5月30日(木)

 今日もホフマン『ブランビラ王女』(ちくま文庫)を読みながら出勤。意外に捗らない。第三章まで。

 明日と明後日は鹿児島に出張。飛行機に乗るので本を持って行かなければ。経験的に飛行機の中ではそんなに読書は捗らない。眠ってしまうことが多いから。そして難しい本や、外国語の本はなかなか読めない。一度、飛行機の中に英語の本を忘れたのも心の傷になってゐるのかも知れない。読んでゐるうちに眠くなって前の席の背の裏についてゐる網の中に突っ込んだまま忘れたのだ。何と云ふ不覚! 何と云ふ屈辱!

 軽く読めるといふことで、新書を二冊持って行かうか。万が一二冊とも読み終はってしまっても、KindleもiPadも持っていくので、そこに入ってゐる本を読めばいい。

 といふことで、明日寝坊すると大変なので、今日は早く寝よう。


5月29日(水)

 澤井繁男『イタリア・ルネサンス』(講談社現代新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。ルネサンス文化が「再生」であり、「調和」と「統合」、宇宙との一体感をめざすコスモロジー的視点を核とした文化運動であったことはよく判ったやうな気がするが、「生命主義」についてはよく判らなかった。まあ、何でも判るものではないからいいか。ルネサンスの美についてはあまり書いてなかったやうな気がするが、それはヴァーノン・リーが得意とするところだから、ヴァーノン・リーを読めばいいのか。

 ロバート・E・ハワード『龍の刻』(中村融訳/創元推理文庫)[Amazon.co.jp] をご恵贈賜りました。ありがたうございました。四日前にもご恵贈賜りましたが。

 ホフマン『ブランビラ王女』(ちくま文庫)を読み始める。これをドイツ語で読めたらよかったのにと思ふ。いつか読めるやうになりたい。


5月28日(火)

 紀伊國屋書店から、ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(伊藤典夫訳/河出書房新社奇想コレクション)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、森見 登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、サックス・ローマー『骨董屋探偵の事件簿』(近藤麻里子訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、清水康行『黒船来航日本語が動く そうだったんだ! 日本語』(岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、南條竹則『怪奇三昧』(小学館)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ナサニエル・ホ-ソ-ン『ラパチ-ニの娘』(阿野文朗訳/松柏社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、E・T・A・ホフマン『黄金の壺 マドモワゼル・ド・スキュデリ』(大島かおり訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、石黒圭『日本語は「空気」が決める』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、小玉重夫『学力幻想』(ちくま新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、新井立夫、 石渡嶺司『バカ学生に誰がした?』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、南川高志『新・ロ-マ帝国衰亡史』(岩波新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。ちょっと多い。

 創土社のホフマン全集を買ひ揃へても、結局は電車の中で読みやすい文庫本で買ったものを読んでしまふ。こんなことでいいのか。

 今日も失神しそうなくらゐ眠いのでこれで。


5月27日(月)

 Amazon.co.jpからLast Castratoが届く。早速、聴いてみる。流石に音源が古過ぎる。雑音が多くて、元の声がどれほど美しいかは何ともよく判らないのだ。しかし、男の声とは思へないやうな歌声だけは何となく判った。これは初めて聴いたらびっくりするだらう、成人男性からこの声が出てきたら。そして、フランス人はこの声を聴いて笑ひだすことが多かったといふのも判る。イタリア人その他の人々が天使の歌声と熱狂したことよりも判る気がする。

 届いたカストラートの歌を聴きながら、ヴァーノン・リー「悪魔の歌声」を読み直す前よりはすっきり頭に馴染む感じ。それがカストラートについての智識が増えたからなのか、単に何度か読み直して筋が頭に入ってゐるからなのかは判らない。

 イギリスのAlexander's Booksから、Vernon Lee The Virgin of the Seven Daggers and Other Chilling Tales of Mystery and Imagination が届く。収録作品に特別なところはない。字が小さくて詰まってゐる。読みにくさう。

 ホフマン『黄金の壺』を読む。昔、学生の頃に読んだときほどの鮮やかさがないやうな気がした。途中で、作者が登場人物から手紙を受け取ったりするのは面白い。明日からは『ブランビラ王女』を読んでみようか。


5月25日(土)

 パトリック・バルビエ『カストラートの歴史』(筑摩書房)読了。次第にカストラートが排除されていくところは寂しさが漂ふ。しかし、フランスのカストラート嫌ひは不思議である。どうしてフランスだけ、そんなにカストラートを嫌悪したのだらう。
 Amazon.co.jpにLast Castratoを註文。音源が何しろ古いので音が悪いとか、モレスキも衰へはじめてからの収録だとか、いろいろ云はれてゐるが、現存するカストラートの歌声はこれしかないのだ。聴いてみよう。

 そしてもう一度ヴァーノン・リー「悪魔の歌声」を読んでみよう。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(伊藤典夫訳/河出書房新社奇想コレクション)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●森見 登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●サックス・ローマー『骨董屋探偵の事件簿』(近藤麻里子訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●清水康行『黒船来航日本語が動く そうだったんだ! 日本語』(岩波書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●南條竹則『怪奇三昧』(小学館)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ナサニエル・ホ-ソ-ン『ラパチ-ニの娘』(阿野文朗訳/松柏社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●E・T・A・ホフマン『黄金の壺 マドモワゼル・ド・スキュデリ』(大島かおり訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●石黒圭『日本語は「空気」が決める』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●小玉重夫『学力幻想』(ちくま新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●新井立夫、 石渡嶺司『バカ学生に誰がした?』(中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●南川高志『新・ロ-マ帝国衰亡史』(岩波新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 今日は買った本が少し多かった。今月はもう我慢できるか。一週間残ってゐるが。

 ロバート・E・ハワード『龍の刻』(中村融訳/創元推理文庫)[Amazon.co.jp] をご恵贈賜りました。ありがたうございました。新訂版コナン全集もこれで完結。


5月24日(金)

 パトリック・バルビエ『カストラートの歴史』(筑摩書房)を読みながら出勤。カストラートの歌声ってそんなによかったのか。天使の歌声と云はれるほどだったのか。ヴァーノン・リー的に云へば悪魔の歌声だけど。

 洋行堂から、J・L・ボルヘス『創造者』(鼓直訳/国書刊行会)が届く。これで本当に世界幻想文学大系が全部揃った。嬉しい。ふと気づけば、このボルヘスの『創造者』が第一回配本だったのだ。私が中学一年のときである。

 SFマガジン7月号をご恵贈賜りました。特集は〈コニー・ウィリス〉。『ブラックアウト』『オール・クリア』刊行記念である。私は翻訳を待ちきれず原書で読んでしまったから、感動がないのが残念(とちょっと得意げに記してみる)。

 もう刊行されることはないのではないかと思ひ始めてゐたといふよりすっかり忘れかけてゐたThe Alluring Art of Margaret Brundage: Queen of Pulp Pin-Up Artを発送したといふ聯絡が来た。ちょっと驚いたが、届くのが楽しみである。


5月23日(木)

 パトリック・バルビエ『カストラートの歴史』(筑摩書房)を読みながら出勤。十八世紀イタリアの社会情勢とカストラートの関係から説明してくれる。イタリアの音楽院はもともと貧困対策だったのか。そんなところからカストラートが育っていったわけだ。ヴァーノン・リーが愛した十八世紀イタリアである。

 今日も激しく眠いので、これで。


5月22日(火)

 Colbyのヴァーノン・リー伝を読み終へる。幻想怪奇作品の項が終はってからはほとんど飛ばし読み。特に晩年は寂しいのであまりじっくり読みたいわけでもなく。

 さういへば18日前に註文したGunnのヴァーノン・リー伝がまだ届かないと思ってメールを確認したら、到着予想日が7月7日になってゐた。遅い! 遅すぎる。どうしてそんな日付になるのか。

 今日は大変疲れてゐるので寝る。


5月21日(火)

 Colbyのヴァーノン・リー伝、もう飽きてきた。ウェルズとの手紙のやり取りなどはちょっと面白いが。毎年夏のイギリス滞在の間に第一次世界大戦が始まってしまい、すぐに終わるだらうと思ってゐたら、なかなか終はらずに苦しむところなど。

 佐藤書房から『ホフマン全集7』が、洋行堂から『ホフマン全集4(1)』『ホフマン全集9』が届いた。7の帯がない! と泣きさうになったが、破れた帯が挟んであったのでよかった。破れてゐても文字情報はすべて回収できるから私はまったく不満はないのだ。所謂蒐集家ではないので。

 世界幻想文学大系がまだ全部揃ってゐないことに気がついたので、日本の古本屋で検索して茅ヶ崎市の洋行堂に、
●J・L・ボルヘス『創造者』(鼓直訳/国書刊行会)
を註文。これで今週中に全部揃ふことになるか。


5月20日(月)

 古書シリウスから、ネルヴァル『東方の旅 上・下』(国書刊行会)が届く。これで世界幻想文学大系が全部揃った。ちょっと小躍りしたいくらゐ嬉しい。今回は、上巻の月報をカラーコピーで補完したもので少し安かった。世界幻想文学大系の月報は資料としての価値が高いので落とせないが、資料としてはカラーコピーで全然問題ないのでほとんど気にならない。私は多分蒐集家ではないのだ。

 松野書店から、『ホフマン全集 3 夜景作品集』(深田甫訳/創土社)が届く。

 世界幻想文学大系もホフマン全集も、電車の中で片手で読むにはちょっと大きい。

 ヴァーノン・リーはスペインがあまり好きではなかったらしい。スペイン語で文学作品が読めるほどではなかったからだとか云ってゐたらしいが、本当だろうか。私が英語を読めるくらゐには読めたのではなからうか。ドイツは好きだったらしいが、歳を取ってから再訪して、これは私が知ってゐるドイツではないと落胆したとか。イタリアだって、好きなのは18世紀のイタリアだったのではないか。古ければどこでも好きなんじゃないかとか云ってみたくなる。


5月19日(日)

 Colbyのヴァーノン・リー伝は、幻想怪奇作品の章を読み終へ、旅と幽霊の章へ。作品の素晴らしさが次々に蘇ってきて、全部読みかへしたくなる。思ひかへしてみれば、あの暗くて重いWedding Chestもなかなかいいのではないかと思へてきた。そして、ドイツロマン派の影響が繰り返されるので、ホフマン全集を揃へなくてはならないやうな気がしてきた。

 しかし、蛇女の話と『黄金の壺』に影響などといった関係があるのだらうか。私にはよく判らない。何れにせよ、『黄金の壺』は読み返さなければ。

 日本の古本屋で検索して、八王子市の佐藤書房に、
『ホフマン全集7』(深田甫訳/創土社)
を、茅ヶ崎市の洋行堂に、
『ホフマン全集4(1)』(深田甫訳/創土社)
『ホフマン全集9』(深田甫訳/創土社)
を註文。クレジットカード手続きも完了したので明日には発送してもらへるだらう。これで、確保できてゐないのが、4-2と5-1,2である。これがなかなか出回ってゐないのだ。早く揃へたいのだが。

 読んでおきたいのが歌合戦の話なのだが、これが4-2に収録されてゐる。原文ではすでにネット情報から得てゐるのだが、私のドイツ語力ではまだよく判らない。そこでKindle版の英語本を検索すると、On Demand本がたくさん出てくるではないか。といふことは、無料のオンライン情報があるはず。早速、検索してGoogle Booksearchからスキャン画像のpdfファイルをダウンロードした。便利な世の中になったものだ。英語だから読めるのだが、ドイツ語で読めないのが何とも悔しい。

 ヴァーノン・リーの作品が掲載されたYellow Books, July 1896 が欲しくなって購入してみようかと検討を始めたら、古本屋で検索するとon demand本がたくさん出てくるので、これもスキャン画像がどこかにあるだらうと思って探し直すとやはりあった。早速ダウンロード。まあ、すぐに何かに役立つわけではないが。とにかくこれで百ドルが節約できた。


5月18日(土)

 Colbyのヴァーノン・リー伝を読み進める。幻想怪奇作品の項は判りやすくてよい。Snake Ladyに関する話がかなり続く。私も好きな作品なので構はないのだが、ホフマンの『黄金の壺』との関係を指摘する。またホフマンか。ただ蛇が出てくるといふだけで云ってゐるのではないだらうなと思ひながら、やはりホフマンは全部買って読まうと心に決めた。

 今日はもう終はってしまったので、来週註文しよう。来週、創土社のホフマン全集を揃へよう。4-2が見つかるかどうか甚だ疑はしいが。

 バジルを植ゑ替へた。元気に育つとよいが。


5月17日(金)

 紀伊國屋書店から、『辞書、のような物語。』(大修館書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、バルドゥイン・グロラー『探偵ダゴベルトの功績と冒険』(垂野創一郎訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ケルスティン・ギア『青玉(サファイア)は光り輝く』(遠山明子/東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、トラシュブロス・ゲオルギオス・ゲオルギア『音楽と言語』(講談社学術文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、フーベルト・オルトケンパー『心ならずも天使にされ』(国文社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ロアルド・ダール『あなたに似た人〈1〉』(田口俊樹訳/ハヤカワミステリ文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ロアルド・ダール『あなたに似た人〈2〉』(田口俊樹訳/ハヤカワミステリ文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、アルジャノン・ブラックウッド『人間和声』(南条竹則訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。いろいろ読みたいが、今は余裕がない。残念。カストラートの本はヴァーノン・リーのため。

 Amazon.co.jpから、E. T. A. Hoffmann Die Elixiere des Teufels (Deutscher Klassiker Verlag) が届く。読めない本がまた届いてしまった。でも、これはいつか読めるやうになりたい。いや、きっと読めるやうになる。

 Colbyのヴァーノン・リー伝は音楽の項が終はって、いよいよ幻想怪奇作品の章へ。音楽については、ディオニソス的なHearerとアポロン的なListenerに分けてゐる。そして、自分は後者だと云ってゐる。よく判らない。どういふ意味なのか。いや、ディオニソス的とアポロン的の意味は知ってゐる。
 そして、ホフマンのKreislerianaの話がしきりに出てくる。が、よく判らない。そして、私の好きなThe Gods and Ritter Tanhûserがほとんど出てこない。そんなに「悪魔の歌声」が好きなのか。

 ヴァーノン・リーについて考へるとき、やはりホフマンは大事なやうなので、創土社のホフマン全集を揃へることに決めた。今日はとりあへず第三巻を註文。日本の古本屋で検索して、大阪の松野書店に。
『ホフマン全集 3 夜景作品集』(深田甫訳/創土社)
この全集の4-2の入手が難しいのである。


5月16日(水)

 Colbyのヴァーノン・リー伝は幻想文学短篇集を出すやうになって、『ことばの美学』への言及が増えるやうになってきた。『ことばの美学』をそろそろ読むべきか。しかし、帰りの電車では眠くて評伝を読みながら倒れさうになる。

 スーパー源氏で検索して、大阪の古書シリウスに本を註文。
●ネルヴァル『東方の旅 上』(国書刊行会)
●ネルヴァル『東方の旅 下』(国書刊行会)
夜になって送金依頼のメールが来たので送金。これで〈世界幻想文学大系〉が全部揃ふことになる。かなり嬉しい。中学生の頃、今はもうない芳林堂書店に毎日通って、いつかきっとこれを全部持ってゐるやうな立派な大人になりたいと思ってゐた。それがやうやく本が揃ふので実に嬉しい。ただ、本は揃っても立派なおとなには要らないものやうもののやうだ。


5月15日(水)

 ドイツのAntiquariat am Soonwaldから、E. T. A. Hoffmann Die Serapions-Brüderが届いた。送料の追加請求があった書店である。表紙絵がなかなかよい。

 紀伊國屋書店から、E. T. A. Hoffmann Der Sandmann (Insel Taschenbücher Nr.934) [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]、E. T. A. Hoffmann Die Serapionsbrüder : Text und Kommentar (Deutscher Klassiker Verlag im Taschenbuch Bd.28) [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]、Kästner Das verhexte Telefon が届いた。何とまたDie Serapionsbrüderなのか。Der Sandmannだって先日購入した本にすでに収録されではないか。何といふ無駄遣ひ。もはや錯乱状態で註文してゐるとしか思へない。

 サカタのタネから、バジルの種、青紫蘇の種、赤紫蘇の種が届いた。バジルの芽は増えてきたが、もう少し追加で蒔いてしまはう。バルはいくらあっても多過ぎるといふことはないのだ。

 『ペイター「ルネサンス」の美学 協会創立五十周年記念論文集』(論創社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]から、ヴァーノン・リー関連の話が出てくる「第八章 ウォルター・ペイターとヴァージニア・ウルフを結びつけるもの」(佐藤牧子)を読む。ウルフはヴァーノン・リーのことをあまり評価してゐなかったのだが、それはペイターもウルフも「人間を超越した存在との交はり」を実際に体験しそれを大切にしてゐたのに対し、ヴァーノン・リーにはそれが欠けてゐたからだといふ。私にはよく判らない。さういふ存在との交はりなど全く無縁で想像もできないので。


5月14日(火)

 暑くなってきたので、紀伊國屋書店に本を註文。
『辞書、のような物語。』(大修館書店)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●バルドゥイン・グロラー『探偵ダゴベルトの功績と冒険』(垂野創一郎訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ケルスティン・ギア『青玉(サファイア)は光り輝く』(遠山明子/東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●トラシュブロス・ゲオルギオス・ゲオルギア『音楽と言語』(講談社学術文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●フーベルト・オルトケンパー『心ならずも天使にされ』(国文社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ロアルド・ダール『あなたに似た人〈1〉』(田口俊樹訳/ハヤカワミステリ文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ロアルド・ダール『あなたに似た人〈2〉』(田口俊樹訳/ハヤカワミステリ文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●アルジャノン・ブラックウッド『人間和声』(南条竹則訳/光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
以上、八冊。ヴァーノン・リー関係は一冊だけか。

 しかし、眠くて仕方がないの、説明は無理。


5月13日(月)

 Vineta ColbyのVernon Lee: A Literary Biographyは、ヘンリー・ジェイムズがヴァーノン・リーの長篇Miss Brownを酷評するところを通り過ぎて、大体全体の3割くらゐまで。遅すぎる。ジェイムズは、この本の献辞に名前を書かれてしまって、それでも贈られた本を読んでみたらこれがジェイムズの目から見れば大愚作大失敗作で、その感想を本人に伝へる勇気がなくて、超多忙で読めませんすみませんといふ手紙を書いたりしてゐる。まあ、ヴァーノン・リー本人も後には日記か手紙であれは失敗だったと書いてゐるのだが、それにしても可哀想だ。
 でも、私も読みたくない。何しろ三巻本である。

 国書刊行会から、アンガス・ヘリオット『カストラートの世界』(国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。ヴァーノン・リーのためである。

 紀伊國屋書店から、『ペイター「ルネサンス」の美学 協会創立五十周年記念論文集』(論創社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化〈上巻〉』(中公文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化〈下巻〉』(中公文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、井繁男『イタリア・ルネサンス』(講談社現代新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、マルセル・プルースト『失われた時を求めて〈1(第1篇)〉 スワン家のほうへ 1』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、マルセル・プルースト『失われた時を求めて〈2(第1篇)〉 スワン家のほうへ 2』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、マルセル・プルースト『失われた時を求めて〈3(第二篇)「花咲く乙女たちのかげに I」』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。プルースト以外はヴァーノン・リー資料として。

 Armchair Booksから、Ravenna and Her Ghosts (Corgi Books, 19662) が届いた。収録作品は全部他の版で持ってゐるが、かういふペーパーバックにヴァーノン・リーの本もなってゐたのだと思ふと一冊欲しくなったのだ。表題作はエッセイ。他の幻想短篇が5篇収録されてゐる。このCorgi Booksからは、もう一冊ヴァーノン・リーの短篇集が出てゐたことを知って、早速Abebooksで検索して、Alexander's Booksに、
○Vernon Lee The Virgin of the Seven Daggers and Other Chilling Tales of Mystery and Imagination (Corgi Books)
を註文。しかし、よくよく見れば、5日にすでにこの本は註文してゐるではないか!


5月12日(日)

 池上英洋『ルネサンス 歴史と芸術の物語』(光文社新書)[Amazon.co.jp]読了。Kindle本もカラー表示で写真なんかが出てくるとiOS用アプリの方が読みやすい。ルネサンスはいつ頃のことだったのかとか、当時のヨーロッパの状況とか、判ってゐたやうな忘れてゐたやうなことを全部思ひ出させてくれる。ですます体の文章にはちょっと慣れないのだが。

 パトリック・バルビエ『カストラートの歴史』(筑摩書房)を少し読み始める。ヴァーノン・リーの時代には最後のカストラートが生きていたはず。カストラートの歌声を聞いたことがあったのだらうか。小説以外の著作も検索できるやうにしておきたいとふと思った。

 ヴァーノン・リーの一番短い作品を終へて送信。疲れた。


5月11日(土)

 紀伊國屋書店から、Erich Kästner Das verhexte Telefon [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]、Erich Kästner Das Schwein beim Friseur und andere Geschichten [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]、Erich Kästner Der gestiefelte Kater [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]、Erich Kästner Das doppelte Lottchen : Ein Roman fur Kinder [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp ]、Erich Kästner Emil und die Detektive : Ein Roman fur Kinder [紀伊國屋書店, Amazon.co.jp]が届いた。素敵な表紙絵と挿絵で、もう今すぐ読みたいが、時間はない。

 紀伊国書店からは、もう一箱、ツヴェタン・トドロフ『幻想文学論序説』(三好郁朗訳/創元ライブラリ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』(藤井光訳/白水社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ジョン・コリア『予期せぬ結末 〈1〉 ミッドナイト・ブル-』(扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、飯間浩明『辞書を編む』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。『幻想文学論序説』はヴァーノン・リーの資料として。この本の訳者あとがきを読んでみたら、ポトツキの『サラゴサ手稿』が全訳になって創元ライブラリに収められることになってよかったと書いてあるのだが、14年経っても収められてゐないのは残念である。

 Amazon.co.jpから、ウォルター・ペイター『ルネサンス』(白水社uブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。もちろん、これはヴァーノン・リーのためである。

 今日もVineta ColbyのVernon Lee: A Literary Biographyを読みながら電車に乗ってゐたのだが、途中で変な白くて大きな四角がいくつも出てきて、一体何事かと思ったら、写真は削除しましたみたいな説明があってがっかり。勝手に削除するなよと電車の中で叫びさうになった。


5月10日(金)

 今日もVernon Lee: A Literary Biographyを読みながら電車に乗ってゐたら眠くなった。が、1883年にThe prince of the hundred soupsといふ児童ファンタジイを出してゐたのか。知らなかった。ちょっと検索した簡単に見つかって、pdfファイルをダウンロードできた。なぜ今まで気づかなかったのか。まあ、評伝を読んで良かったといふことだらう。

 ヴァーノン・リーの「悪魔の歌声」について考へるために、
●パトリック・バルビエ『カストラートの歴史』(筑摩書房)
を日本の古本屋で検索して神保町の手塚書房に註文。昼休みに店頭で受け取ってきた。さらに、
●アンガス・ヘリオット『カストラートの世界』(国書刊行会)
を国書刊行会のオンラインショップに。Amazon.co.jpでは在庫切れ表示になってゐる。

 ペイター関連のこちらの本には具体的にヴァーノン・リーの名前が四箇所も出てくるやうなので、念のため註文。紀伊國屋書店に。
『ペイター「ルネサンス」の美学 協会創立五十周年記念論文集』(論創社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
ペイターに関心があるわけではないのだが、仕方がない。

 ルネサンスといへば、古典芸術の復活らしい。多分、ギリシャやローマのことだ。さういへば、ヴァーノン・リーの作品にもローマの神々が出てくるではないか。と思ひ、日本の古本屋で検索して、大阪の吹田市にある天牛書店に、
『ギリシア・ローマ神話事典』(大修館書店)
を註文。何かと役に立ちさうである。今まで持ってゐなかった方が不思議。

 ヴァーノン・リーやペイターがルネサンスに関する研究書を書いてゐるのに、私はルネサンスのことなんて全然知らないことに気がついて、少しは背景智識を持ってゐないと作品を読むときに困るのではないかと思ひ、紀伊國屋書店に、
●ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化〈上巻〉』(中公文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化〈下巻〉』(中公文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●澤井繁男『イタリア・ルネサンス』(講談社現代新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を註文。さらに、
●マルセル・プルースト『失われた時を求めて〈1(第1篇)〉 スワン家のほうへ 1』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●マルセル・プルースト『失われた時を求めて〈2(第1篇)〉 スワン家のほうへ 2』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●マルセル・プルースト『失われた時を求めて〈3(第二篇)「花咲く乙女たちのかげに I」』(光文社古典新訳文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
も註文。

 さらにAmazon.co.jpでKindle版の
●池上英洋『ルネサンス 歴史と芸術の物語』(光文社新書)[Amazon.co.jp]
を購入。Paperwhiteだとあまり感じないが、iOSアプリで読むと写真がカラーになって新鮮な感じがしてしまふ。

 ヴァーノン・リーの資料本だといって、毎日この調子で本を買ひ続けてゐると、近い将来に家計が破綻しさうである。


5月9日(木)

 今日もVernon Lee: A Literary Biographyを読みながら電車に乗ってゐたら眠くなった。ウォルター・ペイターの話が延々と続くので、Amazon.co.jpに本を註文。
●ウォルター・ペイター『ルネサンス』(白水社uブックス)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 多分、読まない。

 バジルの発芽率が悪いので、新しい種をサカタのタネに註文してしまった。遅すぎるやうな気がするが、まあ大丈夫だらう。

 眠い。眠くて倒れさうなので、今日はこれで。


5月8日(水)

 今日もVernon Lee: A Literary Biographyを読みながら電車に乗ってゐたら眠くなった。教養のある女は嫌はれることとか、18世紀イタリアにどんどん取り憑かれていくところが、何となく判る。でも眠い。

 ヴァーノン・リー「人形」を読み返すと以前の印象よりもずっとよかった。二年前の私は何を考へてゐたのか。たぶん、何も考へてゐなかったのだらう。

 紀伊國屋書店に本を註文。今月初めての日本語の本である。
●ツヴェタン・トドロフ『幻想文学論序説』(三好郁朗訳/創元ライブラリ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』(藤井光訳/白水社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ジョン・コリア『予期せぬ結末 〈1〉 ミッドナイト・ブル-』(扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●飯間浩明『辞書を編む』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 以上、四冊。

『幻想文学論序説』はChrista ZornがVernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectual (Ohio Univ Press) [Amazon.co.jp, Book Depository]の中でしきりに引用してゐるので買ってみた。何だか持ってゐるやうな気がしてゐたのだが、どうやら持ってゐないやうなので。信じ難いが持ってゐないのだ。


5月7日(火)

 Amazon.co.jpから、The Collected Supernatural and Weird Fiction of Vernon Lee: Volume 1-Including Five Novelettes and Eight Short Stories of the Strange and Unusual (Hardcover) (Leonaur Ltd, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]、The Collected Supernatural and Weird Fiction of Vernon Lee: Volume 1-Including Five Novelettes and Eight Short Stories of the Strange and Unusual (Paperback) (Leonaur Ltd, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]、The Collected Supernatural and Weird Fiction of Vernon Lee: Volume 2-Including One Novel "Louis Norbert," One Novelette and Nine Short Stories of the Strange and Unusual (Hardcover) (Leonaur Ltd, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]、The Collected Supernatural and Weird Fiction of Vernon Lee: Volume 2-Including One Novel "Louis Norbert," One Novelette and Nine Short Stories of the Strange and Unusual (Paperback) (Leonaur Ltd, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]、E. T. A. Hoffmann Fantasiestuecke (Deutscher Klassiker Verlag) [Amazon.co.jp]が届いた。ホフマンは相変はらずよい匂ひである。

 ヴァーノン・リーは早速ペーパーバックの方を裁断してスキャナーで読み込む。先週届いた分も含めて。
The Collected Supernatural and Weird Fiction of Vernon Lee: Volume 1-Including Five Novelettes and Eight Short Stories of the Strange and Unusual (Paperback) (Leonaur Ltd, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]
The Collected Supernatural and Weird Fiction of Vernon Lee: Volume 2-Including One Novel "Louis Norbert," One Novelette and Nine Short Stories of the Strange and Unusual (Paperback) (Leonaur Ltd, 2011) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]
◆Vernon Lee Hauntings And Other Fantastic Tales 1856-1935 (Broadview) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]
これでかなりの作品を電子化できた。

 紀伊國屋書店から、アレッサンドロ・マルツォ・マーニョ『そのとき、本が生まれた』(清水由貴子訳/柏書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ランティシェク・クプカ『カールシュタイン城夜話』(山口巖訳/風濤社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ヨーゼフ・ロート『聖なる酔っぱらいの伝説』(池内紀訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ブッツァーティ『タタール人の砂漠』(脇功訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。三週間以上かかった。三週間前に届いても読むわけではないから問題はないのだが、本当はもっと早く読めたのにといふ顔はしてみたい。

 今日も本を一冊も買はなかった(註文しなかった)。自分を褒めてやりたい。


5月6日(月)

 今日から本気を出してヴァーノン・リーに取り組み始め、生きてゐるのが嫌になる。やれやれ。

 今日もVernon Lee: A Literary Biographyを読みながら電車に乗ってゐたら眠くなった。やれやれ。

 今日は一冊も本を註文しなかった。自分で自分を褒めてやりたい。

 ヴァーノン・リーの「聖エウダイモンとオレンジの樹」に似てゐるとも云はれるメリメ「イールのヴィーナス」(岩波文庫『メリメ怪奇小説集』では「ヴィーナスの殺人」)について、ヴァーノン・リーが『ことばの美学』の中で言及してゐることを発見。「メリメだったら、あのすばらしい『イールのヴィーナス』と対をなす作品に仕上げたことでしょう」といふ言葉である(16ページ)。しかし、このページ、私には何を云ってゐるのかさっぱり判らないのだ。多分、私の頭が悪いのだらう。小説の主題は音楽の主題に似てゐるといふ主張も、どうもよく判らない。多分、私の頭が悪いのだらう。


5月5日(日)

 今日もヴァーノン・リー関連本を註文。Abebooks.comで検索して、
○Peter Gunn Vernon Lee, Violet Paget 1856 - 1935 を北アイルランドのSaintfield Antiques & Fine Booksに註文。本体$24+送料$6。
○Vernon Lee The Virgin Of The Seven Daggers And Other Chilling をイギリスのグラスゴーにあるThe New Hellfire Club Book Storeに註文。本体$3.21+送料$7.79。送料が本体の二倍以上。

 Book Depositoryから、Patricia Pulham Art and the Transitional Object in Vernon Lee's Supernatural Tales (Ashgate) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Book Depository]が届く。もっと美術品等の写真や画像が満載なのかと思ったら、写真は僅かで専ら文章による解説。まあ、いいけど。4章から成ってゐるのだが、最初がカストラートと「悪魔の歌声」について。やはりさういふ視点で注目すべきなのか。

 Hall Street Booksから、EMBOSS Administrator's Guide: Bioinformatics Software Management (Cambridge University Press)が届く。あまり知らない情報は載ってゐないやうな気がしてきた。でも、いろいろ忘れてゐるからそれなりに役立つに違ひない。

 Vernon Lee: A Literary Biographyを読みながら電車に乗ってゐたら眠くなった。イタリアの第一印象はよくなかったやうだ。まだ15歳付近。遅すぎる。

『ことばの美学』も読んでおかなければと思って書棚から出してきた。ちなみに訳者あとがきでは、ヴァーノン・リーの幻想怪奇系の作品については一切触れられてゐないし、著作一覧にも入ってゐない。仕方がないか。

 iOS用のSSHクライアントアプリPromptを購入した。700円。なかなか使ひやすさうである。日本語の表示・入力にも対応してゐる。


5月4日(土)

 ヴァーノン・リーの作品を読み返したりする土曜日。Christa Zorn Vernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectual (Ohio Univ Press) [Amazon.co.jp, Book Depository]を少し捲ってみたら、ホフマンのDer Sandmannの影響は明らかみたいに書いてあったので、岩波文庫の『ホフマン短篇集』を書棚から取り出して、「砂男」を読んだ。こんな話だったか。全然覚えてゐなかった。ふと机の上を見るとこれの原書があるわけだが、ちょっとまだ読めない。残念。はやくドイツ語の本を読めるやうになりたい。
 そんなわけで「砂男」を読んだわけだが、どうして明らかなのかはよく判らなかった。

 Amazon.co.jpから、Erich Kästner Punktchen und Anton (Cecilie Dressler) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]とVernon Lee Hauntings And Other Fantastic Tales 1856-1935 (Broadview) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋書店]が届く。ケストナーの本は、Der 35. Maiを読み終へたら読んで観たい。ヴァーノン・リーの本はもう一冊すでに持ってゐる。こちらは裁断してスキャンする予定。

 Kindleでドイツ語の作品を読めるやうになったら辞書があった方が便利だらうと思ひ、さういへば一つ使へるやうになってゐたではないかと気づいてDudenの辞書をダウンロードして設定してみたら、ドイツ語の言葉をドイツ語で解説する辞書だった。まだそこまでドイツ語が読める訳ではないのだ。そこで、Kindle版の、
Collins Concise German-English Dictionary [Amazon]
を2000円で購入してみた。ドイツ語の本を読んでゐるときに判らない単語に指を当てて辞書で調べられる。これは便利だと思ったのだが、ドイツ語には分離動詞といふのがあるのだった。例へば、anrufenといふ単語を調べたいときに、rief xxxx an. と書いてあって、riefのところに指を当てて辞書を呼び出すと、rufenの過去と表示されるだけで、anrufenの意味を調べることはできないのである。そこで改めて辞書を開いて、単語を入力して意味を確認し、その後に今読んでゐる本にもどればいいのではあるが、それは面倒臭い。読書中にちょっとタッチして意味を確認するといふ感じではなくなってしまふ。どうすればいいのか。

 他にも、「七短剣の聖女」とか「まぼろしの恋人」を読み返す。「七短剣の聖女」は素晴らしい。西崎訳も素敵だ。こんなにいい作品だったとは。すっかり忘れてゐた。自分で訳した「教皇ヒヤシンス」と「聖エウダイモンとオレンジの樹」には特別の愛着もある。ヴァーノン・リーの良さを改めて楽しんだ。関連事項をまとめて来週の打合せのために送信。


5月3日(金)

 Amazon.co.jpから、James P. Blaylock The Aylesford Skull (Titan Books) Amazon.co.jpとE. T. A. Hoffmann Nachtstuecke / Klein Zaches genannt Zinnober / Prinzessin Brambilla / Werke 1816-1820 [Amazon.co.jp]が届いた。ブレイロックのは、St. Ivesが出てくる話なのか。ホフマンは匂ひがいい。この香りは前にも出あってゐる。どの本だったか。素晴らしい匂ひだ。もっとこのシリーズが欲しくなった。

 本の芳香に我慢できず、さらに二冊註文してしまった。読めないくせに。
○E. T. A. Hoffmann Die Elixiere des Teufels (Deutscher Klassiker Verlag) [Amazon.co.jp]
○E. T. A. Hoffmann Fantasiestuecke (Deutscher Klassiker Verlag) [Amazon.co.jp]
同じシリーズの本二冊。もう一冊は紀伊國屋書店にすでに註文済み。いつか読めるやうになりたい。

 M・K・ホブスン『宵星の魔女エミリー』(吉嶺英美訳/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp]をご恵贈賜りました。ありがたうございました。19世紀アメリカの西部の田舎町から話は始まるらしい。


5月2日(木)

 Book Depositoryから、Christa Zorn Vernon Lee: Aesthetics, History, and the Victorian Female Intellectual (Ohio Univ Press) [Amazon.co.jp, Book Depository]が届いた。こんなのが750円で届いてしまふことに驚く。読めるといいのだが。

『ナボコフの文学講義』最後の「文学芸術と常識」は難しくてよく判らない。それでも、「……絵を目で見とり理解すると同じ仕方で小説を読むことができるものならば……それこそ小説の理想的観賞法となるだろう」といふところは強く頭に焼き付いてゐる。「この講義で取り上げた小説から、きみたちがはっきりとした人生の問題に応用できるやうなことは、なにひとつ学ぶことはできないだらう」といふ態度に喝采を送りたいが、即戦力のグローバル人材の育成は待ったなしと絶叫する声の響く時代にこんな本を読んでゐると怒られさう。「小説を読むのは作中人物になりきりたいというような子供じみた目的のためでも、生きる術を学びとりたいというような青二才めいた目的のためでも、また一般論にうつつをぬかす学者然とした目的のためでもない。ない、そういう良き読者にきみたちをつくりたい」といふ言葉を読めば、もっともっと小説を読みたくなるのである。

 ケストナーのDer 35. Maiは三分の二くらゐまで進んだが、ずいぶん説教臭い本だったのだと驚いてゐる。買ってから30年以上経ってやうやく判った。題名と表紙絵でもっとのほほんとした話かと思ったら。特に高層ビルの建ち並ぶ高度に自動化された街の話のところ。


5月1日(水)

 『ナボコフの文学講義』 [amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読みながら出勤。下巻でやうやく読んだことのある作品が出てくる。やはり読んでいないのはよく判らない。『ジキルとハイド』と『変身』。『荒涼館』は持ってゐるけれども読んでいない。『ユリシーズ』も。しかし、『変身』が見つからない。どこに行ったのか。原書をダウンロードしてみた。いや、してみただけ。

 アメリカのSF情報誌Locusの5月号が届く。新刊紹介欄など読んで気持を落ち着かせる。

 Amazon.co.jpに本を註文。
○James P. Blaylock The Aylesford Skull (Titan Books) Amazon.co.jp
○E. T. A. Hoffmann Nachtstuecke / Klein Zaches genannt Zinnober / Prinzessin Brambilla / Werke 1816-1820 [Amazon.co.jp]
○Paul Cornell London Falling (Tor) [Amazon.co.jp]
○Mary Robinette Kowal Without a Summer (Tor) [Amazon.co.jp]
以上4冊。前半二冊は紙の本、後半二冊は電子版

 眠くて意識を失ひさうなので、寝る。


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