8月30日(日)

 マーク・ホダー『ねじまき男と機械の心』(東京創元社)読了。最後が地下鉄の中で激しい眠気に襲はれながらだったので、ちょっと判りにくかった。なるほどかういふふうに時間SFになるのかといふのは納得できた。しかし、私はゾンビの類ひに面白さを感じられないので、その辺りはそんなに楽しくなかった。忘れないうちに次巻を読みたい。

 日本の古本屋で検索して、刈谷市のあじさい堂書店に、
『丸善百年史 上巻・下巻・資料編 全3冊揃』(丸善)
を註文。実は、これは丸善出版のサイトでpdfが公開されてゐる。註文したあとで知った。

 Amazon.co.jpでKindle本を購入。
●田山花袋東京の三十年(講談社文芸文庫)
 これは、森本哲郎『読書の旅 愛書家に捧ぐ』に「田山花袋の『東京の三十年』という回想記に、「丸善の二階」という一節がある。 その二階は、明治三十年代の日本の青年にとって、江戸時代の「長崎」のような役割を持っていた」とあるので、早速買ってみたのだ。丸善に興味を抱いてゐる今日この頃なのだ。


8月27日(木)

 自由が丘にある西村文生堂から、旺文社文庫の内田百閒39冊揃ひが届いた。
『阿房列車』(昭和五十四年十月)
『第二阿房列車』(昭和五十四年十月)
『第三阿房列車』(昭和五十五年四月)
『百鬼園随筆』(昭和五十五年九月)
『続百鬼園随筆』(昭和五十五年九月)
『無絃琴』(昭和五十六年一月)
『冥途・旅順入城式』(昭和五十六年五月)
『鶴』(昭和五十六年六月)
『凸凹道』(昭和五十六年九月)
『有頂天』(昭和五十六年十一月)
『随筆新雨』(昭和五十七年一月)
『北溟』(昭和五十七年二月)
『丘の橋』(昭和五十七年三月)
『鬼苑横談』(昭和五十七年四月)
『菊の雨』(昭和五十七年五月)
『船の夢』(昭和五十七年六月)
『沖の稲妻』(昭和五十七年七月)
『戻り道・新方丈記』(昭和五十七年七月)
『随筆億劫帳』(昭和五十七年九月)
『鬼園の琴』(昭和五十七年十月)
『無伴奏・禁客寺』(昭和五十七年十一月)
『いささ村竹・鬼苑漫筆』(昭和五十七年十二月)
『ノラや』(昭和五十八年一月)
『東海道刈谷駅』(昭和五十八年二月)
『クルやお前か』(昭和五十八年三月)
『つはぶきの花』(昭和五十八年四月)
『けぶりか浪か』(昭和五十八年五月)
『波のうねうね』(昭和五十八年六月)
『馬は丸顔』(昭和五十八年七月)
『麗らかや』(昭和五十八年八月)
『夜明けの稲妻』(昭和五十八年九月)
『残夢三昧・日没閉門』(昭和五十八年十月)
『実説艸平記』(昭和五十八年十二月)
『贋作吾輩は猫である』(昭和五十九年一月)
『居候匇々』(昭和五十九年二月)
『王様の背中』(昭和五十九年三月)
『百鬼園日記帖』(昭和五十九年四月)
『百鬼園俳句帖』(昭和五十九年五月)
『東京焼盡』(昭和五十九年六月)

 丸善丸の内本店で、ナイトランド クォータリー Vol 02ミステリマガジン9月号を購入。後者は江戸川乱歩特集である。一ヶ月遅れでやうやく買った。

 ミステリマガジンの乱歩特集は買ったが、ユリイカの乱歩特集を買ひ逃してしまったことに気づく。が、Kindle版があることに気づき、ユリイカ 2015年8月号=江戸川乱歩 を買ってみた。体積と質量がゼロのところがいい。


8月25日(火)

 マーク・ホダー『バネ足ジャックと時空の罠(上・下)』(金子司訳/東京創元社)を読み終へ、『ねじまき男と機械の心(上)』に進む。バネ足の方は、後半の時間を行き来するところが面白い。ねじまき男の方はどうだらう。

 日本の古本屋サイトで検索して、旺文社文庫の内田百閒39冊揃ひを註文してしまった。二万円なので、安いと思ったのだ。講談社の全集を持ってゐるが、重くて電車の中で読みづらい。今新刊書で買へる他の文庫は現代仮名遣ひなので読みたくない。新潮文庫の阿呆列車を買ったが、やはり読んでゐて面白くない。これで、歴史的仮名遣ひの文庫を電車の中で読めるといふわけだ。読む時間があればだが。

 本を購入したら、この日記に黒丸とともに記録して集計してゐるのだが、この場合はどうすればいいだらうか。黒丸を39個並べようか。いちいち題名を一行毎に記録しようか。まあ、本が届いてからにしよう。

 つい勢ひで、同じやうに日本の古本屋サイトで検索して、西宮市の清泉堂倉地書店に、
『百鬼園写真帖』(旺文社/1984年)
を註文。


8月22日(土)

 やうやく、今東京駅の中央線快速ホームから階段を降りて迷はず丸善日本橋店に行けた。
●B・J・ノヴァク『愛を返品した男』(山崎まどか訳/早川書房)
●アンドルー・ペティグリー『印刷という革命』(桑木野幸司訳/白水社)
『海外SFハンドブック』(ハヤカワ文庫SF)
『海外ミステリハンドブック』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
●クリストファー・プリースト『双生児(上)』(古沢嘉通訳/ハヤカワ文庫FT)
●クリストファー・プリースト『双生児(下)』(古沢嘉通訳/ハヤカワ文庫FT)
●トマス・スウェターリッチ『明日と明日』(日暮雅通訳/ハヤカワ文庫SF)
を購入。

 本を買ふのは怖くないが、この丸善日本橋店の万年筆売り場は特別丁寧な対応をする店員の人が多くて、私のやうな庶民が買ひものしていいのだらうかと、少しどきどきしてしまふ。ここで、平然と買ひものができるやうになりたい。

 自宅サーバのno-ipアドレス更新システムが勝手にIPアドレス設定を自宅の方へ更新してしまってゐて、古い情報が表示されるやうになってゐるのに気づき、設定グループを二つに分けて、Amazon EC2側が変更されないやうにした。これで、大丈夫だと思ふ。


8月19日(火)

 宮内悠介『エクソダス症候群』(東京創元社)読了。火星といへば精神疾患だよねといふのはディックの読みすぎだと思ふが、孤独な主人公のくせに権力闘争に手腕を発揮して話は意外な方向へ進んで、いろいろな過去が明かされて些か呆気ない結末まで一気に進む。曖昧な境界線の話も効果的。故郷と彼方といふ二つの世界が舞台になるわけだが、実は故郷を意識する話は苦手(だけど大丈夫だった)。あと、共感能力が重要な意味を持つと思ふのだが、これはエクソダス症候群とは別に関係ないのか。
 「雲助」は通じるのかとちょっと驚くのは多分みんな同じだらう。人夫のことをいふはずだから、そんなところでふらふらしてゐていいのかなといふか、火星にも人夫がゐるのか。移民局に嫌な思い出があるので、ちょっと俯いてしまった。
 フローチャートが面白い。

 牧野修『月世界小説』(ハヤカワ文庫)読了。言葉と物語の物語なのだらう。最後まで一気に読めるが、どうもよく判らない。422ページの神だけ字が違ふのだが、どういふ意味があるのだらう。nとn+1とn-1もよく判らない。任意のnではないよなあとか、任意でなければプラスマイナスは何かとか。仮名遣ひが少し変なところがある。

 丸善ジュンク堂ネットストアから、ポール・J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術』(講談社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]と児島将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版』(羊土社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。論文生産術の本は、毎日時間を決めてとにかく書けといふこと。時間ができたらまとまて書かうとか、霊感が舞ひ降りてきたら一気に書かうとか思ふなといふこと。でも、実験系だとなかなか時間を決められないから難しいかも。


8月15日(土)

 丸善ジュンク堂ネットストアに本を註文。
●ポール・J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術』(講談社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●児島将康『科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版』(羊土社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
今回は二冊だけ。科研費の本は、改訂されるたびに買ってゐるやうな気がする。必要なのだ。仕方がないのだ。

 今日もダンセイニを訳す。


8月14日(金)

 Amazon.deにThe British Libraryから出てゐるShort Stories: English & Irish Authors Read Their Own Workが在庫ありになってゐたから註文したのに、もう三日くらゐ経っても発送されない。もう少し時間がかかりますといふ表示のまま変はらない。そこで、Amazon.esに同じものがあるのを見つけ、早速註文しようとしたら、お前の住所には送れないと冷たくあしらはれる。

 ステファン・グラビンスキ『動きの悪魔』(芝田文乃訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。これは面白い。百年近く前のポーランドの鉄道幻想怪奇短篇集が面白いといふところがまた面白い。装幀蔵本も作品に合ってゐる。寂しい「永遠の乗客」、人の心の恐怖を感じる「汚れ男」、不気味な地下世界の住人が独特の雰囲気を漂はせてゐる「トンネルのもぐらの寓話」などが印象に残ってゐる。グラビンスキの本は、前にAsh-Tree Pressから出てゐたらしいのだが、まったく見逃してゐた。かういふのを見逃さないやうにならなければ。


8月11日(火)

 数時間の間、古いページしか表示されなくなってゐた。修正すると同時に、いろいろなページへのリンクを削除。もう表示されなくなってゐるのも多い。そして、Niftyのサイトが消滅してゐることに気づいた。まあ、いいか。

 グレッグ・イーガン『ゼンデギ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)読了。ジーン・ウルフの解説で中断してゐたから、ずいぶん時間がかかってしまった。読みやすいといふ評判だったが、さうでもなかった。私にとっては『白熱光』のやうな話の方が読みやすいのかも知れない。肝臓の準備ができたのになかなか手術しようとしない主人公に苛立つ後半だった。

 丸善&ジュンク堂ネットストアから、ロバート・E・ハワード『失われた者たちの谷』(中村融訳/アトリエサード)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]とハンヌ・ライアニエミ『複成王子』(酒井昭伸訳/早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。はやい。

 本の雑誌9月号拝受。巻頭の「本棚が見たい! 9月の書斎」で私の本棚が紹介されてゐるのだ。

 ロバート・チャールズ・ウィルスン『楽園炎上』(茂木健訳/創元SF文庫)をご恵贈賜りました。これは原書で読んでゐるのだが、人類の理解を超えた存在が影響力を行使してくるといふ設定がこの著者らしいところである。特に本書ではパラノイア的な雰囲気が色濃い。


8月10日(月)

 サーバーをAmazon EC2に移した。問題なく引っ越しが完了しただらうか。

 Yves Meynard The Book of Knights (Tor, 1999)を読み終へ、これで、解説の加筆修正ができる。この解説といふのは、この秋に国書刊行会から出るジーン・ウルフ〈ウィザード・ナイト〉二部作である。二部作とは云っても、それぞれが二巻で出るから、合計四巻なのだ。でも、傑作だから、それを買ふ価値は間違ひなくある。
 修正した解説原稿にもOKが出て、ゲラになるのを待つばかり。

 丸善&ジュンク堂ネットストアに
●ロバート・E・ハワード『失われた者たちの谷』(中村融訳/アトリエサード)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ハンヌ・ライアニエミ『複成王子』(酒井昭伸訳/早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を註文。ハワードは、ナイトランド叢書の第二弾。ライアニエミは『量子怪盗』の続篇。


8月6日(木)

 また一週間経ってしまった。

 ドン・キホーテ全巻を後半少し飛ばして読んだ。こんなに面白い話だったとは。続けて、牛島信明『ドン・キホーテの旅』(中公新書)も読む。さらに面白い。田中仁彦『ケルト神話と中世騎士物語』(中公新書)はちょっと私が期待していたものとは違ふ内容だった。

 秋に出る傑作ファンタジイ大作の解説を書いて、訳者の人に読んでもらって間違ひ等を確認してもらひ、修正の後、担当編集者氏に送信。概ね、これでいいといふことになる。意見に従って多少の修正をする予定。だが、そのために……

 Amazon.co.jpでKindle本、
○Yves Meynard The Book of Knights (Tor, 1999)
を購入。早速、読み始める。

 丸善丸の内本店で、
●ジョン・ハワード『十八世紀ヨーロッパ監獄事情』(川北稔・森本真美訳/岩波文庫)
を購入。2015年夏一括重版の一冊である。

 乾石智子『太陽の石』(創元推理文庫)ご恵贈賜りました。ありがたうございました。〈オーリエラントの魔道士〉シリーズ第三弾。

 発作的にカメラが欲しくなり、Amazon.co.jpにCanon デジタルカメラ PowerShot SX530HS 光学50倍ズーム PSSX530HSを註文した。自分史上最高額のカメラだがおよそ3万円である。レンズを交換して使ふやうな、一眼レフとか、私の能力も財力も及ばない。月の写真を撮ってみたら、今までとは比べ物にならないほど綺麗に撮れた。

 朝顔といふ名前のインクがあることを知り、気になって仕方がなかったので、丸善丸の内本店で購入。紅葉といふのも一緒に買ふ。しかし、そのインクを使ふためのペンがない。前に持ってゐた万年筆が全部行方不明なのだ。もしかしたらまた出てくるかも知れないので、今は安い万年筆を買っておかうかと思ひ、Amazon.co.jpで、Pelikan万年筆 Twist ブルーxピンク MPelikan万年筆 Twist ブルーxブルー M、さらにインクを使ふための、ペリカンコンバーターを2個買った。日常的な採点とかゲラ直しとかに使はうといふわけだ。

近いうちに、この日記のあるサーバをまたAmazon EC2に戻そうかと思ってゐる。


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