5月31日(火)

 FMV6866SL7がぶうんぶうんと唸るやうになった。数日前にも異音を発し、いちど停止して中を覗いて見たが何も異常はなくてそのまま戻したら静かになったので、安心してゐたのだが、また唸りだした。あまりにも煩いので殴りつけたら静かになった。そのうち殴っても静かにならなくなって、もう一度中を覗いてみた。すっかり忘れてゐたが、これはハードディスクを増設するときに、取り付け台がなかったので、CDケースか何かを貼りあはせてありあはせの台を作り、それをつかって押さへてゐたのだった。これがずれて共鳴するやうになったのだらうか。嵌め直して起動してみたが、また唸るやうになってしまった。どうにも我慢できない。
 そこで、「貼るだけで3.5"ハードディスクを制振・静音する特殊構造シート(MORE SILENT NOISE DUMPER)」を註文してみた。さらに、いま使ってゐないPowerMac G4を業務に復帰させるときに静かにさせたいので、このシートを二枚、さらに「1KHzから5KHzの音域を中心に電源部の音を静音化するトラップ構造のサイレンサー(MORE SILENT CALMTRAP)」といふのも。これを@nifty.storeに註文。送料が無料になって、合計5497円である。取り寄せ商品なので、時間がかかるかも知れない。この煩さは今すぐ何とかしたい。これでは仕事ができないではないか(と、仕事が進まないのを騒音のせゐにしてみる)。


5月30日(月)

 bk1から、本が届く。松尾洋『バイオプログラミング』(4300円+税/オーム社)[amazon.co.jp, bk1]、デイヴィッド・エディングス『魔術師の城塞』(柿沼瑛子訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]、柴田元幸『アメリカン・ナルシス』(3,200円+税/東京大学出版会)[amazon.co.jp, bk1]、井辻朱美『ファンタジー万華鏡』(2400円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1]、ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟2 天の果実』(酒井昭伸訳/760円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]である。
『タフの方舟2 天の果実』は今、帯の文句が話題の本。まだ1しか読んでゐないから大きな声では云へないが、この本よりもイーガン、チャンの方が面白いのではなからうか。
『アメリカン・ナルシス』をすぐに読みたいと思ひながらも手に取ってしまったのが、『バイオプログラミング』である。楽しさうだ、これは! と思ったら、最初の方に、この本を読むにはC++を多少は知ってゐる必要がある、もし馴染がないのだったら、以下の本を読み給へと書いてあるのを見つけて、気がついたら、その本をbk1に註文してゐた。
●Bjarne Stroustrup『プログラミング言語C++ 第3版』(長尾高弘訳/7000円+税/アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン)[amazon.co.jp, bk1]
●Brian W. Kernighan&Rob Pike『プログラミング作法』(福崎俊博訳/2800円+税/アスキー)[amazon.co.jp, bk1]
●醍醐麻沙夫『アマゾン河の食物誌』(集英社新書/680円+税)[amazon.co.jp, bk1]
 アマゾン河の本はおまけである。しかし、このプログラミングの本二冊で一万円か。近ごろ買ひすぎだといふのに。買っても何も判らないといふ可能性も高いのに。


5月29日(日)

 けふはおとなしくダンセイニの翻訳に勤しまうと思ひながらも、新井潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ』(760円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1]を読んでしまった。面白い。『タイムマシン』の支配階級と労働者階級の分化といふ馴染深い話から、あまりよく知らない『ブリジット・ジョーンズの日記』まで興味深く読む。ナニーとガヴァネスの違ひなど、いろいろ判ってよかったが、自分にはイギリスの英語を聞いたり読んだりしても、まったく階級を示唆する言葉を拾ひ出せないといふことも思ひ知らされる。こんな奴が翻訳をやっていいのかと思ったりもする。そんな訳で、ダンセイニは捗らなかった。


5月28日(土)

 仕事から帰ると東京創元社から本が届いてゐた。ありがたうございました。
☆ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』(大友香奈子訳/760円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1]
☆H・G・ウェルズ『宇宙戦争』(中村融訳/600円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1]
 以上2冊。疲れて気分が沈んでゐるので、どちらを手に取らうかと迷った末に『ジェニーの肖像』を。『宇宙戦争』も小学生のときに初めてSFと意識して読んだSFなので、思ひ出深く、読み始めたら時間がかかってしまふだらうと思ひ、簡単に進みさうな方にした。手に取って読み始めるとすぐに読み終へてしまふわけだが、やはりいい話である。心に染み入り、涙すら零れさうになるのだが、零れる前に私はつい余計なことを考へてしまふ。かういふ結末にならなかったら、ジェニーは逢ふたびにどんどん歳をとって婆さんになってしまったのではないか。さういふ疑問を抱くのが普通ではないか。

 しばらくするとAmazon.co.jpから本が届く。一昨日と昨日、留守の間にやってきて受け取れなかったのだ。Andreas Eschbach The Carpet Makers、Ramsey Campbell Overnight、Lois McMaster Bujold Paladin Of Soulsの3冊。どれも読みたいのだが、読めるだらうか。ビジョルドは無理かな。

 不愉快なことが多く、気分は沈む一方なので、本を註文。まづはbk1に:
●ロバート・ジョーダン『幻竜秘録1 エバウ・ダー脱出』(斉藤伯好訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]
『微生物の分類・同定実験法』(4800円+税/シュプリンガー・フェアラーク東京)[amazon.co.jp, bk1]
の2冊を。ジョーダンはどうして今さらって感じだが、検索してみたら、買ひ逃してゐたことが判ったのだ。読んでゐないと全然気づかない(もしかしたら読んでゐても気づかないかも知れないと思ったのは内緒だ)。そこで、微生物の分類と同定法の本と一緒に。こちらも今さらって感じの本。

 シュプリンガー・フェアラークってドイツの出版社だなと思った次の瞬間、Amazon.deに本を註文してゐた。
○Guillaume de Laubier, Jacques Bosser Die schönsten Bibliotheken der Welt (Knesebeck, €49.90, 10/2003)[amazon.co.jp, Amazon.de]
である。世界の美しい図書館が載ってゐるらしい。ついでに、世界の美しい図書館カレンダーも欲しくなる。
 ああ、送料が€15.50もする! でも、ドイツの本はドイツから送られてきた方が嬉しいかなと思って。

 やはり日本のAmazon.co.jpの方が送料が安くていいなと思ひ直し、ドイツの本も含めて日本店に註文。
○Gabriel Zaid So viele Bücher (Campus Verlag, €14.90, 2/2005)
○Ian R. MacLeod The Light Ages($7.99, Ace, 4/2005)
○Kage Baker The Anvil of the World(Tor, $6.99, 11/2004)
以上3冊。So viele Bücherは書物にまつはるさまざまな話題を書いてゐる本だと思ふがあまり自信はない。何しろドイツ語だからよく読めないのだ。まあ、いいか。The Light Agesは、昨年のWorld Fantasy Award候補作で、Locus Awardsファンタジイ部門第三位の作品。ロバート・ジョーダンやテリー・グッドカインドの愛読者は楽しめないかもしれないが、マイクル・スワンウィックやジョン・クロウリー、チャイナ・ミエヴィルのファンタジイが好きな人は大いに気に入るだらうといふ紹介の文につい惹かれてしまひ。The Anvil of the Worldは、Mythopoeic Awardsの候補作リストで見かけて。

 今日はこれくらゐにしておかう。このまま買ひ続けると破産するかも知れないといふ恐怖が忍び寄ってくる。


5月27日(金)

 昨日、伊藤典夫編『SFベスト201』(1600円+税/新書館)[amazon.co.jp, bk1]が届いたのだった。表紙に驚き、帯の言葉に腰を抜かす。なんぢゃこりゃ。
 中身は作品紹介集。私もいくつか原稿を書いてゐる。

 SFマガジン7月号も昨日届いたのだった。特集は〈ぼくたちのリアル・フィクション2〉で、私の苦手な領域なのでよく判らない。私の得意な領域とは古い作品の世界だ! といふやうなことを202ページのSF BOOK SCENEに書いた。英米の復古出版に関する紹介記事である。

 bk1から、Leonard F.Peruski Jr.&Anne Harwood Peruski『インターネット生物学』(菅原秀明他訳/2500円+税/学会出版センター)[amazon.co.jp, bk1]が届く。地味な感じの本だ。検索結果表示例が古文書みたいな画面なのはなぜだらうか。もっと現代的な雰囲気を出した方がよかったのではないか。ま、大事なのは中身なんですがね。

 眠くて倒れさうなので、bk1に本を註文してみる。
●松尾洋『バイオプログラミング』(4300円+税/オーム社)[amazon.co.jp, bk1]
●デイヴィッド・エディングス『魔術師の城塞』(柿沼瑛子訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]
●柴田元幸『アメリカン・ナルシス』(3,200円+税/東京大学出版会)[amazon.co.jp, bk1]
●井辻朱美『ファンタジー万華鏡』(2400円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1]
●ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟2 天の果実』(酒井昭伸訳/760円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]
 以上5冊。うう、眠い。もう倒れさうだ。ひとまづ休憩だ。


5月26日(木)

 Amazon.deを眺めてゐたら、蔵書とか蒐書とか図書館などに関する本がたくさんあることに気がついた。しかも美しさうな本がいろいろある。欲しい、今すぐ欲しい! と思ってとりあへず二冊註文した。
○Klaus Walter Bücher sammeln (Dtv, €8.00, 11/2004) [amazon.co.jp, amazon.de]
○Susanne von Meiss, Reto Guntli Bücherwelten (€24.95, Gerstenberg, 9/2004) [amazon.co.jp, Amazon.de]
 この頃本を買ひすぎてゐるやうな気がするので、この二冊で我慢する。Bücher sammelnは蒐書に関する本。「人はなぜ本を集めるのか」なんてことが書いてあるらしい。Bücherweltenの方は少し価格が高くて、個人の図書室の写真がたくさん載ってゐさうな気がしたので思ひ切って註文。他にはどんな本があるのかなと思ってクリックしてゐると、次々に面白さうな本が出てくる。ああ、これも買ひたい、あれも読みたい! しかし、問題は私があまりドイツ語が読めないことだらうか。といふ訳で、まづは独和辞典をPowerMac G5にインストール。三省堂の『クラウン独和辞典(EPWING版)』である。現在は品切れらしい。かういふ本を買ふと、もっともっと本が買ひたくなるのが問題である。仕方がない。もっともっと本を買ふことにしよう。


5月25日(水)

『英語を学べばバカになる』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1]読了。英語支配の構造に関する本はいろいろ読んできたので、あまり驚きはないが、欧米の民主主義の違ひなど「アメリカ幻想」こ項は興味深かった。「流行(はやりもの)に乗り遅れて人生を棒に振る人はいないが、流行を追いかけるだけで人生を終える人は多い」といふ言葉には同感である。

 数日前に作ったRSSはどうもうまく機能しない場合もあるやうだ。どう改良すればいいのだらうか。


5月24日(火)

 Amazon.co.jpから、Ethan Cerami XML for Bioinformatics (54.95 Euro, Springer, 3/2005)とS. M. Weiss, N. Indurkhya, T. Zhang, F. Damerau Text Mining (Springer, Euro 69.95, 10/2004)が届く。XML for Bioinformaticsはぱらぱらと捲ってみると実に面白さう。Text Miningの方は、難しくて何だか理解できさうにもない。

『分子科学者がいどむ12の謎』(2200円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1]をざっと読む。分子科学といふ言葉に不信感を抱いてしまってゐたのだが、私が間違ってゐた。実に真っ当な本である。「謎」でないものも多いのだけれど、挑戦する科学の面白さが伝はってくる。付録CD-ROMの動画はちょっと面白い。分子がもにょもにょ動く。

『英語を学べばバカになる』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1]を半分くらゐまで。なるほどさうだと納得できることばかり。日頃感じてゐることを表現してくれると気分がいいといふのは最近よく思ふことである。それなりに何十年も生きてくると、いろいろな智識は溜まってくるのだが、それがばらばらに溜め込まれてゐるだけで、互ひの結びつきが認識できてゐなくて、自分の考へがきちんとまとまってゐないのだ。だから、本でばらばらに得られた智識をまとめるためにまた本を読む。それでいいのだ。


5月23日(月)

 RSSの方は更新日時もちゃんと出るやうになったみたいだ。妙に嬉しくて、たくさん書きたくなってしまふが、これは古典的な日記なので、基本的に一日に一回しか更新してはならないのだ。日記には日付だけ(天気なら可)が項目名であって、題名を付けるなんて日記にあるまじきことだと信じてゐる私は、日々の日記には題名を付けないので、日付が二度書いてあるやうな些かぶざまなRSSフィードが表示される。でも、私は偏屈だからこれでいいのだ。

 bk1に本を註文。
●Leonard F.Peruski Jr.&Anne Harwood Peruski『インターネット生物学』(菅原秀明他訳/2500円+税/学会出版センター)[amazon.co.jp, bk1]
である。よく考へずに註文してしまった。本が届く日が怖い。


5月22日(日)

 『クローン技術の可能性』(水谷淳訳/1,500円+税/日本経済新聞社)[amazon.co.jp, bk1]を何故か読んでしまふ。いささか物足りない感じもするが、この分野の歴史と現状が簡単に判るやうになってゐる。読みやすい。中身はほとんどScientific Americanに掲載されたもののやうだが、こんな短いものばかりだったか。

 bk1から、丸山正明ほか『東工大COE教育改革』(1905円+税/日経BP社)[amazon.co.jp, bk1]が届く。予想してゐたよりも、しっかりした内容だった。さうか、こんなことをやってゐるのか。かういふやり方がいいとは思はないが、何もしないよりはずっといい。

 SafariがRSSフィードを表示できるやうになったので、この日記もRSS配信を開始しようと決意して、作ってみた。Safari最新版の人は、URL欄の右端に青いRSSといふ文字があるから、それをクリックすればRSSフィード表示になる。さうでない方は、左の下の方にRSS2.0といふリンクがあるので、そこでURLを拾っていただきたい。RSS1.0が難しさうだったので、2.0にしてしまひました。さうしたら、何だか時刻の取得がうまくできないやうなんですが。なぜだ。英語表記のGMTぢゃないと読まないらしいと知って、さういふ設定にしたつもりなのだが。日付は拾ってゐるやうだから、まあいいか。細かいところは少しづつ修正していくことにして、まづは試運転といふことで。題名が日付なんで実に殺風景な題名リストになる。私の心を反映してゐるやうで、素晴らしい。


5月21日(土)

 土曜日なので職場から抜け出して床屋へ。少し仕事をしてから、帰宅途中で丸善によって本を購入。オンライン書店でなく現実の書店で本を買ふと、よいところは、綺麗な本を選べる、すぐに持って帰って読める、中身を確認できるなどがあるのに対して、オンライン書店は、重い本でも大量に買ってしまったときでも家まで届けてくれることや、納品書やクレジットカードの記録が残るので自分が毎月どれくらゐ本を買ったのかが家計簿の類ひをつけてゐなくてもちゃんと判るといふことなどがあるだらうと思ってゐたが、今日は書店で棚を見て回ってゐたら、本を手に取ってみて面白さうだなと思ひ後で買はうと一旦元の位置に戻して隣の棚を眺めてゐるうちにさっき欲しかった本が何だったのかどうしても思ひ出せずうろうろと書棚の間を探し回ることになってしまひ、これがオンライン書店ならとりあへず購入の印をつけておいて後で判断すればいいから頭が惚けても安心だなと感じた次第である。何度も書棚をうろうろして買って帰ったのは、
●新井潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ』(760円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1]
●舞城王太郎『阿修羅ガール』(552円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●ケン・ブルーウン『酔いどれ故郷にかえる』(東野さやか訳/740円+税/ハヤカワ・ミステリ文庫)[amazon.co.jp, bk1]
以上三冊。他にも欲しい本を見つけたやうな気がするが、ちょっと場所を離れた間に忘れてしまったので、もう判らない。
『阿修羅ガール』は、三島由紀夫賞受賞作。この文章が読めないとか、これが実際に若者が使ってゐる言葉だとかいろいろ評判になって、その文章がちょっと気になっていた作品で、ちゃうど文庫になったので買ってみた。結構楽しく読んでしまって、途中は現実と幻想(異世界)が錯綜するファンタジイのやうでもありSFのやうでもある展開を見せ、最後には意外に大人しい結末へと収束するのは見事。だが、やはりこの文章は私の頭に馴染まない。意味が判らないなどといふことはない。若い女の子の話し方を導入すればかうなるしかないのだらう。所謂「ら抜き言葉」も仕方がないか。感嘆符や疑問符の後ろにはもう少し空白を入れて欲しいものだ。でも、読んだことは後悔してゐない。
『不機嫌なメアリー・ポピンズ』は、〈イギリス小説と映画から読む「階級」〉といふ副題があって、イギリスの階級の話はもういいかなと思ってゐたのだが、取り上げられてゐる作品が読んだことのあるものとか関心のあるものが多かったので、買ふことにした。ここで取り上げられてゐる作品は別館のページに記しておいた。
『酔いどれ故郷にかえる』は、「本と酒が友の探偵」といふ言葉に惹かれて第一巻を買ったものの、まだ全然読んでゐない。二巻目は「英国で悪習を覚えて帰郷した途端、連続殺人に巻き込まれる」話らしい。最初の話をまづ読まなければ。

 家に帰ったら本が届いてゐた。

 早川書房から、
ロバート・アスプリン&ジョディ・リン・ナイ『大魔術師対10人の女怪!』(矢口悟訳/780円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]
が、東京創元社から、
エドモンド・ハミルトン『宇宙囚人船の反乱/異次元侵攻軍迫る!』(野田昌宏訳/1100円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1]
が届いた。ありがたうございました。

 bk1からは、シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』(大久保譲訳/2,200円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1]、エドマンド・スペンサー『妖精の女王 2』(和田勇一・福田昇八訳/1400円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1]、伊藤秀雄編『明治探偵冒険小説集2 快楽亭ブラック集』(1300円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1]、ウィリアム・C・ディーツ『天空の秘宝』(斉藤伯好訳/740円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]、薬師院仁志『英語を学べばバカになる』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1]、サイエンティフィック・アメリカン編『クローン技術の可能性』(水谷淳訳/1,500円+税/日本経済新聞社)[amazon.co.jp, bk1]が届いてゐた。何だか急に机の上が本でいっぱいになっていく。

 Amazon.co.jpからは、Lord Dunsany The Collected Jorkens - Vol. III (Night Shade Books, $35.00, 4/2005)が届いてゐた。やっと来た。

 たくさん本が届くとたくさん本が読みたくなってしまふ。まあ、読むために買ふのだからいいだらう。


5月20日(金)

 bk1から、『分子科学者がいどむ12の謎』(2200円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1]と北原保雄編『問題な日本語』(800円+税/大修館書店)[amazon.co.jp, bk1]が届く。『問題な日本語』をついふらふらと読んでしまった。面白くなかった。各項目が最後には、その語法が正しいかどうか、使ふべきかどうかで終へられてゐるのだ最大の原因である。もちろん、さういふ指針を求めて買ふ人もゐるのだらうから、決して無意味ではないに違ひないのだが、私にとっては興醒めである。それがどういふ経緯でいつごろから使はれるやうになったかを示してくれれば十分であり、使ふかどうかは自分で決めたいといふことだ。


5月19日(木)

 bk1から、大場建治『シェイクスピアの墓を暴く女』(700円+税/集英社新書)[amazon.co.jp, bk1]と『遺伝子組換え作物』(貝沼圭二訳監修/1800円+税/学会出版センター)[amazon.co.jp, bk1]が届く。流石に今日は読めない。

 職場のXserveにBLASTをインストールした。ちゃんと動いた。前には完全に動かなかったWWWBLASTもきちんと動いた。嬉しい。となると、次はXgridでせう。当然、XgridでBLASTでせう。さうでせう? 当然でせう? で、早速ダウンロードして使はうとしたら、β版はもうなくなってゐて、どうやら今はXgrid controllerはMacOSX Server 10.4にのみ入ってゐるやうなのだ。他は皆クライアントにしかならないといふことのやう。何だ、つまらない。不愉快である。悔しいので、MacOSX Server 10.4を註文。もちろん、職場で。自宅ではXgridは使はないのではないか。BLASTを使ふわけでもなく。

 Xgridでがっかりしても、bk1に本は註文する。
●丸山正明ほか『東工大COE教育改革』(1905円+税/日経BP社)[amazon.co.jp, bk1]
 本当かなあ、と思ひつつ註文してしまった。これは流石に一晩では読めない。〈できる研究開発者を育成する〉などといふ副題が些か胡散臭く感じられるが、まあ、どうでもいいことである。


5月18日(水)

 眠い。とにかく眠い。といふことで、とりあへず本の註文だけして寝よう。bk1に。
●薬師院仁志『英語を学べばバカになる』(720円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1]
●サイエンティフィック・アメリカン編『クローン技術の可能性』(水谷淳訳/1,500円+税/日本経済新聞社)[amazon.co.jp, bk1]
〈グローバル思考という妄想〉といふ副題があり、帯には「なぜ日本人は英語ベタか? それはそもそも英語が必要ないからである」と書いてある。まったくそのとほりだと思ふ。おそらくこれを買って読んでも、私はまったくそのとほり! と思ふだけなのかも知れないが、それでも、私はこの本を買はう。 
 この〈科学の最前線〉といふ叢書は新しく始まったものだらうか。番号が一〜三番で同時に出たからさうなんだらう。基本的な話だけだと退屈しさうだが、目次を見るといろいろな人が書いてゐて、もしかしたら、Scientific Americanからの論文をテーマ別に集めたものか。それならいいのだが。私は嬉しいが、もしさうなら売れないんぢゃないだらうか。

 この二冊を選んで註文手続をしようとしたら、11日に註文したつもりになってゐた四冊が買い物カゴに入ってゐた。あれ? まだ註文したことになってゐなかったのか。道理でなかなか出荷されない訳だ。でも何だか変だ。納得できない。


5月17日(火)

 bk1に本を註文。
『分子科学者がいどむ12の謎』(2200円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1]
●北原保雄編『問題な日本語』(800円+税/大修館書店)[amazon.co.jp, bk1]
以上二冊。結局『問題な日本語』は買ってしまった。かういふのは好きではないなどと偉いさうなことを云ってゐたくせに。分子科学の本は、「生物が重金属の毒性を避けるしくみを探る、光合成を人工的に実現させる等」の謎に挑む人たちの話らしい。前者は謎かも知れないが、後者は謎ではないと思ふ。

 Amazon.co.jpにも本を註文。
○Andreas Eschbach The Carpet Makers (Tor Books, $24.95, 4/2005)
○Ramsey Campbell Overnight (Tor Books, $24.95, 4/2005)
○Lois McMaster Bujold Paladin Of Souls ($7.99, Harper Torch, 5/2005)
エシュバッハのデビュー長篇は二週間前くらゐに出た英訳本。原書はドイツで1995年刊行。ドイツ語はよく読めないので、英訳で我慢する。日本語訳が出ればもっと読みやすいのだが。Overnightは、幽霊書店の話。この4月に出たTor Books版は実は再刊なのだが、ちゃうど一年くらゐ前に出たPS Publishing版は12000円もしてちょっと買ひづらかった。今度のTor版なら私でも購入可能な価格である。幽霊書店といふと、古ぼけた古本屋が相応しい感じがするが、ここに登場するのは明るく現代的なアメリカの書店。そこで奇妙なことが起こるといふ(まだ読んでゐないからよく知らないが)。ビジョルドのは今年のネビュラ賞受賞作品。読まないとは思ふけれども、念のために買ってみた。


5月16日(月)

 Arabian Wineを読み始める。題名は珈琲を意味してゐる。1609年のヴェニスを舞台にした珈琲と蒸気機関の物語らしい。200ページに満たないのに$50.00といふ価格の高さに驚愕したのだが、限定300部で著者の署名入りだった。私はあまりさういふことには興味がないので、廉価版でいいのに。

 Amazon.co.jpから、Guide to Effective Grant Writing: How to Write a Successful Nih Grant Applicationが届く。題名通りの内容。面白いとか面白くないとか、さういふことは別にない本。


5月15日(日)

 昨日、仕事の帰りに買ったNetwork Magazineをぱらぱら捲ってみる。興味があったのは「Mac miniによる本格サーバ構築術」といふ記事。ますますMac miniを何台か買ってXgridをインストールしてみたくなってしまふ。他に、「モバイルブロードバンドはここまで来た!」を眺めてみたり。

 Finkのアップデートでエラーが頻出してなかなか更新できず苛立ってゐたら、何と日本語入力ができなくなってゐることに気がついた。何といふことだ! いろいろアップデータした後に、いちどkinput2を削除して再インストール。これにはEasyPackageを利用。すると呆気なくまた日本語入力ができるやうになってゐた。日本語入力の確認をしてゐたら、EBViewでも日本語入力ができるではないか。嬉しい。スクリーンショットを撮って、ここに状況を掲載するとともに、EBViewの製作者の方に喜びの報告をする。
 他に、長い間使へない状態だったEMBOSS-Kaptainが不完全ながら動くやうになってゐるやうだ。これもちょっと嬉しいが、まあ自宅ではあまり遺伝子解析はしないので、今さら動くやうになっても……といふ気もする。といっても、今日の午前中は、PHPを利用して1500塩基くらゐの配列を1行60づつに区切って、そこで制限酵素で切断される箇所に色をつけて表示させる際に、行を跨いでゐる認識配列をどう認識させて色をつけるかが気になって仕方がなく、ついスクリプトをいぢってしまったから、自宅で遺伝子解析をしないとも限らない。

 制限酵素のことばかり考へてゐる訳にもいかないので、『ダ・ヴィンチ・コード(下)』[Amazon, bk1]の続きを読んで、読了。面白いのではあるが、謎を解いては次の場所へ移動するのを繰り返してゐるので、息詰まるオリエンテーリングを読んでゐるやう。とにかく、これでいつThe Va Dinci Codが来ても大丈夫だが、まだ来ないのか。早く来ないと『ダ・ヴィンチ・コード』を忘れてしまふではないか。私の記憶力は極めて弱いのである。

 さて、これで安心して翻訳に取り掛かれると思ったのに、気がついたら『シェークスピアは誰ですか』[amazon.co.jp, bk1]を読んでゐた。計量文献学の紹介である。文章の数量的な解析で著者を推定したり時代とともに変化する文体を分析したりするのである。実に面白い。最後まで一気に読んでしまったではないか。この本の中に出てきた本が欲しくなり思はずbk1に註文。
●大場建治『シェイクスピアの墓を暴く女』(700円+税/集英社新書)[amazon.co.jp, bk1]
『遺伝子組換え作物』(貝沼圭二訳監修/1800円+税/学会出版センター)[amazon.co.jp, bk1]
 シェイクスピアの方は2002年10月刊行の本で、シェイクスピアはフランシス・ベーコンだったといふ説を主張し、熱心さのあまり精神的にをかしくなってしまってシェイクスピアの墓を暴かうとした人の話。これは、『文学刑事サーズデイ・ネクスト』[amazon.co.jp, bk1]を読むときにもなかなかいいなと思ったが些か遅すぎたか。組換え作物は計量文献学とは何の関係もない。

 ダンセイニの翻訳をやらうと思ったらもう夜だ。困ったものだ。

 ああ、そろそろ寝ようかといふ頃になって気づいたのだが、何とBookViewも日本語が入力できるやうになってゐるではないか。嬉しいではないか。記念のスクリーンショットも撮った。さて、寝ようか。


5月14日(土)

 Amazon.co.jpに本を註文。
○Ethan Cerami XML for Bioinformatics (54.95 Euro, Springer, 3/2005)
○S. M. Weiss, N. Indurkhya, T. Zhang, F. Damerau Text Mining (Springer, Euro 69.95, 10/2004)
以上二冊だが、両方で15000円である。高い。しかも、難しくて私には全然役立たない可能性大である。目次や見本のページを確認してみたらやはり難しさうだった。それでも我慢できないのは、本を開くとそこには総ての問題を解決する万能の呪文が書かれてゐるやうな錯覚に心が満たされてゐるからだ。今までに何百冊といふ本を買ってそこには万能の呪文は記されてゐないのに、何だか次には素晴らしい万能の言葉が記されてゐて、夢にやうな世界が開けるやうな気がしてしまふのはなぜだらうか。理性では理解してゐるのに、我慢できないのはなぜだらうか。もちろん、それら数百冊の本はそれなりに役立つものもあったのだが、魔法の言葉が記されてゐる訳ではない。博打が止められない人はこんな感覚なのだらうか。次こそ魔法のやうな当りが来て大金持ちになれさうな。それでも構ふまい。私は今日も明日も魔法の万能の言葉を求めて本を買ふのだ。


5月13日(金)

 『ダ・ヴィンチ・コード(下)』[Amazon, bk1]を読み進めると、なんだこれもマグダラのマリアの話だったんだと判った。『マグダラのマリア』[amazon.co.jp, bk1]をつい先日読んだばかりなので、妙にすらすらと話が頭に入ってしまふ。すらすら入りすぎて些か物足りなかったりする。

 Amazon.co.jpに本を註文。
○Lord Dunsany Dreizehn bei Tisch (EUR 4.31, 8/2005)
○Jeffrey Ford The Girl in the Glass ($23.95, William Morrow & Company, 8/2005)
以上二点。両方とも八月発売予定の商品である。ダンセイニはAudio-CDの表示がある。「食卓の十三人」の朗読? 品物が届いてもドイツ語なのでどういふものか判らない可能性がある。とにかく試しに買ってみよう。後者はフォードの新作長篇。幻想味はかなり薄い。ファンタジイとして売るのは難しいかも。話は面白いのだが、残念。


5月12日(木)

 ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード(上)』[Amazon, bk1]読了。面白いのではあるが、いくら隠してあるものを見つけても次の指示が書かれてゐるだけなのには苛立ってしまふ。気が短いのだ。それでも、上巻が終はり明朝から次巻に突入だ。しかし、今は眠い。とにかく眠い。ゆっくり寝たい。


5月11日(水)

 bk1に本を註文。
●シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』(大久保譲訳/2,200円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1
●エドマンド・スペンサー『妖精の女王 2』(和田勇一・福田昇八訳/1400円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●伊藤秀雄編『明治探偵冒険小説集2 快楽亭ブラック集』(1300円+税/ちくま文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●ウィリアム・C・ディーツ『天空の秘宝』(斉藤伯好訳/740円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]
以上四冊。スタージョンである。これは買はねば。ウィリアム・C・ディーツの名前は全然覚えてゐなかったが、『戦闘機甲兵団レギオン (上・下)』(ハヤカワ文庫SF)なんてものが出てゐたのだった。今回はどうやら賞金稼ぎの話らしいのでつい註文してしまった。レズニック好きの私は、実は賞金稼ぎの話が好きなのだ。〈明治探偵冒険小説集〉は全巻揃へたくなるが、今日は我慢して快楽亭ブラックの巻のみ。


5月10日(火)

 内田百閒『第一阿房列車』[amazon.co.jp, bk1]読了。途中、全集版で歴史的仮名遣ひを混ぜながら。歴史的仮名遣ひがいいと云っても、今回買った新潮文庫がなければ読めなかっただらうと思ふ。全集だけでは通勤時に読めない。さうすると、全集を一冊読むのに何日もかかる。それが我慢できない。気が短いのだ。一冊の本に何日も何日もかけるのが我慢できないので、私の洋書の読了率が悪いのはそのせゐだらう。途中で嫌になってしまふ。それにしても、この百閒の文章は面白い。何が面白いのかよく判らないが面白い。目的もなく列車に乗ってゐるだけなのに。遅くなってしまったので、もう寝よう。


5月9日(月)

 bk1から、松本晃一『アマゾンの秘密』(1,500円+税/ダイヤモンド社)[amazon.co.jp, bk1]が届く。読んでしまった。
 これは2000年11月のアマゾン日本進出の前後凡そ二年間の話である。カスタマー・レビューとか検索システムの話は当然のことながら興味深い。bk1や、今はなきBOL Japanのことをどう捉へてゐたのかといふことも。
 先日読んだ『アマゾン・ドット・コムの光と影』(1,600円+税/情報センター出版局)[amazon.co.jp, bk1]とは全く反対の立場の人たちの話であるのも、読み比べてみると面白い。
 どんなものでも、変化の激しい時代に新しいものを作っていくといふことは実に面白いことなのだ。好き嫌ひはまた別の話だが。

 今日は初めてSafariのRSSリーダー機能で自分の備忘録ブログを読んでみた。へええ、こんなふうに表示されるのか。予想以上に使ひやすい。尤も、私にとってはの話であって、他の人がどう感じるかは全く判らない。このページもRSS機能搭載を目指してゐたのにいつの間にか作る気をなくしてゐた。何とかしてみたいものである。何とかしよう。


5月8日(日)

 あああ、また本を読んでしまった。もう連休も最終日だといふのに。読んでしまったのは、長山靖生『いっしょに暮らす。』[amazon.co.jp, bk1]である。日本の社会で人と一緒に暮らすとはどういふことであるか、どういふことであったのかが記されてゐる。明治大正の文豪の文章を引用しながら歴史を読むのは興味深いが、今どうしたらいいのかはよく判らない(別に悩んでゐるわけでもないが)。かういふのは、著者が自ら云ふやうに人間関係が苦手だからこそ、客観的に書けるのだらう。ここまで外から冷静に記すのは、さういふ人でないと無理なのだらう。

 百閒の『第一阿房列車』[amazon.co.jp, bk1]を読んでゐてちょっと驚いたのは、昭和27年なのに平然と水菓子屋などといふ言葉を使ってゐること。まだ日常的に使はれてゐたのだらうか。それから、何といっても「真っ直ぐい」といふ言葉。なんだこりゃ。

 のんびり阿房列車に乗ってゐる場合ではない。といふことで、ダンセイニのゲラを封筒に入れてみる。ちゃうどいい封筒がないなあ。厚紙で補強して封をして、発送は明日だ。
 刊行は九月頃らしい。


5月7日(土)

 今日は土曜日でいつもは出勤するのだが、本来は休みの日なので家を出ずにダンセイニに向かふ。机の前の椅子に坐ってゲラに手を伸ばしたら古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』[amazon.co.jp, bk1]に手がぶつかって床に落ちた本を手に取ったら読んでしまった。無人島に置き去りにされた犬がそこで増えて犬の帝国を気づく話かと思ってゐたら、全く違った。四頭の犬とその子孫の流れを中心に描かれる現代戦争史だった。不思議に引き込まれてしまった。私が途中で本をおけなかったのは私の意思の弱さよりも、この作品の文章の力強さのせゐである。

 ダンセイニのゲラにいよいよ取りかからうとしたら何ものかが我が家を訪問して来たではないか。誰かと思って出てみると宅配便だ。Amazon.co.jpから、長山靖生『いっしょに暮らす。』(ちくま新書/720円+税)[amazon.co.jp, bk1]、内田百閒『第一阿房列車』[amazon.co.jp, bk1]、『第二阿房列車』[amazon.co.jp, bk1]、『第三阿房列車』[amazon.co.jp, bk1]が届いたのである。百閒の本をこのまま書棚に収めることはできない。ちょっと中身を確認するくらゐならいいだらう。それにしても、百閒のヘの字の口は実に偏屈さうでよいと思ふ。私はずっとヘの字の口はよくないものだと信じてゐたのだが、やはり偏屈になるには口はヘの字でなければ。私もこれから躊躇ふことなく口はヘの字にしよう。と、口をヘの字にしてページを開いたらこれが予想どほり面白い。冒頭の特別阿房列車を読み終へてしまった。面白いと同時に、どうしてこんなに面白い百閒を現代仮名遣ひで読んでゐるのだらうかと不愉快になってきた。そもそも、電車の中などで全集本を手に持つのが重いから新字新仮名の百閒を買ったのだ。家で机に向かってこんなものを読む理由は全くないではないか。といふことで、書棚から百閒全集の第七巻(昭和47年の講談社版)を持ってきて続きを読む。これで、新潮文庫版を読んだことにしよう。

 いつまでも百閒を読んでゐる場合ではない。今日はダンセイニの日ぢゃないかと思った瞬間、bk1から、ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード(上・下)』[上 Amazon, bk1/下 Amazon, bk1]が、Amazon.co.jpから、群ようこ『贅沢貧乏のマリア』[amazon.co.jp, bk1]、森茉莉『貧乏サヴァラン』[amazon.co.jp, bk1]、森茉莉『父の帽子』[amazon.co.jp, bk1]が届く。これは私に仕事をさせまいといふ国家的、いや国際的陰謀に他ならないなどといふ訳はなくて、私が註文したから本が届いただけである。それくらゐのことは判ってゐる。

 で、手に取ったのが『贅沢貧乏のマリア』[amazon.co.jp, bk1]だ。この頃、読んでゐなかったが、群ようこといふ人の文章は面白い。本書も例外ではない。自分の可笑しな話がいつの間にか森茉莉の話になっていくところは見事である。これを読めばもちろん森茉莉の作品が読みたくなる。さう思ってちゃんと二冊註文しておいたのだ。しかし、『贅沢貧乏のマリア』で引用されてゐる森茉莉の文章は総て歴史的仮名遣ひである。今日届いた二冊はどちらも現代仮名遣ひである。何だか騙されたやうな気分だ。やはり筑摩書房版の森茉莉全集を買って読んだ方がいいのだらうか。森茉莉は歴史的仮名遣ひで読むことにしようと心に決めて、今日の二冊には済まないねと謝りつつ、書棚に収まってもらふことした。

 Adams Roberts The Va Dinci Codが届く前に、『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでおかねばと思って窓の外を見たらもう真っ暗である。さういへば、夕食も終へて風呂に入らうとしてゐるのはなぜだらう。いつもは出勤する土曜日に一日家にゐた理由は何だったのだらうか。とりあへず、風呂入って寝ようか。


5月6日(金)

 Amazon.co.jpに本を註文。
○E. Datlow, K. Link, G. Grant (ed) The Year s Best Fantasy And Horror Eighteenth Annual Collection ($19.95, St. Martins Griffin, 8/2005)
忘れないうちに予約註文しておかうといふことで。

 帰宅途中で雨が激しくなる。そこで、普段は乗らない電車に乗って帰ることにして、切符を買ってホームに上がるとちゃうど普通列車は出たばかり。ああ8分も待つのかと思って鞄の中を見たら本が入ってゐない。今日は本を持って来なかったのか! 8分あればどれだけ本が読めたことか。さらに、二駅先の下車駅までの6分間も合はせれば14分間も本が読めたのに。さっきぼうっと乗ってゐた地下鉄の乗車時間も合はせれば20分も本が読めたのに。今日は大損した気分である。


5月5日(木)

 朝からダンセイニのゲラ。ちょっと一休みしようと思って本を手に取ったら、気がつくと波平恵美子『からだの文化人類学』(1600円+税/大修館書店)[amazon.co.jp, bk1]を読み終へてゐた。あまり考へたことのないことなのでいろいろ興味深かった。摂食障害のあたりはそれほどでもなかったが、特に第七章の「靖国の死なない兵士たち」は面白かった。なるほど、兵士は死んでも軍隊に所属してゐなければならないのか。

 気を取り直してダンセイニのゲラに向かふ。しかし、人は追ひつめられると読書をしてしまふものである。さういふ生き物なのである。これに抗ふにはよほど意思が強くなければならないが、残念なことに私は意思が弱いのだ。一休みしようと再び本を手に取ったらまた読み終へてしまったのだ。『アマゾン・ドット・コムの光と影』(1,600円+税/情報センター出版局)[amazon.co.jp, bk1]である。これは本の話ではない。何しろ本が好きな人が全然出てこないのだ。本などほとんど読まない人ばかりが登場する。本を読むのは著者だけなのである。つまり、本書は『しのびよるネオ階級社会』(740円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1]と同じような「現在日本中で進行している労働現場階層化の実態」を明らかにする本なのだから。もちろん、書店のあり方とか時代とともに変化する書店の姿を考へることもできるが。
 この本の巻末にはインターネット書店年譜があって、そこには図書館流通センターのオンライン書店のことが載ってゐないのだが、1995年から一般向けの書籍販売をインターネット上で始めてゐたはづだ。私の電子メール受信簿には1997年の発送通知メールが残ってゐる。Amazon.co.jpよりもずっと早い。後に、この一般向け書籍販売はbk1へと引き継がれた。1995年といふと、やっとWWWでの日本語表示が可能になったころで、私は文字コードの設定が判らなくて、図書館流通センターの人に日本語の表示方法を教へてくださいといふメールを出したことがあるのだ。すぐに、Macのことはよく判りませんが……で始まる丁寧な返事を受け取った。もう10年も前のことなのか。

 昔のことを思ひ出してゐたら、気がつくとbk1に本を註文してゐた。
●松本晃一『アマゾンの秘密』(1,500円+税/ダイヤモンド社)[amazon.co.jp, bk1]
 これはアマゾン川流域に住む謎の生き物の正体を明らかにする書物ではなく、もちろんAmazon.co.jpの話である。

 こんなことばかりしてゐてはいけないとダンセイニのゲラに全神経を集中させる。この頃気づいたのだが、私に足りないものはいろいろあるが、一番欠けてゐるものは集中力であらう。ふと気がついたらAmazon.co.jpに本を註文してゐたのだ。
○Adams Roberts The Va Dinci Cod (Gollancz, £6.99, 4/2005)
○Robert Charles Wilson Spin ($17.13, Tor Books , 4/2005)
○Lois McMaster Bujold The Curse of Chalion ($7.99, Harper Torch, 10/2002)
の三冊である。The Va Dinci Codは昨日読みたいと書いた、あれ。二冊目はロバート・チャールズ・ウィルスンの新作。地球が袋に入れられてしまふ話らしい。三冊目はネビュラ賞を受賞したLois McMaster Bujold Paladin Of Souls ($7.99, Harper Torch, 5/2005)の前編。あ、512ページもあるのか、絶対に読まないだらう。どうして、Paladin Of Soulsも一緒に註文しなかったのだらう。

 あああっ、絶対に読まないだらうなんて本を註文してゐる暇があったらダンセイニのゲラに取り組みななければ!

 でも、そろそろ今日は寝ようかな。明日は休みぢゃないから。


5月4日(水)

 恩田陸『小説以外』(1500円+税/新潮社)[amazon, bk1]読了。とにかく麦酒を飲んで本を読んで小説を書いてゐる。読み終へるともっともっと本を買って本を読まうといふ気分になってくるところが素晴らしい。今日から(今までもさうかも知れないけど)本を買って本を読むぞ!

 仕事もしなければならないので、SFマガジンの原稿を読み返してから、送信。楽しく書いてしまったのだが、大丈夫だらうか。些か不安である。

 『江戸東京の噂話』(1,800円+税/大修館書店)[amazon.co.jp, bk1]をうっかり読んでしまった。江戸時代から現代までの都市伝説の歴史みたいな感じで面白い。「はじめに」を読んだときには、「川向かう」の本所深川といふ異空間の話だとばかり思ったのだが、本所深川はどうなってしまったのだらう。読み終へて少々物足りない感じがするのはその辺りのせゐか。それから、何の説明もなく「大川」といふ名称を使ってゐるが、今の人たちに通じるのだらうか。

 部屋の片づけや書棚の埃掃除などしてゐたら、棚が外れて傾いてゐるところや背面の板が外れてゐるところをまた発見してしまった。書棚の背面は引越の時まで手を付けられないだらう。

 bk1に本を註文
●ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード(上)』(越前敏弥訳/1800円+税/角川書店)[Amazon, bk1]
●ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード(下)』(越前敏弥訳/1800円+税/角川書店)[Amazon, bk1]
 どうして今さらこんなものを買ったのかといふと、Adams Roberts The Va Dinci Cod (Gollancz, £6.99, 4/2005)が読みたかったからである。紹介を読むと面白さうなのだが、やはりこれは『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでゐないとその可笑しさが判らないやうなのだ。といふことで、思ひ切って註文してみた。

 こんなことばかりしてはゐられない。ダンセイニのゲラもちゃんと見る。


5月3日(火)

 MacOSX 10.4の検索機能Spotlightは確かに便利だ。今までのMacOSの検索機能がほとんど役立たなかったのに、これは実用になる。そのおかげで、一生懸命探してゐた昔書いた原稿がないことがはっきり判った。
 Mac miniでEMBOSS-GUIがいつの間にか使へるやうになってゐた。10.4になったせゐかどうかは判らないが、ちょっと嬉しい。

 朝からSFマガジンの原稿。World SF in a Boxの中のSF Booksceneといふ欄。私の担当は年に一回。夕方には規定枚数に達してしまひ、規定枚数に達したといふことで終はりの言葉を書いて終了させたので終はってしまった。何だこの原稿は! と怒られるだらうか。ま、続きはまた来年だ。
 原稿を書くために古い本を新たな装ひで刊行する叢書を調べてゐたら、次々と欲しい本が見つかってしまった。困ったものだ。どんな本かは、別館の方で。


5月2日(月)

 今日は本も届かず、註文もしない。たまには休まないと家計に悪さうだ。

 Googleで「プラチナ・ファンタジイ」と打ちこんで検索すると私のプラチナ・ファンタジイのページが一位で出てくることに気がついた。「MacOSX + Apache2」で検索すると私のMacOSXにApache2とMySQL4とPHP5とTomcat5をインストールするページが一位に出てくることに気がついた。なかなか頑張ってゐるやうなので、もう少しこまめに世話をしてやらねばと思った。この頃、放置してゐたから。


5月1日(日)

『「心理テスト」はウソでした。』(1500円+税/日経BP社)[amazon.co.jp, bk1]読了。血液型性格判断については嘘っぱちだと思ってゐても、かういふ文献として情報を確保しておくと安心である。「万能心理テスト」の項は特に興味深い。如何に人が信じたいことしか信じないかがよく判るし、それを利用すると簡単に人を騙せることが判る。後半はもっと興味深いがちょっと困ったりする。

 のんびり本を読んでゐる場合ではなかった! ダンセイニのゲラに目を通さねばと思ってゐたところに、bk1から本が到着。嶋本伸雄編『ナノバイオ入門』(2,000円+税/サイエンス社)[amazon, bk1]と恩田陸『小説以外』(1500円+税/新潮社)[amazon, bk1]である。今は恩田陸を読んでゐる暇はないからと我慢する。ナノバイオは仕事だからと云ひ訳をして手に取って読みさうになるのを我慢する。

 今はダンセイニのゲラに取り組む時間だと思ひながら机の上を見ると、先ほど郵便受けから持ってきた書籍小包が二つ。早川書房から届いた二冊である。
ジョン・クリストファー『トリポッド4 凱歌』(中原尚哉訳/640円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]
ピアズ・アンソニイ『ナーダ王女の憂鬱』(山田順子訳/920円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]
の二冊である。トリポッドは中原さんから。ありがたうございました。四冊の表紙、はやく繋いでみなければ。

 小包を開けてゐたら疲れてしまったので、Amazon.co.jpに本を註文。
●長山靖生『いっしょに暮らす。』(ちくま新書/720円+税)[amazon.co.jp, bk1]
●内田百閒『第一阿房列車』(新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●内田百閒『第二阿房列車』(新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●内田百閒『第三阿房列車』(新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1]
以上四冊。
『いっしょに暮らす。』は、『「人間嫌い」の言い分』[amazon.co.jp, bk1]が面白かったので買ってみた。また偏屈な人たちが登場するだらうか。『阿房列車』は偏屈な内田百閒の鉄道随筆集。全集で持ってゐるのだけれど、大きくて重いので、軽い文庫判のものも手元に欲しいと思ひ註文。本当は現代仮名遣ひの百閒なんか読みたくないと云ひたいところなのだが、歳を取ったせゐか、重い本を持つのがつらくなってきたのだった。

 さて、いよいよダンセイニだと思って、PowerMac G5の前でゲラを広げたのだが、やはりインストールしたばかりのMacOX 10.4が気になる。Spotlightで全然検索できないぢゃないかっと怒り狂ったら索引の作成が15時間くらゐたっても終はってゐなかったとか、Apache2が動かなくなってゐたので、httpd-2.0.54をインストールしてみたが解決せず、expatとかlibxmlとかをsourceからコンパイルしてインストールし直してやうやく動くやうになったとか、気がついたらもう夜遅いではないか。明日は休みではないのでもう寝よう。

 ちなみに、索引の作成が終はったSpotlightを使ってDunsanyで検索してみると、326個のファイルやフォルダ、メールが見つかった。索引作成にはほぼまる一日かかったが、検索は一瞬である。


最新の日記に戻る