6月29日(土)

 ケストナーのPünktchen und Antonを読み終へる。やうやくである。点子ちゃんは可愛くて勇敢で頭がいいし、アントンは素直で母親思いで健気である。そして、ケストナーは少々説教臭い。さて、次は何を読まうか。予定通りDas fliegende Klassenzimmerにしようか。そして、その次は……

 ヴァーノン・リーの「聖エウダイモンとオレンジの樹」には、指輪をヴィーナスの大理石像に預けたら目を離した隙に指を曲げて拳を握られてしまふ場面が出てくる。こんな話は、メリメの作品にもあるのだが、ヨーロッパに古くからある云ひ伝へであるらしいといふところまで判ってゐたものの、どんな話がどれくらゐ流布してゐたかといふやうなことは全然判ってゐなかった。もちろん、私が判ってゐなかったと云ふことである。Sabine Baring-Gould Curious Myths of the Middle Ages [Amazon.co.jp] とWillelmi Malmesbiriensis Monachi Gesta Regum Anglorumにこの言葉が何箇所も登場する。早速書店に註文しようとしたが、二つともGoogleBooksに無料で置かれてゐることが判明して、早速ダウンロードした。しかし、よくよく見れば後者はイタリア語か何かである。読めないのである。それも英語版があることに気がついたのでダウンロード。何と便利な世の中になったのか。

 読むのはこれからである。


6月28日(金)

 森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。京都の宵山の日の怠け者たちのささやかな冒険である。そして、研究所の謎の所長の冒険でもあり、充実した土日を過ごすことに熱心な恋人たちの冒険でもあり、世界一怠け者の探偵の助手の冒険でもある。あまりにも楽しくあまりにも安心して読めるところがまた同時に些か物足りなさを感じさせてしまふのは残念なのだが、それは恐らく作品の問題ではなく私の問題であらう。

 私もぽんぽこ仮面になりたい……とは思はない。とりあへず、ぐうたら本を読みたいところである。この本を読めば誰でも内なる怠け者が呼び起こされ、きっと立派な怠け者になれるはずである。もちろん、私もさうだ。


6月27日(木)

 今日も通勤電車では、森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み、自分に怠惰を大切にする心が不足してゐることを実感し、深く変性した。もっと心と体の隅々にまで怠惰な魂を充満させなくてはならない。理由はよく判らないが。

 来年度の美しい図書館・蔵書カレンダーをAmazon.deに註文した。Die schönsten Bibliotheken der Welt 2014: WandkalenderBibliotheken 2014. PhotoArt Classic Kalenderである。今年は一つしか買はなかったのに、来年は二つ。しかし、我が家にはカレンダーを掛ける壁はもはや一箇所しか残ってゐないといふのに。まあ、私もいつこのカレンダーに載ってゐるやうな図書館や書庫を所有することになるか判らない。その日に備へてこのカレンダーを眺めよう。毎日眺めよう。


6月26日(水)

 今日から通勤電車では、森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読むことにした。少しヴァーノン・リーに飽きてしまったのだ。
 いくらヴァーノン・リーでも怠け者には勝てない。

 紀伊國屋書店から、Stefanie von Wietersheim Vom Glück mit Büchern zu leben (Callwey Georg D.W. Gmbh) [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]が届く。「本とともに生きる(暮らす)幸せについて」といふやうな意味だと思ふ。Zeig mir was du liest und ich sage dir, wer du bist.をモットーに20人に本とともに生きる幸せについて訊ねていく。中身が読めるほどドイツ語ができるわけではないのが残念。

 うっかり日下沙矢子演奏のReturn to BachをiTunes Storeで買ってしまった。


6月25日(火)

 昨日の続きでアイヒェンドルフの「大理石像」を読む。ハイネの「精霊物語」で、ヴィーナスの石像に指輪を預ける話の紹介で出てきたから読んだわけだが、全然指輪を預けないではないか。石像は出てくるが。何だか損した気分である。

 明日から何を読むか。もうヴァーノン・リー関係はうんざりだから暗い新書でも読んでみようか。明るい怠け者の話しを読んでみるか。それとも真面目にヴァーノン・リー関係本を続けて読むか。

 眠いので今日はこれで。


6月24日(月)

 ハインリヒ・ハイネ『流刑の神々・精霊物語』(岩波文庫)読了。まづはヴァーノン・リーが好きだったといふ「流刑の神々」から。ギリシャ・ローマの神々が、キリスト教に追ひやられて孤島に隠れたり羊飼ひを装ったりして今もなほ生きてゐるといふ話を紹介してゐる。それでも、歌が上手過ぎてばれてしまったりするのだ。如何にもヴァーノン・リーが好みさうな話ばかり。続いて「精霊物語」の方も読む。こちらは、もっとドイツの民間説話に近い話を紹介してゐるのだが、その中に石のヴィーナス像に指輪を預けたら目を離した隙に手を握りしめられてしまって、指輪を取り返せなくなってしまふ話があった。これは「聖エウダイモンとオレンジの樹」ではないか! 黄金伝説にでもありさうな話だと思ってゐたが、ドイツの伝承にあったのか。そこからヒントを得て書かれた作品として、アイヒェンドルフの「大理石像」が挙げられてゐた。この作品はドイツロマン派全集の第6巻に収録されてゐる。幸ひ持ってゐるので早速読んでみよう。買っておいてよかった。
 もしかして、グリム兄弟のDeutche Sagenにそんな話が入ってゐたりしないかと思ったが、ドイツ語がまだよく読めないので判らなかった。
 ヴァーノン・リーがドイツロマン派の影響を強く受けてゐるのは明白であるといふのはかういふことだったのか。まったく判ってゐなかった。本を読めば読むほど自分が無知であることがよく判ってくる。だから、読むのだ。自分が自信を持って無知だと云へるやうになるまで。


6月22日(土)

 Christa Zornのヴァーノン・リー伝を読んでゐて、ハインリヒ・ハイネ「流刑の神々」が愛読書だったと書いてあったので、早速三省堂書店神田本店に行って、
●ハインリヒ・ハイネ『流刑の神々・精霊物語』(岩波文庫)
を買った。ついでに、
●中島義道『非社交的社交性』(講談社現代新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
も購入。ついでなどといふと失礼だが。本当は新書を五冊くらゐ買ひさうになったのを我慢して、この一冊だけ。よく我慢したと自分を褒めてやりたい。さらに、日経サイエンス 2012年10月号も購入。

 SFマガジン8月号[Amazon.co.jp]、ご恵贈賜りました。ありがたうございました。
 西崎憲「廃園の昼餐」を読む。実に奇妙な話でこれがファンタジイなのかどうかよく判らないが、他の何かと云はれるとファンタジイに違ひないと思へる。少し怖いのはなぜなのか。


6月21日(金)

 8日前にハンブルクの本屋に註文したGunnar Schmidt Die Literarisierung des Unbewußten. Studien zu den phantastischen Erzählungen von Oliver Onions und Vernon Lee (1884) について全然返事が来ないので、改めてAbobooks.comで検索してカナダのLibrairie La Canopee. Inc.に註文。本の価格がUS$21.18で送料が$26.00。何で送料がそんなに高いのだ。とにかく今度は註文が処理されて、まもなく発送されるはず。読めるわけないのに。

 オリヴァー・オニオンズとヴァーノン・リーの共通点は何なのだらう。

 今日は眠いので、これで。


6月20日(木)

 佐々木俊尚『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書)』(NHK出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。これまでの縦割りの境界がなくなり、ソトとウチの区別が曖昧になっていくといふ。それを中世からの国家観の歴史の解説から始めるのである。これがかなり長い。まあ、頭の整理にはなる。現在の国民国家は近代ヨーロッパで発明された国家形態でそれが今は成り立たなくなってきてゐる。多国籍企業は一国に限って豊かさをもたらす存在ではなくなったとか、賃金は世界で平均化されていくからこれまで豊かだった国々では賃金が低下する。そんなに目新しい視点でもないが、いろいろなことがすっきりまとめられてゐる。しかし、著者はあまりはっきりとどうすればいいかを示してくれない。自分には自己啓発本は書けないと断言する著者の姿勢は潔い。まあ、自己啓発本などに頼るやうな人は、これからの時代、うまく生きていけないに違ひない。

 ネグリ&ハートの〈帝国〉の本を買はうかと思ったが、高かったのでやめた。

 Christa Zorn のヴァーノン・リー伝再開。Miss Brownなどは、女のBildungsromanであると指摘し、男のBildungsromanとの比較をしたりしてゐる。私にはよく判らない。もう飽きた。


6月19日(水)

 自宅から職場のUbuntu機やMac miniを操作したかったのだが、SSHでログインできないようになっていて、甚だ不便な思いをしてゐた。それができるやうになった。splashtop2といふアプリケーションである。iOS用、MacOS用、それぞれ有料アプリだし、さらにインターネットを介してログインするときは年間1500円の登録料がかかるのだが、あまりにも便利なので支払ふことに決めた。これで、職場から自宅、自宅から職場と、双方向に操作できることになったので、24時間いつでも仕事ができるといふわけだ。それがいいことかどうかは判らないが。少なくとも健康にはよくなささう。

 Amazon.co.jpでKindle本を購入。
○David N. Fredricks The Human Microbiota: How Microbial Communities Affect Health and Disease (Wiley-Blackwell) [The Human Microbiota: How Microbial Communities Affect Health and Disease]
ヒトの体に住む細菌叢に関する本。今年2月に出た本。

 Safari Books Onlineで十日後に失効するトークンがあることに気づいたので、Winston Chang R Graphics Cookbook (OReilly) [R Graphics Cookbook] をダウンロードしてみた。いや、ただそれだけなのだけど。


6月17日(月)

 Book Depositoryから、Julie F. Codell The Victorian Artist: Artists' Life Writings in Britain, c.1870-1910 (Cambridge University Press) [Amazon.co.jp, Book Depository]とSondeep Kandola Vernon Lee (Writers and Their Work) (Northcote House Publishers Ltd) [Book Depository]が届く。The Victorian Artistでは、ラファエル前派の最後3ページほどをヴァーノン・リーに費やしている。

 児美川孝一郎『キャリア教育のウソ』読了。現実に標準モデルがなくなってゐるのに、途中で変更の効かない「正社員モデル」基づく指導がなされてゐて、正社員になれなかった若者に「あなたの努力が足りなかったからだ」と「自己責任」論で追ひつめる。私は追ひつめる世代なので気をつけなくてはならない。「日本の雇用慣行がおいてそもそも仕事内容に応じた採用や育成になっていない」ことと「やりたいこと探し」が若者を追ひつめることの関係にはっきり気づいてゐなかったので、この本を読んでよかったと思った。

 night land 第6号着。今号はゾンビ特集。


6月16日(日)

 紀伊國屋書店から、松浦健二『シロアリ――女王様、その手がありましたか!』(岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、吉村剛編集『シロアリの事典』(海青社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ピーター・ディキンスン『生ける屍』(神鳥統夫訳/ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、内田百閒『百鬼園百物語: 百閒怪異小品集』(東雅夫編集/平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(黒原敏行訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、日本SF作家クラブ『日本SF短篇50 III: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、L・マイケル・ハラー『スター・トレジャー: 秘宝の守護者』(嶋田洋一訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、コニー・ウィリス『オール・クリア2』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に (短篇小説の快楽)』(野村竜仁訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、佐々木俊尚『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書)』(NHK出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、白石良夫『古語と現代語のあいだ―ミッシングリンクを紐解く (NHK出版新書)』(NHK出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、児美川孝一郎『キャリア教育のウソ (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。本が届く日は嬉しい。

 早速、松浦健二『シロアリ』(岩波科学ライブラリー)を読んだ。シロアリの生態を紹介するとともにヤマトシロアリ研究の様子も読めて面白い。同性女王二匹で巣を作れるとか、二次女王の作り方(単性生殖だがクローンではない)とか、卵を擬態する黴とか、いろいろ新鮮。水中で一週間生きられるといふのにも驚く。「ヤマトシロアリの王と女王のいる場所を見つけるのは難しいが、熟練してくると研究室の中でマイスターの称号を得て一目置かれる。その技量がシロアリ採集以外では何の役にも立たないのが惜しまれる」といふ言葉が面白い。ただ、私が知りたかった共生細菌とセルラーゼの話が全然出てこなかったので、『シロアリの事典』も読まなければならない。
 それにしても、シロアリの女王アリの姿はいつ見ても怖い。あれを食べるところもあるといふ。本の中に写真が出てきて、著者が食べたのかと思ったら、「美味なのだとか」などと書いてあって、人から聞いた話らしい。体験談が読めず残念。


6月14日(金)

 少し円高になったやうなので、本を註文してみた。
○Gunnar Schmidt Die Literarisierung des Unbewußten. Studien zu den phantastischen Erzählungen von Oliver Onions und Vernon Lee (Frankfurt Lang 1984)
をzvab.comで検索して、ハンブルクのAntiquariat Wolf Mookに。しかし、返事が来ない。

 Christa Zorn Vernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectualを読みながら今日も出勤。で、Ravenna And Her Ghostsがエッセイなのに小説集Pope Jacynthにも収録されている理由は……みたいな文があったのだが、私が持ってゐるのには入ってゐない。まさか2刷で落とされたとか?

 イギリスとessayといふ形式について考へさせられる。学術的な内容でもイギリスでは自由で気軽な形式が受け入れられてゐたが、他国ではさうではなく、特にドイツでは固いpedanticなスタイルでなければならなかったとか。まだまだ、知らないことばかりだ。それで、著作言語に英語を選んだのにはさういふこともあったのだらうか。最初はフランス語やイタリア語で書いたりして、後に英語で安定したやうなのだ。

 当時の多くの上流作家・研究家たちは大学や大学院で体系的な学問を究める機会がなく、独自の研究でいくら学問的に意義深い成果を発表しても、さういふ組織や団体に所属してゐないと軽視されてなかなか受け入れられなかった。だから、男性名で発表することが多かったのだろらう。でも所属組織は作れない。それは現代でも所属機関がないと軽く見られるのは同じで、非常勤でも大学等に所属する意味は大きいはず。文学研究ならまだしも、遺伝子解析なんか個人で出したら、どうやってそんなことやったのかと疑はれるのは間違ひない。そんなことないといふのがウォールセン『バイオパンク』(NHK出版)のやうな人たちである。


6月12日(水)

 久しぶりに日本語の本を註文。紀伊國屋書店に12冊。
●松浦健二『シロアリ――女王様、その手がありましたか!』(岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●吉村剛編集『シロアリの事典』(海青社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ピーター・ディキンスン『生ける屍』(神鳥統夫訳/ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●内田百閒『百鬼園百物語: 百閒怪異小品集』(東雅夫編集/平凡社ライブラリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(黒原敏行訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●日本SF作家クラブ『日本SF短篇50 III: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●L・マイケル・ハラー『スター・トレジャー: 秘宝の守護者』(嶋田洋一訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●コニー・ウィリス『オール・クリア2』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●アドルフォ・ビオイ=カサーレス『パウリーナの思い出に (短篇小説の快楽)』(野村竜仁訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●佐々木俊尚『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書)』(NHK出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●白石良夫『古語と現代語のあいだ―ミッシングリンクを紐解く (NHK出版新書)』(NHK出版)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●児美川孝一郎『キャリア教育のウソ (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
他の版で持ってゐたり、別の言語で持ってゐる本が多い。

 久しぶりの日本語の本の註文なのでもうへとへとである。咽喉も嗄れたやうな気がする。


6月11日(火)

 今日もChrista Zorn Vernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectualを読みながら出勤。飽きてきた。文学的な細かい話はどうもよく判らないし。別の本を読みたい。

 イギリスの古本屋からヴァーノン・リーのThe Virgin of the Seven Daggers (Corgi Books) が届く。二冊目である。だから同と云ふこともないが。

 疲れてゐるのでこれで。


6月10日(月)

 Abebooks.comのクーポンがあることを思ひ出し、Abebooks経由でBookDepositoryに本を註文。
○Sondeep Kandola Vernon Lee (Writers and Their Work) (Northcote House Publishers Ltd) [Book Depository]

 ふと見かけて欲しくなってしまひ、紀伊國屋書店に、
○Stefanie von Wietersheim Vom Glück mit Büchern zu leben (Callwey Georg D.W. Gmbh) [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]
を註文。読めないやうな気がするが、写真がたくさん入ってゐる本のやうだから大丈夫だらう。

 今日も疲れてゐるので、これで。


6月8日(土)

 今日もChrista Zorn Vernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectualを読みながら出勤。面白い逸話を知る。ヴァーノン・リーがAmour Dureを最初に売り込んだときの不採用の理由が「歴史的事実をフィクションの枠に埋め込んでゐる」だったといふ。驚くべき理由である。ヴァーノン・リーはIsn't that a joke?と云ったらしい。
 それにしてもヴァーノン・リーはブスだブスだとひどい云はれようである。ヘンリー・ジェイムズはexceedingly uglyと云ひ、バートランド・ラッセルはincredibly uglyと云ふ。会ったことはないから私には判らないが、写真ではそこまで云ふかといふ感じ。

 この頃、バッハのカンタータを聴いてゐると妙に音の悪い曲があることに気づいて、どうしてこんな音なのかと困惑することがよくある。小学館のバッハ全集のCDから取り込んだものである。古くなってCDが劣化してゐたのか。どうすればいいのだらうか。どうにもならないのだらうか。などと思ってゐたら、我慢できなくなってCantatas BWV 29, 119 & 120といふCollegium Vocale Gent & Philippe HerrewegheのアルバムをiTunes storeで購入。音が綺麗である。

 昨日註文したときにエラーが出たAbeBooksから、昨日は迷惑をかけたから何でも15%安くしますよといふメールが届いた。何か買はう。


6月7日(金)

 Christa Zorn Vernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectualを読みながら出勤。ヴァーノン・リーを、ジョージ・エリオットとヴァージニア・ウルフの間に活躍した女流作家群の一人として考へていくといふ内容。まだ序文だけど。

 ヴァーノン・リー関連図書の註文。まずは、
○Hilary Grimes The Late Victorian Gothic: Mental Science, the Uncanny, and Scenes of Writing (Ashgate Pub) [Kindle版]
を購入。これの第五章がCase Study: Vernon Lee, Aesthetics and the Supernaturalといふタイトルで、どうやらまるまる一章をヴァーノン・リーに費やしてゐるやうなのだ。ちょっと高いのだが、我慢して買った。

 次に、
○Julie F. Codell The Victorian Artist: Artists' Life Writings in Britain, c.1870-1910 (Cambridge University Press) [Amazon.co.jp, Book Depository]
Book Depositoryに註文。これはKindle版がなかったのだ。この本にはVernon Leeが十箇所くらゐ出てくる。再び、Amazon.co.jpに戻って、
○Hermione Lee Edith Wharton (Vintage)[Amazon.co.jp]
を購入。ヴァーノン・リーとは仲良しだったらしく、名前は数十ヶ所に登場してゐる。

 www.abebooks.comで検索して、Better World Booksに、
○P. Gunn Vernon Lee
を註文。前に同様に註文した本なのだが、なかなか来ないので、念のためもう一度別の書店に註文してみることにした。最初、何かネットワーク上のエラーが出たものの、どうやらちゃんと註文は通ったやうで、夜には製品の発送の聯絡があった。早い。

 眠いので今日はこれで。


6月6日(木)

 ホフマン『ブランビラ王女』(ちくま文庫)を読み終へる。面白い。これは、面白いのだが、どうしてこれが面白いのだらう。古くさい。そして読みにくい。今の日本で一般受けする作品ではないと思ふが、どうしてこれが自分にとってそんなに楽しいのかはよく判らない。これをいつかじっくり原書で読みたいと思ふのだが、いつになったらそんなことができるのか。本は買ひ揃へてゐるので、あとはドイツ語の習得速度と寿命が尽きるのとの競争である。

 今ドイツ語で読めるのはケストナーの子供向けの作品が精いっぱい。Pünktchen und Antonはやうやく半分くらゐ。アントンは健気な少年である。


6月5日(水)

 ヴァーノン・リーの『ことばの美学』を読み終へた。全体的にはよく判らない。部分的には納得できるところや、さっぱり判らないところとか、いろいろある。「作家の私生活に撹乱されるな。作家は読者自身の体験だけを暴露してゐる」などはどこかで使ひたいくらゐである。ここの作家の私生活とは作品を読むときに必要だと思はれがちな作者自身の情報である。

 しかし、眠い。

 ホフマン『ブランビラ王女』(ちくま文庫)が予想以上に面白いが、「いざご馳走に箸をつける段になると」といふ文に出会って箸を使ふ登場人物が頭に浮かび、何となくさらに楽しくなる。

 しかし、眠いので今日はこれで。


6月3日(月)

 Amazon.co.jpから、The Bantam New College Latin & English Dictionary, Revised Edition [Amazon.co.jp]が届く。早い。そして字が小さい。老眼になったらとても読めまい。スキャンしてiPadか何かで拡大して読まう。

 果たして生きてゐるうちに、ラテン語が読めるやうになるのだらうか。五百年くらゐ生きる必要があるかも知れない。

 Pünktchen und Antonは、やうやく点子ちゃんが橋の上でマッチ売りの少女を演ずるところまで来て、面白くなってきた。果たして生きてゐるうちに、ドイツ語の(大人向けの)本が読めるやうになるのだらうか。


6月2日(日)

 出張から帰ってきたらバジルの芽が四本枯れてゐた。根元の茎をぷっつり切られて。その大鉢の芽は全滅したので(他のタイムの芽はすでに切られて枯れていた?)、土を掘り返してみたら、コガネムシの幼虫が7匹も出てきた。丸々と太ってゐる。全部殺してやった。薬剤は極力使ひたくないが、これだけ被害が増えると仕方がない。住友化学園芸 オルトランDX粒剤 200gをAmazon.co.jpに註文。少し使ふと次々に土中からコガネムシの幼虫が出てきて死ぬといふ有名な薬である。とりあへず、食用でない植物から使っていかうか。

 突然ラテン語の本を読みたくなって、
The Bantam New College Latin & English Dictionary, Revised Edition [Amazon.co.jp]
○J. R. R. Tolkien Hobbitus Ille (HarperCollins, 2012) [Kindle版]
を註文。読めるはずがないのに。ハードカバーは先週まで300円くらゐだったのに、定価に近い2000円ほどになってゐるではないか。ハードカバーとKindle本の両方を買はうと思ってゐたけれど、断念。


6月1日(土)

 鹿児島までの飛行機の中で本を読む。

 新井立夫・石渡嶺司『バカ学生に誰がした?』(中公新書ラクレ)を読む。高校の進路指導のことは全然知らないので興味深い。自分も大学受験の指導はされたことがないこともあって。「キャリア教育」といふのが強調されるやうになって脅迫的な自分探し夢探しをさせられるといふ指摘は確かにさうだと思った。他の本もさうだけど、バカっぽい題名をつけるのは止めた方がいいのではないかと思ふ。

 続いて小玉重夫『学力幻想』(ちくま新書)を読む。これはちょっと難しかった。「子供中心主義」とポピュリズムといふ二つの「罠」を軸に学力問題を考へる。この二つの問題と政治化の辺りからよく判らなくなってきた。いや、その前にハンナ・アレントの考へがよく判らなかったのだが。学力は努力と工夫で誰もが身に付けられるものだと強調するところにポピュリズムの罠があるといふ。身に付けられないときにそれを当人と親の問題・責任にしてしまふ。家庭の所得・文化環境、親の学歴の影響があっても、親の個人的な人間性、例へば「本を読む親の子は優秀」といふやうに。社会や経済の問題を家庭の問題に落とし込んで、家庭の責任親の責任と責め立てる。政府の会議が「親学」なんていふ国である。そんなに責め立てられたら子供を産んで育てるのも怖くなるのは当然であらう。少子化問題もかういふ学力問題と密接な関係があるはずでと思ふ。
 もう一つ、学力問題が教育方法や技術の問題に還元されることによって教育の内容に対する関心が薄れてしまふといふのは私にとっては興味深い指摘。大学の教育はもともと教育の訓練を受けていない教員が内容に対する関心だけでやってきたわけでその反動もあるのかもと思ったりする。

 今日買った本については、明日。


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