12月29日(火)

 なぜまた一週間空いたのか。よく判らない。

 今週買った本。そしておそらく今年最後の購入。丸善、丸の内本店で、
●小橋めぐみ『恋読』(角川書店)
●イサク・ディネセン『冬の物語』(横山貞子訳/新潮社)
●ヨンネ『はじめて手でつくる本』(X-Knowledge)
手製本の本が楽しい。今度豆本を作るときは、糸でかがってみようかと思ったりしてゐる。『恋読』は思ひの他よい。まだ最初の方だけど、自分の日常を本の話題と織り交ぜながら語る文が心地よい。

 SFマガジン2月号ご恵贈賜りました。特集は「スター・ウォーズ」。

 日本の古本屋で検索して、町田市の高原書店に、
『英国の世紀末』(新書館)
を註文。

 InDesignの本がほしくなり、Amazon.co.jpでKindleを購入。
InDesign CS6 逆引きデザイン事典PLUS(翔泳社)
InDesign逆引きクイックリファレンス CS6/CS5.5/CS5/CS4 対応 for Mac & Windows(マイナビ出版)
を購入。さらに、書籍の修復に関する本も欲しくなり、
○J. Godsey Book Repair for Booksellers (Createspace, 2009)
も購入。

 Amazon.comには、
○Kenneth Lavender Book Repair: A How-To-Do-It Manual, Second Edition Revised (How-To-Do-It Manual Series (for Librarians)) (Neal-Schuman Publishers)
○Jane Greenfield The Care of Fine Books (Skyhorse Publishing)
を註文。

 マクラウドのThe Divine Adventureを読んだ。これはかなりウィリアム・シャープ的な作品だと思ったら、『男と女を生きた作家』に、「後年、新境地を模索する彼によって両名義の作風は再び統合に向かっていたようである。晩年のマクラウド名義の随想と創作を収めた『神聖な冒険、アイオナ、黄昏の岸辺にて』や『翼ある運命——ゲール人の精神的歴史に関する研究』は象徴主義的傾向を示す。ケルト的要素が希薄となったこれらの作品には、前述のようにシャープの本名名義の文章と同じく、ギリシア、ローマ古典の影響が現れるのである」と書かれてゐた。なるほど、さうか。

 そして、その有元志保『男と女を生きた作家』(国書刊行会)ようやく読み終へた。自由な執筆を求めて女性性とケルト性に執着して作ったフィオナ・マクラウドといふ人格に縛られていくウィリアム・シャープが少し判ってきたが、さういふことに執着する気持ちは判らない。作品を読むのには判らなくていいだらうが。

 ウィリアム・シャープとヴァーノン・リーの交流について少し調べてみたりする。


12月23日(月)

 丸善丸の内本店で、
●マヌエル・ゴンザレス『ミニチュアの妻』(藤井光訳/白水社)
を購入。原書を買ったのに、気がついたら邦訳が出てしまった。

 ロード・ダンセイニ『ウィスキー&ジョーキンズ』(国書刊行会)が主要オンライン書店から発送され始め、いくつかの書店には入荷した。売れてほしい。

 ジョーキンズの刊行記念キャンペーン企画の豆本作製をする。今回はInDesignを使って。少しづつInDesignの使ひ方に慣れてきた。しかし、A4片面8ページの面付けをどうしたらいいのか判らなかった。困ってゐたのだが、PDFツケメン大王 OS Xといふシェアウェアでうまくできることを確認した。よかった。

 カイ・マイヤー『魔人の地』(酒寄進一・遠山明子訳/創元推理文庫)読了。あ、ご恵贈いただいたことを報告しわすれてゐた。アラビアンナイト風の世界を舞台にした冒険ファンタジイ。なかなか面白くならないなと思って読んでゐたら、最後の数ページで一気に話が面白くなって、今頃か! と叫びさうになったがきっと次の巻も読むに違ひない。

 朝の電車ではマクラウドのThe Divine Adventureを読んでゐる。面白い。


12月20日(日)

 ダンセイニが終はったのに、まだ週一回の更新のままだ。どういふことだ。

 いよいよダンセイニ『ウィスキー&ジョーキンズ ダンセイニの幻想法螺話』(国書刊行会)[Amazon.co.jp国書刊行会]は今週発売。売れて欲しい。売れたら、また次の本が出せる。売れないと出せなくなる。

 本があったのかなかったのか判らなかったVernon LeeのSister Benvenuta and the Christ Childがちゃんと届いた。iPod Touchより少し大きいくらゐの可愛らしい本。

 グレッグ・イーガン『クロックワーク・ロケット』(山岸真・中村融訳/早川書房)ご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 ジーン・ウルフ『ウィザード(I/II)』(安野玲訳/国書刊行会)ご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 丸善丸の内本店で本を購入。
『JS + Node.jsによるWebクローラー/ネットエージェント』(ソシム)
●若島正編『ベスト・ストーリーズI ぴょんぴょんウサギ球』(早川書房)
●クリフォード・D・シマック『中継ステーション 新訳版』(山田順子訳/ハヤカワ文庫SF)
●飯島周『カレル・チャペック』(平凡社新書)
●田中千惠子『「フランケンシュタイン」とヘルメス思想』(水声社)
●筒井康隆『モナドの領域』(新潮社)
●チャーリー・ラヴェット『古書奇譚』(最所篤子訳/集英社文庫)
●アリス&クロード・アスキュー『エイルマー・ヴァンスの心霊事件簿』(田村美佐子訳/アトリエサード)

 Jeanne RaunayのContes Tunisiensが届いた。綺麗なラボチェッタの絵が一つ入ってゐる。

 次のフィオナ・マクラウド翻訳のために何冊か註文。
○Fiona Macleod Iona (1927)
○Fiona Macleod St. Bride von den Inseln
○Fiona Macleod Die Freude. Ein Hausbuch deutscher Art
○Fiona Macleod The Immortal Hour (2009)
最初の三冊はAbebooksで検索して、それぞれドイツの古本屋に、四冊目はAmazon.co.ukに。


12月13日(日)

 Amazon.co.jpに、
○Nathan Swenson Functional and Phylogenetic Ecology in R (Springer, 2012)
を註文。翌日届いた。

 Amazon.co.jpで光文社古典新訳文庫Kindle版が半額なので、以下の6冊を購入。
●バタイユマダム・エドワルダ/目玉の話(中条省平訳/光文社古典新訳文庫)
●トルストイイワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ(望月哲男訳/光文社古典新訳文庫)
●モーム月と六ペンス(土屋政雄訳/光文社古典新訳文庫)
●C・ブロンテジェイン・エア(上)(小尾芙佐訳/光文社古典新訳文庫)
●C・ブロンテジェイン・エア(下)(小尾芙佐訳/光文社古典新訳文庫)
●ロンドン野性の呼び声(深町眞理子訳/光文社古典新訳文庫)
この半額販売は1月7日までらしい。もっと買ってしまひさうで怖い。

 先週註文したVernon Lee Sister Benvenuta and the Christ Childが、在庫が見当たらなくて申し訳ない。キャンセルとしてくれといふメールが来てがっかりしてゐたら、もうすぐ発送するといふ連絡があり、Abebooksからも註文確定メールが届いた。どっちなんだ。

 honto.jpで、ウィスキー&ジョーキンズ ダンセイニの幻想法螺が「その他ヨーロッパの本のネットストアの週間ベストセラー」部門で週間1位に。「欧米の小説・文学」でも4位に。まだ刊行前なのに嬉しいことである。

 ジョーキンズ関係の本を、「仕事中の本棚」から元の場所に戻す。机に積み上がっていた本も片づける。次の仕事を始めるために。


12月9日(水)

 丸善丸の内本店で本を購入。
●ゲイル・キャリガー『プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)
●ベン・H・ウィンタース『世界の終わりの七日間』(上野元美訳/ハヤカワ・ポケットミステリ)
●ミハイル・ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』(増本浩子・ヴァレリー・グレチュコ訳/新潮文庫)
以上三冊。

 ダンセイニウィスキー&ジョーキンズ: ダンセイニの幻想法螺話(国書刊行会)がAmazon.co.jpなどで予約註文可能になってゐる。予約なのになかなか健闘してゐるので、順位取得スクリプトを作って一時間置きに情報を取得し、グラフを自動的に描くやうに設定して、ときどき眺めて応援してみたりする。

 Abebooks.comで検索して、本を註文。
○Fiona Macleod Three Legends of the Christ Child
○Jeanne Raunay Contes Tunisiens
の二冊。フィオナ・マクラウドの本は、中身はもう読んだことのある作品だが、本としてどんなものなのかと思ひ。後者はマリオ・ラボチェッタの挿絵のために。


12月6日(日)

 また一週間経ってしまった。毎週書いてゐるのは情けないが、今週は分子生物学会で神戸に行ったりして時間がなかったのだといふことにしておかう。

 ロード・ダンセイニ『ウィスキー&ジョーキンズ ダンセイニの幻想法螺話』(国書刊行会)が責了となり、版元サイトに掲載されました。予約受付中です。[国書刊行会, Amazon.co.jp

 十二月五日刊行の図書新聞で『教皇ヒュアキントス』が紹介されました。[図書新聞

 今週買った本。
●イリヤ・トロヤノフ『世界収集家』(浅井晶子訳/早川書房)
●森博嗣『作家の収支』(幻冬舎新書)
この2冊は丸善丸の内本店で。

 Abebooksで検索して、オハイオ州のJoseph F. Scheetz, Antiquarian Booksに、
○Vernon Lee Sister Benvenuta and the Christ Child
を註文。前にもどこかに註文したのだが、結局届かなかったのだ。

 ゾラン・ジヴコヴィッチ『12人の収集家/ティーショップ』(山田順子訳/東京創元社)読了。これは楽しい本だった。12人の変わったものを集める収集家の話は、関係なささうで最後に繋がってゐた。収集家といふのはなぜか間抜けで滑稽に見えると同時に恐怖をもたらす存在でもある。そして、「ティーショップ」は「物語のお茶」を註文した主人公が不思議な体験をする。予定外の駅で降りると大抵不思議な体験をするものだが、この話でも実に奇妙な出来事に遭遇する。その内容はちょっとでも書くと怒られさうだから、出来事の中身はここには書かない。

 森博嗣『作家の収入』(幻冬社新書)読了。もちろん私は小説を出版したことはないから小説家のことは知らないが、原稿料は偉い人も新人も同じとか解説の値段は××円とか何だか私の知ってゐる世界とは違ふやうだ。いろいろ吃驚。そして、書くときに資料は要らないらしい。さらに、書いたものがそのまま完成品とか、羨ましいといふか何といふか。さういふ人は編集者も出版社も要らないんだらう。

 つかいまこと『世界の涯ての夏』(ハヤカワ文庫)読了。牧さんの紹介を読んで読みたくなって。記憶、意識、個とは何かといふ部分で後半急に面白くなる。異世界からまったく異なる存在が侵入してきて、人間の記憶や意識といふ概念を揺さぶる話なのにこんなに短いのは好感を持てる。全体の雰囲気もまた。


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