悔してゐる。後悔しても仕方がないが。「後悔を先に立たせて歩いてみれば、杖をついたり転んだり」と昔から云ふやうに。一週間試してみて、実際には目覚まし時計が鳴るよりも早く起きることの方が多いのではあるけれど、安心して眠れるところがいいのだ、ってこんなことに今更気がついて喜んでゐる日本人は私くらゐなものだらう。
始発の飛行機で東京へ行き、トールキンの翻訳に関する打合せやら何やら作業を行ひ、最終便で福岡に戻って来たのは、あれは月曜日のことだった。祝日で休みだったので間違へたのである。翌日になっても疲れはとれず、嫌な仕事を後回しにしてゐたつけが回ってきて本業が大変なことになってしまひ毎日忙しく本を註文する暇もない。仕事が忙しいと家計にはよいかも。
それでも、SFマガジンに海外SF紹介欄用の原稿を書いて送信。先日読み終へたLisa Goldstein THE ALCHEMIST'S DOORである。
先週註文した本がbk1から。
リンド・ウォード『狂人の太鼓』[amazon.co.jp, bk1]、高野史緒『アイオーン』[amazon.co.jp, bk1]、中島らも『心が雨漏りする日には』[amazon.co.jp, bk1]、池上永一『夏化粧』[amazon.co.jp, bk1]の4冊。
『狂人の太鼓』の迫力はなかなかのものである。
東京創元社から、E・E・スミス『第二段階レンズマン』[amazon.co.jp, bk1](小隅黎訳/900円/創元SF文庫)をいただく。ありがたうございました。
来週も日記は更新できないかも知れない。
トールキン翻訳の打ち合はせに、始発の羽田行き飛行機で東京へ行き、最終の福岡行き飛行機で帰宅。行き帰りの飛行機や電車の中では、ジョナサン・キャロルのWhite Applesを読む。眠ってしまってあまり捗らない。
仕事から帰ると、今度早川書房から出るといふディック本に収録される原稿のゲラがファックスで届いてゐた。前にSFマガジンのディック特集に書いた原稿。翌日、少しだけ修正して返送。
やうやく本を註文する時間がとれたので、bk1で買ひもの。
リンド・ウォード『狂人の太鼓』[amazon.co.jp, bk1](国書刊行会/2,000円)
高野史緒『アイオーン』[amazon.co.jp, bk1](ハヤカワSFシリーズJコレクション/1,900円)
恩田陸『ロミオとロミオは永遠に』[amazon.co.jp, bk1](ハヤカワSFシリーズJコレクション/1,800円)
中島らも『心が雨漏りする日には』[amazon.co.jp, bk1](青春出版社/1,300円)
池上永一『夏化粧』[amazon.co.jp, bk1](文芸春秋/1,524円)
以上五冊。
幻想怪奇短編集の前書きや作品解題を書く。夜、メールを書いてゐる間に眠ってしまって、訳の判らない文字列の文面で、しかも原稿の添付ファイルを付けることすらしてゐないものを送ってしまふ。五分後に目覚めて、謝罪の言葉とともに原稿を忘れず添付して再送信。意識は夢の世界を漂ってゐるので、本人は意味のある文章を書いてゐるつもりなのだが、後で読むと眠りに入った後は支離滅裂な文章である。それでも、一応日本語らしいものになってゐるところが怖い。でもまあ、これが支離滅裂な文章だから眠ってゐると判るので、もし意味のある文章で悪意に満ちたものになってゐたら大変だ。もっと困るのは、きちんとした文章で、目覚めてゐるときの文章よりも立派で、原稿まで書いてしまってゐたら、私は何のために目覚めてゐるのか判らなくなってしまふし、そもそも自分の存在は何なのだらうと悩むに違ひない。仕事は捗って楽かも知れないが。