山本直治『お役所バッシングはやめられない』(740円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。ただ、叩きやすいからといってお役所・公務員を叩いてゐても、決して状況は改善されず、依存性薬物のやうに癖になって行くだけだといふ内容(だと思ふ)。それを踏まへて公務員の状態を改善して行くにはどうしたらいいかを考へた本。真っ当なことが書いてあるやうな気がするが、面白くなかった。どうして、公務員叩きは人気があるのか、といふやうな、今の日本の立場の弱い者を皆でよってたかって叩きまくるのはなぜなのかといふ理由などを読みたかったのだが、本当にお役所と民間企業との比較とか、改善方法とかを考えてゐる本だった。間違ったことを私が期待してゐたといふことなのだらう。
ジョージ・マクドナルド『世界幻想文学大系〈第22巻〉ファンタステス』(蜂谷昭雄訳/国書刊行会)[Amazon.co.jp]を読み始める。今のところ女を追って森の中をただ歩くだけである。それだけなのに、面白い。古いものばかり読んでゐればそれで十分で新しい作品など私には不要であると云ってしまひさうになるのが怖いくらゐだ。
不意にC・I・ドフォントネー『カシオペアのΨ』(秋山和夫訳/国書刊行会)[Amazon.co.jp] を読みたくなる。これは面白い。しかし、何も知らない惑星上の人類の歴史が延々と書いてあるだけなのだが、何が面白いのだらうかと思ふものの、これが面白いのだ。登場人物がほとんどゐないのに、面白いのだ。
この〈世界幻想文学大系〉は素晴らしい。今更云ふことでもないけれども、やはり素晴らしい。全巻揃へてじっくり読みたくなってくる。私は何冊持ってゐるのだらうか。そのうち、きちんと整理して全巻揃へたいものだ。
予想外に早く『カシオペアのΨ』を読み終へてしまったので、池袋東武の旭屋書店で本を買ふ。
●林望『帰宅の時代』(362円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●コンラッド『闇の奥』(黒原敏行訳/590円+税/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●山本直治『お役所バッシングはやめられない』(740円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。
林望『帰宅の時代』(362円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を帰りの電車の中で読む。説教臭さうな本棚と思って買って読んでみたのだが、予想通り説教臭い本だった。ときどき説教臭い本を読んでみたくなるのだ。家に帰って家族との時間を大事にしろっていふ内容である。簡単に云へば。第一章が「『自分らしく』暮らすための十カ条」である。この「自分らしく」といふ言葉が今の下流志向(といふのは変か。下流を許容する心とでも云はうか)を助長したと信じてゐる私にはちょっと不愉快である。最初の方は暢気なことを書いてゐて、正社員でない生き方もあるなどと云ふけれど大半の人はなりたくてもなれないのである。一億総中流なんていふ懐かしい言葉も出てきたが、今は一億総下流を心配しなければならないはづだ。「自分の道は自分で探せ」といふのも危険な言葉で、云ひすぎると自分探しの旅に出かけたきり戻ってこなかったりする。ここに書かれてゐることの多くは、生活にかなり余裕がないとできないことだといふ印象を受けた。でも、間違ったことを書いてゐる訳でもないので、それなりに参考になることまるはづだ。
『お役所』の本はお役所バッシングをする本かと思ったらさうではなく、どうしてお役所バッシングをやってしまふのかといふやうな内容らしいので、買ってみた。
オンライン書店横断検索の具合が悪くなってゐたので、修正する。他にもいろいろ細かい修正をいくつかのファイルに。
ジョージ・R・R・マーティン『洋梨形の男』(中村融編訳/1900円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。巻末の「成立しないヴァリエーション」は後味の悪い話ではなかった。むしろ、清々しいタイムトラベル話である。チェスの話と登場人物たちの関係が重ねる言葉が見事である。タイムトラベルSFといふと『夏への扉』の名前がよく出てくるが、この作品の足下にも及ばないと思う。そもそも復讐が成功するってそんなに美しくないと思ふのだが。こちらは、復讐の成功を味はふ話ではなく、未来に向かって歩いて行く結末である。『夏への扉』ファンが怒ると困るので、これくらゐにしておいた方がいいかも知れない。
池田清彦『寿命はどこまで延ばせるか?』(800円+税/PHP研究所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。生命とは、寿命とは、といふ話が判りやすく丁寧に説明されてゐる。さういふことを頭の中で整理しておきたい高校生とか、あまり生命科学に馴染みのない人が読むにはいいと思ふが、あまり面白くない。極めて現実的で真っ当な展望が示されてゐて、まったく正しいとは思ふけれども、面白くないのだ。真面目な説明の途中で不意になれなれしい口調になるところは気持ち悪い。「うまい物食わずに少々長生きしてなんぼのものか、といわれそうだね」とか。
内田青蔵『 「間取り」で楽しむ住宅読本』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。もう間取りから自由にならうといふことは判った。「間取り」といふ概念もほんの数十年のあいだに随分変化してきたのだから、これからもいくらでも変化していいはづだ。しかし、今はもう間取りを考へるのには些かうんざりしてゐるのが正直なところである。
日本の古本屋で検索して、高原書店に、住宅建築 1981年10月号と建築文化 1981年8月号を註文。それぞれ1000円で、送料は300円。今回も梵寿綱の記事が目当てである。
SFマガジンの原稿を少し書く。
H・P・ラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』(大瀧啓裕訳/2500円+税/学研)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]の前半のみ読む。表題作は、延々と作品紹介が続いてゐるのに、少し驚く。前にも読んだことがあるはづなのだが、ほとんど覚えてゐなかったのだ。この頃は何もかもほとんど覚えてゐないのではあるが。夥しい書影とともに、超自然の恐怖を扱ふ作品が次々に目に入ってくる(書影はラヴクラフトのものではなく訳者のものだらうが)。あれもこれも、また手にとって読みたくなってくる。
カタカナ表記は極端な原音主義で戸惑ふこともある。評論だからこの際、固有名詞は原綴表記にしてはどうだらうか。むしろその方が読みやすいやうな気がするくらゐである(カズマパラトゥンとか)。本の題名も、邦訳書の名前などほとんど無視してゐるので、この分野に慣れ親しんでゐない読者は、邦訳書名と原題の対応がつけにくいと思ふ。
ダンセイニに関する文章は、現代の目で読んでゐると、ときをり不思議な感覚に捕はれることもあるが、それはこの文章が一九二〇年代初めに書かれたもので、長篇幻想作品が全然世に出てゐないからだ。『影の谷年代記』の刊行予告が出てゐる程度である。
紀伊國屋書店にから、アーシュラ・K・ル=グウィン『ファンタジーと言葉』(青木由紀子訳/2400円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、池田清彦『寿命はどこまで延ばせるか?』(800円+税/PHP研究所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、内田青蔵『 「間取り」で楽しむ住宅読本』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、東京大学建築デザイン研究室編 『建築家は住宅で何を考えているのか』(1400円+税/PHP新書カラー版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。
『ファンタジーと言葉』は、残念ながら『夜の言葉』(山田和子ほか訳/1000円+税/岩波現代文庫 )[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]ほど面白くなかった。そんなにファンタジイと言葉の話題ばかりではなかったのだ。ル=グウィンに関心のある人にはいいのだらうが。
『建築家は住宅で何を考えているのか』(1400円+税/PHP新書カラー版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]は、本棚の家なんていふものが出てきたりして面白い。
唯書館から芸術生活昭和52年11月号が届く。梵寿綱に関する詳しい記事が掲載されてゐる。カラー写真が多いのも楽しい。
高原書店から建築文化昭和62年5月号が届く。〈梵寿綱 ART COMPLEX I-VI〉といふ特集記事が載ってゐるのである。
アーシュラ・K・ル=グウィン『夜の言葉』(山田和子ほか訳/1000円+税/岩波現代文庫 )[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。これは素晴らしい。考えてゐることに納得できるやうな説得力のある文章であると同時に、読んでゐて面白い。見事である。ファンタジイについてさらにいろいろ考へたくなる本である。
と感心しながらも、電車に乗って敢へて座らず立って読んでゐたのに、眠気で倒れさうになる。やれやれ。
しまった、もう寝る時間だ。
ジョージ・R・R・マーティン『洋梨形の男』(中村融編訳/1900円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を数日ぶりに読む。表題作を読み終へる。これは不気味である。何ともいへない後味の悪さ。傑作である。
Amazon.co.jpから、アーシュラ・K・ル=グウィン『夜の言葉』(山田和子ほか訳/1000円+税/岩波現代文庫 )[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]とPatricia A. McKillip The Bell at Sealey Head (Ace, 9/2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。もう届いたのか、『夜の言葉』。サンリオ版は持ってゐるのだが、同時代ライブラリー版は持ってゐなかったのだらうか。よく判らない。もう買ってしまったのだから、これを読めばいいのだ。
発表されたばかりのBritish Fantasy Awardsの受賞作品を眺めてゐたら、長篇部門を受賞したMemoirs of a Master Forgerの作者William HeaneyはGraham Joyceだといふではないか。グレアム・ジョイスだったのか! 全然知らなかった。といふことで、早速紀伊國屋書店に、
○William Heaney The Memoirs of a Master Forger (Gollancz, Aug 13, 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
を註文。粗筋紹介を読むと面白さう。
日記に買ったと書いてあるル=グウィン『ファンタジーと言葉』がどうしても見つからない。仕方がないので、紀伊國屋書店に註文。
●アーシュラ・K・ル=グウィン『ファンタジーと言葉』(青木由紀子訳/2400円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●池田清彦『寿命はどこまで延ばせるか?』(800円+税/PHP研究所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●内田青蔵『 「間取り」で楽しむ住宅読本』(740円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●東京大学建築デザイン研究室編 『建築家は住宅で何を考えているのか』(1400円+税/PHP新書カラー版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上四冊。ル=グウィンの他は新書三冊である。
ブランドン・サンダースン『ミストボーン3 白き海の踊り手』(金子司訳/820円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。物語は一気に展開して意外な結末へと至る。でも、私には最後まで舞台となってゐる世界の背景が判らなかった。本当は太陽は輝く黄色で植物は緑なのに、こんな暗く赤い太陽の下で灰の降る世界になってしまったが、支配王を斃せば世界は正常に戻るといふやうなことを誰かが云ってゐなかっただらうか。その辺りの世界の歴史が明かされるかと思ったら、謎に包まれたまま終はってしまった。何でも明かされればいいといふものでもないのかも知れないが。
この本の教訓は、若い女性の前で本を読みすぎてはならないといふことだらうか。
突然、Amazon.co.jpに、
●アーシュラ・K.ル=グウィン『夜の言葉』(山田和子ほか訳/1000円+税/岩波現代文庫 )[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。これは前に買ってゐたとばかり思ひこんでゐたのだが、日記を検索しても出てこなかったから買ってゐなかったのだらう。
SFマガジンの原稿を朝から書く。よく考へてみたら締切りは一ヶ月後かも。でも、早くて困ることもなからう。直す時間も必要だし、追加の資料も必要だ。しかし、本がなかなか見つからず困ることが多い。もう少し本を取り出しやすい部屋に住みたいものだ。そんなわけで、引っ越し先を探す毎日だが、いろいろと難しい。月収五百万円くらゐだったら何も悩まなくていいのだらうけど、そんなわけにはいかないのだ。
今日は梵寿綱関連の本は註文しない。
D・リンゼイ『アルクトゥルスへの旅(下)』(荒俣宏訳/1980年/国書刊行会)読了。正直に云ふと、よく判らない。
外出しなければならなかったので、梵寿綱設計の建物を池袋で2件見てきた。
日本の古本屋で検索して、気仙沼市の唯書館に芸術生活 1977年11月 特集:梵寿綱の幻想建築を700円で註文。送料は210円くらゐ。梵寿綱に取り憑かれてゐる今日この頃である。
疲れて眠い。今日はここまで。
今日も本は読めない。D・リンゼイ『アルクトゥルスへの旅(下)』(荒俣宏訳/1980年/国書刊行会)を少し読む。
玄華堂から、住宅建築 1987年6月 147号が届く。代金は郵便振替あるいはりそな銀行へ振込といふことなので、埼玉りそな銀行からインターネットで振り込んだら、手数料が無料だった。
全体のほぼ半分が梵寿綱関連の記事。向台老人ホーム「無量寿舞」、ドラード早稲田、プチ・エタン、ルポア平喜などが、詳細な図面などとともに紹介されてゐる。この池袋にあるという「小さなスタジオ型賃貸マンション」Petit Etangはもうなくなってしまったのだらうか。
日本の古本屋で検索して、高原書店へ建築文化 1987年5月号を註文する。1000円+送料300円である。特集は、「梵壽綱・アートコンプレックス1-6」。またもや梵寿綱である。
Amazon.co.jpから、H・P・ラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』(大瀧啓裕訳/2500円+税/学研)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]とブランドン・サンダースン『ミストボーン3 白き海の踊り手』(金子司訳/820円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。ラヴクラフト、面白さうだが、読む時間があるかどうか。
紀伊國屋書店新宿本店で
●林直樹『リフォームにかかるお金がわかる本 09〜10年版 』(1200円+税/成美堂出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
そして、雑誌LiVES10/11月号 [Amazon.co.jp]を購入。読んで面白い本でもない。
今日も本を読めない一日だったが、空いた時間に梵寿綱設計によるマンションを三軒見に行った。「ドラード早稲田(和世陀)」、「ラポルタ和泉」、「マインド和亜」の三つである。詳細はまた別のところで。
SFマガジン11月号(940円/早川書房)[Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。今号の特集は〈J・G・バラード追悼特集〉。
今日は用事がいろいろあって本が全く読めない一日。
来週なんていふ新書が創刊されるといふ。『科学のホットな話題について、さらに深く知りたい人。ビジネスの現場で科学の知識が必要とされている人。子どもの「なぜ?」にきちんと答えてあげたい親世代。これから理科系に進みたいと考えている中学生・高校生。』といふ新書らしいのだが、これだと大人向けなのか中高生向けなのかよく判らない。とりあへず、新書新刊情報には追加しようか。しかし、それならサイエンス・アイ新書が入ってゐて然るべきではないか(よく判りませんがね)と思ひ、サイエンス・アイ新書を追加。
相変はらず右の肩が発狂しさうになるくらゐ痛い。どうにかならないものか。
D・リンゼイ『アルクトゥルスへの旅(下)』(荒俣宏訳/1980年/国書刊行会)はなかなか進まない。
Amazon.co.jpに本を二冊。
●H・P・ラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』(大瀧啓裕訳/2500円+税/学研)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ブランドン・サンダースン『ストボーン3 白き海の踊り手』(金子司訳/820円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上である。
D・リンゼイ『アルクトゥルスへの旅(上)』(荒俣宏訳/1980年/国書刊行会)を読む。躰から変な感覚器官が生えてきたり、何だか妙な話である。よく訳のわからないまま、主人公は旅を続けていく。どうしてこれが面白いのだらうかとすら思ふが、なぜか快適に読み進めてしまふ。不思議である。明日は下巻へ。
中に入ってゐる月報では、紀田順一郎「黄色のカバーとの出合い」で神田神保町の北沢書店に言及してゐる。表題の通りこれはゴランツ社の本の話なのだが、北沢本店の均一台で見つけたとか書いてゐて、そこでは意外な掘り出し物が見つかることが多いと紹介してゐる。私はあまり北沢本店では本を買はなかったが、ときどき店に入っては天井高くまでびっしりと並んでゐる洋書の雰囲気を味はったものである。いつの間にか知らない子供向けの本の店が一階に入ってゐて、北沢は二階に縮小して店を開いてゐた。以前のやうな圧倒されるやうな雰囲気はもはやなくなってゐる。幻想怪奇系の本もあまりない。残念である。
日本の古本屋で検索して、玄華堂に、住宅建築 1987年6月 147号を註文。背と小口にやや傷ありといふことで、200値引きしてくれて1600円+送料180円。どうしてこんな雑誌のバックナンバーを註文したのかといふと、今回も梵寿綱の記事が掲載されてゐるからである。
西田宗千佳『クラウド・コンピューティング仕事術』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。この頃はやりのクラウドコンピューティングの活用法を紹介するものである。知らないことはあまりなかったので、私にとっては新たな活用法を知るといふ効果はなかったが、誰かに「流行りのクラウドってどうなの」と訊かれたときに、利点や欠点を説明するのには役立ちさう。あまりかういふことに馴染みのない人には大いに役立つ本だと思ふ。
続けてジョージ・R・R・マーティン『洋梨形の男』(中村融編訳/1900円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。巻頭は私の大好きな「モンキー療法」である。前に読んだときは、「モンキィ・トリートメント」といふ題名だった。続いて「思い出のメロディー」、「子供たちの肖像」へと進む。この人の短篇の、何とも後味の悪い読後感を高く評価したい。
不意に、自分はD・リンゼイ『アルクトゥルスへの旅』を今すぐ読むべきなのではないかと思へてきた。読まなければ、今すぐ読まなければ。
先日Yahoo!オークションで落札した、日経アーキテクチュア 1997年9月10日24日セットが届いた。24日号の方に「挑戦の家、その後」といふ特集記事があって、そこで梵寿綱のマインド和亜が紹介されてゐる。賃代住戸の稼働率が下落傾向にあることを心配してゐる。今はどうなのだらう。
ダイアン・デュエイン『いさましいちびの駆け出し魔法使い』(田村美佐子訳/980円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を東京創元社からいただきました。ありがたうございました。
ウィリアム・コツウィンクル『時のさすらい人』(佐藤高子訳/早川書房/1989年)[Amazon.co.jp]読了。怖い! 怖すぎる。過去の人格の中に意識が飛ぶといふ設定自体は初めてといふわけではないし、結末も予想もできなかったものでもない。それなのに、この予想以上の怖さには、ただ恐怖が通り過ぎるのを待つためにぢっと身を縮めて蹲るしかない。今晩、眠るのが怖いくらゐだ。
東武百貨店七階の旭屋書店で本を購入。
●ジョージ・R・R・マーティン『洋梨形の男』(中村融編訳/1900円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●西田宗千佳『クラウド・コンピューティング仕事術』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上2冊。マーティンのは〈奇想コレクション〉最新刊。明日からこれを読まうか……といふ本が多すぎる。
今月新装版となって復刊されたハヤカワ文庫の本に美しいものが多く、すでに持ってゐるけれども、やはり買っておかうかと悩まされてゐる。迷はず買ってしまへばいいのか。いや、迷ったときは買っておけばいいのだ。
ウィリアム・コツウィンクル『時のさすらい人』(佐藤高子訳/早川書房/1989年)[Amazon.co.jp]を読み始める。意識が不意にナチスドイツで胡散臭い商売をする男の中へと入っていくアメリカの映画俳優が主人公である。読んでゐて何となく読んだことがあるやうな気がするのは、読んだことがあるからだらうか。今日は電車の中であまり読書に快適な姿勢が取れなかったので三分の一くらゐまでしか進まなかった。
セブンアンドワイからワンダーJAPAN 5 [セブンアンドワイ, Amazon.co.jp]が届く。2年ほど前に刊行された号である。特集は北海道。廃墟の話が多い。前は廃墟が何となくいいと思ってゐたが、今ではあまりいい印象を抱けなくなってきた。廃墟を愛でるのはやはり趣味が悪いやうな気がする。愛でたい人に文句を付けるつもりはなく、自分の中での気持ちの変化である。読みたい記事は廃墟ではなく、梵寿綱である。和世陀(ドラード早稲田)、マインド和亜、ラポルタ和泉、そして、取り壊されてしまったムンディアニムスが紹介されてゐる。この紹介記事は6ページしかないのでちょっと物足りない。
先週まで右肩が発狂しさうなくらゐ痛かったが、痛みを和らげやうと躰を捻ってゐたら、左の肩胛骨の近くの筋肉が痛くなってしまった。やれやれ。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法泥棒』(原島文世訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。登場人物間の関係が判りにくくて戸惑ってゐるうちに終はってしまったやうな感じがする。「角」といふものもよく判らないし。この世界に対して余計なことをしてくる異世界へ魔法使ひたちが入っていって、さういふことをやめさせようとする話だが、男たちだけの管理機構に美しい女たち(と子供)が乱入して混乱を引き起こしていく過程は面白い。
アーサー・C・クラーク『都市と星(新訳版)』(酒井昭伸訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。メモリー・バンクから繰り返し呼び出し、人生を生きる人々の完璧な閉鎖都市といふ設定が五十年も前に描かれてゐるのには感心する。その方法を事細かに説明してゐなかったからこそ、古びなかったのだらう。そこで、外の世界に関心を抱いた少年がゐて、都市の外へ、地球の外へ、星々の世界へと突き進んで行く物語はSFの魂そのものである。昔、読んだはづなのだが、何一つ覚えてをらず、新鮮な気持ちで読めた。
Yahoo!オークションで日経アーキテクチュア 1997年9月10日24日セットを購入。24日号の方に梵寿綱の記事が載ってゐるのだ。それにしてもYahoo!オークションを使ふのは何年ぶりだらう。ダンセイニの短篇集を入手したとき以来だらうか。使ひ方を忘れてゐて、少々戸惑ってしまった。
昨日も梵寿綱の記事が載ったワンダーJAPAN 5を買ったのだが、珍しくセブンアンドワイに註文したのだった。といふのは、なぜかAmazon.co.jpで見つけられなかったから。Amazon.co.jpで買へば送料無料だったのに。今は、1500円以下でも送料無料期間なのだ。300円損した。
本棚を見ながらもう要らない本を抜き出してみる。なかなか出てこない。やうやく何とか数十冊抜き出してみた。もっともっと身軽になりたい。
そんなことをしてゐるときに、もう一冊コツウィンクルの本を持ってゐることに気がついた。『時のさすらい人』(佐藤高子訳/早川書房/1989年)[Amazon.co.jp] である。明日から読まうか。かうやって、買ってから20年経って役だったりするから、気になる本はすぐに読まなくても買っておかなければならないのだ。そしてそれをきちんと保存し、いつでも取り出せるやうにしておかなければならないのだ。
新書新刊情報に洋泉社の新書を二つ、選書新刊情報にNTT出版ライブラリーレゾナントを追加した。何となく自分に縁がなかったので入れてゐなかった。特に深い理由がある訳ではない。
さういへば河出書房から来月河出ブックスといふ新しいシリーズの刊行が始まるといふ。所謂「選書」といふ器だといふから来月から新刊情報に入れよう。紀伊國屋書評空間に特集記事が掲載されてゐる。
セブンアンドワイにワンダーJAPAN 5 [セブンアンドワイ, Amazon.co.jp]を註文。梵寿綱の記事が載ってゐるからである。梵寿綱に格別の関心を抱きつつある今日この頃なのだが、その理由などはそのうち詳しく記すことにする予定。
コツウィンクルで中断してゐたダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法泥棒』(原島文世訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を再開。残り100ページくらゐまで進む。世界が判りにくいので、戸惑ひながら進むことになる。そこを味はふべき作品なのか。
紀伊國屋書店から、コードウェイナー・スミス『ノーストリリア(新装版)』(浅倉久志訳/980円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、スタニスワフ・レム『泰平ヨンの航星日記 改訳版』(深見弾・大野典宏訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、アーサー・C・クラーク『都市と星(新訳版)』(酒井昭伸訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、デイヴィッド・エディングス&リー・エディングス『アルサラスの贖罪1 黒猫の家』(宇佐川晶子訳/820円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、金明哲編『Rで学ぶデータサイエンス2 多次元データ解析法』(3500円+税/共立出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。このハヤカワ文庫SFは3冊とも読みたい。
Doctor Rat [Amacon.co.jp]読了。前半が実験動物に対する残虐な人間の行いをこれでもかと語ってゐたので、この調子で最後まで行ったらどうしようかと怯えると同時にあまり期待することなく読み進めたのであるが、後半になると話は予想してゐなかった方向へと進み始め、最後にはこの作品が世界幻想文学大賞を受賞した理由が納得できたのだった。傑作である。
読んでゐるうちにあまりにも引き込まれて一気に読んだので、出勤途中に読み終へてしまった。帰りの電車の中で読む本がなくなってしまった。今日はちょっと寄るところがあったので、書店に寄る時間がなかったのである。帰りの電車の中では仕方がないので、吊り広告など読んでゐたが、眠くなって立ったままうとうとしてしまった。
Amazon.co.jpに本を註文。
○Patricia A. McKillip The Bell at Sealey Head (Ace, 9/2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
昨年ハードカバーで出てゐたものを買ってゐなかったので、トレードペーパーバックになったところで註文した訳である。とはいっても、この頃、マキリップは邦訳が出るやうになったので、原書で読まなくなってしまった。
紀伊國屋書店に本を注文。
●コードウェイナー・スミス『ノーストリリア(新装版)』(浅倉久志訳/980円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●スタニスワフ・レム『泰平ヨンの航星日記 改訳版』(深見弾・大野典宏訳/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●アーサー・C・クラーク『都市と星(新訳版)』(酒井昭伸訳/940円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●デイヴィッド・エディングス&リー・エディングス『アルサラスの贖罪1 黒猫の家』(宇佐川晶子訳/820円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上四冊。ハヤカワ文庫ばかりである。SFは全部、新装、新訳、改訳で、全然読んだことのない作品がない。どれも名作揃ひだから、そんなに気にならないが、些か寂しい感じがすることは否めない。
Doctor Rat [Amacon.co.jp]は残り50ページまで進む。なかなか面白くなってきた。話が面白くなってきたといふよりも、私がこの世界に慣れて読みやすく感じるやうになったせゐだらう。科学者の味方Dr. Ratは反乱軍から逃げ続けてゐる。謎の動物会議の開催が迫ってきた。人間はどこだ! とか云はれてゐる。
紀伊國屋書店に、
●金明哲編『Rで学ぶデータサイエンス2 多次元データ解析法』(3500円+税/共立出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。Rの本である。
今日も住まひを探しに行く。あまり収穫なし。
Doctor Rat [Amacon.co.jp]を半分くらゐまで読む。鯨の歌の話題が出てくる辺りからよく判らなくなってきた。演奏(コーラス?)を練習してゐるやうなのは何なのだ。とにかく最後まで読まう。
池袋のジュンク堂書店に大森望『狂乱西葛西日記20世紀remix』を探しに行ったけれども見つからず、池袋東武7階の旭屋書店で購入。
●大森望『狂乱西葛西日記20世紀remix』(2400円+税/本の雑誌社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●水月昭道『アカデミア・サバイバル 「高学歴ワーキングプア」から抜け出す 』(740円+税/中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
西葛西日記は読まないやうな気もするのだが、自分の名前も出てくるので念のため買っておかう。私の日記にも大森望氏の名前は出てきたことがある。この私の日記は狂乱西葛西日記の十ヶ月ほど後に始まってゐる。今となっては昔のことである。
『アカデミア・サバイバル 「高学歴ワーキングプア」から抜け出す 』を手に取ったら、最後まで読んでしまった。大学院生や若い研究者が大学といふ世界でどう生き残るかといふ内容である。この本に書いてあるやうにすれば必ずしも生き残れる訳でもなく、運に左右される部分は大きい(と本書にも書いてある)。本書でも先週香山リカの本に関して書いた夢と努力をことさら強調することの危険性を指摘してゐる。努力できないやうな環境の人だってゐるのだといふこと、努力しても全然報はれない人たちだってたくさんゐるといふことを忘れてはならないといふ。だが、実際に世間は職のない博士たちの味方にはなってくれないだらう。大学院に行けと強制されて行ったのではないのだから、「自己責任」ってわけだ。本当に努力した才能のある者は何とか仕事を得てゐるものだと大学でも当然のやうに云はれることがあるが、何とか仕事を得た人しか大学には残ってゐないから、そんなことが云へるのだ。才能があり努力をしても仕事がなく浮浪者になってしまったやうな人はもうその姿が見えないし、当然のことながら意見を聞く機会はないのである。
今の私たちの世界に足りないものは、「無用の用」に対する認識なのではなからうかと指摘する。「無用の用」とは懐かしい響きである。儲かるかどうか、今この瞬間に役に立つかどうか、といふことだけを追求する今の日本で研究に希望を抱くことは困難た。今日日、無用の用なんていっても気が狂ったかと思はれるだけである。帯には「高学歴ワーキングプア」〈解決編〉と書いてあるが、これを読んでも決して解決はできない。さう簡単に解決できない問題であることが書かれてゐるのだから。
遠山プランとか大学院重点化とかいふ言葉を耳にすると、あるいは目にすると吐きさうになる今日この頃なのだ。
Doctor Rat [Amacon.co.jp] を三分の一くらゐまで読み進める。鼠だけでなく、視点は犬だったり兔だったり鶏だったりする。人間が実験動物に対して行ふ残忍な操作は、ちょっと苦手である。次々に首を落とされていったり、腹を切られたり、焼かれたり。順調に進んでゐるので、最後まで読めさうではあるが、痛そうな描写や苦しさうな場面は駄目なのだ。想像力が欠如してゐる人には問題ないのかも知れないが、自分のことのやうに想像してしまって、読んでゐるのが苦しくなるのである。皆さうだといふ訳ではなささうだ。
発狂しさうなくらゐ右肩が痛い。
今までGyaOジョッキーで鳥居みゆきの社交辞令でハイタッチを観ようと思っても、Macでは観られなかった。GyaOがYahoo!動画と合併して、過去の動画が新しいGyaOジョッキーで観られるやうになったのだが、MacOSXの場合、Firefoxでは駄目で、Safariでなければならないやうだ。観られるやうになっただけ喜べばいいのだらうが、Firefoxでも観たいものである。いや、そんなことより、月一回の放映を再開して欲しいものだ。
Doctor Rat [Amacon.co.jp] を手に取って出勤する。まだ28ページなので面白くなるかどうか、よく判らない。
今日はちょっと心が疲れることがあったので、これで。
ウィリアム・コツウィンクル『ファタ・モルガーナ』(1991年/福武書店)[Amazon.co.jp] を読む。これは傑作である。今まで読まなかったことを後悔したほどである。『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』のやうに変に騒々しい雰囲気は全くなく、謎のラザールといふ男を追っていく警部ピカールの視点から物語は進む。ラザールは未来を予想する玩具の人形を作るといふ。それに関係あるのかないのか、次々に現れる美しく妖しい女たち。幾重にも重なる幻影の味はひは格別である。
あまりにも素晴らしかったので、続けてDoctor Rat [Amacon.co.jp] を手に取る。しかし、この表紙に描かれてゐるのはラットではなくマウスではないのだらうか。研究用の鼠たちの話のやうだけど、研究用の鼠はラットよりもマウスの方が多いのではないか。と、出だしでいきなり物語と関係のないところが気になってしまふ。
あ、ZumoDriveが不調だ。Snow Leopard対応のをはやく出してくれないか。
住まひ探しで日曜日なのに疲れてしまふ。やれやれ。
ウィリアム・コツウィンクル『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』(1980年/サンリオSF文庫)を読む。面白い……やうな気もするが、この文章の流れにはどうもうまく乗れない。どんどん話が脱線していくのが苦手なのか。自分がいつも考へがまとまらずに話の中心からずれていってしまふことが多いので、別に面白くないといふか、単純に楽しめないのかも知れない。
でもつまらなかったわけでもないので、『ファタ・モルガーナ』(1991年/福武書店)に取りかかる。こちらの文章の方はかなりまともなので安心して読み進められる。それでも電車の中で眠気との戦いに敗れ、42ページまでしか進んでゐない。こんなことではいけない。
今日本が読めなかったのは精神が動揺するやうな買ひものをしてゐたからだ。まだ買った訳でもないのだが、中古マンションの購入希望書を書いてきたところなのだ。古くて戸数が少なくて4階なのにエレベータがないところである。それでも、そこにした。どうしてもそこに住みたかった。広かったからである。その地域でこの値段でこの広さは破格の安さである。本棚がいっぱい置けるではないか。ここに住みたい。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法泥棒』(原島文世訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。なかなか捗らない。まだ250ページ付近。
なぜかウィリアム・コツウィンクルの本が読みたくなって、書棚から、『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』(1980年/サンリオSF文庫)と『ファタ・モルガーナ』(1991年/福武書店)を持ってくる。ついでに、Doctor Ratも。『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』は高校生の頃に読んで何だかさっぱり判らなかったやうな記憶が微かに甦ってきた。これの原書までなぜか持ってゐることを発見し、大いに驚く。
香山リカ『しがみつかない生き方』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。先日読んだ、香山リカ『悪いのは私じゃない症候群』(686円+税/ベスト新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と重なる部分もある。自分が責められないやうに他人に厳しく当たるとか。さうならないやうにしようといふのが本書での主張なのだけど。「自慢・自己PRをしない」「老・病・死で落ち込まない」「仕事に夢を求めない」「お金にしがみつかない」「生まれた意味を問わない」と続いて最後が「〈勝間和代〉を目指さない」である(一部省略してゐる)。特に強く同意できるのは「夢を求めない」といふこと。いや、求めた方がいいのだが、求める夢がないからといって落ち込むことはないといふことである。求める夢がないことを気にすると、自分探しの旅に出てしまったりしてろくなことがない。あと、「諦めなければ夢は叶ふ」といふ言葉に懸念を表明してゐるが、私もそれは強く感じてゐる。まるで、夢が叶はなかった人は努力が足りないまま諦めてしまったのだと責めてゐるやうに聞こえるからだ。いくら努力しても夢が叶はなかった人の方が遙かに多いはづである。しかし、さういふ人にインタビューのマイクは向かないのだ。夢が叶った人だけが意見を求められ続けるわけで、まるで皆がさうだといふやうな錯覚を抱かせる大変危険な言葉だと思ふ。いくら努力しても成功せずに諦めてしまった人や、本当に努力せずに軽く諦めてしまった人も、決して努力の末に夢が叶った人よりも劣ってゐるといふことにはならない。たまたま夢が叶ったからといってあまり偉さうなことを云はないでもらひたい。「生まれた意味を問ふ」人々も私には理解できない。意味なんかあるわけないのに。自分が生まれた意味を気にしすぎると、自分探しの旅に出てしまったりするのだ。だから、私は何となく旅が嫌ひだ。私は自分の家にぢっとしてゐるのが大好きなのだ。世界を見て廻ることを最優先する経験至上主義者が大嫌ひである。
といふことで、部屋の中に関心を向け、三省堂本店で、
●『住宅インテリア究極ガイド 2009 - 2010』 (2600円/エクスナレッジ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。新しい住まひを探してゐるからである。旅が嫌ひで、友人もほとんどゐない私にとって住まひは極めて重要な意味を持つ。はやく落ち着ける住まひを見つけたい。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法泥棒』(原島文世訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。地球を実験台にしようとする異世界の魔法使ひたちとイギリスを守る魔法使ひたちとの戦ひの物語である。多分。まだ90ページまでしか進んでゐないのでよく判らないが。
月が変はったので、東武百貨店の旭屋書店で本を購入。
●香山リカ『しがみつかない生き方』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●今野真二『振仮名の歴史』(700円+税/集英社新書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
香山リカの本をまた買ってしまった。最後の章の「〈勝間和代〉を目指さない。」というタイトルを読んで、気になったのであった。この本はひょっとしたら面白いのではないかと予感させてくれるではないか。これを目にした瞬間、頭に、掌を前に向けて腕を差し伸ばした勝間和代の姿が頭に浮かんでしまった。
眠い。今日はもう寝ることにしよう。さふいへば、昨夜はXMLファイルのタイトルが変なことになってしまった。本体の方はすぐに修正したのだけど。半分眠った状態で書いていると、どうしても変な文になってしまふ。実際、かうして翌朝修正してゐるのだから。
クラーク・アシュトン・スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』(大瀧啓裕訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み終へる。如何にもWeird Tales誌に載ったやうな雰囲気に満ちてゐると同時に安っぽい感じはしない。西洋人から見た東洋風の世界という趣もあって、そこで、木乃伊やら怪物が動き回る。どう考へても莫迦げた話になるとしか思へないが、それが不思議とさうではないのだ。そこがクラーク・アシュトン・スミスの文章の力なのだらう。
Amazon.co.jpから、『快適に暮らせるリフォームの基本』(1200円+税/成美堂出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と建築資料研究社出版部『リフォームハンドブック〈2009〉』(2800円+税/建築資料研究社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。後者には、壁面書棚の例が掲載されてゐる。施工例や建材・設備カタログ、見積集が見てゐるだけで、面白い。
アメリカのSF情報誌Locus九月号が届く。発行人チャールズ・N・ブラウン追悼文集、ラリイ・ニーヴンやジョン・クルートのインタビュー、ヒューゴー賞授賞式報告などが掲載されてゐる。その他新刊情報がある。今日は時間がないから明日読まう。
もう時間がない。寝なければ。睡眠不足で朦朧としながら文章を書くと昨夜のやうな変なものになってしまふのだ。今朝になってずいぶん修正しなければならなかった。