1月31日(金)

 三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』(メディアワークス文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。本がたくさん出てくる話、そして本が好きな人たちの出てくる話は面白い。何だかいくらでも本を買っていいやうな気がしてくるのである。そんなことをしたら本が増えてしまふではないかと思ってゐたが、この本のあとがきの言葉「本棚は買い足せばいいのです」には喝采を送り、「念のため」といって関連資料を買ふと大変なことになるといふ言葉に、深くうなずく。

 ジーン・ウルフ『ピース』(西崎憲・館野浩美訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を明日から読み直したい。


1月30日(木)

 ジーン・ウルフ『ピース』(西崎憲・館野浩美訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を最後のページの最後の文まで読み進める。いろいろ錯綜してゐてよく判らないので、行きつ戻りつしながら読まなければならないのだが、判ればいいといふものではないと思ってしまふ作品。数日前にこの本を読み始めたわけだが、最後のページまで読み進めたからといってこの本を読み終へることはきっと永遠にないのだらう。そして、最初のページを覗いてみれば、「死んだ医者でも相談相手にはことたりるということだ」といふ文が目に入り、死んだ医者だったのかと驚き慄き、そして、叔母さんの声がいつ耳元から聞こえてきてもをかしくないと思って少し怯える。

 ジョゼフ・ディレイニー『魔法使いの呪い(2・3)』(金原瑞人・田中亜希子訳/創元推理文庫)をご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』(メディアワークス文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を第一話だけ読む。彷書月刊は四冊しか持ってゐない。


1月29日(水)

 今月は本を買ふ数が少ないので、ここに書く話題がない。こんな本を買ったこんな本を読んだといふことを報告するところなのだから仕方がない。そのうち、大金持ちになったら吐きそうになるほど本を買ひたい。

 今月は和書をまだ十冊しか買ってゐない。そして、紙の本を十冊しか買ってゐない。

 ジーン・ウルフ『ピース』(西崎憲・館野浩美訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]は最終章を残すのみ。明日には読み終はるだらう。

 一昨日、ogg形式に変換したものを聴いても音がいいと書いたのは間違ってゐたかも知れない。Rhythmboxはalac形式の音楽ファイルも再生できるやうである。よく見たらプラグインが入ってゐたから。


1月27日(月)

 ヴァーノン・リーが捗らなくてむしゃくしゃしてきたので、eClassical.comでミサ曲ロ短調を購入。今回はJurgen Budday指揮のもの。ちょっと高くて4千円くらゐ。

 Audirvanaの使ひ方がどうもはっきりしないので、いろいろ試してゐる。Herreweghe指揮のミサ曲ロ短調の音がどうもよくないのだ。安いサウンドカードを挿したUbuntu機でALAC→ogg形式にしたものを聴いたらこれが綺麗なのだ。そんなはずはないと思ひながらも、さうなのだから仕方がない。しかし、どうしたらいいのかは判らない。

 ジーン・ウルフ『ピース』(西崎憲・館野浩美訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]は160ページまで。だんだん読みやすくなってきた。


1月26日(日)

 変だな、金曜日に書いたことが消えてゐる。といふか、書いたことが保存されなかったのだらう。何があったのか。どうして、入力したときに気づかなかったのか。まあ、いいか。大したことは書いてゐないのだから。

 ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』(河出書房新社)は上下巻である。上下巻といふと書棚の場所を取るといふことだ。そして、値段もそれなりにする。英語版があるではないかと思った。Kindle版なら千円くらゐで、しかも場所を取らない。しかし、よくよく見ればまだ刊行されてゐないではないか。仕方がないので、Amazon.co.jpで、
○Timur Vermes Er ist wieder da: Der Roman (Eichborn)
を購入。これで、約二千円と書棚の空き空間を節約できた。後は読まうとしないやうに気をつければいいだけである。

 丸善お茶の水店で、
●三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』(メディアワークス文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ジェイムズ・サーバー『虹をつかむ男』(鳴海四郎訳/ハヤカワepi文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。これが金曜日の出来事。

 土曜日になって、三省堂書店神保町本店で、
●ジーン・ウルフ『ピース』(西崎憲・館野浩美訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●コニー・ウィリス『混沌ホテル』(大森望訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●オースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ 新訳版』(金子浩・金子司・山田和子訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。ジーン・ウルフは先日原書で買って、6%で諦めた本。日本語なら判りやすいだらう。楽しみである。

 日曜日は、一日ヴァーノン・リーの翻訳。気分が重くなってきたのでeClassical.comでまたミサ曲ロ短調を買ってしまった。その報告はまた明日。


1月23日(木)

 三省堂書店神保町本店で、
●池澤春菜『乙女の読書道』(本の雑誌社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。変はった判型の可愛らしい本。紹介されてゐる本の半分くらゐは持ってゐるが、残りは持ってゐないのでうっかり本書を参考につぎつぎに本を買はないやうに気をつけなくてはならない。
 もっと本棚の写真があれば良かったのに! と持った。巻末の父娘対談も面白い。

 ケストナーEmil und die drei Zwillingeは今日もあまり進まなくて、教授にエーミールが突然人生相談をする場面。子供のくせに教授は偉さうだ。


1月22日(水)

 本を買ってゐないので書くことがない。困ったことである。

 Emil und die Drei Zwillingeは半分を越えたところ。少し遅くなってきた。大人たちがデンマークへ行くといいだした辺り。そして、ハンスが相談にやって来たやうだ。
 語彙が足りない。圧倒的に足りない。増やすにはどうすればいいのか。ただ、かうやって読み続ければいいのか。英語はそんな感じだったが、ドイツ語は学校で勉強してゐないからこれでいいのかと疑問に思はずにはゐられない。


1月20日(月)

 今週の土曜日にもジーン・ウルフ『ピース』(国書刊行会)が店頭に並ぶといふ情報を得て、我慢ができなくなり、Amazon.co.jpで、
○Gene Wolfe Peace (Orb Books)
を買ってしまった。6%ほど読み進めたが、何だかよく判らないので挫折。文の意味が判っても、全体としてよく判らない。もうすぐ日本語で読めるのだから、それで読まう。

 ケストナーに戻って、Emil und die Drei Zwillingeを36%まで。今のところ、ほのぼのした場面が続いてゐてそんなに面白くない。話は判りやすいが。お母さんが再婚することなんてどうでもいい。


1月19日(日)

 仕事の帰りに三省堂書店神保町本店で、
●ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』(越川芳明訳/白水社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。昨日も本屋に寄ったのだが、なかったのだ。こんなに苦労して手に入れた本だが、すぐに読む訳でもない。それでも早く手に入れたい本といふものがある。

 疲れてゐるので、Drei Männer im Schneeの電子版を買はうとebook.deを訪れたのだが、支払はうとしたら地域制限がかかってゐて、買へなかった。悲しい。

 Emil und die Drei Zwillingeは三分の一くらゐまで進んだ。


1月17日(水)

 丸善お茶の水店で、
『文語訳 新約聖書 詩篇付』(岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ホフマン『砂男/クレスペル顧問官』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●フィリップ・K・ディック『時は乱れて』(ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
以上三冊。文語訳新約聖書はすでに持ってゐるが、何しろ重くて調べにくい。この文庫本もかなりの厚さではあるが。

 今日の帰りの電車からKindleでEmil und die Drei Zwillingeを読み始める。電車の中で読み進められるやうになれば、かなり捗ると思ふ。早くすらすら読めるやうになりたい。


1月16日(木)

 Amazon.deは電子書籍を日本には売ってくれない。買はうとするとAmazon.comへ行けと案内されるのである。Amazon.deでエーリヒ・ケストナーの電子本は買へるが、Amazon.comやAmazon.co.jpでは売ってゐない。甚だ不愉快である。
 どこか、日本に売ってくれるところはないかといつも思ってゐたのだが、なかなか見つからなかった。出版社の方の方針なのかも知れないと諦めかけてゐたのだが、eBook.deで買へることが判った。早速、
○Erich Kästner Emil und die drei Zwillinge (Dressler Cecilie)
○Erich Kästner Der kleine Mann (Dressler Cecilie)
である。ファイル形式はePub。eBooks.deではCalibreを使ふのを認めてゐるやうなので、それを使って管理すると、Kindleでも読める。iOSでは、eBooks.deのeBooks.deというアプリを入れてそれで読む。Kinoppyでも読めるのは確認できた。iBooksでは読めない。MacOSXではMurasakiというアプリケーションで読めた。ペンで書き込めるやうになるといいのだが、まだどうしたらいいか判らない……

『雪の中の三人男』はちょっと高い。残念。そして、『動物会議』は地域制限がかかってゐて、日本では買へないと判明。何でも売ってくれるわけではなかった……

 Amazon.co.jpで、
○Gene Wolfe The Land Across (Tor)
を購入。不思議な東欧紀行らしい。読むだらうか。


1月15日(水)

 今日も書くことがない。何しろ今年に入って一冊も紙の本を買ってゐないのだ。和書を買ってゐないのだ。話題もなくなるといふものである。本日記は買った本のことを書く日記なのだから。しかし、同時にこのまま気がついたら三年くらゐ本を買ってゐなかったなんていふことになったら、それはそれで楽しいのではないかとも思ってゐる。いや、楽しくないか。

 このところバッハのミサ曲ロ短調ばかり買ってゐるといふのが、なぜかAmazon.co.jpにばれて、ミサ曲ロ短調のCDばかり八つ薦められるメールが来てしまった。何だか心が動きさうで嫌だ。Leonhardt指揮のが欲しい。

 John Masefield The Box of Delightsは、五分の四まで進む。


1月13日(月)

 今日もミサ曲ロ短調を聴きながらヴァーノン・リー。早速とり掛かったところ、すぐに昨日註文したaudio-technica ダイナミック型インナーイヤーヘッドホン ATH-CKM77が届いた。劇的に変はったといふことはないやうな気がするが、前よりは確かに良くなって、iTunes Storeで買ったHerreweghe指揮のミサ曲ロ短調もあまり音が割れた感じがしなくなった(が、それでも残るので、これはもう元の音が悪いのだらう)。再生環境はもう不満はないので、あとは音源を買って聴くだけである。しかし、金がない……


1月12日(日)

 今日もミサ曲ロ短調を聴きながら、ヴァーノン・リーを訳し続ける。で、iTunes Storeで買ったミサ曲ロ短調にどうしても音が割れるといふか潰れるといふか、聞き苦しくなるところがあって、もしかしたら今使ってゐるイヤホンが悪いんぢゃないかと思ったのだった。今まで自分は1万円くらゐのイヤホンを買ってゐたと思ひ込んでゐたので、今度はちょっと奮発して1万6千円くらゐにしようかと思ったのだが、購入履歴など確認してみるとどうやら3千円程度のものばかり買ってゐたやうだ(一回九千円のを買ってゐるのだが、それがどこに行ったのか判らない)。それならば、6千円でも大奮発といふことになるではないかと思って、Amazon.co.jpにaudio-technica ダイナミック型インナーイヤーヘッドホン ATH-CKM77を註文した。前にこのタイプのを買ったことがあるはずなのだが、それはどこにいったのかだらう。今は明日届くのを楽しみに待たう。


1月11日(土)

 MacPeople 2014年2月号のMac & iOSで愉しむハイレゾ音源といふ特集記事を読んで知った音楽配信サイトLinn Recordsで、バッハのミサ曲ロ短調を見つけたので購入。まづユーザ登録して、購入代金はクレジットカードで。ごく一般的な手順。ファイル形式はいくつか選べる。私は24-bit flacをダウンロード(珍しくApple Lossless形式もある)。US$24.00だった。ここはファイルのアルバム一括ダウンロードがないから、この曲の場合27回クリックしなければならないのが面倒臭い。ファイルダウンロード/管理アプリケーションがあるやうだが、Macで動くのだらうか。試してゐない。

 今回購入したのはRifkin版といふもので、OVPP形式である。One Voice Per Partといふ意味である。この形式のを聴くのは初めてである。確かに五人で歌ってゐるやうだ。演奏はDunedin Consort。最初は慣れないので戸惑ったが、だんだん良くなってきて、Et in unum Dominum辺りから聴き入ってしまった。最初は莫迦にしてすまなかった。

 ミサ曲ロ短調を買ひすぎて、本を買ふ金がない。


1月10日(金)

 MacPeople 2014年2月号にMac & iOSで愉しむハイレゾ音源といふ特集記事が載ってゐたので、Kindle版で購入。これはKindle PaperWhiteで読んでもよく見えないやうに思はれたので、iPad miniのKindleアプリで読まうとしてゐたのだが、それを持って帰って来るのを忘れたので、家で読めない。悲しい。
 といっても、iOSでハイレゾ音源に対応しなければならないといふ状況でもないし、あまり関心もないのだった。電車の中で本を読むときに、近くの酔っ払った若者たちの大声から読書環境を守るため、早朝の電車にで眠りこけてゐる鼾男の騒音を遮断するために、音楽を聴きたくなることはあるが、そんなにいい音でなくても構はない。

 眠くて倒れさうなので、これで。


1月9日(木)

 John Masefield The Box of Delightsに戻って、ちゃうど半分まで。どうも何が起きてゐるのかよく判らないが、ケイがホルン(か、それに似た楽器)を高らかに三度吹き鳴らす場面はなかなか良かったと思ふ。

 今日は疲れてゐるので、これで。


1月8日(水)

 竹田青嗣『現象学入門』(NHKブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へた。よく判らないな。一冊読んだだけで判るほど頭が良くないから、まあ少しづついろいろ読んでいかう。それ以前に人の意識の存在に疑問を抱いてゐるんですがどうしたらいいでせうといふのが今の感想。意識が、確固たる拠所になってゐるみたいだから。でも、一冊入門書を読んだだけで判ったやうな気になってはいけないといふことなのだ。

 明日からはあの本に戻らう。


1月7日(火)

 突然、David Herterの本を買ひたくなって、Amazon.co.jpでKindle版を購入。
○David Herter Evening's Empire (Tor, 2003)
○David Herter October Dark: revised edition (Bonk-Bonk-on-the-Head Press, 2012)
○David Herter On the Overgrown Path (Bonk-Bonk-on-the-Head Press, 2012)
○David Herter The Luminous Depths (Bonk-Bonk-on-the-Head Press, 2012)
○David Herter One Who Disappeared (Bonk-Bonk-on-the-Head Press, 2012)
以上五冊。実際には最後の一冊を、日本店では売ってゐないと勘違ひして、USアカウントの方で買ってしまったのだった。そして、日本店で買った方が少し安かった。

 昨年末からハイレゾ音源のバッハを購入して聴いてゐて、先日は久しぶりにiTunes Storeで一つ購入したのだが、よくよく聴いてみるとやはりハイレゾ音源の方が音がいいやうに聞こえる。私の耳では識別できないことを期待してゐたのだが、これでは、今後はハイレゾ音源でないと満足できなくなってしまって甚だ面倒臭いではないか。やれやれ。
 さて、私はもっぱらeClassical.comで買ってゐたのだが、ここでは今までFlac 24-bitのファイルしか買ってゐなかった。高解像度とは24-bitのことみたいな記事を読んでゐたからだ。しかし、ここでも24-bit音源は多くない。16-bitまでしかないものが多い。しかも、値段がやや安い。これは、どれほど違ふのだらう。Twitterで呟いてみたが、誰も助言してくれないので買って試してみた。Michel Corboz指揮、Ensenble Instrumental de LausanneとEnsemble Vocal de LausanneのBach: Messe en Si(バッハ:ミサ曲ロ短調)である。もう、こればかり聴いてゐる。
 ファイルをダウンロードして、iTunesのリストに追加して聴いてみた(Audirvanaで再生)。24-bitとはあまり区別できない。同じ演奏で比較してゐるわけではないのだが、多分、私の耳では識別できない。安心した。これからは、16-bit Flac形式の音源も買へるやうだ。


1月6日(月)

 あまり熱心にヴァーノン・リーを訳してゐたので、気づいたら二日も空いていた。驚いた。

 久しぶりに出勤したので電車の中で竹田青嗣『現象学入門』(NHKブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み始めてみた。難しい。

 ただ、ふとここに出てくる〈世界像〉の三つの領域の図を見て、ピダハンの世界が、「神話=フィクションの世界」がなく、「伝聞・情報の世界」も又聞きの世界を含まないといふ極めて特殊な世界領域で成り立つことを思ひ出したりした。

 iTunes Storeの購入済みの曲一覧に、購入済みの曲が全部は表示されないのが納得できない。どういふことか。そして、「隠す」設定だった購入済みの曲を隠さないやうに設定したら、消えてしまった。何なのか。

 Gustav Leonhardt式のミサ曲ロ短調を買ひたい。


1月3日(金)

 今日もヴァーノン・リーを訳してゐる。普段あまりここには書いてゐないけれども、ずっとヴァーノン・リーを訳してゐる。なかなか捗らないので、自棄になってバッハのミサ曲ロ短調を一つ買ってみた。いつものことである。

 今回はiTunes Storeで。所謂、ハイレゾ音源ではない。Collegium Vocale Gent & Philippe Herrewegheによる1998年の収録。古楽器の演奏として最高級と絶讃する人も少なくない。しかし、ここでこの演奏はどう、あの演奏はこうと論評するほどの耳がないのだ。残念。

 この日記欄の左側の年月表示を一年分追加して、もう18年になるのかと吃驚した。年をとるわけだ。ほとんど書いてゐることに変化がないのにも驚く。何と進歩のない。そして、数年おきに、かういふことを書いてゐることもまた注意深く読めば判ってしまふ。しばらくこんな調子で続くだらう。

 この日記の最大の利点は、過去に買った本を二度註文しないやうに、購入本を検索できるといふところである。


1月2日(木)

 今日は電車に乗ったので、高田理惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へた。これは面白かった。文章も意地悪な感じがいい。前半の印象は前に書いたが、後半は教養と出版社の関係とニューアカといふ流れから、最後に、階級と女といふ話題で終わる。日本では、学歴文化としての教養主義は、もとからの出自の良さによって身についた「相続資本」ではなく、付け焼刃の「獲得資本」として軽侮されるといふ指摘は重要(私にとっては)。自らの力だけで獲得したものとして、女の男探しの指標になったといふのは面白い。たぶん今は違ふだらう。教養といふのが高校や大学の正規の授業の外にある読書で身に付けるものだったから、身分や階級とは関係なく読書で獲得できるものだったといふことと、学校の勉強ができるだけの存在ではないのだと強く主張するために必要なものだったといふことから、今教養を要求するのは何なのかをさっきから考へてゐるが、当然、すぐに何かが判るわけではないので、これから考へていきたい。
 高齢の成功者が、突然、学生の間に教養を身に付けなくてはならないなどと説教臭いことを云ひ始めることがあるが、おそらくそれは正規の授業や講義以外の読書をせよといふことなのだらう。たんなる勉強ができるだけの優等生ではないと示し続けてきた人なのだらう。しかし、最近の教養教育といふのは、英語のliberal artsの翻訳としての教養教育としての意味合ひが強くなって、大学の正規の教育の中で行はれるものの話をすることが多くなったやうだ。
 一方、どうも「教養」といふものが「獲得資本」といふよりむしろ、家庭環境によって長い時間をかけて形成されるもののやうに語られることも多くなってゐるのではならうか。

 もう少し、考へなくてはならない。

 もう本は残ってゐないと思った実家でジョン・ソール『ゴッド・プロジェクト』(田中靖訳/文春文庫)を発見して、持ち帰る。1984年に出た本であった。多分、読んでゐない。


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