10月へ

9月30日(火)

 bk1から『Linuxネットワークサーバ構築ガイド』[amazon.co.jp, bk1]とトマス・ウォートン『サラマンダー』[amazon.co.jp, bk1]が届く。Linuxの方をぱらぱら捲ってみると、要はLinuxとWindowsとMacOSで、MacOSでいふファイル共有をするといふだけのことだった。他にルータ機能の話もあるが、ネットワークでのファイルのやりとりなら、すでにLinux、Windows、MacOSXでできるやうにしてゐる(ただし、Sambaしか使ってゐないけど)し、ルータは別にあるし、プリンターサーバは必要としてゐないのだ。どうやら1900円、損したやうだ。でも、もう一冊の方は面白さう。

 話は唐突に変はるが、今日は昼過ぎから強烈な眠気に襲はれて大変だった。もともと眠気に弱いのだが、今日は特に激しかった。全く仕事にならない。キーを叩いたりマウス(トラックボール)を操作してゐるときに眠ってしまふと、文章が目茶苦茶になったり、ファイル名がわからなくなって探しだせなくなったり、ひどいときにはシステムに不可欠なファイルに損傷を与へてしまったりする訳だ。職場には四畳半くらゐの4℃の部屋があるので、そこに入って眠気を払ふのだが、そこにゐるときに、本当に用事があって入ってきた人と顔を合はせるのが気まづいといふか恥づかしいといふか。間抜けな笑ひを浮かべてそそくさと出てきてしまふのである。どうせ理由はばれてゐるのだけれど。「涼んでましたね」「いや、まあ……」とか云ひながら。
 以前、わざわざ飛行機に乗って仕事の打ちあはせに行ったときに打ち合はせ相手の眼前でうとうとしてしまったのは大失敗だった。眠気を瞬時に払ふ方法があればよいのだが。


9月29日(月)

 bk1からギルバート・アデア『閉じた本』[amazon.co.jp, bk1]が届く。

 職場で使ってゐるPowerBook G4のメモリを増やした筈なのに一向に動きが速くなったやうに感じられず、それどころか異常に遅くなってゐるやうな気がしてならない。ふとメモリ量を確認してみると、128MBしかないではないか。先日買った512MBが認識されてゐないのだ。これに気づいたのと相前後して、Finderが落ちてしまふやうになった。これはメモリとは関係なく、私がOnyxといふユーティリティで余計なことをしたせゐではないかと思ふのだが(メモリの認識がをかしいのに気づいたのも、実はこのユーティリティの表示でである)。しかし、困った。私はいろいろな方法でアプリケーションやファイルに到達できるやうにしてゐるので、ファイルを開くだけなら問題ないが、Volumeのマウントが不便である。もっと困ったのはサーバへの接続。どうしたらよいのか全くわからない。DeepMacの櫻井さんに相談すると、本体の異常だと思ふから修理したまへといふ助言をいただく。しかし、これを修理に出したら仕事ができなくなってしまふ。そんな余裕はないのだ。先週末にシステムを再インストールしたLinuxは調子はよいもののアプリケーションのインストールなどがまだ完了してゐない。家で、取り外してあった128MBのメモリに戻してみるとFinder以外は以前と同じ速度で問題なく動くやうになる。何とかFinderなしで使ふことはできまいか。そこでダウンロードしたのが、Path Finder 3.0である。ダウンロードしてもデスクトップが見えないので、Terminalからデスクトップの様子をみて、アプリケーションを動かす。そして、感動する。これさへあれば、大丈夫さうではないか。感激しながら$34.00を支払ふ。デスクトップも前と同じやうにディスクやファイル、それにごみ箱も表示できる。サーバへの接続もできる。これで、仕事にも支障を来すことなく、使ひ続けられさうだ。よかった、一時はどうなることかと蒼ざめたのであった。問題なく動くことに確信を持ったところで、どっと疲れてが出て、翻訳などできずに就寝。


9月28日(日)

 新書館のSFブックガイドのゲラをみて修正個所を送る。続編が刊行されるらしいと書いてあるのが、もう刊行されてゐたりするところだけ。今年中には出すといふが、本当だらうか。

 今日も書類のpdf化を進めた訳だが、読む本ではなく調べる本は全部pdfにしてしまひたくなる。Locusのやうな情報誌や本業の方の本である。しかし、枚数が増えてくるとBrotherの複合機MFC-6800Jでは読み込み速度が遅いし、その後の処理にも手間がかかる。今、欲しくてたまらないのが、ScanSnap fi-4110EOX3である。価格も高くはなく、私でも買へない金額ではない。しかし、これがMacintoshでは使へないのだ。これを使ふにはWindowsが動くコンピュータを購入しなければならないのだ。pdfにしてしまへば、MacOSでもWindowsでもLinuxでも読める筈だが。中古で買ふか。ScanSnap fi-4110EOX3と中古コンピュータとモニタとで、10万近くにはなってしまふか。PowerMac G5を買ふために貯めてゐる資金を使ってしまっていいのか。いや、よくない。我慢しよう(MacOSXに対応してくれたらすぐに買ふのだが)。

 などといふことを考へてゐる暇はない。ダンセイニの翻訳をしなければ。


9月27日(土)

 朝遅く何となく出勤してしまって、調子が悪く破綻しかけてゐるRedHat Linux 9を再インストール。慣れないので、一つのハードディスクをそのままにしておくにはどこでどう選択肢を選んで進めばいいのか判らず戸惑ったせゐで時間がかかってしまふ。三時頃まで作業するがまだ元には戻らない。

 Linuxの方で使ってゐるキーボードが甚だ使ひづらい(それでも職場に転がってゐたキーボードで一番腕の痛みが弱いものを選んではゐるのだ)ので、一つ買ってみることにする。Happy Hacking Keyboard Lite2(英語配列・PS/2・白)である。家のPowerMac G4もキーボードを替へて痛みが随分軽減されたので、今度もよくなるとよいのだが。送料込みで6615円である。

 HMVから数日前に註文したバッハのオルガン曲が届く。装飾音が多めで、ときにはもっさりした感じがすることもあるが、コープマンの演奏も耳に馴染んでくると心地よい。Passacaglia c-moll (BWV582)では、今まで全然聞こえてゐなかった音の流れに初めて気づいた。今まで何を聴いてゐたのだらうといふ気分である。

 bk1に本を註文。

 『Linuxネットワークサーバ構築ガイド』[amazon.co.jp, bk1](アスキー/1900円)
 トマス・ウォートン『サラマンダー』[amazon.co.jp, bk1](宇佐川晶子訳/2400円/早川書房)

 以上二冊。Linuxの本の方は、この頃いろいろ判らなくて困ってゐるので買ってみたが、きっと判らないものは判らないままだらうといふ予感がする。『サラマンダー』の方は、以前誰かに強く勧められた記憶がある。もうすぐ翻訳が出るからぜひ買ひたまへと云はれたのだが、随分前のことのやうな気がする。あれは誰だったのだらうか。高橋良平氏だったか。確かに如何にも私が好みさうな本である。

 訳あって、手元にある文語文の本や古文の本を手に取って拾ひ読みしてみる。『竹取物語』から『文語訳聖書』まで。結局、目的としてゐたことには役立たなかったが、『文語訳聖書』に改めて感心したりする。


9月26日(金)

 『あなたの人生の物語』[amazon.co.jp, bk1]読了。一日二時間列車に乗ると本が読める。もっと通勤に長時間電車に乗るところに住みたいものだ。
 表題作は評判から抱いてゐた期待を裏切らない傑作である。私は言語理解が世界認識を変へると信じてゐるので、特にこの作品は心に残る。
 さういふと異なる言語を用ゐる者同士の相互理解は困難だといふことになってしまふのだが、私は中学生くらゐの頃、人は皆、世界を同じやうに認識してゐるやうに見えるけれど、各人全く異なってゐて、互ひに矛盾しない世界観を保持できるグループに属してゐる者(今の人類の大多数がここになんとか収まってゐる)が正常な人々として世界を支配してをり、その世界観から少し外れてゐる人たちは精神的に問題があると判断されてゐるのではないか、たまたま社会的活動に矛盾が生じないシステムに収まった人たちが互ひに理解し合ってゐると思ひ込んでゐるだけではないかと考へ、そこはかとない恐怖を抱いてゐた。今でも根本的にはこの考へは変はってをらず、人間は互ひに理解しあへないもの(実は全く異なる世界認識をしてゐる)だと心の底で思ってゐたりするのである。それで友人が殆どゐないのかも知れない。
 面白いと思ったのは「顔の美醜について」。私は絶対に<カリー>はつけたくない。

 SFマガジン11月号着。私の書いたSFスキャナの文章が載ってゐるではないか。来月はいよいよ「プラチナ・ファンタジイ」特集。これはハヤカワ文庫FTの画期的な叢書である。絶対にあり得ないと思ってゐたやうな画期的な叢書なのである。中身は秘密、なのではなく、詳しく書くのが面倒臭いので、特集をお読みいただきたい。
 プラチナ・ファンタジイに思ひをめぐらしながらページを捲ってゐたら、所謂「ら抜き言葉」に遭遇する。ああ、信じてゐた人に裏切られた気分。

 先日abebooks.deに註文したダンセイニのDas Fenster zur anderen Weltが届く。翻訳に役立つことがあるだらうか。


9月25日(木)

 HMVにCDを註文。今回はバッハのオルガン曲である。『無伴奏チェロ組曲』ばかり買ひ続けてきたが、たまには別のものを買ってみようと思ったのだ。"Orgelwerke/Ton Koopman"は六枚組で2540円とお買ひ得である。私の趣味からは、コープマンは些か自由奔放すぎるのだけれど、値段の安さと24時間以内発送といふことで。

 明日は本当に出張である。行き帰りの列車の中で『あなたの人生の物語』[amazon.co.jp, bk1]を読むことにしよう。


9月24日(水)

 数日前に気づいたのだが、『ランダムハウス英語辞典』を使ってゐたら、所謂ら抜き言葉がでてきた。信頼してゐた人に裏切られた気分。美しくて頭のいい女の人だなと思ってゐた人が所謂ら抜き言葉を連発して悲しくなるときの気分に似てゐる(かも知れない)。

 東京創元社からダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法使いになる14の方法』[amazon.co.jp, bk1](大友香奈子訳/720円/創元推理文庫)をいただく。魔法の学校の話(魔法と学校の話、かも)。面白さう。

 テッド・チャン『あなたの人生の物語』[amazon.co.jpを読みはじめる。巻頭のバベルの塔の話は、高い所の苦手な私には少々厳しい。描写を読んでゐるだけで、手に汗が噴きだしてきて、ふらふらしてくる。高所の恐怖以外は懐かしさすら感じる内容だ。気を取り直して次の作品を読みはじめる。

 明日は出張だと思ってゐたのだが、実は明後日だと判明。もう少しで誰もゐない朝の会議場に出かけるところだった。疲れてゐるのかも知れない。

 帰宅すると押しつぶされさうな疲労感に身も心も満たされる。かういふ気分の時は翻訳がいちばんである(嘘。ただ自棄になってゐるだけだ)。ダンセイニを少し訳して寝る。


9月23日(火)

 気がついたら一日抜けてゐる。どういふことだらうか。記憶をなくしたのか。宇宙人に一日分の時間を盗まれたのか。ただ惚けただけなのか。不思議である(本当は、書くやうなことが何もなかっただけ)。

 bk1から、テッド・チャン『あなたの人生の物語』[amazon.co.jp, bk1]、ロバート・ジョーダン『竜騎争乱1 嵐の来襲』[amazon.co.jp, bk1]、リチャード・ペック『シカゴより好きな町』[amazon.co.jp, bk1]、いしいひさいち『ののちゃんのとなり』[amazon.co.jp, bk1]、スコット・スネア『会議なんてやめちまえ! 』[amazon.co.jp, bk1]が届く。うっかり『会議なんてやめちまえ! 』を読んでしまふ。会議が嫌ひなので。
 『ののちゃんのとなり』も読んでしまふ。なんだかどこかで読んだことあるものばかりで損した気分。

 なぜか疲労感に全身が満たされてゐるので、今日は休む。休日だから。
 休日なので今日も書棚の書類のpdf化。古いソフトウェアや機器の説明書を見つけて廃棄。しかし、幾ら見つけ出しても次々と出てくるのが不思議である。使用中の機器でもCD-ROMにpdfで説明書が収録されてゐるものは、ファイルを説明書フォルダにコピーして、CD-ROM諸共廃棄。書棚がまた少し空いた。

 ダンセイニの翻訳の進捗状況を報告しておかうと思ひ、The Book of Wonderの担当分を河出書房の人に送信する。

 さういへば、新書館の人からメールが来て、遅れに遅れてゐるSFガイドを今年中に出すことに決めたから、追加で原稿をお願ひするかも知れませんと書いてあった。すっかり、さういふものがあったことすら忘れてゐた。私も遅れに遅れた人の分の原稿を書いたことがあったのだが、それからも遅れ続けてゐた訳だ。でも、今は頭の中はダンセイニでいっぱいなので、さういふ原稿が書けるかどうかはわからない。ところで、東京創元社のSFガイドはどうなったのだらうか。私も原稿を書いたのだが。


9月21日(日)

 颱風は近くには来なかったがその影響か風が強く、その風が随分涼しい。晴れても涼しいといふのは久しぶりのやうに思へる。天気がよくて、涼しくて、かういふ日こそ翻訳日和である(嘘。ただ自棄になってゐるだけ)。

 自棄になって翻訳を進めた甲斐あって、ダンセイニのThe Book of Wonderの自分の担当分がひととほり終はる。枚数は大したことないのだが、ダンセイニは大変なのだ。続いてThe Sword of Welleranの担当箇所を読み込んでpdfファイルにする。

 bk1にギルバート・アデア『閉じた本』[amazon.co.jp, bk1](青木純子訳/1500円/東京創元社・ 海外文学セレクション)を註文。

 Amazon.co.jpからBio・IT World 第3弾〈2003 Autumn〉、恩田陸『まひるの月を追いかけて』[amazon.co.jp, bk1]、古川日出男『サウンドトラック』[amazon.co.jp, bk1]が届く。

 『まひるの月を追いかけて』を読んでしまふ。一気に最後まで読んでしまふが、かういふ複雑な関係の男女が久しぶりに(あるいは初めて)あって、謎めいた言葉を絡み合はせながら、謎を解いたり解かれたりする話は実は些か苦手だ。


9月20日(土)

 壊れたと思って諦めてゐたハードディスクが復活して得した気分になったので、bk1に本を註文。

 テッド・チャン『あなたの人生の物語』[amazon.co.jp, bk1](浅倉久志ほか訳/940円/ハヤカワ文庫SF)
 ロバート・ジョーダン『竜騎争乱1 嵐の来襲』[amazon.co.jp, bk1](斉藤伯好訳/640円/ハヤカワ文庫FT)
 リチャード・ペック『シカゴより好きな町』[amazon.co.jp, bk1](斎藤倫子訳/1800円/東京創元社)
 いしいひさいち『ののちゃんのとなり』[amazon.co.jp, bk1](500円/創元推理文庫)
 スコット・スネア『会議なんてやめちまえ! 』[amazon.co.jp, bk1](鬼沢忍訳/1600円/早川書房)

 最後のはなぜこんな本を買ってしまったのだらうと思ふやうなものだが、些か疲れてゐたのだ。
 Amazon.co.jpの納期はあまり当てにならないやうな気がする。その点、bk1の納期の表示は信頼できるのだが、クレジットカードをその場で変更できないのが残念。

 出張帰りで疲れてゐたので、今日は出勤せず一日ダンセイニの翻訳。


9月19〜20日

 DeepMacからPowerBook G4 (12") 用メモリとMSA IEEE1394対応3.5インチHDDケース GXM-35Fが届いてゐた。早速、出張に持っていって翻訳するのに使ったPowerBookに装着する。以前、もっと安いメモリを買って入れたら、調子が悪くなってしまって、結局外してゐた(交換してもらっても駄目だった)のだが、今回のは何の問題もなく動くやうである。最初からDeepMacで買へばよかった(店主の櫻井さんとは知り合ひである)。続いてHDDケースに、先日壊れてしまったハードディスクを入れてみる。やはり最初はカチカチ妙な音を立てるばかりで認識できないやうだったのだが、振ったり揺すったりしてゐたら、認識された。すかさず中身を別のハードディスクにコピーしてから、初期化する。その後、コピーしたファイルを元に戻さうとしたのだが、どうしてもうまくコピーできないファイルがある。『スーパーニッポニカ』とか三遊亭圓生の「ちきり伊勢屋」のmp3ファイルとか。「ちきり伊勢屋」はCDから再度ファイルを作製し、『スーパーニッポニカ』はDVD-ROMから再インストール。するとどちらも問題なく使へるやうになる。ハードディスクが壊れてゐたといふより、ファイルに異常が生じてゐたのか。それとも、ハードディスクが一度は壊れたから、ファイルが損傷を受けたのか。何れにせよ、今は何の問題もなく使へるやうだ。最初からDeepMacからHDDケースを買へばよかったのだらう(店主の櫻井さんと知り合ひである)。といふことで、ハードディスクの空き容量に余裕ができてしまった。250GBくらゐの大容量のハードディスクを購入しようかなと思ってゐたのだが、全然必要ないやうである。

 早川書房からテリー・グッドカインド『魔都の聖戦3 密使ムリスウィズ 』[amazon.co.jp, bk1](佐田千織訳/680円/ハヤカワ文庫FT)をいただく。仕事が一段落ついたらまとめて読まうと思ってゐるのだが、なかなか一段落といふのはつかないものである。


9月19日(金)

 学会終了後再び新幹線で東京へ。再度翻訳を試みるが、列車の揺れで気持ちが悪くなってくる。一旦は諦めて、次は空港で飛行機を待つ時間に再開する。結局この二日間で訳した枚数は五枚くらゐ。少ないがゼロよりはいい。

 帰宅するといくつか荷物が届いてゐた。それについてはまた明日。


9月18日(木)

 朝、新幹線で盛岡へ。早速、PowerBook G4 (12")を取りだして翻訳作業を始めてみる。思ひのほか新幹線は揺れる。その揺れはキーを打ちにくいほどではないが、長い時間操作してゐると、酔ってしまひさうになる。もう一つの問題は眠気である。私は列車に乗ると眠くなるのだ。バッテリーの消費も思ひのほか早い。DVDで映画を一本見るには足りるかも知れないが、翻訳にはやや足りないのかも。
 もちろん学会場にも顔を出すが、人と話すのに近ごろは多大な努力を要するので、いろいろな人に挨拶されるのがつらい。夜は「研究打ち合はせ」といふ宴会があり、あまり翻訳はできず。


9月17日(水)

  渋谷で東急ハンズに寄って製本道具を購入してから埼玉の家へ。今回はダンセイニのTime and the Godsを分解したものしか持って出かけなかったので、自分が担当することになってゐる部分を読み返しながら飛行機に乗り電車に乗る。夜は疲れてしまって、翻訳をする元気はなく、何のためにPowerBook G4を持ってきたのだらうかと思ひながら寝てしまふ。しかし、予想以上にPowerBook G4 (12")は重い。明日は新幹線の中で翻訳ができるかどうか試してみよう。


9月16日(火)

 Amazon.co.jpBio・IT World 第3弾〈2003 Autumn〉(IDGジャパン/1886円)を註文。

 明日から学会出張なので、数日のあひだ本欄はお休み。翻訳もできるやうにとPowerBook G4 (12")を持っていく予定である。


9月15日(月)

 颱風が通りすぎてから涼しくなり、昨日から冷房を使はずに過ごせるのが嬉しい。

 窓を開けて涼しい風を入れて、翻訳に励む筈だったのだが、気がついたら『蛇行する川のほとり 1』[amazon.co.jp, bk1]と『2』[amazon.co.jp, bk1]を読んでゐた。もうすぐ『3』[amazon.co.jp, bk1]が届く予定だが、はどこにあるのだらうかと書棚を探しまはり、やっと見つけたところで気がついたらページを捲ってゐた。といふ訳で、今ははやく3を読みたい気分である。

 Amazon.co.jpから本が届く。Sheri S. Tepper The CompanionsとLiz Williams Nine Layers of Skyだと思って箱を開けたら、何だか身に覚えのない本が入ってゐるではないか。よく宛名を見たら、同じ町内に住む中島さんといふ人の荷物ではないか。インターネットで宅配便の営業所を調べて連絡すると、十五分くらゐで本物の荷物が届いた。


9月14日(日)

 どうも首の後ろが痛いやうな気がして一日だらだらと過ごす。首の後ろの痛みは頭痛の前兆である。しかし、全く頭痛は始まらず、ただ怠けるための云ひ訳だったに過ぎないのだった。

 だらだらしながらしたことは、外付けハードディスクを机の裏側に貼り付けたこと。縦置き用の台に、熱した釘とプラスのドライバで螺子穴を作り、木螺子で机の甲板の裏に台を取り付け、ハードディスクを装着する。意外にしっかり固定される。しかし、ハードディスクに収納してある辞書を検索すると、情報を読みにいくときのかすかなかりこりいふ振動が机に伝はってくるのに後で気づいた。
 それさへ気にしなければ、机の裏側は広いのでいろいろなものを設置できる。しかも、機器に埃がたまらない。欠点はスイッチに手を伸ばしにくいことくらゐか。

 外出したついでに書店により、『PC UNIXユーザのためのPostgreSQL完全攻略ガイド 改訂第3版』[amazon.co.jp, bk1](3480円/技術評論社)を購入。ああ、データベースソフトは私には何だかよく判らない。

 冷静にダンセイニの締め切りを考へてみると、かなり厳しい状況である。こんなにだらだらとしてゐてはならない。といふことで、明日からは心を入れ替へて勤勉な態度で翻訳に取り組むことにしよう。明日は休日だからなるべく枚数を稼がなければ。あとは水曜日からの出張にPowerBook G4を持って行って、夜は一人で翻訳に励むことにしよう。


9月13日(土)

 朝から微かな頭痛。仕事から帰ってきて強烈な眠気に逆らへず昼寝をしたら治った。寝不足だったのか。

 頭痛も治ったところで、Amazon.co.jpに本を註文。

 恩田陸『まひるの月を追いかけて』[amazon.co.jp, bk1](1600円/文藝春秋)
 恩田陸『蛇行する川のほとり 3』[amazon.co.jp, bk1](476円/中央公論新社)
 古川日出男『サウンドトラック』[amazon.co.jp, bk1](集英社/1900円)

 以上三冊。「まひるの月」はやはり「真昼の月」といふ意味だらうか。一瞬私は「あひるの月」に見えた。この頃は平仮名が多すぎて読みにくさを感じることが多い。


9月12日(金)

 真夜中に激しい頭痛で目が覚め、何度も嘔吐する。朝になって微かに痛みの残る頭で目覚め、颱風対策をしてから出勤。

 なんだ全然颱風なんて来ないではないかと思ってゐたら、ちゃうど帰る頃に雨風が強くなる。

 疲れてゐるので、『日本語は年速一キロで動く』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へるとあとは寝るだけ。
 しかし、昨今の若者の、いや若者に限らず年寄りだって、変な言葉遣ひは実に不愉快である。誰とも話さず山奥でひっそりと暮したいといふ気分になることすらある。特に「レタス言葉」などを聞いた日には(実は「レタス言葉」といふ言葉を初めて知った。この言葉の意味する用法はよく知ってゐたが)。私は若者に生まれずに本当によかった。


9月11日(木)

 『神聖ローマ帝国』[amazon.co.jp, bk1]を読み終へる。疲れてゐるときはかういふ本を読みたくなる。実に不思議な国である。前からどうして「ローマ」なのか、どうして「神聖」なのか、どこが「帝国」なのかと思ってゐたが、何となく少し神聖ローマ帝国のことがわかったやうな気がする。
 800年の眠りから目覚めた神聖ローマ皇帝バルバロッサが出てくるのはジョン・クロウリーの『リトル・ビッグ』[amazon.co.jp, bk1]であった。魔法の帝都プラハを築き、魔法の力で帝国を統一しようとした大変人皇帝ルドルフ二世が登場するのがリサ・ゴールドスタインのAlchemist's Doorであった。どちらも面白い。

 職場の宴会で麦酒を飲んだら、たちまち頭痛。翻訳どころではなく、すぐに就寝。


9月10日(水)

 LOCUS九月号が届く。World Fantasy Awardの候補作が載ってゐて、ぢっと眺めてゐたら(ぢっと眺めなくてもわかるとは思ふが)、長篇部門の候補作はGraham Joyceの作品しか読んでゐないものの、冒頭の数ページで放り出したままの、Patricia A. McKillip Ombria in Shadow とJeffrey Ford The Portrait of Mrs. Charbuqueを読めば候補の半分以上を読んだことになるのだ。さうだ、明日からマキリップを読まう、と決意する。

 決意したところで、書評欄を眺めながらAmazon.co.jpに本を註文。

 Sheri S. Tepper The Companions (Harpercollins ; 2003/09/02, ¥2576)
 Liz Williams Nine Layers of Sky (Bantam Books ; 2003/09/01, ¥699)

の2冊。Elizabeth Hand Bibliomancy (PS Publications, $50.00/£35.00, 10/2003) の題名に強く心惹かれたのだが、7122円とは! 読むかどうかわからない本に出すには躊躇はれる金額である。そのうちにペーパーバック版が出たりしないだらうか。

 同じく書評欄に載ってゐたJames P. Blaylock & Tim Powers The Devils in the Details(Subterranean Press)は日本のAmazonでも本国のAmazon.comでも買へないやうだ。なぜだ?

 前にも書いたやうな気がするが、日本のAmazonと書いたりすると妙な気分だ。アマゾンは南米にあって、日本にあるものではないのだから。

 DeepMacでハードディスクケースなど買ひもの。


9月9日(火)

 bk1から『Mac OS Xインターネットサーバ実践活用ガイド』[amazon.co.jp, bk1]が届く。職場のネットワーク運用には役立ちさう。これのLinux版のやうなものを探してゐるのだが、どうも私が求めてゐるやうな情報がまとまってゐるLinuxの本は見つからないのだ。

 疲労感と眠気で翻訳はできず。


9月8日(月)

 今は主にどうでもよい書類をpdf化して書棚の空間を広げてゐるが、もっと有益に、例へばSF情報誌のLOCUSなどをpdfにしたら便利なのではないかと思ふ。作品や書評やインタビューを検索できて甚だ便利ではないか。確か二冊持ってゐる号があるから、試しにpdfにしてみようかと思ったが、二冊持ってゐる号が見つからなかった。問題は、pdf化したのちのLocusをどうするかだ。自動給紙装置でスキャンするには真ん中を切ってばらばらにしなければならない。それは捨ててしまはうか。さうしなければ書棚の余裕は増えないのだが。しかし、どうもLocusは捨てがたい。ばらばらにしたものは、自分で年ごとに製本しておかうか。悩むところである。

 午後から少し頭が痛くなってきて、帰宅してからダンセイニの翻訳に取りかからうとしたものの、二行で挫折。気分が晴れないので、ハードディスクを一つ(30GB)を初期化してすっきりさせてみたが気分は晴れない。当たり前か。


9月7日(日)

 朝から翻訳をやらうと思ってゐたが、掃除をしたり、書類のpdf化作業をしたりしてゐたら、もう昼近くになってしまってゐた。情けない。その後は大体ダンセイニの翻訳に勤しむものの、さっぱりわからず憂鬱になる。

 憂鬱になってゐるところに、bk1『Red Hat Linux Internet server』[amazon.co.jp, bk1]が届くが、気分は晴れない。ネットワークは難しい。

 落ち込んだまま翻訳を進めて、寝る。


9月6日(土)

 鴻巣友季子『翻訳のココロ』[amazon.co.jp, bk1]読了。翻訳とは何なのかといふことをずっと考へ続ける本。すごいなあと感心してしまふ。どこがどうとうまく説明できないが、その迫力といふか、気迫といふか。かういふ本を読むと、翻訳家になりたいなと思ふと同時に、とてもなれまいといふ気持ちにもなる。

 とりあへず翻訳をしなければと思ったが、Longman Dictionary of Contemporary English, New Edition Paperback with CD-ROM for Windows (4th)のことを思ひだし、動くかどうか試してみる。本来はWindows専用なのに、MacOSXで使へるではないか。感激する。Phrase Bank/Example Bankといふのが役立つかも知れないと思った。一方、Language Activatorといふのは使ひかたがまだよく判らない。各項目の最後に語源に関する記述が三行ほどあるのに気づいたが、これは書籍版の方にはないやうだ。尤も、あまり語源を調べることはないが。それにしても、語源に詳しいOEDやAmerican Heritage English DictionaryがMacOSXで使へないのは寂しい。

 机の裏に貼り付けてゐたYahooBBのモデムが剥がれてしまった。やはり両面テープで貼り付けるには重かったか。そこで、小さなモデム設置台を作って机の裏に取り付ける。ところで、先程書いたLongman Dictionary of Contemporary English, New Edition Paperback with CD-ROM for Windows (4th)のCD-ROMからデータをハードディスクに取り込まうと机の裏に貼り付けたDVD-ROMドライブにCDを入れたら、机から腕にDVD-ROMドライブの振動が伝はってきた。DVD-ROMを貼り付けたのは失敗だったか。

 bk1『Mac OS Xインターネットサーバ実践活用ガイド』[amazon.co.jp, bk1](3200円/毎日コミュニケーション)を註文。また、こんな本を買ってしまった。

 今日、買はうかどうしようか迷ったものの我慢したのは、萩野貞樹『旧かなを楽しむ』[amazon.co.jp, bk1](1800円/リヨン社・二見書房発売)である。説明によると「和歌の世界では旧仮名が常識。しかし70歳以下の人は、よく習っていないと使えない。使い慣れれば現代仮名づかいより細やかで簡潔な表現が可能な上、メールに使えば友達にぐんと差がつけられる旧かなの書き方を伝授。」最初の方はもっともだと思ったが、「メールに使えば友達にぐんと差がつけられる」って何? 私の場合、親しい人には旧仮名で書いてゐるが、誰にも差をつけるのに成功した感じはしない。いったい、どんな友達にどんな差がつくといふのだ。やはり和歌友達には差がつけられるのだらうか。友達が少ない私には和歌友達はゐないな。


9月5日(金)

 中村うさぎ『壊れたおねえさんは、好きですか?』[amazon.co.jp, bk1]読了。なかなか面白いのではあるが、買ひ物病の話を書いてゐた頃に比べると、あまりにも冷静に自分と自分を取り巻く状況、あるいは現在の社会の状況などを分析しており、しかもその分析は至極尤もなものである。つまり全然壊れてゐないのだ。壊れたおねえさんは、好きですか?っていふんだから、もっともっと壊れてほしいものだ。おそらく、自分の壊れぶりを冷静に分析してみせて、そこに可笑しさを感じさせようとしてゐるのだらうが、確かにそれはそれで可笑しいのではあるが、やはり分析などせずに対象に(以前は買ひもの、本書では「もてるやうになるということ」)耽溺し、陶酔し、そして壊れていってほしいものだ。

 昼間は職場でネットワークの再配置やらRed Hat Linux 9であれこれサーバ設定を考へてみたり、コンピュータの仕事は私の業務ではない筈なのだが。でも、主たる目的は自分の仕事をやりやすくするためで、人の都合はあまり考慮に入れてゐない私好みのネットワーク環境を整へるのだから、まあいいか。もちろん、自分にのみ利益が齎され、他の人たちに害が与へられるだけでは周囲の同意は得られないので、それなりの配慮してゐる。

 疲れて帰ってくると、何故か妻と娘から製本を頼まれる。そんなもの製本する必要はないだらうと思ふものの、私はときどきは手を動かしてゐないと作り方を忘れてしまひかねないので、練習のつもりで引き受ける。しかし、合計四冊は多すぎないか。私にも都合といふものがあるといふことを知らないのか。深夜一時過ぎに造り終へたときには、両手の先の痺れるやうな感覚が気になって仕方がないくらゐに強まってしまふ。


9月4日(木)

 SFマガジンの海外SF&ファンタジイ紹介欄SF Scannerの原稿を書いて送信。もちろん、今回紹介するのはGraham Joyce The Facts of Lifeである。いい話なので、全然それを伝へられてゐないやうな感じで情けない。挿話を積み重ねていくやうな語り口の物語は紹介するのが、特にその魅力をうまく伝へるのが本当に難しい。

 アトリエサードからトーキングヘッズ叢書19「ドール〜人形の冷たい皮膚の魅惑」をいただく。今号もまた、何も書かなかったのにいただいてしまひました。申し訳ありません。

 ソニー・マガジンズからハービー・グレナン『フェアリー・ウォーズ ベレスの書』[amazon.co.jp, bk1](種田紫訳/2000円)をいただく。面白さうではあるが、しかし長い。

 Amazon.co.jpからLongman Dictionary of Contemporary English, New Edition Paperback with CD-ROM for Windows (4th)が届く。今日は試してみる時間がなかった。今週末にでも検証しよう。

 bk1『Red Hat Linux Internet server』[amazon.co.jp, bk1](4800円/ソフトバンクパブリッシング)を註文。なぜこんな本を買はねばならないのだらう。まあ、仕事の一環と云へなくもないから、仕方ないのだが。


9月3日(水)

 朝目覚めるとまだ胃の痛みは残ってゐる。迷ったけれども出勤。いつもより一時間遅く。ゆっくりと痛みは鎮まり、帰る頃にはほぼ消える。

 帰宅してからGraham Joyce The Facts of Lifeを読み、読了。家族の物語である。普通、私は家族の物語など嫌ひなのだが、これは読んで良かったと思へる本であった。Coventryの空襲の場面は迫力ある筆致で忘れ難い。


9月2日(火)

 三時頃からなぜか急に胃が痛くなり始め、五時を過ぎる頃には痛くて普通に歩けないくらゐになってしまふ。仕方がないので帰宅。いつもは17分で歩く駅から家への道が一時間ほどにも感じられる。殆ど食事もできず、風呂に入って就寝。真夜中に起きると少し痛みは和らぎ、ぢっとしてゐればさほどの苦痛は感じない。麺麭と牛乳だけ食べて、本を読んでからまた寝る。

 痛みで眠ることもできず、寝台の上で呻いてゐるときに電話がかかってきた。私に電話とは珍しい。出てみると、損害障害保険に加入しませんかといふ明るい女性の声が聞こえてきた。現在契約してゐるので十分だと考へてゐますと地獄の底からのぼってくるやうな声で返事をしたら、その明るい声の持ち主はそそくさと電話を切ってくれた。


9月1日(月)

 bk1から、エリザベス・ヘイドン『デスティニイ 大空の子(上[amazon.co.jp, bk1]・下[amazon.co.jp, bk1])』と中村うさぎ『壊れたおねえさんは、好きですか?』[amazon.co.jp, bk1]が届く。ヘイドンは今回はまた分厚い。今すぐ読みたいのは中村うさぎだが、我慢してひたすらGraham Joyce The Facts of Lifeを読み続ける。読み続けるとは云っても、昼間は仕事に行ってゐるから時間はあまりないのだが。


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