橘木俊詔『日本の教育格差』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。残念ながら、すでにどこかで指摘されてゐるやうなことがほとんどだった。それでも、なるべく数値を示しながら話を進めようとする姿勢は評価できると思ふ。成果の格差はやむをえないが、機会の格差が問題で、それが世代を超えて再生産されるやうになってゐるのだ。
今日で7月も終はりである。やれやれ。
ゆっくりしてゐたら、今日はこんな時間になってしまひ、意識を失ひつつあるので、今日はここまで。
ドル安だからKindle新型を買ってもいいんぢゃないかといふ気分になってゐる今日この頃。年初来安値を更新し、ニューヨーク市場では85円台になってしまった(今は86円台だけど)。Jeff BezosのKindle関連のインタビューの話題をあちこちで見かける(TechCrunch, )。電子書籍といふ共通項で話題には上るものの、KindleとiPadは使用目的が異なるといふのは私も同感。もちろん、電子書籍しか読まない人にとっては同じかも知れないが。タッチスクリーンなんて不要だし、マルチメディアなんて無駄以外の何ものでもない……といふのは私の個人的な好みだが。「ヘミングウェイ作品にアニメーションを追加しても、作品自体が今以上に良くなるわけではない」といふ台詞にはよく云ったと喝采を送りたくなる。
橘木俊詔『日本の教育格差』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分を少し越えたところまで読む。あまり新しい情報はないのだけど、公的資金の教育への投入額の少なさは改めて驚く。OECDの中で最下位(か最下位から二番目)である。ちゃうど、次年度以降の予算の一律10%削減が閣議決定されたと報じられたところだ。これで、国立大学運営費交付金、私学助成、科学研究費補助金までが一律10%削減になったら、大学へ進学できるのは裕福なものだけといふことになってしまひかねない。教育を受ける機会の格差が固定され、世代を超えて教育格差が伝へられていくことになるだらう。科学研究費補助金はまた少し別の問題だけど。
中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(940円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。巻末の表題作が感動的で最も強い印象を残してゐる。本書では何といっても巻頭と巻末の作品がよかった。アンソロジーで巻頭と巻末がいいと感じられるとちょっと安心する。きっと編者は最も優れた作品だと思った二篇を巻頭と巻末に置くに違ひないからだ。まあ、アンソロジー作りには詳しくはないが、きっとさうだ。巻頭が悪かったらそこで読むのを止めてしまふかも知れない。巻末が悪かったら、がっかりして本を閉じることになってしまふ。だから、強く推したい二篇が巻頭と巻末に来ると思ふ。真ん中辺りの短い作品が最もいいと思ってしまったときは、編者が休憩時間のやうな意識でそっと挟んだ掌篇に強く惹かれてしまった訳で、編者の意図や感性が理解できなかったに違ひないのだから。もちろん、本は誰もが自由に読めるのだけど、さうはいっても残念なことではある。
橘木俊詔『日本の教育格差』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を少し読む。その人の受けた学校教育について、最終学歴、その学校の名門度(知名度)、専攻分野について、卒業後の人生にどの程度の影響を及ぼし、その差はどのやうになってゐるのかを検証しようとしてゐる本だ(と思ふ)。格差があることは、いろいろな本を読んだり、実際に感じるところである程度は判ってゐるのだが、それをどのやうに検証し、分析してゐるかは興味深い。
今日は意識を失はずに書けた。意味不明な文字を連ねてゐて、翌朝吃驚することもないだらう。安心して寝られるといふものだ。
小川浩・林信行『アップル vs. グーグル』(730円+税/ソフトバンク新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。AppleとGoogleが何を狙って行動してきてゐるのか。二社間のこれまでの対立関係と協調関係が何となく判ってくる。それにしても、本当に世界の変化は速い。私もちょっと遅れ気味である。
それにしても、真逆なんていふ言葉を使はないでほしいものだ。この一言で全体が莫迦っぽく感じられてしまふ。
中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(940円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。「献身」はちょっと苦手な作品かも。「月その六」の寂しさは印象深い。あと残り一篇。
紀伊國屋書店に、
○James Ramsay, Giles Hooker, Spencer Graves Functional Data Analysis with R and MATLAB (Springer, 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Neil Gaiman The Graveyard Book (Bloomsbury, 2009) [The Graveyard Book, 紀伊國屋]
を註文。一冊はRの本。もう一冊はニール・ゲイマンの本で邦訳予定があるのだが、角川書店の新刊予定から名前が消えてしまったので買ってみることにした。さっきから何度も意識を失なってゐるので、今日はとりあへずここまで。
意識喪失中に指が動いたと思しき場所を修正。翌朝見ると、意味不明の文字が並んでゐることがある。意識を失ってゐる間に、素晴らしい文章が仕上がっていたらいいのに。はっと目を覚ましたら、500枚くらゐ翻訳が捗ってゐるとか。困るのはメールを打ってゐる間に眠ってしまって、送信ボタンまで押してゐるとき。死ぬほどはづかしいので詳しくは書けない。
中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(940円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐまで読む。今のところ、巻頭の作品が印象深い。宇宙開発SFに感動するといつも、何年も前に宇宙での研究に携はる人員の募集を見かけたのに応募しなかった自分は一体何だといふ気分になる。応募したって採用される訳がないのだが。
片田珠美『一億総ガキ社会』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。題名が安っぽいが、中身はまともである。「すごい自分」といふ意識から開放されることがないのは、社会がさういふ仕組みになってゐるのだと云はれると、どうしようもないのかといふ暗い気分になる。親が子供に押し付ける夢は、自分が達成できなかった夢であり、それが達成できなかったとき、さらに次の子供に引き継がれるといふのは、ちょっと考へただけでも恐ろしい。夢を諦めずに努力すれば何でも達成できると唱へる社会を糾弾するところには喝采を送りたい。それはつまり夢が達成できなかったのは、努力せず諦めたからだと若者を追ひ詰めるのだ。ほとんどの夢は実現できないと思った方がいい。いろいろ諦めて、乾いた大人にならうではないか。
平日なのに、ベーグルを焼いてしまった。なんていふことをしてゐるんだ。
「棚まるごとデジタル大作戦!」(日経PC)といふ記事を見つけたので、早速目を通してみた。「蔵書の山を一掃!」なんて書いてあるからどきどきしながら読んだのだが、バーコードスキャナーを使って蔵書リストを作り、裁断機とドキュメントスキャナーで書籍や雑誌のPDF化をすればいいといふ内容。前から何度も試してゐるが、なかなか大変である。私のやうな怠け者にはとうていまるごとデジタル化はできさうにない。古い本だとバーコードもついていないし。
紀伊國屋書店から、中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(940円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョン・リンゴー『大戦前夜 上』(月岡小穂訳/740円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョン・リンゴー『大戦前夜 下』(月岡小穂訳/740円+税/ハヤカワ文庫SFハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ロバート・W・チェイムバーズ『黄衣の王』(大瀧啓裕訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、金原瑞人編訳『八月の暑さのなかで』(680円+税/岩波少年文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、深町貴子『はじめてでもできる! ベランダですずなり野菜』(1,600円+税/カンゼン)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、アリー・ベン‐ナイム『エントロピーがわかる』(中嶋一雄訳/880円+税/講談社ブルーバックス) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、小川浩・林信行『アップル vs. グーグル』(730円+税/ソフトバンク新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、片田珠美『一億総ガキ社会』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、橘木俊詔『日本の教育格差』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。
アリー・ベン=ナイム『エントロピーがわかる』(講談社ブルーバックス)を読む。骰子(さいころ)を使って、ランダムな変化が積み重なっていくと、ある一定の平衡状態に達することを示し、その尺度としてエントロピーを判りやすく説明してゐる。骰子の目の合計値を、色や温度や味に置き換えて説明するといふのは、なるほどうまいと思ったが、果たしてそれで皆が納得してくれるかどうか、些か心配である。最後の「第二法則の位置づけ」はよく判らなかった。「第二法則を取り除くことができるか」などといふ箇所はさっぱりだ。とはいふものの、今度エントロピーを人に説明しなくてはならないときに活用してみよう。普通そんな機会はあまりないだらうが、私には実はあるのだ。
東京創元社から、ジョー・ウォルトン『暗殺のハムレット』(茂木健訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、マーセデス・ラッキー『太陽神の司祭(上・下)』(山口緑訳/上940円+税・下980円+税/創元推理文庫)上[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]/[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。
『暗殺のハムレット』は、ファージング第2巻。楽しみに待ってゐた本である。
『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(940円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を編者の中村融さんからいただきました。ありがたうございました。SFマガジン創刊50周年記念アンソロジーの一冊目。アンディ・ダンカン、ウィリアム・バートン、クラーク&バクスター、ジェイムズ・ラヴグローヴ、スティーヴン・バクスター、エリック・チョイ、カストロ&オルションの作品が収録されてゐる。早速明日から読まうかな。
今日は日曜日なのでパンを焼くのに時間を費やしてしまった。ベーグルがどうしても納得いくやうに作れないので、たうとうcuocaでベーグル用強力粉(緑渦巻)2.5kgとモルトエキス100gを註文してしまった。タンパク含有量:12.8%±0.3% 灰分:0.48±0.03% の小麦粉である。さうまでして作らなくてはならないのか、ベーグル。
高安秀樹『経済物理学の発見』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をもう少しで半分といふところまで読む。面白い。ただ、今のところそんなに意外なことは出てきてゐないのだけど。「予測」の辺りから楽しくなって来るやうな予感。根拠はないけれど。
SFマガジンの原稿を真面目に書き終へて送信。
ちょっと安心して、ベーグルを焼いた。思ふやうには作れないものである。朝顔の世話をして、雨が降るやうに天に願って就寝。
スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。まだ原書第1巻の最初の1/3なので、話はあまり進んでゐない。今後の愉しみとしよう。
AbeBooks.com経由で、6月29日に註文したLord Dunsany Tales of Three Hemispheres (Owlswick Press, 1976) が届いた。Tim Kirkの絵は美しい。
紀伊國屋書店に本を註文。
●中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(940円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョン・リンゴー『大戦前夜 上』(月岡小穂訳/740円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョン・リンゴー『大戦前夜 下』(月岡小穂訳/740円+税/ハヤカワ文庫SFハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ロバート・W・チェイムバーズ『黄衣の王』(大瀧啓裕訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●金原瑞人編訳『八月の暑さのなかで』(680円+税/岩波少年文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●深町貴子『はじめてでもできる! ベランダですずなり野菜』(1,600円+税/カンゼン)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●アリー・ベン‐ナイム『エントロピーがわかる』(中嶋一雄訳/880円+税/講談社ブルーバックス) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●小川浩・林信行『アップル vs. グーグル』(730円+税/ソフトバンク新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●片田珠美『一億総ガキ社会』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●橘木俊詔『日本の教育格差』(800円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上。今日はもう眠くて文が書けさうもないので、今日はこれで寝ることにしよう。
スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。残り50ページ。話はなかなか進まない。何が味方で何が敵なのかよく判らないし。
ブックカバーは今のところ調子がいい感じである。
眠すぎるので今日はこれで。
明日も暑くなるらしい。あまり暑いと、家を留守にしている間に本の温度が40度近くになって、それが本を傷める原因になりはしないかと心配してしまふくらゐだ。
先日いただいた、スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まだまだ最初の方。馴染みのある異世界が広がってゐる感じ。安心して読めさうではある。とにかく読み進めよう。先は長い。全10巻なので、日本語版が全部出るとすると30巻ほどになるはづ。
土曜日に註文した、お手入れいらずのクロムウエルレザーブックカバー(クロムグリーン/ハヤカワトールサイズ/ブックマーカー付き)と、同シリーズの文庫判と新書判が届いた。両側をきっちり閉じてゐるので、本が厚すぎると被せて使うことができなくなってしまう。ハヤカワトールサイズのは、クロムグリーンといふ色。表面もきめが細かく手に馴染む。とりあへず、今読んでゐるエリクスンにこれを被せて読むことにした。一方、文庫判と新書判は爬虫類の鱗風。色は赤っぽい。私の手にはしっくり馴染まない。でも、まあいいか。画像を使った報告は別館の方でする予定。これで、少しは朝の本の準備が落になればいいのだが。これで、読む速さも速くなればいいのに。
今日はあまりにも暑かった。あまり暑いと読書も捗らない。明日も暑くなりさうだ。読書に熱中してゐると水分補給を忘れて熱射病になりかねない。真夏の読書もほどほどに。
チャイナ・ミエヴィル『ジェイクをさがして』(日暮雅通ほか訳/980円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。今、最も注目されてゐるSF作家の一人、ミエヴィルの短篇集である。評判もよいやうなので、期待して読み始めたのだが、巻頭の表題作、さっぱり判らなかった。どういふことなんだこれは。恐る恐る次の「基礎」を読んでみる。判らない。何がいいのかさっぱり判らない。「ボールルーム」は怖かった。決着はよく判らなかったが、前の二作に比べたら判りやすい。次の「ロンドンにおける"ある出来事"の報告」は気に入った。話も判りやすかったし。気を取り直して「使い魔」。判らない。「ある医学百科事典の一項目」も判らない。もう私には無理なのかも知れないと思ふと悲しくなってきた。もう寝てしまはうか。
「米アマゾンの電子書籍販売、ハードカバー本を逆転」(日本経済新聞)ださうである。 私はKindleもiPadも持ってゐない。このままでは新しい技術に置いていかれてしまふだらうか。
テリー・ビッスン『平ら山を越えて』(中村融編訳/2200円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。
強烈な印象を残してゐる作品は何といっても「マックたち」。その次に「ザ・ジョー・ショウ」と「ちょっとだけちがう故郷」。「謹啓」はあまりにも重苦しく絶望的なので、気分が沈んでゐるときに読むとさらに沈み込んでいく。「ザ・ジョー・ショウ」は明るい気分で読める。全体的には、孤独と絶望を感じる作品が多い。
日本経済新聞に「読書家の子はやっぱり本好き 月に読む量ほぼ比例」といふ記事が載ってゐた。まあ、確かに家に本がたくさんあって、両親がよく本を読んでゐれば、自然と本を読むやうになるものである。ならば、両親が本をあまり読まず、家に小説本なんかないやうな家庭で育つと本を読まないかといふとさうでもなく、私が子供の頃、両親はほとんど本なんか読んでゐなかった。父は後に生活に余裕が出てきてからノンフィクションを読むやうになったが。
本を読まずにはゐられない人間は、親がどうであらうと本を読むやうになるものなのだ。
原稿を書かなくてはならないのに、日曜日だからといって朝顔の世話をしたりパンを焼いたりしてしまふ。日曜日だからこそ、原稿を書かなくてはならないのに。
参考資料の本を探して書棚の前を何回も歩く。どうしても見つからない。何度も何度も行ったり来たり。どうしても見つからない。毎日どれだけの時間を本を探すことに使ってゐるのか。書棚をはやく整理しないとあまりにも時間の無駄が多すぎる。人生は有限だといふのに。
実は状況によっては整理なんて必要なくて、購入順に並べていけば、ある程度は把握できる。いつごろ買ったのかを何となく思ひ出せばいいのだから。買った順に並べて書棚をいつも眺めてゐればいいだけである。混乱が生じるのは引越ししたときだ。引越しして箱を開けてただ本を書棚に放り込むともうわからない。あと、書棚がいっぱいになって、隙間を探して購入した本を突っ込むやうになったとき。それも時系列で本が並ばなくなるので、場所を推定するのが困難になる。
電子書籍になれば、検索してすぐに探し出せる。必要な箇所も検索して探し出せる。だから、私は電子書籍を歓迎している。今の状況では読書装置として何を選ぶかとか、ファイルをなくしたら困るとか、問題があるのだけど、はやく躰に補助記憶装置を埋め込んで、頭の中で電子書籍を再生できるやうになってほしい。もちろん常時ネットワークに接続してゐる状況が好ましい。さうすれば、いつでもどこでも読書ができる。もしかしたら、夢の中でも。
テリー・ビッスン『平ら山を越えて』(中村融編訳/2200円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Booksを読み進める。私は心温まる話よりも、変な話の方がいい。「ザ・ジョー・ショウ」は面白い。「マックたち」は怖い。慄然とする。
オンライン書店で本を買ふことが多いのだけど、さうすると街の書店のやうにカバーをかけてくれない。だから、本を持って出かけるときは、手持のカバーをかけることになる。四六判のハードカバーの場合は、以前東京創元社からいただいた革のカバーをかけるのだが、文庫や新書は書店でかけてもらった紙のカバーだ。何度か使ってゐるとぼろぼろになるから、新しいのに交換する。そこで厄介なのがハヤカワ文庫のトールサイズだ。書店でも店員が用意してある文庫判のカバーも新書判のカバーも大きさが合はず苛々する光景をよく見たものだが、この頃は減ってきただらうか。私も朝の出勤前のひとときを大きさが合はないカバーを折り直す手間と時間に苛々することがある。何とかならないものか。
いや、何とかしなくてはならない。もう一日たりとも先延ばしにはできない問題である。さう決意して、ブックカバーを註文した。お手入れいらずのクロムウエルレザーブックカバー(クロムグリーン/ハヤカワトールサイズ/ブックマーカー付き)といふものである。これを使へば、慌てて新書用のカバーを折り直して朝の出勤前の貴重な時間に苛々することもなくならう。しかし、さうすると、文庫判と新書判も買っておきたくなり、一緒に註文した。文庫判は650ページ用である。この頃は本が分厚くなったから。活字が大きくなったせゐだらう。40年くらゐ前の文庫本を手に取って読まうとすると字の小ささに驚くことがある。
これでオンライン書店で本を買ふことでカバーがついてこないことに対する心配はなくなるかも知れないが、それだけではなく、街の書店で買ふときにも、カバーは要りませんと云ふことができる。カバーや袋(特に袋だが)を気軽に要求する人は多いだらうが、書店にとってはそれなりに負担だといふ記事をこの頃よく見かける。たとへば、今日の産経新聞の記事「本屋さんへのエール」もさうだ。今でも極力購入した本は鞄に入れて、袋は辞退することが多いが、これからはカバーも要りませんと云へるやうになるかも知れない。
テリー・ビッスン『平ら山を越えて』(中村融編訳/2200円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Booksを読み始める。「ジョージ」は翼のある人間の話。さういへば翼のある人間の話がエドモンド・ハミルトンにもあったなあ。どんな内容だったかは覚えてゐないが。
眠い! 眠すぎる。
ジョージ・R・R・マーティン他『ハンターズ・ラン』(酒井昭伸訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。面白い冒険SF。自分とは何かを考へてゐるうちに、異星人の意識が混入してしまって、意外な人間的成長をしてしまった主人公の物語。
今日も眠いので、これで。
今日は強度の眠気に逆らへないのでので、一回休み。
ジョージ・R・R・マーティン他『ハンターズ・ラン』を読み進める。やうやく半分くらゐ。遅すぎる。残された時間で少しでも多くの本を読むために、もっと速く!
新刊書評情報に日本経済新聞「本」の情報を追加した。いつの間に書評が載るやうになってゐたんだらう。全然気付かなかった。前からあったのだらうか。実は以前から日経にも書評が載ってゐればいいのにと思ってゐたのだ。新聞の書評欄があることは知ってゐたが、オンライン版があるとは知らなかった。これは紙面に載ってゐるのと関係あるんだらうか。今度の日曜日に確認してみよう。
今日は遅くなってしまったので、これで。
ジョージ・R・R・マーティン他『ハンターズ・ラン』(酒井昭伸訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。これは読みやすい。とは云ひながらも、通勤時間が短いのでまだ128ページ。もう少し遠くに住めればよかったのだが。
テリー・ビッスン『平ら山を越えて』(中村融編訳/2200円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を編者の中村融氏からいただく。ありがたうございました。『ハンターズ・ラン』が終はったらすぐに読まう。
スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫 FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を訳者の中原尚哉氏からいただきました。ありがたうございました。ビッスンの次に読むことにしよう。もう買ってしまってゐましたが。
東京創元社からサラ・ムリノフスキ『魔女とほうきの正しい使い方』(今泉敦子訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。もう買ってしまってゐましたが。
でもサラ・ムリノフスキの方は本が見つからなくなってしまったから、ちゃうどよかったのかも。この頃、本を探すのにどれくらゐ時間を費やしてゐるかといふことを考へると、一刻も早く書棚の整理を実行しなければならないと思ふ。
雨の降り出す前にと、朝の七時半に投票に行く。戻ってきて、掃除をしたり麺麭を焼いたり。そんな暇ないのに。
河合太介・渡部幹『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』(760円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。どこかの会社に「フリーライダー」(ただのり社員のこと。昔風の云ひ方だと月給泥棒になるだらうか)が増えても私にはあまり関係ない。が、日本中がフリーライダーすなはちただのり日本人になると、それはちょっと困る。正直で勤勉な者が損をする社会だ。さうなってきてゐるんぢゃないかといふ不安を私はずいぶん前から感じてゐるのである。大丈夫なのか。
日垣隆『手作り弁当を食べてる場合ですよ』(724円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。手作り弁当の話はあまり出てこない。最後の後書きのところでやうやく出てくる。なんだ、弁当の話ぢゃないのか(と思ってゐたわけではないけど)。この鬱と不況の時代にどうやって生き延びるかといふ話だ。ただ、読んでゐるときは面白いのだが、どうでもいいやうな項目が入ってゐるところもある。たとへば第三章の童謡の話とか。どういふ関係があるんだらう。社会格差について、あって当然、ない方が異常な状態であると繰り返し書いてゐるが、今問題なのは格差があるといふだけのことではなく(それだけを問題にしてゐる人もゐるのかも知れないが)、格差が固定化されて一度落ちたら這い上がれなくなること、その下層に属する弱者を喰ひものにする仕組みや構造があることが問題なのではないだらうか。終章の「激変時代に読みたい十冊の新書」は面白い。また新書を買ってしまひさうだ。
次に『変愛小説集 II 』を読まうと思ったのだが、見つけられなかった。新書を読んでしまはうか。ハヤカワ文庫SFの未読本を処理するか。
紀伊國屋書店から、竹下節子『陰謀論にダマされるな!』(762円+税/ベスト新書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、村上陽一郎『人間にとって科学とは何か』(1,100円+税/新潮選書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、高安秀樹『経済物理学の発見』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大森望編『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション 2』(950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジェイムズ・P・ホーガン『プロテウス・オペレーション』(小隅黎訳/1,200円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、レイ・ブラッドベリ『火星年代記 新版』(小笠原豊樹訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫 FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。早い!
三省堂書店本店で、
●サラ・ムリノフスキ『魔女とほうきの正しい使い方』(今泉敦子訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●日垣隆『手作り弁当を食べてる場合ですよ』(724円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。
河合太介・渡部幹『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』(760円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。ただ乗り社員の分類、発生の理由、対処の方法など。私は一般企業で働いてゐないので、そのまま事例が当てはまる環境ではないのだが、いろいろと参考になることや考へる材料になるところは多い。さういふ企業内の問題よりも、ただ乗り社員を生みやすい状況、その結果生じる環境として、「頑張る者が馬鹿を見る社会」「真面目に取り組んでゐる者が馬鹿を見る社会」「自律・自発的な行動を起こす者が馬鹿を見る社会」「改善・改革を進めようとする者が馬鹿を見る社会」になってきてゐるのではないかと心配である。
紀伊國屋書店に、
●竹下節子『陰謀論にダマされるな!』(762円+税/ベスト新書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●村上陽一郎『人間にとって科学とは何か』(1,100円+税/新潮選書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●高安秀樹『経済物理学の発見』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大森望編『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション 2』(950円+税/河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジェイムズ・P・ホーガン『プロテウス・オペレーション』(小隅黎訳/1,200円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●レイ・ブラッドベリ『火星年代記 新版』(小笠原豊樹訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』(中原尚哉訳/900円+税/ハヤカワ文庫 FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。最初の三冊が新書。陰謀論に関する本はもっといいのがあるのかも知れないが、新刊リストで目に入ったので。レイ・ブラッドベリ『火星年代記 新版』は、2篇追加されてゐるといふので購入。多分、追加されてゐなくても註文したんだらうが。スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』は、新シリーズの第一巻。長いシリーズ作品である。
メリッサ・マール『闇の妖精王』(相山夏奏訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。魔法の世界の抗争に巻き込まれる女子大生。いろいろ大変なこともあったけれども強く乗り越えて人間の生活に戻れたといふやうな話。
メリッサ・マール『闇の妖精王』(相山夏奏翻訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]もう少しで終はる。話があまり進展しないまま残り50ページだが大丈夫なのかと心配になってくる。
お茶の水駅前の丸善で、
●G・K・チェスタトン『新ナポレオン奇譚』(高橋康也・成田久美子訳/800円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●H・ G・ウェルズ『盗まれた細菌/初めての飛行機』(南條竹則訳/629円+税/光文社古典新訳文庫) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。
読むべき本がどんどん溜まっていく。もっとはやく読まなければ。もっとはやく、もっとはやく!
アメリカのSF情報誌、Locus7月号が届く。読みたい本が増えてしまふではないか。
メリッサ・マール『闇の妖精王』(相山夏奏翻訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。第一巻の内容がなかなか思ひ出せなかったものの、次第に物語の流れに乗って快適に読み進められさうな気分になってゐた。ところが、120ページで所謂「ら抜き言葉」に遭遇したのだった。もう読めないと思った。気になると駄目なのだ。
しかし、さうなると私は電車の中で何を読めばいいのだ。他に読む本は持ってきてゐない。さっきは悪いことを云ったゆるしてれと本に謝罪の言葉を唱へて続きを読む。やはり、本は常に二冊は鞄に入れて置かなければなるまいと心に決めた。
Second Story Books (MD, USA) から、Lord Dunsany, et al. Pathways to Elfland: The Writings of Lord Dunsany (Owlswick Press, 1989)が届く。註文してから一週間で届いた。主にTim Kirkの絵が目当て。
紀伊國屋書店から、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン(上)』(柴田元幸訳/3600円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン(下)』(柴田元幸訳/3600円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、小飼弾『新書がベスト』(743円+税/ベスト新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、宮台真司『まぼろしの郊外』(560円+税/朝日文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。まづは、小飼弾『新書がベスト』(743円+税/ベスト新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んでみた。あまり期待はしてゐなかったのだけど、期待以上にしっかりしたことが書いてあった。短くて物足りない気分はなくならないが。電子ブックは外部リンクをクリックされてしまった時点で負けであるとか、何でも鵜呑みにするのではなく疑ふ力を養へとか。
ただ、私はもううんざりするくらゐ新書を読んでゐるので、今からたくさん読んでも生き方が変はることはないだらう。
白波瀬佐和子『生き方の不平等 お互いさまの社会に向けて』(800円+税/岩波新書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読む。残念ながら、あまり新鮮な驚きは感じられなかった。貧困の世代間の固定化の話とか、いろいろと。
眠くてさっきから何度も意識を失なってゐるので、今日はとりあえず寝よう。
日曜日なので原稿を書かうと思ったが、気がついたら麺麭を焼いてゐた。何といふことだ。でも、麺麭は美味かった。
大昔に買った本を開いたら、1970年代の池袋芳林堂書店と、その七階にあった高野書店といふ古本屋の栞が出てきた。懐かしい。もう池袋西口の芳林堂書店はなくなってしまった。高野書店はその前になくなってしまってゐた。私はこの古本屋で、月刊ペン社の妖精文庫第一期の大半を買ったやうな気がする(気がするだけかも知れないけど)。
ここには、国書刊行会の世界幻想文学体系や創土社の本もたくさんあった。値段は必ずしも安くはなかったが、店のちょっと暗い雰囲気も好きだったのでずいぶん通った。この書店は、芳林堂書店の最上階から歓楽街の入口の方へ移転し、その後、持ち主が手放してしまって、面白くない古本屋になってしまったといふ経緯があったことを、風野春樹氏の読冊日記1998年9月上旬を今ごろ読んで知った。
高野書店が芳林堂の7階になかったら、私の蔵書はずいぶん違ったものになってゐたかも知れない(ってこともないかな)。
宇野常寛『ゼロ年代の想像力』(早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み終へる。実に興味深い内容だが、頭の巡りの鈍い私には判りにくいところもあった。前半では、「引きこもり/セカイ系」から「決断主義/サヴァイヴ系」といふ流れだったのだが、終はり近くでは「セカイ系=決断主義」といふ言葉が何度も出てくるところが判りにくい。「誤配」といふ言葉をどういふ意味で用いてゐるのかもどうも判らない。でも、もう一回読み返す元気はない。それでもいろいろと有意義だった。読んでよかった。
大西科学『さよならペンギン』(ハヤカワ文庫JA)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。気持ちよく読んでゐたのに、最後の残り10ページといふところで、所謂「ら抜き言葉」に遭遇し、がっかり。どうしても苦手なのだ、あの云ひ回しは。
難しいことの苦手な私には、この作品で重要な意味を持つ「観察者問題」がよく判らなかった。私の知ってゐる観察者問題は量子の世界の話である。人間の眼で観察できるやうなものは、量子の不確実性とは無縁だと思ってゐた。たとへば野球のボールの位置と運動量は私たちが生きる測定領域ではほぼ正確に決定できる。その波としての波長も計算はできるが、私たちが観察することで影響を与へるスケールだらうか。有名なシュレーディンガーの猫も、思考実験だから半分生きて半分死んでゐる状態と云へるのである、実際に猫を使って実験したら、人間が蓋を開けて観察しなくても、周囲の世界との夥しい相互作用によってどちらかの状態に固定されてしまふはづだ。量子くらゐ小さな世界に限られる話が、主人公が娘の生きる世界を選んだとか選ばなかったとかいふところに出てくると私の頭は混乱してしまふのである。
楽しく読んだけど。
紀伊國屋書店に、
●トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン(上)』(柴田元幸訳/3600円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン(下)』(柴田元幸訳/3600円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●小飼弾『新書がベスト』(743円+税/ベスト新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●宮台真司『まぼろしの郊外』(560円+税/朝日文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上四冊。『メイスン&ディクスン(上・下)』は、《トマス・ピンチョン全小説》の第一回配本である。場所を取るので迷ってゐたのだが、本の美しさに負けて註文してしまった。綺麗だといふだけでなく、読めば面白いと思ふから、ちゃんと読まう。『新書がベスト』は、「10冊で思考が、100冊で生き方が変わる」なんて副題がついてゐるのだが、私は百冊以上新書を読んだが、別に生き方は変はらなかったやうな気がする。私の読み方が悪いのか、理解ができてゐないのか。どういふことなのか読んで確かめてみよう。
紀伊國屋書店から、Ian Tregillis Bitter Seeds (Tor, 2010) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。表紙に惹かれて買ってしまった。また場所を取られてしまふ。
場所を取るといふ理由で迷ってゐたのが、『トマス・ピンチョン全小説』である。でも、装幀があまりにも美しいので、明日にでも註文してしまひさうな予感がする。
宇野常寛『ゼロ年代の想像力』(早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]の続き。終はりまでもう少し。本当にほとんど観たことのない、そして読んだことのない世界の話ばかりである。アニメは観ないし、マンガは読まないのだ。ライトノベルも。映画も邦画はほとんど観ないから、それも判らない。ゼロ年代の仮面ライダーなんて云はれても、さっぱりだ。それでも面白く読めるのだから、不思議である。
五十嵐太郎・磯達雄『ぼくらが夢見た未来都市』(900円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。これだ、私が願って止まないユートピアは未来都市だった。やうやく判った。本を読んでこんなにわくわくしたのは久しぶりだ。
iPod touchをMac miniに繋いだら、iOS4が使へるけど、インストールするかね? と訊いてきたので、当然だ! とクリックする。アップデート完了したけれど、何がどう変はったんだらう。
宇野常寛『ゼロ年代の想像力』(早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]の続きを読む。アニメと同列に渡辺淳一『愛の流刑地』をも論じるとことがいい。やうやく三分の一を越えた辺り。
円が一時1ドル87円台。7カ月ぶり高値となってゐる。やれやれ。洋書でも買ふか。