イーガン『プランク・ダイヴ』をやうやく読み終へる。難しいところはさっぱり判らない。でも、昨日も書いたやうに、それでも面白い、いやそれどころか、そこが面白いといふ作品もあるやうな気がする。それにしても難しい。「ワンの絨毯」は解説を読んで初めてさういふことだったのかと気がついた。情けない。
印象に残ってゐるのは、表題作。父娘の話なんかどうでもよくて、どうしても知りたい、たとへそこで知ったことを持って帰れないとしてもといふ、どうなってゐるのかを知りたいといふ欲求に突き動かされる人間の姿は、科学の心を持つといふのはどういふことかを見せてくれてゐるやうな気がするからだ。尤も、自分の目で見るといふことを重要視しすぎてゐるきらひはあるが。ここでは、外から観測できないから仕方がないのだけど。この作品に限らず、本当のことを知りたいからどこまででも進んでいく人間の姿が見られる。この本当のことを知りたいといふのは科学の根底にある心だと思ふから、かういふ作品こそがScience Fictionなのだと私の中では決めつけてゐるのだ。科学といふの人々の役に立つかどうかとか人々に幸福をもたらすかどうかなどといふことには無頓着なのだ。そこが技術(テクノロジー)とは違ふところだ。その知りたい真実への道が、科学的な考へ方に基づいたものといふことになるだらうか。そこはあまり本書には登場しないけれども。この本に収録された作品が面白いと思へない人はSFを読むのはやめて、異世界ファンタジイでも読んでゐればいいのではないだらうか。
ニュージーランドのSamwise Booksから、J. B. PriestleyのThe Other Place (William Heinemann, 1953) がやうやく届いた。カバーはぼろぼろ、何やら色鉛筆でぐしゃぐしゃと書きなぐった線が表紙と扉にある。何なんだ、これは。赤ん坊が落書きしたのか。幸い、本文にはそんな落書きはない。まあ、安かったから仕方がないか。早速、スキャナで取り込んだ。が、いつものやうに切ってばらしたのではなく、見開き二ページずつ開きながらのスキャンである。大変な手間である。短篇一つスキャンしただけで疲れてしまった。そこから一ページずつ切り取って、一つのpdfファイルにする。さらに、周辺の余白を切り捨ててから、Kindleへ。ページを開いてみると、小さい! ちょっと無理かも。でも、モニタ画面で見れば問題ないから将来役立つこともあらう。
今日の電子化本。
◆津田幸男『英語支配の構造』(第三書館)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]
英語支配による言語差別に注目し、英語は本当に必要かを問ひかける。一九九一年の本なのに、Amazon.co.jpにはまだ在庫がある。
◆『遺伝子組換え作物』(学会出版センター)
食糧不足と遺伝子組換え技術との関係について詳しく考察してゐる。が、今は新刊書店で買へないやうだ。
今月も50冊以上の本を電子化したが、本棚が全然空いたやうに感られないのはなぜだらう。でも、本棚がどんどん足りなくなっていく事態は避けられてゐるので、きっと大いに役立ってゐるのだ。
今日もイーガン『プランク・ダイヴ』を少し読む。「ワンの絨毯」は結末がやはりよく判らない。いつも判らないと書いてゐるが、つまらないと思ってゐる訳ではない。教科書ではないので私はこの本を理解のために読んでゐるのではないからだ。完全には理解できなくても、ここには私が昔から読んできたSFの面白さを代表する面白さが感じられるから。判ってゐないくせにと莫迦にしたい人はすればいい。人にすごいと云はれるために読んでゐる訳でもないのだから。そんなことはどうでもいいので、次の表題作に進まう。
今月初頭に註文したPriestleyの本がなかなか来ないけれどももしかするともう永遠に来ないのではないかと絶望的な気分になってゐたここ数日だがこれを註文した頃はまだ真夏のやうな気温だったのに今ではすっかり涼しくなって空きの気分だからこそいつまでも届かないといふ感じが強まるのだらうと納得しさうになり慌てて関係書類を確認してみると予想必要配達日数が25-45日と表示されてゐた。気が短くて悪かった。もうしばらく待ちますごめんなさいと虚空に向って謝ってみる。
今日の電子化本。
◆島田裕巳『慶應三田会』(アスキー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆Paul Dubois MySQL Cookbook (Oreilly, 2006) [Amazon.co.jp]
三田会の本といふと、いつも秘密結社の紹介のやうになって面白い。すぐに読み終はってしまって少々物足りないが。MySQLの方は、これ一冊で上の三田会本何冊分になるだらうかと考へたくなるくらゐの分量。ページ数は976。書棚の空きが一気に増えた感じ。これの旧版の日本語版にはずいぶん世話になったが、こちらはほとんど開いてゐない。iPadにでも入れてもっと活用しよう。何しろ厚くて重くて使ひづらいのだ。
イーガン『プランク・ダイヴ』はあまり捗らない。「グローリー」は結末がよく判らなかった。ジョーンは何を躊躇って何をしてその結果はどうなるのか。多分私の頭が悪いのだらう。
今日は、新型Kindleの発表があった。KindleはE-インクの表示が気に入ってゐるので、Kindle Fireは今のところ心惹かれない。iPad2を既に持ってゐるといふせゐもあるだらう。Fire TouchはE-インクのタッチパネルなのか。従来型新モデル79ドルといふのがむしろ気になる。もっと軽く、もっと速くなってゐるらしい。今のはページ送りがちょっと遅いのである。六千円くらゐ?
今日の電子化本。
◆城繁幸『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代』(ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
読んだときは結構印象的だったはずなのに、よく覚えてゐない。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の続きのやうな内容なのに別の新書から出てゐる。旧来の年功序列が崩壊したのだから、昭和的価値観から頭を切り替へ、「平成的な生き方」を考へよといふやうな内容だったと思ふが。
グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]の二日目。「エキストラ」は、クローンものにありがちなのではないかと思へる作品。最後の、こんなはづではなかったのにどうにもできない絶望的な暗い雰囲気がいい。「暗黒整数」はなんだか判らなかった。判らないけれども何か前に読んだことがあるやうな感じがすると思ったら、「ルミナス」の続篇だったのか。
東京創元社の2011年復刊フェアの案内を眺めてゐたら、ジョン・ウィンダムの『時間の種』とブライアン・W・オールディス『グレイベアド』は持ってゐないのではないかといふ気がしてきたので、書棚を確認してみた。ウィンダムの方は、実に汚い本がでてきたが、オールディスの方はなかった。さうか、持ってゐないのか。これを機会に買っておいた方がいいかなとしばらく悩む。いや、まだ悩んでゐる。
電子化作業の時間がなかった。やれやれ。
紀伊國屋書店から、ジャック・ヴァンス『奇跡なす者たち』(浅倉久志・酒井昭伸訳/国書刊行会)amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]と菊池誠・他『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届いた。読みたい本が溜まっていく。
今日から、グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。巻頭の「クリスタルの夜」は、題材自体は古典的なもの。人が創造主となったとき、創造物の運命をどこまで勝手に操っていいものかといふ悩みがイーガンにはあったみたいだが、プログラムだったらあまり悩まないのではないか。少なくとも私は。仮令意識があったとしても。物質を纏った肉体があると迷ふだらう。同じ意識を持ってゐたとしても。自分の反応も含めて興味深い問題である。
今日の電子化。
◆木村誠『消える大学 生き残る大学』(朝日新書)
◆鳥飼玖美子『国際共通語としての英語』(講談社現代新書)
今日も新書二冊。鳥飼玖美子の本が気がつかないうちに増えてゐる。
ケン・スコールズ『失われた都 下』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)も読了。遠い昔から入念に進められてきた計画が少しづつ明かになってくるところは印象深いが、最後に登場人物たちが狼狽へたり悲しんだり感動したりしてゐるのはよく判らない。それから、本を燃やす場面は耐へ難い。失はれたものを取り戻し、図書館を再構築しようとするのはファンタジイとして立派なことであるが、「後ろ向きの夢を終へなければならないとするのはファンタジイらしくない。やはり、ファンタジイは後ろ向きの夢を実現させなくてはならないのだ。さうではないか。
明日からはグレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を持って出勤しよう。
今日は電子化作業はできなかった。
グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を訳者の山岸真氏からいただきました。ありがたうございました。
紀伊國屋書店からグレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届いた。
二冊の『プランク・ダイヴ』を机の上に置いて、ぢっと見つめる。ぢっと見つめてゐても埒が明かないので、おもむろにカッターナイフを手に取った。十分後には一冊はpdfになってゐた。その数分後には軽量化してトリミングしたpdfがKindleの中に。これで出勤時に本を持って行かなくても、Kindleで読める。そんなに重い本でもないのだけど。
SFマガジン11月号をいただきました[Amazon.co.jp]。ありがたうございました。特集は「日本SF第一世代回顧」。
今日、久し振りにEmacsを使ってみたら、使へるんぢゃないかといふ気がしてきたので、少し使ってみようかと思ってゐる。まだ、いろいろ戸惑ふことも多いが。あ、歴史的仮名遣ひの入力ができないではないか! これは困る。やれやれ。
今日の電子化本。
◆グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆J・K・ローリング『ハリー・ポッターと死の秘宝 上』(松岡佑子煬/静山社)
ハリー・ポッターは残り一冊で全部の電子化作業が終はる。
頭が痛いからもう寝よう。
紀伊國屋書店に
●ジャック・ヴァンス『奇跡なす者たち』(浅倉久志・酒井昭伸訳/国書刊行会)amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
を註文。ヴァンスである。
今日の電子化本。
◆小原秀雄『哺乳類』(岩波新書/1979年)
◆松田道弘『トランプものがたり』(岩波新書/1979年)
1979年といふと高校生の頃。当時は新書といふと岩波新書と中公新書と講談社現代新書くらゐしかなかった(のかどうかはよく覚えてゐないが、私が持ってゐるのはこの三新書)。岩波新書は黄色だった。あと、ブルーバックスとか文庫クセジュは何冊か持ってゐたか。今はいくら何でも新書の種類が多すぎる。
◆内田青蔵『「間取り」で楽しむ住宅読本』(光文社新書/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆高野史緒『赤い星』(早川書房/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
書棚を見たら二冊あったので。
ケン・スコールズ『失われた都 上』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)をやうやく読み終へ、明日から下巻へ。まだ何も始まってゐない感じ。もう少し早く進んでくれていいのに。いつになったら図書館の再建が始まるのか。
紀伊國屋書店から、Mircea Eliade Two Strange Tales (Shambhala, 2001) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。直ちに切断してドキュメントスキャナにかけてしまふ。いいのか、それで。と思ひながら、作業を進めて、OCRによる文字認識まで。
ざっと見た感じではそんなに難しい文章ではなささう。
今日の電子化本。
◆Mircea Eliade Two Strange Tales (Shambhala, 2001) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
さっき書いた本。
◆J・K・ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(松岡佑子訳/静山社)
これでハリー・ポッターも残り残り二冊になった。
◆小林千草『ことばの歴史学』(丸善ライブラリー/1998年)
◆藤岡啓介『翻訳は文化である』(丸善ライブラリー/2000年)
丸善ライブラリーはタイトルの一部に新書とか文庫とか書いてはゐないので、見えないタグとして「新書」の文字を入れておいた方が検索はしやすい。さうすべきか。
眠い。
今日もケン・スコールズ『失われた都 上』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)を読みながら出勤。一体いつになったら図書館の再建に着手するのか。図書館を再建するといふから読んでゐるのに。
紀伊國屋書店に本を註文。
●菊池誠・他『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』(山岸真訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
以上二冊。
今日の電子化本。
◆米川明彦『現代若者ことば考』(丸善ライブラリー/1996年)
◆鳥飼玖美子『異文化をこえる英語』(丸善ライブラリー/1996年)
◆『配線器具入門―安全な設計・施工・取扱いのポイント』(オーム社/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
だから、なぜこんな本を買ふのか。そんなに電気工事が好きなのか。電気工事をしてゐる様子なんか全然見ないからこんな本を活用するとは思へない。一体、何を考へてゐたのか。過去の自分はもはや他人よりも理解しがたい生き物である。
今日もケン・スコールズ『失われた都 上』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を手に取って出勤。もう少し早く話が展開してくれればいいのに。
今日は、数年前から密かに構想を練ってゐてこの夏に提案した企画が通ったといふ嬉しい知らせが届いた。まだどういふものかは云へないが(云ってはならないと厳命されてゐるわけではなく、私が買ってに勿体ぶってゐるだけだ。中身のない奴に限ってどうでもいいことを勿体ぶってなかなか云はなかったりするものである)、非常に売れ行きが心配になる翻訳本である。
明日は颱風が来るらしい。本やKindleを持たずに出勤した方がいいだらうか。ちょっと耐へられさうにないのだが。
今日の電子化本。
◆成毛眞『日本人の9割に英語はいらない』(祥伝社/2011年)
◆城繁幸『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』(ちくま新書/2008年)
成毛眞『日本人の9割に英語はいらない』(祥伝社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。後半、だんだん云ふことがつまらなくなっていく。もともとあまり画期的なことは書いていなかったのだが、陳腐で説教臭い印象が強まってきた。教育制度や受験制度の話にまでなると、個人的な思ひ込みで決めつけてゐる感が強くなってくるのだ。日本の官僚がお粗末なのは悪しき受験制度が原因だといふ辺りでは、もう何を根拠にさう断言できるんですかと云ひたくなってくる。最後の方では、さうはいってもちょっと英語はできるんですみたいな感じで終はってゐるし。
学校の英語教育が役に立たないやうな感じで書いてゐるが、ここには何度も書いたやうに私は学校の英語教育のおかげで英語の本や論文を読めるやうになったと思ってゐる。自分で勉強してみようと思った他の言語はさっぱり読めるやうにならない。もっといいやり方はあっただらうが、少なくとも私にとっては大いに役立ったことは間違ひない。
少しがっかりして本を閉じた。
今日は電子化作業はできなかった。今日までに、和書は606冊を電子化したが、全然減った感じがしない。いや、新書はそれなりに減った感じがしてゐるかも。やはり資金に余裕のある人は電子化作業を委託したくなるだらう。さういふ人は新たに本を買って収納する場所を確保するために電子化するのだから、それを目の敵にして書店や出版社が抗議することもないのではなからうか。本を処分しないやうなのは約束違反ではあるけれど。
ケン・スコールズ『失われた都 上』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。冒頭でいきなり大図書館が吹き飛んで心穏やかならぬ状態になる。迷路のやうな図書館の中で素敵な暗い物語が展開するかと思って期待したのに、もうなくなってしまったとは。私は明日から何を希望としてこの本を読めばいいのか。
図書館には膨大な数の本があって、独特の雰囲気を湛へてゐる。中には特別美しい図書館もあって、そんな図書館の写真集も持ってゐるのだが、現実の図書館はそんなに大好きといふ訳でもない。実際、あまり行かない。外で調べものをしたりするのが苦手だからかもしれない。それに私が必要とする本を世界で一番揃へてゐる場所は自分の部屋である。
成毛眞『日本人の9割に英語はいらない』(祥伝社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]も読み始める。尤もなことが書いてあるが、そんなに目新しいことでもない。半分くらゐまで読んだ限りでは。日本人の全員が英語を話せるやうになる必要はなくて、英語を専門にする人だけが徹底的に英語を使へるやうにすればいいのだといふのは、水村美苗も書いてゐた。日本の大学が日本語で講義ができるのは実に幸せなことなのだといふのも繰り返し語られてきたこと。TOEFLの点数で比べたときの日本人の位置がアジアの中で最下位に近いのだが、日本人が誰もが気軽に受けるのに対して貧しい国々ではエリートだけが受験するから当然さういふ国の方が点数は高いのだといふやうな分析は示してくれない。しかし、元マイクロソフト日本法人の社長だった著者の言葉として、「自分の生き方を会社に決めさせてはいけない。骨の髄まで会社に染まってしまえば、心までが奴隷になっているのと同じである」とか「英語ができても自分の付加価値にはならない」といったものを強く心に受け止めたい。何といっても強く印象づけられるのは「英語ができてもバカはバカ」だらう。
しかし、それでも日本は英語英語と云ひ続けるだらう。せめて自分だけは冷静になって何が自分にとって必要なことなのかを考へたい。
今日の電子化本。
◆都筑卓司『マックスウェルの悪魔』(講談社ブルーバックス/1970年)
◆J・V・ネウストプニー『外国人とのコミュニケーション』(岩波新書/1982年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
マックスウェルの悪魔の本は改訂版が出てゐるけれども私が持ってゐるのは古い方。外国人とのコミュニケーションの本は、「異質文化の中で経験するコミュニケーション上のつまずきは、ことばによるものばかりではない」といふことを強く訴へる興味深い本なのだが、よく見るとページに線が引かれてゐることに気がついた。私は決してそんなことはしないし、この本は古本屋であったものでもない。となると、そこから云へることはただ一つ。この本は私の本ではなく妻の本だったのだ。まあ、黙ってゐれば気づかれないだらう。
今日も『エリアーデ幻想小説全集2』(作品社)を読み進め、「ムントゥリャサ通りで」を読み終へる。これは語りの細部に絡みとられるやうな感覚が心地よい。何が本当で何が嘘か判らない。最後まで読んでも結局どうだったのかといふ真相は明らかにされないのだ。迷路のやうでもある。あまり力作過ぎて読むのに疲れてしまったので、この後は少しエリアーデは休まう。いつまでもエリアーデばかり読んでゐるわけにもいかないのだ。何れにせよ、持ってゐる本の中にまだ知らない傑作が沢山あるのだらうといふことを思ひ知った。これだって、出たときに買って置いたから今読めるのだ。本は出たときに買っておかなければならないのである。もっともっと本を買はう。そして読まう。
それで、どうしてレアナがここにゐるんだ?
ケン・スコールズ『失われた都 上・下』(金子司訳/ハヤカワ文庫FT)[上:amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]/[下:amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]をいただきました。ありがたうございました。
カサンドラ・クレア『シャドウハンター 上・下』(杉本詠美訳/創元推理文庫)[上:Amazon.cojp]/[下:Amazon.co.jp] をいただきました。ありがたうございました。
帰宅途中に三省堂書店本店に寄ったら、店頭の古本売り場にロバート・J・ソウヤー『見上げてごらん。』(はるこん)があったので、購入。その隣に、野田昌宏『フューチャーメン出動せよ!』(宇宙軍文庫SF)といふのもあったので、これも購入。
この日記と別館の方の日記にTweetボタンが表示されるやうにしてみた。ここは自動的につくが、別館の方は半ば手動でつけなくてはならないので、少々面倒臭い。特に、この日記ページでは活用されることもないだらう。試しにどんなふうにつけるのか知りたかったのである。Facebookのいいねボタンはまだよく分からない。Facebook自体まだよく判らないのであるが。
今日の電子化本。
◆斎藤恭一『道具としての微分方程式』(講談社ブルーバックス/1994年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆『パソコンは日本語をどう変えたか』(講談社ブルーバックス/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
今日はブルーバックスを二冊。実はブルーバックスはあまり持ってゐない。
今日も『エリアーデ幻想小説全集2』(作品社)を読み進める。ずっとこればかり読んでゐるわけにも行かないのだが。
「ディオニスの宮にて」を読むが、よく判らない。よく判らないまま「ムントゥリャサ通りで」に入る。
内田樹の研究室「情報リテラシー」を読んでいちいち尤もだと頷いてゐたのだが、途中で物語による世界認識に再び遭遇して驚く。「私たちはつねにある種の情報を選好し、ある種の情報を忌避する。そこには個人的な基準がある。基準となっているのは、私たちがひとりひとり選び取っている「世界についての物語」である」といふ。そんなにみんな物語による世界認識を必要としてゐたのか。私は世界の理解とは物語性を如何に排除するかで決まるのだと信じてゐた。もう物語は書物の中へ封じ込めた方がいいのだらう。誰がどうやってやるかが問題かも知れないが。
今日の電子化本。
◆中島義道『私の嫌いな10の言葉』(新潮社)
◆『大人の洗練インテリア』(エクスナレッジムック)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆『大人の上質インテリア』(エクスナレッジムック)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
インテリアの本は、自分が引越すときに参考にしようと思ったのだが、あまり活用できなかった。私が求める部屋が洗練されたものでもなく上質なものでもないといふことだらうか。それならそれでいいのだが。私の求める部屋の載ってゐる本はどれなのだらう。
『エリアーデ幻想小説全集2』(作品社)を読み進める。だんだん夢か現実か判らない作品ばかりになってくる。それでも「橋」や「アディオ!」などはもう判らない。
Google+といふのを使ひ始めてみる。何でも最初は戸惑ふことばかり。
今日は電子化作業ができず。何をするにも時間が足りない。
フレドリック・ジェイムソン『未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望』(作品社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。SF作品が頻出する内容で、これは強力なSF論なのだが、あまりにも読みにくい。ユートピアといふ観点からSFを論ずるなんて、読みたくてたまらないのに。残念すぎる。
紀伊國屋書店から、Leslie Geddes-Brown Räume für Menschen, die Bücher lieben (Deutsche Verlags-Anstalt, 30. August 2010) [Amazon.de, Amazon.co.jp]が届く。書棚とか書庫とか、あるいは図書館とか書店とか、とにかく本のある部屋や建物がたくさん載ってゐる。ドイツ語だけど十分楽しい気分になれる。日本でももっとかういふ本が出てもいいのではないか……といふのは前にも書いたか。
今日の電子化本。
◆『新版 英和・和英新化学用語辞典』(三共出版/1986年)
◆『絵とき 百万人の電気工事』(オーム社/1997年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
どうしてこんな本を持ってゐるのか。何を考へてゐたんだ。電気工事の資格でもとらうと思ったのだらうか。まったく無駄なことをするものだ。過去の自分が理解できなくなる瞬間である。
◆『構造プロテオミクス―蛋白質ネットワークの構造生物学』(共立出版/2003年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
なかなか立派な本。しかし、周辺が少し黄ばんできたので、pdf化して保存。これで黄ばんだり黴が生えたり破れたりすることはなくなる。なくさないやうに気をつけなければ。
『エリアーデ幻想小説全集2』(作品社)を読み始める。今日は三篇。これが面白い。第一巻よりも格段に面白い。現実が揺らぐ感じが素晴らしい。「十四年昔の写真」は、そこに話が噛み合はない会話が延々と続く様子が加はってまたいい感じになってゐるのだ。もっと早く読めばよかった、エリアーデ。
Amazon.co.jpから、C・S・ルイス『四つの愛』(新教出版社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]と『ニューエクスプレス ルーマニア語』(白水社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届く。ルイスの方は、新訳が出てしまったといふことで、面倒臭い作業が待ち受けてゐるのだ。
ルーマニア語の学習書が届いたのは嬉しい。CDを聴いてみて、生まれて初めて耳にするルーマニア語の響きに驚いたりする。単語はラテン系のもののなかに見慣れない語が混ざってゐる感じ。肯定が「Da」だなんて、いくら何でも……。
明日から少しづつ進めてみようか。多分、無理だらうが。
紀伊國屋書店から、成毛眞『日本人の9割に英語はいらない』(祥伝社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、フレドリック・ジェイムソン『未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望』(作品社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、小高知宏『はじめての機械学習』(オーム社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届く。
『はじめての機械学習』は判りやすい。C言語のプログラムも試しに動かしてみようといふ気になる。明日から少しづつ読み進めよう。多分、無理だらうが。
フレドリック・ジェイムソン『未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望』をすぐに読みたいのだが、まだエリアーデがあるから、ちょっと困ってゐる。同じ作品社の本だから、待ってゐてくれるだらう。
今日の電子化本。
◆J・K・ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上』(松岡佑子訳/静山社/2002年)
ハリー・ポッターもかなり軽くなってきた。あと三冊。私にはもはや何が何巻なのか判らない。
『エリアーデ幻想小説全集1』(作品社)を読み終へる。「大物」は巨大化する男の話。結末は予想とは少し違ふ雰囲気を湛へて終はる。巨人が大自然の中で絶叫する場面は忘れがたい。「弟思い」は、どうしてこれが幻想なのかよく判らない。国境を越えて逃げようとする二人の話。「一万二千頭の牛」はありがちな幽霊譚(といってしまっていいのか?)。最後の「大尉の娘」もよく判らない。結局何なのか。明日から第二巻。
「令嬢クリスティナ」「ホーニヒベルガー博士の秘密」「セランポーレの夜」「一万二千頭の牛」といった作品は過去に囚はれてしまふ話といっていいだらう。過去のできごと、あるいは人物が、今の登場人物に強い影響力を及ぼす。過去からの力と云へばヴァーノン・リーである。過去からの働きかけよりも寧ろ過去への働きかけが強く、やがて過去に捕えられるやうになる。そこがいい。
もっと早く読めばよかった、『エリアーデ幻想小説全集』。
今日の電子化本。
◆細川護煕『内訟録―細川護熙総理大臣日記』(日本経済新聞出版社/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
どうしてこんな本を買ったのか。文語の中に口語の混入する文で日記を書いてゐることに興味を惹かれたのだが、結局まだ読んでゐない。さういふ文章がそんなの心地よくないことが判ってしまったので。
『エリアーデ幻想小説全集1』(作品社)を読み進める。今日は「蛇」を読む。何なんだ、これは。よく判らなかった……。夜の森の中、湖の辺で蛇の存在を感じる。旅の仲間たちの中へ突然入ってきた見知らぬ男のせゐなのか。夢か現か判らない描写が続くが結末もよく判らない。
この次に収録されてゐるのが、「ホーニヒベルガー博士の秘密」と「セランポーレの夜」なので、これは数日前に福武文庫で読んだばかりなのでとばして次の作品へ。
Amazon.co.jpに本を註文。
●C・S・ルイス『四つの愛』(新教出版社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
何と今年の五月に新訳版が出てゐたのだ。知らなかった。大慌てで註文ボタンを押した。
●『ニューエクスプレス ルーマニア語』(白水社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
ルーマニア語の学習書を買っても多分ルーマニア語はできるやうにならないだらう。数々の外国語の学習書を買った経験があるが、どれひとつ本が読めるほど理解できるやうにならなかった。それでも買ふ。私にとっては大事なことなのだ。
エリアーデ「ホーニヒベルガー博士の秘密」には立派な図書室が出てくる。そんな図書室のある家にいつかは住みたいと思ってゐたが、難しさうだ。ところで、その図書館で博士の謎を探ってゐるときに、やはり以前博士の謎を追ってゐた人のサンスクリット語の練習帖を発見する場面がある。繰り返し単語を書いて勉強してゐる。外国語を学ぶにはさうするしかないのだらうか。私もさうやって地道な努力を重ねれば外国語の本を読めるやうになるだらうか。ここは一つルーマニア語に挑戦してみようか。エリアーデが小説を書いた言語である。
といふのは昨日書き忘れた話で、今日は『エリアーデ幻想小説全集1』(作品社)を読み始める。巻頭の「令嬢クリスティナ」から。この本は前に単独で一冊の本で刊行されたことがある。実はそれも持ってゐるのだが、読んだことがあるのかどうか思ひ出せない。話は比較的古風な吸血鬼小説。
紀伊國屋書店に本を註文。
●成毛眞『日本人の9割に英語はいらない』(祥伝社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●フレドリック・ジェイムソン『未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望』(作品社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●小高知宏『はじめての機械学習』(オーム社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
あ、ルーマニア語の学習書買ふの忘れた。
今日の電子化本。
◆J・K・ローリング『ハリー・ポッターと謎のプリンス 下』(松岡佑子訳/静山社)
◆中島義道『女の好きな10の言葉』(新潮社/2010年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆尾川正二『原稿の書き方』(講談社現代新書/1976年)
◆入谷敏男『ことばの心理学』(中公新書/1965年)
私が持ってゐるのは1981年の25版。ずいぶん版を重ねた本だったやうだ。中身はまったく覚えてゐない。
◆河合隼雄『こどもの宇宙』(岩波新書/1987年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
私が持ってゐるのは1990年の第11刷。今でも現役の本である。
ひこ・田中『ふしぎなふしぎな子どもの物語』(光文社新書)についていろいろ書きたいことがあったやうな気がするが、眠気に耐えてゐるうちに忘れてしまった。
エリアーデ『ホーニヒベルガー博士の秘密』(福武書店/1990年)を読む。図書館にこもってユートピアへの道を探る話。話の展開などにラヴクラフトの雰囲気を濃厚に漂はせてゐる。さうか、こんな作家だったのかと驚く。もっとちゃんと読めばよかった。表題作の他に、「セランポーレの夜」も収録。ベンガルの密林の中で彷徨ふ話。今日も強烈に眠いのでいろいろ書けないが、驚いた。
エリアーデは幻想小説全集を持ってゐるので、明日からこれを読まう。
今日の電子化本。
◆松本晃一『アマゾンの秘密』(ダイヤモンド社、2005/1/28)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
ひこ・田中『ふしぎなふしぎな子どもの物語』(光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。昨日の続きは、ガンダムの変遷からエヴァンゲリオンへと進み、よく判らない。そのあとさまざまなアニメの例が登場し、よく判らない。最後に、『指輪物語』とか『ライラの冒険』とか出てきて、少し判る。
最終章の結論は、最初に提示しておいてもらひたかった。それから、それを裏付ける個々の例を挙げて説明するといく形の方が判りやすい。
もう眠くて駄目だ。
ひこ・田中『ふしぎなふしぎな子どもの物語』(光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。新書をスキャンしたものをKindleで読むのはやはり字が小さい。でも、まあ読める。
またもや、ウルトラマン(シリーズ)と仮面ライダーの歴史の話を読むことになる。一九七三年くらゐまでなら判ると思ふのだが、その後はさっぱり判らない。そんなに大事なことだったのか。知らなかった。
今のところ、残念ながらあまり面白くない。
紀伊國屋書店に、
○Mircea Eliade Two Strange Tales (Shambhala, 2001) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
を註文。「ホーニヒベルガー博士の秘密」と「セランポーレの秘密」が収録されてゐる。以前、福武文庫で出たものと同じ作品。
Abebooks.comで検索して、ニュージーランドのSamwise Booksに、
○J. B. Priestley The Other Place, and Other Stories of the Same Sort (William Heinemann, London, 1953)
を註文。本体価格がUS$6.00で、送料が$11.50である。
『エリアーデ幻想小説全集』(作品社)は全三巻を購入した記録があるが、第一巻が見つけられない。どこに行ったのか。
今日の電子化本。
◆コリン・エラード『イマココ』(渡会圭子訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆加賀野井秀一『日本語の復権』(講談社現代新書)
イマココの本は、つい昨日読み終へた本。日本語の復権の方は1999年のもの。中身はよく覚えてゐない。
コリン・エラード『イマココ』(渡会圭子訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。人の空間認知の話である。副題にあるやうに、渡り鳥からGoogle Earthまでさまざまな空間認知について興味深い話に満ちてゐる。さういへば、セカンドライフって今はどうなってゐるんだらうなんて思ひながら読むわけである。空間認知の未来については些か物足りない感じもした。
少し驚いたのは、人の場所の把握と理解に物語がどれほど強く結びついてゐかといふこと。また物語だ。そんなに人間には物語が必要なのか。そして、その物語を集団で共有するのがそれほど大事なのか。私はこの頃、物語が怖くなってきた。
まあ、国家だって共同体が共有してゐる幻想なのだといふ話だってあるわけだから、当然なのかも知れない。今は誰もが共有できる大きな物語がなくなったといふが、それにしては、なのか、だからこそなのかはよく判らないが、無闇に物語を共有しようとする風潮がないだらうか。不必要に恐怖心を煽らうとする人たちは、さうしようとしたいのではないだらうか。
今日の電子化本。
◆S. R. Pennington『プロテオミクス』(メディカス・サイエンス・インターナショナル/2001年)
◆竹内淳『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』(ブルーバックス/2005年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆『コンビナトリアル・バイオエンジニアリング』(化学同人/2003年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
紀伊國屋書店から、平野廣美『C++とJavaでつくるニュ-ラルネットワ-ク』(パーソナルメディア/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、大塚英志『神話の練習帳』(キネマ旬報社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、清水玲奈、大原ケイ『世界の夢の本屋さん』(エクスナレッジ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、石川幹人『人はなぜだまされるのか』(ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、武村政春『たんぱく質入門』(ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届く。
『世界の夢の本屋さん』は、予想以上に大きく、そして重い。イギリス(ロンドン)、フランス(パリ)、イタリア、ベルギー(ブリュッセル)、オランダ、USA(ニューヨーク)の書店が紹介されてゐる。写真中心で、書店の様子はいくら眺めても飽きることがない。それにしても、いろいろな書店があるものだ。ドイツ、北欧、スペイン、ポルトガル、あるいは東欧などの書店はない。それを不満に思ふのではなく、まだまだ世界にはたくさん素敵な書店があるのだといふことに思ひを馳せてみたい。もっと、書店や図書館、あるいは個人の書棚の写真を紹介する本が出ればいいのに。
石川幹人『人はなぜだまされるのか』(ブルーバックス)読了。人の心理的な傾向は、進化の過程で生存に有利だから備わってきたものであるといふもの。本当にさうだと云へるのかと思ふところもあるが、概ね納得できる内容である。蛇や闇を怖がるのは判りやすいが、記憶の歪みなどは何が有利なのかよく判らなかった。
ありもしない法則を見出したり、噂話を信用したりするのも、人の進化の過程で有利に働く心の動きだったと著者は云ふ。存在する確実性の低い法則やパターンを見出すのは、確実性が低くてもパターンから予測して行動しておけば、外れても損はせず、当たれば得をするから、そういうものを採用する者が有利だった。噂話は集団として一致した行動をすることで集団としての生存率が高まる効果が得られたという。確かに、2×2の組合せの確率を比較してみなければ相関関係は確認できないとか、噂の確実性を重視するあまり一人だけ異なった行動をしてゐたら、生存率は下ってしまふだらう。さうだとすると、今でも人間には本能的にさういふ傾向があるのだから、根も葉もないやうな噂話を信用したり、ちょっと考へればあり得ないだらうといふやうなパターンや因果関係を見出したりする現代日本人の行動も仕方ないことなのかも知れない。
今はパターンを見出して予測するやり方は格段に進歩してゐる。程度を比較し、相関関係を検証する方が今となっては生存に有利なのだと私は信じてゐるが、それはもしかしたら、どのやうな考へに基づいて行動した集団が長生きして生き残る確率が高いかで、人にとってどちらが有益かが証明されるのかも知れない。証明されたときには、もう相手を説得する必要はなくなってゐるかも知れないが。
もう一つ印象に残ったことは、集団として物語を共有することで生存に有利だったといふこと。ここにも物語が! 今まで私は気づいてゐなかったやうだた、もう至るところに物語は姿を見せ、世界を説明し、意味を付与し、価値を示してっくれる。恐ろしい。物語は書物の中に封じ込めるべきだらう。迂闊にそこらを徘徊させると大変なことになる。
コリン・エラード『イマココ』(渡会圭子訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み進める。都市空間の認知に人は物語を使ってゐるのだといふ。ここでも物語か。世界を理解して記憶するために、そんなに物語が利用されてゐたとは知らなかった。私は物語を排除して共通認識が可能な性質を抽出することが世界を理解することだと思ってゐた。私はここでも少数派なのだらうか。
Amazon.deから、Die schönsten Bibliotheken der Welt 2012: Wandkalenderが届く。早い。十日で届いた。いつものやうに、美しいカレンダーである。ただ、ドイツのものなので日本の祝祭日は載ってゐない。
今日の電子化本。
◆中島義道『ぐれる!』(新潮新書/2003年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆廣中直行『やめたくてもやめられない脳』(ちくま新書/2003年)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]
月曜日朝が締切の仕事に狼狽へる週末。もはやそれは終末と呼んでもいいのではないか。どうしてもっと早く準備しなかったのか。かうなることは目に見えてゐたのではないか。などと試験前の学生のやうなことを云ってみる。学生と同じで、そんなことを云っても何も解決しない。
そんな状況で電子化してしまった本。
◆『プログラミング言語C++』(アジソンウェスレイパブリッシャーズジャパン/1998年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
千ページを超える大物である。この本、紙が比較的薄いのに丈夫で、二枚重なってゐてもきれいに紙送りされてしまひ、それがエラーとして検出されないことが多いのである。それに後で気がついて、二枚重なってゐたところを抜き出して再スキャンして加へていった。そんなことしてゐる場合ではないのに。
やれやれ。
コリン・エラード『イマココ』(渡会圭子訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み進める。第七章の「イソビスタ」の話、前に絶対にどこかで読んだことがあると気づく。しかし、一体どこで? もしかしたら前に読んだことがあるのだらうかと不安になり、日記を検索したりもしたが何も出てこない。そうだ、この本は読んでゐないのに、どういふことか。だんだん不安になってくる。自分の記憶に対する恐怖である。
紀伊國屋書店に、
●平野廣美『C++とJavaでつくるニュ-ラルネットワ-ク』(パーソナルメディア/2008年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
を註文。久しぶりに、この本さへ買へばいろいろな展望が開けるといふ気持ちが心の中に満ちてきた。本が届くとそれで安心して読まなかったりするのだ。何しろ私はC++もJavaもよく判らないのに。
今日の電子化本。
◆ひこ・田中『ふしぎなふしぎな子どもの物語』(光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆『玄箱PROで遊ぼう!!』(ラトルズ)
光文社新書のはこれから読む本。いきなり裁断である。pdfにして、余白をAcrobat Proで切り詰めて、Kindleへ。
Safaribooks Onlineで、本を一冊ダウンロード。今回は支払ってゐないが、毎月会費を払ってゐるので、無料といふ訳でもない。でも、支払ひがないので、購入図書の印をつけない。
C++ Programming for the Absolute Beginner, second edition (Course Technology) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
こちらは、iPadに入れて使ふ。
コリン・エラード『イマココ』(渡会圭子訳/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。いきなり情報科学関係の話で始まるのかと思ってゐたが、蟻の巣穴への帰還の方法など、基本的な生物の行動から始まってゐて面白い。本当はこの本を読む順番ではなかったのだけど、うっかり手に取ってしまったのだ。
紀伊國屋書店に本を註文。
●大塚英志『神話の練習帳』(キネマ旬報社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●清水玲奈、大原ケイ『世界の夢の本屋さん』(エクスナレッジ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●石川 幹人『人はなぜだまされるのか』(ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●武村政春『たんぱく質入門』(ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
『世界の夢の本屋さん』は、世界の素敵な本屋さんの話と写真を集めた本らしい。かういふ本がもっとたくさん出ればいいのに。
『人はなぜだまされるのか』について。この頃、私の目から観ると過剰に危険を意識してゐる人たちがゐて、冷静に考へればそんなことあるはづがないのにどうしてなんだらうかと思ふことが多かった。しかし、過剰に危険を見積もることは、その昔は生存に有利だったはづだといふ話がある。今は危険といふものを定量的に評価して比較することも可能だが、昔はそんなことはなかった。だとすれば、危険は過剰に認知する方が生存率は高まるに違ひない。身近な人の死を何か大きな原因による死だと考へ、そこから逃げるといふ態度は、そんなこと関係ないんぢゃない? といふ態度よりも生き残る確率が高かったといふわけだ。だから、本能的に人は単なる偶然以上の何か大きな力の作用を受けてさうなったと考へて当然だといふことになる。しかし、今は適切に危険を評価できる時代なのだから、もっと冷静に本能的恐怖を押さへて考へたいものである。といふやうなことに関係することが書いてゐないかなと思って註文した。
今日の電子化本。
◆永田和宏『タンパク質の一生』(岩波新書/二〇〇八年)
◆『ゲノム化学』(化学同人/二〇〇七年)
◆『ポストゲノム・マススペクトロメトリー』(化学同人/二〇〇三年)
◆岡本吏郎『サラリーマンのためのお金サバイバル術』(朝日新書/二〇〇九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆J・K・ローリング『ハリー・ポッターと謎のプリンス 上』(静山社/二〇〇六年)