10月31日(木)

 紀伊國屋書店から、森田邦久『科学哲学講義』(ちくま新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。

 ヴァーノン・リーのSister Benvenuta and the Christ Childを読む。私の好きな黄金伝説系。人形劇の人形が出てくるところは意外な感じで面白い……というほど面白くもない。

 ヴァーノン・リーのThe Lady and Deathを読む。前に読んだときには面白くなかったのだが、やはり面白くない。私の頭が悪いだけかも知れないが。これで、読み逃してゐたものもなくなって、幻想作品はほぼ全部読んだことになるはず、と思ったら、A Seeker of Pagan Perfectionといふのが残ってゐることに気がついた。そのうち読まう。

 何だか気分が悪いので寝る。


10月30日(水)

 Amazon.deから、Scheck & Hauser Meisterwerke der dunklen Phantastik - Band 02 - Als ich tot war II (Blitz, 2008) が届いた。早い。
 収録されてゐるヴァーノン・リーの作品は、Der Gekreuzigte、Die gnadenreiche Madonna、Die Puppeの3編。それぞれ、Marsyas in Flanders、The Virgin of the Seven Daggers、The Dollのドイツ語訳である。これは嬉しい。

 東京創元社編集部からピーター・ワッツ『ブラインドサイト(上・下)』(嶋田洋一訳/創元SF文庫)、松崎有理『あがり』(創元SF文庫)、ランサム・リグズ『ハヤブサが守る家』(山田順子訳/東京創元社・海外文学セレクション)をご恵贈賜りました。ありがたうございました。面白さうな本ばかりで困ってしまふ。今は、さっきのヴァーノン・リーの仕事に読書時間もつぎ込まなくてはならない状況だといふのに。

『あがり』には、文庫化に際して追加された「幸福の神を追う」が収録されてゐる。特別斬新なアイディアがあるわけではない話であるが、全体の中ではうまく収まってゐるとは思ふ。全部読み直したいが今は時間がない。
 帯の「理系女子ならではの、大胆にして繊細な連作集」といふ言葉はあまり感じがよくないと思ふ。女だから繊細だらう、理系だから大胆だらうといふやうな決めつける態度が何となく。


10月29日(火)

 Amazon.co.jpに本を註文。
●小林道夫『科学の世界と心の哲学』(中公新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●森田邦久『科学哲学講義』(ちくま新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●戸田山和久『科学哲学の冒険』(NHKブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●市川伸一『考えることの科学』(中公新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 以上4冊。

 眠い。


10月28日(月)

 辻太一朗『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』(東洋経済新報社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読む。大学生の勉強については、大学教員だけが悪いわけでも、学生だけが悪いわけでも、企業の採用担当部門だけが悪いわけでもなく、それぞれが互ひに悪影響を与へあって、ますます悪くなる負のスパイラルに陥ってゐるといふ指摘は、しばらく前に同じ図をネットで見かけたことがある。誰か悪者を見つけてきて糾弾するといふわけではなく、皆がこのままではよくないと思ひながらも、それぞれがとりあへずこのままでもいいかといふ気分になり、改善されることなく続いてゐるといふ現状分析はなかなかよいのだが、さういふ現状を打開するための大学の授業として、対話型・参加型の授業を増やせといふのは、まあそんなに悪いものでもないが、期待するほど万能ではないのだといふ気がするわけで、寧ろ教員としては実は手抜きができる逃げの授業といふ面もあるのだ。といふことで、後ろの方は些か物足りない。


10月27日(日)

 Amazon.co.jpでKindle本を二冊購入。
●辻太一朗『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』(東洋経済新報社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
『理系女子あるある』(トランスワールドジャパン)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 前者は、今の日本の大学生は以前より勉強させられてゐるのではないかと思ったので買ってみた。
 理系女子を珍しい、特殊なものとして扱ふことは、女に理系は向かないといふ差別的な決めつけがあると常々思ってゐるのに、こんな本を買ってしまった。自分が情けない。そして、あんまり面白くないななどと文句を云ひながら読んでしまふ。それなら買はなければいいのに。



10月25日(金)

 Ash-Tree Pressから出てゐたヴァーノン・リー幻想作品集のKindle版が出たことに気がついたので、註文。
○Vernon Lee THE COMPLETE HAUNTINGS (Christopher Roden/Ash-Tree Press)
 それにしても安い。こんな値段でいいのか。

 ヴァーノン・リーの短篇が三つ収録されてゐるアンソロジーを見つけたのでAmazon.deに註文。
○Scheck & Hauser Meisterwerke der dunklen Phantastik - Band 02 - Als ich tot war II (Blitz, 2008)
 一つは「人形」だと思ふが、後の二つはよく判らない。届くのが楽しみである。

 ヴァーノン・リーの作品が収録されてゐるアンソロジーを見つけたので、Abebooks.comで検索して、Wonder Bookに、
○E. F. Bleiler Five Victorian Ghost Novels
 送料を含めて二千円くらゐ。

 ヴァーノン・リーの本を三冊も買へたので少し気分がいい。


10月24日(木)

 ネットオフに註文した『栴檀の光―富士川義之先生、久保内端郎先生退職記念論文集』(金星社)が届いた。ヴァーノン・リー関係の論文だけ読む。「悪魔の歌」とカストラートの話。

 ヴァーノン・リーのThe Hidden Doorを読む。あまり面白くない。隠れた扉を開けてしまった男が悩み苦しんだ末(罪人はもう結婚できないとか)、自分もその扉を開けたといふ掃除婦に出会って、「秘密の扉? 使用人たちはみんな使ってましたよ?」とかいふところが面白いのか。

 前に読んだかどうかよく判らないヴァーノン・リーのWinthrop's Adventureを読み始めたが、この場面は覚えがある。前にやはり読んでゐたのか。しかし、日本語で読んだことがあるやうな気がしてならないのである。そんなはずはないのに。評伝の類ひで内容紹介を読んだのか。それでも英語のはずだが。

 今日の電子化本。
◆安田賢治『笑うに笑えない 大学の惨状』(祥伝社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]


10月23日(水)

 安田賢治『笑うに笑えない 大学の惨状』(祥伝社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読む。書名が安っぽいが中身はまあまあまとも。もううんざりするほど聞いてきた話が大半ではあるが、今の大学のことを全然知らない人には有用な本だと思ふ。高校生の大学入試、大学生の就職活動は、今は団体戦なのだといふ指摘はなるほどと思った。また、「AO入試に不合格になると自分を否定されたようなショックを受け、立ち直れなくなる生徒もいて、AO入試は受けるなと指導している」といふ進路指導教諭の紹介は注目に値する。面接重視・人間力重視の入試はこれを全員に直面させようといふことを意味してゐるのだから。

 技術評論社の電子書籍直販サイトで、
●奥村晴彦,黒木裕介『LaTeX2ε美文書作成入門[改訂第6版]』(技術評論社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。XeLaTeXのことが書いてあればいいと思ったが、ほとんどなかった。まあ仕方がないか。


10月22日(火)

 Amazon.co.jpから、Kindle Paperwhite が届いた。早速起動してアカウントの登録を行ふ。次に今まで使ってゐたKindle PaperwhiteをUSアカウントに変更したいと思ってゐたのである。早速、現在の登録をまずは削除して、続いてUSアカウントの設定を行ふ。呆気なく完了したが、なぜか日本アカウントで購入した者がそのまま残ってゐて、そのまま読める。それでいいのか。

倒れそうなくらゐ眠いので寝る。


10月21日(月)

 紀伊國屋書店から、村上春樹編『恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES』(中央公論新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、金田行雄監修『ゲノム系計算科学』(共立出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ウンベルト・エーコ『記号論2』(池上嘉彦訳/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ボルヘス・エッセイ集』(平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、イサク・ディネセン『ピサへの道 七つのゴシック物語1』(横山貞子訳/白水Uブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、マラマッド『魔法の樽』(阿部公彦訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ミステリー文学資料館編集『古書ミステリー倶楽部』(光文社文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、『日本SF短篇50 V: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、谷川恵一『言葉のゆくえ: 明治二〇年代の文学』(平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、安田賢治『笑うに笑えない 大学の惨状』(祥伝社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。受け取ってみると意外に少ない。

 マイクル・コーニイ『パラークシの記憶』(山岸真訳/河出文庫)を読み終へた。甘すぎる少年と少女の物語。それでゐてそこはかとなく絶望感が一瞬漂ふのは進化と変化を是とするSFにおいて、それを否定されるからか。でも、最後は楽天的な未来に向って明るく終はる。
 結局、本を燃やす者は必ず滅びるといふこと、灰にした本の数が多いほどその罪は重いといふことが教訓として得られる(わけではない)。先祖の記憶を一切持ってゐなくても、本があれば対抗できるといふ話ならいいなと思ったのだが、そんなことにはならなかったのは少し残念。それなら、そんな意味あり気な目で灰を見つめるなよと思った。

 ネットオフに
『栴檀の光―富士川義之先生、久保内端郎先生退職記念論文集』(金星社)
を註文。ヴァーノン・リーの資料である。

 ジョン・スコルジー『戦いの虚空』(内田昌之訳/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp]とベン・アーロノヴィッチ『地下迷宮の魔術師』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp]をご恵贈賜りました。ありがたうございました。


10月19日(土)

 久しぶりに紀伊國屋書店に本を註文。
●村上春樹編『恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES』(中央公論新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●金田行雄監修『ゲノム系計算科学』(共立出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ウンベルト・エーコ『記号論2』(池上嘉彦訳/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ボルヘス・エッセイ集』(平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●イサク・ディネセン『ピサへの道 七つのゴシック物語1』(横山貞子訳/白水Uブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●マラマッド『魔法の樽』(阿部公彦訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ミステリー文学資料館編集『古書ミステリー倶楽部』(光文社文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
『日本SF短篇50 V: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●谷川恵一『言葉のゆくえ: 明治二〇年代の文学』(平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●安田賢治『笑うに笑えない 大学の惨状』(祥伝社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 一万五千円くらゐだが、今月二回目の註文だからそれくらゐ仕方がないだらう。

 Amazon.co.jpでKindle本を二冊購入。
●小島康『DACとアンプで音質激変!! 3万円からスタートできる 超PCオーディオ入門』(アスキー新書)[Kindle
●ウンベルト・ エーコ, ジャン=クロード・ カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(工藤妙子訳/阪急コミュニケーションズ)[Kindle
PCオーディオについてちょっと検索してゐるときに、Audio MIDI setupといふアプリケーションでUSB/DACへの出力の設定を変へられることを知って、NuForce μDAC 2 HP の設定を96 kHz, 2ch - 24 bit Integer に変更したら、音が良くなったやうな気がする。気のせゐでも構はないのだ。それでいいのだ。

 セルバンテスの「ドン・キホーテ」について調べたいことがよくあるので、この際手許に揃へておかうと思ひ、Kindle版を購入。
『ドン・キホーテ 前篇(1)』(会田由訳/ちくま文庫)[Kindle
『ドン・キホーテ 前篇(2)』(会田由訳/ちくま文庫)[Kindle

 今日の電子化本。
◆櫻田大造『大学入試 担当教員のぶっちゃけ話』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]


10月18日(金)

 ロイス・マクマスター・ビジョルド『死者の短剣 地平線 上・下』(創元推理文庫)[]をご恵贈賜りました。ありがたうございました。


10月17日(木)

 マイクル・コーニイ『パラークシの記憶』(山岸真訳/河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み進める。148ページまで。遅過ぎる。

 ボルヘス・エッセイ集が出てゐることに気がついて、註文しようと思ったのだが、眠くてできない。

 明日はきっと本を註文する。


10月15日(火)

 土曜日にやうやく受け取れたマイクル・コーニイ『パラークシの記憶』(山岸真訳/河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み始める。『ハローサマー、グッドバイ』を読み終へてからの方がいいらしいが、本がどこにあるのかよく判らないので、とにかく『パラークシの記憶』を読む。第一日目は68ページまで。

 そろそろ本を買ふ頃合ひか。颱風も近づいてきてゐることだし。

それにしても眠い。


10月14日(月)

 ヴァーノン・リーのThe legend of Madame Klasinskaといふ短篇を読む。前に途中でやめてしまったような気がしてゐたので最後まで読んだ。仮装パーティか何かで界隈で有名な狂った老女の真似をしたら、その老女になってしまったといふ陳腐な話……かと思ったら違った。結末は怖い!


10月13日(日)

 ホフマン『黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ』(光文社古典新訳文庫)の「黄金の壺」以外を読む。面白い。「マドモワゼル・ド・スキュデリ」は、途中で超自然的な力が働いてゐるのではないかと思はせながら、さういふことのない決着を見せてくれる。マドモワゼル・ド・スキュデリがだんだん探偵のやうになっていくところなど、特に。「ドン・フアン」は、劇場付属の宿(実在したらしい)を舞台にした幻想と現実の交錯する小品。「クライスレリアーナ」は残念ながらよく判らなかった。ヴァーノン・リーへの影響を考へたくて読んだのだが、よく判らない。

 TO 目黒特集号を三省堂神保町本店で購入。私の住むマンションが載ってゐるからである。ほんの僅かな記載なのだが。

 今日の電子化本。
◆Erich Kästner Drei Männer im Schnee


10月11日(金)

 ツヴェタン・トドロフ『幻想文学論序説』(創元ライブラリ)を読み終へる。後半はよく判らなかった。「幻想のテーマ」のところ。全部が判らなくてもいいのだ。
 幻想の三つの特徴のところは興味深かった。第一の特性は、超自然はしばしば比喩的な意味が字義通りに取られることから生じるもの。第二は、幻想的な物語の語り手は普通「私」と名乗ること。第三は、(幻想物語の)理論的構造は、クライマックスを指して上昇する一本の線として表はされるといふこと。といふ三つの特性を、ヴァーノン・リーの幻想作品を思ひ浮かべながら考へると面白いはずだ。

 ドイツのgetbooksから、ケストナーのDrei Männer im SchneeDer kleine Grenzverkehr oder Georg und die Zwischenfälleが届いた。それぞれ百円(1ドル=0.5ユーロ)しかしなかったのだが、意外に綺麗で、後者にはTreierのカラー挿絵まで入ってゐて、ちょっと裁断する気にはならない。Drei Männer im Schneeは紙が褐色化してゐるものの、匂ひはほんのり甘く、まるでチョコレートのやうな風味である。裁断するのが可哀想になるほどである。どうしたものか。


10月10日(木)

 ツヴェタン・トドロフ『幻想文学論序説』(創元ライブラリ)を今ごろ読んでゐる。「詩的な読み方が幻想にとって障害となる」といいふのは面白い。「あるテクストを読むにあたって、一切の表象作用を拒否し、一つ一つの文を純粋に意味論的な組合わせとみなしていくなら、そこから幻想など現われはしない。幻想とは、表現された世界で起きている出来事に対し、一定の「反応」を要求するものであったことを想起されたい。こうした理由から、幻想は虚構の中でしか存続しえない」といふ理由の説明が今一つよく理解できないのだが、私が詩が苦手なのは、さういふことと何か関係があるのかも知れない(といふことにしてみようか)。

 LogoVistaの『現代スペイン語辞典・和西辞典(改訂版)』が届いた。嬉しい。しかし、CD/DVDドライブを職場に持っていってゐることに気がついた。インストールは明日。Logophileで使へるといいのだが。


10月9日(水)

 伴野準一全学連と全共闘(平凡社新書)を読む。著者と同じく60年代生まれなので、60年安保とか東大闘争についてはよく判らなかったのだが、何となく流れは少し判ったやうな気がする。ブントとは何だったのかとか。興味深かったのは、学生運動を抑へるために大学管理法案を政府が打ち出したときに、大学の自治は教授会が保持する代はりに、教授会は責任をもって学生を統制するといふ国大協の自主規制路線が示されて、それを政府が受け入れたといふところ。最近、大学の改革を阻むのは教授会が保持する自治であるといふのが流行ってゐるやうだが、かういふ取引ででき上がった体制だったのか。国立大学の学生の自治を売って保全した国立大学教授会自治が、今、取り上げられようとしてゐるのかも知れない。

 新書を続けて三冊読んだので、明日から小説を読みたい。古い小説を。


10月8日(火)

 増田ユリア『新しい「教育格差」』(講談社現代新書)を読む。あまり新しい感じはしなかった。唯一おもしろかったのが「あとがき」。女性への完璧教育圧力といふ指摘の方がそれなりに新しく、そして重要なので、このあとがきの内容を追求した本を読みたかった。


10月7日(月)

 紀伊國屋書店から、A・E・ヴァン・ヴォークト『原子の帝国』(創元SF文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、エリック・フランクラッセル『わたしは“無”』(創元SF文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、チャールズ・ボーモント『予期せぬ結末2 トロイメライ』(扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ジョージ・R・R・マーティン『竜との舞踏 1 (氷と炎の歌 5)』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、タブッキ『夢のなかの夢 (岩波文庫)』(和田忠彦訳/岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、野村恵造『ジョンブルとアンクルサム --イギリス英語とアメリカ英語』(研究社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、風間喜代三『オウィディウスでラテン語を読む』(三省堂)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、武田百合子『ユリイカ 2013年10月号 特集=武田百合子 歩く、食べる、書く』(青土社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、エドワード・W・サイード『人文学と批評の使命――デモクラシーのために』(村山敏勝訳/岩波現代文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。

 高橋昌一郎『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』 (講談社現代新書)を読む。難しくてよく判らなかった。仕方がない。しかし、神の存在証明は面白い。信仰心が皆無なので、存在証明をしようといふ気持すら想像できない。実際は信じていないやうなことを云ってゐて、それでも存在証明をしてみるといふのがまた判らない。「科学的に自分自身について深く洞察することができれば、私達一人一人が、特別な性質を持つ存在であることが明らかになるはず」「世界が合理的に構成されていて、意味のあるものであれば、来世での再会が存在することに間違いありません」といふやうな言葉には驚きを禁じ得ない。世界に意味とか、一人一人が特別な存在とか、私には不思議すぎる。

 眠い。


10月6日(日)

 今井むつみ『ことばの発達の謎を解く』(ちくまプリマー新書)を読んだ。子供が言語を習得していくときの特徴を見ながら、その過程を考へる。範疇といふ概念の発見と理解の深化といふやうなところに注目してゐるやうだ。外国語習得のときには、語の意味の範囲の重複部分にのみ注目してしまふといふのはよくあることで、戸惑ったり勘違ひすることも多い。もう少し、大人の外国語習得との違ひの話があればもっと楽しかったと思ふ。私にとっては。方向と位置関係を示す言葉の認識への影響とか、色を表す語の種類と範囲とかは、言語の世界認識に対する影響の判りやすい例としてよく見かける話。最後の、「言葉が思考をつくる」の部分では、言語で世界を切り分けていくことで、科学的思考も形作る話で終はるけれどもちょっと物足りない。


10月5日(土)

 芦田宏直『努力する人間になってはいけない』(ロゼッタストーン)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]をやうやく読み終へる。どうして努力主義ではいけないのか、なぜレポートのコピペを嘆くことはできないのか、学生参加型・討論型の授業のくだらなさとか、キャリア教育の胡散臭さとか、生涯教育と学校教育はなぜ相容れないのかとか、新卒の即戦力は間違っているとか、私が常日ごろ云いたいが反論されて負けてしまってゐたことがいろいろ書いてあって、なるほどさういふことかと納得できる。何がどういふふうに納得できるかは私がここに書いても仕方がないので、必要のある方は各自本書を参照されたい。
 後ろの方の反機能主義の辺りからはよく判らなくなってくるが、まあ難しい話は苦手なので一回で全部理解するのは無理だらう。最後の「追悼・吉本隆明」はさっぱりなのだが、吉本隆明尾行の話は面白かった。
 そして、索引が素晴らしい。

 ケストナーの本を読みたくなって、Abobooks.comで検索して、ドイツのIdstein, HE(ってどこ?)のgetbooks GmbHに、
○Erich Kästner Drei Männer im Schnee
○Erich Kästner Der kleine Grenzverkehr oder Georg und die Zwischenfälle
を註文。どちらもUS$1.00で送料が二冊で8ドルほど。

 Amazon.deにKindle版があるのだが、日本には売ってくれない。児童向けの作品もほとんどKindle版で買へるのに。


10月4日(金)

 今日は出勤しなくていい日だったので、本を註文しした。
●A・E・ヴァン・ヴォークト『原子の帝国』(創元SF文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●エリック・フランクラッセル『わたしは“無”』(創元SF文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●チャールズ・ボーモント『予期せぬ結末2 トロイメライ』(扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ジョージ・R・R・マーティン『竜との舞踏 1 (氷と炎の歌 5)』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●タブッキ『夢のなかの夢 (岩波文庫)』(和田忠彦訳/岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●野村恵造『ジョンブルとアンクルサム --イギリス英語とアメリカ英語』(研究社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●風間喜代三『オウィディウスでラテン語を読む』(三省堂)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●武田百合子『ユリイカ 2013年10月号 特集=武田百合子 歩く、食べる、書く』(青土社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●エドワード・W・サイード『人文学と批評の使命――デモクラシーのために』(村山敏勝訳/岩波現代文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 ユリイカってISBNがついてゐるのか。書籍なのか。雑誌じゃなかったのか。よく判らない。


10月2日(水)

 芦田宏直『努力する人間になってはいけない』(ロゼッタストーン)を読み進める。第九章途中。機能主義批判は少し判りにくい。しかし、何でも判りやすくまとめて、すっきりした答へを出してくれる人はもっと信用できないから、これでいいのだ。

 眠くて本を註文できない。一体、いつ本を買へばいいのか。


10月1日(火)

 アメリカのSF情報誌Locusの定期購読更新(電子版のみ)のお知らせが来たので更新手続きをしようとしたら、PayPalのアカウントが使用停止になってゐて、新しく作ったアカウントの方までパスワードが判らなくなり、もう30年以上定期購読を続けてゐたLocus購読もこれで終はりかと思ったが、何とか秘密の質問の答を使はずにパスワード更新を行ふ方法を選んでやうやく支払ひができた。皆、自分の設定した秘密の質問にちゃんと答へられる人はゐるのか。

 今日からNHKのラジオ語学講座で、スペイン語、フランス語、イタリア語を聞き始める。難しい。三つは無理だ。当たり前か。

 芦田宏直『努力する人間になってはいけない』(ロゼッタストーン)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]の続きを読む。大綱化とか、遠山プランとか、眼にしただけで気分が悪くなるやうな単語を見つけたので、今夜は多分気持悪い夢を見る。


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