3月31日(水)

 Amazon.co.jpから、Paolo Bacigalupi The Windup Girl (Nightshade Book, 2009)[Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。意外に大きくて重い。裏表紙のテリー・ビッスンの誉め言葉がちょっと面白い。

 今日は久しぶりにAmazon.comに本を註文。
○Christian Robert & George Casella Introducing Monte Carlo Methods with R (Use R) (Springer Verlag, December 10, 2009) [Amazon.com, Amazon.co.jp, 紀伊國屋]

 続いて日本のAmazon.co.jpにも註文。
●加藤直樹『数理計画法』(2800円+税/コロナ社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●天谷賢治『工学のための最適化手法入門(1600円+税/数理工学社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 他にLiVES ( ライヴズ ) 2010年 04月号 VOL.50relife+ vol.3 (別冊・住まいの設計 168)も。

 今日の三冊はモンテカルロ法の本と線形計画法などの本。雑誌は住まひに関するもの。もう引越しは終はったのだが、気になって買ってしまふ。

 楡周平『衆愚の時代』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。今の日本に満ちあふれてゐる偽善的な正論にうんざりした著者が社会人なら心得ておくべき「当然の常識」を語るといふ内容である。私も今の日本の偽善的な正論にうんざりしてゐるので期待して読んだが、大いに落胆させられた。老人が今の若い者は甘い! 文句ばかり云って! と説教を垂れてゐるとしか思へない内容である。「はじめに」で「わたしの素朴な考えだけどね」と書いてゐるが、本当に著者の素朴な、あまりにも素朴な考へである。派遣切りは企業の利益の追求と云ふ観点からすれば正しいといふのには同意できるが、だからといって派遣切りにあった人たちを、自分の見通しが甘かったのだといって放置するのには賛成できない。一度正社員の落ちると二度と這ひ上がれないやうになってゐて、その弱い立場につけこんで搾取し続けるといふ「貧困ビジネス」はアメリカでは確立してゐるやうだけど、日本でもその仕組みはできつつあるやうに思はれるからだ。さうして、貧困層の拡大と固定化が進むことが、日本全体にとってよいことかどうかを考へなくてはならないわけで、それは別に派遣切りにあった人が可哀想と思ふかどうかとは全く関係ない話である。国のためによくないことなら、状況は改善しなければならない。私はそれは決して国益に叶ふことではないから修正した方がいいと思ふのである。いくら落ちても自分の能力と努力で這ひ上がれるのなら、一向に構はないのだ。
 非成長時代には大卒になるよりも農業と漁業をやれなんてどういふ客観的な根拠があるのか。本当に「素朴な考へ」だと同意せざるを得ない。学歴の世代を超えた固定化が問題視されてゐる状況をどのやうに考へてゐるのか。農業や漁業を選ぶ人が増えることで、さういふ状況も改善されるだるといふ確かな見通しでもあるなら別だが、今の日本で「大卒クラブ」への加入権を自ら放棄するのは危険であらう。結局どれも著者の根拠のない印象と思ひ込みに基づいてゐる話で、おそらく本書は「衆愚の時代への鉄槌」なんていって読者の「溜飲を下げる」ことにはなるかも知れないが、現状の正しい把握と解決への道を見えなくさせるのではないかといふ気がしてならないのだ。


3月30日(火)

 C・S・ルイス『C・S・ルイス自伝 喜びのおとずれ』(ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。やうやく半分くらゐ。前に半分くらゐまで読んだと書いたのは、勘違ひだった。
 わくわくするほど面白いといふわけでもない。

 紀伊國屋書店から、菊池誠『科学と神秘のあいだ』(1500円+税/双書 Zero)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、楡周平『衆愚の時代』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大塚英志『大学論 いかに教え、いかに学ぶか』(740円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大槻義彦 『子供は理系にせよ!』(700円+税/生活人新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、諒純也『「理系人間」との仕事術』(1200円+税/西東社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、渡辺由美子『ワタシの夫は理系クン』(1300円+税/NTT出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、毎日新聞科学環境部『迫るアジアどうする日本の研究者 理系白書3』(581円+税/講談社文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、よしたに『理系の人々』(952円+税/中経出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、酒井冬雪『理系のための恋愛論』(780円+税/マイコミ新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。なんでこんな本を買ってゐるんだらうといふやうなものも入ってゐる。くどいやうだが仕事なのだ。

 よしたに『理系の人々』(952円+税/中経出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取ってみた。漫画である。雑誌に掲載されてゐたものをまとめたものなので、基本的に1ページ1話である。さういふ人ってゐるよねといふ、軽い「あるある」ネタを集めたやうな感じ。「理系」といってもコンピュータ技術者がほとんど。だから、主に工学系の「役に立つ技術」を求める人たちの話である。所謂「理系」とは云っても理学部の人なんかは、物事の真実に近づきたいと思ってゐるので、役に立つかどうかは二の次である。科学と技術は大いに違ふものだし、科学者と技術者はその魂が違ふと思ふ。重複する部分ももちろんあるけれど。変な人たちといふ意味では大差はない。だから、この手の本では「理系の人々」でいいのか。さういふことか。

 楡周平『衆愚の時代』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]の最初のページを開いて驚いた。「耳ざわりがいい」なんて言葉を使ってゐる。この頃よく見かけるのだ。もう一般的な用法として認知されたのだらうか。私が子供の頃はなかったはづだが(でも、実は夏目漱石も使ってゐるらしい。尤も字は「耳障り」である)。「耳障り」といふ言葉はあった。「目障り」と同類の言葉である。「耳障りな音」といふやうに使ふ。「手触り」といふ言葉はあった。「肌触り」とか「舌触り」とか。手触りはよかったり悪かったりするものだが、耳や目でものは触れないので、耳ざわりとか目ざわりにいいとか悪いはなかったのだ。そのうち、「目ざわりがいい姿」とかいふやうになるのだらうか。「耳ざわりがいい」といふ云ひ方を目にするたびに、耳に何かを擦り付けてゐるやうで気持ち悪い。鼓膜が擦れさうである。それこそ「耳障りな云ひ方」である。


3月29日(月)

 マーガニータ・ラスキ『ヴィクトリア朝の寝椅子』(横山茂雄訳/2000円+税/新人物往来社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。寝椅子に横になって眠ってしまって、目覚めたらヴィクトリア朝の時代に行ってしまったといふ話。何が起こったのか判らず戸惑ふ主人公。そこで、未来を知ってゐるといふことを利用して大儲けしようとしたり歴史を変へようと努力したりすると時間旅行SFなのだが、驚くべきことにこの物語では過去の世界で目覚めてから寝椅子から一歩も出ないまま終はってしまふのだ。結局夢だったのか現実なのか、主人公が与へられてゐる情報がどこまで本当なのか、周囲が何を隠してゐるのかもはっきりしない。過去に遡る前の主人公だって健康状態も子供の存在も不確かである。読者にとっても何もかも曖昧なまま主人公と一緒にひたすらもがくしかないのである。

 このシリーズ、この後はシルヴィア・T・ウォーナー、マックス・ビアボーム、パトリック・ハミルトン、エヴェリン・ウォーと続く。

 今日は一日Pythonで線形計画の解を求める方法を探して時間が潰れてしまった。


3月28日(日)

『C・S・ルイス自伝 喜びのおとずれ』(ちくま文庫)を半分くらいまで。どうも前に読んだことがあるやうな気がしてならない。

 今日も一日引越し荷物(本)の片づけ。やうやく目処が立ったやうな気がする。

 眠いので今日はこれで。


3月27日(土)

 紀伊國屋書店に本を註文。
●菊池誠『科学と神秘のあいだ』(1500円+税/双書 Zero)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●楡周平『衆愚の時代』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大塚英志『大学論 いかに教え、いかに学ぶか』(740円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大槻義彦 『子供は理系にせよ!』(700円+税/生活人新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●諒純也『「理系人間」との仕事術』(1200円+税/西東社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●渡辺由美子『ワタシの夫は理系クン』(1300円+税/NTT出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●毎日新聞科学環境部『迫るアジアどうする日本の研究者 理系白書3』(581円+税/講談社文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●よしたに『理系の人々』(952円+税/中経出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●酒井冬雪『理系のための恋愛論』(780円+税/マイコミ新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 4冊目以降は、日本で理系の人々とはどのやうにとらへられてゐるか、あるいは理系といふ立場はどのやうなものだと考へられてゐるかといふことに関する本。中にはくだらなさうな本もあるが、実はこれも仕事である。

 マイク・レズニック『スターシップ 〈2〉 海賊』(月岡小穂訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。軍隊の話はあまり面白くないなんて書いて悪かった。十分面白かった。何と途中から蒐書家SFとなったのだ。これは予想できなかった。主人公がどうやって苦境を乗り越えるかといふところは、賞金稼ぎたちの話と同様であるから、つまらない訳がない。次の巻からは、海賊もやめて傭兵になるさうだから、また面白くなるだらう。多分。


3月26日(金)

『理系バカと文系バカ』(PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。文系理系という枠は旧制高校でできたものと云ひ何でも分類したがる日本人といふ話をしておいても、そんな分類は意味がないといふ方向へは話は進まず、そういう区分けがあるといふ前提でそれぞれの特徴を紹介し、偏った文系人間・理系人間(それを著者は文系バカ、理系バカといふ)にならないやうにと警告し、それぞれの長所と短所を考察したうへで、どうしたら文理融合タイプの人間になれるかを考へてゐる。先日のオッサンの話ほど安っぽくはないが、一部似たやうな雰囲気の部分もある(第一章)。ちなみに、この本の指標に従へば、私はかなり強度の理系バカである。文系より理系の方が人間として上だとは信じてはゐないけど。私はさういふ理系・文系といふ分類こそ無意味だと信じてゐるのである。 この本の中で有名なスノーの講演の話が紹介されてゐたが、そこで「加速度を知ってゐるか」となってゐるのは、私は「熱力学第二法則」だと思ってゐた。スノーの著作で確認してゐないが、数々の紹介文で「熱力学第二法則(エントロピー)」と記されてゐると思ふのだが。それに、加速度では面白くも何ともないではないか。

 続いて、『文系?理系? 人生を豊かにするヒント』(ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。理系的な考へ方とは「筋道立てて物事を考へるといふこと」だとして、さういふ姿勢は誰もが生きていくうへで重要な意味を持つと云ってゐる。まったく同感である。理工系というくくりよりも、文理系と工経系といふやうに分けた方がいいのではないかとか、ことごとく同意できるのだけれども、結局、どちらかに偏らず両方のものの見方を身につけようといふ、当たり前の内容である。若い人向けの新書だから、まあ、かういふ内容になるのも仕方がないのかも知れない。
 本書でも、さきほどの『理系バカと文系バカ』でも、大気中の二酸化炭素濃度だけで地球が温暖化するはづがないといふ話題を挙げてゐるのは興味深い。

『理系クン』(文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐ読む。面白い。


3月25日(木)

 マイク・レズニック『スタ−シップ 〈2〉 海賊』(月岡小穂訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。まだ三分の一くらゐ。新書のやうには速く読めない。
 軍人が主人公の作品をレズニックが書くなんてと、最初はつまらなさうな予感を抱いてゐたのだが、宇宙軍で反乱を起こして海賊になったところから、レズニックらしくなってきた。これなら英語で読めばよかった。レズニックに軍隊はあまり似あわない。


3月24日(水)

 SFマガジン2010年5月号 [Amazon.co.jp, ] をいただきました。ありがたうございました。
 今号の特集は〈クトゥルー新世紀〉。チャイナ・ミエヴィル、ベンジャミン・アダムズ、F・グウィンプレイン・マッキンタイア、エリザベス・ベアの作品が収録されてゐる。クトゥルーは誰もが一度は通る道である。この特集で今一度クトゥルーを味はひたい。

 木全賢・松岡克政『マインドマップ デザイン思考の仕事術』(800円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読む。私にはまったく理解できない。どうしてマインドマップで思考の整理ができるのか。掲載されてゐるマインドマップを眺めてみても、さっぱり判らないし、実際に試しに書いてみたことがあるのだが頭の中は全然整理されなかったし、新しい着想もなかった。もちろん、それは私の能力の限界なのかも知れないが。どうも漫然と自分の気に入った綺麗なマインドマップを並べてゐるだけに感じられてならないのである。それを活用して効果があったといふ人たちのことを否定するつもりはないが、少なくとも私には理解できないのだ。

 富増章成『オッサンになる人、ならない人』(720円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。面白いのだけど、これは新書にする内容か。文庫で出せばいいのに。私には新書といふのはもうちょっと知的な内容であるべきだと思へてしまふのだが。日本に置けるオッサン観の変遷とか、社会の中でのオッサンの位置・立場・役割とか、今のオッサン世代が生きてきた時代との関係とか、そんな内容を期待してゐたのだった。本書では、凡そ50項目の「オッサン」の特徴が列挙されてゐて、それぞれについてどのやうな様子、見なり、行動なのかの解説と、心当たりのある読者への助言が費やされてゐる。50×4でおよそ200ページの本となってゐる訳だ。読んでみると、「いつも自分の立ち位置が正しいと思ってゐる」とか「すぐに行動できないし、行動したらやめられない」、「ダイエットできないし、する気もない」などは、今の若者の特徴と云はれても納得してしまひさうな項目である。もしかしたら、日本人全体がオッサン化しつつあるのだらうか。

 今日の新書二冊はちょっと期待外れだった。

 紀伊國屋書店から、マイク・レズニック『スタ−シップ 〈2〉 海賊』(月岡小穂訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[<Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、マーガニータ・ラスキ『ヴィクトリア朝の寝椅子』(横山茂雄訳/2000円+税/新人物往来社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、フィル・ベインズ『ペンギンブックスのデザイン1935−2005』(齋藤 慎子訳/2800円+税/ブルース・インターアクションズ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。ラスキは、塔の怖い話を書いたラスキである。はやく読みたいが、今日はもう明日読む本を選んで寝よう。


3月23日(火)

 島田裕巳『葬式は、要らない』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。葬儀がだんだん豪華になってきた経緯、時期、原因などを興味深く読んだ。気付いてはゐたけれど、葬儀が派手になってきた一番の原動力は「世間体」だと指摘されてゐる。世間体は厄介である。私は世間体なんてどうでも気にしないのだが、世間体を気にする人と一緒に暮らしてゐると調整の難しい事態に陥る危険もあるので、世間体を気にする人を気にしなければならないこともある。でも、葬儀は要らないと思ふ。家業を継ぐ人にとっては意味があるとは思ふが、私にとってはほとんど不要である。それでも、葬式は簡素化される方向へ進んできてゐることもこの本を読むとよく判る。私が死ぬ頃には葬式といふ習慣自体がなくなってくれればいいのにと思ふ。

 あ、今日はC・S・ルイスを読むはづだったのに、間違へてしまった。

 紀伊國屋書店から本が届く。竹内薫『理系バカと文系バカ』(720円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、志村史夫『文系?理系? 人生を豊かにするヒント』(780円+税/ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ヘミングウェイ『ヘミングウェイ短篇集』(西崎憲編訳/880円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、 木全賢・松岡克政『マインドマップ デザイン思考の仕事術』(800円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、富増章成『オッサンになる人、ならない人』(720円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、島田裕巳『葬式は、要らない』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、北村薫『自分だけの一冊 北村薫のアンソロジー教室』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、高世えり子『理系クン』(1000円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。今読んでゐる本が届くのは実に虚しい。

 Evernoteハンドブックのアップデートの知らせが届き、早速最新版をダウンロード。見開き表示しかなかったのが、単ページ表示になってゐる。追加分の項目が別ファイルになって付属してゐるので、どこが増えたのか判るのは嬉しい。まづそこから読みたいから。私が疑問だった「日本語対応」が何かやうやく判った。アプリケーションのメニュー等が日本語表示になったといふことらしい。確かに今は日本語になってゐる。前は日本語ぢゃなかったのかな。

 日経ネットが新しく日経電子版サイトに変はった。無料購読を申請して試してゐるところだが、慣れないせゐか読みにくい。読みにくいから有料購読に踏みきれるかどうか判らない。


3月22日(月)

 一日中引越し荷物(ほとんど本)の片づけ。机を組み立てたりもする。疲れる。

 何度も何度も本棚を買っては追加してきたが、それでも本棚が足りないと判明した。部屋の壁はもうほとんど書棚で埋め尽くされてゐる。残された道は「本を減らす」といふ方法以外には思ひつかない。書棚を見て回って、少し抜き出してみた。流刑地に送る不運なものを選ぶやうで一冊一冊に心の中で謝りながら抜き出していく。でも、そんなに抜き出せるものでもない。40冊くらゐだらうか。数日選んでみてから数へてみよう。

 明日から読む本を選ぶ。『C・S・ルイス自伝 喜びのおとずれ』(ちくま文庫)を四年前に買ったきり読んでゐないことを本日記で確認したので、これにしよう。訳あって、ルイスに詳しくならなくてはならないのだ。


3月21日(日)

 今日は(今日もか?)一日書棚を組み立て本を片づける。たうとう寝室の二つ目の壁も一面書棚になってしまった。書斎の向かひ合った机の背面とか、少しづつ本棚は増えていく。さうやってやうやく本の収納能力が本の数に追ひついてきたのである。多分。

 引越しで何年も姿を見てゐなかった本を目にするやうになる。かうやって文字を入力してゐるときに、ふと振り返って書棚をみたら、武田百合子『日日雑記』(中央公論社)が目に入り、手に取って少し読んでみる。つい読んでしまふ日記である。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●マイク・レズニック『スターシップ 〈2〉 海賊』(月岡小穂訳/840円+税/ハヤカワ文庫SF)[<Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●マーガニータ・ラスキ『ヴィクトリア朝の寝椅子』(横山茂雄訳/2000円+税/新人物往来社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●フィル・ベインズ『ペンギンブックスのデザイン1935−2005』(齋藤慎子訳/2800円+税/ブルース・インターアクションズ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上三冊。ラスキは、〈20世紀イギリス小説個性派セレクション〉の第一巻。面白さうな叢書である。ペンギンブックスのデザインの本は、原書を買へば少し安いことを知り、デザインを見るだけなら英語でもいいだらうと思ったのだが、何だか邦訳を知ってから安いからといって原書を買ふのは裏切りのやうな気がして、それはやめた。

 今日も疲れたので、これで。明日も片づけは続く。


3月20日(土)

 新城カズマ『15×24 link six』(619円+税/スーパーダッシュ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]やうやく読了。面白かったのだが、巻の間が開いてしまって話がよく判らなくなってしまった。一気に6冊読みたかった。

 今日は一日中引越し後の荷物の片づけ。本棚を組み立てたり、本棚を組み立てたり。

 サカタのタネ オンラインショップに註文したものが届き始める。土と巨大なプランターが届く。こんなに大きかったのか! 芋も作れるとかいてゐる理由が判った。

 ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王 新装版』(矢野徹訳/1200円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読まうかなと思ひ、ページを捲ってみる。

 電子書籍について少し試してみたことを報告しようかとも思ってゐたのだが、今日も疲れてしまった。明日はIKEAからまた書棚が届くので、疲れてしまひさうな予感。


3月19日(金)

 新城カズマ『15×24 link six』(619円+税/スーパーダッシュ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始めるが、終はらなかった。本を読むのが遅すぎる。もっと速く読まなければ。もっと速く。

 電子書籍を買ってみた。
○Jonathan Strahan The Best SF and Fantasy of the Year Vol. 4 (Night Shade Books, 2010) [Night Shade Books, Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Ellen Datlow Tails of Wonder and Imagination (Night Shade Books, 2010) [NIght Shade Books, Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
以上2冊である。両方ともNight Shade Booksから出てゐる。収録作品はそれぞれのNight Shade Booksへのリンクを辿ってみれば判る。iPod Touch用にStanzaをダウンロードしてみたり。ちなみに二冊とも6ドルである。今日はもう遅くなってしまったので、また明日。


3月18日(木)

 園芸用品を買ふ。サカタのタネ オンラインショップで、朝顔の種3種、サンパチェンス2種、トマト2種、プランター、用土など。新しい住まひには新しい朝顔が必要である。といっても今年は新種が出てゐないので、従来からある曜白と桔梗咲を買ってみた。朝顔一筋だった私だが、今年はサンパチェンスなど試してみることにした。実用的なことが嫌ひなので、野菜を育てるなどもってのほかと思ってゐた。得にも損にもならない朝顔を育て花を咲かせることに意味がある、いや意味などないからこそいいのだと思っていた。何にでも意味や目的や教訓や利益を見出さうとする姿勢は嫌ひなのだ。しかし、生きていくためには野菜も育てなくてはと思ふやうになったのは、歳を取ったからだらうか。さらに、用具や土、肥料などを置くところも必要だと思ひ、「ねっとんや」にドームボックス ビッグ 大容量160Lといふのを註文してみた。送料込みで4830円。

 朝顔を育てても本は読めない。紀伊國屋書店に新書を中心に註文。
●竹内薫『理系バカと文系バカ』(720円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●志村史夫『文系?理系? 人生を豊かにするヒント』(780円+税/ちくまプリマー新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ヘミングウェイ『ヘミングウェイ短篇集』(西崎憲編訳/880円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
● 木全賢・松岡克政『マインドマップ デザイン思考の仕事術』(800円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●富増章成『オッサンになる人、ならない人』(720円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●島田裕巳『葬式は、要らない』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●北村薫『自分だけの一冊 北村薫のアンソロジー教室』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●高世えり子『理系クン』(1000円+税/文藝春秋)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
ちょっと理系と文系に関することを話題にしてゐる本を買ふ必要があって、三冊がその関連本。マインドマップといふのは前からどうも気に入らなかったから、どんなものかと思って。どんなものか全然知らない訳でもないし、試しに使ってみようとしたことがない訳でもないのだが。オッサンと葬式の本は、単なる興味本位で。アンソロジー教室と銘打たれてゐる本は二月ほど前に出たのを見逃してゐたもの。これは本当に自分だけの一冊を作るといふ内容なのだらうか。普通の人は一生に一回もアンソロジーなんかにならないと思ふのだが。読んでみれば判るか。

 ああっ、『葬式は、要らない』は今月5日に註文したばかりぢゃないか! なんてことをしてしまったんだ。しかし、どこにあるのだらう。書棚で見かけないのだが。

 福岡に送られてゐて読むのが遅れた新城カズマ『15×24 link five』(571円+税/スーパーダッシュ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。前の巻のことをよく覚えてゐないので、話についていくのが大変である。この巻の結末でちょっと意外な方向へと話が展開しさうな感じになる。明日は最終巻である。

 Kindle for Macintoshがやうやく出た。早速ダウンロードしてみたが、今のところKIndle版を読みたいものが見つけられないので、まだ書籍をダウンロードしてゐない。ペーパーバックの方が安いとKindle版を註文する気にならないからである。が、Try it freeといふ表示を見つけ、サンプルをダウンロードしてみた。いつの間にか「Deliver to: Yoshio's Kindle for Mac」といふ註文ボタンが表示されてゐるのだ。こいつをクリックするだけである。Kindle for Macで開いてみると、なかなか読みやすそうな画面である。でも、今のところ欲しい本がないのだ。


3月17日(水)

 友野伸一郎『対決! 大学の教育力』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読む。大学における教養とは何かを考へさせられる。表題が安っぽいが、中身はまともである。別に対決なんかしてゐないのだ。

 紀伊國屋書店から、Harry Lee Poe The Inklings of Oxford: C. S. Lewis, J. R. R. Tolkien, and Their Friends (Zondervan, 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]とDonald T. Williams Mere Humanity: G.K. Chesterton, C.S. Lewis, and J. R. R. Tolkien on the Human Condition (B&H Books, 2006) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。The Inklings of Oxford: C. S. Lewis, J. R. R. Tolkien, and Their Friendsは美しい写真がふんだんに載ってゐる本。ルイスやトールキンが活動した場所と、その周辺の人たちに纏る内容。なかなかInklings気分が高まるではないか。買ってよかった。

 Drupalに不意に関心を抱き、Bill Fitzgerald Drupal for Education and E-Learning (Packt Publishing, 2008) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]を、SafariOnlineBooksを利用して読みながら、インストールしてみたりする。まだ、よく判らない。


3月16日(火)

 サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』(木村榮一訳/2200円+税/ヴィレッジブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。本が好きな人だったら、楽しまずに読み終へることはないだらう。謎の作家を探しに、田舎町に出かけていく編集者が出会った人たちとの物語と、マドリードの麻薬中毒者の話が、トマス・マウド作の『螺旋』によって緩やかに結びつけられてゐる。この本を読むと、誰でもさうであらうが、トマス・マウドの『螺旋』を読みたくなってくる。大長篇で、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞を受賞したといふ傑作SFなのだから。パハーレスの『螺旋』は、SFではない。

 iPadはepub形式の電子書籍に対応するといふので(iPadは読み上げ機能搭載、EPUB形式に対応[Wired Vision])、どういう形式なのか、他の形式との変換はどこまで可能なのかをちょっと調べてみた。「EPUBのオーサリングツールや変換ツールを検討する(海上忍)」を読むと、「本質的に、 EPUBの内容物はプレインテキストです。」と書いてあるからエディタの類でとりあへずは開けるかと思ったら、試してみた手近のファイルは開かなかった。でも、拡張子をzipに変へてから展開したら同名のフォルダができて、中に(x)htmlファイルやメタデータファイルが入ってゐるので、それらをテキストファイルとして読めるのである。さて、電子図書を読む場合だが、もしiPadを買ったとしたらそれで読めると同時に、私が普段使ってゐるUbuntuや MacOSXでも読めないとちょっと困る。同記事で紹介されてゐるCalibreなら、LinuxでもMacOSXでも(私には関係ないけどWindowsでも)使へるといふ。電子書籍の閲覧・管理のほか、さまざまなファイル形式に対応した変換機能を活用できる。変換はウィンドウを開いてファイルを選んでプルダウンメニューで形式を選んで……といふやうにしてもできるのだが、コマンドラインでの操作もできるところが素晴らしい。ebook-convert input_file output_file [options]といったやうな感じで実行すればいいやうだ。MacOSXの場合は、Preferences->Advancedを選んで、Install command line toolsといふのを押すと、/usr/binにインストールされる。
 電子書籍はファイル形式がたくさんあって、どれが何でどう読めるのかよく判らず、pdf以外の電子書籍を購入するのを躊躇ってゐたのだが、これからはもう少し前向きに電子書籍について考へてみたい。

 ちなみに私が今まで主にpdf版電子書籍を購入してゐたのは、Fictionwiseである。ここなら一度買った本は何度でもさまざまな形式のファイルでダウンロードできる(もちろん、対応してゐる範囲内だが)ので、定期購読してゐるThe Magazine of Fantasy and Science Fictionをepub形式でダウンロードしてUbuntuでCalibreで開いてみた。読めた。当たり前だけど。作品の区切りなどが判りづらかったが、それはまだ使ひ方がよく判ってゐないからかも知れない。WebScriptionでも、無料版をダウンロードしてみたりする。読めた。当たり前だけど。書棚の確保に日々苦労してゐるので、これからは極力電子書籍を購入していきたい(と何年も前から云ってはゐるのだが)。

 eBEST楽天市場店にCG-SW05GTPLXB 5ポート Giga スイッチングハブを註文する。ハブもGigaにしようと思ったのだが、Amazon.co.jpに註文すればよかった。値段が1000円近く安い。この頃疲れてゐるのか。しばらく前はこんな失敗はしなかったのに。


3月15日(月)

 サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』(木村榮一訳/2200円+税/ヴィレッジブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み進める。残り100ページ。今のところ実に面白い。

 紀伊國屋書店から本が届く。ラドヤード・キプリング『少年キム』(斎藤兆史訳/1300円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王 新装版』(矢野徹訳/1200円+税/ハヤカワ文庫SF)ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王 新装版』(矢野徹訳/1200円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、友野伸一郎『対決! 大学の教育力』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、ピーター・W・アトキンス『エントロピーと秩序』(米沢富美子・森弘之訳/3495円+税/日経サイエンス社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、カラーユニバーサルデザイン機構『カラーユニバーサルデザイン』(3800円+税/ハート出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。『エントロピーと秩序』の最初の方を少し覗いてみる。数式を極力使はずに熱力学の法則を説明しようといふのは無茶だと思ふが、読んでみるとなるほどと納得できる説明である。一年前に買っておくべきだった本。

 アメリカのSF情報誌の三月号が届く。今日はもう読む時間がないので、明日にでも目を通しておかう。

 本棚が足りない。絶望的なまでに足りない。仕方がないので本棚を註文する。昨日はちょっと高い収納庫を註文してしまったので、今日は控へめにしたいと思ひ、本棚.comで物色する。まづは、スライド書棚 スリッパー 1200タイプ〔2個セット〕である。高さが92 cmしかないのは、壁面用ではないからである。机の背面に置かうと考へたのだ。向かひ合った二つの机のそれぞれの背面に向かひ合はせに置くのである。二つの机の端を橋渡しするやうな感じで細い机が置いてあって、そこにプリンターや電話機がある。その背面には「多目的ラック(二個組)を置く。コの字型の配置になるのだが、この説明ではよく判らないだらう。コの字型の内側に書棚の面、外側が机といふ具合である。この書棚を天井までのコの字にして、太い柱の内部が書棚になってゐるやうにしてみようかと最初は考へたのだが、そこまで冒険する勇気はなかった。実はこのスライド書棚を註文するときに間違へてしまひ、奥行きの浅いものを註文してしまったのである。奥行きは浅い方がいいのだが、さうすると幅が90cmになってしまふのだ。これに気づいてゐなかった。慌てて註文後に変更を頼むメールを出す。結局、一回キャンセルして、再度註文手続をしなければならなくなった。配送が一日遅れてしまったといふことか。まあ、一刻を争ふやうな買ひ物ではないが。


3月14日(日)

 本を読む暇もなく、昨日今日は引越し荷物の本の箱を開ける。昨日組み立てた本棚はたちまち一杯になってしまい。床に本が溢れ続ける溢れ続けても箱を開け、とにかく箱を片づける。やうやく、箱を開け終はり、部屋の天井まで潰した段ボール箱が積み上げられてゐる。しかし、本は床に溢れたままである。

 このままではいけない。本棚を買はなければ。書棚を置けさうな壁を探すが、もうそんなに残ってゐない。窓の下の壁、高さ80cm、幅3mに目をつける。ちょうどいい書棚があるだらうか。オンラインショップを数時間彷徨った末に、スクエアキャビネット 2段扉 にしてみた。これを四つ。十万円か! 厳しい、あまりにも厳しい。妻の机を引越し業者に壊されてしまったので、代わりの机を註文することにした。前の机が16000円くらゐだったが、今回のはおよそ1万円も高価な、幅セミオーダーデスク3点セット 幅180cmである。今、私が使ってゐるのとほとんど同じ感じの机である。幅180cm、奥行き80cmなのでかなり広い。書棚と机は広い方が嬉しい。

 来週はまたIKEAに処断を買ひに行かう。書棚を置ける壁がまだ若干残ってゐる。しかし、書棚の扉が品切れのまま一向に再入荷する気配がない。困るではないか。


3月13日(土)

 サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』(木村榮一訳/2200円+税/ヴィレッジブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を三分の二くらゐまで読み進める。ちょっと長い。

 今日は、東京堂書店で山尾悠子サイン会。私はさういふところは怖くて行けないので、家で『歪み真珠』を収納する本棚を組み立てる。出張中にIKEAから届いてゐた本棚である。幅40cmのものが4、幅80cmのものが1、高さは共通で202cmである。これだけあれば、『歪み真珠』を数百冊は収納できる。そんなに買はないけど。


3月12日(金)

 フィリップ・リーヴ『氷上都市の秘宝』について、第5巻へ続くなんて書いてゐたが、これは第3巻だから第4巻へと続くのだった。さらに、訳書をいただいたと記したときに、なんと「安野玲」なんて呼び捨てにしてゐました。慌ててこっそり修正しておいたけれども、もう遅かったような気がします。安野玲さんは怒ってゐるでせうか。お許しください。
 眠気で意識が朦朧としてゐるときにコピー&ペーストをしてゐるとうっかりしてしまふことがある。この頃多いやうな気がするが、もっと寝ればいいのだらうか。いや、眠くて気を失ひさうなときに書かなければならないほどのものでもないのだけど。

 紀伊國屋書店に本を註文しようと思ったら、いつの間にかKinokuniya Pointなんてものが表示されてゐるのに気がついた。2月22日から始まってゐたのか。
●ラドヤード・キプリング『少年キム』(斎藤兆史訳/1300円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王 新装版』(矢野徹訳/1200円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●友野伸一郎『対決! 大学の教育力』(740円+税/朝日新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●ピーター・W・アトキンス『エントロピーと秩序』(米沢富美子・森弘之訳/3495円+税/日経サイエンス社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●カラーユニバーサルデザイン機構『カラーユニバーサルデザイン』(3800円+税/ハート出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]

 ああ、西崎憲編訳ヘミングウェイ短篇集(ちくま文庫)を買ひ忘れた。次回の註文時に忘れないやうにしなければ。

 Amazon.co.jpに本を註文。
○Paolo Bacigalupi The Windup Girl (Nightshade Book, 2009)[Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
私がこんなものを買ってどうするのかといふ気もするが、これを買へと過去の私が指示するので。一緒に、ELECOM プリンタクリーニングシート(両面タイプ) CK-PR1Wも。プリンターとかスキャナの紙送りローラーがきれいになるのなら買ってみたいと思って。紙送りって実に難しい装置だと思ふのである。あんな紙を一枚一枚拾って送らなくてはならないのだ。人間が手でやるときだって、間違へて二枚とってしまったり、とり損ねたりする。紙送りができなくなったスキャナ/ファックス/プリンタ複合機ほど使へない装置はない。どれほど効果があるかは判らないので、試しに。もっとも、今我が家のスキャナーやプリンターが調子悪いといふわけではない。悪くなったときのために備へておくのである。そのときに、どこに置いたか判らなくならないやうに気をつけなくてはならないが。

 紀伊國屋書店からJacqueline Carey Kushiel's Chosen (Tor) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。輸送中に事故に遭ったといはれた本である。この本は特に事故に遭ったやうな姿ではないが、どういふことだったのだらう。事故に遭った本は死んでしまって、これは二回目に送り出されてきた本だらうか。それとも、この表紙絵の刺青に失敗してゐるのかと思ってまじまじと見つめてしまった。

 今日は、『歪み真珠』刊行記念の山尾悠子サイン会の日。紀伊國屋書店新宿本店で。明日は、東京堂書店神田本店で。私はサイン会なんて怖くて行けないので、家で『歪み真珠』を読む。


3月11日(木)

 フィリップ・リーヴ『氷上都市の秘宝』(安野玲訳/1200円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]読了。結末はちょっと意外な、少し悲しい方法へ。全体的には3巻までと同様に映像的な場面展開で頭の中で映画(アニメ)を観ているようで読みやすい。話は第4巻へと続くので、主人公は救出されるとはいえ、 本書ではほとんど何も決着はつかない感じである。

 サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』(木村榮一訳/2200円+税/ヴィレッジブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み始める。世紀の傑作SF長篇『螺旋』を書いた謎の作家を訪ねる話。まだ190ページ。今のところ面白い。本が好きだとかういふ話には甘くなってしまふのかも知れないが。

 出張から帰ってきてIKEAから届いた荷物を確認したら、間違ってゐたのは私だった。白い書棚は全部白で、黒だったのはDVDタワーといふやつだった。私が取り間違へて黒を持ってきてしまっただけだった。疑って悪かった、IKEA。

 古い住所に送られてゐた新城カズマ『15×24 link five』(571円+税/スーパーダッシュ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、『15×24 link six』(619円+税/スーパーダッシュ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が引越し荷物とともに届いた。四巻までの話を忘れかけてゐる。急いで読まなければ。

 福岡からの引越し荷物が届いたのである。部屋はますます渾沌とした状態になってゐる。


3月10日(水)

 フィリップ・リーヴ『氷上都市の秘宝』(安野玲訳/1200円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を読み進める。まだ半分くらゐ。前の話を思ひ出すのにちょっと時間がかかってゐる。

 出張中だが、日曜日にIKEAで買った書棚が届いてゐて、それを開けてみたら白の筈が黒が入ってゐたといふ連絡が娘から来た。自分で会計に運んでいった品物のバーコードを読み取って作った送り状には「白」と記されてゐるから、商品棚に置く前の梱包自体が間違ってゐたに違ひない。いくつ間違ってゐたのかは判らない。交換を依頼したりしてゐたら、引越し荷物の本の片付け計画が大幅に遅れてしまふ。本棚が! ああ、本棚が!


3月9日(火)

 朝は某路線検索サイトの結果に従って電車に乗ったのだが、品川駅で20分以上も新幹線を待つことになってしまった。寒いので本も読めない。のぞみが発車して早速本を読み始める。

 結局、荷物が重くなるのに、文庫本二冊とハードカバー一冊を持って出かけた。二時間ほどで、エリック・ガルシア『レポメン』(土屋晃訳/781円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を新幹線の中で読み終へる。全編を覆ふ暗い雰囲気のせゐでなかなか進まなかったのかも知れない(なにしろ人工臓器を滞納者から回収し続けるのだから)が、やうやく終はる。このまま暗い結末になったらどうしようかと心配しながら読んでゐたのだが、最後は結構鮮やかに終結した。詳しく書くと怒る人もゐるかも知れないのでやめておくが。

 早めにホテルに戻って、また本を読んで寝よう。


3月8日(月)

 フィリップ・リーヴ『氷上都市の秘宝』(安野玲訳/1200円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店]を訳者の安野玲さんからいただきました。ありがたうございました。

 紀伊國屋書店から、小川正人『教育改革のゆくえ 』(740円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、山口謠司『ん』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、島田裕巳『葬式は、要らない』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、日下三蔵編『日本SF全集 2』(2500円+税/芸術出版社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』(木村榮一訳/2200円+税/ヴィレッジブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、港千尋『書物の変 グーグルベルグの時代』(2400円+税/せりか書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、ピーター・シリングスバーグ『グーテンベルクからグーグルへ』(明星聖子・大久保譲・神崎 正英訳/3200円+税/慶應義塾大学出版会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ゲルト・ギーゲレンツァー『リスク・リテラシーが身につく統計的思考法』(吉田利子訳/860円+税/ハヤカワ文庫 NF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届く。明日から出張なので、どれを持っていかうか悩む。

 出張は大阪まで、二泊三日。新幹線で片道二時間半だから、往復五時間の読書時間がある。眠らなければだけど。鉄道の振動は眠気を誘ふので、あまり本が読めなかったりするのだ。しかし、本を読み終へてしまって退屈のあまり発狂しさうになるのも怖い。読むのに時間のかかる英語の本を持っていくといふ手もあるが、長距離の移動はあまり英語の読書に向かないのだ。なぜか私にとっては。慣れない土地に移動するときは、普段よりも多少は周囲に気を配ってゐたいから、集中力が弱まるせゐかも。読みやすい新書を持っていくと一日に3冊くらゐ読んでしまったりするが、本当は知らない土地を移動するやうな精神状態では新書くらゐがちゃうどいい。ハードカバーは重い。冬には文庫本ならコートのポケットに入れておけるかも。気がつくと、何時間も考へてゐたりするのである……といふのは流石に嘘だ。何時間はない。といふわけで、持っていく本のことばかり考へてゐて、他の準備が遅れてしまったりするのである。


3月7日(日)

 旧住所に送られてゐた、スーザン・プライス『500年の恋人』(金原瑞人・中村浩美訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]とSFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2010年版』(700円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を受け取る。『500年の恋人』は二冊になってしまった。でも『500年のトンネル』が見つからないから、まだ一冊も読めない。まあ、二冊持ってゐるからといって二冊読むってこともない訳だけど。

 IKEAで書棚と椅子を170 kgほど購入。届くのは火曜日。これで、なんとか本を収めたい。そろそろ片づけないと何も仕事ができないから。

 頭痛につき、今日はこれで。


3月6日(土)

 エリック・ガルシア『レポメン』(土屋晃訳/781円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み続ける。思ひのほか進まない。

 昨夜もそうだったのだけど、この日記を書きながら眠ってしまふことがある。書きながら、ふっと意識が消えるのだが、意識が戻ったときには、意味不明な文章が記されてゐる。ここに少し再現してみようかと思ったけれど、意識して書かうとすると難しい。とにかく、一行くらゐ一応日本語らしい単語が並んでゐるのだが、意味はよく判らないのである。ごく稀に、それが数行に及び、うっかり公開してしまふこともある。翌朝慌てて修正することになる。そんなわけで、私はこの日記を結構頻繁に読み返してゐるのだ。無意識の自分が書いた文字列を修正するために。

 昨日の続き。状況を考へ、そろそろインクリングス気分を盛り上げなくてはならないと思ひ、紀伊國屋書店に本を註文。
○Harry Lee Poe The Inklings of Oxford: C. S. Lewis, J. R. R. Tolkien, and Their Friends (Zondervan, 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
○Donald T. Williams Mere Humanity: G.K. Chesterton, C.S. Lewis, and J. R. R. Tolkien on the Human Condition (B&H Books, 2006) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
 一冊目は、James Ray Venemanといふ写真家が撮影した写真がふんだんに収録されてゐるらしい。二冊目の方はよく判らない。買ってみろと数週間前の私が残したメモに記してあったのだ。十日も経ったらもはや他人である。一体、何を考へてゐたのか。

 ランダムハウス講談社から手紙が来た。すでに報じられてゐるやうに、ランダムハウス社と講談社との資本提携関係が解消されてしまったので、当然社名も変更といふことになる。4月1日から、武田ランダムハウスジャパンになるのだといふ。そして、ランダムハウス講談社文庫は、4月から「RHブックス・プラス」になる。何だか、血液型みたいな名前だ。

 Amazon Web Servicesの支払い明細がメールで送られてきた。今月は、58.36ドル。今なら5300円くらゐか。もう自宅サーバを使はなくても、これでいいんぢゃないかと思ってしまふ。でも、自宅でサーバを管理するといふ能力を諦めてしまふのもちょっと惜しい。引越し荷物が片づいたら、立ち上げてみようか。いつ荷物が片づくかよく判らないのだが。


3月5日(金)

 エリック・ガルシア『レポメン』(土屋晃訳/781円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。昨年十月に邦訳が出たわけだが、2009年度Philip K. Dick Award Nomineesに入ってゐたので、読んでみることにした。人工臓器が高度に発達した社会を舞台としてゐる。高度に発達してもそれなりに高価なので、分割払ひで購入することになって、やがて支払ひが滞り、差し押さへといふ事態になってしまふ。主人公は、滞納が続いた客から臓器を回収する仕事に就いてゐる。が、ある日、自分の会社から追はれる身分になってしまふのだ。
 これまでよくある臓器話と云へば、臓器売買の話とか、クローンを臓器用に育てる話とか、そんな話が多いと思ふのだが、人工臓器は珍しい(と思ふ)。でも、まだ100ページ。

 新書が読みたくなり、紀伊國屋書店に本を註文。
●小川正人『教育改革のゆくえ 』(740円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●山口謠司『ん』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●島田裕巳『葬式は、要らない』(740円+税/幻冬舎新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店
●日下三蔵編『日本SF全集 2』(2500円+税/芸術出版社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
以上四冊。『ん』は、「ん」が書名である。だからと云って、「ん」で検索してもなにも有効な結果は得られない。著者名などで検索しなければならない。平仮名一文字では検索できないのだ。

 眠くてもう言葉を入力することさへできない。続きは明日。


3月4日(木)

 紀伊國屋書店から「ご注文商品に関するご連絡」といふメールが。何かと思ったら、なんと「申し訳ございませんが、輸送中の事故で遅れております。もう暫くお待ちください。」といふ。どういふことなんだ「事故」って。本専門の盗賊に襲はれてしまったのか、輸送中の車両が事故を起こして爆発炎上とか。あるいは、事故を起こした車の扉が開いてしまひ、一斉に荷台の本が逃げ出してしまったとか。しかし、「もう暫くお待ちください」といふことは本は失はれてはゐないのか。輸送中に病気になってしまって入院中とか。輸送中に知り合った別の本と意気投合し二人で逃亡してしまったとか。心配で仕事が手につかない。

 事故を起こしてゐない本は届く。James P. Blaylock The Shadow on the Doorstep (ISFIC Press, 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が紀伊國屋書店から。短編集。知ってゐるものが多く、翻訳のあるものも少なくない。

 イアン・サンソム『蔵書まるごと消失事件』(玉木亨訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天]を読む。北アイルランドの田舎町で図書館を廃止する決議がなされ、その直後に何もしらずに司書の仕事をしにやってきた青年が、閉鎖された図書館にあるはづの15000冊に及ぶ本を、盗んだか隠したかした犯人を突き止めようとする話である。本ばかり読んでゐて、世間のことに疎い主人公が引き起こす騒動を面白く描いた物語である。結末は、こいつが犯人! といって深刻な真相が明らかになったりすることもなく、ほのぼのとしたいい話となってゐる。特別感銘を受ける話でもないし、驚異のトリックで本を隠した訳でもない。それでも読書好きには魅力的な本であることには間違ひない。ぜひ続きも読みたい。


3月3日(水)

 デイヴィッド・ウェーバー『オペレーション・アーク3』(矢口悟訳/880円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。原書ではこれで第一巻が終了。この巻は、技術革新を進めようと(誘導されてゐる)チャリス海軍と、それを叩き潰そうとする教会側の連合艦隊との海戦にページが費やされてゐる。話の発端を忘れてゐたら、中世風異世界を舞台にしたただの海戦小説である。ここから人類を再び宇宙に再進出させるまで描いていくさうだから、先は長い。

  紀伊國屋書店に本を註文。
●サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』(木村榮一訳/2200円+税/ヴィレッジブックス)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
● 港千尋『書物の変 グーグルベルグの時代』(2400円+税/せりか書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●ピーター・シリングスバーグ『グーテンベルクからグーグルへ』(明星聖子・大久保譲・神崎 正英訳/3200円+税/慶應義塾大学出版会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ゲルト・ギーゲレンツァー『リスク・リテラシーが身につく統計的思考法』(吉田利子訳/860円+税/ハヤカワ文庫 NF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
以上四冊。四冊でも9000円になってしまった。書物に関する本が二冊。最後のは、騙されないために読む本。

 紀伊國屋書店から、Gordon Van Gelder, ed. The Very Best of Fantasy & Science Fiction : Sixtieth Anniversary Anthology (Tachyon, Sept 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]とMike Resnick Stalking the Dragon: A Fable of Tonight (Pyr, August 2009) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。また、読みもしないアンソロジーを買ってしまって。表紙は綺麗だけど。レズニックは、表紙が面白くなささう。さういへば、Stalking the Vampireといふのも出てゐたんだった。そんなの買ったかなあと思って、この日記を検索したら、2008年の8月に購入してゐた。この日記のおかげで同じ本を何度も買はなくて済んでゐるのだ。それだけでも、この日記を書いてゐる価値は大きい。いや、そんなことより、Stalking the Vampireから読むかどうかを決めなければ。

 本とは関係ない話。娘がヘアドライヤーが欲しいといふので探してみたのだが、驚くべきことにマイナスイオン(あるいはそれに類する怪しいイオン)を発生させると謳ってゐないドライヤーがほとんどないのである。Wikipediaでも何でもいいのだが、ちょっと読めばその胡散臭さは一目瞭然なのに、どうしていまだに怪しげなイオン発生家電が売れ続けてゐるのだらうか。ニセ科学関係の本でもたいてい最初にマイナスイオンの話が出てくる。皆ニセ科学のことを知らないのか、皆インターネットで調べものをしないのか、みんな字がよく読めないのか、あるいは自分のマイナスイオンは特別だと思ってゐるのか、ただ莫迦なだけなのか。いろいろ探してみると、旅行用の小さくて軽くてちゃちですぐ壊れさうな安いもの(千円くらゐ)か、何だか高級さうで一万円以上の商品にマイナスイオン・フリーのドライヤーが多いやうだ。しっかりした造りで強い力で怪しいイオンの入ってゐない温風のみを吹き出す手ごろな価格のドライヤーはないのか! とやうやく見つけたのが、Nobby ヘアドライヤー NB1902である。ここもマイナスイオン付きのドライヤーも売ってゐるのだが、幸ひなことに、変なものをださないスタンダードタイプといふやつを売ってゐるのだ。ああ、よかった。多分たいしたものは出してゐないだらうに、マイナスイオンタイプになるとこれの価格が1.5倍になるのだから、驚いてしまふ。何か発生させようとしてオゾンでも出てゐたら健康に悪さうだ。温風のみなら躰に悪いところはなくて、しかも安い。
「マイナスイオンフリー」を堂々と謳ふ家電製品が販売されてもよささうなのに。あったら、私は迷はずそれを買ふけどね。

 今回、Amazonプライムの一ヶ月無料体験といふのを登録して利用してみたのだけど、「当日お急ぎ便」で今日中に届くのかと思ったら、明日だった。さっき、今日届くって表示してゐなかったかなと思ったのだが、今となってはもう判らない。明日なら勤務先で受け取ればよかった。自宅だと受け取り損ねて結局三日後辺りに受け取ることになりさう。全然「お急ぎ便」にならない。つまらないなと思って、Amazonプライムの自動申し込み設定を解除してしまった。KindleをAmazonプライム会員に配ってくれるのなら、会員になってもいいけど。

 ずっと前にちょっと試したまま放置してゐたウェブデスクトップG.ho.stから、サービス継続断念のお知らせが来た。いつの間にか内容もオンラインストレージのやうになってゐて、AWSを利用したものになってゐた。私も忘れてしまってゐたくらゐだから、そんなに画期的なものでもなかった。残念ながら。


3月2日(火)

 今日は、『Evernoteハンドブック』といふ電子書籍をダウンロードした。こちらは昨日の話とは違って有料である。980円。500円くらゐならもっと嬉しかったのだけど。改訂されるたびに、無料で新版を入手できることにはなってゐるが。購入方法は、PayPalで支払ひ手続きをすると、ダウンロードサイトのURLがメールで送られてくるので、そこからPDFファイルをダウンロードするといふ仕組みである。普通のPDFファイルで、コピー&ペーストや印刷の制限もない。100ページで980円は高くないか。

 内容は、最初は初歩的なアプリケーションの使用法、後半がいろいろな場面での応用法である。前半はつまらなく、後半は興味深かった。

 ところで、5ページに「Evernote は2009 年に日本語クライアントの整備が進み、画像の文字認識機能も日本語に対応するようになりました。」と書いてあるのだけど、さういふニュースを読んだ後に試してみたら日本語の文字は認識されてゐなかったやうな気がするのだが。一方、40ページでは、「日本語の文字認識は2010 年にサポートされることが発表されています。」となってゐる。どっちなんた!

 ScanSnapから直接情報を取り込めることとか、SpotlightやGoogle Desktop SearchでもEvernoteの情報を検索できるとは知らなかった。Twitterから自動的に取り込むこともできるのか。Ubuntuでは?

 山尾悠子『歪み真珠』(2800円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく手に取ってみる。美しい。これは美しい。もう一冊買ってから読むことにしようかな。

 今はなぜかデイヴィッド・ウェーバー『オペレーション・アーク3』 (矢口悟訳/880円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店]を読んでゐる。いつの間にか、どうして主人公がこの世界にゐるのか忘れかかってゐた。長い話は苦手である。


3月1日(月)

 電子書籍のニュースがない日はない今日この頃だが、ここ数日は書籍の無料配信の話題がいくつかあった。一つは、今日から書籍発売日まで無料で閲覧できるやうになった角川歴彦『クラウド時代と<クール革命>』(角革oneテーマ21)である。WebKADOKAWAのサイトで閲覧できる。ダウンロードや印刷はできない。スクリーンショットを撮るなという警告が出る。内容は、現在のコンピュータ/ネットワーク世界の状況を概説し、アメリカの技術に支配されてゐることに警鐘を鳴らす。日本の技術の「ガラパゴス化」は好ましくないが、文化の「ガラパゴス化」は一向に構はないのではないかといふ。新しい技術を使って日本文化から「クール革命」を起こせといふ。アメリカの情報植民地になりかかってゐる現状を打破するために、国家プロジェクトとして日本独自のクラウド構築を提言する。著者はそれを「東雲(しののめ)」プロジェクトと名づけてゐる。このアメリカ支配に対する警告は先月幻冬舎新書から刊行された岸博幸『ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化』でも強く訴へられてゐたことである。前にも書いたが、国家プロジェクトはさういふことを企画・実行する人々に任せるが、私はその成果を待ってゐられないので、アメリカ製のさまざまなクラウド技術をこれからも日々使ひ続けるだらう。書いてゐることにさほど目新しいところは感じられず、感銘は受けなかった。
もっと気前がいいのが文春新書である。J-CASTニュースで「文春が「常識破りの冒険」 ネットで新書「無料公開」」と報じてゐる。岩瀬大輔『生命保険のカラクリ』(文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]は昨年10月に刊行された本で、現在書店の店頭に並んでゐるのであるが、それが無料でPDF版をダウンロードできるのである(4月15日まで)。ダウンロードして、保存して、しかも印刷もできる。なんと気前がいいんだ!内容は、ライフネット生命といふ新しい生命保険会社を興した岩瀬大輔氏が日本の生命保険業界の現状と生命保険の仕組みを解説してゐるもの。確かに、生命保険の説明を聞いても、さまざまなオプション契約が複雑に組み合はされてゐて、何度聞いてもよく判らないことが多い。私は定期付終身保険の意味がやうやく正確に判った(と思ふ)。医療保険に関する考へ方はそんなに間違ってゐなかったやうな気がするし、保障と貯蓄は分けて考へるといふ方針は強ち間違ってはゐなかったやうだが、改めて自分が契約してゐる生命保険について考へなほしてみようかと思ふのである。

 さて、無料で新書を二冊読んでしまったわけだけど、改めてこの書籍版を買ふかといふと、私は多分買はない。上記二冊のうち、前者は日々変化の激しいネット界の話なので書籍版を最初から買ってゐても、すぐに売ってしまふかも知れない。後者は、特に保険の契約を更新しようとしてゐる時期だったら書籍版も購入してじっくり検討したかも知れないが、今はそこまで必要ない。次回、保険契約の更新時期にはもう内容が古びてしまってゐるかも知れないから、家の書棚に常備しておく必然性も強くは感じられない。

 新書はどうしてもさっと読んでしまひたいものだから、一度読みをへたものを改めて買って保存するといふことはあまり多くないやうに思ふ。ただ、かういふふうに電子版でも読みにくくはありませんよと、読書体験を増やして電子版の販売増に繋げたいといふなら有効かも知れない。私は新書の場合だったら、安い電子版があったらそちらを買ひたい。が、閲覧できるOSやアプリケーションに制限があったり、テキストのコピーができないとか別のパソコンに移せないなどの条件があると、躊躇ってしまふ。今までにも買ってもOSの新規インストールのときになくしてしまったこともある。そんなわけで、普通のPDFでファイルのバックアップが簡単にできるものでないと買ふ気になれないのである。

 紀伊國屋書店から、本が届く。大森望編『不思議の扉』(514円+税/角川文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、イアン・サンソム『蔵書まるごと消失事件』(玉木亨訳/1200円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天]、山尾悠子『歪み真珠』(2800円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]の三冊。『歪み真珠』読まなければ。念のためにもう一冊買っておかなければ。一冊読み忘れても、もう一冊を読めるやうに。


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