2月29日(金)

 春日武彦『問題は、躁なんです』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。なかなか辛い気分で読み終へたので、あまり思ひ返したくはない。

 Bernhard Scholkopf Kernel Methods in Computational Biology (The MIT Press, 8/2004) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。インドから。表紙はアメリカで出たものと同じだが、ハードカバーではない。中の紙もあまり綺麗ではない。同じシリーズの別の本の本国版は、ハードカバーでコート紙のカバーがついてゐて、本文の紙も白く輝きしっとりとした手触りである。何時間眺めてゐても、何百回撫でさすってゐても飽きることがない。ページの間から漂ふ紙とインクの香りは天上の香水のやうでもある。しっかり強く抱きしめたい衝動に駆られるが、こちらはなるべく身から遠ざけ、ページを捲るときには息を止めたくなるくらゐである。ああ、私はなんといふことを考へてゐるのだ。同じ書物をこんな態度で扱っていいのか。たとへ肌がすべすべでなくても、その内容は何ら見劣りすることはない。よく読まなければ。

 The Book Depositoryから、Python Scripting for Computational Science (Springer, 12/2007) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届いた。やはりここは早い。ずっしりと重くて、さっきの本とは違ふ高級さうな香りがページの間から漂ってくる。ページを捲ると、内容もまさに私が求めてゐたものである。700ページ以上もあって実に詳しい。どれくらゐ詳しいかといふと、200ページになってもまだ"Hello World"である。恐ろしいくらゐ詳しい。

 あ、もうこんな時間だ。寝なければ。


2月28日(火)

 Robert Charles Wilson Axis [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]はやうやく100ページ。遅すぎる。

 本も進まないし、本も買はないと、ここに書くことがない。気分転換に何か註文しようかといふことをするから本の量が増えてしまふのであるが、さうしないとどうも手が震へてくるやうな気がするのは気のせゐで、私は中学生の頃から手が震へてゐたことに改めて気づく訳で、それも今日一日我慢すればいいのだ今月は二月なのだからと思ったら大間違ひで今年は閏年ではないか。例年よりも一日二月が長い年を閏年といふのだと40年くらゐ前に初めて知ったときには驚いたものですといふ話は昨日書いたので、今日はもう寝ます。来月になったら何を買ふかを考へながら。

 しかし、明日はどうしようか。あ、今日郵便局からの荷物の不在通知が新聞受けに入ってゐたのだった。明日はあれを郵便局に取りに行かう。


2月27日(水)

 今月ももうあと二日。何かの間違ひではないかと思ひましたが、二月は他の月よりも短いのでした。それでも例年の二月よりも今年は一日長いといふのは閏年といふのだと40年くらゐ前に初めて知ったときには驚いたものです。妙に荒れた天気が続きましたが、皆さん如何お過ごしでせうか。

 実はそんなことには全然関心のない私は、今月の書籍購入グラフを眺め、ここ一年で最も少ない数値になってゐることに気づき、あと二日は本を買はずに我慢しようと固く決意したところであります。和洋書合計で25冊を下回ったのは、昨年一月以来。驚きました。やればできるんだ、人間諦めずに頑張ることが大事なのかも知れませんが、私が最も嫌ひな言葉の一つが「頑張る」なので、あまり気にしないでせう。

 さういへば、一昨日の朝、「モーター」といふ文字を書かうと思った途端に、片仮名の「モ」が思ひ出せなくなりました。でも、キー入力はできるので、モンティ・パイソンのDVDは買へるわけです。そのうち、「本」といふ字が書けなくなって、いつの日か、本を見ても何のことだか判らなくなり、「これは何と云ふものですか、これで何をするのですか」と身近な人に訊ねると、「ああ、たうとうこの人が本を忘れるとは!」と驚き嘆き……といふ話は前にも書いたことがあるやうな気がするので、やめておかう。


2月26日(火)

 Amazon.co.jpから、「空飛ぶモンティ・パイソン」“日本語吹替復活”DVD BOXが届いた。本当に届いた。あの註文は夢ではなかったのだ。まだ封を開けてゐない(Amazonの箱からは出した)。開けるのは多分週末である。

 春日武彦『問題は、躁なんです』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を4分の3くらゐ読む。かういふ精神状態に問題のある人たちの話題はちょっとつらい。でも読んでしまふ。読み始めるとつい読んでしまふ。
 自分も妙に高揚した精神状態になることがある。当然のことながら本を買ふときである。これを買へば人生が変はるやうな気がするのである。古臭いイギリスの怪奇小説を買っても何も変はらない。大抵は読みもしないのに。PythonやRubyの本を買っても変はらない。買っただけで、使へるやうになる訳もないのに。でも、買ったら何かが解決するやうな気分になるのである。これさへ買へば何かが変はると確信する。どうしても欲しくなる。変な理屈をつけて購入する。本が届くと気分は沈んで、どうしてこんなものを買ってしまったんだらう。どうせ読めないのに。やがて次の本を見つけて、これさへ買へば何か変はると思ひ始める。困ったものだ。でも、さういふ本の蓄積が何かの役に立つこともあるので、博奕ですってしまふといふやうなことと違ひ、完全な無になる訳でもなかったりするから続ける理由をみつけやすい。かうやって一生続けるんだらう。かうやってゐるからこそ生きてゐられるのかも知れないが。

 気分が沈んできたので、もう寝る。


2月25日(月)

 早川書房から、SFマガジン2008年4月号Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。クリストファー・プリーストとジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの翻訳が載ってゐる。プリーストは小説ではないが。

 Amazon.co.jpから、Harald Baayen Analyzing Linguistic Data: A Practical Introduction to Statistics (Cambridge University Press) [Amazon.co.jp, Amazon.co.uk, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。どうも私が期待してゐたものとは少々違ふやうな気がするが、これでいいのか。ちゃんと読まなければ。

 紀伊國屋書店から、アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』(中田耕治訳/880円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、恩田陸『猫と針』(1200円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、春日武彦『問題は、躁なんです』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届いた。あ、恩田陸は小説ではなく戯曲だった。私はこの形式が苦手なのだ。『問題は、躁なんです』は面白さう。何でもできる気になって、結局破滅へ向かって驀進してしまふ状態である。
「へえ、そうなんですか、躁なんですか問題は」とくだらない駄洒落を書かうと思った瞬間、歴史的仮名遣ひでは書きにくいことに気がついた。歴史的仮名遣ひが書きにくいと思ったのは、生まれて初めてである。
 ちょっと自分が本を買ってしまふときの精神状態がこれに近いのではないかと思ったといふやうなことはまた明日にでも。


2月24日(日)

 私は今、深く悩んでゐる。Python習得には毎日励んでをり、Monty PythonのDVDも註文した(おそらく明後日には届くだらう)。今度はspamである。Python Cookbookにも、spameggsの組合はせが頻出する(これは些か大袈裟で800ページ中に4ヶ所くらゐか)。Cookbookといふくらゐだら、当然spamは出てくる。spamを食べておけばきっとPythonのオブジェクト指向が理解しやすくなるに違ひない。Spamを歌ふといふか連呼する海賊は、嫌ひなYouTubeで確認した。あとは、spamを食べるだけである。
 便利な世の中になったもので、インターネットを使へばspamを註文できるやうだ。citynet.co.jpでSPAMホーメル スパム ポークランチョンミート6缶パックといふのを売ってゐるのを見つけたのだが、これでいいのだらうか。これは別のspamだ! といふことだったら、ご連絡ください。
 しかし、こんなものを註文してゐる場合だらうか。Monty PythonのDVDに23000円を払った直後に、spamに3680円も払ふなんて。Pythonの本を一冊買った方がいいのではないか。しかし、いつかは通らねばならない道だらう。もしも買ったら、次の悩みは、spam bacon sausage and spamを作って食べるかspam egg spam spam bacon and spamを作って食べるかといふことになるのだらうか。

 Pythonで数値の四捨五入だとか切り捨てだとかをやらうとして、roundでやればいいのだらうかと思ひ、参考になる記事を探さうとすると、Monty PythonのKnights of the Round Tableといふ歌のことが出てきてしまふ。Monty Python and the Holy Grailといふ映画に出てくる歌らしい。この映画はテキサスにゐた二年の間にTV放送で何度か観たのだが、歌のことは全然覚えてゐない。たった今、嫌ひなYouTube で確認したが、まったく覚えてゐなかった。何れにせよ、Pythonの小数点以下切り捨てはよく判らなかった(roundで小数点以下がどうしても消えないのだ)。結局initで整数にしてみた。PHPならroundで簡単にできたのに。

 紀伊國屋書店から、計見一雄『戦争する脳』(760円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。今日はこれ一冊のみ。残り三冊は明日届くらしい。
 早速読んでみると、途中で話の流れの方向がよく判らなくなったりして戸惑ふことがあるものの、「それは自分に都合の悪い現実を否認し、見ようとしない人」こそ破滅へ向かっていきやすい人、部下を破滅へ追ひやってしまひやすい人だと云ひたいことはよく判った。躁的な活動エネルギーが高い人はさらに危険であるらしい。といふことで、明日届く春日武彦『問題は、躁なんです』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]へと繋がっていくといふのが私の読書計画である。とにかく、「そんなこと一々考えていたら何もできはしません」といふ人には近づかないやうにしよう、そして、自分がそんな人間にならないやうに気をつけようと思った。


2月23日(土)

 bk1から、ジョン・スラデック『蒸気駆動の少年』(柳下毅一郎訳/2100円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届いた。帯によると「最後の天才」なのだといふ。意味がよく判らないが、中身の方は楽しみである。

 The Book Depositoryから、Clifford Taubes Modeling Differential Equations in Biology (£29.99, Cambridge University Press, 17 Jan 2008) [Amazon.co.uk, Amazon.co.uk, 紀伊國屋]が届いた。早い。18日に註文した本がもう届いた。が、ページを捲って愕然とする。全然判らない。何でこんな本を買ってしまったのだらう。微分方程式の本だから難しいだらうとは予測してゐたが。あ、よくみると、微分方程式を使ってゐる論文を多数収録してゐるではないか。各章毎に説明をしてから実際の論文を次々に示していくといふことなのか。論文は抜粋ではなく、引用文献まで全部収録されてゐるやうだ。いやいや、これはなかなかいいかも知れない。今すぐには判らなくても、いつか役立つ日が来るかも知れない。しかし、引用のほとんどがNatureとScienceではないか。まあ、いいけど。

 それはさておき、昨日悩んでゐた「空飛ぶモンティ・パイソン」“日本語吹替復活”DVD BOXを、今日Amazon.co.jpに註文してしまった。いいのか、そんなことをして。そんなものを観る時間があるのか。しかし、いま註文せずに品切れになって一生後悔することになったら困る。あのとき買へばよかった思ひながらこれから生きていく重荷は、きっと仕事の効率を長年に渡って下げ続けるに違ひない。これは避けることのできない支出なのだ。
 しかし、買ったからには、Pythonを必ずや使へるやうにならねばならない。あまり関係ないかも知れないが、さういふことに決めたのだ。きっと使へるやうになる。Rubyはいつの間にか気持が離れてしまったのは、Monty Pythonと関係なかったからだ。ルビーには関心がないのだ、私は。
 今日は仕事の帰りに紀伊國屋書店に寄ったのだが、『みんなのPython Webアプリ編』(2480円+税/ソフトバンククリエイティブ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]がよささうに思へたものの、23000円のDVDを買ってしまったので、我慢して帰ってきた。これからは、Pythonの本を極力我慢しながら習得しなければならない。あとは、SPAMを食べるといふ問題が残ってゐるが。


2月22日(金)

  早川書房からテリー・グッドカインド『魔帝の血脈4 宿命の邂逅』(佐田千織訳/680円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいだたきました。ありがたうございました。

 久しぶりにRobert Charles Wilson Axis [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を読みながら出勤。もう忘れかけてゐることがあるのに気づき、愕然とする。

 The Book Depositoryに、
Python Scripting for Computational Science (Springer, 12/2007) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
を註文。Amazon.co.jpでは近刊といふ表示なので、すぐに発送できるらしいThe Book Depositoryに註文した。こんな本を買って判るのかなといふ不安はある。が、今は頭の中はPythonでいっぱいである。オライリーの本とかシュプリンガーの本とか、欲しいPython関連本はたくさんあるのだが、どれも高い。毎日、買はうか我慢しようか、悩み続けてゐる。しかし、いま私が本当に悩んでゐるのは、「空飛ぶモンティ・パイソン」“日本語吹替復活”DVD BOXである。23000円である。Python本を4冊くらゐ買ったらそれくらゐになるかも。Python本を四冊我慢してMonty Python本を買ふべきか、大いに悩んでゐる。
 Pythonの由来はMonty Pythonである。嘘ではない。PythonサイトのFAQにはっきり記されてゐる。大蛇といふ意味ではないのだ。ならばやはり私も改めてMonty Pythonを観るべきではないのか。よく考へると私はちゃんとMonty Pythonを観たことがない。Do I have to like "Monty Python's Flying Circus"?といふ質問に、No, but it helps. :)と書いてあるのだから、観ておくべきだらう。この答へが「スペインの宗教裁判」と関係があると云はれても全然判らないし。
 さうだ、私はSPAMを連呼するヴァイキングのことも知らないのだ。

 思ひきって買ってしまふか……


2月21日(木)

 パトリシア・マキリップ『オドの魔法学校』(原島文世訳/1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店] 読了。今日は地下鉄の駅を降り損ねることもなく。ここ数年のマキリップの作品でいいと思ふのは、都市や城、王宮などの描写である。迷宮のやうな構築物・建築物として描かれてゐる。今回はそのものずばり迷路が王宮/魔法学校の地下にあるくらゐだ。歓楽街のある黄昏区もいい。太古の存在が齎した魔術と硬直化した王宮/魔法学校の齟齬が事件を起こし、王国における魔法及び魔法学校が危機に陥るわけだが、結末はあっといふ間にたちまち大団円といふ感じでちょっと呆気ない。

 今日は無性にPythonの本が欲しくなったが我慢して(やればできるぢゃないか!)、紀伊國屋書店に以下の本を註文(全然我慢してゐないのではないか)。
●アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』(中田耕治訳/880円+税/ハヤカワ文庫SF) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●恩田陸『猫と針』(1200円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●春日武彦『問題は、躁なんです』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●計見一雄『戦争する脳』(760円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上四冊。『虎よ、虎よ!』はハヤカワ文庫の再刊。前のも持ってゐて、しかも読んだことがあるのだが、これは買っておいた方がいいだらうと思った。表記や構成など若干(あるいはかなり?)変はってゐるところがあるらしい。あと新書を2冊。


2月20日(水)

 今日もパトリシア・マキリップ『オドの魔法学校』(原島文世訳/1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店] を手に取って出勤。地下鉄の中で読んでゐて、ふと気づくと降りる駅を一つ過ぎてゐた。そんなに夢中になってゐた訳でもないのに。いや、気づかず夢中になってゐたのか。反対側の電車で一駅戻ったので、いつもよりも5分程度だが長く本を読む時間を確保できた。もっと通勤に時間のかかるところに住みたいものだ。集中力は弱い方なので、30分くらゐ電車に乗ってゐるのがちゃうどいい。今は7分くらゐ。短すぎる。

 今日は本を何冊か註文しようと思ってゐたのだが、眠くなってきた。また明日にしよう。毎日、また明日にしようと思へれば、本を買ふ量が減って助かるのに。何かを断つときには、「明日からもう絶対にしない。死ぬまで絶対に!」といふ決死の覚悟をするのではなく、「今日一日我慢して、明日にしよう」と思ふのがいいらしい。さうやって毎日先送りにしてゐるとやめられるとか。本は、完全にやめる訳にはいかないから、さうもいくまい。


2月19日(火)

 今日は肩が痛いので本欄は休み。パトリシア・マキリップ『オドの魔法学校』(原島文世訳/1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店] の続きを読んで寝ることにしよう。


2月18日(月)

 Amazon.co.jpから、A First Course in Statistical Programming With R (£24.99, Cambridge University Press, 13 Dec 2007) [Amazon.co.jp, Amazon.co.uk, Amazon.co.uk, 紀伊國屋]が届く。梟の表紙がなかなか素敵である。そんなことはどうでもいいのだけれど、中身はもっと厚いものを想像してゐたので、ちょっとがっかり。私は重い本が好きなのだ。プログラムは数学的には詳しい記述があるやうにも見えるが、詳しく読んでゐないのでよく判らない。表紙が綺麗だからまあいいか。

 一昨日届いたPredicting Structured Data ($45.00, Mit Pr, 2007/9/30) [Amazon.co.jp, A1Books , 紀伊國屋]は、前に買ったLarge-Scale Kernel Machines [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]と同じシリーズだといふことに気がついた。どちらも確かな手応への重みを感じさせてくれる。表紙はしっとりと手に吸ひ付くやう。白くしっかりとした本文の紙は滑らかで光り輝いてゐる。昨日註文してしまったKernel Methods in Computational Biology (The MIT Press, 8/2004) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]インド版はこれほど美しいだらうか。ああ、三冊並べて抱きしめたかった。三冊並べてそっと手を滑らせてみたかった。そっと顔を近づけて三冊から立ち上る紙とインクの香りを思ひきり吸ひ込んでみたかった。ちょっと普通ではない願望かも知れないが、これくらいの変はった嗜好は誰でも一つくらゐ持ってゐるものである。いや、よく判らないけど。
 昨日註文した書店から、日本には送りません! とか、もう売り切れました! とかいふ聯絡があってくれたらいいのにと思ってゐたら、註文手続き完了のメールが届いてしまった。三日以内に発送するやうである。アメリカ版を改めて註文してしまはうか。それはあまりにも無駄なやうな気もするが……

 どうにも気持が収まらないので、本を註文。The Book Depositoryに、
○Clifford Taubes Modeling Differential Equations in Biology (£29.99, Cambridge University Press, 17 Jan 2008) [Amazon.co.uk, Amazon.co.uk, 紀伊國屋]
昨日本の註文に失敗したからといって、今日別の本を註文すると云ふのはあまりにも愚かである。が、私は愚かなのだから仕方がない。愚か者は黙って本を註文するだけである。
 もう一つの理由は、The Book Depositoryに本を註文してみたかったからである。本を註文してみたかった書店があるから、その書店に本を註文するといふのは立派な理由ではなからうか。

 書いてゐながら莫迦げてゐるやうな気がしてきたので、もうパトリシア・マキリップ『オドの魔法学校』(原島文世訳/1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店] を読んで寝てしまはう。


2月17日(日)

 昨日届いたSF情報誌Locusを2007年推薦作品リストが載ってゐた。今年も全然読んでゐない。買ったのは何冊かあるけどといふのも例年通り。しかし、今年はひどい。一冊も読んでゐない。困ったものだ。からうじて今読みかけのからRobert Charles Wilson Axis [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が入ってゐるだけだ。ちゃんと読まなければ。短篇は二つ読んでゐた。それだけか……。

 今日初めて気がついたのだが、MYCOM新書はマイコミ新書になってゐたではないか。昨年3月以降全然新刊が出てゐないと思って、新書新刊情報から名前を削除してしまってゐた。一年分の刊行書情報を追加して、項目を追加した。これからはまた自動的に新刊情報が追加されるはづ。

 黒田龍之助『語学はやり直せる!』(686円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んだ。一つ一つ全くその通りと納得しながら読み終へる。かういふ本は意外にもほとんどが(私の眼から見て)まともなことが書いてあり、このやうにまともな本ばかり出てゐるのならば世の中もっとまともになりさうなものだが、なかなかさうはならない。不思議なものである。とにかくやめないこと、外国語習得には時間がかかるから時間をかけて続けること、常に復習することが大切といふのは当然だ。巷に広まる「語学の常識」をことごとく斬り捨てていくところは爽快である。語学は楽しめ、現実的な利益のためにするのは寂しい。「語学がてきると有利。これって都市伝説ではないのか」といふ言葉は私もどこかで使ひたいものだ。ドイツ語かロシア語を私もやり直して(始めて)みたいと思った。

 竹内繁樹『量子コンピュータ』(940円+税/講談社ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んだが、量子コンピュータは判らなかった。私の頭には難しすぎる。重ね合わせ状態で並列計算が高速にできるって云はれてもさっぱり判らないのだ。量子状態が理解できなくても、開発が進んで一般人が使へるやうになったら是非利用したいものである。

 パトリシア・マキリップ『オドの魔法学校』(原島文世訳/1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店] を読み始める。まだ100ページくらゐ。

 昨日届いたPredicting Structured Data ($45.00, Mit Pr, 2007/9/30) [Amazon.co.jp, A1Books , 紀伊國屋]の裏表紙に載ってゐた本が急に欲しくなる。どうせ読めないくせに、すぐ買ひたがる。
○Bernhard Scholkopf Kernel Methods in Computational Biology (The MIT Press, 8/2004) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
である。これが50ドルの本なのだけど、オンライン書店では割引があって35〜40ドルくらゐになってゐる。日本のオンライン書店では6000円以上。ちょっと高いやうな気がして、Abebooks.com で探してみたら、インドの書店でUS$13.33といふのを見つけた。日本への送料US$5.50を加へても$18.83である。気がついたら註文ボタンをクリックしてゐた。あとで冷静に見てみると、ISBNが違ふではないか。題名と著者名は同じだから、同じ内容だと思ふけど。アメリカだとハードカバーなのだが、こちらはsoft coverとなってゐる。あ、これは2005年にインドのAne Booksといふところから出たインド版ではないか。中身が同じなら、安い方がいいのだが、私はあの表紙に期待してゐたのだ。昨日届いた本の手触りも気に入ってゐた。2冊並べて撫でたり擦ったりしたかったのだ。そうしてゐると中身が掌から染み込んでくるやうない気がするではないか。いや、普通はしないか。とにかく、大いに不安である。


2月16日(土)

 A1Books から、Predicting Structured Data ($45.00, Mit Pr, 2007/9/30) [Amazon.co.jp, A1Books , 紀伊國屋]が届いた。随分大きな本である。中身はまだよく見てゐない。

 bk1に、
●ジョン・スラデック『蒸気駆動の少年』(柳下毅一郎訳/2100円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を予約註文。《奇想コレクション》の最新刊である。

 昨日届いた根本香絵・池谷瑠絵『ようこそ量子 量子コンピュータはなぜ注目されているのか』(760円+税/丸善ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んでみた。残念ながら量子コンピュータのことはよく判らなかった。消化不良のまま終はってしまったので、続けて竹内繁樹『量子コンピュータ』(940円+税/講談社ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。現在97ページ。今までのところに限っては判りやすい。突然、女の子に量子(りょうこ)と名付けて育てると、確率分布してゐる存在になったら楽しいかも知れないと思ったりする。常に誰かに観測されてゐないと、壁を抜けて向こう側は行ってしまったりするのだ。何くだらないことを考へてゐるのだらう。やれやれ。量子の話ばかり読んでゐると、脳が溶けてくるやうに感じられてくるので、やはり昨日届いた筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(1400円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。途中でやめられなくなり、一気に読了。これは傑作かも知れない。この頃、あまり筒井康隆の新作を楽しめなかったのだが、これは面白い。繰り返し繰り返し、進んだり戻ったりしながらそれでもゆっくり話は進んで行って、ちゃんと結末を迎へる。量子の本を読んだ後なので、複数の取り得る未来が重ね合はせ状態の量子的世界に思へてくる。


2月15日(金)

 『生命複雑系からの計算パラダイム』(3400円+税/森北出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。後半はざっと流してしまったけれども。DNAコンピューティングのところは先日読んだDNAコンピュータの話とだいたい同じだった。免疫システムのところはあまり面白くなかった。これではなんといっても蟻(アントコロニー最適化法)が面白かった。

 紀伊國屋書店から、筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(1400円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、黒田龍之助『語学はやり直せる!』(686円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、竹内繁樹『量子コンピュータ』(940円+税/講談社ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、根本香絵・池谷瑠絵『ようこそ量子 量子コンピュータはなぜ注目されているのか』(760円+税/丸善ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。『ようこそ量子』をぱらぱらと眺めてみて驚いた。どうしてこんなに字が少ないんだ。一ページに13行しか入ってゐない。ちなみに同時に届いた『語学はやり直せる!』は15行だ。
 筒井康隆の本を買ふのは久しぶりだらうか。あるいは、結局いつも買ってゐるのか。もうよく判らなくなってゐる。久しぶりに、これは是非読みたいと思へる本だ。

 Amazon.co.jpから、Ekaterina Sedia The Secret History of Moscow ($12.95, Prime Books, 11/2007) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。あまり厚くなく、文字も多くない。日本語だと文字が少ないと腹が立つのに英語だと全然腹立たしくないのは不思議である。話も、如何にも私が喜びさうな感じなので、読んでおきたい。


2月14日(木)

 Amazon.co.jpから、Ben Fry Visualizing Data ($39.99, Oreilly & Associates Inc, 12/2007) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。何だかいい紙を使ってゐるやうで、妙に重い。でもカラー印刷のページがあってなかなか綺麗。それはいいのだが、どうもよく判らない。あまり役立ちさうにないな。所謂無駄遣ひをしてしまったやうな気がする。せめて電子版にすればよかった。さうすれば場所はとらなかったのだから。これでは高い出費をして生活空間を圧迫しただけだった。どうしてかう自分には難しすぎるものを買ってしまふのか。困ったものだ。

 『生命複雑系からの計算パラダイム』(3400円+税/森北出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐまで読む。蟻の歩き方で最適化問題を解くと云ふのは実に面白い。こんな方法があるとはちょっとわくわくするではないか。今はDNAコンピューティングの途中。

 蟻が餌を探して巣に持ち帰るやうに、本の情報をネット上から探しだして集めて持って帰るプログラムを作らうかといふ考へが頭に浮かんだが、ちょっと私の手にはあまるやうな気がする。いや、ちょっとではなく、大いにといふべきか。


2月13日(水)

 bk1から、大内東ほか『生命複雑系からの計算パラダイム』(3400円+税/森北出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。これは面白さうだ。明日から早速読まう。

 今、通勤時に読んでゐるのは、Robert Charles Wilson Axis [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]。まだ六分の一くらゐ。遅すぎる! 明日から中断するとまた遅れさうだ。さういへば、今日は前作の登場人物としてよく覚えてゐる名前が出てきた。前の登場人物が出てこないといふわけでもなささうだ。

 米出版業界、デジタル対応加速といふ記事が日本経済新聞のサイトに載ってゐたので、早速HarperCollinsを見に行ってみた。トップページに三冊、無料で読める本が紹介されてゐる。クリックするだけで、全ページを表示させていくことができる。しかし、ダウンロードや印刷はできない。スクリーンショットは取れるだらうけど。でも私が読みたいものはないな。ランダムハウスの方はまだ確認してゐない。
 やはりファイルはダウンロードできないとつまらない。溜め込んでインデックス作って検索したい。検索できるのがいいのだ。今は持ってゐても書棚の奥で姿を見せずに静かにしてゐる本は見つけられなくて利用できないこともある。書棚の本は検索できないが、電子書籍ならできるのがいいではないか。しかし、いつも検索ばかりといふのも味気ない。そこで、内容のテキスト解析に基づいて内容の近いものをグループ化して表示したりする電子辞書管理・表示システムを作ってみようかと考へ中。ひょっとして、もうあるのだらうか。


2月12日(火)

 電子辞書PW-G500 (Sharp) [Amazon.co.jp, Sharp]が届いた。私は所謂電子辞書を持ってゐなかったのだが、この価格でこれだけの辞書が入ってゐるとは、驚いた。なぜなんだ。私はEPWING規格の辞書CDを一体いくらかけて集めたかを考へるとかなり不愉快になる。まあ、勝手に組合はせられたセットを買はされるのはもっと不愉快なので、別に関係ないといへばさうなのだが。自分が書いてゐる文書にコピーもできないし。それでもちょっと悔しい。音声も出せる(パソコンでも出せるけど)のも生意気である。いや、いいんだけど。

 数日前のことだが、一日一冊新書を読んで一人で《毎日1冊! 日刊新書レビュー》をやってみたら面白いだらうかと考へた。土日を休んで週5冊でもいいとしよう(実際には土日で5冊を読むことになるかも知れないが)。できるかも知れないと一瞬思った。しかし、週5冊新書を買ふと、年に凡そ250冊。税込で一冊780円だとすると195000円である。意外に安いやうでもあり、やはり高いやうでもある。やめておかう。誰かがスポンサーになって新書を買ってくれるなら別だけど。原稿料くれたりすれば是非やりたいけど。今はやめておかう。

 完璧活字中毒女子の本棚といふのを見て驚いた。どうしてこんなにきれいなんだ。完璧活字中毒者といふから、腐海のやうな本棚と部屋かと思って期待したのに。本棚から溢れて床の上に広がる本の海、壁際に積み上げられた本の山、洋服箪笥、押入れ、食器棚、靴箱、冷蔵庫にまで侵入する本の群を期待してゐたのに。本と天井の隙間50cmに住む完璧活字中毒女子を期待してゐたのに。


2月11日(月)

 相変わらずネットワークへの接続が不安定である。システムのアップグレードもできない。やれやれ。

 チャールズ・サイフェ『宇宙を復号する』(林大訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。これは面白い。題名がちょっと胡散臭いので不安だったが、中身はしっかりしたものだった。最初はエントロピーの話。後半は相対性理論と量子論の話。それが情報理論に基づいて展開され宇宙全体にまで話が広がっていく。実に壮大な話の展開である。話の流れも読みやすく構成されてゐる。
 以前から、量子論の「観察者」って誰なんだと思ってゐたのだけれど、この本を読んで安心した。意識を持った観察者だったりしたら嫌だなと思ってゐた。ここでは、そんなものではなくて、自然(宇宙、世界)であるとはっきり記してくれてゐる。誰も聞いてゐないところで木が倒れても音はするのだとも明記してくれてゐる。私は小学生のときからさう主張してゐるのだが、私の言葉にはあまり説得力がないやうだった。これからはこの本を後ろ盾にしてみようか。

量子コンピュータに興味を抱いてしまったので、以下の本を紀伊國屋書店に註文。高価な専門書は買へないので、簡単さうな読み物にしてみた。
●筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(1400円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●黒田龍之助『語学はやり直せる!』(686円+税/角川oneテーマ21)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●竹内繁樹『量子コンピュータ』(940円+税/講談社ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●根本香絵・池谷瑠絵『ようこそ量子 量子コンピュータはなぜ注目されているのか』(760円+税/丸善ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 以上四冊。もちろん、最初の2冊は量子コンピュータと何の関係もない。筒井康隆のは刊行後10日も気づかなかったもの。慌てて註文した。語学の本は、ひょっとしたら私の嫌ひな類ひの本かも知れないと思ひながらも恐る恐る註文する。後半2冊が量子コンピュータの本なのだが、「ようこそ量子」ってかなり恥づかしい題名だ。今のところ、この本が最後の丸善ライブラリーかも知れない状態である。もう出ないのだらうか。


2月10日(日)

 今日は一つPythonに取り組んでみようかと意気込んでゐたのである。連休だからそれなりに捗るのではないかと身の程知らずな期待を抱いたりしてゐたわけだ。そんなことできるわけがないことは経験上明らかなのだが、期待だけは過度に大きい。成果は期待に比べて極度に小さいことくらゐは長年生きてゐると学んでしまふので、それを踏まへて、期待を大きくすればそれに多少は連動して成果も大きくなるのではないかと考へた結果の「期待」である。しかし、その一方で私は自分の期待の大きさに関係なく成果は常に小さいといふことを知ってゐる。
 そんなことはどうでもいいのだが、そんな意気込みとともに起きた朝なのに、気分が一気に沈むやうな状況に直面してしまった。このサイトを置いてゐるサーバのネットワークへの接続が不安定なのだ。どうやら昨日から。最初はApacheサーバが不安定なのかと思ったが、SSHも繋がらなくなる。でも、外部への接続はできるぢゃないかと思ったものの、どうやら外部へ接続しようとすると繋がるやうだ(後に関係ないと判明した。中から外部へ接続できても、外から接続できない状態を確認した)。一定時間使用されないと接続が停止してしまふのか。外部からの働きかけに対しても反応してくれないと困る。しかし、そんな設定は見当たらないし、一昨日まではそんなことはなかったではないか。自棄になってubuntu 7.04から7.10へのアップグレードを試みた。失敗した。今、私は極めて困った状況に陥ってゐる。

 何もかも嫌になったので、土屋賢二『ツチヤの口車』(467円+税/文春文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。面白い。特に何もかもが嫌になったときには心にしっくり馴染むやうな気がする。

 紀伊國屋書店から、『初めてのPython 第二版』(4800円+税/オライリー・ジャパン)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。早い。早く届いた本を参考にPythonに取り組むはづだったのだが、もうそんな気分はどこかへ消えてしまってゐる。

 bk1から、ジョン・アレン・パウロス『天才数学者、株にハマる』(1800円+税/ダイヤモンド社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。天才数学者がどのやうにして株で大損したかが書いてあるらしい。この本のどこにも具体的な投資アドバイス、新しい千年紀のトップ10銘柄、今すぐ始める401(k)五つの賢い方法、今すぐやれる三つのよいことといった話は全く出てこないといふので、安心して楽しめさうだ。この本をぱらぱらと捲りながら、同時にチャールズ・サイフェ『宇宙を復号する』(林大訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]も読み始める。66ページに『プリズナーNo.6』が出てくる。まあ、どうでもいいことだけど。

 サーバーの不調で気分が沈むまでは、電子書籍熱に取り憑かれてゐた。昨日Python Cookbook, Second Edition ($34.99, O'Reilly, 2005) [O'Reilly, Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を買って気分をよくした私は、何もかも電子書籍にしたくなった。何しろ場所をとらないところがいい。しかし、なかなかないものだ。日本の電子本店ではWindowsでしか閲覧できない形式で売ってゐたりする。Adobe eBook Readerといふのはまた不便だ。これならMacOSXでも大丈夫だが(Linuxではどうだらう)、ダウンロードしたパソコンでしか読めなくなってしまふ。これはひどい。オンライン書店で本を買って届けてもらったら、とどけられた家でしかその本が読めないやうなことではないか。通勤時に読みたいとか、職場で昼休みに読みたいとか、いろいろな場面で読みたいのが読書といふものである。それが仕事で使ふ本だったらどうしたらいいのだ。自宅で受け取ったら職場での仕事に使へないなんていったら普通の人は怒るだらう。さういふことが電子書籍では行なはれてゐるわけだ(私の認識が間違ってゐるのか)。その点、O'Reillyはいつでもどこでも読めるやうにしてくれる。さういふ店から私はどんどん電子書籍を買ひたい。が、今日は我慢する。


2月9日(土)

 早川書房SFマガジン編集部より『SFが読みたい! 2008年版』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
をいただきました。ありがたうございました。今年も私は年刊ベスト投票をしただけで、原稿は書いてゐない。

 bk1から、土屋賢二『ツチヤの口車』(467円+税/文春文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。なかをぱらぱらと捲ってみると何だか前に読んだことがあるやうな文章がある。もしかして前に買ったことがあるのかと思って自分の日記を検索してみると、『紅茶を注文する方法』『ツチヤ学部長の弁明』『簡単に断れない』の三冊が私の持ってゐる土屋賢二の本であるやうだ。さうだ、註文するときもかうやって確かめてからにしたのだった。前の日記を読むと『簡単に断れない』を買ったときにも同様に「前に買って読んだことがあるのではないか?」といふ疑ひを抱いてゐるではないか。私の頭が悪いのか、土屋賢二がいつも同じやうなことを書いてゐるのか、どちらかだらう。後者だと信じたい。

 Pythonである。もう私はすっかりPythonに取り憑かれてゐるので、これさへ理解できたら夢のやうな世界がその先に広がってゐるやうな気持になってゐるのである。一刻も早くそこへ行きたいと思ふあまり、よく理解できない本を買ひまくった揚げ句に、翌月のクレジットカードの請求書を見て卒倒しさうになると決まってゐる。判ってゐるのにやめられないのは一種の病気なのかも知れない。昨日註文した『初めてのPython 第二版』(4800円+税/オライリー・ジャパン)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]はまだ届かないので、何か註文したくてたまらない。極めて危険な状態である。とは云ひながらも、当然のことながら我慢はできないので本は註文する訳だが、支払額をなるべく減らし、居住空間の圧迫を極力軽くするために、電子版を買ってみた。
Python Cookbook, Second Edition ($34.99, O'Reilly, 2005) [O'Reilly, Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
O'Reillyから直接PDF版をダウンロードして購入。最初に登録した後、メールを受け取ってから確認作業をしなければアカウントが有効にならないのに気づかず、どうして註文できないんだとモニターの前でしばらく虚しく憤ってゐた。クレジットカードでの支払ひが承認されると自分のアカウント画面に電子本が表示され、ダウンロードが可能になる。いつでもどこでも何回でもダウンロードできると前に読んだやうな気がするが、自信はない。
 これは便利だ。註文してすぐに読めるし、場所をとらない。値段も印刷本よりも安い。今度からO'Reillyの本はなるべく電子版を買ふことにしよう。日本語版は電子版がないやうだが、はやく導入してほしいものだ。

佐々木俊尚『ウェブ国産力』(752円+税/アスキー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読んだ。検索は決してGoogleで完成した訳ではなく、まだまだ未踏の領域が広がってゐて、この頃影が薄くなってゐる日本の技術もそこで活躍することは可能なのだといふ内容。個人の行動パターンの蓄積から次の行動やその人の期待を予測するといふ方向へこれからの技術は発展するだらうといふのは私も同感だが、個人的には私の行動はそこまで他人に把握されたくないのが正直なところである。根が捻くれ者だから、予測を覆すやうな行動をしては喜んでしまひ、あまりそこからの利益が享受できないかも知れない。


2月8日(金)

 bk1から、眉村卓『司政官 全短編』(1500円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、佐々木俊尚『ウェブ国産力』(752円+税/アスキー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、チャールズ・サイフェ『宇宙を復号する』(林大訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。
『宇宙を復号する』は何だかちょっと胡散臭い感じがあるところが不安。とりあへず、新書から読み始めようか。

 今日突然、Pythonだと思った。使へるやうにならなければ。使へるやうになったらきっと素晴らしい世界が見えてくるに違ひないといふ気分になってしまった。今までの苦い経験から、そんな世界は見えてこないことは判ってゐる。それでも、この衝動を押さへるのは至難の業である。もう我慢できなくなって本を註文してしまった。紀伊國屋書店に、
『初めてのPython 第二版』(4800円+税/オライリー・ジャパン)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を。註文してから気づいたのだが、第三版[Amazon.co.jpAmazon.com紀伊國屋O'Reilly]が出てゐるではないか! 英語の最新版なら日本語版第二版よりも千円近く安い。PDF版なら、さらに千円近く安い。しかし、Pythonのことは全然知らないから、いきなり英語のPDFでは厳しいかも。日本語版第二版は本を買って、その他のものは英語版PDFを購入しようか。何しろ本を置く場所がないのだ。読みにくいのだが、PDF版の割合を増やしていかねばなるまい。値段も安いし。
 しかし、このPythonって、Monty Pythonを思ひ出してしまふのだけど、まさか関係ないよねと思ってゐたら、関係ないどころか、そこから名前を採ったとか。知らなかった。


2月7日(木)

 東京創元社から、パトリシア・マキリップ『オドの魔法学校』(原島文世訳/1000円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店] をいただきました。ありがたうございました。
 この題名だとできそこないのホグワーツみたいなので、何とかならないものだらうか。

 早川書房から、レイモンド・E・フィースト『セサノンの暗黒』(岩原明子訳/780円+税/ハヤカワ文庫FT)をいただきました。ありがたうございました。

 今年になってからしばらく情報が取得できなくなってゐた、Сивостенの新着情報取得スクリプトを書き直す。一応、動くやうになったやうに見える。

 娘にどうしてもと頼まれて、電子辞書PW-G500 (Sharp) [Amazon.co.jp, Sharp] をAmazon.co.jpに註文してしまった。高校生のくせに生意気だな。私が高校生の頃、電子辞書なんかなかったのに。あったらきっと欲しいと云ってゐたとは思ふけれども。

 今日も眠くて大変なのでこれくらゐで。


2月6日(水)

 Amazon.co.jpから、Andrew R. Leach, Valerie J. Gillet An Introduction to Chemoinformatics (Springer-Verlag, 11/2007) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。これは面白さう。これは「Introduction」だから、もっといろいろ買ってみたいのだが、この分野の本は高い本が多い。この本もちょっと高いと思ったが、他のがほとんど一万円以上だから、まだ安い方だ。困った。

 北海道新聞の書評欄の情報が三週間ほど前から正しく取得できなくなってゐたので、修正。1月の三週分を取得したが、最新の書評が取得できないのはここの URL の構造のせゐなので相変はらず。

 疲れてゐるので、今日はこれで。


2月5日(火)

 今日からRobert Charles Wilson Axis [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を読みながら出勤。Spin (2005)の続篇である。読み始めてすぐにSpinのことをよく覚えてゐないことに気づき、少々狼狽へる。人類は地球をすっぽい覆ふ膜で閉じこめられてしまったものの、結局は別世界へ行く通路を提供されたのだったか。かすかな記憶を読み戻しながら少しづつ前へ進む。
 ちなみに前の登場人物は全然出てこないやうだ。

 イギリス世論調査で半数以上がシャーロック・ホームズが実在の人物だと答へるといふ記事を見つけて驚く。でも、チャールズ・ディケンズは作品の中の人物だと思ってゐるのが、3%ゐるといふのは仕方がないか。日本にも夏目漱石は『吾輩は猫である』あるいは『坊っちゃん』の登場人物だと思ってゐる人が3%くらゐはゐるかも知れないではないか。


2月4日(月)

 Amazon.co.jpから、J・マトウシェク&J・ ネシェトリル『離散数学への招待〈上〉』(2700円+税/シュプリンガー・フェアラーク東京)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀##國屋書店, Yahoo! Books]と『離散数学への招待〈下〉』(2400円+税/シュプリンガー・フェアラーク東京)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。この手の本が届くといつものことなのだが、「どうしてこんな本を買ってしまったのだらう。さっぱり判らないぢゃないか!」と自分に向かって罵りの言葉を発し、声なき呻きをあげる。でも、さういひながらも買ふのはやめないだらう。そんな本がいつの間にか馴染んで少しは中身が判るやうになったりする(こともある)。

 イアン・R・マクラウド『夏の涯ての島』(浅倉久志ほか訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。どれもいい話だが、私は最初の方のお母さんがナマケモノになって木からぶらさがったりしてしまふ変な話が好きだ。繰り返し事象の地平線の彼方から帰還する話も。そして、「息吹き苔」のよさはあまりよく判らないのだ。もちろん、表題作は傑作である。

 さて、明日から何を読まうか。

 文科省が子ども向け読書応援サイトを開設なんて記事を見つけた。文部科学省に応援されたくないなあ。中学・高校の部まであるけれど、最も反抗的で当然の年頃の筈なのに。文部科学省に応援されて読書をする高校生にはなりたくないものだ。いや、今からなることはないんだけど。


2月3日(日)

 イアン・R・マクラウド『夏の涯ての島』(浅倉久志ほか訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を三分の二くらゐまで。
 昨日、「今までどうして全然イアン・R・マクラウドを読まなかったのだらうと深く反省した」りしたのだが、解説をぱらぱらと眺めてゐて、以前The Light AgesAmazon.co.jp, 紀伊國屋]を途中まで読んだことを思ひ出した。途中で読むづらくなって中断してしまってゐたのだが、また読んでみたくなった。が、解説にも書いてあるやうに「基本は正統派の教養小説」なので、軽くすらすら読めるものでもないのだ。
 翻訳作品は、読みやすくするためといふことで、かなり漢字を少なくする傾向があるのだが、あまり少ないと私にとっては読みづらい。単語の区切りを捕へ損ねてしまふのだ。そのせゐで意味を一瞬捕へ損ねてしまふ。その一瞬が苛立たしい。もっと漢字が多ければ読みやすいのにと思ひながら読んでゐると、「もっと漢字が多ければ読みやすいのに」といふことばかり考へてゐる自分に気づいたりして、少し休んでからまた先を読まうといふことになり、なかなか先に進まないのだ。

 書評情報のページに日経ビジネスの毎日一冊! 日刊新書レビューを追加した。こんなのがあったなんて全然知らなかった。

 今日はbk1に本を註文。
●眉村卓『司政官 全短編』(1500円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●土屋賢二『ツチヤの口車』(467円+税/文春文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●佐々木俊尚『ウェブ国産力』(752円+税/アスキー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●チャールズ・サイフェ『宇宙を復号する』(林大訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大内東ほか『生命複雑系からの計算パラダイム』(3400円+税/森北出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョン・アレン・パウロス『天才数学者、株にハマる』(1800円+税/ダイヤモンド社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 ちょっと買ひ過ぎか。「司政官」懐かしい。また読み返したい。が、さうやって買った本の多くは読み返さないままに終はってしまふ。関心をなくした訳ではなく、先に読んでおかうといふ新作の処理で手一杯なのだ。


2月2日(土)

 イアン・R・マクラウド『夏の涯ての島』(浅倉久志ほか訳/2200円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まだ二篇読んだだけだが、これは傑作だと思った。今までどうして全然イアン・R・マクラウドを読まなかったのだらうと深く反省した。

 多機能電子辞書ブラウザJammingの3.9.8が公開された。Macintosh版、Windows版とも、『ブリタニカ国際大百科事典 小項目版 2008』および『世界大百科事典 第2版 & 百科事典マイペディア with 現代用語の基礎知識』に対応。どちらも持ってゐないから私は取りあへず今は関係ないが。

 今日は肩が発狂しさうなほど痛いのでこれで。


2月1日(金)

 林望『新個人主義のすすめ』(700円+税/集英社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。人と群れずに自分らしく生きるのが悪いのかといふ意味で、長山靖生『貧乏するにも程がある』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]の続きとして読めるのだが、出てくる人たちはかなり違ふ。「貧乏」の方はなにしろ皆貧乏だ。もう破滅へ向かって突き進んで行ってしまふ人もゐる。こちらは真面目である。その分、説教臭い。イギリスは個人主義っていふけどここは日本だ。なかなかさうはいかない。いや、ちゃんと読めば、別に盲目的なイギリス礼讃ではない。
 この両方の本に登場する人物がゐる。夏目漱石である。それだけをとってみても、どれほど夏目漱石が立派なのかがよく判る。
 巻末に、新個人主義の二十箇条なんてものまで載ってゐるのだが、私はもう十分すぎるくらゐ個人主義なんで、もう少し協調性を身につけた方が生きていきやすいくらゐだ。まあ、そんなつもりもないのだが。

 月が変はったので、本を註文しよう。Amazon.co.jpに、
●J・マトウシェク&J・ ネシェトリル『離散数学への招待〈上〉』(2700円+税/シュプリンガー・フェアラーク東京)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀##國屋書店, Yahoo! Books]
●J・マトウシェク&J・ ネシェトリル『離散数学への招待〈下〉』(2400円+税/シュプリンガー・フェアラーク東京)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
簡単にいふと離散数学の本。まあ、そのままだけど。
 あ、司政官買ふのを忘れてしまった。


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