9月30日(火)

 キム・スタンリー・ロビンスン『2312』(金子浩訳/創元SF文庫)の上巻をやうやく読み終へる。読むのも遅すぎるが、話ももう少し速く進んでもいいのではないかと思ったりする。とりあへず、下巻へ進まう。

 今月は結局、和書33冊、洋書3冊を購入したのみ。このサイトが動かなくなって本の購入履歴を検索できなくなった影響も小さくない。如何に自分が本の購入履歴を覚えてをらず、外部記憶に依存しているかを思ひ知らされた日である。


9月29日(月)

 丸善大手町本店で本を購入。
●ライトバウン&スパダ『言語はどのように学ばれるか』(岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●トマス・ピンチョン『重力の虹(上)』(佐藤良明訳/新潮社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●トマス・ピンチョン『重力の虹(下)』(佐藤良明訳/新潮社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●P・K・ディック『宇宙の眼』(中田耕治訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●イーグルトン『文学とは何か・下』(岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
以上、冊数は少なかったが値段は高かった。

 タニス・リー『狂える者の書』(市田泉訳/創元推理文庫)を訳者の市田さんからいただきました。ありがたうございました。〈パラディスの秘録〉第四巻。第一・二巻も創元推理文庫から来春以降再刊予定といふのは嬉しい。

 ブルフィンチの『ギリシア・ローマ神話』(角川文庫)を下巻も読み終へる。なかなか面白いのだが、一回読んだだけでは、それぞれの挿話も含めて頭の中に馴染んで収まらない。それがいいことかどうかは判らないが。


9月28日(日)

 DNSを再び自宅サーバに移動させて、たぶん、とりあえずは復旧したはず。MySQLが動かなかったので、データの取り出しも、生のファイルをコピーして強引に移し換へた。まだ、うまく動かないところもあるかも知れないし、データの更新もうまくいっていないところもあるかも知れない。

 出張中は、ブルフィンチ『ギリシア・ローマ神話』(角川文庫)の上巻を何とか読み終え、下巻へ。上巻の最後の方は退屈で飛行機の中で眠ってしまったが、下巻のトロイア戦争で少し持ち直す。ギリシャの神々についてはただ読むだけではなく、誰と誰の間にどんな事件があったかといふことまですぐに頭の中に甦るやうになるまで読まなければならないのだ。ヴァーノン・リーのために。

 で、話は戻るが、MySQLサーバが動かなくなっていちばん困ったのは、自分の本の購入記録を検索できなくなったこと。この日記が購入記録だからだ。もっとバックアップに念を入れるやうにしなければいけないと反省。ヴァーノン・リーが終はったら、安心できる仕組みを作らう。いや、MySQLに依存しない日記にした方がいいか。何れにせよ、明日からまた本が買へる。


9月25日(木)

 キム・スタンリー・ロビンスン『2312』(金子浩訳/創元SF文庫)の上巻を332ページまで読む。残り70ページである。普段ならそのまま明日の出勤電車の中ででも読めばいいのだが、明日は出張である。出張に出てすぐに読み終へてしまってはもったいない。しかし、上下二巻持って出かけるのは嫌だ。しかし、明日までに70ページ読む時間はない。困った。恐らく、下巻を持って出張に行って、下巻を読み終へてから、帰宅して上巻の最後70ページを読めばいいのではないかといふことに気がついた。

 あるいは全く別の本を持っていくか。

 MySQLはまだ動かない。とりあへず自宅サーバに引っ越して、Amazon EC2のインスタンスは今使っていゐるのを停止して削除後、新しいインスタンスを作ればいいのだといふことは判ってはゐるが、時間がないのだ。


9月24日(水)

 サーバーのMySQLはまだ動かない。はやく何とかしたい。このままでは、過去に自分が買った本の検索もできない。

 古書キトラから、『林由紀子銅版蔵書票集「プシュケの震える翅」普及本 赤』が届く。中身は素敵だが、赤表紙の上の金がよく見えない。白表紙も買へばよかったのか。

 コッパード『郵便局と蛇』を読む。うすのろサイモン」がすばらしい。こんな話だったか。柳の話は覚えてゐた。初めて読んだときにも理解できた記憶もある。一方、「辛子の野原」を褒めた25年前の自分には、お前は絶対に判ってゐないくせに褒めてゐるだらうと云ひたい。「ポリー・モーガン」の美しさと悲しさは心に染み入るが、「アラベスク」はあまり好きではない。「幼子は迷いけり」を読んで心が空虚になってしまったところで一休み。そして、読了。「シオンへの行進」はよく判らなかった。本書の中で一番好きなのはやはり「うすのろサイモン」だ。

 ドイツから図書館カレンダーが届いた。

 S-Fマガジン 2014年 11月号ご恵贈賜りました。ありがたうございました。特集は「30年目のサイバーパンク」。


9月21日(日)

 サーバーのMySQLが起動しなくなり、どうしたらいいか判らない。ヴァーノン・リーが終わったら、サーバーの引っ越しをしようと思っていたが、早急になんとかしなくてはならないのか。そんな時間ないのだが。

 先日、送料が24ドルもすると書いたボンテンペッリの本を註文したイタリアの古書店から、送料の一部返金の連絡が来た。7ドルも返してくれた。良心的な店なんだなと思って、またここから買ひたくなった。

 仁藤夢乃『女子高生の裏社会』(光文社新書)読了。読むのがつらい内容。副題にもある「関係性の貧困」が重要な問題なのだが、同時に何の問題もない環境にゐる高校生も少なからず「お散歩」アルバイトを継続的にする中に含まれてゐるのが不思議だった。その後その点について、何らかの検証や考察を示すことなく終わってしまったのが少し残念。数値は、31人の集計だけでなく、全体の中でどれくらゐがさういふ状況に身を置いたことがあるのかとかまであるといいのだが、それは無理な要求といふものか。

 橘玲『マネーロンダリング入門』(幻冬社新書)を読んだ。マネーロンダリングの必要が生じたわけではなく、単なる興味本位で。やったことないから、新鮮なことばかり。個人でも簡単にできる(違法ではない)手法を紹介してくれる。今のところそんなことをする必要のある資産がない。さういへば、この著者は前に読んだ『憶病者のための億万長者入門』を書いた人ではないか。すっかり億万長者になるのを忘れてゐることを思い出した。

 榎木英介『嘘と絶望の生命科学』(文春新書)読了。これはあまりにもよく知っている世界だった。若手研究者を使い潰し、論文の数とインパクトファクターで研究費が決まっていく世界、さまざまなバイオ研究界の問題は、もう繰り返し語られてきている話だが、馴染のない人にはよい紹介だろう。ではどうしたらいいのかというと私には判らない。著者はそこで、大学を捨ててもいいのではないかと云っている。そして「殿様生物学2.0」と名付けているのは面白い。しかし、遺伝子組換え実験などは自宅ではできないし、何しろ論文を投稿するときにも、無所属研究者は何かと不利だ。
 印象に残った箇所がもう一つ。「医者は医者ではない研究者のキャリアの現状を理解できない」という言葉。まあ、理解しようという気も、関心もないことも少なくないんじゃないか。
「ピペド」という言葉を知る。

 古書キトラに、
『林由紀子銅版蔵書票集「プシュケの震える翅」普及本 赤』
を註文した。普及版「白」もあったのだが、何となく赤表紙本を買はなくてはならないやうな気がして。特装50部というのは63000円だったので諦める。


9月19日(金)

 Amazon.co.jpで、Kindle Voyage―Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデルを予約註文。高い高すぎると云ひながら註文してしまった。やれやれ。
 読書専用機はこれから少しづつ減っていくのだらうと思ってゐる。私もiPad miniが上着の内ポケットに入るならそれでもいいかと思ふくらゐである。

 Amazon.co.jpでKindle本を二冊註文。
●榎木英介『噓と絶望の生命科学』(文春新書)
●橘玲『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』(幻冬社新書)

 新書の類ひはすべてKindle本で読むことにしたい。

今日は眠いので、これで。今日も、か。


9月18日(木)

 荒俣宏編纂『怪奇文学大山脈 (2)』(東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読んだ。どれもこれも味はひ深い作品ばかり。それぞれの作家の短篇集(原書)をもっているものもあるので、読んで見たくなるが、多分読まない。


9月17日(水)

 紀伊國屋書店から、『壊血病 医学の謎に挑んだ男たち』(中村哲也監修/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、堀田誠『「ストウブ」で、パン』(河出書房新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、アレクサンダー・レルネット=ホレーニア『両シチリア連隊』(垂野創一郎訳/東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、YOUCHAN『TURQUOISE』(書苑新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、北原尚彦『ジョン、全裸連盟へ行く: John & Sherlock Casebook 1 』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。どれも嬉しいが、『両シチリア連隊』が面白さう。

 ホームズは元のホームズは多少知っているのだが、BBCのシャーロックはよく知らないのだ。

 今日は眠いので、これで。


9月16日(火)

 荒俣宏編纂『怪奇文学大山脈 (2)』(東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読んでゐたら、今度はモンダドーリ版のボンテンペッリ全集が欲しくてたまらなくなる。Abebooks.comで検索して、イタリアのボローニャにあるLaura Guerraという古書店に、
○BONTEMPELLI Massimo RACCONTI VECCHI 1904-1914. Primi racconti - Sette savi (Mondadori, 1943)
を註文した。挿絵がラボチェッタだと思ふので。違ったらどうしようかと不安を抱きながら註文する。本の価格が20ドルで、送料が24ドル。まあ、いいか。


9月14日(日)

 紀伊國屋書店に本を註文。
●スティーブン・R・バウン『壊血病 医学の謎に挑んだ男たち』(中村哲也監修/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●堀田誠『「ストウブ」で、パン』(河出書房新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●アレクサンダー・レルネット=ホレーニア『両シチリア連隊』(垂野創一郎訳/東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●YOUCHAN『TURQUOISE』(書苑新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●北原尚彦『ジョン、全裸連盟へ行く: John & Sherlock Casebook 1 』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
以上五冊。

 今日は休みなので、一日ヴァーノン・リー。


9月13日(土)

 『サンリオSF文庫総解説』(本の雑誌社)(Amazon.co.jp)をお送りいただきました。私も作品紹介を二つだけやったので。サンリオSF文庫の刊行はちゃうど中学3年から高校、大学、大学院(修士課程)までといふ、一番SFを読んでゐた時期だったやうな気がするので、全巻内容紹介は懐かしく読める。とはいっても、あまり読み終へたものは多くない。それでも買ひ揃へたい文庫だったし、そんな訳で全巻揃へてゐるのだ。それなのに、二冊しか紹介文を書けなかったのは悲しい。

 ずいぶん前にイギリスの本屋に註文してゐた、Donald Corley The House of Lost Identity (George G. Harrap & Company, 1927)が届いた。しかし、どうして、どのやうなつもりで、いつ註文したのかまったく思ひ出せず、心の底から吃驚した。この日記を検索してみると『失われた部屋』の解説で知ったやうだ。挿絵も著者が描いてゐる。

 Amazon.jpでkindle本を購入。
●仁藤夢乃『女子高生の裏社会』(光文社新書)


9月12日(金)

 荒俣宏編纂『怪奇文学大山脈 (2)』(東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み始めたら、前書きを読んだだけで、Der Orchideengartenが欲しくて仕方がなくなってしまひ、Abebook.deで検索して、ベルリンのAntiquariat und Buchhandlung Carl Wegnerに二冊註文。
○Der Orchideengarten. Phantastische Blätter. Jahrgang 1, Heft 5, 1919.
○Der Orchideengarten. Phantastische Blätter. Jahrgang ?, Heft ?, 1919.
何とメールでは書名の後ろが欠けてしまってゐるので、第何号なのかよく判らなくなってしまった。二冊で送料込みで70.70ユーロだった。

 今日は遅いので、これで。


9月11日(木)

カート・ヴォネガット『はい、チーズ』(大森望訳/河出書房新社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。どれも、清々しく瑞々しく新鮮な作品である。巻末の「説明上手」は意外な結末で少し不気味で少し怖い。気に入ったのは「ヒポクリッツ・ジャンクション」だった。


9月10日(水)

 丸善丸の内本店で、
●A・E・コッパード『郵便局と蛇』(西崎憲編訳/ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●アルカジイ&ボリス・ストルガツキー『ストーカー』(深見弾訳/ハヤカワ文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ブルース・チャトウィン『ウッツ男爵』(池内紀訳/白水社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。コッパードは、〈魔法の本棚〉版に一篇追加されてゐる。内容をほとんど覚えてゐないので、ゆっくり読みたい。
 ストルガツキーは、本文の校訂がなされてゐて、解説も新しくなってゐる。


9月9日(火)

 高原書店から、アラン・ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』(みすず書房)、幻想文学5号と8号が届いた。

 苅谷剛彦『大衆教育社会のゆくえ』(中公新書)読了。20年近く前の本だが、95年くらゐまでの教育の歴史と状況がよく判る。日本では厳密な点数評価によって生まれや育ちに関係なく大学に入れるので一種の「生まれ変はれる」機会だといふ感覚は思ってゐた以上に強いものだったのだと判った。平等であるほど「生まれ変はり」は強くなり、そこで一度生まれ変はると一生が決まってしまふまでになり、学歴主義(といふより学閥主義)が強く批判されるやうになったといふ。強い平等主義に基づいてゐるためにエリート文化が形成されなかった。教養が重視されないのもそのせゐだらう。当時から、難関校に入るのは家庭環境の影響が強かったが、その格差問題は経済成長に伴い貧困問題が話題にならなくなると問題意識が消えていったといふ。そして、「一点差で一生が決まる」ことに対する批判として、学力以外の要素を判定に導入しようといふ提案に繋がった(臨教審以降)。そして、その流れで、たうとう学力試験を数段階で評価して「人間力」重視といふところまで来たわけだ。そして、格差は拡大し世代を超えて固定化してきてゐることが指摘されるようになった(それなのに、生まれや育ちの影響を受けやすい「人間力」である)。


9月8日(月)

 ジャン=リュック・ナンシー『思考の取引――書物と書店と』(西宮かおり訳/岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読む。書物の話なのだが、難しい。書物は手段や目的ではなく、イデアを配達する実体であり対話であるといってゐるのか。もう少し時間をかけて読み直さう。

 日本の古本屋で検索して、町田市の高原書店に、
●アラン・ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』(みすず書房)
を註文。


9月6日(土)

 日本の古本屋で検索して、町田市の高原書店に、幻想文学5号と8号を註文。特集はそれぞれ「伝記ロマン」と「ロストワールド文学館」。

 さういへば来年の「美しい図書館カレンダー」を買ってゐなかったことを思ひ出し、Amazon.deにBibliotheken 2015: PhotoArt KalenderLeselust 2015: Literatur-Wochenkalenderを註文。ここ数年、「美しい図書館カレンダー」とか「美しい書店カレンダー」といった類ひのものが増えて、もう全部は買へなくなった。今回は大きな壁掛け用のカレンダーと、やや小さい週めくりのを註文してみた。

いつの何の疑問も抱かず、図書館カレンダーはドイツに註文してゐたのだが、他の国にもあるのだらうか。


9月5日(金)

 Kindle本を4冊購入。
●藤田千秋お店みたいなおうちパン(主婦の友αブックス)
●ローナ・バレット本の町の殺人(大友香奈子訳/創元推理文庫)
●ローナ・バレットサイン会の死(大友香奈子訳/創元推理文庫)
●ローナ・バレット本を隠すなら本の中に(大友香奈子訳/創元推理文庫)
以上。しかし、今さらパンの本なんてどうして買ってしまったのか。まったく自分の考へてゐることは判らない。
 他の三冊は〈本の町の殺人〉シリーズ。原書では持ってゐたと思ふ。一冊か二冊読んだやうな気さへする。そこで、Kindle版で購入したわけだ。訳者あとがきで解説がないのもKindle版が買へる理由の一つ。

 リー・バーデュゴ『魔法師グリーシャの騎士団2 魔獣の召喚者』(田辺千幸訳/ハヤカワ文庫FT)ご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 ホモソーシャルな男同士の絆、友情に憧れるが、その集団と自分の間の乗り越えられない境界で、マネージャーといふ物語を生きるのだといふ。女子マネージャーは男と同様かそれ以上のホモフォビアとミソジニーを共有してゐるといふのも興味深い。
 あだち充『タッチ』の「南ちゃん」に憧れてといふ女子マネージャーが多かったといふ。私は『タッチ』のことを全然知らない。70年代の少女マンガにおける女子マネージャー、80年代における少年マンガにおける女子マネージャーも知らない。
 家庭における性役割の再生産といふことは理解してゐても、それでも彼女たちは女子マネージャーといふ役割と物語に魅力を感じてゐるのだといふ。しかし、私なんかそもそも集団内での連帯感や絆、友情、共感等なにもかもが嫌悪の対象でしかないので、女子マネージャーといふ存在は本書を読んでも謎でしかない。


9月4日(木)

 ケリー・リンク『プリティ・モンスターズ』(柴田元幸訳/早川書房)をやうやく読み終へた。前半の「墓違い」「パーフィルの魔法使い」「マジック・フォー・ビギナーズ」「妖精のハンドバッグ」は大変よかった。何か現実のボタンを掛け違へたやうな変な話が心地よい。しかし、後半はよく判らない。そしてこの本、「モンスター」あたりから、平仮名率が急激に増えて、読みにくくなるのだ。あ、後半でも「アバルの治安官」はよかった。何しろお母さんが女神だから。

 丸善大手町本店で、
●高井昌吏『女子マネージャーの誕生とメディア』(ミネルヴァ書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。この本は主なオンライン書店では購入できないと思う。丸善大手町本店でも前回来たときには在庫なしになってゐたのだ。明日から読まう。

 紀伊國屋書店から、Chambers Murray Latin-English Dictionaryが届いた。字が小さくて古くさい感じ。でも、資金不足なので仕方がない。仕方がない。


9月3日(水)

 ハイレゾ音源対応とはどういふことかと思ってBicCameraに註文したJVCケンウッド カナル型イヤホンHAFX650が届いた。早速聴いてみる。これは違ふ! と驚いたが、5分も聴いたら慣れてしまった。そもそも、そんなに違ってゐなかったのかも知れないが、仮令、思ひ込みであっても違ふと思ふことが大事なのだ。もっと高いのを買ったら「違ふ!」と思ふのだらうか。

 土曜日に註文した幻想文学15号と45号が届いた。45号のアメリカ幻想文学必携は面白い。「風間賢二が選ぶ訳出が切望される10篇」で紹介されてゐる作品で邦訳が出たのは二つだけだらうか。フィッツ=ジェイムズ・オブライエンの話やパルプ雑誌の話もあるではないか。 「大森望 ジャンルSFの境界で」なんていふインタビュー記事も。なぜ、出たときに買はなかったのか。


9月1日(月)

 紀伊國屋書店から、荒俣宏編纂『怪奇文学大山脈 (2)』(東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ジャン=リュック・ナンシー『思考の取引――書物と書店と』(西宮かおり訳/岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ガース・ニクス『銀河帝国を継ぐ者』(中村仁美訳/創元SF文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、アウグスティヌス『告白 I 』(山田晶訳/中公文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、高井昌吏『健康優良児とその時代―健康というメディア・イベント』(青弓社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。『怪奇文学大山脈 (2)』が特に楽しみ。

 古田博司『ヨーロッパ思想を読み解く 何が近代科学を生んだか』(ちくま新書)を読んだ。前に現象学の本を読んだときの三つの世界像の話が今ごろ何となく判ったやうな気がする。しかし、科学との関係は何を云ってゐるのかよく判らないし、納得もできない。

 ハイレゾ音源対応イヤホンといふのをこの頃見かけるのだが、実際に意味があるのだらうかと疑問を感じたので、試しに買ってみることにした。JVC HAFX650といふのをBicCameraに註文。


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