キアラン・カーソン『シャムロック・ティー』(栩木伸明訳/3200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を読み終へる。今年読んだ本から五冊を選ぶときがきたら、きっと入るだらうと思ふ。入り組んだ迷路のやうな話の流れに混乱させられながらも、細部を見過ごせなくなり戸惑ってゐるうちに、驚きの結末へと辿り着き、そして冒頭に戻る円環構造になってゐる。ヤン・ファン・エイクのアルノルフィーニ夫妻の肖像をくぐり抜け、ドイル、チェスタトン、ワイルドらと言葉を交したあとに、「ことによるといつの日か、自分が最初にいた世界へ戻れないともかぎらない。だから、とりあえず今は、そちらの世界について書きつけておきたいと思う。」という言葉に帰って行くとき、神は細部に宿ると云ひたくなる。
まだ云へないダンセイニの短篇集を読み続ける。
宅配便で送料無料で本を送ると買ひとってくれる有名な古本屋に一箱送ってみた。41冊のうち31冊に値がついて、他は資源として処理された。およそ800円だった。ドイツ語の本なんかも入れて送ったからだらうか。それはいいのだけど、41冊では全然減らない。
下條信輔『サブリミナル・インパクト』(900円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]を読み始める。
信じがたいことに、今月も今日で終はりである。明日は本を買はう。
紀伊國屋書店から、沼野恭子『ロシア文学の食卓』(1160円+税/日本放送協会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]がやうやく届いた。十二月刊かと勘違ひして早く註文してしまったのだった。
ロシア文学に登場する食の場面を読み直しながら、ロシアの食卓を味はっていくのである。われわれになじみ深いボルシチ、ピロシキといったものから、全然馴染みのない白鳥の丸焼きとか、さまざまな料理が登場する。ぱらぱらとページを捲ってゐるだけで、もうロシア料理が食べたくなってくる。
この週末はボルシチを作らうか。といふことで、борщで検索してみると、ロシア料理サイトがたくさん出てくる。Украинский борщにしようかなとか、あるいはこちらのборщにしようかなとか、いろいろ迷ひさうになるが、ロシア語は読めないことを思ひ出した。ボルシチといへば、この本にも「ビーツの入っていないボルシチがあったら、それは餅の入っていない雑煮のようなものだ」と書いてある。実は私はそんなビーツの入ってゐないボルシチを食べたことがある。これはトマト味のシチューぢゃないかと思ったが、おとなしく食べて店を出た。でも、もう二度と来たくないとは思ったが。
ロシア語が読めるやうになりたい。
ジュンク堂福岡店で仕事の帰りに
●江戸川乱歩編『世界短編傑作集3』(創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。家の書棚のどこかにあるやうな気がしないでもないのだが、探してゐる暇がないので。この本に収録されてゐるダンセイニの作品に登場する「ナムヌモ」といふ調味料(ソース)は一体どんな味なのだらう。やはり奇妙な味なんだらうか。野菜には合はず、肉に合ふと云ふのだが、この作品を読んだあとには味はってみようといふ気分にはならないのが普通だらう。
紀伊國屋書店から、恩田陸『ブラザー・サン シスター・ムーン』(1400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]、ピーター・V・ブレット『護られし者3 攻勢』(和爾桃子訳/700円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]、下條信輔『サブリミナル・インパクト』(900円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]が届く。ちくま新書の本の帯には、「それは、本当のあなたの意志ですか?」といふ言葉が記されてゐる。私が常に怯え、「これは本当に自分の意志なのか」と疑ひ続けてゐる疑問である。私は誰よりも自分の意志を信用してゐない。
○Conrad Bessant, Ian Shadforth, Darren Oakly Building Bioinformatics Solutions: With Perl, R and Mysql (Oxford University Press, 2/2009) [Amazon.co.jp, Amazon.co.uk, 紀伊國屋, The Book Depository]
を、The Book Depositoryに註文。為替相場の変動が激しいので、どの書店が一番安いのか解りにくい。かういふ専門書だとかなりの値段の違ひがあるので、慎重に比べてみなければならない。少なくとも私はそうしなくてもいいほど金に余裕がないのだ。内容はBioinformatics関連。
今日もキアラン・カーソン『シャムロック・ティー』(栩木伸明訳/3200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を読みながら出勤。乗りたい電車に乗り遅れたので、普段よりも少しだけ長く本が読める。話は脱線し、なかなか先へ進まないが、それが面白い。どこへ向かふのかよく解らないまま、細部が拡大されて全体を飲み込んでいくような感じである。
今日は、あるダンセイニの短篇が収録されてアンソロジーを買はうかと思ったが、雨が降ってゐたので、やめた。何となく湿気を吸ひさうだったから。
新刊書評情報に「日刊新書レビュー」の新着情報が追加されなくなって、もう十日あまりも経ってゐた。うっかり見逃してゐた! 大変だ! といふことで、慌ててスクリプトを書き直した。多分、大丈夫だと思ふ。なかなか気づかないものである。気づいてゐても直せないものも実はある。形式が変はってどうにもならなくなってしまふものもあるのだ。
やうやく鳥居みゆきの「故 鳥居みゆき告別式」を観る。面白いのだが、妙に怖いところも多い。「麻衣子」の名前で慣れ親しんでゐるものもあれば、初めて観る「死刑執行」もある。「ちんどん」は今まで妄想葬儀として知ってゐたものだが、これまでいつも落とされてゐた箇所が何であったかを観た。でも音声は「ピー」で消されてゐたので、正確な言葉は判らなかった。どういふ内容なのかはだいたい知ってゐるけれども。いろいろ疲れてゐるときは、自分もゐていいんだと思へる作品である。多分。
今日もキアラン・カーソン『シャムロック・ティー』(栩木伸明訳/3200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を読みながら出勤。毎日、聖人の日である。聖カタリナの名前が出てきた途端、頭の中にジーン・ウルフの「聖キャサリンの祭」が蘇る。さういへば聖カタリナは『黄金伝説4』(平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
に載ってゐたのではなかったかと思ひ、書棚から引っ張り出してきてみたら、345ページからが「聖カテリナ」の項だった。少し読んでみる。何となく、ウルフの「聖キャサリンの祭」を訳してゐたときは、この本のことをすっかり忘れてゐたやうな気がする。かういふ本は、必要になってから探すのではなく、必要になるかも知れないから手元に置いておかなければならない種類の本だと思ふ。でも、この頃はオンライン検索で大抵のことは解るのではあるが。それでもできるだけ本を読んで頭の中に入れておくことは極めて大事だと私は信じてゐる。
ダンセイニの本を書棚の奥から見つけてきて、机の上にとりあへず置いてみる。理由はまだ書かない。
キアラン・カーソン『シャムロック・ティー』(栩木伸明訳/3200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を読みながら出勤。面白いが何とも説明できない。色の名前(あるいは色を強く聯想させる言葉)のついた、きっちり三ページの短い章の積み重ねで物語が紡ぎ出されていく。まだ、話がどうなるのか全然解らない。
先週はトウモロコシの話を読んでゐたので(今週少し休んでしまってゐるが)、トウモロコシの本が欲しくなって探してみたのだが、あまり手頃なものがないのに気がついた。江藤隆司『“トウモロコシ”から読む世界経済』(680円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]はいいかなと思ったのだが、私が期待してゐるものよりは経済的な視点が強いやうな気がする。まあ「世界経済」の本だから当然だらう。となると、戸沢英男『トウモロコシ—歴史・文化、特性・栽培、加工・利用』(4762円+税/農山漁村文化協会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀##國屋書店, Yahoo! Books]がいいかなと思ったのだが、これは少々高い。などといふことを季節外れのとうもろこしを食べながら考へた。
朝、家を出てから気がついた。鞄に本を入れてこなかったことに。辛かった。
東京創元社から、キアラン・カーソン『シャムロック・ティー』(栩木伸明訳/3200円+税/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]をいただきました。ありがたうございました。
《海外文学セレクション》の最新刊。『琥珀捕り』のカーソンである。「ことによるといつの日か、自分が最初にいた世界へ戻れないともかぎらない。だから、とりあえず今は、そちらの世界について書きつけておきたいと思う……こんな言葉ではじまる奇妙な手記。読み進むうちに、詩人カーソンが紡ぎ出す、交錯し繁茂するイメージの蔓にいつしか搦め取られる、摩訶不思議な物語。」といふ内容だといふ。面白さう。明日からこれを持って出勤しようか。さうだ、さうしよう。
東京創元社の二月の新刊のお知らせメールが今日届いた。シャンナ・スウェンドソン『コブの怪しい魔法使い (株)魔法製作所』(今泉敦子訳/創元推理文庫)は多分買ふと思ふ。このシリーズの三巻目までは買って読んでゐるから。他には、ジョゼフ・ディレイニー『魔使いの戦い〈上・下〉』(金原瑞人・田中亜希子訳/創元ブックランド)は買はないやうな気がする。このシリーズ三巻目までを買って読んでゐないから。
早川書房からSFマガジン3月号 [Amazon.co.jp, bk1]をいただきました。ありがたうございました。
今月の特集は、〈2008年度英米SF受賞作特集〉。「暗黒整数」 グレッグ・イーガン、「フィニステラ」 デイヴィッド・モールズ、「受け継ぐ者」 エリザベス・ベアなどが収録されてゐる。マイクル・クライトン追悼の特集も。
日曜日なのに本を読む時間が全然なかった。何といふことだ。
来月早川書房からピーター・アトキンス『万物を駆動する四つの法則』といふ本が出るらしいのだが、このアトキンスは物理化学の教科書で有名な、あのピーター・アトキンスだらうか。買ってみようか。同じ日に、チャールズ・ストロス『アッチェレランド』が出るから、これは忘れないやうにしなければ。これも原書を買ったのに全然読んでゐない本の一冊。
本を読む時間がなくても、本を買ふ時間は何とか作れる。
●恩田陸『ブラザー・サン シスター・ムーン』(1400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]
●ピーター・V・ブレット『護られし者3 攻勢』(和爾桃子訳/700円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]
●下條信輔『サブリミナル・インパクト』(900円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]
以上三冊を紀伊國屋書店に註文。ちくま新書のは、「それは、本当にあなたの意思ですか? 「情動」と「潜在認知」に関わる認知神経科学の知見をもとに、現代の諸相をつぶさに検証、創造性をもたらす暗黙知の沃野に分け入って、新たな人間観を問う。」といふ内容だといふので、いつも自分が騙されたり操られたりしてゐるんぢゃないかといふ恐怖を心の奥に抱へてゐる私はつい註文してしまった訳だ。
トウモロコシの話、ちょっと飽きてきた。英語の本は速度が遅くなるから、途中で飽きてしまふことが多くて困る。もっとはやく読めるやうにならなければ。
遅い理由は単純で、知ってゐる単語が少ないからである。もっと語彙を増やせばいいのだ。もう一つは、頭の中で音読してしまふこと。日本語の本はそんなことをしないから、ずっとはやく読める。まだまだ読む量が足りない。もっともっと読まなければ。
トウモロコシに関連して、牛の話が出てきて、草を与へずに高栄養の穀類などを配合した飼料を使ふと牛ははやく成長し、昔よりも殺して出荷する時期がどんどん早まってきてをり、今では生後半年ほどで出荷されることが多いのだといふ。それ以前に、さういふ飼料を与へて育てると牛は胃の中のpHが酸性になってしまっていろいろな障碍が発生するやうになり、その飼料を食べては半年くらゐしか生きられないらしい。
私はかういふところこそが不自然であり、自然の摂理に反する行為だと思ふ。クローン牛作成や遺伝子組み換へ作物よりも、ずっと命を蔑ろにする行為だと思ふ。
少しトウモロコシの話は休まうと思ひ、羽田空港内の売店(有隣堂)で、
●石渡嶺司・大沢仁『就活のバカヤロー』(820円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を買って読んだ。
昨年の11月に出て、話題になった本である。奥付を見ると、二週間くらゐで増刷になってゐるのが解る。こんなに早い時期に学生が就職活動をしても誰にもいいことがないと解ってゐるのに、自分だけ出遅れる訳にいかないからと、その状況が改まる気配はない。それを冒頭で「焼き肉の生焼け理論」で紹介してゐる。尤も私は本当に焼き肉は生焼けが好きなので、この理論には異論があるが、そんなことはこの本の内容とは何の関係もないのでこれ以上は書かない。私は所謂「就活」をしたことがほとんどないし、新入社員の採用に関わることもありさうにないので、この本の中で繰り広げられてゐる世界とはあまり縁がないのだが、面接で判で押したやうな答へを延々と聞かされるといふのは、入学試験の面接などで経験してゐる。
自分はどこで何をしようとしてゐるのか、自分を人に説明するときには何を訴へればいいのかといふ問題は、就職活動に限らず、誰でも常に考へなければならないことだ。さらに、人の話をどう聞いてどのやうに評価すればいいのかといふことも、誰でも考へておいた方がいいことだらう。さういふ点では私にも役に立ち、考へさせられた本だったが、かういふ「就活」の状況をどのやうにすれば改善できるのかといふことは解らないままである。
Michael Pollan The Omnivore's Dilemma: A Natural History of Four Meals (Penguin USA; Reprint版, 2007/8/28) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読みながら、飛行機で羽田へ。第一部はトウモロコシに注目している。大規模に生産されるトウモロコシを使ってさまざまな食品が工業的に作られ、また家畜の餌もほとんどがトウモロコシになり(本来トウモロコシを食べない動物も含めて)、現代アメリカ人は大量のトウモロコシを間接的に摂取しているという。トウモロコシはC4型光合成を行う植物種で、含有炭素のC13同位体の割合を調べるとC3型光合成を行う植物由来の炭素化合物と区別できるらしい。小麦や米はC3光合成を行うので、小麦や米ばかり食べていれば、C3光合成をする草ばかり食べている家畜の肉をもっぱら食べていれば、人間の体の炭素のC13同位体含有率はC3光合成植物に近くなるという。現代アメリカ人の体のC13含有率を調べてみると、トウモロコシの割合に近いという分析結果の報告もあるとこの本では云っている。もはや歩くトウモロコシであると。私はあまり加工食品を食べない方だと思うが、食べている牛や豚、鶏はきっとトウモロコシ由来の飼料を食べているに違いない。
トウモロコシは現代では種子会社に農家が支配されてまふところにいささか問題を感じるのだが、それは遺伝子組み換えトウモロコシに特に強く感じる。組み換え技術自体には私は問題を感じないが、その辺のことはまた別のページで書くことにしよう。
飛行機に乗った割にはあまり進まなかった。
Michael Pollan The Omnivore's Dilemma: A Natural History of Four Meals (Penguin USA; Reprint版, 2007/8/28) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読みながら出勤。人間の食についての本。人間が何でも食べるやうになって、食べ物の選択の幅が広がり、栄養がよくなる(なりすぎる)と同時に、何をどう食べればいいのかを悩まなくてはならなくなったといふことを意味する題名のやうだ。一昨日私が書いた「コアラだったら悩まない」といふことがこの本にも書いてあった。これは面白さうなので、ちゃんと読まう。明後日の出張にも持っていかう。この頃、食べ物のことばかり考へてゐるのである。雑食性の生き物は食べ物に関する悩みが多いものなのだ。
紀伊國屋書店から、静岡県『復刻 昭和二十年八月 食生活指針 — 敗戦を生き抜いた知恵』(1524円+税/農山漁村文化協会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届いた。確かにどんぐりに関する記載はあるが、あまり詳しくなかった。ちょっと残念。渋抜きが大変と書いてある。その後、臼で挽いていろいろなものに混ぜて食べよと書いてある。
動物性蛋白源のところでは、やはり蛇が出てきた。蛹とかも予想通り。他に蛙、蝗、田螺、蝸牛、小魚、小鳥など。さすがに鼠はなかった。調理法はあまり詳しくなく、蝗について少し記載がある程度。田螺はやはり数日水の中に放置して排泄物を出させたりして洗わないと臭いらしい。蛙の調理法を読みたかった。
野草についてはほとんど知らないことなので、新鮮で興味深く読んだ。「ぎしぎし」は、「厳冬の候に青々とした葉を持ち、見るからに食欲をそそる野草」なのださうだ。これをちゃんと読めば、道端の草を見て、涎が出てくるやうになるかも知れない。
複数の人で書いたのか、「野菜の利用加工」のところだけ、「ですます」体になってゐるのが可笑しい。
The Book Depositoryから、Peter Atkins and Julio de Paula Atkins' Physical Chemistry, Eighth Edition (£41.99, Oxford University Press) [Amazon.co.jp, Amazon.co.uk, 紀伊國屋, The Book Depository]が届いた。昨日郵便局から配達されて不在通知だけが新聞受けに投げ込まれてゐたので、出勤前に郵便局で受け取っていったのだった。これが重い。日頃、本以外に重い荷物を持たない私は、ひょっとしたらこれは米袋を一つ抱へるのと同じくらゐ重いのではないかと思った。米はあまり食べないのでよく知らないのだが。これで出版社から提供されてゐるオンライン資料が使へると思ったら、一部はさらに販売店を通して何かを申請しなければならないらしい。Oxford University Press日本支社にメールを出してみた。
朝、郵便局に寄るときには実はかなり慌ててゐた。今日も寝坊したからだ。この頃どうも早起きできない。どうも体内時計が遅れてゐるやうな気がする。どんどん遅れていくやうな気がする。世界の時間の流れとずれていくのではないだらうか。それはまあ、どうでもいいのだが、今日からMichael Pollan The Omnivore's Dilemma: A Natural History of Four Meals (Penguin USA; Reprint版, 2007/8/28) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読んでみようかと思ってゐたのに、寝坊したのでその準備ができず、電車の中で鞄を開けてみたら、昨日まで読んでゐたLeonard Mlodinow The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が入ってゐたのだ。幸せな車内読書のひとときを過ごすつもりだったのに、いきなり目の前が真っ暗になった気分であった。空腹で震へる手で弁当箱を開けたらレバーが入ってゐたやうな気分である。それは私がレバーが嫌ひなだけで、他の人と共有できる落胆ではないけれど、私の中ではそんな気分だったのである。もちろん、それを読んだのだけど、最初の方に出てくる例があまりすっきりしないのである。世界中でベストセラーになった作品でも出版社に持ち込んで没になったことが何十回もあるものもあるといふ話が出てくるのだが、それはランダムな結果かどうかといふ問題なのだらうか。明日は少し早起きして本の準備をちゃんとしたい。いや、寝る前にしておけばいいのか。
今日も話題がないのでドイツのSF関連ニュースから。19日まではエドガー・アラン・ポー生誕200年の記事に溢れてゐたのだが、それも終はって、昨日から目についたのは、Roland Emmerichがアシモフの『ファウンデーション』三部作を映画化するらしいといふ話題である。zelluloid.deやWidescreen Vision、MovieGod.de、Cinefactsなどで報じられてゐる。ファウンデーション3部作は20年くらゐ前に読んだことがあるけれども、Roland Emmerichのことは何も知らないから、実はこのニュースについて特に何かを記せないことに気がついた。これってそんなに話題になることなんてすかとこちらが訊ねたいところである。目を付けて取り上げてみたが、あまり意味がなかったやうだ。
Leonard Mlodinow The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読みながら出勤。どうも読みづらいやうな気がする。全然難しいことなんか書いてゐないのに。小説の方が慣れてゐるからだらうか。
紀伊國屋書店から、Michael Pollan The Omnivore's Dilemma: A Natural History of Four Meals (Penguin USA; Reprint版, 2007/8/28) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋] が届いた。この頃、パンを自分で焼いてみたり、どんぐりの食べ方を調べてみたり、いろいろと(でもないけど)食べ物のことを考へている日々なのだ。だから、題名に惹かれて註文してみた。人間、何を食べるかは大事なことだ。コアラみたいにユーカリの葉しか食べなかったりすれば、何を食べるかを悩むこともないわけだが、人間は雑食だから、いろいろ悩まなければならない。雑食だからさまざまな環境で生き延びてきたのだらうが、それはそれで大変なこともある。
明日から、これを読んでみようか。読みかけで放置されてゐる本がみるみる増えていく。やれやれ。
ドイツのSpiegel誌の文芸欄に "Irrsinn in der U-Bahn" などといふ記事が載ってゐた。「地下鉄の狂気」とでもいふ意味かな。RowlingとFunkeがファンタジイ小説で大ヒットしたわけだが、これからはセルゲイ・ルキヤネンコとDmitry Glukhovskyの時代だ! のやうな感じだらうか。モスクワの地下鉄はなかなかのものらしい。地下鉄が出てくるファンタジイは少なくなくて、ニール・ゲイマン『ネバーウェア』とか、Lisa Goldstein "Dark Cities Underground" とか、面倒臭いので今は二つしかあげないので説得力は皆無(気が向いたら追加しておきます)なのだが、どれも面白い。ルキヤネンコももっと日本で紹介が進むといいのだが、ロシアの本はなかなか売れないのか、紹介は進まない。
今日は眠くて、書いてゐて意識が飛ぶので、この辺で。
随分前に註文してゐた Jonathan Strahan, ed. Eckipse Two (Nightshade Book) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届いた。Amazon.co.jpに註文してゐた人のところには何日も前に届いてゐたのだが、紀伊國屋の方が安いのだ。早く届いた人たちが、テッド・チャンのExhalationが素晴らしいと褒めてゐたので、早速読んでみた。
なるほど、これはいい話である。多分邦訳されるだらうから内容は書かないが、私たちとは別の不思議な技術を有する生命体の暮らす宇宙の命の物語である。読み終へた後、ゆっくり心に染み入って来る作品である。壮大な宇宙の終焉とはまたひと味違った哀しみがある。あ、ジェフリイ・フォードも読まなければ。
さて、この頃はどんぐり食べたいとか呟きながらパンを焼いてゐるのだが、今日はさつまいもパンを作りながら、戦後の食糧難のときにさつまいもの蔓まで食べた話を思ひ出してゐた。私が食べたのではない。読んだり聞いたりした話を思ひ出しただけである。ふと「さつまいも+パン」で検索してみたら、どんぐりを見つけたのだ。『復刻 昭和二十年八月 食生活指針』といふ本である。敗戦の年(第二次世界大戦のことである。あまりにも若い読者のために記しておく)に静岡県が配布したものの復刻だといふ。「身近な多数の未利用動植物を食材として活用する知恵」である。そこに、どんぐりの食べ方が載ってゐるのだ。詳しい目次があるのでご覧になればその実用性が想像できるといふか、想像力がかき立てられることをご理解いただけると思ふ。
さつまいものパンとか、さつまいもの葉の食べ方まで載ってゐる。面白さうなのは、さつまいもなんかではなくて、「未利用食糧資源」といふところである。そこに「どんぐり類」がある。胡桃や銀杏も未利用食糧資源なのか。未利用食糧資源の「蛋白資源」の項には、「いなご」「たにし」「その他」と書いてある。蝗は食べたことがあるが、田螺はないなあ。さういへば、しばらく前にお笑い芸人の髭男爵が自分で田螺を捕ってきて調理して食べてゐる場面がTVで放映されてゐたが、私はTVを持ってゐないのにどうやって観たんだらう。鳥居みゆき関連で動画ファイルでも観たのか。「その他」では一体何が出てくるのだらう。蛇? 蚕? 順当なところでは雀とか? 怖いなあ。何だかわくわくするなあ。「野菜の利用加工」には、「食料としての茶殻」なんて項があるのだが、茶殻を食べるのか? 茶殻は食べたくない、絶対に。でも、死ぬよりはいいか。などと思ひながら、紀伊國屋書店に、
●静岡県『復刻 昭和二十年八月 食生活指針 — 敗戦を生き抜いた知恵』(1524円+税/農山漁村文化協会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。一体どんなことが載ってゐるのか、楽しみである。田螺とか蝗とか食べたら別館の方で報告していきたい。
ウィリアム・ブライアント・ローガン『ドングリと文明』(山下篤子訳/2300円+税/日経BP社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。私は主に食糧としてのどんぐりに関心があるので、後半のオーク材を使った造船の部分などはざっと流してしまったけれど。
どんぐりにはほとんど味や風味がないらしい。長時間あく抜きをしなければならないなど、面倒臭い割には美味い食べ物にはならないやうだ。他の特長は、腹持ちがいい!(「戦後の合コン」の鳥居みゆき風に)。採集が大変で(とても機械化できさうにない)、食べ物にするのに手間と時間がかかって、しかもあまり美味くないとなると、穀類に取って代はられたのも仕方あるまい。それでも私はどんぐりを食べてみたい。韓国食材店で買ふのではなく、自分で採取したものを。
あと数ヶ月早くどんぐりに関心を抱いてゐれば、公園などに採取に行けたのに。
紀伊國屋書店から、Raymond Chang 『生命科学系のための物理化学』(4900円+税/東京化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。電気化学のところに膜電位やクエン酸回路の話が載ってゐるのが、生命科学系なのか。そんなに読んで面白い本ではない。
ドイツのニュースにここ数日、エドガー・アラン・ポーの記事が急に増えてきてゐるのはどうしてだらうかと思ったら、生誕200年の誕生日が迫ってゐるからだった。例へば、Als Krimi-Erfinder ist Poe bis heute aktuell -- Vor 200 Jahren wurde Edgar Allan Poe geboren [Nürnberger Nachrichten]とか、Als Krimi-Erfinder ist Edgar Allan Poe bis heute aktuell -- In jedem Krimi weht ein Hauch des US-amerikanischen Kult-Autors [Die Berliner Literaturkritik]とか。枚挙に暇がないのでいちいち示さないが、ちょっと検索してみるとそれはもうたくさんあることが解る。一方、日本では全然見つからない。私の検索のやり方が悪いんだらうか。それともよほどドイツ人はポー好きなのだらうか。ロシア語ではこんな記事 [Учительская газета] があった。読めないけど。もちろん、アメリカではそれなりにあるけれども [Google News]。さういへば、エレン・ダトロウがポー生誕200年に因んだのか、Poe [Amazon.co.jp] なんていふアンソロジーを出してゐる。18編収録されてゐるらしいが、収録作品ははっきりしない。面白い作品が入ってゐるんだらうか。
Leonard Mlodinow The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]がほとんど進まなかった。仕事帰りの電車の中でほとんど読めなかったからだ。職場で宴会があって、麦酒を少し飲んだからだらう。私は酒に弱いのだ。ほんとうはそんなものを飲んでゐる暇があったら本を読みたいのだが、やむを得ない事情といふものがあるのだ。
帰宅してから、盛口満『ドングリの謎』(1500円+税/どうぶつ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。麦酒のせゐで少し頭が痛かったのだが、どんぐりならなんとかなるだらうと思ったのだった。決してどんぐりを莫迦にしてゐるつもりはないのだが、なにしろ名前がどんぐりだから、多少莫迦にされるのは仕方がないだらう。
ボルネオや西表島で採ったどんぐりの話も面白いが、私は著者が理科の授業で行ってゐるどんぐりを食べる話に関心があったのだ。どうやって渋みを抜いたらいいのか、特に知りたかった。結局、水に曝せばいいやうだ。いつの日か、マテバシイかクヌギで挑戦してみたい。
それにしても植物名は片仮名で書くと云ふのは実に味気ない。クヌギは、椚とか櫟とか、あるいは橡などと書くやうだ。ちょっと難しい。マテバシイはまてば椎。「まてば」が何かよく解らない。「待てば」ではないだらう。ちなみに「椎」は「しひ」と書くから、歴史的仮名遣ひでは「マテバシヒ」だ。
少し頭が痛いので、今日はもう寝なければ。
Leonard Mlodinow The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を手に取って出勤。まだほとんど読んでゐないけれども、冒頭の宝くじを当てたスペイン人の話が、ラッキーナンバー7が来ると思ったから7×7の48にしたんだ! といふものだったから、まったくの偶然でしかないのにそこに理由や根拠、思い込みのみに基づく因果関係を見出してしまふ人々の行動や考へ方に関する本であるなら、私が求めてゐる内容なのでちゃんと読まうと思ったところである。
しかし……
紀伊國屋書店から、ウィリアム・ブライアント・ローガン『ドングリと文明』(山下篤子訳/2300円+税/日経BP社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、盛口満『ドングリの謎』(1500円+税/どうぶつ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ』(小松淳子訳/2400円+税/インターシフト)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、上野景平『化学反応はなぜおこるか』(860円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が来てしまったのだ。だから、私の頭の中は今はどんぐりで一杯である。ああ、どんぐり食べたいと思ってみたり。『プルーストとイカ』も面白さうだ。
本当に幼かった頃、有名などんぐりの歌がどうもよく解らなかった。まづ「お池にはまって」とはどういふ意味か解らなかった。そこで、母に訊ねた。「はまるといふのは、抜け出せなくなって困った状態に陥ること」と教へられた。なるほどさうか。しかし、池に「はまる」と大変なのか、どぜうが出てきてこんにちはなんて云ふくらゐだから、大変な状況ではないのではないか。どんぐりは一体何が困るといふのか。どぜうだって「坊ちゃん一緒に遊びませう」と云ってゐるではないか。一体何が大変なのか。どぜうと遊べばいいではないか。母が何と答へたかは覚えてゐない。多分、そんなこと知るかといふやうなことではないだらうか。あるいはもしかすると「どんぐりにはどんぐりの事情と云ふものがあるのです。私たち人間には伺ひ知ることのできない事情です。もしかしたら、あなたが大人になったら理解できるかも知れません。どんぐりの事情を忖度できるやうになったときこそ立派な大人になったといふことかも知れません」と云ったかも知れない。私は未だにどんぐりの事情が解らない。それは私が四歳くらゐの頃の話である。
島田裕巳『無宗教こそ日本人の宗教である』(705円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。いまさらそんなこと云はれてもねえとあまり期待せずに読んだのだが、これは目から鱗が落ちた。日本人の無宗教は宗教や信仰に無関心なのではない。常日頃から宗教的な行事に関わってゐるのだといふ。例へば何百万人が詣でるといふ初詣なんていふのは世界的にも珍しい大規模な宗教行事である。日本人は神道や仏教やキリスト教の行事すら行ったり参加したりするものの、八百万の神を心の中に抱いた多神教ではなく、特定の神を対象にしてゐるのでもなく、漠然とした名前のない神一般に祈ってゐるのだ。何もかもが私には新鮮だった。なるほどさういふ考へ方もあるのかと思った。
さういふ無宗教こそ他の宗教に寛容であり、日本は平和を保てるのではないかといふ指摘は、私がいつも感じてゐたことであった。世界が日本になれば平和になるのに(日本が世界を支配するといふ意味ではない)。
と同時に、私は「どうして日本人がナザレのイエスの誕生をそんなに祝ひ、正月になったら複数の神社に平気で初詣に行けるのか」などと目くじらを立ててしまふ。ほとんどの日本人が信仰してゐる「無宗教」を信仰してゐない、本当の無神論者といふことになると云へよう。だから、私は盆の墓参りをしないし、初詣にも行かないし、クリスマスにも特別な宴と祈りに参加したり催したりもしない。尤も、ささやかながらも邪な心を抱いてナザレのイエスの誕生を祝ふふりをすることにも吝かではない。
1ユーロ116円台、1ポンド129円台には、驚きと狼狽を禁じ得ない。狼狽へてヨーロッパの本を買ってしまひさうだ。一時期は、1ドル=1ユーロ=100円だった頃もあったやうな気がする(あるいはエキュの時代だったか)から、そんなにあり得ないやうなことでもないのかも知れない。USドルが80円になったりするのだらうか。さうしたら、欧米の本を買ひまくらうか。
iWork '09がアップルストアから届く。早速インストールしてみたが、前よりまた綺麗になったといふこと以外はよく解らない。アップルの製品は必要以上に綺麗なせゐで動きが重くなってしまひがちである。それでも私はアップル製品の必要以上の美しさが気に入ってゐる。美は必要性を超越した領域にあるのだ。
紀伊國屋書店から、西田宗千佳『クラウド・コンピューティング』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、島田裕巳『無宗教こそ日本人の宗教である』(705円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ナンシー・クレス『プロバビリティ・スペース』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届いた。
西田宗千佳『クラウド・コンピューティング』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んでみた。あまり知らないことが書いてゐなかった。これは「クラウド・コンピューティング」って一体なに? といふ人が読む本としてはいいものだと思ふ。現状の解説と将来の予想が解りやすくまとめられてゐる。私にとっては残念なことに、ほとんど知らないことが書いてなかったのである。だからといって、これが駄目な本だとかくだらない本だといふことは意味しない。私も近頃やうやく解ってきたのだが、パソコン中心の世界とケータイ中心の世界の間の溝は思った以上に深く広いやうだ。iPhoneを喜ぶ層は、ケータイ文化に属する人たちとはあまり重ならなかったやうだといふことは、本書を読んでやはりさうだったのかと納得できた次第である。
ネットブックっていふ言葉は勝手に使へないらしい。
今日は久し振りにウィリアム・ギブスン『スプーク・カントリー』(浅倉久志訳/1900円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。どうも解りにくい。困ったなあ。明日以降どうしようか。
紀伊國屋書店に、
●Raymond Chang 『生命科学系のための物理化学』(4900円+税/東京化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。諸般の事情により。
久し振りにThe Book Depositoryに本を註文。
○Peter Atkins and Julio de Paula Atkins' Physical Chemistry, Eighth Edition (£41.99, Oxford University Press) [Amazon.co.jp, Amazon.co.uk, 紀伊國屋, The Book Depository]
の一冊だけ。ここに書いてもあまり面白くない事情のせゐである。邦訳を買はずに敢て原書を買ふのは、その方が安いといふことと、出版元からいろいろな資料をダウンロードできるやうになることを考へてである。
ブライアン・フェイガン『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み終へる。東南アジア、中国などが終はりの方の章で扱はれてゐる。中世の温暖な時期はヨーロッパやアイスランド、グリーンランドなどには恵みをもたらしたが、地球全体で見れば、熱帯地方から東南アジア、中国において大干魃をもたらし多くの人々が死に文明が滅んだのだといふ。ここ数年は大洪水は温暖化のせゐではないかと注目を浴びたが、本当に恐れるべきは旱魃であるといふ結論になってゐる。人類の活動によって近い将来に地球温暖化の危機が来ると信じるか信じないかは別にしても、気象変動に対する対応を常に考へておかなければ、一つの民族や文明が滅んでしまふ事態に備へることはできないのは間違ひないだらう。
アメリカのSF雑誌Fantasy and Science Fictionが隔月刊になるといふ。驚いた。そして、寂しさを禁じ得ない。この三月号が最後の月刊となり、その次は4/5月号となるらしい。でも、一号のページ数は増えるよと書いてあるが、それでも年間総ページ数は減るわけだ。ほとんど読んでゐないけれども、多分私が一番多く持ってゐるアメリカのSF雑誌だ。
国書刊行会のサイトに「バベルの図書館分室」なんていふのが出来てゐるのに今日初めて気がついた。面白い本を紹介してくれるといふことらしい。バベルの図書館分室、開室宣言のリンクが間違ってゐる。そんなことはどうでもいいのだが、そこの8日の記事で紹介されてゐるのが、Dulac's Fairy Tale Illustrations in Full Color (Dover, 2004) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]である。「本自体はうすくてペラペラで、風情はありません」と書いてあるが、Doverの挿絵本は昔からさうだったやうな気がする。このシリーズ55冊もあるさうで、さう聞くと全部集めたくなってくる。66000円くらゐで揃へられるのなら、集めてみようか。
国書刊行会といへば、今年は山尾悠子の短篇集が出るといふではないか。楽しみである。
紀伊國屋書店から、Rosamond Purcell Egg & Nest (Belknap Press, October 2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届いた。大きな本である(26.4 x 25.9 x 2.3 cm )。そして重い。最初の方には長い解説があるが、ほとんどが各ページに大きな写真があって、短い説明が付された構成になってゐる。そしてその写真といふのが、鳥の卵と巣の写真なのである(少し鳥本体の写真もある)。色とりどりの、さまざまな模様の卵である。そして巣。それが延々と続く。驚くことに、それが決して飽きることがない。これほど多様な卵と巣の姿を見られるとは予想もしてゐなかった。日本でも出せばいいのに。
萩谷昌己・西川明男『DNAロボット』(1200円+税/岩波科学ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。蜘蛛型ロボットは面白いがまだまだ自由にDNAで構築したナノロボットを自由に動かせる訳ではないのだといふことがよく解った。数時間で点滅する大腸菌を作って何の役に立つのかとか、DNA分子でボロミアンリングを作って何がいいのかとかいふ感じだが、今日役に立たなくても、かういふ積み重ねが未来への知識の蓄積になるのだ。今日何の役に立つとか明日誰が儲かるかといふやうな短絡的な考へ方ではゆっくりとした地道な進歩は達成できないはづだ。
さて、『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]に戻って南北アメリカ大陸の大干魃の話を読み進める。特に南米では、山本紀夫『ジャガイモのきた道』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を思ひ出しながら、読み進める。
「どんぐりとプエプロ族」を読んでゐると、無性にどんぐりを食べたくなってきた。しかし、季節外れか。もう頭の中がどんぐりで一杯になる。夕食時にふと気づくと「どんぐり……」と呟いてしまったりするくらゐだ。我慢できないので、紀伊國屋書店に本を註文して気を紛らはせることにした。
●ウィリアム・ブライアント・ローガン『ドングリと文明』(山下篤子訳/2300円+税/日経BP社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●盛口満『ドングリの謎』(1500円+税/どうぶつ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ』(小松淳子訳/2400円+税/インターシフト)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●上野景平『化学反応はなぜおこるか』(860円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上四冊を註文した。どんぐりの本を二冊。『プルーストとイカ』は題名は目にしてゐたのだが、これが本に関する本だといふことに気づいてゐなかった。今日やうやく気づいて慌てて註文した次第である。「書字の起源や多様性、変形能力の素晴らしさを紹介し、文字を読む脳の発達、読字習得に至るまでのさまざまな経路を新しい観点から克明に描く。また、ディスレクシア(読字障害)などについても取り上げる。」といふ内容だといふ。「マーゴット・マレク賞」受賞作品。どんな賞か実はよく知らないんですけどね。
今日も『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。アフリカの話を中心に。この本、日本の記載はあまりなささう。この中世温暖期に日本はどうだったのだらうと気になって年表など見てみたがよく解らなかった。飢饉の歴史をざっと見たりもしたが、よく解らない。もう少し注意深く見てみようか。
紀伊國屋書店から、萩谷昌己・西川明男『DNAロボット』(1200円+税/岩波科学ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届いた。明日からちょっと読んでみようか。思ひの外薄い本だった。
紀伊國屋書店に本を註文。
●西田宗千佳『クラウド・コンピューティング』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●島田裕巳『無宗教こそ日本人の宗教である』(705円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ナンシー・クレス『プロバビリティ・スペース』(金子司訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●沼野恭子『ロシア文学の食卓』(1160円+税/NHKブックス)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
である。新書二冊とハヤカワ文庫SFの新刊。そしてロシア料理の本である。いや、別に料理の本といふわけではなく、「「難解」というイメージがつきまとうロシア文学を、「食文化」という観点から読みなおし、新たな鑑賞の地平を開く画期的な書。 」といふ内容らしい。この著者のエッセイが収録された料理の本、『家庭で作れるロシア料理』(河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]は前に買ったことがあって、実際に一つか二つ作ってみた。冬はロシア料理が食べたくなる。あ、この本、まだ出てゐなかったのか。予約註文だといふことに気づかなかった。
ブライアン・フェイガン『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。中世ヨーロッパの農民の生活に関する記述が中心の章などを読む。
春には引っ越ししなければならないことになった。古いパソコンやモニタの廃棄の準備をしたら結構な金額になった。大抵のところは、申し込むと(多くはオンラインで申し込めるが電話でなければならないところも)振替用紙を送ってきて、それで送金するとやうやくエコゆうパックの送付票が送られてきて、それから郵便局に引き取ってもらふやうに聯絡しなければならないのだ。中では富士通はクレジットカードが使へるから簡単である。
本も少し減らしたいものだが、どうしたらいいものか。
本は電子化によって軽量化できて場所も取らないやうにできるのかもしれないが、まだあまり普及してゐない。日本でもいろいろな製品が発表されたと思ふが、これといって定着したものはないやうだ。一方で、携帯電話で小説などを読む人が増えてゐる。よくあんなもので読めると思ふが、あれで読む小説は普通の紙で読む小説とは違ふのだといふ意見もある。私は読んだことがないのでよく解らない。アメリカで成功しさうなのが、AmazonのKindleだらうか。あんなので本が読めるんだらうか。日本語は縦書きといふことも考へなければならないので、難しい部分もあるのかも知れない。そんな電子本の話はまた明日にでも続きを。ちょっと眠くなってきてしまったので、今日はこの辺りで。
ブライアン・フェイガン『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をギブスンよりも先に読み始めてしまふ。中世ヨーロッパがそんなに温暖な気候だとは知らなかった。確かにグリーンランドに植民なんて寒いのに大変だなと思ってゐたのだ。本当に緑の地だったとは。まだ読み始めたばかりなので、この後が楽しみである。
紀伊國屋書店から、Leonard Mlodinow The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives (Pantheon, May 13, 2008) [紀伊國屋, Amazon.com, Amazon.co.jp]が届く。面白さうだけど、英語である。ランダムに起こることなのに、そこに法則や傾向、パターンを見出してしまひがちなことを書いてゐるんだらうか。さういふのが変な迷信になったりするので、私はランダムを応援したい。
Amazon.co.jpに、
○David W. Ussery & Trudy Wassenaar Computing for Comparative Microbial Genomics: Bioinformatics for Microbiologists (Springer-Verlag, 2009/1/30) [Amazon.co.jp, Amazon.com, Amazon.co.uk, Amazon.de, 紀伊國屋]
を註文した。また読むかどうかも解らない本を註文してしまった。どうして我慢できないのか。あの註文ボタンを押す瞬間の、いけないことをしてしまふ快感を味はふためだらうか。いや、そんなはづはない。私は本当に手に取って読みたいと思ってゐるのだ。
今回は、Amazon.co.jpに註文した。6665円だった。紀伊國屋書店でも6933円とあまり変はらない。驚いたのは、アメリカAmazon.comで、$89.95である。高すぎないか。アメリカには在庫があって、残り二冊だといふ。安いのがAmazon.co.ukだ。£41.94で買へるのだ。ポンド安のせゐもあらう。でも、送料を足すと日本に註文した方が安い。ちなみにイギリスは在庫切れだ。まあ、そこそこの値段なのがAmazon.deなどのユーロ圏。世界中の書店の値段を比べられるやうになったのだから、恐ろしい。
註文してしまったものは仕方がない。来るのを楽しみに待つことにしよう。
マーティン・リンストローム『買い物する脳』(千葉敏生訳/1700円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。買い物に対する欲求などをMRIを使って測定しようといふ研究の結果を照会するものである。さうすると人はときどき、いや頻繁に嘘をつく(意識的だったり無意識だったりするのだらうが)。だから、アンケート調査などよほど注意深くやらないと真実とは逆の結論が出てしまって、大失敗に終はることもあるといふわけだ。商品そのものと全然関係のないものでも、同時にあるいは直後に目にしたり耳にしたりする商品に対する印象を大きく変へ得るといふことは、商品を買ふか買ふまいか検討してゐるときには大いに注意しなければならない事実だらう。色とか匂ひとかである。儀式と迷信の強い影響も。ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』(熊谷淳子訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]に通じる部分も多いので、併せて読むとさらに興味深く読めると思ふ。
かういふ本を読むと、常に自分の行動は制御されてゐるのだといふ恐怖に襲はれる。さういふことに対する恐怖心の強い人はあまりこの手の本を読みすぎない方がいいのかも知れない。
紀伊國屋書店に、
●萩谷昌己・西川明男『DNAロボット』(1200円+税/岩波科学ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。「38億年の進化が生み出した精巧な分子機械−生命。急速に展開するDNAナノテクノロジー研究の最前線を紹介し、ゲノム関連技術の進歩と情報化の融合が生み出す未来を予測する」といふ内容らしい。
iWork '09をアップルストアに註文。08版とあまり大きく変はってゐないやうな気がしたけれども、つい買ってしまふ。iLife09の写真画像の顔を認識してソートするといふ機能に驚愕したけれども、私は人の写真なんて滅多に撮らないので関係がない世界の話題なのだった。写真はもともと好きではないのだが、自分で作ったパンの記録を取ったりすることはある。
ギブスンにはちょっと待ってもらって、マーティン・リンストローム『買い物する脳』(千葉敏生訳/1700円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始めてしまった。なかなか面白い。最初に煙草の話で始まる。広告は禁止されたし、健康被害を大きくパッケージに記すことが義務づけられたのに、どうして喫煙者は減らないのか。あからさまな広告が禁止されてもっと強い見えない広告が人々に深く影響してゐるのだといふ解析結果には驚かされる(それ以前に煙草を吸ふ気持ちがまったく私には理解できない。そんな金と時間があったら本を買って読むのに。といふ話は今はおいておかう)。人は習慣に固執するとか、アップル(コンピュータ)はもはや宗教であるとか。私も日々の習慣にかなり固執するがこれは不安の回避が目的なので、購買行動にはあまり結びつかないかも知れないと思った。半分を少し超えたところ。
この頃あまりなかったのだけど、久し振りに「あなたのサイトを儲けさせてあげませう!」といふ宣伝メールがきた。昔はよく来たけれど、この頃さっぱり来なかった。別にそれで寂しいわけでもない。今回のは「新しい企画で、“ホームページを利用して小予算で新規客を大量に獲得する方法”を1月15日まで限定で無料公開しています。」ってことらしい。「WEBサイトのYahooカテゴリからサイトを拝見し、御社のお役にたてればと思い、ご連絡させていただきました。」といふことださうだが、うちは会社ぢゃないし、儲けようとも思ってゐない。だから、かういふメールが来ると不愉快である。なぜかといふと、儲けてゐなくて損してゐるやうな気にさせられるからだ。私だって儲かる話は大好きだ。しかし、「私や、私の周りの人間がインターネットだけで累計数十億円を生み出してきた方法です。」と云はれて、喜ぶほど自分のことを冷静に見られないわけではない。儲けてたまるかと意固地になったところで、もう寝よう。
ウィリアム・ギブスン『スプーク・カントリー』(浅倉久志訳/1900円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まだ、40ページだが、さっぱり判らない。iPodが出てくる意味も判らない。訳者あとがきと解説を読んだら、少しは安心して読めさうな気がしてきた。さういふものの助けを借りなければ物語を吸収できなくなってゐるのは老いた証拠だらうか。
紀伊國屋書店から、マーティン・リンストローム『買い物する脳』(千葉敏生訳/1700円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]とブライアン・フェイガン『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。『千年前の人類を襲った大温暖化』を買ってしまったことについては昨日書いたとほりである。『買い物する脳』の方は危ふく原書で買ってしまふところだったのだが、註文ボタンを押す直前に邦訳を見つけた。いつ何をどうして買ってしまふのか、自分でもよく判らないので、かういふ本を読んで迂闊に誘導された買ひものをしないやうになりたいものだ。なれるものなのかどうかは知らないが。
年末年始になると日本中が休みになるので新刊書も出ないし、新聞社の書評サイトもあまり更新されないので、読み切れないくらゐ買ってしまってゐる本を読んでおかうといふことになり、読書生活を考へればそれはそれでいいことなのかも知れない。そんな中で紀伊國屋書店の「書評空間」が年末から連日多数の更新があって、最初は何かの間違ひぢゃないかと思ったほどだ。普通の土日は更新されないのに。それで、思はずブライアン・フェイガン『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を元日に註文してしまったわけだが、これは来月文庫になるらしい。本の収納場所に苦労してゐるときに、ちょっと失敗だったかも知れない。
ロイス・マクマスター・ビジョルド『死者の短剣』(小木曽絢子訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。四部作の第一作。舞台は剣と魔法の異世界ファンタジイにありがちな感じ。人々を襲ふ謎の怪物を警戒する警邏隊員(湖の民)と助けられた地の民の娘の恋の物語である。悲しい過去を持つ気難しいダグと口うるさい家族を持つまるで少女のやうな小柄な若い娘が互ひに惹かれ合ひ、結婚するところでこの巻は終はるのだが、途中経過が私には長すぎる。ビジョルドなので、つまらない話は書かないから、最後まで読めるのではあるが、この先もかうなのだらうか。些か不安である。
Amazon.co.jpから、渡辺正・北條博彦『高校で教わりたかった化学』(1900円+税/日本評論社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。ぱらぱらと捲ってみて、なるほどこんなふうに教へられたら少しは判ったのかなと思ふ。私は高校の頃、化学がさっぱり判らなかった。この本の最後に、高校で教へてゐる化学と大学で教へる化学がまったく違ふので、その溝を越えるのに苦労すると書いてあるが、私は高校のときにさっぱり判ってゐなかったので戸惑ふこともなかった。さっぱり判ってゐないのに、化学科に入ってしまったのである。それは大学に入ったらまったく違ふと聞いてゐたからだ。だから、それで良かったのだ。結局何が云ひたいのかよく判りませんね。
「U」のキーが調子悪くなったので、思ひ切ってキーを取り外してみると、爪の欠片が挟まってゐた。爪を切ったときに欠片が飛んで入ってしまったやうだ。ピンセットで爪を捨てキーを嵌め込む。掃除機でキーの間に入り込んでゐるゴミや埃を吸い取り、イソプロパノールを染み込ませたペーパータオルでキーを拭いていく。ああ、すべすべとした指先に吸ひつくやうな目に眩いほどの真っ白なキー。そっと押すと軽やかに押し返してくる。ああ、テンキーにまだ微かな汚れが! 今度は些細な汚れが気になって仕事が手に着かない。
ちなみに私が使ってゐるのはKensington 64366 SlimType Standard Keyboard for Mac [楽天(秋葉館), Amazon.com] である。これはキーストロークが浅い。何度も書いてゐるけれども、私は浅いのが好きなのだ。あと、音があまりしないものが。
Happy Hacking Keybord Professional [Amazon.co.jp, 楽天]が最高だといふ話をよく目にするのだけど、そんなにいいのだらうか。ことこといふ感覚が快感になるとか。軽いらしい。Happy Hacking Liteといふ廉価版を買ってみたけど、全然心地よくなかった。やはりプロは違ふのかな。でも二万円以上するから迷ふところではある。今日は、そのHappy Hacking Keyboard専用ケース[楽天]なんていふものを見つけてしまって、そんなにいいものなのかと少々動揺してゐる次第である。でも、このキーボードの調子もよくなったことだし、金もないことだし、しばらくこれでいいことにしよう。
ジム・ブッチャー『ドレスデン・ファイル3 血塗られた墓』(田辺千幸訳/940円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。超自然私立探偵ものとでも云へばいいだらうか。シカゴの魔法使ひ探偵が吸血鬼やら幽霊やらとの事件に巻き込まれたりする話。もうシリーズ三作目なのか。第一巻は読んだやうな記憶があるが、二巻を読んだのかどうかよく覚えてゐない。
ロイス・マクマスター・ビジョルド『死者の短剣』(小木曽絢子訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。
Carl Zimmer Microcosm: E. coli and the New Science of Life (Pantheon; 1 edition, May 6, 2008) [紀伊國屋, Amazon.com, Amazon.co.jp]をまた一章読む。ラクトースオペロンの話とか。いきなり哺乳類クローンの話になってみたり。
パトリシア・A・マキリップ『茨文字の魔法』(原島文世役/940円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]読了。二つの流れが一つに合流して完結する手際は見事である。文字の茨に絡め取られながら、謎と伝説の中を彷徨ふうちにそれが現実へと合流していく様子に読者は驚嘆するに違ひない。それくらゐ驚きもしなかったねと嘯く人は必ずゐるだらうが、驚いた人の方が幸せなので、そんなことは得意げに云ふことではない。それでもさうしたい人は勝手に嘯いてゐればいいが。
本書でも主人公(の一人)は孤児なのだが、孤児が親を見つけていきなり親しく心を通はせて幸せな気分になってしまふ物語が多いなかで、本書は今まで会ったこともない実の親よりも自分が育ってきた世界の方が大事だと云ひきるところは潔い。
ジャスティーン・ラーバレスティア『あたしをとらえた光』(大谷真弓訳/780円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。話の流れに乗ってぐいぐい読み進めていける物語である。魔法を使ふことは命(寿命)と引き換へだとか、かといって魔法を全然使はないと発狂してしまふとか、シドニーからニューヨークへと通じる魔法の扉とか、それを通ることによって生じる登場人物たちの驚きと戸惑ひとか、魅力的な設定があって、登場人物たちも親しみやすい。でも、私には些か物足りない。なぜだらう。母と娘の物語だから? いや、父と息子の物語も好きではないのだが。もしかすると親子の話を好まないだけなのかも知れない。
Amazon.co.jpに、
●渡辺正・北條博彦『高校で教わりたかった化学』(1900円+税/日本評論社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。化学の本なんか買ってしまって……。さういふ年頃だといふことで。
今日の午後から突然「U」のキーの具合が悪くなった。右上の方を押すと反応しないのだ。左下の方を押さなければならない。甚だ不便である。キーを外して掃除するか。しかし、今までキーを外して掃除して、状況が悪化したことはあるが、改善されたことはないのだった。また買はなければならないのか……。
Carl Zimmer Microcosm: E. coli and the New Science of Life (Pantheon; 1 edition, May 6, 2008) [紀伊國屋, Amazon.com, Amazon.co.jp]を第二章まで読む。微生物の発見とか遺伝子の発見とか、基本的な生命の成り立ちに関する歴史を簡単に原題のゲノム解析まで一気に進んだ。別に面白くも何ともない。裏表紙には、『ミクロの決死圏』といってもよいくらゐだと書いてあるのだが、これから、そんなに面白くなるのだらうか。
私は信仰心がないので、初詣には行かない。だいたい一月一日にどういふ意味があるのかよく判らない。今まで生きてきたことを感謝し、将来の幸福を願ふのなら、日々心の中で行へばいいことであり、一年に一度神社に行って1年分まとめて処理する理由が理解できない。時は連続して流れてゐるものなのに(本当に流れてゐるのかどうかは、実は自信を持って云へるわけでもないのだが)。
さうはいふものの、私も45年も生き延びてきたので、さういふ季節の催しが信仰心とは直接関係ないところで利用されてゐることも、長年の観察から理解はしてゐる。機会があったら利用したっていいと思ってゐるくらゐだ。機会はないと思ふけれども。だから、クリスマスに誰かと食事をすることになっても「ナザレのイエスが救ひ主キリストであるといふことについてどう考へてゐますか」なんてことは云はないだらうし、誰かと二人きりで初詣に行っても「この神社で今日この日に詣でることが自分の将来に本当に何らかの影響があると信じてゐるのですか」などとも訊かないだらう。
初詣なんか苦痛なんだけど、実際さうは云はなかった。何か願へと云はれて、「この神社を含めて信仰心はないから、願ひたくない」とは云へなかった。いや、「はやくこの時が終はってくれ」と願ったかも知れない。
さういふ訳で、全然心がこもってゐませんが、今年もどうぞよろしくお願ひいたします。もう14年目ですね。14年も同じやうなことを書き続けてゐる。これほど進歩のない奴も珍しい。たぶん、今年も進歩はないと思ひます。
紀伊國屋書店から、Carl Zimmer Microcosm: E. coli and the New Science of Life (Pantheon; 1 edition, May 6, 2008) [紀伊國屋, Amazon.com, Amazon.co.jp]が届いた。元日から私のために荷物を届けなければならない宅配便の人は大変である。僅か3ページの第一章を読んでみる。読みやすいかも。一般向けの微生物の本である。小説ではない。
『茨文字の魔法』(原島文世役/940円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を半分を少し越えた辺りまで読む。迷路のやうな図書館が出てくるのは嬉しいのだが、話はなかなか進まない。二つの時代の話が平行して進むからさう感じるのか。
新年なので、紀伊國屋書店に本を註文。あまり今日この日に重要な意味を見出せないのだが、本を買ふ理由くらゐにはなるだらう。
●マーティン・リンストローム『買い物する脳』(千葉敏生訳/1700円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ブライアン・フェイガン『千年前の人類を襲った大温暖化』(東郷えりか訳/2400円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
の二冊を註文。買ひものの本は、いつものやうに騙されないために。